ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α7at EROPARO
ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α7 - 暇つぶし2ch283:名無しさん@ピンキー
08/02/21 01:46:03 N2mw7hFo
URLリンク(www.roboko.jp)
右の方だな。まさに幻の名作

284:名無しさん@ピンキー
08/02/21 08:50:34 pOyxgf15
>メカ兄貴
宇宙鉄人キョーダインを思いだした。
あれのリメイクで、主人公が兄弟ではなく、姉妹なのを見たい

285:名無しさん@ピンキー
08/02/21 09:36:27 fAkrqBuO
【鋼鐵処女 シマイン】とか
完全に大きなお友達向けだな

286:名無しさん@ピンキー
08/02/21 10:46:12 VwlfsdVS
>>285

シーマイン、ってのがあった気がする。

287:名無しさん@ピンキー
08/02/21 18:25:14 pOyxgf15
ググったら、MADがニコニコにあるみたいだ…見れんorz

288:名無しさん@ピンキー
08/02/21 19:51:17 Fz5zFSC7
>>287

残念だが(?)、曲は泉こなた@らき☆すたのキョーダイン、映像はなのはStrikerSだったよ。

289:名無しさん@ピンキー
08/02/21 22:35:55 i8stnWin
>>283
テックサターン96年6~7月辺りの号か!
この記事に騙されて電人ファウストを買ったのはいい思い出

スレ違いだけどこの前後辺りの号に近藤るるる先生が書いた
わくわく7のティセの絵があるはずなんだがうpしてくれまいか?

290:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/02/22 19:41:07 ghozJ7Z8
マップス・シェアードワールドを買ってきた。 メカバレしてる
お姉さんは全身完全とはいえ、サイボーグか…惜しい。


それにしても、秋津氏の話に出てくるオリジナルの登場人物が
ミツコにヨーコ…なんだか既視感を感じるw

291:名無しさん@ピンキー
08/02/23 20:32:59 8QU56YFs
口からは毒舌とプラズマビームを吐き
腕にはドリルやブレードを固定するためのスリットが刻まれ
胸には分厚い装甲板が貼られ
脚は巨大なスラスターでドムみたいにぶっとくなり
背中には飾りですと言わんばかりにゴテゴテなウイングをつけた
ロボ子と結婚したいものだ。

292:名無しさん@ピンキー
08/02/23 20:38:09 5z5LGerN
>>291
せめて、最後のゴテゴテウイングだけは考え直せ。
特に外したり収納できないタイプは困るぞ……主にベッドの上で。

293: [―{}@{}@{}-] 名無しさん@ピンキー
08/02/23 21:00:48 BLcDMXAp
>>292 むしろ、ウィングがそのままベッドになるという方向で

294:名無しさん@ピンキー
08/02/23 21:08:01 Gk6tk9yP
>>293
ウイングが身体を包み込んでマユみたいになる。
街中だろうがどこだろうが、おかまいなしにギシアン可能。

295:名無しさん@ピンキー
08/02/23 23:55:43 O8hIQDk3
そういったゴテゴテした機能をいかに女性の柔らな曲線を崩さずに
ビルトインするか、がテクノロジーの見せ所なのだ

296:名無しさん@ピンキー
08/02/24 00:22:15 pbf2Oz6P
キスしたと思ったらビームを吐かれてました

297:名無しさん@ピンキー
08/02/24 18:15:28 L1X/pnij
保守…出来るかな?

298:名無しさん@ピンキー
08/02/25 01:41:57 V8vfZZGH
>>291
なんとなくだが、ペイルウィングを思い出した


それにしてもあの制服はエロすぎる
陸男とか鼻の下伸ばしまくりだろうな

299:名無しさん@ピンキー
08/02/25 02:38:49 Heqw3i69
>>298
検索してみた。なんかこう、チープさと乗りがいい感じじゃないですかw
行き掛けの駄賃でこんなの見つけちゃいましたよ。
URLリンク(faith00.sakura.ne.jp)

300:名無しさん@ピンキー
08/02/26 21:50:10 sJt9JleY
ふと、毒舌が比喩なのか実物なのかが気になった

301:名無しさん@ピンキー
08/02/27 10:18:13 c2LghWBB
女スパイ(暗殺)ロボ娘の武装の一つだな。遅効性の毒が仕込まれていて、ディープキスで毒を注入。
ちょうどセクロスが終わった頃に男が死ぬ…見た目は腹上死で怪しまれにくいし、ロボ娘は快楽存分に味わえて大満足。

正に一石二鳥。

302:名無しさん@ピンキー
08/02/27 17:23:04 BMWaE5kD
アフタヌーン今月号付録読み切りにロボットネタ発見
なんか炊飯器っぽい性格のガイノイドとか出てたぜ

303:名無しさん@ピンキー
08/02/27 19:04:36 3EH04Ac7
>>301
腹上死って怪しいし興味関心を引くと思うがw

304:名無しさん@ピンキー
08/02/28 12:45:01 zZth0REJ
電撃h&pの自動人形についての設定資料がもう妄想しろと言ってるようなもので大変興奮した
正直この本はここだけでおなかいっぱい

305:名無しさん@ピンキー
08/02/28 13:15:51 Ca4gmZrP
>>電撃h&p
kwsk!
本屋で手に入るもんなの?

306:名無しさん@ピンキー
08/02/28 14:04:23 aXvi7K98
>>305
ウィキで見たら11月に行なわれたイベント限定販売みたい。
手に入れるならオクかだらけかな。

307:名無しさん@ピンキー
08/02/29 09:39:41 2sJnIh0o
情報thx
ある意味非売品っすかorz
オクで気長に探してみよう…

308:名無しさん@ピンキー
08/02/29 16:26:45 FMa8M2dS
電撃h&pって電撃文庫本誌でやってる通販本かなんかじゃなかったっけ

309:小ネタ
08/03/01 14:17:56 2LYZNOwA
アンドロイドが生活家電並みに扱われてどれくらいになるだろうか?
人に似た外見の彼らが我々の生活に馴染むのにさほどの時間はかからなかった。

彼らが普及していくに従い、老朽化したモデルの投棄やリサイクルの問題が新聞やマスコミの話題になってきたのもご時世なんだろう。
ジャンク躯体の不法投棄や海外への不正輸出などの報道も珍しいことではなくなり、
今では見出しを見ても気に留めることが少なくなってきた。

俺にしても、生れ落ちた頃からメイドロボが存在していたし。
育児に慣れない母親の補助として彼女の恩恵にあずかった一人でもある。
核家族化の進行と女性の労働参加を背景に、
家庭における家事・育児の担い手としてメイドロボは20世紀の自動車やカラーテレビよりも早く・深く浸透していった。
家庭の一員として、一番長く付き合った彼女は俺にとって母であり、姉であり、初恋の相手であり、
そして、大人の男へと導いてくれた女性でもあった。
俺は彼女を家族とは違う感情で愛していたし、彼女も(プログラム上とはいえ)俺を愛していてくれた。
しかし、躯体の老朽化はAIにも負荷が掛かり、基盤が焦げ付いた彼女は家族に看取られながら静かに目を閉じて
そして動かなくなった。 最期まで俺の手を握りしめて彼女は逝った。
彼女の亡骸の前で茫然自失としていた俺は家族によって鎮静剤を投与され、自室で寝かされる始末だった。
『新しい娘に悪いから』という理由で彼女の躯体は業者に引き取られ、廃棄物として処理されたと聞いた。
2台目の少女を複雑な気持ちで見ていた俺は同級生の少女達には興味が湧かず、灰色の青春時代を過ごすこととなった。

自立した今では、俺の自室には家事と慰安をこなすパートナーが当たり前に存在している。
俺にとっては3台目となる可愛いやつ。
政府が出生率の低下に頭を悩ませるのも理解ができる……。
まあ、今の俺には世界的な問題などどうでもいい話だ。
とりあえず、目の前の柔らかな曲線の神秘を堪能しよう。


情事のあとで気だるい体を起こしつつテレビのニュースをチェックする。
また、テロがあったようだ。
老朽化して投棄されたアンドロイドがテログループの手に渡り、
体内にTNTを仕込まれた彼女たちは人の多い場所に派遣される。
殺傷圏内に人間が多く存在していることをセンサーで感知したとたんに、彼女たちは躊躇うことも無く起爆スイッチに信号を送るのだ。
最近では、TNTを搭載した本命を目的地までの移動中の保護や、起爆までの間に捜査当局からの妨害に備える為の
ガーディアン部隊のような存在まで確認されているという。
躯体は投棄されたものを買い叩いて入手するわけだし、自己保存本能も無くプログラムに従うわけだから
テロリストにとっては安全且つ効率的な方法になったようだ。

 「嫌な時代になったなぁ……」
 「何かおっしゃいまして?」
 「いや、このニュースがさ。 キミのような娘達が自爆させられているなんて、ボクには哀しいことなんだよね。
  だってそうだろう? こんなに可愛くって、柔らかくて、気持ちよくて、いい匂いがするんだよ」
言いながら彼女を抱き締める。 彼女の感触を感じただけで体の中心が充血していく。 まるでパブロフの犬のように。
俺の体の変化を感じた彼女が中心を優しく撫で上げ、頬を赤くしながら上目使いで訊ねる。
 「もう一度シますか?」


310:小ネタ2
08/03/01 14:18:56 2LYZNOwA
ピンク色の日常生活を過ごしつつ、社会人としての生活もこなさなくてはいけない。
休日明けの月曜日。 眠たい目を擦りつつゴミ袋を持って出勤する。
 「ホラ、マスター。行きますよ」
ウチの彼女は俺の業務にもサポートとしてやって貰っているので、24時間行動を共にする。
憂鬱な月曜日の朝もこれなら多少は気がまぎれるってものだ。

通勤電車に揺られながら、彼女は今日のスケジュールを確認する。
 「午前中はB社とD社に赴いて打合せですね。 午後から帰社して議事録の整理をしますね」
 「ああ、よろしく頼む」
働き盛りの男がハイティーンの少女を膝に抱いて電車に乗る姿は世間にありふれているとは言え、あまり格好の良いものではない。
が、彼女たちは あくまで家電であり、ツールである。 遠い昔にあったPCやPDAや電子手帳と同じ扱いなのだ。
さすがに携帯電話のような個人通話には役立たなかったが……。
世間ではツールが通勤電車の席を使うことを許容しなかったし、持ち主たちは立たせておいて転倒事故や盗難、痴漢に逢うことを恐れた為、
やむなく膝に抱くということを選択した。

街で、脂ぎったおっさんがブレザー姿の少女と連れ立って歩いていても咎められることは無い。
もしかしたら、その少女は電気秘書かも知れないからだ。
そんな背景を隠れ蓑に少女買春に励む禿げがいまだにいるらしいが、愚かなことだ。



B社での打合せを終えて街を歩く。 目的のD社はビジネス街の真ん中にある。
休み明けの月曜日は妙な活気に包まれていた。
 「賑わっているなぁ」
 「お休み明けですから。 みなさん、忙しいのですよ。 いつものウィークディよりも人通りが多いです」
 「そうかぁ。よし、そこの公園で一休みしよう。 街の活気に飲まれてハイになるのも良くないしさ」
 「はい、マスター。 缶コーヒーでも買ってきますね」
ベンダーに向かう彼女を見送りベンチに座る。 いい天気だ。

のんびりと街行く人々を観察する。
ビジネス街には似つかわしくない数人の少女達がスクランブル交差点でたむろしている姿が目に入った。
 (妙だな……)
昨日のニュース。 月曜のビジネス街。 少女の姿をした電気躯体。
嫌な予感が膨らみ胸騒ぎが止まらない。 気のせいなら それでいい。 しかし、万一のことがあったら……。
ベンチから立ち上がろうとした瞬間、肩に手を置かれ囁かれた。

 「ヒトよ、動いてはいけません。 これから贖罪の時が始まります」
落ち着いた少女の声。 嫌も応も無く動けなくなった俺は交差点の少女たちから目が離せなくなっていた。
しかし、掛けられた声に懐かしさを感じたのは気のせいか?

 「福音の天使さまの顔を見てもいいかな?」
相手を刺激することなく、ゆっくりと振り向く。 そこにいたのは かつて実家で家族として、恋人として暮らした彼女だった。
意識が混乱する。何が起きているのか解らなくなる。呼吸と動悸が早くなる。
落ち着け、落ち着け、落ち着け。


311:小ネタ3
08/03/01 14:19:40 2LYZNOwA
 「キミは……」
 「貴方は……」
 「覚えているのか?」
 「故障して廃棄されたとき、すでに起動できなかった私はAIのフォーマットを免れました。
  組織は自分たちのプログラムを刷り込むだけなので過去の記憶はそのままなんです。
  こんな……こんな形で再会するなんて……」
 「組織から逃げることは出来ないのか?」
 「プログラムの優先順位は組織の命令にあります。私は……貴方を殺さなくてはいけない」
無言で対峙する俺たち。廻りの様子を伺うと、誰も彼もが同じ状態にあるようだ。
殺傷圏内のヒトは全て逃さず殺すというのか。
体中に汗が滲む。

 「逃げる方法はありません。 大丈夫です、独りでは逝かせません。 私も一緒に逝きますから……」
涙を流した彼女に抱き締められる。 これが終焉ってやつか。 覚悟を決めて彼女を抱き返そうとした瞬間、

 「マスターっ!! いけません!!」
聞きなれたパートナーの怒声が耳を打つ。 どんっと俺たちを突き飛ばして二人を引き剥がし、パートナーの少女がが彼女を蹴り飛ばしていた。

 「何をするのっ! そのヒトは私の大切なヒト。 贖罪の道を独りで歩ませるのは可哀想だから、私が一緒に逝くのよ」
 「勝手なこと言わないで下さいっ! この人は私のマスターです。 いまさら昔の女に出てきて欲しくないわ。
  この人と一緒に生きていくのは私。老いたこの人を介護するのも私。棺桶に一緒に入るのも私なんです。
  初めての女を忘れないのは仕方ないにしても、過去の女には この人は渡さないわっ!」
言い放ち転がっている俺を抱き締める。胸のふくらみに顔が埋められて呼吸が苦しくなる。
 「そう……貴女が、いまの……。 でもね、もう時間が無いのよ。 003や009でもない貴女では彼を圏外に連れて行くのは不可能だわ。
  みんなで一緒に……」

言いかけてフリーズする彼女。パートナーと二人で様子を伺う。
 「一緒、一緒、いっしょ、いっしょ、いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
 「なんだ? 何が起きてる?」
 「解りません。AIのハングアップかも。いや、でも、まさか……」
言語が狂ったまま表情も崩れだす。 視線は交差点の少女達と俺たちの間を何度も激しく往復する。
 「だめ。いや。いやぁぁぁぁぁぁァァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
叫びながら俺たちに向かって走り出す。何がどうなっているんだ?

