08/05/13 01:52:55 mj+SNILw
優奈の細い指先が、ジャージの前開きを探っていく。やがてファスナーにたどり着くと、そこは既に
内側から力強く押し上げられていた。優奈は一瞬、戸惑うような動きを見せたものの、すぐに指を
当て直して、それを一息に引き下ろす。
拘束が解けると、それはトランクスの布を被ったまま、ポンと外側に飛び出した。これには流石に
びっくりして、優奈はひゃっ、と両手をよける。
「はい、落ち着いて、ゆっくりね~」
「くっそー、余裕こいてられるのは、今のうちだけだかんね」
昌平の軽口にそう言い返して、優奈は再び男のものと対峙する。が、トランクスの前開きをすべて
外しても、今度は独りでには出てこない。
ん、と気合を入れ直して、優奈は下着の内に手を入れた。しかし、それを優しく引っ張り出そうと
したところ、先の部分が折り目に引っ掛かって出てこない。
逡巡することしばし、股間から目を上げて優奈は言った。「えと、あの。出せないんだけど」
「もうちょっと強く引っ張ってみたら?」
「え、いいの?」
「こっから出すくらいには大丈夫」
そう言われて、彼女は再び指をかけると、今度は少しずつ力を入れていく。引き上げる力に従って、
幹の部分が僅かにしなると、彼女は再び不安げに目線を上げた。その仕草がなんとも可愛い、と
昌平は思い、そして思わず緩みかけた口元を引き締める。
だが、そんな変顔で頷かれた優奈は、それ自体には特に反応することもせず、至って真面目に
作業へ戻った。そして、再び慎重に荷重を上げていき、十秒ほど後にビョンと下着から取り出した。
その反動に吃驚して、優奈は言う。「あ、あの、大丈夫?」
「大丈夫だって。そこまで壊れ物みたいにしなくても平気だよ」
「うーん。でもさ、ここって急所なんでしょ?」
「いや、それはどちらかと言えば玉の方っていうか。こっちはほら、なんたって女に突っ込む方だし」
「ああそっか。初めての子はこれで出血するんだもんね」
彼女は納得とばかりに、ポムと一度、昌平の腿を叩くと、今度は両手で幹を支え持つ。、
眼前十センチにそそり立つそれを、優奈はしばし、マジマジと見詰めた。その表情は、決心が
付きかねているというよりは、どこか興味本位の色がある。傘の部分で微かに感じる娘の吐息と、
幹に感じる彼女の指の感覚で、昌平はすでに十分気持ち良くもあるのだが、このまま放置プレイ
ではさすがに切ない。
しかし、焦れたと素直に伝えるのも、それはそれで悔しい気がするのは、やっぱり自分の経験値が
低すぎるせいなのか。
「あー、何かご感想でもありますか?」
「そうねぇ。やっぱり、あんまいい匂いとは言えないかな」
「……畜生、ちょっと傷ついた自分がムカつく」
それにころころとした笑いを返してから、真顔に戻って優奈は言った。
「えーとさ……うん、ぶっちゃけた質問していい?」
「おう、初心者なんだからドンといけ」
「うう、同類に言われるとなんか悔しいぞ……えと、これ、最初は舐めるの?銜えるの?」
「………………俺は銜えてくれた方が嬉しい」
たっぷり十秒は詰まった彼に、優奈はやはり小さく笑ってから、「素直な回答、ありがとう」とだけ
言って、後は思い切りよく頭を落とした。
「はむ…んぐ、れるれるれる……」
勢いに任せて、優奈はエラの辺りまで一息に飲み込んだ。そこでしっかり唇を結び、舌先でくるくると
先端部分を舐め回す。
こうして手順だけ書き出すと、一見して手慣れているように思えるものの、その動きは当然ぎこちない
ものだった。顔の位置は一定して動かず、舌の方も等速円運動を続けるだけで単調だ。歯を当てること
なく唇を閉じたのはさすがと言えるが、それだけで吸うような動きは見られなかった。この不自然な
アンバランスさは、例によって橋爪当たりに知識だけ吹き込まれた結果だろう。
411:鐘の音
08/05/13 01:53:47 mj+SNILw
しかし、だからと言って昌平の興奮が小さいかと言えば、現実はその真逆であった。直接的な性感こそ
小さいものの、初めて感じる口内の熱さ、ざらついた舌の感触、そして股間を埋める愛しい栗色の髪が、
彼の官能を倍加させていく。
「れむ……んるぅ……っぷは、はあ」
暫くして、優奈はやや苦しげに口を離した。特別深く銜えていたわけでは無いので、恐らくは息を止めて
いたのだろう。両手に剛直をしっかりと握りしめたまま、彼女は二度、大きく深呼吸すると、再び顔を
上げて言った。
「えと……どう、かな」
「あー、気持ちいいぞ」
「嘘。だって、感じたらもっとピクピクするって、」
「……橋爪が言ったの?」
彼が半眼でそう遮ると、優奈はぐっと言葉に詰まる。
その隙に、昌平は彼女の頭にポンと手を置いて言った。
「いいか、奴が振りまく机上の空論は一先ず忘れろ」
「でも水島よりは、杏ちゃんの方が実践に基づいてると思うけど……」
「ぐっ……。いや、そもそもこういう事に一般論を持ち出すのがおかしな話であって、」
「はいはい、貴方色に染まります。じゃあ、次はどうするの?」
「……とりあえず、もう一度銜えて」
「ん」
優奈は再び、傘の部分をすっぽりと唇の中に収めると、そこから上目遣いに彼の方を窺った。その
淫らな光景に、昌平は生唾を飲みつつも、声だけは平静なふりをして彼女に言う。
「もう少し、深くいけるか……そう、無理はせんでいいぞ。あー、呼吸はちゃんと鼻からしろよ」
「ふぇと。はむ……んくっ……。ほう、かな?」
「ん、そう。後、舌だけじゃなくて、口の他の部分にも当ててくれると……あー、うんいい」
いざ行為が始まると、優奈は彼の言葉に素直に従った。その普段と裏腹な従順さが、昌平の口に、
ついつい正直な欲望を喋らせる。
ふと悪戯心を起こして、彼は言った。
「こっちにも当ててみたり、出来るか?」
「ほっへた?」
「そう、頬っぺた」
すると優奈は、「んぁ」と小さく頷いて、男のもの口から取り出し、ペタリと頬に押し付ける。ゆっくりと
頬擦りしながら、昌平を見上げて、彼女は言った。
「あれ、違った?」
「……そのままそのまま」
本当は、頬肉を内から突いてみたい、などと思っていた彼だが、この姿も捨て難い。拭わずに吐き
出されたままの剛直には、彼女の唾液がねっとりと纏わりついていて、それが白い頬との間で
微かな水音を立てている。
酷く淫靡な光景だった。ずっと高嶺の花だった少女が、股蔵で自分のものに顔を寄せる様は、
現実感が薄くてどこか不思議な感じさえする。だがその視覚刺激は、昌平の興奮を等比級数的に
増加させていく。
腰元に軽い疼きを憶えたところで、彼は優奈の頭を軽く持ち上げた。それから軽く身じろぎして、
彼女との位置を調節すると、今度は自分から彼女の口元に挿し当てる。その動きに、優奈はやはり
抗うことなく、昌平のモノを飲み込んだが、傘に舌を絡めたところで、あっと小さな声を洩らした。
「どした?」
「なんか、んぁ…」傘を舐め上げながら、優奈が言った。「さっきと味、変わってきたかも」
「あー……、それはだな、」
「ふぁ、いまピクってひた。……んぐ、ね、ね、感じてきた?」
そんなことで嬉しそうにはしゃぐな馬鹿、と昌平は心の中で独り言ちる。
顔のニヤけを抑えきれんだろうが。
412:鐘の音
08/05/13 01:54:32 mj+SNILw
「これ、先走りってやつだよね?……ふっふっふ、所詮童貞などお姉さんの手にかかればこんなものよ」
「……お口が留守ですよお嬢さん」
「ひゃぼっ……!」
剛直をマイクに当然喋り出した優奈の頭を、昌平はやや強引に押し下げる。一瞬、照れ隠しにしては
やり過ぎたかと思ったものの、彼女はすぐに憎まれ口を返してくれた。
「……ん゛ー、ほのー、ひちく(鬼畜)ー」
だがその言葉とは裏腹に、優奈は頭を戻そうとしなかった。そのまま深い位置で、彼女は口の動きを
再開させる。
「んぶっ……んちゅ…れる……はん…」
剛直で容積が狭まったせいか、彼女の舌が蠢くたびに、昌平のモノが口の内部に接触する。特に、
彼女が裏筋へ舌の根を当てると、傘が上顎の深い部分で擦られて、強い刺激をもたらした。
外音を降りしきる雪に遮られた静かな下宿で、男の吐息が段々と荒くなってる。
と、こめかみに痛みを感じて、優奈は疑問の声を上げた。
「んちゅ……じゅちゅ……んー?」
「ごめん。続けて」
腰に溜まり始めた快感で、思わず両手に力が篭っていたのだろう。何か間違えたかと疑問の声を
上げかけた彼女を、しかし昌平は素早く制す。
握力よりもその声の低さに驚いて、優奈は銜えたままそっと目線を持ち上げた。昌平の方もしまった
とは思ったものの、口から出たものは取り消せない。彼女に下から覗きこまれて、気まずげに口の端を
引き上げる。
しかし、その余裕の無い苦笑いで、彼女もようやく男の状況が分かってきた。
顔を戻すと、一度口から剛直を外し、やや硬い声で優奈は言った。
「えと、要望とかあったら、全然言ってくれていいから。私、ホントに聞きかじりの知識しか無いし」
「うん」
「あ……あと、その。出したくなったら、いつでもいいよ」
それから、返事を待たずに銜え直すと、勢いよく抽送を開始した。
「んぶ……んんっ……んく……あむ……」
唇が傘の返しに掛かるまで引き抜き、舌を当てながらつかえるまで下ろす。少し角度が付いている
せいか、上顎に当たって半分程までしか飲み込めない。が、その分動きには勢いがあって、亀頭が
口蓋と力強く擦れ合う。
「ぢゅる……あむ……んが……」
