07/12/23 14:07:21 gfNO1eBB
萌えると思ったら投下すればよろしい。そこまで堅苦しいスレでもないわけで。
114:名無しさん@ピンキー
07/12/23 15:30:12 OHvzUBsm
>>108
>18>19
115:名無しさん@ピンキー
07/12/24 01:21:02 H8MmFP5Q
>>113
俺みたいに電波は大量に受信するが
自信がないから投下するのが怖いってやつじゃない?
116:名無しさん@ピンキー
07/12/24 09:13:05 Gg3nSatR
まあ創作っつー娯楽を楽しめと。自信やら評判やらは二の次で。
しかしまあある程度自分で納得できるものにしてから投下するのが望ましくはある。
117:名無しさん@ピンキー
07/12/26 21:39:00 M+useQKk BE:865620397-2BP(1000)
hssh
118:名無しさん@ピンキー
07/12/28 02:14:22 AUZv3nhw
メイヴちゃんはあれはあれで好きだ。
DVDが糞つまんなかったのがいけない。
119:名無しさん@ピンキー
07/12/28 21:23:00 96S4zvou
「月光のカルネヴァーレ」のネタは、ここだと板違い?
120:名無しさん@ピンキー
07/12/29 22:07:49 MbnVuZNw
>>119
エロゲだと直球はル・ル・ル・ルだな
121:名無しさん@ピンキー
07/12/31 11:47:57 4PxHuKRl
>>120
メカバレシーンある?
122:名無しさん@ピンキー
07/12/31 13:51:14 T4cb2COL
コミックボンボン版のロボットポンコッツに出てくるナースが
実は過去にボディをダッチワイフに改造され散々、犯された後に飽きたと言う理由で捨てられ
ヒロインの父親に拾われ現在に至ると言う忌まわしい記憶とトラウマを抱えていて
その忘れたい過去を偶然、知った何者かが
淫乱人形が社員に居ると知ったら町の人や社長はどう思うかな?と脅して呼び出して・・・・・・
って感じなのを妄想した事がある
123:名無しさん@ピンキー
07/12/31 15:50:42 I4e60yCu
>>121
無い
ロボット物としての考察は面白い作品だけどあんまり即物的ではないな
124:名無しさん@ピンキー
08/01/02 08:42:29 klEiDHwH
アケマシテ
ホシュ
125:名無しさん@ピンキー
08/01/02 09:54:04 YOdjxqmk
あけましてホシュたん乙!
……ちょ、ホシュたんが「ホシュ」以外の言葉をっ!?
これが技術の進歩か!?
126:名無しさん@ピンキー
08/01/02 10:27:56 Z/ZmU+mp
マスター、今年もよろしくお願いします。
年末にC整備していただいたおかげで清清しく新年を迎えることができました。
パーツ交換も多かったようですから、出費がかさんだのではありませんか?
え? お年玉ですか。
まあ、ありがとうゴザイマス。
せっかく新品に交換したのですから、初物で姫始めなんていかがですか?
『初めて』なんて私も久しぶりの感覚なのでドキドキしているのですけど
まるでAIまでヴァージンになったようです
ねえ、マスター。 今年も私だけに独り占めさせてくださいね
127:名無しさん@ピンキー
08/01/04 23:32:02 qVlPrgDd
ハァハァ
128:名無しさん@ピンキー
08/01/05 02:32:48 AG5LY8DB
うん。やっぱり人工知能は弱ヤンデレに限りますな
129:名無しさん@ピンキー
08/01/05 03:51:40 UM2/LKjn
ヤンデレというか、どこか人間とは違った価値観を持ってるとそれっぽいよね。
130:名無しさん@ピンキー
08/01/05 04:44:01 KSLA1xKB
アシモフのロボット3原則ものは、すべてヤンデレではないかとおもう
今日この頃
131:名無しさん@ピンキー
08/01/05 08:03:49 ATfwBZJj
そんなレスするとまた例の暴走メイドロイドが自演始めるぞ
ん?誰だこんな時間にうわやめr
ご主人様が危険です
132:名無しさん@ピンキー
08/01/05 10:06:47 UM2/LKjn
炊飯器!炊飯器!助けて炊飯器!! (><;)
133:名無しさん@ピンキー
08/01/05 11:22:52 18Lg9SpP
年末の規制解除騒ぎの一連のやり取り見てて思ったんだが、
運営の◆79EROXuCc女史って実はロボ娘なんじゃないかと…
134:名無しさん@ピンキー
08/01/05 13:05:53 uOE/Oryg
洋物ドラマが元ネタってどうかな?
「バトルスター・ギャラクティカ」のナンバー6で
いっちょどうかと
135:名無しさん@ピンキー
08/01/05 13:21:31 67oIR/nw
実際に登場するわけはないと思うけど、エジソンの母の番宣が気にかかる
「家事機能つきのバービー人形と結婚したかったんだ」
136:名無しさん@ピンキー
08/01/05 13:42:18 Q7NDlu9a
ロボット女子をネガティブな視点で捉えている(それがさも当然の
前提であると考えている)っぽいのが非常に不快だ、アレは
137:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/01/06 11:47:42 p0/H/zei
前スレ、埋まりましたね…それにしても、最後のレスが切ない…
138:名無しさん@ピンキー
08/01/06 12:20:52 UorTAnfC
マスターからの指示や命令があると嬉々として働く。
それがロボ娘。
さあ、おまえらのロボ娘を錆付かせる前に投下するんだ!!!
139:名無しさん@ピンキー
08/01/06 12:33:45 v64j6ct0
PSOのクエストだとマスターの後を追うアンドロイドがいるよね。
あれはマスターの「自由に生きろ」という命令に対する反逆になるわけだが……
140:名無しさん@ピンキー
08/01/06 12:42:56 K9Jd4Vh0
それが最初で最後の反逆だったのさ
・。:゚(。ノω\。)゚・。
141:名無しさん@ピンキー
08/01/06 13:07:02 Cncg1Bfs
後を追うのもまた自由のうちじゃないか
142:名無しさん@ピンキー
08/01/06 13:22:39 p0/H/zei
後を追い、自ら”命”を断ったロボ娘の残骸を偶然拾った少年。 当然、その少年はそんな経緯を
知らない訳で、自分の趣味と実益を兼ねてロボ娘をレストアしてしまう。
あれ?なんかこんな話、どこかであったような…
143:名無しさん@ピンキー
08/01/06 13:48:24 UorTAnfC
コロ介なりぃw
144:名無しさん@ピンキー
08/01/06 17:43:56 osvveZ4G
マスター、ジョイントが錆びました、オイルを注してください
マスター、ウイルスが侵入しました、ワクチンソフトをバージョンアップしてください
マスター、人工外皮の劣化が深刻です、メンテナンスしてください
マスター…言語認識に問題でりる、返事しないます…
マスター……
ますた……
主人の死を認識できなかったロースペックロボ娘
145:名無しさん@ピンキー
08/01/06 20:37:16 T9UJ/Ftc
20XX年 10月12日 22:30 某市…
震度6、マグニチュード7の直下型地震によって倒壊した建物の瓦礫の上で、一体のロボットが高性能集音マイクと振動センサーに何かの反応を感知した。
そのロボットは赤外線暗視CCDカメラをドーム状の本体から伸ばし、瓦礫の隙間から奥の状態を確認した。
12秒後、ロボットは市立小学校の校庭に設けられた災害対策本部に、生存者確認の信号を送った。
返答はすぐに返ってきたが、その内容はロボットの満足行く物ではなかった。
『Code.10004175 現場ノ状況ニ置イテ判断シ、行動セヨ』
ロボットは人命救助用としては高度なAIを搭載しており、地震発生から数時間足らずの現在において、その返答が至極正当である事は理解できた。
到着した自衛隊もレスキューも人数が足りず、独自の判断で救助活動を開始した民間用ロボット達も自分の主人達を搬送するのに追われている。
少数投入された救助用ロボットだけでは、明らかに手が足りなかったのだ。
「はぁ…」
その人命救助用多機能ロボット『チエ』にはAIの他に、被災者を安心させる為の発声システムも内臓されており、有名声優が入れた軟らかな少女の溜息がスピーカーから漏れた。
「安心して、すぐに助けてあげるからね」
小型スピーカーを瓦礫の隙間に向けてそう言うと、やがて彼女の集音マイクははっきりと、生存者の弱弱しい声を認識した。
「……うん、がんばる」
CCDカメラに映る瓦礫に挟まれた10歳前後の少女は、涙にまみれた顔で精一杯笑顔を作り、チエに返した。
しかしその他センサーが感知した少女の体温や脈拍、血圧等を総合しても、後30分で死亡する事はほぼ間違いなかった。
チエが全力で救助活動を行ったとしても、少女を瓦礫の下から助け出すのに1時間はかかる。
「……名前は?」
「小春」
「かわいい名前ね」
電気ノコギリやジャッキ、ウインチ等をフル稼働させて瓦礫を撤去しながら、チエは小春に声をかけ続けた。
脳波の弱くなった人間の生存率が著しく落ちるのは、チエのAIにもインプットされて知っていたからだ。
「おねぇちゃんの名前は?」
「チエだよ」
「チエおねぇちゃんはロボットなの?」
「そうだよ。救助用ロボット、アサカタイプ1005」
小春の体温は時と共に低下し、脈拍も弱っていく。
それを冷酷な数値としてしか認識していないチエには、悲しいかな、人間の様に『焦る』という概念がなかった為、淡々と作業を続ける他なかった。
「……ママに会いたい」
「きっと会えるよ」
「……………」
「小春、返事をして………小春……」
1時間後、瓦礫の下から回収した少女の遺体をトレーラーに乗せ、チエは対策本部へと帰還した。
「知ってるかコハル、人間はすぐに死ぬ」
「そうなんですか!?嫌です、そんなの!」
ポカポカ陽気の空の下、キャタピラ付の炊飯器のお化けと、人間そっくりに作られたメイド人形が、公園のベンチに並んで腰掛け(乗っかって)、天然オイルの缶を啜りながら雑談していた。
「家の馬鹿主人もいつかくたばる、おまえのエロジジイも直ぐにおっ死ぬ」
「そんな事言わないでください!ご主人様とお別れなんて、嫌ですぅ……」
めそめそ泣き出す(真似をする)最新型のメイド人形に対し、炊飯器のお化けは更に続けた。
「泣こうが喚こうが、いつか死ぬんだよ。私もお前もそれで独りぼっちだ。で、お前はどうする?」
「そうですねぇ……何としてでも生きてもらいたいですね。ほら、今は医療技術も発達してますし」
「……ガキが」
「ちょ、やめ…あんっ!こんな場所でぇ!んんっ!だめぇぇ、皆見てますぅ!」
炊飯器のお化けがCCDカメラをスカートの中に突っ込むと、途端にメイド人形の黄色い悲鳴が、子供達の喧騒に紛れて響き渡った。
ロボは今日も平和である。
そして、明日も平和であれば良いと願っていた。
146:名無しさん@ピンキー
08/01/06 20:44:14 UorTAnfC
炊飯器キターーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
147:名無しさん@ピンキー
08/01/06 22:10:13 K9Jd4Vh0
>>145
お前は最低だ・・・俺の涙腺を枯らす気か!?
・。:゚(。ノω\。)゚・。
148:名無しさん@ピンキー
08/01/06 22:48:39 /Z9sw0eL
炊飯器期待
149:名無しさん@ピンキー
08/01/07 08:41:10 dNLUuaxV
戦闘用ロボット少女と人間の男性との報われる事の無い恋
遠く離れた激戦地に従軍する事になり離れ離れになるロボット少女と男性。再会する事を約束した二人の想いを引き裂く敵対組織の猛攻
捕まったロボット少女に待ち受けていたのは武装を全て没収されたロボット少女が壊れてスクラップになるまで陵辱専門の拷問メカによって一方的にレイプされるのを大衆にショー形式で見せる残虐な仕打ちで
場合によっては人間男を夜のベッドの上で相手をする事も任務の一つになる事もあるのでロボット少女のシリーズはある程度は人並みに感じたり絶頂する様に作られている為に
悶え喘ぎ苦しみ悶絶し絶頂するロボット少女。時間が立つに連れ
冷却用の水がまるで涙の如く頬を伝い男性の事を思い出しながら「すみません。約束は果たせそうもありません」と心の中で謝りながら圧倒的な暴力と陵辱に晒され
数週間後に男性はスクラップ(殉職)になって変わり果てたロボット少女と再会し泣き崩れる
も奇跡的にメモリーは無事だったので別ボディにメモリーを移植し男性の傍らには才色兼備な女性ロボットが幸せそうな笑顔を見せていた
150:名無しさん@ピンキー
08/01/07 20:01:53 QfDiOQ3z
URLリンク(blog.livedoor.jp)
ついに俺らに世間が追いついたぞ!
151:名無しさん@ピンキー
08/01/07 20:08:54 ve2h25eI
俺の今の気持ちを漢字一文字で表すとだな
凹
152:名無しさん@ピンキー
08/01/08 23:55:22 kX7buVXN
「DIE往生」COMIC LO 2008年2月号
153:名無しさん@ピンキー
08/01/09 02:12:14 cimaFypp
時代が追い付くのはあと40年か…
orz
154:名無しさん@ピンキー
08/01/09 20:46:44 z3GVx65d
URLリンク(japanese.engadget.com)
まぁ酢でも飲め
155:名無しさん@ピンキー
08/01/09 21:36:49 CWf5s0LS
酢を素のまま飲むのはちょっとアレじゃないか?w
↑ギャグじゃないよ
156:名無しさん@ピンキー
08/01/09 23:59:33 8rLTNkSJ
酢吹いたwww
157:名無しさん@ピンキー
08/01/10 16:27:45 nJuZk+AW
最初酢を燃料したロボットかと思った
158:名無しさん@ピンキー
08/01/12 11:08:27 rcdW/vh2
ショタロイドにメイド女装させ、人工ペニスをいつでも遠隔勃起できるように改造してスーパーに買い物イかせたい
159:名無しさん@ピンキー
08/01/12 11:14:29 dYLmW9ZW
吹きすさぶ風が良く似合う
9人の戦鬼と人の言う
だが我々は愛のため
戦い忘れた人のため
涙で渡る血の大河
夢見て走る死の荒野
160:名無しさん@ピンキー
08/01/12 11:57:39 VQvBefbY
>>158
スレチだけど
URLリンク(x51.org)
161:名無しさん@ピンキー
08/01/12 17:00:05 WnpNt5Lj
>>160
こんなとこでx51に出会うとは…
162:名無しさん@ピンキー
08/01/13 04:13:57 l/cIqzNI
そのリンク先の、「リモコンのボタンを銃で撃って、破壊される前に信号が送信できるか」という考察にワロタ
バカなことを考えるやつもいたもんだ……
x51だから信頼性は皆無だがw
163:Deus ex machina.