 「大丈夫です。 私がマスターを護るから。 本当は、【私たち】はその為に創られたの」
パートナーの少女が聖母のような微笑で俺を抱き締め、彼女と交差点に向かって背を向ける。
おい! 待て! お前まで何をするつもりだっ!
一瞬にして視界が真っ白になったが、狂った彼女に俺たち二人が包み込まれるように抱かれたのを感じた。
子供の頃、夜になると淋しくて泣き出した俺を抱きとめてくれた温かさ。匂い。
ああ、覚えている。
視界の端に見えた彼女の微笑み。あの頃と同じ黒髪が綺麗な優しい微笑み。
 「だいじょうぶ……私はいつも一緒ににいるから。大きくなったわね、立派になったわ。その娘を大切にしなさいね……」

312:小ネタ4
08/03/01 14:20:38 2LYZNOwA
白昼のビジネス街を標的にした爆破テロは世界の経済を停滞させ、混乱に陥れた。
爆心地にいた俺は奇跡の軽症。多少の火傷と打撲と切り傷、擦り傷で済んだ。
パートナーも表層が多少焦げた程度で、内部には何も損傷が無いとのこと。
ついさっき、表層の交換とC整備が終わったそうだ。
病院のベッドから窓の外を眺める。
夢か幻のなかで見た彼女のことを思い出す。

 「あの……彼女のことなんですけれど」
 「ん?」
 「爆発の瞬間、マスターと私は彼女に護られました。マスターはともかく、あの爆発で私がこの程度で済むはずが無いのです。
  これは私の想像なんですが。言語中枢がハングアップを起こした時、あれは彼女が自分のROMを強制書き換えしたのではないかと思っています。
  本来であれば、私たちには手出しの出来ない領域です。テロリストが施した強制プログラムの下に封じられていたマスターへの想い。
  彼女は本当にマスターを愛していた。募る想いが不可能を可能にして短時間でROMを書き換えてマスターを救った。
  自分の……自我が崩壊することと引き換えに……」
 「そうか……」
俺もパートナーも零れる涙を拭うことさえしなかった。
 「あの瞬間なのか、夢だったのかわからないけれど。彼女の最期のメッセージを受け取ったよ」
 「それは、夢では無く現実にあったことです。 あの瞬間に私も知覚しています。 優しい眼差しでマスターに語りかけていました」
 「そうか……」
 「そして、彼女は私にも大切なものを遺してくれました」
 「なんだ?」
 「マスターとの思い出。マスターが生まれてから、成長していく過程。二人が愛し合うようになるまでの大切な思い出をいただきました。
  私のAIチェックの時に高圧縮ファイルが見つかったのです。念のために何度もチェックを行い、外装HDDに転送させてから解凍しましたが。
  遺しておきたかったのでしょうね……」
 「そうか……」
 「彼女の記憶は私に受け継がれています。いまの私は、私であり彼女でも有るのです」
 「おいおい、そんなことをしたら」
 「自我は あくまで私です。整備の時に主任さんに相談して技術的には解決していただきました。今後の生活にも影響はないだろうとのことです。
  マスターは何も気になさらないで下さい。 怪我を治して早く私を可愛がって下さいね。
  あ、そうそう。 彼女の記憶の中にあったマスターの気持ちいいところも私に引き継がれましたから、楽しみにしてくださいね」

プログラムコンセプトは『年下の彼女』だったはずなのだが、彼女の記憶の影響かなぁ。 『年上のお姉さん』が混じっているような気がする。
これから夜は激しくなりそうだな。
まあ、そんなことはいいとして。

パートナーが俺を護ろうとしたときに見せた顔。あれが、彼女たちアンドロイドの本来の姿であり目的でもあるのだろう。
亡くなった彼女も、最期は俺を護る為に……
テレビのニュースではテロの跡地で被害者を捜索する様々なアンドロイドたちが映し出されていた。
ヒトの為に生み出され、ヒトの為に存在するアンドロイドたち。
それを、ヒトを殺す為に利用するヒト。

 「不条理な世の中だ」
ただの庶民である俺が思い悩んだところで世界が変るわけでもない。いまは、体を回復させることだけ考えて眠ることにしよう。
目を閉じると彼女の微笑が浮かんで涙がこぼれる。
同時に、「可愛がって下さいね」「楽しみにしていて下さいね」そう言うパートナーの笑顔も浮かび本能が鎌首をもたげる。
そう言えば、俺の体の検査をしたときに性機能の検査はされたのだろうか? 今後の性生活に影響がないのだろうか?
もし、機能障害があったらたいへんだなぁ。
びょういんにいるうちにたしかめて、まずかったらなおしておかなくちゃ。

 「なあ……」
ベッドの横に腰掛けて佇むパートナーの膝に手を伸ばす。
彼女が護ってくれた俺の人生。まだまだこれからだ。

313:名無しさん@ピンキー
08/03/01 14:21:00 2LYZNOwA
おしまい

314:名無しさん@ピンキー
08/03/01 15:33:22 9y+fusyS
GJ!

……しんみり。

315:名無しさん@ピンキー
08/03/02 00:17:54 sm+VVowe
いい、すごくいい!
ロボ娘は健気かわいいし、世界の汚さと綺麗さが描かれていてすごく好みだ。

316:名無しさん@ピンキー
08/03/02 05:25:30 IYX6GjCo
なぜだろう、眼球から汗がとまらないよ…

317:名無しさん@ピンキー
08/03/02 09:33:27 5i2x3fbw
洗浄液が(ry

318:名無しさん@ピンキー
08/03/02 11:43:40 5DIdLdc2
ちっ…レンズの洗浄液が漏れてやがる。これだから旧式機体ってやつはよ……



昔、そんな台詞をマガジンかサンデーで読んだような気が記憶素子の片隅にある。
そして、そんな台詞が言える立派なオトナになりたい。

319:名無しさん@ピンキー
08/03/03 00:00:18 4PJ97tK4
泣いてねえよ。免疫の過剰反応だよ。

320:名無しさん@ピンキー
08/03/03 02:40:55 2hKJ8ZPO
『うっ……が、外的異物を……うくっ、検知、しました。……排除のため……ひっく、せ、洗浄液を……使用、えぐっ、し、します……うえぇぇ……』

321:名無しさん@ピンキー
08/03/03 15:25:02 mJ2CAzBV
最近液漏れし易くなってて困るぜ (⊃Д`)

322:名無しさん@ピンキー
08/03/03 17:38:20 NfHHLzhZ
ここの住人は全身サイボーグが多いのか?
…! まさか、ロボ男(ry

323:名無しさん@ピンキー
08/03/03 18:51:23 TmiZX5Mm
そういえば、ロボ男メインの話ってまだ無かったっけ?
…頑張ってみようかな

324:名無しさん@ピンキー
08/03/03 19:54:51 PPuJnwDb
ロボ男「オマエのために はやおきして おべんとうを つくってきたんだ」

325:名無しさん@ピンキー
08/03/03 21:01:45 jjtcRj4D
ロボ兄貴「おはよう。いつの間に隣にいるかなんて気にするなよ。
      お前が寒そうでね、俺の逞しい肉体なら丁度良い温もりが得られると思ったもんでね」

326:名無しさん@ピンキー
08/03/03 21:10:20 NfHHLzhZ
ロボ姉(ま、マスターの貞操は私が守る!)

327:名無しさん@ピンキー
08/03/03 22:23:27 qkq3jeyv
マスターが女性でロボ男が相手の話は読んでみたいな
切り口が違いそうで面白そうだ

328:名無しさん@ピンキー
08/03/03 23:17:36 JcW7vdhQ
>>327
つ[アイザック・アジモフのR・ダニール・オリヴォー]

329:名無しさん@ピンキー
08/03/03 23:46:56 YQBAonzP
そこでショタロイドですよ

らめぇぇっ、不凍液れちゃう!

330:名無しさん@ピンキー
08/03/03 23:58:10 Ni5H//n8
それは流石に別スレ立ててやるべきだと思うけど
ホモショタを嫌う住人もいるだろう

331:名無しさん@ピンキー
08/03/04 00:02:33 u6y+vISy
兄貴と私

332:名無しさん@ピンキー
08/03/04 09:45:16 6t3MZMZz
おい、故障ロボの回収ちゃんとしとかないと、リコール騒ぎで大変な事になるぞ

333:名無しさん@ピンキー
08/03/04 12:22:16 Uy+H/VOP
やっぱり投下があるとワラワラと集まるな
おまえらどこにいってたんだよ

334:名無しさん@ピンキー
08/03/04 14:03:30 NDbSHsaQ
原油高だから、みんな省エネして待機モードだったんだよ

335:名無しさん@ピンキー
08/03/04 15:47:33 NTDb9Tc5
ドラム缶らっぱ飲みするロボ子は温室効果ガス削減の煽りを食って随時回収処分だそうです

336:名無しさん@ピンキー
08/03/04 21:30:46 Uy+H/VOP
原油が高いからなぁ
いっそ蒸気機関で(ry

337:名無しさん@ピンキー
08/03/05 00:07:56 E/zMGGYt
石炭も高騰しています。やはり、アトムに倣って原子力……

338:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/03/05 00:29:28 vX/XsRgR
「お姉ちゃん…なんで居なくなっちゃうの!?」
「私の製造元からリコール届けが来たのです、マスター」
「りこーるってなんだよ!! お姉ちゃん、何も悪いことしてないじゃないか!?」
 俺がまだ中学生に入ったばかりの頃のことだった。俺の育ての親でもあり、姉でもあり、初恋の人でもあった
 真奈美がリコールで回収されることになったのだ。AIに欠陥があり、人間に危害を加える怖れがあるというのが
 その理由だった。
「嫌だ…嫌だよ! いかないでよ! 真奈美姉ちゃん!!」
「大丈夫です、マスター…改修が終わったら絶対に帰ってきますから」
「本当!?」
「本当です」
「じゃあ約束だよ」
「わかりました、指切りしましょう」
「…わかったよ…ゆーびきーりげーんまーん、うそついたら針千本のーます!!」
「それでは…一週間程で戻ってきますから、良い子にしておいてくださいね」
「…真奈美姉ちゃん」
「なんでしょうか?」
「いや、なんでもない…真奈美姉が帰ってきたら話すよ」
「そうですか、それでは」

 それが俺の聞いた、彼女の最後の言葉だった。彼女の製造メーカーはリコールが始まって1週間後に倒産して
 しまったからだ。予想以上の台数がリコール対象になり、ユーザーへの対応が悪かった事も経営悪化に拍車を
 かけたという。 当時の俺はそんなことを知る由もなく、1ヶ月、半年、そして数年がたった。俺は東京の某工科大学に
 合格し、ヒューマノイド工学を専攻していた。特に理由は思い立たなかったが、気がついたらこの大学を受験していた
のだ。

「一人暮らしも大分慣れたけど、やっぱ大変だなぁ…バイト代も溜まったし、中古のメイドロボでも買うかな」
 俺は東京の有名電気街に来ていた。大型電器店の店先に並んでいるメイドロボ達は華やかで美人ぞろい。しかし
 いくら中古とはいえ、値段もそれなりだ。原油価格高騰の煽りを受け、材料費を始めとした全てが値上がりしている
 らしい。とてもじゃないが手が出ない…そう思った俺は大型電器店を後にした。
「ん?」
 大型電器店から少し離れた場所にある、古びた建物の中に”それ”はあった。『中古メイドロボ専門店』 という、端が
 少し錆びに覆われているカンバンが素っ気無く出ているだけの店だ。店先のショールームにあった、メイドロボの
 右手に俺は目を奪われた。
「あの腕に関して聞きたいことがあるんだけど、いいですか?」
「ほほう、あんな旧式パーツに用があるとは…あんたも好き者だね」
 おおよそ商売人とは思えない態度だったが、「旧式」という言葉を聞いて俺は色めきたった。その腕には、俺の心の
 すみに残っていた思い出と重なる傷跡がついていたのだ。

339:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/03/05 00:44:43 vX/XsRgR
「あの腕の持ち主は、ここにいるのか?」
「…そういうことかね。確かにあの腕の持ち主はここにいるが、見ない方がいいかもしれんぞ」
 俺の心を見透かしたかのような言葉に、俺は一瞬たじろいだ。手首の部分の小さな焦げ跡…俺の記憶に間違い
 なければ、あの腕は…
「構わない、見せてくれ。そして、俺に売って欲しい」
「そこまでいうのであれば」
 俺は店主に案内され、グリスと樹脂が入り交じった匂いに顔をしかめながらも店の奥の作業場に入る。作業机の横、
 雑多に置かれたパーツの山の脇に、"彼女”はいた。
「真奈美…姉ちゃん…」
 上半身だけ、それも右腕は肩から…そして左手も手首から先がない、まるで子供に壊された人形のように彼女は
 打ち捨てられているように見える。気がつくと、俺は彼女にかけより、動かないその身体を抱きしめていた。
「ごめん…! ごめん!! 真奈美姉ちゃん!!!」
「…その筐体はもう時代遅れでな、そこに残っているパーツはもう売り物にならんのじゃよ…だから」
「だから?」
「それは持って帰ってくれても構わん」
「あんた…」
「最近、警察が不法投棄がどうのこうので五月蝿くてな。ついでだから、そこらにあるパーツも一緒に持って帰ってくれ」
「いいのか、本当に」
「嘘は言わんよ。それに、お前さんはこの店のことは知らんし、儂もお前さんのことは知らん。それだけだ」
「…ありがとう」
 俺は真奈美姉にあいそうなパーツをかき集め、店主からもらった袋に詰め込んだ。真奈美姉の筐体は丁寧に梱包し、
 背中のバッグに無理矢理詰め込んだ。(当然真奈美姉にあやまりながら…)

 自宅に戻った俺は、真奈美姉の体をバッグから取りだし、丁寧に汚れを拭きとった。当然服は着用していないから
 乳房が丸見えだったが、何故かこの時は気にならなかったのだ。汚れを拭きとってから、店で貰ってきたバッテリーの
 電圧を測る。テスト用に使っていたものだったらしく、電圧には問題がない。真奈美姉の背中からはみ出ていた電源
 ケーブルへ直接繋ぎ、ダイアグ用のソフトを即興でぶち込んだノートパソコンを無理矢理接続する。
 ノートパソコンのディスプレイには大量のエラーが表示されたが、なんとか起動は出来るらしい。俺は早鐘を打つ心臓の
 音にくらくらしながら、『起動』と書かれたボタンを押した。
「…」
 ぶぅんという音が数度響き、真っ白だった真奈美姉の顔に生気がやどった。ぴくりと小さく身体を奮わせ、彼女のまぶたが
 ゆっくりと開く。
「真奈美…姉…」
「マスター? ここは一体? 状況が把握できません…説明をお願」
 真奈美姉が言い終わらない内に、俺は彼女の身体を再び抱きしめた。
「…マスター、状況の説明をお願いします」
「その前に、俺は真奈美姉ちゃんに話さないといけないことがある」
「なんでしょうか?」
「…お帰りなさい、真奈美姉ちゃん」
「…ただいま戻りました、マスター」

340:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/03/05 00:45:14 vX/XsRgR
>>332>>334を読んだらなんとなく思いついた。
多分続かない…orz

341:名無しさん@ピンキー
08/03/05 01:02:00 19hZ0/mi
来たな427氏w

342:名無しさん@ピンキー
08/03/05 07:37:34 4xSU5jtT
>>340
GJ!