しかし、このまま最後までは行けそうにない。数瞬、躊躇った後、彼は一旦優奈の頭を自分の腹側に
引き寄せた。
「んん・・・・・んぶぅっっ!?……っあぶ……」
剛直と口との角度が無くなり、いきなり奥まで入ってくる。結果、直前と同じ勢いで動いていた優奈は、
喉奥を不意打ちされる形となって、思いっきり目を白黒させた。
「動きはゆっくりでいいから……ん。…そうだな、もうちょっと強く吸う感じで。解るか?」
「ぅん。……あむ……っぢゅるるっ……んく……」
言われるまま、一心不乱に吸い上げている優奈の頭を、昌平はゆっくりと動かした。ギリギリまで
引き抜いて傘の吸引を楽しみ、またじわじわと挿し入れて舌の歓迎を味わう。そして奥を突かない様に
気をつけながら、その深さを少しづつ増していく。
主導権がこちらに移ったことで、肉体的な快感は何倍にも膨らんだ。これまでも精神的な興奮は
十分に大きかったが、やはり素人の彼女の奉仕はどこかツボを外したものだったのだ。それが、
自分の思い通りに動かせるようになって、昌平はいよいよ我慢が効かなくなってきた。
413:鐘の音
08/05/13 01:55:12 mj+SNILw
「ちょっと動かずぞ」
「あぶっ……はん……んぅくうぅぅ……」
浅く銜えさせた状態で、優奈の顔を若干傾ける。それから少し斜めに頭を落とすと、剛直の先端が
内頬を突いた。 柔らかい女の頬肉が、いきり立った男のモノで内側からグっと突き上げられて、
その整った顔立ちを不自然に歪める。
「はぶうぅぅっ……んぐっ……」
横向きにつっかえ棒を入れられた形となって、優奈は自分からは動けない。代わりに、昌平は頭を
掴む手を下にずらして、突かれた頬肉を押し込むように揉んだ。先端が軟肉と強く擦れて、絶妙な
性感を送り込む。
「んぐぐぐ……んちゅ、れる……ふぐっっ!」
突然、優奈の頭がガクンと揺れた。押し寄せる快感に耐えかねて、昌平の腰が殆ど無意識に跳ねた
のだ。結果、頬奥に当てていた剛直がずれて、再び彼女の喉奥を襲う。
「すまん」
そう言って昌平は頭を戻すが、しかし腰の小刻みな動きは止まらない。口の中の一物は、不規則な
引き攣けを繰り返し、初めての彼女も本能的に終わりが近いことを悟る。
浅い抽送を受けながらも、何とか息を整えると、優奈は最後に昌平の方を仰ぎ見た。そして涙で
潤んだ視界越しに、多分物凄い余裕のない顔をしている男を見据えて、何とか笑みらしい表情を
浮かべてやる。
「……すまん」
もう一度、先と同じ言葉で謝ってから、昌平は彼女の頭を掴み直した。それから、終わりに向けての
激しい抽送を開始する。
「あ゛んんっっ……んがっ……ふうぅんっ……!」
咽頭を容赦無く襲う膨らんだ亀頭が、優奈の呼吸の自由を奪った。ここに来て、彼女に昌平を愛撫
する余裕は全く無い。しかし代わりに、反射的にえづく喉奥が、突き込まれた剛直を扱き上げる。
その刺激は、経験のない昌平にとって、とても耐えられるものでは無かった。
「んぐう゛うぅ……っ…がっ……はぐうううっ!」
「……っっ、出すぞ」
上がった息の合い間から切り出す様に言うと、昌平はギュッと優奈の頭を抱き締めた。腰を
折るようにして抱え込んだおかげで、傘の位置がほんの少し、浅い位置で停止する。その隙に
上がったえづきを飲み込もうと彼女が喉を開いた瞬間、剛直が精を吹き上げた。
「んくぅ……っひゃぐっ!?……れるぅ」
喉奥を叩いた初弾にびっりくして、優奈は舌を鈴口に押し当てる。続けて放たれた第二以降の
迸りは、のたくる舌に遮られて口の隅々にまで撒き散った。
それから十数秒、昌平の一物が完全に動きを止めるまで、二人はそのままの姿勢で静止していた。
狂ったような恍惚が徐々に昌平の頭から引き始め、ようやく押え込んだ腕の力に気付きかけた頃に、
優奈が小さく身じろぎする。
「ほむ……んんんーちゅる」
口に昌平のものを溜めたまま、彼女はゆっくりと頭を上げた。零さないように窄めた唇が、剛直の
汚れもきれいに拭って、傘との間に白いアーチを形作る。そのあまりに淫靡な光景に、思わず
昌平が固まっていると、優奈は仕方ないなあと言うように目を閉じた。
「あ、おい」「んく、んっく、……はふ」
それが昌平を待っているのだと気付いたのは、少しばかり遅かった。慌ててティッシュを探すも、
彼の右手がちり紙を引く抜いた時には、優奈は思い切りよく飲んでいた。しかし粘性の高い精液は、
一息で容易には飲み干せず、その後は少し顔を上げる様にして、二度三度と喉を鳴らしていく。
それからパチリと目を開けて、少し意地悪そうな笑みで昌平を見た。
「……これ、ごっくんって一気には飲めないよね」
414:鐘の音
08/05/13 01:55:56 mj+SNILw
涙の残る目でそんなことを言われても、昌平にはおよそ返すべき言葉が見つからない。そんな
彼の表情を、優奈は暫く頭をもたげたまま楽しそうに見ていたが、やがてぱったりと太ももの上に
伏せった。
「はふ。さすがにちょっと疲れたかも」
「す─、」 すまんと言いかけて、さすがの彼もそれは無いと言葉を飲む。「その、ありがと、う?」
「あはは、どういたしまして。でも何故に疑問形?」
そして再び昌平が押し黙った隙に、優奈は頭を股座に戻す。
達したばかりの剛直は、若干柔らかくなっていた。だが、それを彼女が口に含んだ瞬間、全体が
ビクンと引き攣って、先の残滓が染み出してくる。傘を銜え、幹の部分をゆるく握りながら吸うと、
中にはまだ結構な量が残っていたようで、彼女はもう一度、それを唾液と一緒に飲みこんだ。
「れむ………んっぐ、んく、ほむ?」
「水戸瀬、ほんとにありがと。もういいよ」
予想外の健気な"お掃除"に、再び反応しそうになって、昌平は彼女の顔を上げさせた。そのまま
体を少し引いて、娘の頭を自分の股座から引き離す。
すると、意外そうに優奈は言った。「え、まだ一回しかしてないよ? いいの?」
「いいも何も。そんなに無理すんなって」
「……喉を思いっきり突いた挙句、全部飲ませた奴がそれ言うか」
「え゛、あ゛、いや」 半眼で言われて、昌平は思わず狼狽する。「その……悪かった。ぶっちゃけ、
途中から気遣いとかぶっ飛んでた」
しかし彼が真顔で謝ると、優奈はそれが本意では無かったようで、逆に気まずげな笑みで茶化そう
とした。「あーいやいや、まあそこまで楽しんで頂けたなら……なんというか、お粗末さまでした?」
「いえいえ、こちらこそごちそうさまでした」
それに昌平が乗っかる形で、二人は一緒に頭を下げる。それから、一緒に吹き出した。
「全く。俺らは何をやってんだろうな」
「直前まで情事に耽ってた男女の会話じゃないね」
そう言うと、優奈は炬燵の中で器用に体を反転させた。頭を昌平の太股の間に置いて、逆さまに
こちらを見上げる形で仰向けになる。その頬には、まだ少しだけ涙の痕残っていた。
それを無意識に指でなぞると、彼女はくすぐったそうに目を閉じた。
「やっぱ、苦しかったよな?」
「まあ、正直言うと途中で死ぬかと思ったよ」 ゆるく目を瞑ったまま、優奈は言った。「でも、本当に
水島は気にしないでいいの。その……どちらかというと、ありがたかったから」
「有り難かった?」
昌平が聞き返すと、彼女は目を閉じたままうん、と頷いた。
「なんかね、苦しいのが、凄くザマミロって思った」
「それは、」 一瞬迷ってから、昌平は訊いた。「あいつに? それとも自分に?」
「ううん、そんなんじゃなくて。ただ、思いっきり、ざまあみろって、頭の中が叫んでた」
そこでゆっくりと目を開ける。代わりに、昌平は炬燵の上の蜜柑籠へ視線を移した。
「ザマーミロって」 優奈は言った。「ざまあ、みろって。久々に、すっとした」
「……そうか」
短く返して、彼は目線を戻さないまま、蜜柑を一つ剥き始めた。もしかしたら、優奈はずっと自分に
怒って欲しかったのかもしれないな。そう思ったが、しかし何も言わずに、昌平はただ蜜柑の皮と
その白綿を丁寧に剥いた。彼がわざわざ怒って見せなくても、その目的は、多分、もう十分に
果たされていた。
再び開かれた優奈の瞳は、とっくに新しい涙で溢れていた。
415:鐘の音
08/05/13 01:56:25 mj+SNILw
「っごめん、ごめんね……!」
小さくしゃくり上げながら、彼女はようやく、昌平に対して謝った。お詫びに自分の体を差し出すと
言っても、そのこと自体には一切の詫びを入れなかった娘が、彼に泣きながら謝罪した。
「ごめんなさい…私、ホントに酷いことっ……!」
「ま、それに乗っかって手篭めにする男も大概だけどな」
「っ、ちがっ……」
「ところで、口直しいらないか?」
そう言って、昌平は丁寧にわた取りした蜜柑を一房、優奈の口に押し込んで黙らせる。
これで、ようやく先に光が見えてきた、と昌平は思った。彼女が泣いて謝ったのは、要するに彼の
心情を慮ることが出来た証拠だ。自分の痛みを無視出来る代わりに、人の痛みも鑑みなようとしない
ハリネズミのような心理状態から、彼女の心は回復してきている。
そして普段の彼女は、人一倍、心の機微に敏感な性質なのだ。
尚も言葉紡ごうとする娘の口を、次々と蜜柑で封鎖しながら、昌平は言った。
「大体、ちょっと失恋したくらいで、お前が脛に傷のあるビッチになんかなれるわけないんだよ」
「あむぐく……ふがっ」
軽く咽るほどの量を口に詰められて、優奈もようやく喋るのを諦める。昌平は過食を強いられて
必死なその顔に手を伸ばして、目尻の涙を拭ってやった。少なくとも、その最後の幾滴かは、