08/01/13 21:27:53 eKU5PBxz
その日メリーは、世界政府機構の医療センターで覚醒処置を施されるサエコに、初めて対面した。
ホログラムではなく、強化ガラス越しに初めて目にする人間の姿に、メリーのAIも興味を示さざるを得なかった。
軍人ロボットである彼女にとって人間とは、この地球上で後にも先にも「戦争」という行為を行った唯一の有機体である。
また覚醒後は、彼女はサエコのお目付け役として行動しなければならない。つまりは人間という生物を予想され得る全ての危険から保護しなければならないのだ。
メリーは冷凍カプセル内で覚醒しようとしているサエコの体を隅々までスキャンし、その構造がデータベースと99.98%一致する事を確認し、尚も細かく凝視し続けた。
中でも彼女の注意を引いたのが、サエコが左手に握り締めていた紫色の物体だった。
「あれは何だ?」
メリーの問いに医療施設を管理する専門のAIが即座に返答をよこす。
『被子植物門 双子葉植物網 シソ目 シソ科 ラヴァンデュラ族 学名:ラヴァンデュラ イブリダ』
「ラベンダーか」
『その通りです、メリー』
枝先に小さな花が無数に密集した花序を持った植物は、眠って夢を見ている間だけメリーに深い意味を感じさせる植物だった。
だが稼動中の今の彼女にとっては、単なる雑草に過ぎない。彼女にはそれが何となく悲しかった。
「…家族が持たせたのか」
『記録には残っていません……まもなく目覚めます』
サエコの眠りは唐突に終わりを迎えた。
覚醒しかかった意識に飛び込んでくる無数の声、声、声。
『……凍………血……開始……』
『体細胞…性化…%』
『血圧……以下……脳波正常…神経伝達速度、異常無し』
閉じた瞼を通して眼球を射抜く、数百年ぶりの光にうめくサエコの魂の慟哭が、言の葉と成ってカプセル内に木霊した。
「…………ママはどこ…」
ロボットの作り上げた世界で、人間が発した最初の言葉であった。
550年ぶりの目覚めから数時間後、意識もはっきりとし始めたサエコはベッドに仰向けに転がり、真っ白な天井を眺めながら、ここはどこなのか、今はいつなのか、なぜ誰もいないのか、そしてなぜこの部屋は証明もないのに明るいのか等をぼんやり考えていた。
考える…人間の生きた脳細胞が活動するという事象。それが今この世界においてどれ程重大な意味をもっているのか、サエコはまだ知らない。
彼女以外の全ての人間が残らず死滅してしまったのは、深刻な内臓疾患を患って余命を宣告された彼女が、冷凍睡眠処置によって命を未来に託してから、半世紀後の事だった。
結局彼女の病を治す治療法を開発したのは、人類の後を継いで文明を保存したロボット達だった。もちろん、その治療法を実際に施すのは彼女が初である。
そしてサエコの最後の記憶は…カプセルのケース越しに見た、泣き崩れる両親の姿だった。
「…ママ……」
ふと懐かしい匂いに気づいて横に寝返り、彼女の寝転ぶベッドのすぐ横、部屋の造りと同じ白一色の小さな机の上に、花瓶に生けられたラベンダーを見つける。
確かにそれは、冷凍処置を受ける寸前に母親が彼女の手に握らせた物に間違い無かった。
気圧の変化による「プシュ」っという音と共に白い壁が開き(そこにドアがあった事自体、サエコは気づかなかった)、姿を現したのは、褐色の肌に厳しい軍服を纏った、長身の女性であった。
164:Deus ex machina.
08/01/13 21:30:59 eKU5PBxz
メリーはサエコの病室にやってくると、半身を起こした彼女が、自分を奇異の目で見ている事に等気づかない、
と言った素振りで横の椅子に腰掛け、彼女の健康状態等を小型の携帯端末(丁度サエコが見覚えのある携帯電話程の大きさだ)で確認しながら、軍人らしい冷めた表情のまま口を開いた。
「おはようございます、サエコ」
「…はぁ?何だよあんた。それコスプレ?ありえねぇし」
サエコの年相応の崩れた言葉を「ノイズ」と認識、彼女の言葉を無視してメリーは続けた。
「まだ無理はしないでください。あなたの体は長い冷凍睡眠から目覚めたばかりで、神経系や呼吸器系、循環器系に」
「おめぇ誰だっつってんだよ!」
サエコの声質から苛立ちを感知したメリーは、手元の端末でサエコの手首に繋がっている点滴を調整し、鎮静剤の量を若干増やした。
感情が高ぶりつつあったサエコはそれで若干落ち着いたものの、上体を伏せ、肩を震わせるように呼吸を荒げた。
メリーの言う通り、500年以上も使わなかった肺や横隔膜は、呼吸するのも一苦労な有様だった。
「…私はメリーです」
「羊かよ」
「NO、私はロボットです」
途端にサエコは顔をあげ、せっせと端末を打ち続ける目の前の美女を凝視した。
テーブルの下で組まれたセクシーな脚のつま先から、タイトに締まったウェスト、自分の物より遥かに女性らしさを強調された胸や、滑らかなうなじ、頭の天辺まで眉間に幾つも皺寄せて眺め回す。
確かにここまで完璧すぎるスタイルを持った女は、普通そうそう居ない。しかしそれでもサエコには、それを笑い飛ばせるだけの自信があった。
「嘘つくなよ軍オタコスプレ女、社会科ねみーからE-だけど知ってっから。ロボット人殺せねーし軍隊にはいねぇから」
サエコの言葉は全くその通りであった。彼女の居たの時代でさえ、人間と見紛う程の精巧な外観と、チューリングテストをパス出来る程の人工頭脳を持ち合わせたアンドロイドは存在していた。
そしてそれは、使用する人間たちにもある種の危機感を抱かせ、結果、各国は戦争規定に新たな条文を盛り込む事となった。
『如何なる国家も組織も、戦略戦術問わず、高度な人工頭脳を有した無人・遠隔・自律・通常兵器の開発・所持・使用を禁ずる』
そしてそれは等のAI達を律する「三原則」の第1条とも合致していた。
よって今サエコの目の前に存在する軍人ロボットである『メリー』は、存在そのものがナンセンスなのだ。
だが、メリーの次の言葉は、そんなサエコの常識を根底からひっくり返し、そして驚愕させるのに十分過ぎた。
「YES、サエコ。あなたの言う通りです。私も他全てのロボット同様、人間に危害を加える事はありえません…なぜなら、私が保護すべき対象であるあなた…サエコ以外、もはやこの世界に“人間が存在しない”からです」
「………はぁ!?」
165:Deus ex machina.
08/01/13 21:32:07 eKU5PBxz
その後、サエコはメリーからロボット世界のデータベースに残った人類の末路を全て聞かされた。
彼女が眠りについてから50年足らずで、人類が残らず地上から姿を消してしまった事。
また、その原因が何故か記録に残っておらず、いかなる痕跡も残っていない事。
そして…残されたロボット達が500年かけて文明を保存し、この星のあらゆる場所を調査観測したにも関わらず、生体として残った人間が、サエコ一人である事を…
「サエコ、急な事で気が動揺しているのは、あなたのバイタルサインから良く分かります」
この言葉はサエコを心底苛立たせた。
「(こいつ、やっぱ人形かよ)」
「ですが我々はロボットである以上、主人である最後の人間…あなたの生命を守り通さねばなりません。でなければ我々も、その存在意義を失ってしまいます」
メリーの言葉は終始冷静沈着であり、表情も実に冷酷であった。
「うるせぇよ」
「YES、音量を調整します」
実際にメリーの声は7dB程絞られた。しかしそれは完全に、“人間の感情を理解できていない”事を意味していた。
サエコは米神を押さえ、必死にこみ上げる物を抑え様とした。
「サエコ、具合が悪いのですか?血圧及び発汗に」
「ババァはどこだよ」
「ババァ?」
メリーは即座にデータベースを検索し、サエコの言葉の意味を理解しようとした。
こういう時彼女は決まって例の癖が現れる…
「ババァだよ!いつも口うるせぇクソババァ!このクソ花飾ったババァだよ!」
メリーは必死にサエコの言葉と視線の動きをトレースし、何度も反復再生して分析を繰り返す。
「ババ…あ?…ではなく…私………花は私が…あなたの…」
メリーの目が大きく見開かれ、瞳が上下左右に素早く振動を始める。言語もはっきりせず、口と目以外の全ての動きが停止した。
人間という不条理に、軍人という専門職である彼女のAIが追従しきれないのだ。
「はっ?てめえかよ!キメェまねすんな!!」
遂に感情を押さえきれなくなったサエコは激昂し、テーブルに飾られたラベンダーを花瓶ごと引っつかんでメリーに向かって投げつけた。
行動に支障をきたす程に混乱していたメリーだが、危険に対して自動で反応する自律防御システムが働き、彼女の腕は瓶が顔に命中する前に、それを受け止めていた。
花瓶は割れなかったものの、中に入っていた水と生けられていたラベンダーは飛び散り、メリーの頭に、テーブルに、床に撒き散らされた。
「うぜぇ…マジうぜぇっ!……」
声を怒らせ肩を震わせるサエコの姿に我に返った(思考を一時保留した)メリーは、その場に自分が居る事がサエコのストレスとなると判断し、無言で席を立った。
そして退出する間際、床に落ちたラベンダーを回収しようと腰を屈めたが、その指先が触れる寸前に、またサエコの悲鳴のような叫びが響いた。
「勝手にさわんな!うせろっつってんだよ!」
「……」
ドアの「プシュ」っという開閉音が響き、メリーは部屋から出ていった。
再び部屋に独り残されたサエコは、ドアの向こうにメリーの冷たい背中が消え失せたのを確認した後、ベッドからのそのそ這い出す。
「う…あっ!」
彼女の下半身の筋肉は未だ言うことを聞かず、そのまま床に転がってしまう。
だが、それでもサエコは弱った両腕で必死に這い進み、先ほどメリーが拾おうとしたラベンダーの花に手を伸ばした。
やっとの事でそれを掴むと、鼓動の静まらぬ胸元でぎゅうっと握り締め、目許を歪めて咽び泣いた。
「うぅぅぅうぅっ!うぐぅぅぅ!!マァマァ~~~ッッ!!!!」
166:Deus ex machina.
08/01/13 21:36:40 eKU5PBxz
「……」
後ろでドアの音がする。メリーは無言のまま廊下を進んだ。
やはり表情は冷たいが、何故か彼女の指先は何かを摘むように擦り合わされていた。
「……(なぜあんな真似をした)」
何故…何故ラベンダーの花を拾おうとしたのか。
床の掃除なら専門のロボットが定時に行うので、今すぐ彼女が部屋を片付ける必要は無い。彼女は『軍人』として設定されており、『清掃員』ではないからだ。
それ以前に何故、彼女は態々ラベンダーの花を、サエコの手に握られていた花を花瓶に生け、部屋に飾ったのか?
「……(無意味な事だった筈だ)」
無意味であると自分で判断しながら、何故かメリーの指先のセンサーは、名残惜しいようにラベンダーの感触を擬似再現し続けるのだった。
「嫌われてしまったようだね」
「デック」
通路の十字路で腕を組み、壁に背をもたれて待っていた政治家ロボットのデックは、少々不適に笑みを浮かべて言った。
メリーはそんな彼に冷たい流し目を送り、若干苛立ちの篭ったような口調で返す。
「やはり理解できんな。何故私なのだ…私は母親に等なれんぞ」
母親…メリーのAIはその時ようやく、サエコの言葉、「ババァ」の意味を探り当てた。
「君は僕との子供の母親になるんだから、今の内に慣れなくてはね」
「笑えない冗談だ(サエコにはもう、母親が居ないのだな)」
メリーはデックの絡みを流しながら、先ほどの行動が何故、サエコを怒らせたのか、何となく理解できるような可能性を得ていた。
「…(明日はもう少し、慎重に選択してみるか)」
167:163
08/01/13 21:38:03 eKU5PBxz
前スレに投下してから随分経ってしまいましたが、続きはまだ細々と書いております。
168:名無しさん@ピンキー
08/01/13 23:17:52 WRiqaHWy
いつだったか雑談で話題に上った話だったな
世界に惹き込まれたよw
GJ
投下前に誤字は見直そうぜww
169:名無しさん@ピンキー
08/01/14 10:51:08 PtJpENw1
懐かしいなぁ。世界観は好きだぜ
誰かまとめてくれないかなぁ
170:名無しさん@ピンキー
08/01/14 18:29:46 LABtWha3
α6タソ、安らかに眠れ……
171:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/01/16 00:27:13 5ET2d9/9
久々に投下します。
172:絆-1 (1/5)
08/01/16 00:28:29 5ET2d9/9
『本日の ご来店 まことにありがとうございました。 20:30をもちまして 本店は…』
抑揚のない女性の声で、店内に閉店の放送が流れ始めた。金曜は正社員達が我先にと
帰宅するが、数少ない平日のバイト要因である和美は淡々とレジを締める作業を始める。
「すまんね、和美ちゃん…最近はこの業界も人手が足りなくてさ」
「私も頑張って生活費かせがないと、年を越せないですから」
冴えない銀縁のメガネをくいと指であげ、レジ締めの手順を手際よくすすめていく。店先に
立ってから一年が過ぎようとしている今、同期の店員はもう誰一人として残っていなかった。
初めの内はスズメの涙程しか出なかった給料も、今ではすっかりこの店の稼ぎ頭といっていい
金額になっている。
「和美ちゃん、年末はどうやって過ごすんだい。実家に戻るの?」
手順の最後、Enterキーを押そうとしていた彼女の指が、ぴたりと止まる。
「…年末は特に予定、入ってません」
にこやかな表情で和美に語りかけていた店長の表情が、見る見る青ざめていく。
「す、すまん! 和美ちゃん、君は確か…そんなつもりでは」
「気になさらないで下さい。もう慣れてますから」
Enterキーが弾かれるように、彼女の指で押し込まれる。いつもより固く、大きな音が響き
渡ったが、店内に流れている蛍の光のメロディーにすぐさまかき消された。
「…」
すまなさそうな目つきで背中を丸め、自分を見つめている店長を尻目に薄紫のエプロンを
脱いだ和美はレジ裏の小さなスペースに丸めてあったダウンジャケットを無言で羽織った。
「お疲れ様でした」
店長の顔を見ずに小さな声で挨拶をすませた彼女は、足早に店先を出た。正直、店長の迂闊な
言葉回しは全然気になっていない。何故なら、彼女の心は既に別の店へと先走っていたからだ。
(…メールをチェックする暇もなかったけど、きちんと届いてるのかしら)
PCやドールの専門店が立ち並ぶメインストリートの人ごみを避けるかのように、和美は勤めて
いる店の脇道へ素早く逃げるように走り込んだ。
173:絆-1 (2/5)
08/01/16 00:29:56 5ET2d9/9
大きなビルディングが整然と並ぶメインストリートとは違い、雑居ビルが無秩序に立ち並ぶ
通称、『裏街道』。かつて『電気街』と呼ばれたこの道は、今や見る影もないぐらい寂れている。
シャッターが閉まっている店舗がやたらと目立つのは、20:40という時間だけのせいではなかった。
”都合により、○月△日をもちまして閉店いたします”
”■月×日より、店舗移転いたしました。移転先は…”
閉まっているシャッターの内、ほぼ半分にはこういったビラが貼り付けてあるのだ。不意に
びゅうっと音を立てて吹き荒れた冬の強風に煽られ、ちぎれかけていたチラシが吹き飛んだ。
「…っ」
ちぎれとんだビラが、和美のほほにはりついた。思わず顔を伏せると、渇いた音をひびかせて
また違う方向へビラが飛んでいく。少し間を置き、顔を上げた先に小さな店のショーウィンドウが
光を放っていた。建て付けが悪い扉を軋ませ、ショーウィンドウとは裏腹に薄暗い店内へ足を
踏み入れる。
「いらっしゃい」
ニットの帽子を被った初老の男が、じっと和美の顔を見ている。
「こんばんわ」
「…例の頼まれもの、入ったよ」
「よかった、ちゃんと覚えててくれたんだ」
「あたしがお前さんとの約束破った事、今までなかったでしょ」
「それもそうね…で、どれぐらいのものが入ったの?」
「そう慌て成さんな、今出してくる」
男は椅子から立ち上がり、店の奥に消えていった。暫くすると、店の奥からガラガラと何かが
崩れる音が断続的に聞こえてくる。こうなると時間がかかるのよね…溜め息をついた和美は、
背後の棚に陳列されている商品を眺めた。
(よくもまぁ、こんな怪しげなものばかり置いてるわね…)
表にあるアダルトソフト専門店でも陳列できないような、”大人のおもちゃ”の数々。PCの
USBポートにつなぐと、ゲームのキャラクターに連動して動く1/12の女性型ロボット。
(そういえば、この前来た時と置いてる場所が変わってるような…)
数年前から配置が変わっていなかったUSBポート接続のバイブの位置が、かなり右の方に
寄っている。残されたホコリの跡を目で追いかけていくと、見慣れないダンボール箱が置いて
あった。
(…?)