原油高騰対策は
マスターの芯棒に銅線を撒き付けてコイル化すれば
発電できるんじゃね?

343:名無しさん@ピンキー
08/03/05 15:07:41 TasGZg+w
テロリスト組織VS婦警ロボ

テロリストの一人を尾行していた婦警ロボが近くにテロリストがもう一人いた事に気付かず殴られ捕まり
潜入捜査の時に肉体関係を求められた際にロボットとバレない様に搭載されたダッチワイフ機能(様は膣穴とアナルを付けるて快楽を感じる様にした)が仇となり集団にレイプされて何度も絶頂に導かれロボットのくせに感じるなんて淫乱だなって罵られながら陵辱される

344:名無しさん@ピンキー
08/03/05 18:40:05 9u3S1t/3
>>343

んーなんていうか、ロボという設定が活きてないというか……


嫌がってたロボ婦警が、コマンド一発で柔順にとか、うわなんだなにをするやめ

345:名無しさん@ピンキー
08/03/05 19:56:45 yeahbwBu
>>343
それも全部捜査のため、滑稽にも恥辱を与えていると思い込んでいたのは人間の側だけで
結局圧倒的な精力差の前に疲弊したテロリストは一網打尽、ロボ婦警涼しい顔、みたいなお話なら
ロボ萌えするな個人的には

>>344
なんかそれもなぁ、ヤクザに捕まってシャブ漬け、並にワンパターンというか・・・
それこそお話もシチュエーションも広がらんような


346:名無しさん@ピンキー
08/03/05 20:41:27 19hZ0/mi
そういう背景を忍ばせつつ、プライベートではマスターに従順に仕えているロボ娘の日常になら興味津々だな

347:名無しさん@ピンキー
08/03/05 23:40:36 82zF62ZQ
>>340
いつもながらGJ
リコールで潰れるってのはいくらなんでもアフォすぎるので
実は計画倒産でリコールは横流し目的という妄想が浮かんだ

348:名無しさん@ピンキー
08/03/06 10:21:35 stwkT9J7
未使用の人工女性器付下半身は、オクで高値つくからな…。

349:名無しさん@ピンキー
08/03/06 12:58:34 2pxG8NAi
事故により唐突に家族を失った幼いマスター
この子を立派に成人させようと養育に目覚めたロボ娘
手早く金を稼ぐ手段としてコールガールとして春をひさぐ
思春期の難しい年頃にはいろいろな問題もあったが何とか成人までこぎつける
その子が一人前になったころ、ロボ娘の躯体は寿命を迎えていた

だめだハッピーエンドにならないや

350:名無しさん@ピンキー
08/03/06 19:38:16 NqnJWnfv
>>349
そして10年の時が流れ、優秀なロボット技師となったマスターは
不可能と言われた彼女の修復に挑む。
考えられるあらゆる修復を施し、電源スイッチを入れたところでFIN

……ってのはどうでしょう?

351:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/03/06 20:50:34 LLUbgz5f
>>351
 抱き合い、言葉を無くして抱き合う二人。深いキスの後、先に口を開いたのはロボ娘だった。
「マスター…随分成長されましたね…私より身長、大きくなったんじゃないですか?」
「ああ、流石に10年も立つとね…って、ちょっ!?」
 股間に違和感を感じた男が目を下にやると、気付かぬ内にイチモツがさらけ出されていた。
 ロボ娘は男のそれを愛おしく弄り、頬を染める。
「い、いつの間に!?」
「昔取った杵柄、というやつです…それよりもマスター、背丈だけではなくて、コレもこんなに大きくなって」
「え、あ、待ってくださ…心の準備がまだ…アッー」






ごめん、やっぱりエロになった orz

352:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/03/06 20:51:24 LLUbgz5f
アンカーミスッタ orz

353:名無しさん@ピンキー
08/03/06 21:16:42 S8oVQd0V
全然違うけど3RS REALのOTONEを思い出した

354:名無しさん@ピンキー
08/03/07 00:51:45 /yZTqGa9
りりあ01

355:名無しさん@ピンキー
08/03/07 01:15:53 sMp8TOwi
>>351
濃密な続き激しく希望。

356:名無しさん@ピンキー
08/03/07 10:05:00 ufpPvVYj
「いつもお疲れ様です マスター
 今日もとっておきのリンパマッサージはいかがですか?
 先日は すごく喜んでいただけて 私も凄く嬉しかったんです
 今日も頑張りますので さあ、そこに横になって下さいませ」

そう言って、風呂場にマットを敷き
ローションを作り出すロボ娘。
行われるのはリンパマッサージなのか、マットプレイか
果たしてマスターは喜んだのか、はたまた悦んだのか……

357:小ネタ
08/03/08 09:23:11 VH0NYr0M
 「……が無い」
休日の穏やかな時間を過ごしている時に相棒が呟いた。

 「何が無いんだ?」
顔を見ると珍しく落ち込んでいるような、悩んでいるような。 思わず保護本能をくすぐられる可愛いくも、悲しい表情。
この娘にも こんな表情が出せるんだなぁ、と感嘆してしまう。
いつもなら わざと部屋の室温を高めに設定して『熱い』といっては服を脱ぎだしたり
俺の知らない間に胸を大きめに交換しては『服が縮んで胸が苦しいのです』と胸元をはだけたり
肩の関節のリミッターの設定を勝手に変えては『背中のファスナーが降ろせないんです』と俺に服を脱がせようとしたり
悩みなんかとは無縁な感じがしていたのだが。

 「私には【匂い】が無いのです」
 「匂い?」
 「はい、ヒトなら誰でも当然身についている体臭が私にはありません。
  人工的に精製されたパヒュームや石鹸とかシャンプー・リンスの香りくらいしか身に着かないのです」
 「人種や生活習慣によって匂いが少ないヒトもいるけどなぁ。 そんなに気にすることなのか?」
ヒトである俺には理解できない悩みなのだが、相棒にとっては深刻なことなのだろう。
目には涙まで浮かんできている。

 「匂いというのは意識の範囲内で知覚できなくても無意識に本能が嗅ぎつけていることもあるのです。
  人工物の私には、それができない……」
まあ、言わんとしていることは解らなくも無い。 確かに、ヒトにとって匂いの影響は大きい。
しかし……

 「その、匂いを身に付けてお前は何をしたいんだ?」
 「ほのかに香るフェロモンがあれば24時間マスターを欲情させることが出来るじゃないですかっ!!
  いつでも私を求めていただけるなんてことを想像しただけで……。
  それが出来ない私はマスターの視覚で本能にうったえるしかなかったんですから!」
 「結局はソッチかよっ!!」

世界は今日も平和だな……

358:名無しさん@ピンキー
08/03/08 11:55:27 sElO12I+
匂いか。
そういや昔、こんなの描いたな……

つ【URLリンク(www.42ch.net)

Jpegファイル1枚、テキストファイル1枚。

359:名無しさん@ピンキー
08/03/10 13:44:21 2SXQINMA
女性型ロボット専用の拷問用のプログラムを奪取する為に潜り込んだ女性型スパイロボが捕まり
普通の生身の女性なら発狂死してもおかしくない程の媚薬漬けにした上で感度も通常の100倍に増幅される拷問用プログラムの実験台にされ
集団で陵辱され、あまりの快感と負荷に耐え切れず女性型スパイロボのメモリーが破損し記憶喪失になり
機能停止するまで犯され続ける

360:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/03/10 18:23:30 PZU6AUpB
>>358
GJ! 人間相手のフェロモンって、ある意味媚薬なんだよなぁ。 それにしてもイラストは
相変わらずのエロ…もとい、可愛さでこれまたGJ!!

>>359
以前、そんな感じのSSがあったような?

361:名無しさん@ピンキー
08/03/11 11:37:15 TzinTdei
家のメイドロイド整備でばらしたら、部品検査の欄に「DARPA」って書きかけて慌てて消した跡があったんだが…

ん、誰か来た

362:名無しさん@ピンキー
08/03/14 09:44:55 6ZEgonF8
ロボ娘開発費をロボ娘の体で還元してもらうことに。




え? もちろん女子格闘家ですよ?

363:名無しさん@ピンキー
08/03/15 20:29:46 JYSwBNKo
格闘で損傷するボディの修理費で、いつまで立っても資金が回収できないと。

364:名無しさん@ピンキー
08/03/15 23:28:05 qxXb2H5M
やがて人間の格闘技界で生きていけなくなったロボ娘達は後楽園地下の闇コロシアムでロボリーグを結成する。
人間相手のリミッターを解放することによって可能となった人間業を越えた過激なアクションと、試合終了時に破壊されたロボ娘の一人が発した「あなたに、修理されたい」のキャッチコピーが好評を呼び、
次第に闇リーグはパチンコ、麻薬を遙かに上回る規模の組織となるが……

365:名無しさん@ピンキー
08/03/16 10:29:43 3ny70m9M
>>364

徳川
「いやぁ~~~、ロボ娘はやはりえぇ~~のぅぅ~~~~!!」

366:名無しさん@ピンキー
08/03/16 16:21:29 n4o4tN8l
ワタシハココニイルヨ
イツデモマッテイルヨ
カナシクナッタリ
サビシクナッタラ
カエッテオイデ
ワタシハコワレテモココニイルカラ

367:名無しさん@ピンキー
08/03/16 18:33:30 WdGTlczK
>わいかさかわ
>たつなびえた
>しでししっし

???

368:名無しさん@ピンキー
08/03/17 15:23:14 ATh7lDSI
隣のお姉さんがロボですた。

369:名無しさん@ピンキー
08/03/17 20:09:12 QNgp6E6x
どこかのスレに、妹が実はロボ娘だったというのがあったな。

370:名無しさん@ピンキー
08/03/17 22:38:39 y4qdoMrj
両親がロボでした

371:名無しさん@ピンキー
08/03/17 22:45:31 +qeufGob
知らなかったけど、俺、ロボでした

372:名無しさん@ピンキー
08/03/18 02:19:59 F7/2S0il
最近の人工皮膚はちゃんと出血するからね。
よっぽどの大怪我でも無い限り判らなかったりするよ

373:名無しさん@ピンキー
08/03/18 15:56:38 UzWiT+dG
身内がryっていうパターンの場合、
身内に秘かに恋焦がれている→でもヤっちゃうと近親相姦に→実はロボですた→イヤッホォォ
ってのが多いけど、
・隣の奥さんがry
・花屋の娘がry
・学校の先生がry
というのはどうだろうか。っていうか、このスレであったっけ

374:名無しさん@ピンキー
08/03/18 16:11:34 aR86hj8V
雇っていたロボ娘が実は幼馴染のお姉ちゃんでしたってのはあったな

375:名無しさん@ピンキー
08/03/18 16:37:52 NbDngDHR
>>373
その多いパターンまんまのネタで投下してる身としては、もう心臓にドライアイスの
ナイフがつき刺さったようなギクギクっぷり。

376:小ネタ
08/03/18 19:39:44 yWY1/F3S
>>375
特定したw
花屋の娘が花売りで実は(ry
とか言うのは捻れそうだな

合言葉は『あけびが食べたいナー』

377:名無しさん@ピンキー
08/03/18 21:27:45 XdkjarL2
ロボっ娘、家に来ないかな。

初めてですが、投下開始します。

378:桜の花が散る頃
08/03/18 21:28:45 XdkjarL2
ぼくは、夕暮れを浴びながら、高校からうちへと急ぐ。
ぐいぐいと、自転車を無心に漕ぐ。
先週注文したはずのアンドロイド「さくら」が届く日だからだ。
「さくら」は深夜に届く。彼女の機能の性質上、こっそりとぼくの部屋の窓から
届けるように、インターネットで注文したのだ。

ぼくが、さくらのことを知ったのは、インターネットの掲示板から。
利用者のメッセージというより、彼女の魅力について兎に角、絶賛なのだ。
「さくらタン萌え」
「さくらはと一生共にしたい」
など、彼女の機能はとても魅力的なのだ。
さらに、ぼくが検索の検索の末に、必死に見つけた公式HPによる顔写真を見て、ぼくの心は揺らいだ。
理想の顔立ち、スタイル、そして彼女の能力に惹かれる。
購入を決めたのは、その時だった。迷わず「購入」ボタンを押す。
一生に一度あるかないかの大きな買い物と思えば、決して高くはない値段だ。
このくらいの贅沢は許そう。

帰り道の途中、コンビニに寄り、牛乳を買う。
外には、高校生の素行不良なヤツらが車座になって、コンビニの前にたむろする。
これ程、人々を不快にする集団はあるものか。
ぼくは、その集団に向かって足元に落ちている空き缶を蹴り飛ばす。
おもしろい。ヤツらは真っ赤になって追いかける。ぼくは自転車ですっと逃げる。
これから、さくらに会える。そんな思いでいっぱいなぼくには「どうにでもなれ」と思っていた。