彼が押し込んだ蜜柑のせいに違いない。それが先の泪を押し流してくれればと、昌平は願った。
最後の一房を苦労して飲み込んだ優奈に、彼は唇の端を上げて言ってやる。
「どうだ、人に剥いてもらった蜜柑はうまいだろ?」
「……アレの味が混ざってて、よくわかんない」
昌平は笑った。それで顔のイヤラシイにやつきを誤魔化せたかどうかは、正直なところ自信は
無かった。
*
翌朝、昌平は空港の待合席で、優奈の搭乗手続きを待っていた。新年の朝は、日本晴れとは
いかなかったものの、昨夜の雪はきれいさっぱり収まっていて、飛行機は朝一から飛んでいた。
優奈を昌平の下宿に閉じ込めてくれた低気圧は、残念ながら年越し叶わなかったようである。
おかげで、空港は早朝だと言うのに、昨日帰省を阻まれた人々でかなりごった返し気味だった。
あの後、優奈を炬燵から引っ張り剥がしてから、二人は再度一つの炬燵に入り直した。
それからは普段通りの馬鹿話をして、或いはお互いにうとうとしたりしながら、新年最初の
夜を一緒に明かした。朝、顔を洗いに炬燵を出た時には、昌平は体の節々が痛かった。
結局、二人ともそれ以上体を寄せることはしなかった。昌平の性欲は十五分もすれば戻って
しまったし、迫れば優奈も断らないのは解っていたが、それでも彼は我慢を通した。もっとも、
例によって狭い炬燵で絡む足だけは、意地でも自分からは離さなかったのだけれど。
待つこと十分、売店で買った缶コーヒーがそろそろ温まる頃になって、優奈がようやく
手荷物カウンターの人垣の向こうから姿を見せた。時計を見ると、飛行機の出発時間まで
もう二十分を切っている。
「結構ギリだったな」
「田舎の空港だからって舐めてたわ。ゲート通過は十五分前だっけ」
「ああ。行くか」
言って、二人は徐に歩き出した。帰省と言っても、冬期休暇は短くて、ほんの一週間足らずである。
その後はまた大学で毎日のように顔を合わすのだから、特に構えるような別れでは無い。
しかし、今まで学友の見送りなど、昌平はせいぜい最寄駅までしかやったことが無い。
416:鐘の音
08/05/13 01:58:12 mj+SNILw
ゲートの傍に立つ厳つい警備員の表情が解るところまでやってきて、優奈がこちらを振り返る。
「じゃあ、うん……」
「また一週間後な。二度と変な男の家に転がりこんだりしないように、ゆっくり実家で休んで来い。
今度は無事に出てこれないかもしれないぞ」
昌平がおどけて言ったので、優奈も笑って冗談で返す。
「あれは無事だったっていうのかなあ……」
しかし、そこで彼は一歩前へ踏み込んだ。優奈の手首を素早く掴むと、上体を傾けて頭を落とし、
─渾身の力で捻じ曲げて、彼女の耳元に口を寄せる。
「ああ、次は無事じゃ済まさない。まともな飯を食いに出て、帰ってきたら風呂入れて、その後
布団の上に押し倒す。キスして裸にひん剥いて、しっかり準備して抱くからな。お前が俺の
下宿に来るって事は、なし崩しじゃなく完全な合意だと看做すから」
一息に言って、体を戻す。頬を撫ぜる優奈の髪の誘惑に抗うには、相当な努力が必要だった。
焦点が合うと、優奈は少し驚いたような表情をしていた。だが、一度瞼を下ろし、そしてもう一度
開かれた二つの瞳は、もうしっかりと意志の光を湛えていた。
昌平を正面から見据えて、彼女は言った。
「ありがとう。本当に、私にはもったいない友達だよ」
「もったいないから、ぜひその関係を再考してくれ」
「うん。それをちゃんと、考えてくる」
いつの間にか握手になっていた右手は、昌平の方からゆっくりと離した。
一時間後、昌平はお寺の境内を歩いていた。初めは、帰りがけに初詣をと思っていたのだが、
参拝を待つ長蛇の列と、昨夜、炬燵寝で痛めた体の節々が、昌平に針路変更を決めさせた。
それに、この寺には去年、ちょっとばかりの借りがある。
新年のお寺も人がいないわけでは無かったが、やはり普通の人間は初詣へと流れたようで、
どこか寂しい印象は拭えなかった。しかし雪の上には、昨夜訪れた人々の足跡が作ったらしき
道がある。昌平はそれをたどって歩を進め、目的の場所へたどり着いた。
「これ、か……」
見事な鐘だった。昌平は仏閣建築のぶの字も知らないが、その威容は一見の価値ありと
素直に思った。この地に下宿してもうすぐ二年になるが、訪れたのは今日が初めてになる。
昨夜、優奈と二人っきりの静かな部屋で、ヤケに大きく響いていた除夜の鐘がこれだった。
百八の煩悩を払うと言われるそれは、結果を鑑みるに効果があったかどうかは疑問である。が、
事あるごとに絶妙なタイミング鳴ってくれたその鐘に、昌平は今や、妙な縁を感じていた。
それで、ふと、願かけするならこっちだと思ったのである。
鐘楼の周りには、幸い誰もいなかった。それをいいことに、昌平は石段を登って鐘の下へ行き、
手袋を外して触れてみる。
一月の冷気を纏う厳かな青銅は、昌平の右手に残る火照りを一息に奪った。
417:286
08/05/13 02:04:11 mj+SNILw
以上です。
すみません、箱根駅伝どころじゃありませんでした。
正月って意外に短い。とかそういう問題じゃない。
時事ネタだし時期を逸したと投げてたんですが、GWにふとファイル見つけて、やっちゃいました。
折角(?)遅刻したので、一応、キスマダというお題に現代恋愛で敢えてガチ勝負してみたつもりです。
418:名無しさん@ピンキー
08/05/14 02:04:25 E128qef6
あんた最高だよ!
待っててよかったよ!
419:名無しさん@ピンキー
08/05/14 02:35:24 DAeuSEZs
素晴らしい
420:名無しさん@ピンキー
08/05/14 10:32:09 wdzVwhA5
>>417
あんたはその勝負に勝ったよ!
エロも話もしっかり楽しませていただきました。GJ!
421:名無しさん@ピンキー
08/05/14 11:47:24 Rrj6cIK9
>>418
ずっと待っててよかった。GJすぐる。
ハートも満たされるようなハッピーエンド続編なんか期待したくなる神っぷり。
とにかく感情移入できる作品だったから、あっという間に読み切ってしまったぜ。
とりあえず、もう服着てもいいかな?
422:名無しさん@ピンキー
08/05/14 11:48:23 Rrj6cIK9
安価ミスった…orz
λ...<しゃぶってくる
423:名無しさん@ピンキー
08/05/15 04:12:02 c9onMz9d
GJ!
幸せに終わって本当にうれしい
・・・やっと俺の冬が終わった
424: ◆k4Av.kXE.M
08/05/16 20:40:29 ZEEMESls
投下、黒いです注意。
425:先輩ハ後輩ノ物 ◆hzfGxHJVZk
08/05/16 20:41:18 ZEEMESls
床にペタンと尻餅をついた先輩が、涙に濡れた目で俺を見上げている。
俺は息を荒く弾ませながら、ズボンをトランクスごと脱いでいった。
こうなった経緯を説明しよう。
俺は、今年入ったばかりの新入社員。新人だと言うのに(新人だからか)、碌に仕事の仕方すら教えられない内から、こき使われている。
今日も、仕事を押し付けられて、夜遅くなり会社に残っているのは、先輩と俺だけになってしまった。
先輩。春日ゆき先輩。
俺の5年前に入社した、専務の娘であり……正真正銘のお嬢様だ。
ふわふわの髪。会社の制服に包まれながらもメリハリの効いたボディ。なにより、おっとりとしていて優しく包み込んでくれる感覚。
今日も、わざわざ俺の仕事に付き合って残業してくれた(教育係のチーフは、さっさと帰りやがった)。
やっと、仕事が終わった俺は、開放感から浮かれて。今思うと随分と馬鹿なことを口走った。
「春日先輩は、彼氏とかいるんですか?」
本当に馬鹿だとは思うが、俺はそう尋ねながら先輩に彼氏がいるだなんて思っていなかった。
女子高育ちで、短大出だという先輩は、男とは無縁ですごしてきたと信じて疑ってなかった(ある意味、それは正しかったのだが)。
そして、身のほど知らずにも、俺が初めての彼氏に立候補してやると意気込んでいたのだ。
「はい。企画部の貴之さんと……。お、お付き合いさせてもらってます」
頬を真っ赤に染めて、そう言う先輩は、とても可愛らしかったけれども。
俺は、勝手に信じていた女に裏切られ、崖から突き落とされたような気分になっていた。
「き、企画部の貴之って、社長の息子の?」
一方的な恋慕の情は、打ち明ける前に砕け散り。しかも相手は、社長の息子で頭脳明晰、美形様と来たもんだ。
俺は、自分の中で黒いものが吹きあがるのを感じた。
先輩への好意は悪意へ、恋慕は欲情へと姿を変え。俺は先輩を、俺を裏切った女をただ滅茶苦茶にしたいという気持に突き動かされた。
「じゃあ先輩は、アイツとセックスしてんのかよ」
当然投げかけられた、汚い言葉に先輩はきょとんとし。
「え? えっ?」
何を言われたか、理解できていない先輩の体に手を伸ばす。
今までずっと、見つめてきた、その大きな胸を制服越しに揉みしだく。
「もう、アイツのチンポをこの馬鹿でかい胸で挟んだり、マンコに入れてアンアン喘いだりしてんのかって聞いてんだよ!」
「い、いやぁぁ~~」
正気に戻った先輩が、俺を跳ね除けようとするが。お嬢様は本当に非力で、俺は思う様、夜毎に妄想していた体を撫で回した。
「やめてようぅ、ひっく、わ、私、そんなことしてな」
バシッ!