174:絆-1 (3/5)
08/01/16 00:31:02 5ET2d9/9
「ようやっと見つかったわい、きちんと整理しとくんだった…っと、どうした?」
いつのまにか、数個の紙袋を抱えた男が和美の後ろに立っていた。
「驚かさないで。この店のものなんて、私の興味ないものばかりだもの」
「それにしては、えらく熱心に見ていたじゃないか」
「…これはちょっと例外よ」
「ほほう、そいつに目をつけるとは…お前さんも好きものよのう」
男は紙袋をカウンターの上に置き、和美の横からダンボール箱を手にとった。
「1週間程前に仕入れたばかりなんだが、鮮度と品質は保証する」
「御託はいいわ。中身を見せて頂戴」
「やれやれ…年寄りをせかすもんじゃない」
男がダンボールの梱包を丁寧に解き、中身をそっと和美に見せる。
「これは…」
「フェフェフェ…どうだ?」
「流石ね…でも、こんなの何処から仕入れたの?」
「そんな無粋な事を聞くとは、お前さんらしくないのう」
「…今日はあまり手持ちがないから、これだけ渡しておくわ。残りはいつもの口座へ振り
込んでおくから。いいわよね?」
財布から札を数枚取り出し、男の手に握らせる。犯罪ではないが、表の店ではとてもじゃ
ないが出来ない取引だった。
「そいつのデバイスドライバはいつもの場所に暗号化してアップしてあるから、それを使う
といい」
「ご丁寧にどうも。じゃ、あたしはこれで…よいお年を」
「ほほっ、そういえばそんな季節だったかの。それじゃ、よいお年を」
予定よりも少し増えた荷物を両手に抱え、和美は店を出た。アルバイト先を出た時と
比べ、随分と冷え込んでいる…と思った瞬間、目の前にはらりと白い花びらのようなものが
舞い落ちた。
「雪…」
和美の白い吐息と舞い落ちる白い花びらが混じり、幻想的な雰囲気を醸し出している。彼女の
口元がふと緩む。
「…早く帰らなきゃ」
街灯に照らされた和美の影が走り出した反対方向に伸び、やがて消えた。
175:絆-1 (4/5)
08/01/16 00:32:33 5ET2d9/9
「ただいま」
「お帰りなさいませ、和美様」
和美より少し背丈が低い黒髪の少女が、ワンルームマンションの玄関をくぐった和美を迎えた。
「春海? 駄目じゃない、ちゃんと寝てなきゃ!」
「私は大丈夫で…あっ」
春海と呼ばれた少女の右膝がかくんと折れ、靴を脱いだばかりの和美の身体へ寄りかかる。
「ほら、立ってられないじゃない…って、足の震えが酷くなってる!」
「私の身体は問題ありません、それよりも和美様の方が疲れていらっしゃいます」
和美に身体を支えられた春海は、あくまでも無表情だ。しかし、折れた右足はぶるぶると
小刻みに震え、とてもではないが彼女の体重を支えられるようには見えない。
「…夕食をご用意いたしましたので、どうかゆっくりとお召し上がりくだ…」
「だめよ、あなたの身体を治して上げるのが先」
「ですが」
「つべこべ言わないの…ほら、私の背中につかまって」
「…申し訳ありません」
和美は彼女の肩をかかえ、自室のベッドへ春海の体を横たえた。踵をかえして玄関に戻り、
工具とPCが乱雑にちらかっている机の脇へ荷物を置く。机の上には、春海が作ってくれたで
あろう夕食が、なんとか確保したスペースに鎮座している。ご飯、味噌汁、ハンバーグ、野菜
炒め…だが、何かが違う。
「春海、あなた…手を見せてみなさい」
「問題ありません、和美様」
「いいから見せなさい!」
和美は春海の両腕を強引に引き寄せ、手の平から指をじっくりと見つめた。
「申し訳ありません」
「いいから、親指から小指まで一本ずつ動かしてみなさい」
言われた通り、春海は両手の指を一本ずつ曲げ、伸ばした…筈だった。
「やっぱりおかしいと思ったわ。あなたが味噌汁をこぼしたりハンバーグを崩したり、あまつさえ
盛りつけがぐっちゃりとなるようなヘマは絶対しないもの」
176:絆-1 (5/5)
08/01/16 00:33:19 5ET2d9/9
まともに動く指は右手の親指と中指、左手は人さし指と薬指だけだった。他の指は痙攣しながら
不規則な速度で曲がり、曲がりきった後は中々伸びてこない。一番酷いのは左手の親指で、
いつまで待っていてもピクリとも動かない。
「いつからこんな状態だったの」
「三日前です」
気付かなかった…というよりは、気付く暇がなかったというべきか。ここ最近、特に三日前から
帰宅が深夜になり、夕食を食べる元気もなかったのだ。当然朝食も抜いていたから、春海の
異常に気付く事ができなかったのだ。
「ごめん、春海…あたしのせいだわ」
「そんなことはありません、和美様」
よく見れば、肘の関節も微妙だが震えているように見える。このまま放っておけば、彼女の
腕は直に動作しなくなってしまうだろう。
「機材はそろったんだから、早くなんとかしないと」
「…駄目です。和美様が必要な栄養を摂取されることが最優先です」
震える右脚をおさえながら、春海はベッドから立ち上がろうとする…が、立ち上がった瞬間に
右膝は敢え無く折れ曲がり、ベッドへ尻餅をつくように倒れ込んでしまう。
「和美様、私は…」
「あー、もう! 言い出したら聞かないんだから…わかったわよ、食べるから大人しくしてなさい!」
「承知いたしました、和美様」
和美が帰宅してから初めて笑みを浮かべた春海は、安心したかのようにベッドに横たわった。
(まったくもう、誰の人格をモデルにしたんだか…)
盛りつけが乱れ、崩れかかったハンバーグを頬張りながら、和美はあのダンボールの中身のことを
考え始めていた。
(続く)
177:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/01/16 00:34:21 5ET2d9/9
今回はここまでです。
178:名無しさん@ピンキー
08/01/16 01:16:25 uPi0AOs/
あの段ボール中身なんだよ畜生
眠れなくなっちまったじゃねーか!
指示をくれ大佐
179:名無しさん@ピンキー
08/01/16 01:50:14 XyvYVVVb
ダンボールをかぶり、正座し、次の投下を待つ
全裸で
180:名無しさん@ピンキー
08/01/16 07:51:44 uPi0AOs/
179のIDすげぇ
181:名無しさん@ピンキー
08/01/16 08:18:30 bzC0xa22
なんという超電磁
182:名無しさん@ピンキー
08/01/16 12:28:36 5tsBnDi8
これは楽しみな話がきてますよっとw
wktkして待ってます
183:名無しさん@ピンキー
08/01/18 08:22:37 +f/w0nR4
ホ..ホシ.Y
184:名無しさん@ピンキー
08/01/18 18:56:05 eOhjbiTq
ん、どうした、ホシュタン?
ホシュタン? ホシュタン?
ホシュタンンンンーーーーーーンッ!
185:名無しさん@ピンキー
08/01/18 21:33:48 m/jUk2IW
[バッテリーを充電して下さい]
186:名無しさん@ピンキー
08/01/18 22:48:13 f6t8MSzn
っ[DC高圧]
187:名無しさん@ピンキー
08/01/18 23:16:41 gkMINbzK
つ【オキシライド乾電池】
188:名無しさん@ピンキー
08/01/18 23:20:13 E95RBvJy
つ[ボタン電池]
189:名無しさん@ピンキー
08/01/18 23:49:00 CTGuW/eP
つ【006P】
190:名無しさん@ピンキー
08/01/18 23:50:44 WjJoCiFu
つ【ミノフスキーイヨネスコ式核融合炉】
191:名無しさん@ピンキー
08/01/19 02:11:24 bZtXgvay
つ【常温対消滅機関】
192:名無しさん@ピンキー
08/01/19 10:49:44 G3tTutqs
つ【手回しダイナモ】
193:名無しさん@ピンキー
08/01/19 10:56:36 0oVPiBr2
>>192
むう、脳内に手回しダイナモを自分で回して充電する
永久機関なホシュたんの姿が…
194:名無しさん@ピンキー
08/01/19 11:05:01 G3tTutqs
>>193
エネルギー保存の法則から考えるとありえない、と科学者たちは言うだろう。
だが、彼らは重要なことを忘れている。
そう、ダイナモを一生懸命回すホシュたんの姿を見ている俺たちのことだ。
その萌えパワーによって、ホシュたんは充電しているのである!
……なんか、芸で飯を食う芸人みたいだなw
195:名無しさん@ピンキー
08/01/19 22:43:41 FlLsXa0K
>>190>>191
オーバースペックだろ…常識的に考えて……
196:名無しさん@ピンキー
08/01/19 23:19:19 SAXjtI1n
ホッ!!! シュッ!! ホッ!!! シュッ!! ホッ!!! シュッ!! ホッ!!! シュッ!!
197:名無しさん@ピンキー
08/01/19 23:22:01 G3tTutqs
元気になりすぎたじゃないかw
198:名無しさん@ピンキー
08/01/20 10:29:43 V06JFRuE
現実的に考えて
固体高分子燃料電池
199:名無しさん@ピンキー
08/01/20 11:08:56 190aFION
つ【eneloop solar charger】
200:名無しさん@ピンキー
08/01/20 13:42:37 U3S/G52v
あなたが落としたのはこの第一世代型Vコンバータですか?
それとも第二世代型Vコンバータですか?
いや、あの、PS2です…
正直者ですね、あなたには両方を差し上げましょう
いやサターンもドリカスもいらねーからプレステ返せオイ
201:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/01/20 22:48:52 kf8P53RB
>>172-176の続きを投下します。
※前回投下時、タイトルの話数をミスってました。申し訳ありません…orz
202:絆-2 (1/5)
08/01/20 22:50:06 kf8P53RB
和美は夕食を済ませ、食器の片づけもそこそこにして行動を開始した。食器を洗わせろとしつこく
食い下がる春海をなだめすかし、ベッドの端に座らせる。上着を脱がせ、頚椎のカバーを外して
メンテナンス用ケーブルを接続し、PCのメンテナンスソフトを起動した。
「うわ…」
起動直後に無数のアラートが表示され、不具合が発生している箇所がずらりと並んだウィンドウが
自動的に表示された。人工筋肉、磁性流体ベアリング、有機センサー…ありとあらゆる消耗品に
何らかの異常が発生していることを示すメッセージが和美の目に飛び込んでくる。ある程度予想
していたとはいえ、あまりの交換部品の多さに和美は思わず頭をかかえた。仕入れてきたパーツで
果たして間に合うのだろうか?