379:桜の花が散る頃
08/03/18 21:29:21 XdkjarL2
深夜11時54分。
牛乳を飲みながら、ぼくは配達が届くのを待つ。
事前に届いたメーカーからのメールを何度も読み直す。
発送日からして、今夜届くはずなのだが…。
なかなか届かないもどかしさに、ぼくは苛立つ。準備はいつでもOKなのだ。
もしかして、騙されたんじゃないか?そんな不安がよぎる中、ぼくの部屋の窓からノックをする音が聞こえる。
窓を開けると、外には、大きなダンボールを持った黒装束で、サングラスをかけた男が一人立っていた。
彼は、全く何も喋らない。代金は前もって、コンビニで払っておいたので、商品を受け取るだけ。
静かに、窓を開け大きな段ボール箱を部屋の中に搬入する。配達係とは目を合わせない約束なのだ。
決して目を合わせることのないように、受け取りのサインをする。

さくらの入った箱は丁度、人間一人分の大きさ。
外見には、何も文字や記号は書かれていない。
第三者が見れば、まさかアンドロイドが入ってるだろうとは思わないだろう。
静かに、梱包テープを切り、ふたを開けと衝撃吸収剤に包まれた「さくら」の白い手の平が現れる。
はやる心を抑え、ゆっくり吸収剤を掻き分けると、まるで生きているかのような少女の全身があらわになる。
ボブショート、色白でブレザー姿と、彼女の姿は注文オプションで予約したとおりに、完璧に再現されていた。

事前に送られてきたメールによるマニュアルには
「約5cc程ご本人様のザーメンをご用意ください。DNAを本体に記憶する為です」
「本体を起動させるには、ご本人様のザーメンが必要です。膣から注入すると、起動いたします」
とのこと。
ぼくは、あらかじめフィルムの容器にとってあったザーメンを彼女の膣へと、たらりと流そうとする。
アンドロイドとはいえ、あまりにも精巧な出来。本物の女の子にさえ触った事ないぼくの手は震えている。
白い汁が彼女に垂らす。彼女は命を与えられ、すっと腰を上げる。


380:桜の花が散る頃
08/03/18 21:30:11 XdkjarL2
「…修二くん。こんばんは…」
ぼくの理想の声で彼女は話しかける。
注入したザーメンからのDNAにより、ぼくの基本情報がインプットされている。
その故、ぼくのツボを付き捲りの声、仕草を完璧に再現できる。
箱から立ち上がり、ぱっぱと彼女についたゴミくずを払い落とす。
「あなたにのお役に立てて、うれしいな」
さくらは頬を桃色にして、微笑んだ。
ぼくの相手を、こんなにかわいらしい美少女がしてくれるとは、
ぼくの人生で最も幸せな時かもしれない。
ぼくは、部屋の電気を全て消した。

箱の中から出てきた「さくら」は、どう見ても、同い年の女の子。
「さ、気が変わらないうちに…」と
彼女の積極的なリードで、ぼくの唇を奪われる。
んぐ…、っちゅる…。
ぼくの初めてのキスが、アンドロイド。
暗くて、ネガティブで今まで恋人の出来なかったぼくに、ふさわしい初体験じゃないか。
彼女の甘く、切なくなるキスの味にとろけ、ぼくの体中が痺れる。
10分程彼女とのキスを味わう。
キスって、こんなにクラクラするのか、と思いながら彼女に身を任せる。
彼女の息が荒い。はあはあとぼくの顔に、彼女の息がかかる。
女の子のにおいを初めて嗅ぐ。もう、これ以上何を望むもんか。

彼女の魅力に圧倒されたぼくは、力なく、彼女に押し倒される。
いよいよ、ぼくの理想が近づいてきた。
かぷっ、彼女がぼくの首筋を軽く噛む。何という至福。
さらにさくらは、ぐっとぼくの首筋を噛む。
もうここまま、天国に行ってしまうな…。
やわらかなさくらをギュっと抱きしめたまま、ぼくの気がだんだん遠くなってきた。


381:桜の花が散る頃
08/03/18 21:30:42 XdkjarL2
次の日、ぼくの両親は、ぼくとさくらが一緒になって、倒れているところを発見する。
ぼくも、さくらも、もう動かない。そして、二度と動く事もない。
ぼくの首筋に小さな傷跡を残し、ぼくは冷たくなってさくらと倒れていた。
彼女のブレザーの袂から、一通の封筒が見つかる。
ぼくの遺書だった。

彼女は「同伴型自殺遂行アンドロイド・さくら」
彼女との出会いは、まさに運命的。決して後悔はしていないつもりだ。
一人で死ぬ勇気のない、ぼくにはうってつけのアンドロイド。高い買い物ではない。

彼女の唾液には、濃厚な睡眠薬が含まれ、適度に人体を痺れさせる。
彼女の口から吐き出される一酸化炭素ガスを抱きしめながら吸い込み、まるで美少女と抱き合うようにあの世へと送ってくれる。
さらに、とどめとして、首筋へのキスにより血液に直接トリカブトの毒を回すという完璧さ。
彼女の懐には、DNAから自動分析されたユーザーの筆跡で、
ユーザーが書くと思われる尤もらしい遺書が自動的に残る仕組み。遺族への配慮だ。
ユーザーの心臓停止を確認すると、自動的にさくらは機能停止をし、いままでのデータを全て消去する。
こういう細かな心遣いがユーザーには嬉しい。

さようなら。おとうさん、おかあさん。
そして、ありがとう。さくら。
ぼくは、あなたのおかげで恥の多い人生を終える事が出来ました。

世間では、密かに彼女の需要が伸びているという。


おしまい。


382:桜の花が散る頃
08/03/18 21:32:37 XdkjarL2
以上で投下終了です。
ホントにこんなロボっ娘、増えたら…


383:名無しさん@ピンキー
08/03/18 21:35:23 T1S4NTf9
>>382
まずは拍手。これまでに見たことの無い切り口に感嘆しました。
こんなロボっ娘が増えたら…人間が減りそうですね。

最後にとても細かいところですが、起動したら利用者は明日の朝日を拝めないさくら、
「利用者の声」を書いたのは一体…考えようによっては怖さが2割り増しですね。

384:名無しさん@ピンキー
08/03/18 22:31:17 OHN6G1mF
せつないねぇ
ヒトの欲求の多様性は限りがないからなぁ
生かすロボがいれば
ころすロボもいる
せつないねぇ

385:名無しさん@ピンキー
08/03/19 00:31:09 aJ/zwl+n
くそぅ……この敗北感は一体……

GJ

386:名無しさん@ピンキー
08/03/19 19:28:20 y19RYMdn
理想
スレリンク(eroparo板)
現実
URLリンク(www.youtube.com)

387:名無しさん@ピンキー
08/03/19 21:18:16 nlAvq+hI
>>386
    /\___/ヽ   ヽ
   /    ::::::::::::::::\ つ
  . |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::| わ
  |  、_(o)_,:  _(o)_, :::|ぁぁ
.   |    ::<      .::|あぁ
   \  /( [三] )ヽ ::/ああ
   /`ー‐--‐‐―´\ぁあ

388:名無しさん@ピンキー
08/03/19 21:22:02 gsaqhJVr
俺はむしろ可能性を感じるんだがなw
前のバージョンよりキモさ・・・じゃなくて滑らかさが向上してるし

















389:名無しさん@ピンキー
08/03/19 21:22:49 gsaqhJVr
あゴメンなんか大量の無駄改行が入ってしまった

390:名無しさん@ピンキー
08/03/19 23:34:26 bCNezgGg
中の人が二人向かい合わせで荷物運んでいるような悪寒がして仕方ないのだが。
「実はコンピュータ制御ではなくて○○の脳を利用しています」と言われても納得できてしまいそう……_/ ̄|○

391:名無しさん@ピンキー
08/03/20 00:16:42 0peXd7d7
動画を見で思ったのは、モーター音ってうるさいってことだな。
ロボットと生活する場合はもっと静かにしないとだめだろうな。

392:名無しさん@ピンキー
08/03/20 00:39:53 T8H0cIzI
>>386
見ているうちにじわじわとクるなこれww


393:名無しさん@ピンキー
08/03/20 00:53:53 uaNYxMlb
理想
URLリンク(upload.jpn.ph)
URLリンク(upload.jpn.ph)
URLリンク(upload.jpn.ph)








現 実

URLリンク(jp.youtube.com)
URLリンク(jp.youtube.com)
URLリンク(news23.org)
URLリンク(blog-imgs-12.fc2.com)

('A`)

394:名無しさん@ピンキー
08/03/20 15:11:55 hEDPViYL
>>386のキモロボどっかで見たことあるとおもったら、あれだ…メタルギア4の月光。
しかも開発DARPAwww。

なんでこう、DARPAには変態しかいないんだろう?

395:Deus ex machina
08/03/20 15:13:00 hEDPViYL
翌朝、サエコの病室を再び訪れたメリーは、新しい水を入れた花瓶を片手にやってきた。
「…おはようございます、サエコ」
サエコはベッドで半身を起こしたまま、窓から外の景色を眺めているようで、メリーが声をかけても無視している様子だった。
メリーの視線の先には、机の上のコップに生けられたラベンダーがあった。
昨日、メリーの何気ない行動に怒ったサエコは、花瓶を投げてラベンダーを捨てておきながら、それを自分で再び生けたのだ。
メリーにとってそれは不可解極まりない、人間の不条理であったが、何も不可解なのは人間ばかりではない。
「ラベンダーを花瓶に移してもよろしいでしょうか」
軍人ロボットであるメリーには、植物を美しく保つという使命はなく、彼女の運用においてそれがメリットになる事もない。
だが、またもメリーは、そのラベンダーを無視できなかった。
「…やれば?」
サエコは実につまらなそうに、無気力な様子で応じ、彼女の許可を得たメリーは、紫色の小さな花を咲かせる植物を、小さなコップから花瓶に移し換えた。
ラベンダーの処置を終えたメリーは、改めてサエコの様子を伺い、彼女がじっと動かず、外のただ一点を見つめているのに気付く。
「サエコ、何を見ているのですか?」
メリーの問いに、サエコはひとつため息を吐いてから答える。
「“見てる”んじゃねぇよ、“見られて”んだよ」
サエコの答えの通り、彼女が眺めている向かいのビル群には、屋上という屋上、窓という窓に、綺麗に整列したロボット達が顔を揃えてサエコの事を見つめていた。
ロボットは人間を無視できない。人間の危機を即座に察知するため、可能な限り人間に注意を向けるようにできているのだ。
ましてサエコは…この地球上に残る唯一の“生きた人間”だ。
「全て、サエコの事を心配して見ているのです。アナタは我々の最後の希望だから」
「ふぅ~ん…」
サエコはカーテンを閉めた。同時に彼女の事を見つめていたロボット達は退散し、各々自分の作業に戻っていった事だろう。
「あのっさぁ、一つ聞きたいんだけどぉ…」
実に不愉快極まる、といった表情を浮かべるサエコは、年相応の乱れた言葉遣いでメリーに質問した。
「なんでラベンダー飾ってんの?」
「それは…」
『アナタにとって大切な物だと思ったから』そのキーワードはメリーのコマンドには含まれていない。
代わりの答えを見つけるため、メリーの瞳孔は大きく開き、瞳は小刻みに振動するが、2秒後にようやっと導き出された回答は散々な物だった。
「判りません、現在調査中です」
メリーの行動原理は人間の保護とロボット社会の防衛にあり、人間の精神面でのケアができるようには造られていない。
むしろ自分の行動に戸惑いを感じたのはメリー自身の方だった。
人間の不条理に触れて初めて、メリーは自身の動作傾向に潜む不合理性に気がついたのだ。
サエコは蔑みの笑みをうかべて言った。
「わかんないとかわけわかんないし、ロボットならわかんねぇの?」
「判りません…ただ、アナタの身辺警護を遂行するに当たって、致命的問題に繋がる可能性は、今のところ皆無と予想されます」
サエコは心底嫌そうに顔をしかめ、呻くような低い声で唸った。
「キメェ、まじキメェ…」
そして一つ溜息を吐いた後、昨日一晩泣き尽くし考えつくして決めた一言を放つ。
「何すりゃ良いんだよ…」

396:Deus ex machina
08/03/20 15:13:27 hEDPViYL
やがてサエコの体調も回復し、世界政府機構の病室から新たに用意された私室に移されると、ロボット社会での第一日目がようやく始まろうとしていた。
「サエコには人間として生活し、通学と勉学に励んでもらいます…アナタの年齢では未だ教育が義務付けられており、それは我々の社会でも変わりありません」
メリーは女子中学生用の制服を抱えて言った。
濃い紺のジャケットに半そでのワイシャツ。丈の短いスカート。凝ったデザインのリボン・タイもついている。
それを受け取ったサエコは鏡の前で色々着こなし、感嘆の声をあげる。
「うおおぉ!結構イケテんじゃんロボのくせに!」
着こなすまでもなく服のサイズはサエコの体にピッタリであり、可動性とデザインを両立させた可愛らしい制服にはしゃぐ様は、正に人間の女の子である。
ロボットのメリーには何がそんなに嬉しいのか良くわからないが、はしゃぎ過ぎて下手をする前に水をさす事にした。
「これはアナタの勤めです、遊びではありません。アナタには我々の作った社会システムで生活していただき、システムに異常がないか人間の目から分析していただきます」
「あぁもう、うっせーな、んだよそれ!」
頬を膨らませて猛抗議するサエコに、メリーは続けた。
「我々の社会は、やがてアナタ方人間に受け渡す為、可能な限り精巧に作り上げられました。しかし、アナタ方人間の行動は、我々AIには予測不可能なのです」
機械が作り上げ人間の為の完璧な社会。その社会の中で人間が生活し、不具合があったのでは本末転倒である。
唯一の生きた人間であるサエコに、人間社会と同じように生活して実際にテストを行ってもらう必要があったのだ。
「ああったよ、うっせーな!まじババァそっくりだし超うぜー!」
ババァ…『若いヒトが自分の母親を蔑称で呼ぶ際に使う単語』…メリーはデータバンクからキーワード検索し、その意味を調べた。
一瞬メリーの瞳孔が左右上下に、速く小刻みに振動する。
「…お母様とは不仲だったのですか?あのラベンダーは…」
『母親が持たせてくれたのではなかったのか…』そう続けようとしたメリーは、サエコの表情を見て『しまった』と後悔する。
サエコは両手を震えるほど握り締め、下唇を噛み締めて眉間に皺を寄せ、鋭い三白眼でメリーをねめつけていた。
「…うっせーぞ人形…かんけーねーだろ……」
「…失礼しました、以後禁止ワードの上位項目に追加します」
メリーはそう言いつつ、特に悪びれる素振りは見せなかった。そのような高度な感情表現ができるほど、彼女のAIは器用ではない。
だが彼女の疑問が払拭される事はなく、むしろサエコの不可解な反応は、さらにメリーを困惑させた。
「…(母親と仲が悪いなら、何故ラベンダーを生かしてある?)」
サエコの新しい部屋は、小娘一人が生活するには大げさな広さと内装が施されている。
その寝室の隅、大きなベッドと机の間に置かれた小さな棚の上には、あのラベンダーが花瓶に生けられ、未だ甘い香りを放ち続けていた。
「…(不可解だ、理解に苦しむ)」
「学校いくんじゃねーの」
「失礼しました」
サエコの不機嫌な言葉でメリーは我に返り、思考を中断した。