親にも叩かれたことが無かったであろう顔を俺は、はたいた。
「嘘つくんじゃねぇ! いい年こいた大人が付き合っていて、何にも無えわけないだろ!」
426:先輩ハ後輩ノ物 ◆eSuXezjSBE
08/05/16 20:41:52 ZEEMESls
俺は、酔っていた。筋違いの復讐に、惚れた女を暴力で支配する暗い官能に、そして先輩の体の服越しでも感じ取れる柔らかい感触に、俺
は酔っていた。
「ほ、本当、ぅ、うぅ、私、お付き合い、始めたばかりで、まだキスも……」
それを聞いて、俺は自分を突き動かしている暗い衝動が、より高まるのを感じた。
「他の男と付き合ったことは?」
「無い……です。私ずっと女子校育ちで、だから」
震えながら答える先輩は、もう手に届かない高値の花でも、憧れの先輩でもなく。
狼の前でおびえる、子ウサギにすぎなかった。
「じゃあ、俺が初めての男になるわけだ」
「ひっ!」
先輩が、恐怖の表情で俺を見ている。
もう、ほんの10分前の、あの暖かい関係には二度と戻れないだろう。
だが、それでも良かった。
どうせ手に入らないのなら、俺の手で汚してしまいたかった。
俺以外の誰もが、目をそむけるほど無残に、徹底的に。
「お、お願いします。処女は、バージンだけは、お願いします。お願いします」
つい先ほどまで、やさしく俺の面倒を見ていてくれた声が、必死になって俺に懇願している。
その事実に俺は股間をたぎらせながら、精一杯優しい声で嘘をつく。
「ああ、いいぜ。俺は先輩のファーストキスをもらえれば満足だよ」
先輩が戸惑った表情を浮か。俺が考え直したら大変だと思ったのか慌てて頷く。
「は、はい。私のファーストキスを○○君にささげます」
俺は先輩を突き飛ばした。
尻餅をついた先輩の目の前で、俺はズボンを脱ぎ捨て―今にいたると言うわけだ。
427:先輩ハ後輩ノ物 ◆eSuXezjSBE
08/05/16 20:42:30 ZEEMESls
恐怖と驚愕に、目をそむけることも忘れ、眼前の俺の息子を見つめる先輩。
その視線の所為で、俺の息子はますます元気にいきり立っている。
「なんで、約束、ちが、助け」
涙が伝っている柔らかい頬に、清楚なお嬢様の顔に、俺は、チンポを押し当てる。
優しく面倒見が良い先輩の綺麗な頬に、獣欲にかられた恩知らずな後輩の、俺の身勝手な復讐心で、おぞましい欲望の証が塗りたくられて
いる。
その背徳と快楽の、なんと素晴らしいことか。
「ああだからさ、先輩のファーストキスの相手は、俺のチ・ン・ポ」
そうだ。こんなことをすれば、こんな酷いことは、一生先輩の心に傷となって残るだろう。
今後、他の男とキスをするたびに思い出す。初めてのキスの無残な経験を、俺という男のことを。
先輩は、もう一生キスできないかもしれない。そして、それは俺の望み。
俺は、先輩の口元にチンポを持っていくが、薄紅色の門は固く閉ざされ、中に進入することが出来ない。
「先輩。俺はいいんですよ。無理矢理、下の唇に突っ込んで、そっちのファーストキス、いやバージンを貰っても」
そういうと先輩は、体を震わせ。
観念したのか、目を閉じて、唇をかすかに開いた。
だが俺は、そこにチンポを捻り込んだりはしなかった。
それじゃあ、駄目なんだ。
「目を明けろ、ちゃんと見て、自分から咥えるんだ」
ああ、先輩の恐怖と葛藤が、伝わってくる。
だけど、先輩に選択肢は無い。
「早くしろよ。それとも」
先輩は、その小さな口を精一杯大きく開いて、俺のチンポを咥えた。
女の子の大切なファーストキス。きっと年頃になったときから、様々な想像を巡らせ、輝かしい未来に思いをはせていただろう。
好きでもない男に、ましてやチンポに奪われるなんて、考えもしなかった筈だ。
俺は、先輩の暖かい口の粘膜と、熱くぬめった舌の感触。そして何よりも先輩の大切な物を奪い、汚した達成感、嗜虐心で即座に射精を開
始した。
慌てて、口を離そうとする先輩の髪をつかみ、喉の奥へと、精液を二度、三度と浴びせ掛ける。
咳き込み、吐きだそうとする先輩の口の中、歯がこすれて激痛が走るがそんな事はどうでもよかった。
例え、噛み千切られても(この後に及んでも、俺は、お人好しな先輩が故意にそういった事をしないと確信していたが)先輩の口の中を陵
辱し、俺の精液を先輩の胃の中に流し込みたかった。
どのくらい時間がたっただろうか。何度、先輩の口に欲望を吐き出しただろうか。
俺が、チンポを先輩の口から抜き出した時。
先輩の目は虚空を見つめ。鼻からは、鼻水と逆流した精液が溢れ出し、頬は涙と塗りつけた先走り汁で、ぐちょぐちょに濡れ、口からはヨ
ダレと精液がこぼれ出ていた。
おそらく、親に見せたって、今の先輩を先輩だとは分からないだろう。
先輩にあこがれていた奴らも、先輩の友達も、世間の誰だって、今の先輩の顔を見たら、汚いものを見たと目をそむけるだろう。
だが、俺にとっては、世界中で俺にとってだけは、今の先輩の顔が、征服され、蹂躙されつくした女の顔が、一番の宝物。
俺は、呆然としている先輩の服に手をかける。
「先輩、やっぱり処女も貰うよ」
絶望に歪む先輩の顔を見て、俺は、下半身に再び欲望がたぎるのを感じていた。
428: ◆q2/HRS.XTk
08/05/16 20:42:56 ZEEMESls
398氏。希望と違っていたらゴメン。
もう一作、糖化?
429:初めてのキス ◆q2/HRS.XTk
08/05/16 20:44:08 ZEEMESls
「んっ」
いけない、声が出てしまった。
私は、慌てて向かいの席に座っている新人君の方をうかがう。
すでに社内に残っているのは新人君と私だけだ。
私は、今年で2X歳になるOL。この新人君の教育係で、今日も残業中だ。
新人君は、真面目ないい子だけど。入社するまでずっと女子校育ちだった私は男の子に免疫が無くて、変に意識してしまう。
ちょっと子供ぽい顔つきに反して、大学では、野球をやっていたという新人君は中々に逞しい体つきだ。
もし無理矢理、襲われたら……抵抗できないだろう。
泣き叫ぶ私を新人君が、組み伏せ。まだキスをしたことも無い口に、男の物を―って、いけない、いけない。
気分転換に覗いた、エッチなスレの影響で変なことを考えてしまう。
そこに載っていたのは、お嬢様な先輩OLを逆恨みした後輩が襲う話。
こんな後輩と一緒にしたら、新人君が可哀想だ。
大体、私なんて、お話の中の先輩OLみたいにお嬢様と言うわけでもないし、美人というわけでもない。
ありふれたOLにすぎない。
唯一、変わった点があるとすれば、この性癖ぐらいだろうか。
小学生の頃。
帰り道に落ちていた大人の雑誌。
一緒にいた皆と、いやぁねぇと話し合いながらも興奮して、好奇心を押さえきれずに家に帰るや、すぐさま引き返して拾いにいったのだ。
ドキドキしながら、服の中に隠して持ちかえり。部屋の中で夢中でページをめくったその雑誌には、フェラチオ特集と書かれていた。
女教師が、ナースが、女子校生が……そしてOLが、男の人の物を舐めて、口に含んで、しゃぶる写真が満載されていた雑誌。
肝心の、男の人の部分はモザイクがかけられていたものの、小学生の私には、あまりにも衝撃的で。
いつしか、手はスカートの中に入りこんで。私は初めての自慰行為にふけった。
それ以来、私は定期的に男の人の物を自らの口に含む妄想で自慰をするようになったのだ。
そんな知識を先に身につけてしまった為か、実際の男性とは、全然縁が無いのだけれども。
何せ初めて、まともに緊張せず話せた男性が新人君なんだから、自分の初心さ加減が嫌になってしまう。
……新人君もあんな雑誌見たりするのかな。
ふと浮かんできたそんな言葉を頭を振って振り払う。何を考えているんだ私は?
……新人君もあんな雑誌を見て、オチンチンをしごいているのかな。
だけど、振り払えば振り払うほど、言葉はからみついて湧きあがってくる。
……もしかして、新人君。私の口にオチンチンを突っ込む想像をして、白いの出してるのかな。
430:初めてのキス ◆q2/HRS.XTk
08/05/16 20:44:29 ZEEMESls
「そんなわけないじゃい。馬鹿!」
真面目で好青年の新人君が、私なんかに興味あるはず無い。きっと彼女がいるだろうし、私なんか教育係として色々と注意しているし、む
しろ煙たがられているはずだ。
「す、すみません。何所か間違っていましたか!?」
気が付いたら、向かいで仕事をしていたはずの新人君が、すぐ側に立っていた。
書類を持って、途方にくれている。どうやら出来あがった書類を見せに来たらしい。
「ご、ごめんなさい。違うのよ、こっちの事でっ」
慌てて、書類を受け取ろうとしたら。肘が湯呑に当って、倒してしまった。
中に入っていたお茶が、新人君のズボンの中央にシミをつくる。
「きゃっ、ごめんなさい!」
私は、さらに慌てて、ハンカチを取り出すと新人君のズボンをふき取る。
「「あっ」」
私の手の中、ハンカチとズボンと下着越しに、新人君の物が見る間に硬く、大きくなっていくのが感じ取れる。
「……すみません」
一瞬、呆然としてしまったけれど、顔を真っ赤にして謝る新人君の声に、私は我に帰った。
「わ、私が悪いんだから、気にしないで。ほら、おと、男の人は、そういうのしょうがないっていうしっ!」
自分でも何を言っているのか分からない慰めの言葉が、止めとなったようだ。
新人君は、涙を浮かべると、
「乾かして来ます!」
と言い残して、部屋から走り去っていった。
一人になった私は、無意識のうちにまだ感触の残っている手を口元に近づけ―ミシっという音が、その時、どこからか響いた。
周囲を見渡すが、誰もいない。会社に残っているのは新人君と私だけなんだから当たり前だ。
同僚OLから聞いた怖い話を思い出してしまい。先ほどまでとは、違ったドキドキが私を包む。
心細くなった私の足は、新人君を求めて歩き出していた。
431:初めてのキス ◆q2/HRS.XTk
08/05/16 20:45:11 ZEEMESls
新人君が、何所にいるかはすぐにわかった。給湯室の明かりがついている。
そういえば、あそこには旧式のストーブが置いてあったはずだ。今更だけど、ドライヤーを貸したほうがいいだろうか。
そんなことを考えながら、近づいていくと。
「……! ―先輩っ!」
新人君が、私の名前を呼んでいた。
苦しそうな、切羽詰った声。もしかして助けを求めている?
私は急いで給湯室に駆け込んだ。
「どうしたのっ! 何かあったの! 大丈夫!」
扉を開けた、私の目の前。下半身を丸裸にして、一生懸命、手でオチンチンを擦っている新人君が居た。
私がはじめて見る(幼い時、父の物を見たかもしれないが、あやふやな記憶の彼方にいってしまっている)、モザイク無しの男性器。
「すみません! すみません! 俺、ずっと、先輩のこといいなって思って、憧れてて、それでっ、さっきのでたまん無くなって! スケ
ベな妄想で、頭の中一杯になっちゃって! すみません! すみません!」
私に気づいた新人君は、下半身裸のまま、土下座して謝り続ける。
嘘、でしょ?
私で、私なんかで?
もし、新人君が女慣れした「男」だったら、私は嫌悪や恐怖を感じていたかもしれない。
でも、今の私は(完全に主導権を握っている安心感もあっただろうが)、新人君がとってもいじらしく、可愛らしく感じられた。
私は、泣きながら謝り続ける新人君のそばにいくと。手を伸ばした。
「ごめんなさいね。私が……刺激しちゃったのね」
手に熱い感触。
「せ、先輩!?」
新人君が、慌てている。だけど、私はもう止まらなかった。私は普段の自分では絶対に出来ないような事をして、絶対に言わないような事
を言う。
「私の所為だから。責任、とらないとね」
すでに新人君のオチンチンは、臨戦体勢に入っていた。
身を起こして、目を白黒させている新人君のオチンチンに顔を近づける。
むわぁ、と青臭い匂いが鼻孔を陵辱する。
鈴口から、濃い先走りが漏れ出ている。その場所へ、私はゆっくりと伸ばした舌を近づけ。
432:初めてのキス ◆q2/HRS.XTk
08/05/16 20:45:51 ZEEMESls
クチュリ、ドピュッ、ピュピュッ
舌先が触れた瞬間。新人君の体が激しく振動し、勢い良く飛び出した精液が、私の口の周りと床に飛び散った。
「うっ、あっ、ああ、せ、先輩ぃ」
だけど、新人君の物は、まるで劣えず。むしろより、大きくなったように見える。
私は、あの、昔拾った雑誌に書いてあったように舌を這わせて、新人君の精液を拭い取ると、亀頭の全てを口の中に含んだ。
歯が当らないように注意をしながら、舌先で亀頭の裏側を刺激しつつ、唇に力をこめ、締めつけながら、頭を前後に動かして、竿を唇で摩
擦する。
口の中で、新人君が喜んでいるのがわかる。
ブジュッ、ンプッ、ングング、ブチョッ、ングゥ、チュバッ、チュボッ。
獣は、服従の印にお腹を見せるというけど、男の子の急所を握っている実感。
私の舌先一つで、男の子を手玉に取っている実感がして、ゾクゾクする。
私は、上目遣いに新人君の様子を伺いながら、オチンチンをしゃぶり続ける。新人君と目が合い。
その時、ひときわ激しく、新人君のオチンチンが口の中でひくつき、喉の奥へと精液が叩き付けられる。
思わず、私は口を離して、咳き込んでしまった。
「ンクッ、ケホッ、ごめんね。飲んであげられなくて、これで満足できた?」
新人君がとろけた顔から、怒った顔になった。
「先輩・・・・・・俺・・・・・・!」
それを見て私は、正気に戻った。
なんてことを、こんなのセクハラですら無い。淫乱な変態女、丸っきりの恥女だ。
もう新人君と顔を合わせられない。辞表を出そう。
私は、無言で逃げ出そうとして、新人君に腕を掴まれた。
もしかして・・・・・・私を?