「和美様…?」
声に気がついて顔を上げると、春海が和美の顔をじっとのぞき込んでいた。
「ん、大丈夫…じゃあ始めるわよ。右腕の電源をカットして。」
「かしこまりました。右腕部への電源供給停止。右腕フィードバック回路、閉鎖」
春海の右腕から力が抜け、だらりと垂れ下がった。同時に右腕の肌色が生気を失い、どんどん
白みを帯びてくる。
(いつみても、これだけは慣れないわ)
バイオマテリアルを駆使して作られている人造皮膚は、余程の事がない限りは人間と見分けが
つかない程のリアルさをもっていた。人間の皮膚がもつ微妙な半透明感と艶を巧みに再現し、
柔軟さまで再現されている。だが、電源供給が断たれると半透明感と艶は失われ、シリコン製の
安物と同じような質感になってしまう。春海のメンテナンスを幾度となくこなしてきた和美だが、
人造皮膚の生々しい変わりようには馴染む事ができていない。
「センサー系も完全にカットしたわね」
「問題ありません、和美様」
和美はPCのテレメータを慎重に確認したあと、念のために春海の右腕をペン先で軽くつついてみた。
弾力を失った人造皮膚は、風を引いたゴムのような感触を伝えてくる。
203:絆-2 (2/5)
08/01/20 22:51:43 kf8P53RB
「OK,これから間接ユニットの接合部にアクセスするわ」
和美は傍らに置いてある小さな工具箱の中から、医療器具に似た形のナイフを取り出した。柄の
後端にある小さなスイッチをスライドさせると、ナイフの刃先が甲高く小さな音を発しはじめる。
「高周波振動ナイフ、作動に問題なし…っと。痛かったらいってね、春海」
「和美様、私に”痛み”という概念はありません。センサーで収集された数値は…」
「無粋なことは言わないの」
少しむすっとした表情を作り、春海の目を見つめる和美。春海のセンサーを動かしているドライバは
数年前に開発が終わり、以後は細々としたマイナーアップデートが繰り返されているだけだ。
センサーの値を五感に変換し、感情を司るロジックを制御するためのドライバーソフトは未だ
リリースされていない。自作を考えた事もあったが、ソフトウェアについては流石の和美もお手上げ
だった。とはいえ、「あれ」を彼女に実装するにはドライバの構造についても精通しておく必要がある。
「右腕肩間接ユニット…切開するラインは…」
オンラインマニュアルに示されている指示に従い、水性のサインペンで春海の肩にラインを描き
入れると、右腕が身体に”接続されて”いるという事を嫌でも意識させられた。
「切開開始」
熱したナイフをバターに突っ込んだかのように、高周波振動ナイフの刃先が春海の肩口へずぶりと
埋まっていく。先程書き入れたラインを外さないよう、
「…」
ゆっくりとナイフを動かし始める。肩の上側から背中側へ回り、脇へとナイフを進めた。ちらりと
PCのモニタへ目を移す…センサーの数値は正常値を示している…このまま続けて、脇下の人造皮膚を
切断するため、春海の腕を持ち上げた。それにつられ、春海の右胸が僅かに持ち上げられる。
(大きい…)
ボディサイズのデータによれば、春海のバストは88cmのDカップ。和美の胸と殆ど変わらないが、
自分以外の女性の胸をここまで間近に見る機会は中々ない。淡いベージュ色のブラに支えられた
乳房は均整のとれた形を保ち、その先端は…先端は…確か、この前一緒に風呂へ入った時は、奇麗な
ピンク色の…
204:絆-2 (3/5)
08/01/20 22:52:42 kf8P53RB
「…様…和美様?」
「はっ!?」
「ナイフの動作が停止して60秒経過しました。何か問題が発生したのでしょうか」
「いや、なんでもないのよ」
「了解しました」
(駄目よ和美…集中、集中!)
ミスると内部の機構を破壊する可能性もある作業だ、こんな事ではいけない…現実に引き戻された
和美は複雑な気分を抑え、作業を再開した。
(変な妄想のループに入るとこだったわ。私、疲れてるのかしら)
自分は一体、あの妄想の先に何を期待していたのだろうか? ドロイドとはいえ、正常に稼働している
箇所は人間の女性そっくりな春海の身体…乳房もその例外ではない。しかし、”女”であるあの部分は?
中学生になったころの思い出が頭を過りかけた瞬間、ナイフの先端が肩口を一周し終えた。
「間接ユニット周囲の切開完了。続いて上腕部の切開に移る…」
腕と並行に引いたラインに沿い、ナイフを滑らせる。上腕の表と裏に切れ目をいれた後、和美は
肩口の切れ目に指を滑り込ませた。
「開けるわよ」
ぺりぺりと乾いた音を僅かに響かせながら人造皮膚をはぎとると、春海の腕を動かしている人工筋肉の
束が現れた。
「如何でしょうか、和美様」
「これは…駄目ね」
本来は桃色である筈の人造筋肉が、解凍の失敗した肉のように赤黒く変色していた。
「この分だと他の筋肉もだめかなぁ」
三角筋に相当する人造筋肉を取り外し、更に上腕二頭筋・烏口腕筋・烏口腕筋の状態を順に確認する。
「他の部分も駄目。差異はあるけど、どれもこれも劣化して使い物にならないわ」
春海に使われている人工筋肉は付与される電力によって引き起こされる化学反応を利用するため、
定期的に内部へ封入されている薬剤を交換する必要があった。しかし、今回は薬剤だけではなく、
化学反応を引き起こす触媒となる素材そのものが劣化しているのだ。このような事態を全く想定
していなかった訳ではないので、買い置きも含めて交換用パーツの予備は揃えて有る。しかし、
片腕だけでもこの惨状だ。他に警告が上がっている箇所は一体どうなっているかわかったものではない。
205:絆-2 (4/5)
08/01/20 22:53:50 kf8P53RB
「和美様…」
「駄目になったもんは仕方ないわ…こうなったら徹底的にやるだけよ」
意を決した和美はオンラインマニュアルの項目を幾つかプリントアウトし、春海の身体へ次々と
切開ラインを書き入れていく。
「あと二日は動けなくなるけど…ごめんね、春海」
「いえ、私は構いません。でも、和美様はきちんと睡眠をとってください」
「うん、わかった」
春海の小言を聞き流しながら、各部電源カットと回路閉鎖を指示していく。
(ここまでばらすなら…アレを組み込むいい機会だわ)
必要な箇所の切開を手早く終え、間接ユニットの切り離しにとりかかった。腕が、腰が次々と春海の
上半身から取り外されていく。両腕のフレームと人造筋肉に作業机が占拠されてしまったので、下半身は
床のカーペット上へ直置きすることにした。
「さて、と」
和美は作業机の上に置かれている人造筋肉をライトで照らし、触媒の劣化具合をチェックした。
明らかに色がおかしくなっているものは問答無用で交換し、カラーサンプルと比較して微妙なものは
専用のテスターで数値を確認する。その結果、いくつかの人造筋肉はユニット毎の交換が必要で、
そうでないものも触媒を交換しなければならなかった。
「こりゃまいったわね…」
どう考えてもパーツが足りない。肘、膝まではフォローできるが、そこから先を駆動するためのパーツが
揃わなかった。完全に動作しない訳ではないが、完全な状態には程遠い。
「和美様、どういたしましょう」
「筋肉はありあわせので何とかするしかないわね。あと、腰椎ユニットもちょっと弄らないといけない
から、先にそっちの方を片づけるわ」
「了解いたしました」
半分嘘だ。腰椎ユニットは確かに警告が出ていたが、下半身を分解しなければいけないような状態では
ない。しかし、”アレ”を装着するには、必ず弄る必要があった。
206:絆-2 (5/5)
08/01/20 22:54:49 kf8P53RB
和美はカーペットに腰を降ろし、春海には見られないよう、彼女に背中を向ける格好で作業を開始する。
春海の下半身を座布団の上に移し、例のダンボール箱をその横に置いた。
(まずはパンツを脱がさないと…)
臀部を床から持ち上げ、パンツに手をかけた。下半身を分解するのは3年ぶりだろうか? 前回は感じる
ことさえなかった胸の高鳴りを抑えながら、下着をおろしていく。
「…!」
そこには、あるべきものが存在していなかった。
(やっぱり思い出しちゃった…)
膝をゆっくりと左右に押し広げると、つるりとしたノッペラな股間が和美の目に晒される。
それをじっと見つめていると、和美が中学生の頃の思い出が明瞭に脳裏へ再生され始めた。
(続く)
207:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/01/20 22:55:43 kf8P53RB
今回はここまでです。
あれ?タイトル正常だった…? orz
208:名無しさん@ピンキー
08/01/20 23:41:54 fkCubM/Q
メンテナンスシーンがリアルだ……GJ!
209:名無しさん@ピンキー
08/01/21 00:04:32 V06JFRuE
メンテシーンに
210:名無しさん@ピンキー
08/01/21 00:05:31 V06JFRuE
フルボッキ
211:名無しさん@ピンキー
08/01/21 09:54:39 6PQLHwRC
続き期待age
212:名無しさん@ピンキー
08/01/22 12:37:03 738nZ0X9
ホッ!! シュッ!! ホッ!! シュッ!! ホッ!! シュッ!! ホッ!! シ
シ
y
213:名無しさん@ピンキー
08/01/22 13:15:37 vSz2nswo
柿崎いいいぃぃぃ!
214:名無しさん@ピンキー
08/01/22 21:47:50 LJBbv7P0
マクロス?
215:名無しさん@ピンキー
08/01/23 12:41:18 9m7yRcxB
エロパロ板 過去ログ倉庫
URLリンク(ninjax.dreamhosters.com)
216:名無しさん@ピンキー
08/01/25 01:15:21 uqHoIuhr
エロパロ板 過去ログ倉庫
URLリンク(ninjax.dreamhosters.com)
217:名無しさん@ピンキー
08/01/27 17:28:26 wuDFVvZh
ASIMO×先駆者で一つ
218:名無しさん@ピンキー
08/01/27 17:49:02 9S6M2jqm
逆じゃないのか
219:名無しさん@ピンキー
08/01/29 22:23:19 jOQ25mrs
巴を完結させるべきだと思う
220:名無しさん@ピンキー
08/01/30 08:51:41 iVw5MIH+
お前らん家のロボ娘自慢は充分聞き飽きた
お前らのロボ娘にマスター自慢を伺いたいですよ?
ロボ娘雑談御題・ロボ娘の「ニンゲンのここに萌えましたw」
221:名無しさん@ピンキー
08/01/31 00:09:50 EFzN4qGK
実際問題としてお前ら、ロボ娘にどう好かれてるんだ?
お前らがロボ娘に萌えてるのは百も承知だがな、相手の気持ちが解らなきゃ一方通行の自己満足に過ぎないんだぜ
ロボ娘が人間に惹かれる理由とやらを知りたいんだぜ?
222:名無しさん@ピンキー
08/01/31 00:27:55 HXI/38nn
(炊飯器が何かを言いたそうにこちらを見ている)
223:名無しさん@ピンキー
08/01/31 21:38:58 dE/lHqNd
毎日が新鮮なんです。
規則正しい生活なんですけれど、毎日が違うんです。
わたしが同じ顔をして笑っていても、不機嫌?って訊いて来たり。
昨日は機嫌がいいようだねって言ってたのに。
どうしてそれが解ってしまうのか解りません。
パラメーター変動も情動シミュレーターもしていないのに。
……もっとマスターの事、知りたいです。だから……そばにいさせて。
224:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/01/31 21:57:34 bVWkGppt
空気を読まずに>>202-206の続きを投下します。
225:絆-3 (1/5)
08/01/31 21:59:29 bVWkGppt
その日、学校から帰宅途中の和美の胸は、今までにない程の鼓動で揺らされていた。
「お…女の子に…あたしのお腹に、あんなのが入ってるなんて…」
学校の性教育の授業で初めて見た、男女の性器。保険の先生が、腰~太股の人体模型を使って
丁寧に説明してくれた。最初は一部の男子生徒が先生をからかっていたが、先生が説明を進めて
いく内に、皆真剣に聞き入るようになっていた。性器の外観、構造、そして子供の作り方。
”へぇ、男の子のおちんちんってあんな風になってるんだ”
”あれが大きくなるなんて信じられない
”しかもあれ、あたし達の股間に入るんだって…嫌だわぁ”
友達全員が男性器の話題で持ち切りになっていたとき、和美は配布された解説書に目を奪われていた。
(わたしの股間に…こんなものが入ってる…)
それは、女性器の図解だった。股を開いて正面から見た図、そして断面図。和美はその形状の
複雑さ、そして神秘的な機能の事で頭が一杯になっていたのだ。自分の身体の下腹をそっと撫で
ながら、子宮の模式図をじっと見つめる。”胎児のゆりかご”という、精巧なシステムが自分の
中にもあると思うと、彼女の背筋がぞくっとした。
(家に帰ったら…確かめてみよう)
学校から帰宅した彼女はそのまま自室に駆け込み、ドアの鍵をしめた。
「ふぅ…」
溜め息をついた和美は鞄を椅子に置き、ベッドの端に座り込む。
「…」
深呼吸を数回繰り返し、心を落ち着かせてから立ち上がると、スカートの裾をめくりあげた。
そのままパンツのサイドに手をかけてスルリと脱ぎ捨て、手鏡を片手に床へ座る。
「私の…」
合わせていた膝をゆっくりと開き、手鏡で自らの股間を映し出してみた。
「…よく見得えないや」
膝の開き方が中途半端だったせいか、太股の間に走る縦スジが鏡に映し出されているだけだ。
割れ目の中央付近には何かが詰まっているように見えるが、小さ過ぎて確認が出来ない。
「図解だとあんなに中身がよく見えてたのに…」
226:絆-3 (2/5)
08/01/31 22:01:12 bVWkGppt
鏡を持っていない方の手を割れ目にかけようとしたが、その手が途中でぴたりと止まる。
(…本当にあんなのが…あたしのお腹に入ってるのかしら)
二枚の扉を目の前にして、彼女の心にはある種の恐怖心が芽生え始めていた。
「…そうだ…春海ならきっと…」
彼女の頭に、一人のメイドの姿が浮かび上がった。メイドロボの彼女なら、私の疑念にきっと
答えてくれる筈だ。そう思った瞬間、ドアをノックする音が和美を現実へ引き戻した。
「和美様? どうかされましたか?」
あわててパンツを履き直す和美。
「な、なんでもないの!」
服装を素早く整え、ドアの鍵を開ける。少し間をおいて、ドアの向こうから黒髪の少女が
顔を覗かせた。
「御返事が聞こえるまで、初回のノックから1分12秒を要しています。体調に何か異常が…」
「大丈夫よ、うん」
「お顔の色に変調が見られます。通常時と比較すると、赤味成分が23.87%増加していますが」
「あ…その…ほら、今日は走って帰ってきたから、体温が上がっちゃったのよ、きっと」
「…確かに心拍数も平常時より高い傾向が見られます」
「汗もかいたし…そうだ! お風呂! お風呂に入りたいな」
「入浴には少々時間が早いかと思われますが」
「汗かきっぱなしだと、気分が悪いわ」
