08/03/31 08:23:31 vnsSDDiN
桜満開の並木道が、街灯に照らし出されて幻想的な空間の下
少し前をポケットに手を突っ込んで、歩いているあなた。
背が高くて、スリムで、ちょっとだけ猫背で…
その背中を見ながら歩くのも、数え切れないくらいなのに
なぜか今夜は淋しくて…
「秋山さん…」
「ん…?どうした?」
ー あ、その言い方…好き… ー
落ち着いた低めの声で、あなたは振り向いてくれる。
他の人に話す時より少し甘いトーンは、私の気のせいじゃないですよね。
「どうした?」
少し眉をひそめて、もう一度あなたが聞いてくれる。
「…手、寂しいです…」胸の前で祈るように手を組んで、あなたに伝える。
私の気持ち。
ちょっとだけ絶句した後、しょうがないなぁって顔。
「ほら」
片方のポケットから差し出された右手が、私を呼んでる。
「エヘッ、これカップルつなぎですネ」
「…馬鹿」
「秋山さんの手、あったかいです」
「…」
ニコニコな私。
そっぽ向いて歩くあなた。
「桜、キレイですネ。見せてくれてありがとうございますっ。」