そうされても仕方が無い。むしろ私の方が挑発したのだ。
「俺、先輩の事好きです! 付き合っている奴が居ても奪い取りたい! 相応しい男になりたいです!」
そういうと、新人君は私の唇に顔を―
「だ、駄目。私、さっき! き、汚いからっ!」
私は、夢想だにしなかった事態に、慌てて新人君を止めようとするけど、新人君は止まらなくて。
「汚くありません。先輩は全部綺麗です!」
そんな、照れる。じゃなくって、ついさっき新人君のをお口に含んだばかりっ!
あっ。
これが、私のファーストキス。
433: ◆q2/HRS.XTk
08/05/16 20:47:42 ZEEMESls
投下終了。
もっと甘々な物を書こうとしたけど、これが精一杯。
って、なんでトリがコロコロ変わるんだろう。中の字は弄ってないのに?
434:名無しさん@ピンキー
08/05/17 22:34:07 DuAR7zx2
GJ! 黒いのもイイヨイイヨー。
あと>>429の導入が、前の陵辱話のOL視点に見えて、
実は誘い受けだったかと思って激しく勃起した。
435:名無しさん@ピンキー
08/05/18 00:32:38 6iI5OQB6
436:名無しさん@ピンキー
08/05/23 03:11:36 S0y+lLau
☆
437:名無しさん@ピンキー
08/05/24 23:15:38 VJMJFDan
>>436
あなたはもしや風子ちゃんですか?
438:名無しさん@ピンキー
08/05/28 00:43:19 HmDmjupe
干す
439:名無しさん@ピンキー
08/05/28 15:01:58 pjPtIQmf
えぇい!!佐川はまだかっっ!!!
440:名無しさん@ピンキー
08/05/28 15:02:28 pjPtIQmf
誤爆サーセン…orz
441:名無しさん@ピンキー
08/05/30 11:26:16 hpIhVBx9
あげ
442:名無しさん@ピンキー
08/05/31 05:22:37 UzgFs0Q9
ドMの女の子を全身をギチギチに拘束して目隠しして飼い馴らすのはどう?
二番目投下のSSのと同じようにフェラ専用のサンドバッグ状態
食事は食べさせるかお皿に顔突っ込んで犬食い、排泄は決まった時間
体をマッサージしたり汗拭いたり点検の為脱がせるのは寝ている間だけ
仮に本当にサンドバッグとして使ってもそれすら快感に変えるM女
主人公にはちゃんと彼女又は配偶者が居て
M女は二人の前戯と後始末にのみ使われて後は焦らされる為
粘り気の強いヨダレを垂らして使われる時を待っている
443:名無しさん@ピンキー
08/05/31 22:39:21 lwmwXxbA
甘党の俺的には無いが、需要あるならいいんでない?
444:名無しさん@ピンキー
08/05/31 22:55:05 QrO6ZiRZ
俺もラブラブな方が好きだからパスだな
445:名無しさん@ピンキー
08/06/01 03:35:13 MHTFGbMU
読みたい人がここに
446:名無しさん@ピンキー
08/06/01 22:42:27 WXnu8mSZ
六月保守
447:名無しさん@ピンキー
08/06/05 20:04:02 /KFOGH3B
読みたくはあるけど、あんまり痛い目に遭うのは勘弁だな。
ドMで本人も喜んでる、とかならいいけど。
448:名無しさん@ピンキー
08/06/11 22:29:21 bwY75la5
保守
449:名無しさん@ピンキー
08/06/15 14:40:00 8nvkfAjh
☆湯
450:名無しさん@ピンキー
08/06/18 22:43:42 JqNzGntK
保守
451:名無しさん@ピンキー
08/06/19 01:00:39 ernupIwQ
保守
452:名無しさん@ピンキー
08/06/21 21:47:54 V+oJmZxf
ほしゅ
453:名無しさん@ピンキー
08/06/25 18:48:53 zoFk2Gh/
保守
454:名無しさん@ピンキー
08/06/26 21:16:21 bePHlWOI
どんな子のフェラがいいのかアンケート
年
小学生
中学生
高校生
大学生
それ以上
経験
Hもフェラもなし
フェラのみありだが下手
フェラのみありで上手い
フェラもHもありだが下手
フェラもHもありで上手い
455:名無しさん@ピンキー
08/06/26 21:42:15 C8khRQz1
大学生
Hもフェラもなし
456:名無しさん@ピンキー
08/06/27 02:12:53 Kh/fBPYD
小学生
フェラのみありで上手い
457:名無しさん@ピンキー
08/06/27 02:15:52 cq7dtS0e
大学生
Hもフェラもなし
458:名無しさん@ピンキー
08/06/27 02:18:11 +nyhMvZA
シスター(24歳)
Hもフェラも知識もなし
459:名無しさん@ピンキー
08/06/27 03:16:47 Ydj6+Hg/
中学生
Hもフェラもなし
460:名無しさん@ピンキー
08/06/27 06:42:42 B2RpDeu2
>>458
シスターアンジェラですね、わかります
461:名無しさん@ピンキー
08/06/27 16:33:44 uqaP5p5L
大学生
Hもフェラもなし
知識もなし
462:名無しさん@ピンキー
08/06/27 17:53:52 W/fLJx2r
一斉に住人が湧いてきたなw
このスレ意外と人がいるから困…らないな
463:名無しさん@ピンキー
08/06/27 23:12:03 Db6swCAo
大学生
フェラもHもありだが下手
こんなスレにいながらなんだが
強気なんだけど下手な女を罵りながら徐々に教え込みたい。
464:名無しさん@ピンキー
08/06/28 01:27:59 T2tWnrrZ
大学生でHもフェラもなし
知識もなしという発想はなかったな、それも追加しとこう。
465:名無しさん@ピンキー
08/06/28 13:13:24 5pfkf6cv
大学生
フェラもHもなし
466:名無しさん@ピンキー
08/06/29 14:21:54 pOaMTz+r
大学生
フェラもHも知識もなし。
フェラって何ですか?Hってどんなことをするの?みたいな子がいい。
467:名無しさん@ピンキー
08/06/29 20:48:55 FJZwYjAP
大学生
Hもフェラも知識も無しがいい。
ここは同じ好みの人が多くて何よりだ
468:名無しさん@ピンキー
08/06/29 21:11:06 OdbnEsEw
そんなの
「スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻さないように、ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ」
な女子高出身者しかいねーだろJK
469:名無しさん@ピンキー
08/07/01 13:29:37 0HTWTtds
そういう娘にフェラさせるのがいいんじゃないか
470:名無しさん@ピンキー
08/07/02 04:56:39 WrAOzT1J
なんで小学生 で 経験有りが俺しかいないわけ 馬鹿なの?
471:名無しさん@ピンキー
08/07/02 21:18:59 8rsXkTZw
どちらかといえば大学生知識経験なしがいいな…
毎日の記事じゃないが、小学生に知識や経験があっても珍しくないわ
あくまで創作物のはなしだが
472:名無しさん@ピンキー
08/07/04 07:22:19 RHiX7kFH
目覚めのキスならぬ目覚めのフェラで起こされる白雪姫ですね…。
473:名無しさん@ピンキー
08/07/05 17:48:36 p4uqaM6K
僕は鈴木翔、24歳の大学生だ。彼女がいなくていつも性欲をもてあましている。
そんな俺に奇跡のようなことが起こった。それは夕方の満員電車のことだ。
就職活動をして家に戻る最中だった。
目の前にお嬢様中学校の制服を着たかわいい子がいたので妄想をしていた。
そしたら、いきなり俺のズボンを触ってきたのだ。
妄想+実際の刺激でフル勃起している(・∀・)チンポー!!
これからどうしようと考えていたらそっと囁かれた。
「次の駅で一緒に降りて、私についてきてください」
当然何も考えずに痴女?の子について行った。
5分くらいで人通りのない場所にたどり着いた。
「あの・・・(・∀・)チンポー!!見せてください?」
「えっ?」流石にいきなりそんなことを言われたら驚くだろう。
「いきなりそれはちょっと・・・」とりあえず拒否してみた。
「あっ、お兄さん童貞だから恥ずかしいんですか?でも大丈夫です。童貞奪ったりしませんよ」
「いや、まあ、童貞だけど」童貞奪ったりしないってことはHするわけじゃないのか?