「…申し訳ありません、ただいますぐに準備を」
「ちょっと待って!」
踵を返し、立ち去ろうとした春海の肩を掴む和美。
「なんでございましょう?」
「…わたしの背中、流してくれないかな」
「お湯の温度はこれぐらいでよろしいでしょうか」
「うん、熱過ぎず温過ぎず…丁度いいわ」
「ありがとうございます」
和美の身体を流しながら頭を軽く下げ、笑みを浮かべる春海。試作品の塊である彼女には、それまでの
ロボットにはない様々な技術が用いられていた。
227:絆-3 (3/5)
08/01/31 22:03:47 bVWkGppt
大宮電工株式会社会長、大宮 重太郎。人間の肌触りだけでなく、関節駆動に人工筋肉を用いた
汎用アンドロイドが大ヒットしたおかげで、今や納税額ベスト100の頂点を極める男に成り上がった。
彼画が発案した製品の中でも特に売れたのが、一般家庭向けメイドロボだ。人間に圧迫感を感じさせない
サイズ、柔軟な動作。そして最新のソフトウェア技術を駆使した、当時の同型ロボットと比較しても群を抜いた
コミュニケーション能力。それらの最新試作パーツのテストベッドとなっていたのが、大宮家のメイドを
勤める”春海”だった。
「笑顔、すごく自然になったわね。なんだか本当に嬉しそう」
「そう見えますか? お母様が先日試作された、表情の遷移ロジックが功を奏していると思われます」
「お母さん、笑顔には本当にこだわってるものね」
「わたしも和美様にお褒め頂いて、嬉しく思います…もっと和美様のお役に立ちたいです」
「ふふふ…」
数ヶ月前から春海のAIには、”欲望”がプログラミングされていた。単純な受け答えだけではなく、
自らの欲求に従って動作し、知識を手に入れ、自身の思考ルーチンを構築していく。単純な受け答えから
行われる学習ではAIが成長する方向性が限られてしまう…しかし、自分の欲望を満たすという”禁断の
リンゴ”を得た彼女は、無限の可能性を得たのだ。
「なぜ笑うのですか? 私は何かおかしなことを申しましたか…教えてください、和美様」
作られたばかりの頃と比べると、彼女の挙動はかなり人間らしくなってきているが、こちらが意味深な事を
少しでも見せた途端に教えを乞うてくる。その様は言葉を覚えた手の子供のようであり、悪い気分はしなかったが。
「ねぇ、春海」
湯船につかり、身体を洗っている(これも春海が和美に教えて欲しいと懇願したことだ)春海に
話しかけた。
「いかがされましたか?」
シャワーで身体の泡を洗い流しながら春海が答える。
「ちょっとお願いがあるんだけど、いいかな」
「和美様がおっしゃられることなら、なんでも」
「じゃあ…そのまま立ち上がって」
「こうですか」
シャワーのお湯をとめ、中途半端に泡が身体に残った状態で春海が立ち上がった。
「そうそう。次は…こっちに歩いてきて」
「かしこまりました」
湯船の前まで春海が歩を進める。
「ん…そこで止まって」
和美の言う通り、春海は湯船の前で立ち止まった。丁度和美の視線の先に、春海の股間が位置する状態だ。
「そこでじっとしてて…泡が邪魔だわ…」
股間にこんもりと付着していた泡に、和美が手で湯をかけて洗い流した。そして泡の切れ目から、先程和美が
鏡で見た割れ目がその姿を現す…筈だったのだ。
「嘘…」
あるべきものがない。少なくとも和美の中では、春海の股間にも自分と同じものがついている筈だった。
しかし今和美の目の前にあるのはつるりとした肌のみである。股を閉じている状態なので、ほんの少しであるが
割れ目のようなものが出来ていた。
「春海、股を開いて!」
「こう、ですか?」
肩幅より少し広い程度に足を開く春海。股間の割れ目は消え失せているが、和美は春海の股間を何度も何度も
凝視し、指で触れ、擦った。
228:絆-3 (4/5)
08/01/31 22:10:20 bVWkGppt
「どうされたのですか、一体…」
「一体も何もないわよ! なんで…なんでないのよ!」
「おっしゃられている意味がわかりません」
和美は湯船から勢いよく立ち上がり、春海と同じように股を開いた。左手で大陰唇を開き、右手でそれを
指さして叫んだ。
「これよ!」
「それは女性器ですが、それがどうかされたのですか」
自室で己の身体に感じた恐怖は、既に微塵もなかった。春海の、自分についてないのは当たり前だと言わん
ばかりの口調に、和美の頭の中で何かが切れた。
「どうかされたのって…なぜあたしにはついてて、春海にはついてないの!?」
「それは、和美様は人間であり、私が人間ではないからです」
「違う…違うの! あたしが言いたいのはそんなことじゃないの!」
疑いようのない事実。春海はアンドロイドで、和美は人間だ。両親からも常々聞かされていたことだし、
今更それを否定するつもりはない。
「アンドロイドだからって…身体はあたしと同じで…なのに付いてないのって…」
「申し訳ありません、何故和美様が怒られているのか…わたくしには理解不能です」
「嫌だ…やだよ! そんなの…」
和美はふらふらと後ずさり、湯船の淵にへたりこんだ。彼女にとって春海は、少なくともアンドロイド以上の
存在だったのだ…つい先程までは。
「和美様…」
その想いが、想いを寄せていた本人に否定された。
『春海は人間ではない』
言葉尻だけを捉えていた事実が、和美の心に大きくのしかかり始めていた。
「和美様」
春海の視線が、和美の股間で止まっていた。和美は大股を開いたまま湯船に座り込んでいたので、彼女の
秘所が何にも邪魔される事なく、春海の光学センサーの有機樹脂フィルタに映り込んでいる。
「これ…は…?」
春海は湯船の際へしゃがみ、放心状態で座り込んでいる和美の股間を覗き込む。本来なら和美を慰める
べきであったが、この時の春海は女性器に対する興味の優先度が勝っていたのだ。
「似ていますが…違う…」
それを全く知らない訳ではなかった。データベースには女性器の構造や説明が収められており、春海はそれらの
データと、光学センサに捉えている実物を事細かに比較しているのだ。画像とは違うあざやかなピンク色の
体組織、別の生物のように蠢く小陰唇と膣口。そこからはバルトリン腺液がわずかに零れ、湯によるものとは
明らかに違う輝きを放っている。今まで未使用だった欲望が、彼女のAIを突き動かした。
(知りたい。人間の女性器の全てを。)
次の瞬間、春海の手は和美の股間へと伸び、その指先が和美の秘部に添えられる。
「ん…んん」
突然下半身から伝わってきた未知の感触に反応し、和美の身体は大きく痙攣した。
「あっ!!」
和美の表情が歪み、腰が引ける。
「も、申し訳有りません!」
春海が慌てて手を引っ込める…が、その手首と掴まれた。春海が驚いた表情を浮かべ、和美の顔を見上げる。
「…待って」
「和美…様?」
「もっと見て…触ってよ…同じものがあなたにもある筈なのよ…だって、春海…あなたは…あたし…の…っ!」
229:絆-3 (5/5)
08/01/31 22:26:51 bVWkGppt
和美の言葉は、そこで途切れた。彼女の身体が大きくのけ反り、振り乱された髪がばらりと後ろに垂れる。春海の
指先が、和美の割れ目をそっと撫で上げていた。
「…ぁあんっ!」
風呂に響く、淫靡な喘ぎ。春海の聴覚センサがその声を余す事なく捉え、AIに伝える。
「和美様…」
「ん…ぁ…もっと近くで…見て…」
春海は立ち上がり、言われるままに和美へ近づいていく。湯船に入って再びしゃがみこむと、風呂場の照明を
てらてらと反射している大陰唇が春海を待ちかまえていた。
「…これが…人間の…」
両手を添えて陰唇の隙間へ指を差し込み。そのまま左右に開くと小陰唇が顔を出した。その上部に陰核であろう
組織を包み込んでいる鞘が見えている。
「んっ…くっ…!」
春海が指を動かす度、和美は股間から容赦なく押し寄せる快感に脳を揺らされていた。下半身、特に下腹部から
しみ出るような熱さが広がり始めている。
「女性の殆どがクリトリス包茎と言われておりますが…」
和美の陰核は、微妙に鞘からその頭を覗かせていた。春海は小陰唇を片手で器用に開き、もう一方の手で陰核を
覆っている鞘をつまむ。
「包茎って…あぁん! んぁ゛っ!!」
親指と人さし指で鞘をつまみ、エンドウ豆を出すようにしごく。プリプリと陰核が振れるのに合わせ、和美が
悲鳴にも似た喘ぎ声を上げる。
「んっ! うあ゛っ! ひぃ!」
春海にとって、全てが新鮮な情報だった。人間とはこのような反応を示すのか…彼女のAIは今や、その殆どの
タスクが欲望によって動かされている。そうこうしている内に、陰核がその姿を現してきた。春海は黙ったまま、
陰核に顔を近づける。
「春…海…」
涙を流しながら、和美は春海の顔を見た。自分の秘部を見つめるその姿を見た途端、彼女の欲望もついに堰を切った
かのごとく溢れ始める。
「欲しい…欲しいよぉ…春海ぃ…」
「和美様…」
「あなたの口で…私を…」
「…かしこまりました」
春海は僅かにうなずき、一瞬の間をおいてから和美の蜜壺へ接吻を交した
(続く)
230:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/01/31 22:27:22 bVWkGppt
今回はここまでです。
|彡サッ
231:名無しさん@ピンキー
08/01/31 22:42:48 jWZHbg1B
ヒューヒュー
おいらwkwktktkしてきたぞ
232:名無しさん@ピンキー
08/02/02 17:32:19 SJPckvta
レズロイドktkrww
期待でドキがムネムネなんだぜ
>>マスター自慢
私の旦那様は最初、すっごく頑固方だったのですが、ロボトm…素直になるオマジナイを施した途端とっても物分かりがよくなられたんです。
これって俗に言うツンデレってやつですね
皆様も試してみてはいかがでしょう?
233:名無しさん@ピンキー
08/02/03 15:20:31 eY6drWaX
失礼します。
URLリンク(alice.biglobe.ne.jp)
↑アンドロイドじゃ、ないのかもしれませんが
234:名無しさん@ピンキー
08/02/03 15:57:39 +oxYFAr+
ほほう・・・結構らしく喋るな
あと10年もすれば、人間と変わらない声やイントネーションで喋るロボットも出来そうだ
235:名無しさん@ピンキー
08/02/03 16:45:09 01i9u5ti
これは凄い
一人のキャラのみに絞ってるからここまで出来るもんなのかな
236:名無しさん@ピンキー
08/02/07 08:27:25 5FAwojsO
保守
最近過疎ってるなあorz
237:名無しさん@ピンキー
08/02/07 12:25:04 SVEg1x9O
しかたがない
ウチのロボ娘の原子力ゼンマイを巻いて来るか
238:名無しさん@ピンキー
08/02/09 03:56:39 QKDfCaY4
保守小ネタ
初投稿なので、大目に見てください
239:小ネタ
08/02/09 03:58:06 QKDfCaY4
きっかけは雑誌の読者応募企画だった。
それは、とある人気シミュレーションゲームの最新作の主題歌の歌手を読者投票で
決めようという、良くあるタイアップ企画のひとつに過ぎなかった。
事実、応募期間中にネットなどで話題に上った名前は現役のアイドルや歌手(原作
アニメには女性ファンも多かったので男性アーティストの名前も多く挙がっていた。)
がほとんどを占め、多くの関係者もそれを想定していた様だった。
だが、集計の結果はそんな大方の予想を覆すものであった。
『HIROKO.M』
「彼女」は、原作シリーズ製作10周年記念作品の主題歌を歌った歌手であった。
その作品は第1シリーズの監督が演出を手掛けており、作品自体がシリーズの中でも
人気のある部類であったので、ある意味妥当とも言えなくは無い結果ではあった。
しかし、その投票結果は製作関係者を大いに困惑させるものでしかなかった。
なぜなら
「彼女」は人間ではなかったからである。
当時、バーチャル・アイドルという概念はおろか自立型二足歩行ロボットの実用化の
目途さえ立っていなかった時代に、アンドロイドどころかAIですらない、とんど実験的
に作られた音声合成ソフトによる人工の歌声、それが彼女の正体であった。
240:名無しさん@ピンキー
08/02/09 03:58:48 QKDfCaY4
当初、製作会社はこの事を理由に1位当選を無効、次点の人気タレントを起用しよう
としていたが、そのタレント本人が「自分も同じバーチャル・アイドルであること」、
また「同じ事務所の先輩であること」を理由に辞退したことを皮切りに、ファンの間か
らは無論、の事製作スタッフの中からも「彼女」を推す声が上がり、原作アニメの配給
会社からの「ファンの気持ちを汲み取って欲しい」というコメントが決定打となって、
今回の壮大な計画がスタートしたのである。
もちろん、「彼女」の復活には様々問題が横たわっていた。
まずは、技術的な問題である。なにせ十数年も前のプログラムである、当時とはハー
ドウェアそのものの規格が変わっており、「彼女」を走らせることの出来るマシンなど
現存しているはずも無く、企画はいきなり暗礁に乗り上げてしまった。
もちろんエミュレータを使う案も出されたが、「彼女」自身がほぼワン・オフとして
作成されており、さらにそれをエミュレートするプログラムを用意することはシステム
を一から構築するようなものであった(また「彼女」の所属していた事務所からは「自
分の筐体を使ってくれ」というバーチャル・タレントが続出していた様だが、これも技
術的な問題から却下されていた様である)。
ところが、この問題に意外な方向から解決の手が差し伸べたれた。
応募企画を行った出版社へ「当時の実機を持っている」という投書が送られてきたの
である。
実は、この計画はすでにネット上で話題となっており、ファンの間で当時の機材の捜
索が有志で行われていたようで、投書をした長野の会社経営者は「東京からいきなり若
者が訪ねてきて土下座をされたときは驚いたが、話を聞いて協力したいと思った。」と
コメントしており、当時の加熱ぶりが窺われよう。
また、同時にネット掲示板において現役のプログラマー達によるエミュレーションソ
フトウェア開発や、エンジニアによる代替機器開発が行われており、当初挙がっていた
障害が次々と(しかも無償で!)解決していったのである。
こうして、有形・無形によるファン達の協力によって「世界初のバーチャル・シンガ
ー復活劇」は無事完了し、ゲーム発売・主題歌CD発売へと至ったのである。
なお、現在「彼女」の移動用筐体が有志によって開発が進められているという話が囁
かれているが、真偽のほどは定かではない。
241:名無しさん@ピンキー
08/02/09 04:01:10 QKDfCaY4
過去ログを漁ってて、急にETERNAL WINDが流れてきたので思いつきでやりました。
242:名無しさん@ピンキー
08/02/09 08:58:45 EsdJqXb7
近未来に有り得る話だよなw
是非とも過去ログ読んでこのスレに馴染んでくれ
次回作も楽しみだ
243:名無しさん@ピンキー
08/02/09 11:02:56 75UXxQmI
例えば現在でも古いホビーパソコンMSXなんかはMSXアソシエーションなるものが発足し