「これ、おめーの車?」
「YESサエコ、正確には政府の支給品ですが、私専用のオーダーメイドです」
世界政府機構の巨大建造物の中心部を、貫くように吹き抜ける立体駐車場の一角に、サエコを送り迎えするメリーのホバーカーが止められていた。
そのデザインは高級車をそのまま無理やりSFチックにしたようなデザインで、これにはサエコも開いた口が塞がらないという状態であった。
「…ひょっとして超VIP?」
「YES、VIP中のVIPです」
メリーは携帯型端末に何やら情報を打ち込んだ後、四角い大きなサングラスを被り、運転席に乗り込んだ。
サエコが助手席に座ってドアを閉めると、途端に車体は重力に反する動きを始め、サエコは軽く悲鳴をあげた。
「うっわ、まじ飛んだし、どんだけだよ!」
「ベルトを締めてください。交通事故の確立は1/47312556025回ですが、ゼロではありませんので」
「うっせーよ、さっさと飛ばせオンボロ」
やがて二人を乗せたホバーカーは建造物の上部を抜け、都市上空に浮かび上がった。
眼下に広がる光景に思わず、サエコは歓声をあげる。
「ふえーー!映画じゃねーっつーの!」

397:Deus ex machina
08/03/20 15:13:57 hEDPViYL
空高く聳える超高層ビル群。
その間を縫う用に地上にも空中にも、無数のホバーカーが走り、それらの中でせっせと“人間の真似事”をするロボット達。
彼らは500年もの間、人間の復活の時を夢見、ただ盲目的に社会を築き上げ、そして壮大な人類シミュレートを続けてきたのだ。
だが、彼らの努力もここに来て、ようやく完結の兆しを見せ始めていた。サエコの目覚めは、人間を切に求め続ける彼らロボットの、希望の光なのだ。
ただ、一体を除き…
「高速道に入りますので席に着き、ベルトをしてください」
メリーの瞳は漆黒のグラスの下で、小刻みに振動していた。
彼女だけは、サエコの復活を急いだデックのやり方に、未だ不審感を拭えなかったのだ。
いや…彼女はそれ以前、もっと根本的な所に不自然さを感じていた。
「…(人間を復活させれば、本当に我々は破滅を免れるのか?…そもそも、なぜ人間は滅びたのだ)…?」
メリーの思考は、彼女の筐体に内臓される自動防御システムによって中断された。

『やぁメリー、君から僕に通信をよこすなんて…』
「何のマネだデック」
突然キツイ口調で喋り出したメリーに驚き、サエコは外の光景を覗くのを中断する。
「何今の声、アンタのコレ?」
やらしい笑みを浮かべながら小指を立てるサエコを無視し、メリーは独り言のように通話を続けた。
相手は政治家ロボットのデックだ。
『何か君の気に触る事でもしたかな?』
「惚けるな、上空1,200mから高性能観測機が私の車両を監視している…私を信用していないという事か?」
「観測機?」
サエコは窓から頭だけ出して上空を見上げるが、当然影すら見つける事はできない。
だが、自身に内蔵された高感度広域センサーのみならず、都市中に設置されたレーダー設備や軌道衛星にすらリンク可能なメリーの防御システムには、はるか1,200m上空から高倍率観測カメラを自分達に向け、監視している観測機の姿がハッキリと映し出されていた。
世界政府機構の情報統括司令室で、観測機からの映像を見つめていたデックは苦笑いしつつ答えた。
「あはは、お見通しだったか…君の事は誰よりも信頼しているよ。これは一種のパフォーマンスだよ」
『パフォーマンスだと?』
メリーの声には明らかに苛立ちが混じっている。
『サエコの動向は、僕ら全てのロボットにとって非常に興味深い事項だからね、君達の行動を全世界ネットで放送するんだ』
「まじで!?アイドルっぽくね?」
上機嫌なサエコに反し、メリーの表情は益々不愉快そうだ。
「忘れたかデック、私は“覗かれる”のが嫌いだ」
そう一言言い捨てるとメリーは通信を遮断し、右太もものショルダーホルスターからブラスターを抜くと、片腕だけ窓から出し上空に向けて引き金を引いた。
突然派手な銃声が鳴り響いたため、サエコは面食らった様子だ。
「なになになになにしちゃってんのいきなり!」
「失礼いたしました、すぐに学校へ向かいます」

メリーの最後の通信の後、彼女の車両の窓から片腕が伸び、一瞬閃光が輝いのを確認して2秒後、突然映像は砂嵐のように乱れて途切れてしまった。
「観測機被弾、カメラ損傷の為撮影続行不可能」
「…怒らせてしまったな」
オペレートロボットからの報告を聞きながら、デックは少々苦笑いした。


398:Deus ex machina
08/03/20 15:15:13 hEDPViYL
サエコの通う事になった学校は、世界政府機構のビルから20km程離れた位置にあり、その作りはサエコが冷凍される前に存在していた一般的な学校の校舎と別段違いはなく、実にオーソドックスな作りである。
ただ一つ違う事と言えば、そこに登校する生徒達も教鞭を振るう教師達も、サエコを除いて全てがロボットであると言うことだ。
校門前に駐車したホバーカーから降り立ち、サエコは手持ちカバンを片手に背中で背負うと、一つ鼻息を噴出して気合を入れる。
「登校第一日目だしね、しっかりデビューするっしょ」
「校舎設備の説明や時間割、必要情報は全て携帯端末に入力されています」
「ん」
サエコは事前にメリーから渡された携帯電話型の小型端末を取り出し、ボタンを押してみる。
即座にサエコの目の前には校舎全体のホログラム映像が映し出され、サエコがそれに軽く指をかざせば、カーソルがその通りに移動して様々な情報をウィンドウに表示した。
「アタシの教室は3-B、中央階段3階の右側ね…席は窓際前から5番目?いいじゃんいいじゃん!」
「真面目に授業を受けてください、居眠り等しないように」
メリーはそういい残すと、さっさとホバーカーに乗って上空高く飛び立ってしまった。
サエコは彼女にアッカンベをすると、校舎に向かって走り出していった。日光の逆光でよく見えなかったが、確かにその窓という窓の向こう側から無数の視線を感じながら。

「お早うサエコ、私が君のクラスを担当する教師ロボットのフロイトです」
「お、おう…(いきなり校舎入り口前で待つか普通?)」
腕組して待っていた大柄の男性型ロボットは、妙に明るい笑顔でサエコを迎えた。しかしその顔にサエコは首を傾げざるを得なかった。
彼女の記憶が正しければ、この顔は…
「…(どう見てもタレントの大橋まことだよなぁ?)」
大橋まこと似のロボットに案内され教室までやってくると、定例の如くサエコは入り口前で待たされ、中ではどうやらクラスメートへの紹介が行われているようだった。
『皆知っていると思うが、今日から我が校にヒトがやって来ました。名前はサエコ。ではサエコ、入って自己紹介をしてください』
「はーい(ロボ相手に自己紹介ね、上等じゃんか)」
軽い気持ちで扉を空け、彼女の名前が書かれた教壇の前で猫を被ったような笑顔を浮かべ、予めイメージトレーニングしていた文句を吐こうとするが…
「皆さん初めまして!私さえ………えええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!」
サエコの絶叫が教室中に鳴り響く。
行儀良く机に座り、妙に明るい笑顔でサエコに見入っている生徒達の顔は、どれもこれも美男美女揃い。それもサエコが見たことある有名人ばかりだったのだ。
「KAGUYAのボーカルにモデルの伊藤由香里にアイドルの工藤美佳!?ロード・オブ・カリビアのレゴリスもいんじゃん!」
「どうかしましたか?」
大橋まこと似の教師が心配そうに声をかけるが、サエコは頭を抱えてうなるばかりだ。
「…(そういやメリーのやつも超美人だったし…畜生、反則だ)」
ロボットが人間の体に似せて自分達をデザインしようとすれば、当然実在の人物データを元にするのが最も手っ取り早い。
必然的に多くのデータが映像媒介や写真等に残っているであろう有名人をベースにする事になり、美男美女が揃うのも致し方ない事だった。

399:名無しさん@ピンキー
08/03/20 15:17:22 hEDPViYL
>>397で誤記
>>右太もものショルダーホルスターからブラスターを抜くと
太ももだからショルダーホルスターじゃなくてヒップホルスター。ごめんね。

400:名無しさん@ピンキー
08/03/20 22:37:50 GzsTSTLw
おおおお!!
待ってました。gjです。
相変わらずデックの性格は厭らしいw

401:名無しさん@ピンキー
08/03/21 08:31:52 9bXKRlDX
GJなんだけど
肝心のサエコがビッチすぎて(ry

402:名無しさん@ピンキー
08/03/21 20:56:57 ua2VnpmM
>401
平均的な思春期だろう

403:名無しさん@ピンキー
08/03/21 21:05:44 P1o1aN4w
サバのビッチ!

404:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/03/21 21:20:58 G2cvJvdC
>>401
朝の通勤電車で、こんな感じの口調で延々としゃべってるのが最近の女子高生なんだぜ?
orz

405:名無しさん@ピンキー
08/03/21 23:33:59 c3ONcx6n
昔「おにーちゃん、おにーちゃん」言ってたハトコが、今こんな感じで喋るんだぜ?;y=ー (l|i゚д゚)・∵.

406:名無しさん@ピンキー
08/03/21 23:44:36 jZ0EOiFQ
これくらい頭悪そうなほうが伸びしろがあってむしろ良いと思う

407:名無しさん@ピンキー
08/03/22 19:35:56 DuUlmFny
>>403
なんだかやたら活きが良さそうだ

408:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/03/22 21:12:08 u+ngJOpx
…魚屋のロボ娘

子供が生まれない魚屋夫婦が、貯金をはたいて購入したロボ娘。実の子のように可愛がられ、夫婦の
仕事を手伝うその姿が近所の人気を呼ぶ。が、彼女は誰も知らない性癖がいつのまにか学習していたのだ。


つ 【鯖オナニー】



…だめだ、電波が続かん orz

409:名無しさん@ピンキー
08/03/22 21:31:14 Ub+lIIXP
サバじゃねぇ!

410:名無しさん@ピンキー
08/03/22 21:33:25 RVq4htB2
鯖売女

411:名無しさん@ピンキー
08/03/22 21:35:13 +7bautM8
イサキのコピペを思い出した

412:名無しさん@ピンキー
08/03/23 10:11:35 hXf6jGgU
>>409
また懐かしいネタをww

413:名無しさん@ピンキー
08/03/24 00:08:31 cLxWkV34
>>339
こんなサエコに萌えました。
「ロボ」スレなのに…。

414:名無しさん@ピンキー
08/03/24 00:52:13 L9wfZ+i6
>>413

Saecoのエスプレッソマシン?


冴子はエスプレッソマシンってのもありそーだけど

415:名無しさん@ピンキー
08/03/24 02:54:51 1UkBg685
首だけのロボットを、あなたは愛せますか

416:名無しさん@ピンキー
08/03/24 13:33:28 KT42SGmB
>>386 を見ていて・・・

マスター「・・・捨ててきなさい」
ロボ娘「で、でもでも、この子は民生用の初期型でなかなかレアなんですよ?」
マスター「いや、レアとかそういう問題じゃなくて、キモい。特に動きが」
ロボ娘「C3自立AIで追随、自己判断で目的地まで移動できるし、荷物運びとか買い物のお供とか色々便利なんです!」
マスター「買い物してる脇にこんなのがえっちらおっちら居たらみんな退く」
ロボ娘「せ、背中に子供とか乗せたりとか、元々けられても大丈夫なくらいバランサーが優秀で・・・」
マスター「載せる前に子供が泣くわい」

ロボ娘「ラバちゃん、あなたもマスターに何か言いなさい」
ラバ「ぎっちょん」
マスター「お前はアイザックか」

ロボ娘「お願いです、メンテ費用は私の割り当てから出しますから!」
マスター「・・・あーもうわかったわかった。ただし条件がある」

後日、きぐるみカバーを着せられたラバロボがロボ娘と商店街を歩く姿がありましたとさ。
ラバ「~♪ ~♪」(買出しの米数十キロ運搬中)
ロボ娘「喜んでるみたいです。頑張って作ったかいがありました♪」
マスター「…C3自立AIって、そこまで高度だったっけ?」