俺の気を知らずに、フル勃起した(・∀・)チンポー!!をズボンの上から触ってくる。
「やっぱり大きくなってますよ。はやくお兄さんの(・∀・)チンポー!!見たいです」
「でも、理由も知らないのにいきなりそんなことは・・・」
「そうでしたね。理由を話してなかったですよね。実は、夢占いで見たんですよね。
ピンクのYシャツにネクタイしてるセンスのない太ってる人の精子を飲むと幸運になれるんです。
お兄さんはこの条件にぴったりなんですよ」
夢占いでそんなことがでるなんて俺の妄想でもないぞ。
「だから早くズボンを脱いで(・∀・)チンポー!!見せてくださいね」
そこまで言われたら言うとおりにして見る気になってきた。
474:名無しさん@ピンキー
08/07/05 17:49:32 p4uqaM6K
ズボンとトランクスを足首まで下げて(・∀・)チンポー!!を丸出しにする。
「あっ、やっぱり。小さめの(・∀・)チンポー!!に皮が被ってますね。夢の通りです」
(・∀・)チンポー!!を指でつつきながら言う。
「あの、名前はなんて言うの」フェラしてくれる子の名前くらいは気になるところだ。
「葵です。歳は中学1年生」
「ちゅ、中学1年生?」ロリコンの俺もびっくりの展開だ。
「あっ、さっきより大きくなった気がします。もしかしてロリコンで興奮してきましたか?」
「そりゃあ、中学1年生が(・∀・)チンポー!!の前にいたら興奮するよ」
「でも、まさかお嬢様学校の中学1年生がこんなことするなんて、誰も想像しないよな」
「こんなこと、って、ただのフェラチオじゃないですか?私はキスもまだですよ」
「えっ?キスもまだなのにフェラチオはしてるの?」
「はい、キスは彼氏としないとだめじゃないですか。フェラチオは占いで必要だから誰でもいいんです」
「今の中学生はそんなものなんだ」
「そうですよ。じゃあお兄さんの包茎(・∀・)チンポー!!しゃぶっちゃいますね」
まずは(・∀・)チンポー!!の臭いをかいでくる。
「あはっ、すごく臭いですよ」
「そりゃ一日洗ってないしね」
「皮も被ってますから剥いてあげますね」
根元まで咥えて舌をうまく使って皮を剥いている。
「やばい、気持ちよすぎるよ」
いったん口を離して手でしごきながら
「葵のお口、そんなに気持ちいいですか?」
「うん。しかも中学生にしゃぶってもらってると思ったらさらに気持ちいいよ」
「そういうのロリコンって言うんですよね?きもちわるいです」
そう言いながらも思いっきり音をたててしゃぶっている。
「きもちわるい男の(・∀・)チンポー!!しゃぶってるなんて、葵ちゃんは変態だね」
「だって、占いのためですから。はやく精子だしてください」
「と言われてもすぐにはね」
とは言って見たもののかわいい中学生にしゃぶられてすでに限界が近かった。
「童貞のくせに生意気です。すぐにいかせちゃいますね」
いったん剥けてない状態に戻した。
「いつも皮オナニーしてますよね?それをやってあげますね」
左手でオナニーをするみたいに皮を上下させ、口は先っぽを咥えはじめた。
「どうですか?包茎の人は皮を剥かれるのがいいんですよね?」
答える余裕がないほど気持ちよかった。
「あっ?もう出ちゃいます?はやく出してくださいね」
そういって手のスピードをあげて、思いっきり吸い始めた。
「やばっ・・・」声をあげて出してしまった。
葵ちゃんは最後まで搾り取るように手をしごいている。
「お兄さんの結構濃くておいしかったですよ」
「続きは?」フェラだけじゃ満足できなくて聞いて見た。
「今度占いでお兄さんのことがでたらまたフェラチオしてあげますね」
「フェラチオだけ?」
「はい。お兄さんみたいなきもちわるい人の童貞奪いたくないです」
葵ちゃんは颯爽と立ち去って行った。
この事はずっとオナニーのネタとなっている。
475:名無しさん@ピンキー
08/07/05 17:51:16 p4uqaM6K
年下で経験豊富な子のフェラを書いて見た。
大学生で知識なしというのはどうも想像がつかないので敬遠。
476:名無しさん@ピンキー
08/07/11 05:53:11 wQUTacDL
誰か保守しろよ
477:名無しさん@ピンキー
08/07/11 21:14:53 vjq+XTeN
>>476
ごめん、なんか迷った。
478:名無しさん@ピンキー
08/07/14 23:42:33 bjCf/ksf
保守
479:名無しさん@ピンキー
08/07/15 16:56:15 CT8ct3zU
圧縮あったのか…。
常駐スレが落ちたのでここだけは守る。
480:名無しさん@ピンキー
08/07/15 23:22:41 F+BVzF0j
総スレ数はそれほど変わり無いから、圧縮ではないみたいだよ。
481:名無しさん@ピンキー
08/07/19 19:55:03 bCv8Yop5
下げ保守
482:名無しさん@ピンキー
08/07/21 21:11:33 u1jEmt4W
だがそろそろ圧縮くるかも
483:名無しさん@ピンキー
08/07/22 19:40:58 VDHHKyfK
そろそろ来そうだね
484:名無しさん@ピンキー
08/07/24 01:50:47 ZUNCwEDQ
圧縮回避策
485:名無しさん@ピンキー
08/07/25 22:47:38 cz6i6HKN
新ジャンル「精液ソムリエ」
スレリンク(news4vip板)
486:名無しさん@ピンキー
08/07/25 23:05:08 vo4A0LCP
精液ソムリエールじゃなきゃイヤン
487:名無しさん@ピンキー
08/07/26 09:44:02 Yjn+XBE2
>>485
見てきたケド、これはちょっと違うんじゃまいか?w
488:名無しさん@ピンキー
08/07/26 11:54:11 EzuMtP0t
>>487
いや、89見ると強ち違うともいえない気が
489:名無しさん@ピンキー
08/07/30 21:18:22 HWKBta1K
ほしゅ
490:名無しさん@ピンキー
08/08/01 10:49:29 2AYFQR8V
8月です
491:名無しさん@ピンキー
08/08/04 00:40:34 wKL9kZYt
492:名無しさん@ピンキー
08/08/08 15:24:49 z5zKs8na
保守
493:名無しさん@ピンキー
08/08/12 09:12:12 ilxBSjVi
保守
494:名無しさん@ピンキー
08/08/15 15:21:43 NjY98KoQ
HOSHU
495:名無しさん@ピンキー
08/08/16 07:26:57 3Q3m0tst
女性とのキスの仕方 健康的なキス、キスする時のマナーと注意点
URLリンク(korehodo.blogspot.com)
URLリンク(korehodo.blogspot.com)
URLリンク(korehodo.blogspot.com)
496:名無しさん@ピンキー
08/08/16 16:14:17 Hf9WHDbu
キスはしちゃだめだろ。
このスレ的に
497:名無しさん@ピンキー
08/08/17 15:57:57 3VdddoVE
>>496
やることやったあとにやりゃおKだろう
「順番が逆だよねw」
とかおにゃのこに言わせるとGJ
498:名無しさん@ピンキー
08/08/17 22:40:15 xpE9ftOY
そしてザーメンまみれの口で何しようとしてやがるとアイアンクローをするわけですね。
499:名無しさん@ピンキー
08/08/21 00:30:28 sc3E1Fqr
アイアン保守
500:名無しさん@ピンキー
08/08/23 20:40:10 CkCO8Qvp
保守
501:名無しさん@ピンキー
08/08/27 23:06:24 htaCQVMI
補習
502:名無しさん@ピンキー
08/09/02 10:14:09 jOErkOhm
保守させていただく
503:ボーイング77
08/09/02 23:34:14 BB5BGXtc
電車で接近すると、フェラしてほしくなります。
504:名無しさん@ピンキー
08/09/03 14:39:48 oVKrzv12
死んでた?
505:名無しさん@ピンキー
08/09/03 21:45:27 BC+6I3LL
なるべくsageたほうがいい
506:名無しさん@ピンキー
08/09/05 19:06:47 t7BgwXE/
保守
507:名無しさん@ピンキー
08/09/07 20:25:45 h4AyE5wE
保守するよ
508:名無しさん@ピンキー
08/09/08 09:24:11 F70G2KAc
にこ
509:名無しさん@ピンキー
08/09/11 21:49:25 Et8z4AFv
保守
510:名無しさん@ピンキー
08/09/16 13:58:45 cloB0XnR
保守するよ
511:名無しさん@ピンキー
08/09/20 03:56:34 Iu7qqW/H
保守
512:名無しさん@ピンキー
08/09/22 13:33:53 FKZKX8gg
ほ
513:名無しさん@ピンキー
08/09/24 22:46:08 vdtt8WLi
し
514:名無しさん@ピンキー
08/09/24 23:56:09 y4yJYNv8
な
515:名無しさん@ピンキー
08/09/26 00:09:20 38NHW+7J
ま
516:名無しさん@ピンキー
08/09/30 14:54:34 ZgQmqIDd
こ
517:名無しさん@ピンキー
08/10/01 23:45:05 gzSqEwZr
ち
518:名無しさん@ピンキー
08/10/04 20:37:38 JDFqAj10
ょ
519:名無しさん@ピンキー
08/10/06 21:15:42 qTDwrNm3
こ
520:名無しさん@ピンキー
08/10/06 23:00:29 tIUPBNFy
む
521:名無しさん@ピンキー
08/10/09 22:38:34 6Q0hhKlA
|
522:名無しさん@ピンキー
08/10/10 18:31:58 CybRdHkk
ち
523:名無しさん@ピンキー
08/10/13 12:56:18 u4hmaufU
ょ
524:名無しさん@ピンキー
08/10/15 04:59:25 wRxAWfe7
ふ
525:名無しさん@ピンキー
08/10/15 05:03:21 GtA9J/GC
ぇ
526:名無しさん@ピンキー
08/10/15 23:09:02 73YP1UxA
ら
527:名無しさん@ピンキー
08/10/17 10:55:23 u7boSBNA
ち
528:名無しさん@ピンキー
08/10/17 12:49:18 4SlXnK2G
お
529:名無しさん@ピンキー
08/10/19 19:16:05 9x74dKPv
保守
530:名無しさん@ピンキー
08/10/19 21:00:54 DV4988ft
ふぇらちお、ときれい決まった所で投下します
オリジナルで大学生・経験なし・知識なし。
最初は、どんだけ無茶振りだよとか思ってましたが、何とか突破口(?)を見つけた気がするので
やってみました。ポイントは、1970年代後半。
エロまで結構長いので、時間のある時にどうぞ
531:水底の邦
08/10/19 21:02:36 DV4988ft
十月初旬の、まだまだ強い陽射し下で、スコップを使うこと一時間。下着まで汗みずくに