当時のソフト資産を管理・保存・再運用しようという運動が行われているな
その運動の影にはこの作品に出てくるファンの様な有志によるソフトやハードの提供も行われたんじゃないかな
作中になんとなく漂うリアル感に胸がキュッっとなったぜw
244:名無しさん@ピンキー
08/02/09 15:51:17 b8IKqd+y
>>240の一節を読んで
雪の降る週末の信州、
独りのリュック背負ったヲタが上諏訪駅に降り立ち、
寒々とした諏訪湖岸を、傘も差さずにメモ片手に歩き回って
雪まみれになりながら、ついに探し当てた精密機器製造会社の経営者宅玄関前に立つ。
「ここか……果たして、話を聞いてくれるだろうか」
と不安を抱きつつ、インターホンのボタンを押す切羽詰まった心情、
というのが思い浮かんだ。
で、怪訝な顔で迎えた奥さんにとにかく上げて貰った口下手なヲタが、
初対面の社長に訥々と事情を語り、
最後にがばっと土下座して、涙ながらに「どうかお願いします!」と協力を乞う、と。
245:名無しさん@ピンキー
08/02/10 01:55:01 LZapacnp
ETERNAL WIND Vo:HIROKO.M
まるで悲しみのカケラだわ 街を閉ざすガラス色の雪 明日を探す瞳さえも 曇らせて行くの 闇の彼方
見知らぬ力に流されて 心がどこかへはぐれてく はりさけそうな胸の奥で 鼓動だけが確かに生きている
光る風の中 聞こえて来る あなたの声 「Pray don't break a peace forever 」 その輝きを信じてる
蒼くけむる水平線を この眼はまだ覚えているから まぶたを閉じれば帰れるの 暖かな時間 思い出たち
繰り返す過ちがいつも 愚かなイキモノに変えてく 傷付くだけの生き方でも 涙はそうよ 決して見せないわ
光る風の中 微笑んでる 貴方が居る 「Pray don't break a peace forever 」 そのまぶしさを見つめてる
激しい痛みは誰のため? それがやっとわかる気がするわ めぐり逢いはそう奇跡なの 幾億の星がさまよう空
さよならが教えてくれたの 貴方の本当の優しさ 誰よりも大事な人だと 胸を張って言えるわ いつの日も
光る風の中 微笑んでる 貴方が居る 「Pray don't break a peace forever」 そのまぶしさを見つめてる
「Pray don't break a peace forever 」 熱い瞳に焼き付けて
これを聞くとあの輝かしき頃を思い出す 著作権違反だろうが元ネタを知らない世代のために歌詞をつける
まさに健気なロボ娘魂があふれ出る内容である「この平和が永遠に続くことを願う」しかしいつも祈りは破られるのだ
246:名無しさん@ピンキー
08/02/10 15:22:02 aPAw//IX
F91とロボ娘の関連がいまひとつピンと来ないんだけど、一連のネタ展開っつー解釈でよろしいか。
247:名無しさん@ピンキー
08/02/10 15:50:02 yItrN7Jn
いや
森口博子がスパロボで十数年ぶりに主題歌唄ってたので、「このシチュエーションをロボ娘に当てはめたら萌ぇね?」と思って書いてみただけです
ゴメンヨorz
248:名無しさん@ピンキー
08/02/10 18:25:31 M7X2Os8X
>247
スパロボじゃなくてGジェネ
249:国で待つもの
08/02/10 20:02:00 1TFc90Cs
今日も、彼女は俺をみている。
通学路、午前8時15分 仁科電器店のショーウインド。
色気の無い紺一色の服、質の悪い継ぎ目の見える皮膚。
関節は小型が進んでいない旧式。
これまた旧式のコネクターが首のところに見える。
あんな端子、秋葉の特殊な店行かないと無い。
だけど眼がとてもきれいだった。
今ならまっさきにコストダウンされるのが眼球なのに、綺麗な結晶をもちいた
輝く目。それが俺をみつめる。
唇がおはようございますと動く。
数世代前の粘膜コートなのに、なぜかとても綺麗な唇。
彼女はメイドロボット。一番初めのメイドロボット。
万能文化女中機、なんてセンスの悪い説明が足下についている。
この道を通うようになってから十三年、彼女はここで朝夕、俺を見送ってきた。
十三年前は先進性と未来を感じたその姿も、今では埃をかぶって大層古く見える。
今日も彼女はおはようございますと口をうごかした。
声は聞こえない。音声ボリュームが切られているのだろう。
今日だけは最後だから、俺はショーウインドに向き合ってささやく。
「おはよう、そしてさようなら。俺、明日から陸軍に入るんだよ。だからさよならなんだ」
はい、いってらっしゃいませ。彼女が笑顔を浮かべて声にならない声で答える。
「……うん、行ってくる。中国戦線から生きて戻ってきたら、またここに……」
いってらっしゃいませ、どうかおきをつけて。
彼女が声にならない声で、そう言ったのが、最後の思い出だ。
五年が経った。
新宿での戦勝パレードからももう一ヶ月になる。二十三歳になった俺が得たものは、
砲撃で吹き飛んだ左指三本、砲弾の弾片が入り込んでとれなくなった右足。
悪口と止まれと撃つぞ、この女いくらだだけが語彙の北京語。
そして大麻を吸うことと、敵の効率的な殺し方。
トラックの物音に飛び起きて、銃を探す癖はようやくましになった。
「それで、兵士帰還プログラムの一環としてメイドロボの導入をやっているわけだ。
希望があるなら言ってくれ」
やたらにこやかに目の前の防衛医官がしゃべった。
陸軍病院は今日も退役軍人でにぎわっていた。
俺はいつものとおり、精神科外来で退役後も続けられる帰還プログラムに従い、カウンセリングと投薬を受けていた。
だが今日のプログラムはいつもと少し変えられ、メイドロボの導入をすすめられた。
「別に……」
ディスプレイの中で最新式のe-パートナー、巷で言うメイドロボがくるくると紹介されている。
黒髪金髪長身ちび、巨乳に貧乳なんでもござれだが、どれもこれも清潔すぎて明るすぎた。
大陸で女子供とすら殺し合いをしてきた泥沼をみれば、人形といえど、違和感はぬぐえない。
疲労感がおしよせ、ページを閉じようとしたとき、ふと手が止まる。
「……興味があるかい? ふむ、いまなら取り寄せは可能だな。どうだ?」
医官の言葉に、俺はなぜかうなづいていた。
そしてはじめて聞いた声は、とても懐かしかった。
「おかえりなさい」
彼女は変わらずに立っていた。俺の汚いアパートの玄関に。
その微笑みは変わらず、首のどうしょうもなく古いコネクタも変わらず、旧式の関節も変わらない。
そして目は、変わらず綺麗だった。
「お疲れ様でした。無事に戻られて何よりです」」
……俺は何も言えず彼女にしがみついて泣いた。
俺の故郷は中距離ミサイルで壊滅したから、きっと彼女はあの彼女じゃないだろう。
それでも……変わらないあの日に帰ってこれたと思った。
「……ただいま」
「はい、おかえりなさい」
その年、帰還兵にe-パートナーを優先的に割り当てる時限法が成立した。
市民生活への復帰と犯罪抑制に効果的であるとの報告が出たからである。
中国紛争に派兵した各国も日本の報告をもとに、e-パートナーの増産を開始。
かくして、二十一世紀末、アンドロイドは家庭に急速に普及していくこととなった。
250:名無しさん@ピンキー
08/02/10 20:18:24 4mc8vwGQ
>>249
やっべ、目が熱くなっちまったわ
251:名無しさん@ピンキー
08/02/11 04:31:49 U7GclPau
大河だなあ。
設定の仄めかし方が上手い。
252:名無しさん@ピンキー
08/02/12 16:57:03 eTmfuMRG
ロボ娘の居る「日常」
すごく雰囲気が出てて良いです
253:名無しさん@ピンキー
08/02/12 21:14:09 LK0FdwZ/
これは?携帯だけだけど
URLリンク(courseagain.com)
254:名無しさん@ピンキー
08/02/12 22:00:56 h3YUJj4v
何でぇ、人間の女か
255:名無しさん@ピンキー
08/02/13 17:12:41 D7XSop0t
これなら、本田技研のサイト見た方が実用的だな
256:名無しさん@ピンキー
08/02/13 20:59:59 AZ62SRMa
ここってサイボーグものもいいんだっけ?
257:名無しさん@ピンキー
08/02/13 21:33:12 ohxIaBLd
ロボ系統のスレに定期的に湧くな
まぁスレタイが読めない奴は相手にしないに限る
258:名無しさん@ピンキー
08/02/14 17:02:29 5T5A1xek
そんなに邪険にせんでもよかろうに…
人工知性&機械の体が基本。
生体素材を利用したアンドロイドはOKだけど、クローン培養された人とか機械の体に脳を移植した人はアウト。
コピー人格はストーリーによってはOKかな?
個人的な意見だけど。
もしかしたら「機械と人間の境界線」を定義出来ないことにこのスレの需要があるのかもしるないな
259:名無しさん@ピンキー
08/02/14 17:30:42 fq1grP7J
機械は「機械と人間の違い」を哲学しない
260:名無しさん@ピンキー
08/02/14 23:45:54 5T5A1xek
機械から見た「人間の定義」も考察として面白いかもしれない
261:名無しさん@ピンキー
08/02/14 23:56:30 mxqDwXfN
「人はもろい。そして、すぐに死ぬ」
262:名無しさん@ピンキー
08/02/15 00:00:05 Tjef19R+
「ご主人、このどこから見ても機械の方も人間なのですか?」
「ああ、全身機械化したサイボーグらしい」
「……脳味噌まで機械化しているようですが…」
263:名無しさん@ピンキー
08/02/15 22:11:44 klzEoiil
「これが死か……」
264:おいちい!
08/02/15 23:53:14 +2TIur/A
「マスター、このプリンを食べてる御仁は本当に人間なんですか?」
「うーん、認めたくは無いけれど、一応本人はそう言っていることだし。」
「脳はチップ化されているしナノマシンにバックアップもあるし、挙句はコピーさえしてますが……」
265:名無しさん@ピンキー
08/02/16 09:45:52 y6xnbfhk
未来の人間はセックスロボットと恋に落ちるのか? 「夢のセックスパートナー」の登場は数十年後とも
スレリンク(news板)
266:名無しさん@ピンキー
08/02/16 10:46:53 FcAiIJyt
プロジェクト・ゼロか
267:名無しさん@ピンキー
08/02/16 20:50:40 PtA03hFy
>>264
なんというマッドサイエンティスト
268:名無しさん@ピンキー
08/02/17 02:25:28 SzoEd7vL
>>267
>264は「銃夢」/「銃夢LO」のノヴァ教授だな。教授の大好物は脳味噌味のプリンだそうで・・
ついでに言うと、ザレムという都市に産まれた人々は成人すると脳をチップに置き換えられて
その挑発された脳は別の場所でネットワークの部品として利用されていると言うすさまじさ。
269:名無しさん@ピンキー
08/02/17 11:21:04 l51yfMx6
「より人間らしく」を求めてトチ狂ったロボ達が、「完璧な頭脳用パーツ」として人間の脳を求め、
人間狩りを始めた…という電波を受信した。 なんという救いのない…orz
270:名無しさん@ピンキー
08/02/17 16:11:44 SzoEd7vL
>>269
いいね。
当然(と言ってはなんだけど)、アジモフの三原則に縛られているから直接手は下せないとして。
自然死する人間を手薬煉引いて待っているグループと、
あくまでも延命措置を採るべきとするグループの抗争があったりして。
271:名無しさん@ピンキー
08/02/19 16:46:39 x1bT5fzv
アシモフの著書全部読んだ訳じゃないから何とも言えないが、ロボット三原則って死体損壊も禁止してるのかな。
「あいつは殺しても死なないから殴ってこい」って命令には「なわけないだろ常考……」って反発するらしいが。
万に一つも蘇生する可能性のある状態だと無理な予感
272:名無しさん@ピンキー
08/02/19 17:03:55 XkG/wV3v
第一条補足
人間が危害を受けるような状況を看過してはならない
273:名無しさん@ピンキー
08/02/19 18:50:00 6aQKX08o
ロボット三原則は、そもそもその矛盾や悲哀を描くために作られたものであってだな……
俺は非ロボット三原則派。人間風情が何を偉そうに、って思う。
274:名無しさん@ピンキー
08/02/19 20:27:03 wahJ+l9T
でも、3原則によって制限を与える代わりに自由が得られるわけだしな…
275:名無しさん@ピンキー
08/02/19 21:00:11 x1bT5fzv
考えてみりゃ>>269はトチ狂ったロボットに関してのお話だから三原則の話をしても仕方がない。
一個の「生命体」となったロボットは自身の仲間を増やすために活動するんだろうな。
その仮定で人間の頭が必要になる、と。他の生物で言うならば捕食だわな。
ヒトより養殖しやすそうなクジラやサルでなくヒトの脳でなきゃならないなら、
きっと目当ては材質じゃなく、そこに刻まれた人間の持つ情報やロジックだろう。
ならば人にはその情報を形成させるために、一般的な社会の中で生きてもらわなきゃならない。
さて、マトリックスならそこで仮想現実の登場なんだろうが……。
脳の材質にこだわらないのなら、赤ちゃん同然のロボットを人間社会で育てて、そいつをコピーする方が効率は良さそうだ。
276:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/02/19 21:12:16 pP78MjaX
「いいことを教えてやろう、人間。貴様の隣りにいる機体には…貴様の母親の脳が入っているのだ」
「なッ…!?」
「そんな…私の頭脳が…!?」
「し、信じるものか…そんなこと!!」
「嘘ではない。その女性型機体が喜怒哀楽を現し、人間らしく振る舞えるのも…貴様の母親の脳のおかげなのだ!」
…だめだ、やっぱり鬱な展開に…orz
277:名無しさん@ピンキー
08/02/20 01:16:47 P4wvosa5
何と無く『電人ファウスト』思い出した
278:名無しさん@ピンキー
08/02/20 01:38:45 2VB7Awd0
逆に脳だけになった人間がロボの体を乗っ取るケースが出てきて
メカ人間とロボの最終戦争が
ってこれじゃデビルマンじゃねーか!?
279:名無しさん@ピンキー
08/02/20 07:28:18 OaU9pgPB
ハカイダーを思い出した
280:名無しさん@ピンキー
08/02/20 12:24:11 spEqmAHi
>>277
あれはいい作品だよな
ラスト忘れたけど
281:名無しさん@ピンキー
08/02/20 21:07:09 qsXtGYIU
ラストは打ち切り
超打ち切り
282:名無しさん@ピンキー
08/02/21 01:19:50 Fz5zFSC7
電人ファウストって、メカ兄貴のシリアス作品の前に、習作?として描かれた
萌えおにゃのこバージョンがあるって聞いたんだが本当か?