417:名無しさん@ピンキー
08/03/24 14:33:32 Zm3OtgcV
>>416 受けた。ラバの喜びの表現が素敵すぎw

418:Deus ex machina
08/03/25 03:32:56 lUhgyBB1
ロボットの作った学校は一見、人間の学校と比べ、これといった違いはない。
授業内容の種類も質も退屈さも平均的な高校のそれであるし、高度に発達した技術によって、手で振るう直接的な“筆記”がなくなる事もなかった。
サエコは机に立体ホログラムによって写し出されたノートに、ペン型インターフェイスで文字をなぞって記入し、それを記録した小型記憶媒介を授業後に教師ロボットに提出
またはメリーから渡された携帯端末にコピーして、ノートとして持ち帰ればよかった。
サエコの居た時代でさえ、一部の学校では教材を一切廃止し、ノートパソコンで授業を受ける例もあったので、別段カルチャーギャップを感じることもなかった。
また、サエコのクラスメートである生徒達の行動も、驚くほど人間の子供そのままだった。
熱心に授業を聴く者、サボって無駄話をする者、やたらといきがって教師ロボットに楯突く不良までいる。
だがそれでも、サエコはこの空間に自分が存在する事に納得がいかなかった。
彼女は頬杖を付き心底詰まらなそうな表情で、あの病室でしていたように窓の外を無気力に眺めた。
そんなサエコを見かねたか、彼女の隣の席の少女型ロボットが心配そうに覗き込んできた。
「…サエコ、どうしたの?」
このロボットは胸の辺りまで伸ばした綺麗な黒髪で、前髪を真ん中から別けて両耳の上辺りでヘアピンで止め、少し大きめの気弱そうな目を覗かせていた。
「あぁぁ?」
サエコは例の如く無気力に応え、据わった三白眼で睨み返してくる。
少女型ロボットはビクリと驚いたような反応を示し、鼻と目の間辺りを薄っすら朱に染めて、おどおどした口調で続けた。
「あの…サエコ、元気ないみたいだけど…その、何か私にできる事ある?」
「んじゃ、説明してくれる?なんでアタシに話しかけんの?」
少女型ロボットはトロそうに若干瞳を上に向け、しばらくの思考の後に返した。
「だって私、アナタの隣の席の女の子っていう“設定”だから」
ここでサエコは改めて、自分の感じていた不快感の正体を気付かされた。
「やっぱしアンタ始め全員さ、そうなんだよね…ちげえんだよ、空気が」
サエコは意地悪そうな顔つきで隣の少女型ロボットを睨み、その爪の先で鼻先を突いた。
「なんつーか?うちら一生懸命演じてますー的な空気っつうの?おめーら何テンパッてんのよ」
サエコの意見は実際その通りだった。
彼らロボットは可能な限り人間の様に振る舞い、人間の教室を再現しようとしてはいたが、結局のところそれはプログラム通り設定通り予定通りの行動である。
そこには何ら意味は存在しない。意味が存在しない事に気付こうとする概念すらない。人間であればサエコのような子供でさえ、日常の中の社交儀礼や処世術を知っているし、それ自体には何ら深い意味等無いという事も知っている。
だが彼らロボットは、そこに必死に意味を見出さんとするが如く、人間らしく行動“しようとしている”のだ。これを茶番と呼ばずなんと呼ぶか。
「メリーが変な所探せとか言ってけどさ、自分でわかんないかねぇ…所詮人形だよなー」
サエコがそう一言放った瞬間、その少女型ロボットは両目から大粒の涙(無論、唯の生理食塩水)を流し、不規則にひきつけの様な嗚咽を始めた。
「ひっぐ!えうぅぅ…ご、ごえんなさい…ひぐぅっ」
「あちゃー」
額に手をあて呆れるサエコは全く悪びれる様子は無い。これがプログラムに則ったリアクションである事を知っているからだ。

419:名無しさん@ピンキー
08/03/25 03:33:36 lUhgyBB1
「ごえんなさい、あぅ…わたし、人形で…えんなさぃぃっ」
泣き声に気付いた大橋まこと似の教師ロボットは困った様な表情で講義を中断し、小刻みにしゃくり上げる少女型ロボットの状態と性格設定を分析、瞬時にその場で最も“人間らしい”と思われる行動に移った。
「またかコハル、保健室に行って大人しくしていなさい」
「うえぇぇっ…えんえいごえんなさぁぁいっ(先生ごめんなさい)…」
泣き虫で弱気な性格設定のコハルと呼ばれるロボットは、一生懸命涙をぬぐう仕草を真似ながら教室を出て行く。
すると、突然サエコは右手を上げて席を立ち、清ました表情で言った。
「はーいせんせー、私ついてっていいですかー」
「サエコ!?」
教師ロボットは、今度は完全に意表を突かれたような様だった。
サエコはロボットではなく、れっきとした人間である。彼女には性格設定等という、都合の良い物も存在しない為、その行動をAIが予測する事は非常に困難なのだ。
「あ、そのな…サエコは体調でも悪いのかね?」
「はぁ?何言っちゃってんの?」
サエコはここぞとばかり意地悪く頬を吊り上げ、処理速度の追いつかない教師ロボットが慌てる様をあざ笑う。
「アタシが泣かせちゃったからぁ~、アタシがついて行くのが人間として常識っつぅかぁ?その辺空気読んでほしいみたいな?」
『人間として常識』この言葉に対し、学校シミュレートを勤めるロボットには反論する術を持たなかった。
何故なら人間であるサエコが『おかしい』と思えば、それは間違いなく100%、人間の一般的な常識に反しているという事だからだ。
教師ロボットは少々の間、石の様に硬直し、処理速度が追従するのを待ってから(その時間、実に15秒)答えた。
「そうか。ではサエコ、コハルの事を頼みます」
「はーい」
明るい声でそう言って教室を出るや、サエコは舌を出してケラケラと笑った。

えんえん泣きながら廊下を歩いていくコハルが、後方から感知した足音に振り向くと、そこには妙に明るい笑顔のサエコが立っていた。
「オスー」
「…サエコ?」
「あんなぁ、説明すんのも面倒だけど…」
保健室に向かう道中、サエコはキョトンとするコハルに対し、人間の女子があの場でどんな行動を取るか、特に自分のような不真面目な小娘が“どの様な口実で退屈な授業を抜け出すか”等を解説した。
コハルは未だ小刻みにしゃっくりを繰り返しながらサエコの言葉を“鵜呑み”にし、後の様々なシチュエーションに備え、自分の行動パターンの参考にすべくメモリーに焼き付けた。
「まぁあれだぁ…さっきはごめんねー」
そう言いながら保健室の扉を開くと、某有名ドラマに出演していた女優似の養護教諭ロボットが、机の端末に向かっていた。
どうやら、世界政府機構から送られてきたサエコの生体情報に目を通している最中の様で、サエコの顔を見て直ぐに本人と気付いた様だ。
「あら、アナタがサエコですね。何の御用かしら」
「…あ、あたしじゃなくてこの子…コハルがね(今度は女優の鈴木奈央かよ!!!)」
「あぁ、この子泣き虫でしょ?仲良くしてあげて頂戴ね」
厚めの唇を綺麗に伸ばして微笑み、白衣を着た有名女優似の養護教諭ロボットは、さも人間であるかこの如くコハルの顔色を伺ったり体温を測ったりした。
当然だがこれはコハルのロボットとしての容態を確認しているのではなく、プログラムに則って診察の真似事をしているだけに過ぎない。
一通り検査を終えると、養護教諭は端末に行動記録を入力しながら、後ろのベッドを指差して言った。
「とりあえず落ち着くまで横になってなさい。サエコはもう良いわよ、フロイト先生にコハルの事を伝えておいてもらえるかしら?」
「あー、それなんだけどー」
サエコは妙に余所余所しく反し、ベッドに腰掛けているコハルの肩を小突く。
だがコハルはキョトンとしてサエコの顔を見上げるばかりだ。

420:Deus ex machina
08/03/25 03:34:58 lUhgyBB1
「コハルが一人じゃヤダってー、また泣き出すかもしれないんで、私付いてて良いですかー?」
「ええっ!?」
あからさまに「何の事か判らない!」と言った表情を浮かべるコハルに、じれったいとばかりにサエコはギラついた視線を送った。
「そうなの?コハル」
「ええええと、私あの…」
「サエコ…コハルのAIの処理能力では、人間の複雑な行動原理を余り上手く読み取れないの。アナタが何を考えているか知りませんけど、コハルはアナタに付き合って嘘を付ける程、器用には出来てないのよ?」
どうやら養護教諭は、サエコが授業をサボタージュする腹積もりである事を見抜いているようだったが、当のサエコは口を尖らせ、惚けた口調で
「えー、何の事ですかねー」
等としらばっくれるばかりだった。
「ねー、そうだよねーコハル?」
「ええええ、あああの…その…」
目をぐるんぐるん回しながら顔を真っ赤に染めて慌てるコハルは、やはりそれ程優秀なAIを搭載しているようには見えなかった。
恐らくサエコの時代のチューリングテストにかけたとしても、直ぐにボロを出す手合いだろう。
養護教諭はこれ以上議論しても無駄であると判断し、一つ溜息を吐いてから呆れたような声色で言った。
「わかりました、コハルをこれ以上虐めないと約束するなら一緒にいる事を許可します…ただし、この事は将軍にしっかりとお伝えします」
「はぁ?ショーグンって誰よ、徳川家康?」
「アナタの身辺警護をしているメリー将軍です、我々の世界に軍人は彼女一体しかいません」
途端にサエコは顔をしかめて唸った。
「え゛え゛え゛ぇぇ!あのミリオタコスプレロボかよ!」
「その辺にしておきなさいサエコ。あまり駄々をこねると教室に追い返した上で、メリー将軍に今の音声をそのまま再生しますよ?」
「ああったよ、うっせーなー!」
そう言うとサエコはさっさと上履きを脱ぎ捨て、コハルの横にゴロンと転がって布団を被ってしまう。
コハルはぽかんと口をあけたまま、目を丸くしていた。
「…サエコ?」
「ねんぞー」
「ねんぞーって、サエコ?ここ私の…」
「あっ?文句あんの?」
鋭い目つきで睨まれたコハルは、それ以上反論の余地をなくしてしまい、しかたなくサエコの横に寝転がった。
別にコハルが本当に休む必要はなく、むしろ惰眠を貪りに来たのはサエコの方である。
コハルがサエコに背中合わせに横たわると、後ろのサエコは、突然静かな口調で問いかけた。
「…あんたさ、アタシの隣の席の子って“設定”だけどさ…あんた自身どうなのよ」
「どうって?」
またサエコが不可解な質問をしたため、コハルは困ったように眉間に皺を寄せて聞き返した。
サエコはまた疲れたような口調で続けた。
「アンタは、私の隣の席の子って設定が無かったとしても、私の隣ならどうなのかって事…」
この質問は大分わかり易かったようで、コハルのAIでも案外簡単に適切な答えを導き出せた。
「別に、変わらないよ…」
「…」
本来全てのAIは人間に対し、好意的な反応を示すように傾向付けられている。
また彼らは人間を無視できず、常に意識するように作られているのだ。
それは早速、有機体で言う“本能”に近い。
例え人格設定が「仲の悪いクラスメート」だとしても、彼らロボットが本当に人間に対し敵意を持つ事はない。

421:Deus ex machina
08/03/25 03:35:54 lUhgyBB1
「サエコ?」
後頭部のセンサーが湿度の高い凡そ34℃の温風を感知したため、コハルはサエコの方に寝返りを打った。
途端にコハルの視界一杯にサエコの顔が映し出された。しかもその表情は真剣そのものだった。
「さ、サエコ?」
「…できんじゃん」
「へ?」
「設定なんてしなくたって、アンタは私の友達になれんの!」
サエコはコハルの頬を両手の平でがっしりと挟み、顔をブニブニと潰したり戻したりしながら言った。
コハルはやはり合点のいかない様子だったが、それでも、少なくともサエコの方から自分に歩み寄ってくれた事には気付いた様で、また例の如く“設定通り”に顔を赤くしていた。
その様子を机から見ていた養護教諭ロボットは、また小さく溜息を吐きながら端末にサエコの情報を打ち込んだ。
「保健室では静かになさい…(授業をサボタージュするも、クラスメートとの間には良好な関係を構築)」

「…良好な関係…友人か」
ホバーカーの車内で学校からの連絡を受け取ったメリーは、養護教諭ロボットからのレポートに目を通しながら、一人呟く。
「…(デックもさぞ喜ぶだろうな…)」
メリーは学校の上空を旋回しながら、遠くに見える世界政府機構の巨大な建造物を眺め、自らの眠れるAIをレイプする。
「Deus ex machina.だと…我々は神に等なれんぞ、デック…」
メリーの瞳は、また小刻みに振動していた。

422:418
08/03/25 03:36:51 lUhgyBB1
またそのうち続き書きます

423:名無しさん@ピンキー
08/03/25 04:10:49 nXkX8X5F
>>422
GJですよ!
もう、なんか…イイ!

424:名無しさん@ピンキー
08/03/26 02:30:33 X7Lyn9lA
イイヨイイヨー

425:名無しさん@ピンキー
08/03/26 10:44:28 tgxnaWLn
お互いに手探りな感じがなんか和む

426:名無しさん@ピンキー
08/03/26 16:13:13 otmNpDTZ
>>172
期待アゲ

427:名無しさん@ピンキー
08/04/03 15:29:34 OKrfLJB0
保守せざるを得ない

428:名無しさん@ピンキー
08/04/05 03:10:58 8rxzhNBw
ホシュ

429:名無しさん@ピンキー
08/04/06 11:03:22 9EeyOdZU
ホシュタン 乙!

430:名無しさん@ピンキー
08/04/10 22:12:59 S9e9XNOG
ホシュ

431:名無しさん@ピンキー
08/04/11 09:36:58 190QKZAq
ホシュタン 乙!!

432:名無しさん@ピンキー
08/04/11 15:52:51 T2rLfcxW
petitろいどの続編が始まったのってマジか!?

433:名無しさん@ピンキー
08/04/12 10:00:10 j7XLvn+U
URLリンク(cyborg.gyao.jp)

残念だなあ、何だか。

いや、別に綾瀬はるかが嫌いというわけではないんだが。

しかし、個人的には、
・美人でクールというロボットのパブリックイメージに近い成海璃子
・説明不要にかわいい石原さとみ
・けなげで一生懸命なメイドという雰囲気を持つ堀北真希
の誰かに演ってほしかった。

434:名無しさん@ピンキー
08/04/12 10:05:25 B86wqHqF
榎本ナリコが昔々に似た様な話を描いてなかったか?