なりながらも、睦月亮佑はついに目当てのものを掘り当てた。
「お、今刃先に何か当たったぞ」
「本当?……あ、これこれ! 私達のタイムカプセル!」
ボロボロに赤錆びた、クッキーの空き缶。当時の頑丈そうな見てくれとは、随分と変わり
果ててしまったけれども、それは間違いなく亮祐達が埋めたものだった。
「ふぃー……」 大きく息を吐きながら、亮祐はへたり込むようにしてその場に座った。すると
自然に、くつくつとした理由の無い笑いがこみあげてくる。
「はっは、何だ何だ。本当に出てきちまったよ」
「すごいわ。信じられない。絶対見つからない思っていたのに」
「おいおい、掘ってる時は応援しといてそりゃないぜ。……しっかし、酷いなこりゃ。こことか、
内側まで穴開いてるんじゃないか? 中身は大丈夫かね?」
「まあ、仕方ないわよ」 亮祐の傍にしゃがみ込んで、娘は言う。 「十年っていうのは、
それだけの時間だもの。……お疲れ様」
それから、彼女はハンドバックから若草色のハンカチを取り出すと、亮祐の頬を伝う汗を
拭った。その様があまりに自然だったので、彼は少し驚いた。だが、視界の端に陽の光を
反射してきらきらと光る湖面を認めると、亮祐は「そうだな」と頷いた。
十年は、変わり果てるのに十分な時間だ。人も、物も、土地さえも。
彼につられるようにして、娘も顔を上げた。二人の視線の先には、彼らの故郷を腹に沈めた、
巨大なダム湖が広がっている。
*
西佐久村大字分校。それが、睦月亮祐が四年まで通っていた小学校の名前である。
廃校が決まった十年前の時点で、全校生徒は十三人。亮祐の学年は五人だった。
女が三人で男が二人、その全員の名前を、彼は今でも暗唱できる。
みんな仲良し、だったかどうかは評価の分かれるところだが、付き合いの深さだけは
本物だった。何しろ、日帰りで行ける範囲で、同世代の子供はこの五人しかいなかった
のだ。遊ぶにしろ、喧嘩するにしろ、全てはその中の出来事だった。
そんな彼らは、ここが廃校になって、いずれダムの底に沈むと決まった時、全員で一つの
約束をした。水没を免れることになった高台の祠の脇に、タイムカプセルを埋める。それを、
きっかり十年後の今日に、皆で必ず開けに来よう。
分校最後の終業式で、机をくっつけて話し合った日、その約束は、絶対に果たされる
ものと思われた。だが、年を経るごとに連絡は疎遠になっていき、中学を卒業する頃には、
お互い年賀状のやり取りだけになっていた。高校卒業後は、それすらも途絶えた。
だから先月、亮祐が思い切って旧友五人に同窓会の葉書を出すには、相当の勇気が
必要だった。そして結果は、予想通りあまり芳しいものでは無かった。女子への二通が
『あて所に尋ねあたりません』と戻ってきた。もう一人は、出産直後で出席出来ないと、
丁寧な文面で断りの返事をくれた。唯一の男の級友だった克俊からは、母親の名前で
封書が届いた─二年前、家業の出前を手伝っている際に、交通事後で死んだ旨が、
鉛筆書きでしたためてあった。
少なからず落胆した亮祐だったが、しかしかえってカプセルを掘りだそうという決意は
固まった。少ないながらも、旧友の現状を知れた事が、より望郷の念を強めたのだ。
加えて、克俊の母親からの手紙もある─息子の遺品は、是非お友達が持っていて
あげて下さいと、消し痕の後の残る便箋に記してあった。
そんなわけで、亮祐は今日、スコップと代わりに埋める自分の連絡先を入れた筒を
持って、はるばる東京から四時間半かけてやってきた。そして、十年ぶりに訪れた
祠の横を、記憶を頼りに一生懸命掘り返している時、後ろから突然
「あの、睦月……君?」
と、呼び止められたのである。
532:水底の邦
08/10/19 21:04:05 DV4988ft
初め、その娘が岩瀬由香里だと、亮祐は全く気付かなかった。薄い水玉のブラウスに
黒いフレアー丈のスカート姿で、日よけに白い帽子を被った様は、いかにもいい所の
大人しいお嬢様然としていた。しかし、亮祐の記憶にある『ゆっこ』は、彼の襟首を掴んだ
まま、石垣の上から自分もろともダイブして、一週間も接骨院送りにした猛者である。
とても、労いの言葉と共にさっとハンカチを出して、亮祐の額の汗を拭くことが出来るような
娘では無かった。
全く以って、鬼も十八番茶も出花……と、亮祐は声に出して言わなかったけれども、
しかし例え口に出したとて、「そうね」と小さく笑って済ませる様な雰囲気が、今の彼女
にはある。
亮祐が葉書の件を口にすると、由香里は少し驚いたような表情を見せてから、
ごめんなさいと頭を下げた。
「実はね、中学を卒業した後、母が再婚したの。だから本当は岩瀬じゃなくて、西野由香里
なのよ。でも、当時は私自身、少し複雑な時期だったものあって、どうしても新しい苗字で
手紙を出す気になれなくて」
「ああ、それで……。宛先不明で戻されたのは、転送期間が終わったせいか」
「そう。早く新しい連絡先を伝えるべきだったのだけれど、ついつい先送りにしてしまって。
本当に、ごめんなさい」
「いや、いいっていいって。そういうことなら仕方ないだろ」 姿勢正しく頭を下げられ、亮祐は
うろたえて言った。「いやしかし、じゃあどう呼んだらいいのかな。西野、じゃかえってアレだし、
その……」
すると、その狼狽ぶりが余程可笑しかったのか。若干昔の面影のある笑みを浮かべて、
由香里は少し意地悪く言った。
「別に、岩瀬でも由香里でもいいわよ。もちろん、昔通りに『ゆっこ』って呼んでくれても、
一向に構わないけれど」
「ぐっ。自分は睦月君つっといて、そりゃちょいと卑怯じゃないか?」
「確かにそうね、亮ちゃん。 ……ふふ、これでいい?」
「……参りました。俺の負けだよ、ゆっこ」
呼び名が元に戻ってからは、自然と二人とも話が弾んだ。亮祐は葉書を出して知った旧友達の
現況を詳しく伝え、そして持ってきていた克俊の母親の手紙を彼女に見せた。旧友の訃報には、
流石に驚いた表情を見せた由香里だったが、大きく取り乱すことはしなかった。何度も何度も
手紙の文面を読み直して、最後には自分を納得させたようだった。
旧友たちの話題が一段落すると、次はお互いの番になった。
「亮ちゃんは本当に変わったわね。吃驚するぐらい大人になった」
「いやまあ、十歳の頃とおんなしだったら、それはそれで色々と問題だけどな。でも化けたって
言うなら、俺より断然ゆっこの方だろう。本気で一瞬、誰だか分らなかったぞ?」
「私なんて外見だけよ。中身はてんで子供のまま。今日だって、昔の約束に縋ってふらふらと、
手ぶらでここへやってきただけだもの。貴方みたいに、皆に呼びかけることも出来たのに」
「おいおい。呼びかけるも何も、俺は葉書を四通出しただけだぜ。おまけに収穫はゼロだった」
「でも、それって中々出来ないことよ。うまく返事が貰えるかどうか、誰だって怖いもの。それに、
収穫……って言っていいのか解らないけれど、」 そこで由香里は手元の便箋を示し、「おかげで
私は、洋子も、かっちゃんのことも知ることが出来た。逆に洋子も、それからかっちゃんの……
お母さんも、すごく喜んでいると思う」
真正面から褒められて、亮祐は思わず視線を外した。それから誤魔化す様に、少しおどけて
言葉を繋げる。
「ま、俺の場合いい加減成長しとかないとな。でないと、この場でお前のスカートの一つも
捲らなきゃならん」
「ふふ、そうだったね」 亮祐が膝元に手を伸ばす振りをしたので、これには由香里も声を出して
笑った。「下ネタ大好きっ子だったものねぇ。まあ、昔馴染みのよしみで、一回くらいは許して
あげるわよ?」
「ほほう。じゃあ二回目は?」
「そうね。そしたら私も昔みたいに、校舎の砂場辺りへ沈めちゃおうかな」
「水深いくつあると思ってるんだ」
実際には気易く手を取るのも憚れるようになった娘と、そんな軽口を叩き合いつつ、
亮祐は理不尽な優越感と、それから一抹の寂しさを感じた。
533:水底の邦
08/10/19 21:05:09 DV4988ft
*
話の種は尽きなかったが、いい加減時間が押してきた所で亮祐は穴掘りを再開し、話は
冒頭に差し戻る。
発掘作業は予想外に手間取ったものの、無事掘り起こせたタイムカプセルを、二人は早速
開けることにした。
中身はこの手ものにありふれた、ごくごく普通のものだ。集合写真、寄せ書きの色紙、
そして『宝物』の数々─牛乳瓶の蓋で作ったメンコや、ビーズを繋いだ髪止めなど。
中には劣化して殆ど原型をとどめないものもあったが、それでも彼らは、元が何かを簡単に
当てることが出来た。
懐かしい品々を一つ一つ取り出して、最後に箱の底から出てきたのは、これまた定番の
手紙だった。但し、中身はお決まりの「未来への自分宛」では無い。そこに書かれている
のは、十年後の今日の予定だ。
これには、ちょっとした理由がある。十年前、彼らの間で喧嘩の種はいくらでもあったが、
その中で最も多く、且つ子供心にも不毛に思えたものが、
「何して遊ぶ?」
をめぐる争いだった。わざわざ仲良くも全員一緒に遊ぼうとして、その結果盛大に仲違い
し始めるのだから、これほど空しいものは無い。十年後、折角集まった挙句そんなことに
なっては敵わないと、本気で危惧した当時十歳の亮祐達は、子供なりに一計を案じたのだ。
ビニール袋で厳重に封印された封筒の中には、五枚の紙が入っている。そこに、彼らは
十年後の今日、自分がやりたいと思う事を一つずつ書いた。当日は、全員そろって書かれた
事をこなすのに、誰も文句を言わないという約束で。
「あったわねえ、こんなの」
ビニール袋を丁寧に開きながら、懐かしそうに由香里は言った。
「あの頃は、二十歳になれば何をしても怒られないって思っていたから、何を書こうか
かなりわくわくしたのを憶えてるわ」
「うーむむ」
「ん? どうしたの、亮ちゃん」
しかし彼女とは対照的に、亮祐はやや気まずそうな苦笑いを浮かべて言った。
「いや…な。そう言えば、物凄く馬鹿なことを書いたなあと」
「何言ってるの、みんなそうよ。十歳だもの。でもだから、面白いんじゃない?」
「いや、そういう意味じゃないっていうか……ま、十のガキのことだしな、笑って許してくれ」
「いいわ」 それから唇の端を上げて、由香里は付け足した。「ああでも、約束は約束だから。
出来る限り、ちゃんと実行していきましょう」
「そうくると思ったよ。だからこそなんだが……」
もごもごと続ける亮祐を尻目に、彼女は早速封筒の中身を取り出した。
一枚目は洋子だった。書かれていたのは、
“清水屋のうなぎたべる”
「わはは、何じゃこりゃ」 これには、亮祐も声を出して笑った。「あいつ、これ絶対その場で
食べたかったものを、ただ何となく書いただけだろ」
「ね、だから言ったでしょう」 由香里もくすくすと肩を震わせながら言う。「みんなこんなもんよ」
「あっはっは。いやしかし、そいつが一番に親になってるからな。世の中分からん」
「弘子の事があるから分らないけど。でも多分、あの子が一番のりね。そうだなあ、意外と
言えば意外だけれど、どこか納得できる部分もあるのよね」
「ぽやーんとしてるところが、割合オヤジ受けするのかもしれん。なんたって、入社三か月で
一回りも上の常務を釣り上げたらしいからな」
「あら、今でも昔みたいにのほほんとしてるかは分からないわよ。あの子結構、しっかり者な
ところもあったし。……でもとりあえず、今夜のお夕飯は決まったわね」
それから二人は順々に手紙を開けて行った。結果、克俊は「ダム湖で水切り」、もう一人の、