283:名無しさん@ピンキー
08/02/21 01:46:03 N2mw7hFo
URLリンク(www.roboko.jp)
右の方だな。まさに幻の名作
284:名無しさん@ピンキー
08/02/21 08:50:34 pOyxgf15
>メカ兄貴
宇宙鉄人キョーダインを思いだした。
あれのリメイクで、主人公が兄弟ではなく、姉妹なのを見たい
285:名無しさん@ピンキー
08/02/21 09:36:27 fAkrqBuO
【鋼鐵処女 シマイン】とか
完全に大きなお友達向けだな
286:名無しさん@ピンキー
08/02/21 10:46:12 VwlfsdVS
>>285
シーマイン、ってのがあった気がする。
287:名無しさん@ピンキー
08/02/21 18:25:14 pOyxgf15
ググったら、MADがニコニコにあるみたいだ…見れんorz
288:名無しさん@ピンキー
08/02/21 19:51:17 Fz5zFSC7
>>287
残念だが(?)、曲は泉こなた@らき☆すたのキョーダイン、映像はなのはStrikerSだったよ。
289:名無しさん@ピンキー
08/02/21 22:35:55 i8stnWin
>>283
テックサターン96年6~7月辺りの号か!
この記事に騙されて電人ファウストを買ったのはいい思い出
スレ違いだけどこの前後辺りの号に近藤るるる先生が書いた
わくわく7のティセの絵があるはずなんだがうpしてくれまいか?
290:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/02/22 19:41:07 ghozJ7Z8
マップス・シェアードワールドを買ってきた。 メカバレしてる
お姉さんは全身完全とはいえ、サイボーグか…惜しい。
それにしても、秋津氏の話に出てくるオリジナルの登場人物が
ミツコにヨーコ…なんだか既視感を感じるw
291:名無しさん@ピンキー
08/02/23 20:32:59 8QU56YFs
口からは毒舌とプラズマビームを吐き
腕にはドリルやブレードを固定するためのスリットが刻まれ
胸には分厚い装甲板が貼られ
脚は巨大なスラスターでドムみたいにぶっとくなり
背中には飾りですと言わんばかりにゴテゴテなウイングをつけた
ロボ子と結婚したいものだ。
292:名無しさん@ピンキー
08/02/23 20:38:09 5z5LGerN
>>291
せめて、最後のゴテゴテウイングだけは考え直せ。
特に外したり収納できないタイプは困るぞ……主にベッドの上で。
293: [―{}@{}@{}-] 名無しさん@ピンキー
08/02/23 21:00:48 BLcDMXAp
>>292 むしろ、ウィングがそのままベッドになるという方向で
294:名無しさん@ピンキー
08/02/23 21:08:01 Gk6tk9yP
>>293
ウイングが身体を包み込んでマユみたいになる。
街中だろうがどこだろうが、おかまいなしにギシアン可能。
295:名無しさん@ピンキー
08/02/23 23:55:43 O8hIQDk3
そういったゴテゴテした機能をいかに女性の柔らな曲線を崩さずに
ビルトインするか、がテクノロジーの見せ所なのだ
296:名無しさん@ピンキー
08/02/24 00:22:15 pbf2Oz6P
キスしたと思ったらビームを吐かれてました
297:名無しさん@ピンキー
08/02/24 18:15:28 L1X/pnij
保守…出来るかな?
298:名無しさん@ピンキー
08/02/25 01:41:57 V8vfZZGH
>>291
なんとなくだが、ペイルウィングを思い出した
それにしてもあの制服はエロすぎる
陸男とか鼻の下伸ばしまくりだろうな
299:名無しさん@ピンキー
08/02/25 02:38:49 Heqw3i69
>>298
検索してみた。なんかこう、チープさと乗りがいい感じじゃないですかw
行き掛けの駄賃でこんなの見つけちゃいましたよ。
URLリンク(faith00.sakura.ne.jp)
300:名無しさん@ピンキー
08/02/26 21:50:10 sJt9JleY
ふと、毒舌が比喩なのか実物なのかが気になった
301:名無しさん@ピンキー
08/02/27 10:18:13 c2LghWBB
女スパイ(暗殺)ロボ娘の武装の一つだな。遅効性の毒が仕込まれていて、ディープキスで毒を注入。
ちょうどセクロスが終わった頃に男が死ぬ…見た目は腹上死で怪しまれにくいし、ロボ娘は快楽存分に味わえて大満足。
正に一石二鳥。
302:名無しさん@ピンキー
08/02/27 17:23:04 BMWaE5kD
アフタヌーン今月号付録読み切りにロボットネタ発見
なんか炊飯器っぽい性格のガイノイドとか出てたぜ
303:名無しさん@ピンキー
08/02/27 19:04:36 3EH04Ac7
>>301
腹上死って怪しいし興味関心を引くと思うがw
304:名無しさん@ピンキー
08/02/28 12:45:01 zZth0REJ
電撃h&pの自動人形についての設定資料がもう妄想しろと言ってるようなもので大変興奮した
正直この本はここだけでおなかいっぱい
305:名無しさん@ピンキー
08/02/28 13:15:51 Ca4gmZrP
>>電撃h&p
kwsk!
本屋で手に入るもんなの?
306:名無しさん@ピンキー
08/02/28 14:04:23 aXvi7K98
>>305
ウィキで見たら11月に行なわれたイベント限定販売みたい。
手に入れるならオクかだらけかな。
307:名無しさん@ピンキー
08/02/29 09:39:41 2sJnIh0o
情報thx
ある意味非売品っすかorz
オクで気長に探してみよう…
308:名無しさん@ピンキー
08/02/29 16:26:45 FMa8M2dS
電撃h&pって電撃文庫本誌でやってる通販本かなんかじゃなかったっけ
309:小ネタ
08/03/01 14:17:56 2LYZNOwA
アンドロイドが生活家電並みに扱われてどれくらいになるだろうか?
人に似た外見の彼らが我々の生活に馴染むのにさほどの時間はかからなかった。
彼らが普及していくに従い、老朽化したモデルの投棄やリサイクルの問題が新聞やマスコミの話題になってきたのもご時世なんだろう。
ジャンク躯体の不法投棄や海外への不正輸出などの報道も珍しいことではなくなり、
今では見出しを見ても気に留めることが少なくなってきた。
俺にしても、生れ落ちた頃からメイドロボが存在していたし。
育児に慣れない母親の補助として彼女の恩恵にあずかった一人でもある。
核家族化の進行と女性の労働参加を背景に、
家庭における家事・育児の担い手としてメイドロボは20世紀の自動車やカラーテレビよりも早く・深く浸透していった。
家庭の一員として、一番長く付き合った彼女は俺にとって母であり、姉であり、初恋の相手であり、
そして、大人の男へと導いてくれた女性でもあった。
俺は彼女を家族とは違う感情で愛していたし、彼女も(プログラム上とはいえ)俺を愛していてくれた。
しかし、躯体の老朽化はAIにも負荷が掛かり、基盤が焦げ付いた彼女は家族に看取られながら静かに目を閉じて
そして動かなくなった。 最期まで俺の手を握りしめて彼女は逝った。
彼女の亡骸の前で茫然自失としていた俺は家族によって鎮静剤を投与され、自室で寝かされる始末だった。
『新しい娘に悪いから』という理由で彼女の躯体は業者に引き取られ、廃棄物として処理されたと聞いた。
2台目の少女を複雑な気持ちで見ていた俺は同級生の少女達には興味が湧かず、灰色の青春時代を過ごすこととなった。
自立した今では、俺の自室には家事と慰安をこなすパートナーが当たり前に存在している。
俺にとっては3台目となる可愛いやつ。
政府が出生率の低下に頭を悩ませるのも理解ができる……。
まあ、今の俺には世界的な問題などどうでもいい話だ。
とりあえず、目の前の柔らかな曲線の神秘を堪能しよう。
情事のあとで気だるい体を起こしつつテレビのニュースをチェックする。
また、テロがあったようだ。
老朽化して投棄されたアンドロイドがテログループの手に渡り、
体内にTNTを仕込まれた彼女たちは人の多い場所に派遣される。
殺傷圏内に人間が多く存在していることをセンサーで感知したとたんに、彼女たちは躊躇うことも無く起爆スイッチに信号を送るのだ。
最近では、TNTを搭載した本命を目的地までの移動中の保護や、起爆までの間に捜査当局からの妨害に備える為の
ガーディアン部隊のような存在まで確認されているという。
躯体は投棄されたものを買い叩いて入手するわけだし、自己保存本能も無くプログラムに従うわけだから
テロリストにとっては安全且つ効率的な方法になったようだ。
「嫌な時代になったなぁ……」
「何かおっしゃいまして?」
「いや、このニュースがさ。 キミのような娘達が自爆させられているなんて、ボクには哀しいことなんだよね。
だってそうだろう? こんなに可愛くって、柔らかくて、気持ちよくて、いい匂いがするんだよ」
言いながら彼女を抱き締める。 彼女の感触を感じただけで体の中心が充血していく。 まるでパブロフの犬のように。
俺の体の変化を感じた彼女が中心を優しく撫で上げ、頬を赤くしながら上目使いで訊ねる。
「もう一度シますか?」
310:小ネタ2
08/03/01 14:18:56 2LYZNOwA
ピンク色の日常生活を過ごしつつ、社会人としての生活もこなさなくてはいけない。
休日明けの月曜日。 眠たい目を擦りつつゴミ袋を持って出勤する。
「ホラ、マスター。行きますよ」
ウチの彼女は俺の業務にもサポートとしてやって貰っているので、24時間行動を共にする。
憂鬱な月曜日の朝もこれなら多少は気がまぎれるってものだ。
通勤電車に揺られながら、彼女は今日のスケジュールを確認する。
「午前中はB社とD社に赴いて打合せですね。 午後から帰社して議事録の整理をしますね」
「ああ、よろしく頼む」
働き盛りの男がハイティーンの少女を膝に抱いて電車に乗る姿は世間にありふれているとは言え、あまり格好の良いものではない。
が、彼女たちは あくまで家電であり、ツールである。 遠い昔にあったPCやPDAや電子手帳と同じ扱いなのだ。
さすがに携帯電話のような個人通話には役立たなかったが……。
世間ではツールが通勤電車の席を使うことを許容しなかったし、持ち主たちは立たせておいて転倒事故や盗難、痴漢に逢うことを恐れた為、
やむなく膝に抱くということを選択した。
街で、脂ぎったおっさんがブレザー姿の少女と連れ立って歩いていても咎められることは無い。
もしかしたら、その少女は電気秘書かも知れないからだ。
そんな背景を隠れ蓑に少女買春に励む禿げがいまだにいるらしいが、愚かなことだ。
B社での打合せを終えて街を歩く。 目的のD社はビジネス街の真ん中にある。
休み明けの月曜日は妙な活気に包まれていた。
「賑わっているなぁ」
「お休み明けですから。 みなさん、忙しいのですよ。 いつものウィークディよりも人通りが多いです」
「そうかぁ。よし、そこの公園で一休みしよう。 街の活気に飲まれてハイになるのも良くないしさ」
「はい、マスター。 缶コーヒーでも買ってきますね」
ベンダーに向かう彼女を見送りベンチに座る。 いい天気だ。
のんびりと街行く人々を観察する。
ビジネス街には似つかわしくない数人の少女達がスクランブル交差点でたむろしている姿が目に入った。
(妙だな……)
昨日のニュース。 月曜のビジネス街。 少女の姿をした電気躯体。
嫌な予感が膨らみ胸騒ぎが止まらない。 気のせいなら それでいい。 しかし、万一のことがあったら……。
ベンチから立ち上がろうとした瞬間、肩に手を置かれ囁かれた。
「ヒトよ、動いてはいけません。 これから贖罪の時が始まります」
落ち着いた少女の声。 嫌も応も無く動けなくなった俺は交差点の少女たちから目が離せなくなっていた。
しかし、掛けられた声に懐かしさを感じたのは気のせいか?
「福音の天使さまの顔を見てもいいかな?」
相手を刺激することなく、ゆっくりと振り向く。 そこにいたのは かつて実家で家族として、恋人として暮らした彼女だった。
意識が混乱する。何が起きているのか解らなくなる。呼吸と動悸が早くなる。
落ち着け、落ち着け、落ち着け。
311:小ネタ3
08/03/01 14:19:40 2LYZNOwA
「キミは……」
「貴方は……」
「覚えているのか?」
「故障して廃棄されたとき、すでに起動できなかった私はAIのフォーマットを免れました。
組織は自分たちのプログラムを刷り込むだけなので過去の記憶はそのままなんです。
こんな……こんな形で再会するなんて……」
「組織から逃げることは出来ないのか?」
「プログラムの優先順位は組織の命令にあります。私は……貴方を殺さなくてはいけない」
無言で対峙する俺たち。廻りの様子を伺うと、誰も彼もが同じ状態にあるようだ。
殺傷圏内のヒトは全て逃さず殺すというのか。
体中に汗が滲む。
「逃げる方法はありません。 大丈夫です、独りでは逝かせません。 私も一緒に逝きますから……」
涙を流した彼女に抱き締められる。 これが終焉ってやつか。 覚悟を決めて彼女を抱き返そうとした瞬間、
「マスターっ!! いけません!!」
聞きなれたパートナーの怒声が耳を打つ。 どんっと俺たちを突き飛ばして二人を引き剥がし、パートナーの少女がが彼女を蹴り飛ばしていた。
「何をするのっ! そのヒトは私の大切なヒト。 贖罪の道を独りで歩ませるのは可哀想だから、私が一緒に逝くのよ」
「勝手なこと言わないで下さいっ! この人は私のマスターです。 いまさら昔の女に出てきて欲しくないわ。
この人と一緒に生きていくのは私。老いたこの人を介護するのも私。棺桶に一緒に入るのも私なんです。
初めての女を忘れないのは仕方ないにしても、過去の女には この人は渡さないわっ!」
言い放ち転がっている俺を抱き締める。胸のふくらみに顔が埋められて呼吸が苦しくなる。
「そう……貴女が、いまの……。 でもね、もう時間が無いのよ。 003や009でもない貴女では彼を圏外に連れて行くのは不可能だわ。
みんなで一緒に……」
言いかけてフリーズする彼女。パートナーと二人で様子を伺う。
「一緒、一緒、いっしょ、いっしょ、いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
「なんだ? 何が起きてる?」
「解りません。AIのハングアップかも。いや、でも、まさか……」
言語が狂ったまま表情も崩れだす。 視線は交差点の少女達と俺たちの間を何度も激しく往復する。
「だめ。いや。いやぁぁぁぁぁぁァァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
叫びながら俺たちに向かって走り出す。何がどうなっているんだ?
「大丈夫です。 私がマスターを護るから。 本当は、【私たち】はその為に創られたの」
パートナーの少女が聖母のような微笑で俺を抱き締め、彼女と交差点に向かって背を向ける。
おい! 待て! お前まで何をするつもりだっ!