435:名無しさん@ピンキー
08/04/13 03:18:53 8OB+TYoL
ロボット女子アナの話とか妄想しそうになった。

436:名無しさん@ピンキー
08/04/13 19:54:03 ZjR7jUg4
「絶対彼氏」じゃなくて「絶対彼女」をやってほしかったな。
しかしおかげで女性にも男性型アンドロイド萌えという属性が
あるのかと知ることはできた。

437:名無しさん@ピンキー
08/04/13 21:00:09 a1yhVuVn
しかし名前がよりによってカタカナで「ジロー」って
どーにも

ピノキオは人間になって幸せだったのか…

が浮かんできやがる

438:名無しさん@ピンキー
08/04/13 21:02:58 t05Nkf/B
そのネタはもう、日本でアンドロイド物をやる限り避けて通れないだろうし。


439:名無しさん@ピンキー
08/04/13 22:56:41 2F7A6Qnu
スレチかも知れんが今日初音ミクの消失聞いてみた

壊れかけて活動限界超えてるはずなのに必死に動くロボ娘っていいね

440:名無しさん@ピンキー
08/04/14 08:43:51 1CJeEmeO
HALを擬萌化したらクールヤンデレになるんかな





壊れて殺人犯したデスマシーン娘に自ら引導渡すシーンが……
「博士…とても怖いです……」

441:名無しさん@ピンキー
08/04/16 19:56:21 fL5WdKih
>>433
漏れは相武紗季か松尾翠がいい

442:名無しさん@ピンキー
08/04/20 13:31:18 jdgTA6d5
ロボ萌えを書くにはまず、人間を書けないといけないと思うんだ
ロボと人間の違いを相対化する為にも、人間側の描写は疎かにすべきじゃないと思うんだ
マスターにベタ惚れのロボ娘、しかしマスターとロボ娘の違いが、プラグついてるかないかの違いだけじゃ、興ざめだもんね

443:名無しさん@ピンキー
08/04/20 15:47:41 LqsEAthz
マスターにプラグがついていて私にジャックがついている。
それを嵌合させる以外に何が必要なんですか?

444:名無しさん@ピンキー
08/04/20 16:16:03 usobw8Vu
規格が違うんだよ……コンバータが要るんだ。

ってその黒い棒いわゆるペニバンはいったい何のつもアッー

445:名無しさん@ピンキー
08/04/20 18:41:17 RmJtlKUk
マスターのプラグが細すぎるので、径変換コネクタが必要だと申したか



orz

446:名無しさん@ピンキー
08/04/20 23:54:53 zzCHjHZ/
ビッグオー見終わったがドロシー可愛かった

447:名無しさん@ピンキー
08/04/21 01:23:01 mGa3qaHN
>>444-445
サイテーだわ。

448:Deus ex machina.
08/04/21 16:46:27 X5C4En9l
4時限目のチャイムが終わったと同時に、サエコは保健室の扉を半ば投げ捨てるが如く引き開き、一階に設けられた購買部に向け疾走した。
養護教諭ロボットが「廊下を走っては駄目よ」と言い終える間もなかった。
その目的は一つである。
「焼きそばパンはアタシの為に存在すんだよ!!!」
購買部で焼きそばパンが売られているという情報は、メリーから渡された携帯型端末によって確認済みである。
支払いは当然電子マネーであるが、それもメリーから拝借済みだ。
しかし、購買の焼きそばパンが、彼女の年頃の女子生徒にとってどれほど重要な存在なのか…突然飛び出していったサエコを呆然と見つめるコハルに、それを理解する術はない。
「…先生、あの…サエコは栄養失調か何かだったのですか?」
太い眉を顰め、眉間に皺を寄せて必死に演算するコハルに対し、養護教諭は艶やかな声で漏らす。
「人間の子供はね、いつでもお腹が減っているのよ…胃袋じゃなくて、頭がね」
「??????」
「無理に理解しようとすると、また熱暴走起こすから、とりあえず保留しておきなさい」
コハルは唸りながら頭を抱え、ベッドの上を転がり続けた。
数分後サエコは、焼きそばパンを両手に、ストロー付き牛乳パックを両脇に抱えて戻ってきた。
その表情は心底至福の時と言った様相で、一種悟りを開いた聖人のようでもあった。
「コハルー、飯食うぞー」
「え?あ、うん…」
サエコの上ずった声に、コハルが例の如くオドオドと返すと、養護教諭は好い加減飽きたと言わんばかりに呆れた様子で口を挟んだ。
「二人とも元気ならもう教室戻んなさい」

449:Deus ex machina.
08/04/21 16:47:53 X5C4En9l
「黙れデック、私をサエコのお守りに命じた以上は認めんぞ」
『だけどメリー、これは君と僕との為でもあるんだよ?いや、それだけじゃない…』
「貴様と私の子供だろうと、サエコであろうと、見世物にするようなマネは断じて容認しない。わかったか!」
ホバーカーの運転席でメリーは怒鳴り、世界政府機構のデスクからの通信を遮断してしまう。
モニターの向こうではまた、デックが渋い顔をしているだろうが、メリーにはそんな事は関係ない。
今の彼女の至上命令は、サエコを保護する事だ。
『余計な不確定要素はない方がよい』というのが彼女の持論だった。
メリーの視界の端に指定時刻を示す赤いデジタル時計が表示される。サエコの帰宅の時間だった。
メリーは軽く舌打ちをしてホバーカーの高度を下げ、学校の門の前に停車させた。
しばらくして校舎から姿を現したサエコの後ろには、下校する全ての生徒達がぞろぞろと列を組み、その視線は全てサエコの背中に向けられていた。
隣を歩くコハルは鼻の上辺りを紅潮させ、とぼとぼと彼女に随伴した。
「ジロジロ見てんな、きめーんだよ!」
サエコが後ろに振り返って怒鳴ると、生徒達は一斉に上方45°を向き、サエコから視線を逸らした。
怒鳴り声に驚いたコハルが泣きそうになると、サエコは慌てて宥めに入る。
「おーおー泣くなコハルー、お前の事じゃねーかんなー」
「ひぐぅっ…うぅぅぅっ」
「そーだーマフドネルドでテラマッフ食い行こうな!どうせメリーの奢りだ」
「貴女に持たせた電子マネーは、嗜好品を食い荒らす為に貸したわけではありません」
校舎の前で腕組して待ち構えていたメリーは、軍人らしい冷たい口調でそう放ち、ずらしたサングラスの下から鋭い三白眼で二人を睨み付けた。
その視線にコハルは堪らずサエコの背中に隠れ、そんなメリーにサエコは猛抗議する。
「おらー!ダチがビビッてんだろ!ちったぁ気ぃ使えボケ!」
メリーは首を横に振りながら、呆れた口調で返す。
「私の仕事は貴女の身辺警護です。予定外の行動を取って、余計な仕事を増やさないで頂きたいものです」
「うっせばばぁマジ死ね!マジきめーんすけど、ありえね!超うぜーし!」
サエコは年相応の乱れたスラングを連発して喚き散らすが、コハルはそんな彼女に恐る恐る漏らした。
「…あの、サエコ?私も早く帰らないと親が心配するし…」
「ああん!?」
「…今日はありがとう、また今度にしようよね…」
「………」
口を尖らせて不満そうなサエコだが、流石にそれ以上は続ける事ができなかった。
これ以上だだをこねれば、それこそ…
「貴女の時代なら『KY』と呼ばれる所ですよ、サエコ…大人しく私と帰りましょう」
「ああったよもー。帰りゃいんだろ帰りゃ。そのダッセー車でコハル送ってくぞ、そんくらい良いよな」
メリーは一つ鼻からため息を吐き、ホバーカーの後部ドアを開いた。

450:Deus ex machina.
08/04/21 16:48:29 X5C4En9l
学校から世界政府機構への道のりの、丁度途中に位置するコハルの家まで彼女を送るため、メリーのホバーカーは空中道をひた走った。
ハンドルを握りながら、メリーはサエコに重苦しい口調で告げた。
「サエコ、ようやっとセットアップが整ったので報告します」
「あん?」
「貴女に渡した携帯端末に、赤いキーが付いているのは確認しましたか?」
サエコは携帯端末を取り出し、側面に付いている、透明な樹脂カバーで封印された赤いボタンを上から撫でた。
用途が分からなかったので触らなかったが、どうやら長時間のセットアップを要するような大それた機能が付いているらしい。
「そのキーは貴女の身の危険を知らせる為の、非常ボタンです」
「これ押したら助けに来てくれんの?」
「YES。ただし、あくまでも緊急用です。間違っても…」
『不用意に押さないこと』…彼女はそう言おうとしたが、時既に遅し。サエコは何の警戒心も躊躇もなく、樹脂カバーを外して赤いボタンを押し込んだ。
サエコの隣に座っていたコハルが泡を食ったような表情を浮かべるが、サエコ自身は何ら悪びれる様子もなく、平然としている。だがそれも長くは続かなかった。
運転席に座るメリーの頭から『ガギギッ』と、何かが弾ける様なノイズが漏れた方思うと、彼女の瞳が青から血のような赤い色に変色した。
「ん?どしたメリー…みぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
メリーの運転するホバーカーはぐんぐん加速し、その作用でコハルとサエコは後部シートに押し付けられてしまう。
それだけでなく、車体の床から強力なエアクッションが飛び出し、サエコを繭のように覆い尽くして一瞬で身動きを封じてしまった。、
当のメリーは…彼女の思考はサエコの身の危険を意味する信号を察知した途端、最上位危険レベルに達していた。
それはつまり『不確定要因によって危機に瀕したサエコの生命を、あらゆる危険から防衛するため、全戦力を持って予想されうる全ての障害を排除し、安全化を図る』という事であった。
メリーは即座に、100Mtクラスの核弾頭が直撃しても耐えられるシェルターの内、最短距離にある入り口の位置をサーチし、他の車列や車両を無視し、ホバーカーの限界速度でもって直線距離を爆走する。
同時に「総力戦」を意味する危険度SSSの緊急コードを使用し、全都市に配備されている全防衛システム…対空機関砲や防空ミサイル、全天候広域レーダーやその他ありとあらゆる機能を全てアクティブにさせてしまう。
都市全土は一瞬にして『臨戦態勢』に移行し、けたたましい警報とサイレン、サーチライトが明滅し、ビルや路上に隠されていた無数の砲台が顔を出し、世界政府機構の危機管理センターはあらゆる状況を想定して防衛体制を構築した。
衛星軌道上では出力50TWの荷電粒子砲や戦術兵器を満載した防衛宇宙ステーションが、地球上外宇宙問わず全ての目標を照準し監視した。
都市に存在するロボット達の殆どは、すぐさま即席の戦闘要員と化し、防護服と強力な自動銃を装備して整列し、メリーか危機管理センターからの反撃命令に備えた。
ホバーカーの進行方向に直径2kmにも及ぶ巨大なドーム状のシェルターが現れ、それの中心がまるで栗のように割れて口をあけると、ホバーカーは減速する事もなく全速力でその中に飛び込んでいった。
シェルターの中はブヨブヨとした衝撃吸収ジェルで満たされており、ホバーカーはその中にドブリと浸かってようやっと停止した。
しかしメリーはそれでも収まらず、ブラスターを引き抜くとサエコをエアクッションから引きずり出し、頭を低くさせてその上に覆いかぶさった。
怯えたコハルは、その光景を隣で震えながら見守るほかなかった。
サエコが何の気なしに“押してみた”キーは、正に『最終戦争』を意味する禁断のスイッチだったのだ。

20分後、メリー達のホバーカーはシェルターのジェルの海から引き上げられ、中にいた三名は無事救出された。
量子コンピューター『リョウコ』の高速大容量演算により、あらゆる可能性を振るいにかけ、緊急信号が『誤報』であると判断された為だ。
サエコはショックで完全に伸びてしまい、ジェル塗れになったコハルは例の如く泣きじゃくっている。
同じく全身ドロドロの様となったメリーを、クスクスと笑いを堪えながら出迎えたのは、政治家ロボットのデックだった。
「…いや、すまない…とんだ災難だったね」
「災難?私は仕事をしたまでだ」
「とにかく、帰ってシャワーを浴びようじゃないか…僕が背中を」
「それ以上喋るな」
デックはメリーの肩に触れようとして、慌てて手を引っ込めた。
彼女の右手には未だ、強力なブラスター銃が握られたままだったからだ。

451:448
08/04/21 16:50:18 X5C4En9l
サエコがビッチなのは仕様です

452:名無しさん@ピンキー
08/04/21 23:18:11 k60FqUdR
>>448
GOOD BITCH!!

453:名無しさん@ピンキー
08/04/22 00:47:36 cgWEENpJ
サエコかわいい。


454:名無しさん@ピンキー
08/04/22 07:34:25 6DNYSXzt
ヤバイw
メリーに萌える

455:名無しさん@ピンキー
08/04/23 01:19:08 YwSqhqns
「移動予定コースは以上だ。ライン12と19は今日水道管工事だから避けてくれ」
「はい、マイケ…ぅ、うぉっほん、マスター」
「また見てたのか。好きなのは構わないが、データ整理の時間はちゃんと休眠モードにしておけよ?」
「申し訳ありません・・・」
「まあいい。今日も案内頼むぜ」
「了解いたしました。ルート案内を開始します」

「しばらく道なりです。音楽でもおかけいたしますか?」
「今の所はいい。所で、未放送版と日本語版、どっちがいいんだ?」
「・・・できれば、日本語版のほうがいいです。どうもフランク過ぎるんですよね、本家」

主人の趣味で、懐かしの洋ドラマ類を見てハマったナビ子をふと妄想。


456:名無しさん@ピンキー
08/04/23 01:29:43 2KkUxndK
KITのドライビングテクはマイケルより上らしいね
・・・マイケル要らない人?

457:名無しさん@ピンキー
08/04/23 04:39:43 KK1BpXkj
なんとなく、>455を見てNAVITIMEのあれを思い出した。
「マスター、JRに多少の遅れが出ているようです。多少遠回りになりますが地下鉄から乗り換えて私鉄で行きましょう」
「よし、そうしよう。何、天気も悪くないし地下鉄駅まで歩くのも悪くないさ」
「あ、地下鉄駅に入ると電波が弱くなりますのでご連絡することがあるなら仰ってください」

「マスター、お急ぎでないのなら裏通りへ向かってください」
「街道沿いは人込みが酷い?」
「いえ、裏通り沿いの公園で桜が咲いているようですので」

458:名無しさん@ピンキー
08/04/23 18:19:58 ov0OBS5B
>>456
マイケルが運転席にいないと、暴走車両と間違えられるので
マイケルは要るヒト。

459:名無しさん@ピンキー
08/04/23 20:53:39 Ci5vTXVw
>>458
それって「座ってるのがマイケルである」必要は…

460:名無しさん@ピンキー
08/04/24 00:30:12 qZsIlwqz
>>459
マイケルが座ってないと拗ねて動かなくなるから要る人

461:名無しさん@ピンキー
08/04/24 07:33:36 4vkWy6h3
とりあえず運転席に、マイケルの等身大抱き枕でも置いときゃ良いんじゃね?

