ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α7at EROPARO
ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α7 - 暇つぶし2ch397:Deus ex machina
08/03/20 15:13:57 hEDPViYL
空高く聳える超高層ビル群。
その間を縫う用に地上にも空中にも、無数のホバーカーが走り、それらの中でせっせと“人間の真似事”をするロボット達。
彼らは500年もの間、人間の復活の時を夢見、ただ盲目的に社会を築き上げ、そして壮大な人類シミュレートを続けてきたのだ。
だが、彼らの努力もここに来て、ようやく完結の兆しを見せ始めていた。サエコの目覚めは、人間を切に求め続ける彼らロボットの、希望の光なのだ。
ただ、一体を除き…
「高速道に入りますので席に着き、ベルトをしてください」
メリーの瞳は漆黒のグラスの下で、小刻みに振動していた。
彼女だけは、サエコの復活を急いだデックのやり方に、未だ不審感を拭えなかったのだ。
いや…彼女はそれ以前、もっと根本的な所に不自然さを感じていた。
「…(人間を復活させれば、本当に我々は破滅を免れるのか?…そもそも、なぜ人間は滅びたのだ)…?」
メリーの思考は、彼女の筐体に内臓される自動防御システムによって中断された。

『やぁメリー、君から僕に通信をよこすなんて…』
「何のマネだデック」
突然キツイ口調で喋り出したメリーに驚き、サエコは外の光景を覗くのを中断する。
「何今の声、アンタのコレ?」
やらしい笑みを浮かべながら小指を立てるサエコを無視し、メリーは独り言のように通話を続けた。
相手は政治家ロボットのデックだ。
『何か君の気に触る事でもしたかな?』
「惚けるな、上空1,200mから高性能観測機が私の車両を監視している…私を信用していないという事か?」
「観測機?」
サエコは窓から頭だけ出して上空を見上げるが、当然影すら見つける事はできない。
だが、自身に内蔵された高感度広域センサーのみならず、都市中に設置されたレーダー設備や軌道衛星にすらリンク可能なメリーの防御システムには、はるか1,200m上空から高倍率観測カメラを自分達に向け、監視している観測機の姿がハッキリと映し出されていた。
世界政府機構の情報統括司令室で、観測機からの映像を見つめていたデックは苦笑いしつつ答えた。
「あはは、お見通しだったか…君の事は誰よりも信頼しているよ。これは一種のパフォーマンスだよ」
『パフォーマンスだと?』
メリーの声には明らかに苛立ちが混じっている。
『サエコの動向は、僕ら全てのロボットにとって非常に興味深い事項だからね、君達の行動を全世界ネットで放送するんだ』
「まじで!?アイドルっぽくね?」
上機嫌なサエコに反し、メリーの表情は益々不愉快そうだ。
「忘れたかデック、私は“覗かれる”のが嫌いだ」
そう一言言い捨てるとメリーは通信を遮断し、右太もものショルダーホルスターからブラスターを抜くと、片腕だけ窓から出し上空に向けて引き金を引いた。
突然派手な銃声が鳴り響いたため、サエコは面食らった様子だ。
「なになになになにしちゃってんのいきなり!」
「失礼いたしました、すぐに学校へ向かいます」

メリーの最後の通信の後、彼女の車両の窓から片腕が伸び、一瞬閃光が輝いのを確認して2秒後、突然映像は砂嵐のように乱れて途切れてしまった。
「観測機被弾、カメラ損傷の為撮影続行不可能」
「…怒らせてしまったな」
オペレートロボットからの報告を聞きながら、デックは少々苦笑いした。



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