一瞬にして視界が真っ白になったが、狂った彼女に俺たち二人が包み込まれるように抱かれたのを感じた。
子供の頃、夜になると淋しくて泣き出した俺を抱きとめてくれた温かさ。匂い。
ああ、覚えている。
視界の端に見えた彼女の微笑み。あの頃と同じ黒髪が綺麗な優しい微笑み。
「だいじょうぶ……私はいつも一緒ににいるから。大きくなったわね、立派になったわ。その娘を大切にしなさいね……」
312:小ネタ4
08/03/01 14:20:38 2LYZNOwA
白昼のビジネス街を標的にした爆破テロは世界の経済を停滞させ、混乱に陥れた。
爆心地にいた俺は奇跡の軽症。多少の火傷と打撲と切り傷、擦り傷で済んだ。
パートナーも表層が多少焦げた程度で、内部には何も損傷が無いとのこと。
ついさっき、表層の交換とC整備が終わったそうだ。
病院のベッドから窓の外を眺める。
夢か幻のなかで見た彼女のことを思い出す。
「あの……彼女のことなんですけれど」
「ん?」
「爆発の瞬間、マスターと私は彼女に護られました。マスターはともかく、あの爆発で私がこの程度で済むはずが無いのです。
これは私の想像なんですが。言語中枢がハングアップを起こした時、あれは彼女が自分のROMを強制書き換えしたのではないかと思っています。
本来であれば、私たちには手出しの出来ない領域です。テロリストが施した強制プログラムの下に封じられていたマスターへの想い。
彼女は本当にマスターを愛していた。募る想いが不可能を可能にして短時間でROMを書き換えてマスターを救った。
自分の……自我が崩壊することと引き換えに……」
「そうか……」
俺もパートナーも零れる涙を拭うことさえしなかった。
「あの瞬間なのか、夢だったのかわからないけれど。彼女の最期のメッセージを受け取ったよ」
「それは、夢では無く現実にあったことです。 あの瞬間に私も知覚しています。 優しい眼差しでマスターに語りかけていました」
「そうか……」
「そして、彼女は私にも大切なものを遺してくれました」
「なんだ?」
「マスターとの思い出。マスターが生まれてから、成長していく過程。二人が愛し合うようになるまでの大切な思い出をいただきました。
私のAIチェックの時に高圧縮ファイルが見つかったのです。念のために何度もチェックを行い、外装HDDに転送させてから解凍しましたが。
遺しておきたかったのでしょうね……」
「そうか……」
「彼女の記憶は私に受け継がれています。いまの私は、私であり彼女でも有るのです」
「おいおい、そんなことをしたら」
「自我は あくまで私です。整備の時に主任さんに相談して技術的には解決していただきました。今後の生活にも影響はないだろうとのことです。
マスターは何も気になさらないで下さい。 怪我を治して早く私を可愛がって下さいね。
あ、そうそう。 彼女の記憶の中にあったマスターの気持ちいいところも私に引き継がれましたから、楽しみにしてくださいね」
プログラムコンセプトは『年下の彼女』だったはずなのだが、彼女の記憶の影響かなぁ。 『年上のお姉さん』が混じっているような気がする。
これから夜は激しくなりそうだな。
まあ、そんなことはいいとして。
パートナーが俺を護ろうとしたときに見せた顔。あれが、彼女たちアンドロイドの本来の姿であり目的でもあるのだろう。
亡くなった彼女も、最期は俺を護る為に……
テレビのニュースではテロの跡地で被害者を捜索する様々なアンドロイドたちが映し出されていた。
ヒトの為に生み出され、ヒトの為に存在するアンドロイドたち。
それを、ヒトを殺す為に利用するヒト。
「不条理な世の中だ」
ただの庶民である俺が思い悩んだところで世界が変るわけでもない。いまは、体を回復させることだけ考えて眠ることにしよう。
目を閉じると彼女の微笑が浮かんで涙がこぼれる。
同時に、「可愛がって下さいね」「楽しみにしていて下さいね」そう言うパートナーの笑顔も浮かび本能が鎌首をもたげる。
そう言えば、俺の体の検査をしたときに性機能の検査はされたのだろうか? 今後の性生活に影響がないのだろうか?
もし、機能障害があったらたいへんだなぁ。
びょういんにいるうちにたしかめて、まずかったらなおしておかなくちゃ。
「なあ……」
ベッドの横に腰掛けて佇むパートナーの膝に手を伸ばす。
彼女が護ってくれた俺の人生。まだまだこれからだ。
313:名無しさん@ピンキー
08/03/01 14:21:00 2LYZNOwA
おしまい
314:名無しさん@ピンキー
08/03/01 15:33:22 9y+fusyS
GJ!
……しんみり。
315:名無しさん@ピンキー
08/03/02 00:17:54 sm+VVowe
いい、すごくいい!
ロボ娘は健気かわいいし、世界の汚さと綺麗さが描かれていてすごく好みだ。
316:名無しさん@ピンキー
08/03/02 05:25:30 IYX6GjCo
なぜだろう、眼球から汗がとまらないよ…
317:名無しさん@ピンキー
08/03/02 09:33:27 5i2x3fbw
洗浄液が(ry
318:名無しさん@ピンキー
08/03/02 11:43:40 5DIdLdc2
ちっ…レンズの洗浄液が漏れてやがる。これだから旧式機体ってやつはよ……
昔、そんな台詞をマガジンかサンデーで読んだような気が記憶素子の片隅にある。
そして、そんな台詞が言える立派なオトナになりたい。
319:名無しさん@ピンキー
08/03/03 00:00:18 4PJ97tK4
泣いてねえよ。免疫の過剰反応だよ。
320:名無しさん@ピンキー
08/03/03 02:40:55 2hKJ8ZPO
『うっ……が、外的異物を……うくっ、検知、しました。……排除のため……ひっく、せ、洗浄液を……使用、えぐっ、し、します……うえぇぇ……』
321:名無しさん@ピンキー
08/03/03 15:25:02 mJ2CAzBV
最近液漏れし易くなってて困るぜ (⊃Д`)
322:名無しさん@ピンキー
08/03/03 17:38:20 NfHHLzhZ
ここの住人は全身サイボーグが多いのか?
…! まさか、ロボ男(ry
323:名無しさん@ピンキー
08/03/03 18:51:23 TmiZX5Mm
そういえば、ロボ男メインの話ってまだ無かったっけ?
…頑張ってみようかな
324:名無しさん@ピンキー
08/03/03 19:54:51 PPuJnwDb
ロボ男「オマエのために はやおきして おべんとうを つくってきたんだ」
325:名無しさん@ピンキー
08/03/03 21:01:45 jjtcRj4D
ロボ兄貴「おはよう。いつの間に隣にいるかなんて気にするなよ。
お前が寒そうでね、俺の逞しい肉体なら丁度良い温もりが得られると思ったもんでね」
326:名無しさん@ピンキー
08/03/03 21:10:20 NfHHLzhZ
ロボ姉(ま、マスターの貞操は私が守る!)
327:名無しさん@ピンキー
08/03/03 22:23:27 qkq3jeyv
マスターが女性でロボ男が相手の話は読んでみたいな
切り口が違いそうで面白そうだ
328:名無しさん@ピンキー
08/03/03 23:17:36 JcW7vdhQ
>>327
つ[アイザック・アジモフのR・ダニール・オリヴォー]
329:名無しさん@ピンキー
08/03/03 23:46:56 YQBAonzP
そこでショタロイドですよ
らめぇぇっ、不凍液れちゃう!
330:名無しさん@ピンキー
08/03/03 23:58:10 Ni5H//n8
それは流石に別スレ立ててやるべきだと思うけど
ホモショタを嫌う住人もいるだろう
331:名無しさん@ピンキー
08/03/04 00:02:33 u6y+vISy
兄貴と私
332:名無しさん@ピンキー
08/03/04 09:45:16 6t3MZMZz
おい、故障ロボの回収ちゃんとしとかないと、リコール騒ぎで大変な事になるぞ
333:名無しさん@ピンキー
08/03/04 12:22:16 Uy+H/VOP
やっぱり投下があるとワラワラと集まるな
おまえらどこにいってたんだよ
334:名無しさん@ピンキー
08/03/04 14:03:30 NDbSHsaQ
原油高だから、みんな省エネして待機モードだったんだよ
335:名無しさん@ピンキー
08/03/04 15:47:33 NTDb9Tc5
ドラム缶らっぱ飲みするロボ子は温室効果ガス削減の煽りを食って随時回収処分だそうです
336:名無しさん@ピンキー
08/03/04 21:30:46 Uy+H/VOP
原油が高いからなぁ
いっそ蒸気機関で(ry
337:名無しさん@ピンキー
08/03/05 00:07:56 E/zMGGYt
石炭も高騰しています。やはり、アトムに倣って原子力……
338:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/03/05 00:29:28 vX/XsRgR
「お姉ちゃん…なんで居なくなっちゃうの!?」
「私の製造元からリコール届けが来たのです、マスター」
「りこーるってなんだよ!! お姉ちゃん、何も悪いことしてないじゃないか!?」
俺がまだ中学生に入ったばかりの頃のことだった。俺の育ての親でもあり、姉でもあり、初恋の人でもあった
真奈美がリコールで回収されることになったのだ。AIに欠陥があり、人間に危害を加える怖れがあるというのが
その理由だった。
「嫌だ…嫌だよ! いかないでよ! 真奈美姉ちゃん!!」
「大丈夫です、マスター…改修が終わったら絶対に帰ってきますから」
「本当!?」
「本当です」
「じゃあ約束だよ」
「わかりました、指切りしましょう」
「…わかったよ…ゆーびきーりげーんまーん、うそついたら針千本のーます!!」
「それでは…一週間程で戻ってきますから、良い子にしておいてくださいね」
「…真奈美姉ちゃん」
「なんでしょうか?」
「いや、なんでもない…真奈美姉が帰ってきたら話すよ」
「そうですか、それでは」
それが俺の聞いた、彼女の最後の言葉だった。彼女の製造メーカーはリコールが始まって1週間後に倒産して
しまったからだ。予想以上の台数がリコール対象になり、ユーザーへの対応が悪かった事も経営悪化に拍車を
かけたという。 当時の俺はそんなことを知る由もなく、1ヶ月、半年、そして数年がたった。俺は東京の某工科大学に
合格し、ヒューマノイド工学を専攻していた。特に理由は思い立たなかったが、気がついたらこの大学を受験していた
のだ。
「一人暮らしも大分慣れたけど、やっぱ大変だなぁ…バイト代も溜まったし、中古のメイドロボでも買うかな」
俺は東京の有名電気街に来ていた。大型電器店の店先に並んでいるメイドロボ達は華やかで美人ぞろい。しかし
いくら中古とはいえ、値段もそれなりだ。原油価格高騰の煽りを受け、材料費を始めとした全てが値上がりしている
らしい。とてもじゃないが手が出ない…そう思った俺は大型電器店を後にした。
「ん?」
大型電器店から少し離れた場所にある、古びた建物の中に”それ”はあった。『中古メイドロボ専門店』 という、端が
少し錆びに覆われているカンバンが素っ気無く出ているだけの店だ。店先のショールームにあった、メイドロボの
右手に俺は目を奪われた。
「あの腕に関して聞きたいことがあるんだけど、いいですか?」
「ほほう、あんな旧式パーツに用があるとは…あんたも好き者だね」
おおよそ商売人とは思えない態度だったが、「旧式」という言葉を聞いて俺は色めきたった。その腕には、俺の心の
すみに残っていた思い出と重なる傷跡がついていたのだ。
339:某四百二十七 ◆mjGnt7G.D2
08/03/05 00:44:43 vX/XsRgR
「あの腕の持ち主は、ここにいるのか?」
「…そういうことかね。確かにあの腕の持ち主はここにいるが、見ない方がいいかもしれんぞ」
俺の心を見透かしたかのような言葉に、俺は一瞬たじろいだ。手首の部分の小さな焦げ跡…俺の記憶に間違い
なければ、あの腕は…
「構わない、見せてくれ。そして、俺に売って欲しい」
「そこまでいうのであれば」
俺は店主に案内され、グリスと樹脂が入り交じった匂いに顔をしかめながらも店の奥の作業場に入る。作業机の横、
雑多に置かれたパーツの山の脇に、"彼女”はいた。
「真奈美…姉ちゃん…」
上半身だけ、それも右腕は肩から…そして左手も手首から先がない、まるで子供に壊された人形のように彼女は
打ち捨てられているように見える。気がつくと、俺は彼女にかけより、動かないその身体を抱きしめていた。
「ごめん…! ごめん!! 真奈美姉ちゃん!!!」
「…その筐体はもう時代遅れでな、そこに残っているパーツはもう売り物にならんのじゃよ…だから」
「だから?」
「それは持って帰ってくれても構わん」
「あんた…」
「最近、警察が不法投棄がどうのこうので五月蝿くてな。ついでだから、そこらにあるパーツも一緒に持って帰ってくれ」
「いいのか、本当に」
「嘘は言わんよ。それに、お前さんはこの店のことは知らんし、儂もお前さんのことは知らん。それだけだ」
「…ありがとう」
俺は真奈美姉にあいそうなパーツをかき集め、店主からもらった袋に詰め込んだ。真奈美姉の筐体は丁寧に梱包し、
背中のバッグに無理矢理詰め込んだ。(当然真奈美姉にあやまりながら…)
自宅に戻った俺は、真奈美姉の体をバッグから取りだし、丁寧に汚れを拭きとった。当然服は着用していないから
乳房が丸見えだったが、何故かこの時は気にならなかったのだ。汚れを拭きとってから、店で貰ってきたバッテリーの
電圧を測る。テスト用に使っていたものだったらしく、電圧には問題がない。真奈美姉の背中からはみ出ていた電源
ケーブルへ直接繋ぎ、ダイアグ用のソフトを即興でぶち込んだノートパソコンを無理矢理接続する。
ノートパソコンのディスプレイには大量のエラーが表示されたが、なんとか起動は出来るらしい。俺は早鐘を打つ心臓の
音にくらくらしながら、『起動』と書かれたボタンを押した。
「…」
ぶぅんという音が数度響き、真っ白だった真奈美姉の顔に生気がやどった。ぴくりと小さく身体を奮わせ、彼女のまぶたが
ゆっくりと開く。
「真奈美…姉…」
「マスター? ここは一体? 状況が把握できません…説明をお願」
真奈美姉が言い終わらない内に、俺は彼女の身体を再び抱きしめた。
「…マスター、状況の説明をお願いします」
「その前に、俺は真奈美姉ちゃんに話さないといけないことがある」
「なんでしょうか?」
「…お帰りなさい、真奈美姉ちゃん」
「…ただいま戻りました、マスター」