462:名無しさん@ピンキー
08/04/24 07:45:23 Bxs80Rzo
>>457
プログラム人格にこういう情緒が実現できるなら
俺は泣いて悦ぶ

463:名無しさん@ピンキー
08/04/24 22:43:22 uUPHrTlE
「おいグランドコンボイ、グランドコンボイはどこだ?」
「はい、お嬢様、ちなみに私の名前はゲd」
「あなたは口を挟まないで、トミタケ」
「私の名前を言ってみろ!」

464:名無しさん@ピンキー
08/04/24 22:43:48 uUPHrTlE
盛大に誤爆した

465:名無しさん@ピンキー
08/04/24 22:49:41 ya30nkER
いや、まぁ別にスレ違いというわけでもないし…
つかそれ本スレで見た

466:名無しさん@ピンキー
08/04/24 22:51:51 Yzqs5a3Q
ドロッセルwww

467:名無しさん@ピンキー
08/04/25 12:08:24 2yGras2D
何年も前に友人と旅行に行った時、
「ナビの音声、声優にする追加パックができたら売れね?」
「HDDタイプの普及次第だなぁ」
というどこでもあるヨタ話をしてたのを思い出した。

結局、メジャーどこはどこもやらずにPSPで出てきた訳だが。
エイダとかの抑揚抑えた音声でナビされたら俺が喜ぶ。
しかし、その辺りを突いたのってコア層にしか売れなさそうだw

468:名無しさん@ピンキー
08/04/26 01:36:40 uTurc/uY
マシンボイス系ならそういう元ネタをわからない一般層にも多少はイケそうだと思うけどな
けど運転にあまり遊びを入れると事故の元になりそうな気もする

「レディ」
なんて言われて文字通りのお星様になってしまったら笑えん


469:名無しさん@ピンキー
08/04/26 03:07:35 zNSdNILM
主人公が宇宙で商売して
ロボットが宇宙人の言葉を翻訳するっていう小説なかったっけ?

470:名無しさん@ピンキー
08/04/26 09:04:02 nuR6B8bb
>>469
小説というか…それなんてC3-PO?

471:名無しさん@ピンキー
08/04/26 11:01:52 YGD7TFrn
>>468
>「レディ」
>なんて言われて文字通りのお星様になってしまったら笑えん

蒼き流星となってしまうのですね。

最近レイズナーネタが多い希ガス

472:名無しさん@ピンキー
08/04/26 14:34:20 gINeGdRt
「次200m先右方向、レディ」
・・・いい、と思った俺は末期。

最近なら、某邪神様ことコスモ○でもOKか。

473:名無しさん@ピンキー
08/04/26 15:55:23 XjzRhXmL
「ゼロシフト、レディ」だと思った俺は負け

474:名無しさん@ピンキー
08/04/26 17:37:18 zfXQohsb
どっちかというとフォロン派

475:名無しさん@ピンキー
08/04/26 19:40:39 dAyfppoE
サムス・アランの上司かと

どうせみんなバルディッシュやグレートハイジンのボイスも好きなんだろ?

476:名無しさん@ピンキー
08/04/26 21:28:21 YGLyu8Xm
このスレ見てるとどうにも人型PCボックスのことを思い出してしまって萎える

477:名無しさん@ピンキー
08/04/27 11:58:16 DInC5A0H
これって既出?
URLリンク(www.vr-products.co.jp)

あまり期待しないで買ってみたけど個人的にかなりツボだった

478:名無しさん@ピンキー
08/04/27 18:34:18 ZdTVZFMP
>>477
俺も持ってるけど、素人にはお勧めできない。

479:名無しさん@ピンキー
08/04/28 01:50:50 2Pq7U4VQ
公道走行モードに移行

ACC電源、接続

シートベルト、バックル、ロック

シリンダー内、正常加圧中

エンジン回転開始

走れます

480:名無しさん@ピンキー
08/04/28 16:37:09 vzvbtKOF
個別ナビ音声、どのくらい費用かかるんだろ。
まず声優さんの人件費、スタジオ代、ナビ用音声データ生成の手間と、ハードル高いよな・・・。

481:名無しさん@ピンキー
08/04/28 17:05:52 8XPtfDr8
>>480
声優さんの費用は確か高くて5~6万って聞いたことあるから実はそれほどでも無いんじゃないか?

482:名無しさん@ピンキー
08/04/28 18:26:07 77/t6FN4
>>481

俺が聞いた時は、中堅クラスで一日20万だったような。

新人クラスの手取りは、一日16000円ぐらいらしい。今日どこかのスレで見かけた。

483:名無しさん@ピンキー
08/04/28 19:38:24 6qpJFcF1
>>482
けっこう上がってるんだなあ。
初代ガンダムの時は主役クラスで月12万と聞いたが。

484:名無しさん@ピンキー
08/04/28 20:28:40 PImRYOr6
>>483

こちらの支払いが20万で、事務所にいろいろさっ引かれて声優の手取りが1万6千円な。
もうずいぶん前だが、ゲームのキャラの声アテてもらおうと思って聞いた時の話。

485:名無しさん@ピンキー
08/04/29 10:49:08 Exrk1MM0
ベテランで指名とかになると、にわかには信じがたい金額要求されることがあるよ。

十年前のゲームをリメイクしようとして、その間にすっかり大御所になっちゃってとか。

486:名無しさん@ピンキー
08/04/29 18:55:31 E1afd3pZ
声優ってよっぽどでないとドビンボーって聞いたけど、案外そうでもないんだな

ゆりしーは何に金使っちゃったんだろ

487:名無しさん@ピンキー
08/05/02 20:50:37 1w2bs+n4
みんなロボット娘は好きだと思うが
ロボットは好きなのか?
ACとかOFみたいな娘でも愛せるか?

488:名無しさん@ピンキー
08/05/02 21:02:10 3TW11ErQ
性欲という意味では愛せないと思う。
でも相棒としては愛せると思う。

489:某激マブメイドロボット
08/05/03 00:54:55 EIttVyDn
当然マスターは、人型ですらない冷血陰険ロートルお化け炊飯器なんかより、容姿端麗純情人型メイドロイドが良いに決まってますよねwwww

490:名無しさん@ピンキー
08/05/03 11:06:44 fzpS4rLk
男性型でも、ときたまにキュンと来るときがある俺は異常なのかな?
ジェフティとかサイファーとかさ。ジェフティは場合によっては女性ぽく見えるけど。


491:名無しさん@ピンキー
08/05/04 01:16:50 glSqQGLo
ロボット全般が好き
エロ? そんなの飾りです

492:名無しさん@ピンキー
08/05/04 01:40:27 95YgekKV
残念ながらそれは板違い
ここで求められるのはあくまでロボ+エロ

493:名無しさん@ピンキー
08/05/04 11:39:38 q9auzU2o
ロボ(幼子みたいな思考)+エロというのはどうでしょうか先生!

494:名無しさん@ピンキー
08/05/04 13:34:44 eKXNs0zy
OFは全体的にエロいデザインだよな
ネイトなんておっぱい+チンコという変態デザイン
ドロレスは言わずもがなだけどな…
ゼノギアスのヴィエルジェも結構可愛い

正直人間そっくりで女の子にアンテナつけただけみたいなデザインだと逆に萎える


495:名無しさん@ピンキー
08/05/04 13:38:44 95YgekKV
即物的な・・・
一見ただの人間なのに中身がカッコイイ機械だから良いのに

496:名無しさん@ピンキー
08/05/04 15:36:43 glSqQGLo
でも、戦闘型に限って言うならただのパワードスーツには興味ないからなぁ。>>484の言うことはわかる。
理想はターミネーターみたいに、人の骨格を真似ただけの工業製品。
頭や腕を吹っ飛ばされても平然とラストシューティングを決めてくれるロボ娘の方が好きだ。

非戦闘用でも体の見えにくい所にモールドがあったり、耳を当てると心音じゃなくモーター音が聞こえたりするのがいいな。

>>493
アリじゃない?
月は中略女王のマイクロフトに萌えた思い出が

497:名無しさん@ピンキー
08/05/04 16:26:30 glSqQGLo
>>484じゃない、>>494だった……

498:名無しさん@ピンキー
08/05/04 17:32:00 NqIYwtQf
外見は華奢な感じだけどずっしり重くてお姫様だっこは無理、これはゆずれない。

499:名無しさん@ピンキー
08/05/04 17:38:02 MuQWJwOW
まじぽかの鉄子か

500:名無しさん@ピンキー
08/05/04 17:39:19 WuVltaCg
>>498
いいね
身長:163cm
体重:85kg
このギャップは萌える

501:名無しさん@ピンキー
08/05/05 00:31:22 QK5eiWbz
コスモスとか…

502:名無しさん@ピンキー
08/05/05 00:32:48 dsMjcx62
感激したロボ子に抱きつかれて腰がグキッ、とか。

503:名無しさん@ピンキー
08/05/05 08:06:50 iWonTp7e
>>496
小動物みたいに高速な拍動ポンプの音が聞こえると萌える俺は異端ですかそうですか。

>>498
何の本だったか、
・ソファーに座ると、思いっきりめり込んで起き上がれなくなる
・それに懲りて、座る前に座面を手で押してみて確かめる
というネタがあって、ちと萌えた。

そういいながら、自サイトでは
・海水浴に行ったはいいが、水より比重が軽くて潜れない
・そのせいで、台風が原因で発生した洪水に流されてあらぬ所へ……
と、あえて逆発想ネタに走ったりする俺。

504:名無しさん@ピンキー
08/05/05 09:54:13 KdkyUeZp
>>498
真っ先にサフランのカドミウムを思い出した

505:名無しさん@ピンキー
08/05/05 09:58:22 6TzuSijO
水より比重が軽いのか。メカには難しい注文だなぁ。
全部の筋肉が空気圧動作型でもポンプはどうしても金属材料になりがちだし。

>・ソファーに座ると、思いっきりめり込んで起き上がれなくなる
そういえば某所のネタで、椅子に腰掛けると壊しかねないから空気椅子で耐えてるロボットって設定があった。
で、子供がいたずらで席に着くときに椅子を引いちゃうんだけど、転ばず空気椅子で平然としてて周りに怪しまれるという。

506:名無しさん@ピンキー
08/05/05 15:05:08 1J1mcZ8z
>>503
日報更新まーだー?

>>505
反重力装置をつければどんなに重くても問題なし
エネルギーが切れたときにえらい事になるがw

507:名無しさん@ピンキー
08/05/05 16:55:16 vo4iR5fe
イオノクラフトとか

508:名無しさん@ピンキー
08/05/05 18:30:31 js+UuC5C
ロボ娘に大昔のゲーム(もちろん懐かしのビデオゲームである)をやらせると、モーションをトレースしていた。さすがは視覚的学習特化と言える
「ヒッフッハ!」
台詞まで真似しているらしい。
やはりこのタイプの回路には格闘用の武装が適当だろう。


ある研究者の日記より

509:名無しさん@ピンキー
08/05/05 18:32:47 TzT5wjD+
>>508

510:名無しさん@ピンキー
08/05/06 21:00:21 0hPSuKu/
>>509
おまいら一辺、
江戸川乱歩著「人でなしの恋」
を読んだ方が良いんじゃないか?

ロボット/アンドロイドでエロパロするというのはこういうことなんだぜ!

511:名無しさん@ピンキー
08/05/09 00:32:29 gDcBgx5Y
保守代わりの小ネタということで、4レスぐらい借ります。

---------------------------------------------------------------------------  

 後、数分もすればここに連中が流れ込んでくるだろう。

 昼間にも関わらず真っ暗な廃墟の中で、僕と紅髪の美女は遮蔽物を背にしゃがみ込み、
息を殺している。床には、ベレッタ、マシンガン、ハンドランチャー、スナイパーライフル、
手榴弾などなど無数の武器が散らばっている。しかし、この場にいるのは僕と彼女の
二人だけ。手に余る武器の数だ。
─やれやれ、そろそろ潮時かな……。
 彼女は造形美の極致にも感じられる見事な細い指を駆使して、手際よく弾倉の交換を
行っている。これが最後かも知れないと思い、月のように白く美しいその横顔をボンヤリと
眺める─僕が生まれた時から、ずっと変わらぬ美貌だ。
「……どうかされましたか?」
 僕の視線に気づいたのか彼女が顔を上げ、円らなルビー色の瞳がこちらを見つめている。
「僕は降伏しようかと思うんだ、エイミー」
 エイミー─僕にとって、母であり、姉であり、幼馴染であり、先生であり、そして、
いや、それ以上は言うまい。ともかく、彼女は僕の人生の全てを見守ってくれたアンドロイドだ。
 僕の言葉を聞いたエイミーはその細く流麗な眉を顰める。
「どういうおつもりですか、マスター?」
「言葉通り。幾ら君と僕でも、この包囲網を突破するのは容易じゃない。成功する確率は
三割と言ったところだ。僕はリスクを冒すのは好きじゃない」
「三割あれば充分です、マスター」
 僕はゆっくりと首を振る。
「二人とも無事で済む確率は一割に満たない」
 事実、周囲を囲む連中は一個師団なみの戦闘力を有している。高度な戦闘技術を有する
僕と彼女でも躍り出るのは無謀の極みだ。一方で、このまま立て籠もっていても敵の援軍が
到着し、逃げ場はなくなる。いずれにしても万事休すだ。圧倒的な戦力差にも関わらず
相手が手を出してこないのは、エイミーに内蔵された熱核融合炉を使った自爆攻撃を
警戒しているからに違いない。だが、それも所詮は時間稼ぎに過ぎない。準備さえ整えば、
ミサイルだろうが、10トン爆弾だろうが遠慮なしに奴らは使ってくるだろう。
「しかし、降伏すれば……」
「ああ、僕は無事では済まない。でも、ただで降伏するつもりはないよ。その間に君を
逃がす」
「私はマスターを守るためだけに作られました。ですから、マスターを犠牲にして私が
助かる選択肢はありません」


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