連絡の付かなかった女子の弘子は「おとまり会」。そして由香里は、「枕投げ」だった。
534:水底の邦
08/10/19 21:05:40 DV4988ft
「廃校記念で、この前日に全校生徒のお泊会があったでしょう。あれで、亮ちゃん達に枕投げ
で負けたのが悔しくてね。色々考えてたんだけど、結局はそれに決めたの」
「いやまあ、分かっちゃいるが、何とも豪気な事だなあ」
大分話して、このおしとやかな娘が"ゆっこ"である事に違和感を感じ無くなってきた彼では
あるが、やはりその口から直接昔の武勇伝を聞かされると、苦笑いをせずにはいられなかった。
そして、しまいに亮祐の番となった。顔をへっちょこへ向けた彼を横目に、由香里が含み笑いを
しながら手紙を開く。書かれていたのは、
“超すごいエロ(はたち版)”
「……あら、困ったわ。これは私、貞操の危機かしら」
「…………頼むから、今の見目形でその冗談を言うのはやめてくれ。変な汗出る」
そう言って、亮祐はスコップを拾うと、俯いて掘り起こした地面を埋め始めた。
*
二人が祠を離れたのは、陽も大分傾きかけてからだった。昔の姿を留める唯一の場所が
名残惜しかったこともあるが、そもそもこの辺りはバスの本数が極端に少なく、夕方になる
まで帰りの便が無かったのである。
その間に、彼らは克俊と弘子の私物を分け合った。弘子の分については、どちらか片方が
まとめて持っていた方が、渡す際に埒がいいとも思ったけれど、克俊のこともあるしと、
万が一に備えて分けて保管する事にした。洋子の分については、亮祐が後で郵送する
ということで、既に話がついていた。
そして、これも万が一、弘子が後にここを掘りに来た時の為に、亮祐と由香里の連絡先を
書いた筒を、タイムカプセルの代わりに埋めておいた。それでも余った時間は、水辺に下りて、
約束通り水切りをした。
そんなこんなで、ダム湖の対岸にある温泉街についた時には、既に薄暗くなっていた。
秋の行楽シーズンだったし、宿が取れるか心配だったが、救いの手は思わぬところから
差し伸べられた。苦労して見つけた鰻屋の主人が、偶然にも清水屋の元板前だったのだ。
ダム建設による立ち退きの後、つてを頼って名古屋や大阪の店を転々とした彼は、結局
三年前にここへ戻ってきたのだという。そんな主人は、亮祐達の話を聞きつけて、いそいそ
と客席にやってきた。二人が洋子の手紙を見せると、彼は泣き笑いのような表情を見せた。
そんな主人は、亮祐達の今日の宿がまだ決まっていないと知るや、さっと裏の黒電話を
回して、近くの温泉宿のキャンセル空きを一つ、もぎ取ってしまったのである。
いくらなんでも悪いからと、二人とも初めは断ろうとした。だが、由香里が少し席を立った
隙に、主人は亮祐に顔を寄せて言った。
「気にするこたない。あそこは忙しい時にうちが内緒で料理回したり、色々と貸しを作って
あるんだ。それに……連れのお嬢さん、まさか野宿させるわけにもいかんだろう、なあ?」
その言葉よりも、孫に小遣いをやるような表情に負けて、結局彼は申し出を受けた。
宿は結構な大きさだった。風呂は、男女二つの大浴場に、貸し切りの露天が一つ。
どちらかと言えば年配向けの場所で、亮祐のような学生連れは他にはいないようだった。
だがフロントで名前を告げると、ちゃんと女将が出迎えてくれた。色々と都合して頂いた
ようでどうもと、亮祐が頭を下げると、彼女は少し苦笑いなって、客室へと案内してくれた。
部屋に通されるとすぐに、二人は風呂を勧められた。宿で食事をとらなかったから、その
間に寝床の用意を、ということだろう。しかし、そこで女将が下がり際、
「申し訳ありませんが、暫くは露天の方の予約が混み合っておりまして。今日は御年配の
方が多くていらっしゃいますから、少し遅めの時間ですと、入り易いかと思います」
暗に早い時間は自重してくれと釘を刺して、「ではごゆっくり」と襖を締めた。
一瞬、ポカンと顔を見合わせた後、亮祐と由香里は二人揃って吹き出した。
「そっか、そりゃそうだよな。若い男女が二人っきりで泊りにくれば」
「そうね。ああ、でも、亮ちゃんはこれから"超すごいエロ"をする約束なんだから、あながち
的外れな忠告でもないのかな?」
「いい加減そのネタは勘弁してくれ」
535:水底の邦
08/10/19 21:06:45 DV4988ft
その後、二人はちゃんと男湯女湯に別れて風呂に浸かった。内風呂とはいえ、岩やら
檜やらで雰囲気を出した立派な作りで、亮祐はついつい長湯をした。が、それでも流石に、
由香里よりは早かったようで、フロントに預けた鍵を受け取ると、約束通り先に部屋に戻る。
すると、予想通り、座卓は寄せて灯りはスタンドだけになっており、そしてこれまた予想通り、
二組の布団がぴっちりと寄せて敷いてあった。
「ふむー……、ん」
何とも言えない溜息をついて、亮祐は部屋の明かりをつけ直すと、二つの布団をほんの少し
離した。それから、窓際の安楽椅子に座って、暇つぶしに持ってきた文庫本の頁を繰っている
と、間もなく襖がごとごとと鳴る。
「開いてるよ」
そう言って、一つ深呼吸をして、彼は部屋の入口の方を向いた。
「遅くなってごめんなさい。でもいいお湯だったわ」
分かっていたのに、亮祐はやはりじっと見ずにはいられなかった。髪を上げ、浴衣に着替えて
寛いだ姿は、洋服の時のようなお嬢様然とした近寄りがたさを消していた。長い髪が纏められて
いるせいか、どことなく昔の面影もある。だがそれだけに、隙の無い今までの雰囲気と違って、
若い娘の艶やかな魅力が亮祐にはストレート感じられた。
やがて、彼の視線に気づいた由香里が言う。
「……ん? どうしたの?」
「湯上りの娘に全ての男がやる儀式だよ」
「え……あっ!ああ……。えと、その。あ、ありがとう?」
「いえいえ、こちらこそ。眼福にござりました」
誤魔化しても仕方ないので亮祐が素直に答えると、思ったより彼女は動揺した。それで逆に、
亮祐の方は心に余裕が生まれてきた。
案外、直接攻められると弱い性質なのかもしれないな。そんな事を思って、椅子を立つ。
「さてと、それじゃあ女将さんに怒られずに枕投げする方法を考えなくちゃな。周りは襖に
障子、床の間には掛け軸に壺と来ている。さあどうすんだ?」
「あらら。急にやる気になったのね」
「おうよ。んでもって、勝ったら混浴にて"超すごいエロ"の成人版な」
「えっ」
再び言葉に詰まった由香里は、吃驚したように亮祐の方を振り返り、そして冗談と分かって
ぷくりと頬を膨らませた。
その仕草が昔にそっくりで、亮祐はさらに笑いながら布団の上に腰を下ろす。
「やられてばっかりは性に合わないんでね。思い出したか?」
「ええ、もう」 頷きながら、由香里も自分の布団にペタリと座った。「それによく考えたら、
亮ちゃんのすごエロは前もっての約束なんだから、枕投げの勝敗は関係ないものね」
「またそうやって。大体、一緒に泊まること自体どれだけ危険か解ってるのか?」
「約束のお泊会だから仕方ないわ。それに、昔を知ってるあなたが、私になんか……」
「それはどうかな」
言って、亮祐はにじり寄った。布団に突かれた由香里の手の甲を自分の掌で包みこみ、
反対の手で彼女の顎先を持ち上げる。瞳に挑戦的な色が残っているのを確認して、さらに
一歩踏み込んだ。すると、湯上りで薄桃色に上気した肌から、えも言われぬ娘の匂いが
漂ってきて、彼は思わず面を下げた。視線の先には、ブラウスのように型の無い浴衣の
生地が、その存外に豊かな膨らみの形を、よりはっきりと浮かびあがらせて─
そこまでだ、と頭の中で誰かが言った。その後に、彼は自分が娘の手を掴む掌に力を
込めるのを感じた。上体が微かに前進し、彼女の不規則な吐息が己の首筋にかかっている。
もう少し、あと少しだけ。
なにを、少し?
536:水底の邦
08/10/19 21:07:36 DV4988ft
はっとなって、亮祐は慌てて身体を戻した。だが、少しばかり遅かった。
「すまん」
「何が?」
「俺が悪かった。そう怒るな」
「怒ってなんかいないわ。どうしてそういうの?」
由香里は明らかに怒っていた。亮祐に失望を見せた自分に対して、彼女は酷く憤っていた。
そして、亮祐もまた自分に腹を立てていた。彼は、十年ぶりの幼馴染との水入らずの夜を、
あと一歩で情欲の手段に変えかけた。
「十年たって、もう二十歳だもの。男の人と一緒に泊ってどうなるかぐらい、想像が付かない
歳じゃないわ」
「だが俺は男の人じゃなくて、亮祐だろう」
「亮ちゃんは亮ちゃんだけど、十年よ。もう十歳じゃない。みんな変わってて当然なのよ」
「いいや。…やっぱりお前は変わっていないな。そうやって嘘を吐く時、足の親指を曲げる癖
なんか昔のまんまだ」
「違うのっ!」
喉を絞るように言って、由香里はきつく敷布団のシーツを握りしめた。だがそのまま俯くと、
もうそれ以上何か言おうとはしなかった。声を震わせずに喋れないのか、或いは喋るべき
言葉も浮かばないのか。亮祐は、そんな彼女の傍で、やはり同じ姿勢のまま黙っていた。
そうして、十分も経った頃。ポツリと、亮祐は言った。
「なあ、お前はどうして、今日の約束に来ようとしたんだ?」
「…………」
「俺は、殆ど思いつきで葉書を出して、そしたら洋子やかっちゃんの御袋さんの手紙を貰って、
それで引っ込みが付かなくなったせいだ。誰からも返事がなけりゃ、正直来なかっただろうと
思ってる。勢いで葉書を出してなきゃ……やっぱり、来なかっただろうな。もう十年も昔の
事で、しかも埋めたのはクッキーの空き缶、場所も深さも適当だ。
だけど、ゆっこは一人でも来ただろう。そりゃ自分から音信を断った以上、呼びかけにくい
ってのはあったかもしれないが、それなら余計に来辛いところを、女の一人旅でやってきた。
どうしてなんだ?」
由香里はすぐに返事をしなかったが、亮祐もここに来て引くつもりは無かった。そのまま、
さらに五分ほどして、彼もいい加減今の姿勢が辛くなってきた頃、由香里は小さく口を開けた。
「亮ちゃん、今日初めに会った時、私が化けたっていったよね?」
「ああ」
「人を化かすようになる前の私は、どんなやつだったのかなって、思って」
「今の私が他人から見てどう映ってるか、自分でも大体分かってるつもり。ねえ睦月君、
素直に答えてほしいのだけれど、今日一日、私がどこぞのお嬢様の振りをしていると
思った?」
「いや。そんなぶってる素振りなんぞ微塵も感じなかったよ。本当に俺と同じ生まれだった
かと疑ってるところだ」
「ふふ、ありがとう。でも安心して、本当はただの猿真似だから」
そう、自虐的に笑って、由香里は小さく身じろぎした。それから、何か言おうにも言葉に
迷う亮祐を上目遣いに制止すると、続けるね、と言葉を繋ぐ。
「きっかけは、本当にどうでもいいことなの。中学くらいかな、丁度再婚関係で家の中が
ゴタゴタしてて、ついでに私は反抗期の真っ盛りでね。周りの大人に文句言われるのが
凄く嫌で、当て付けみたいにお行儀良くしてたわ。全く子供じみた発想だけど、前が前
だっただけにそれなりの効果もあった。少なくとも、十四五の娘が、意趣返し出来たと
自己満足出来るくらいにはね。
でも、何時の間にかそうしてるのが普通になった。気付いたら、元がどうだったかなんて
分からなくなってたわ。…いいえ、どうすれば元に戻るのかが分からなくなった、かな。
下らない、ただの演技だったはずなのに」
537:水底の邦
08/10/19 21:08:26 DV4988ft
一旦、由香里は言葉を切った。自然と声が大きくなっていたのに気付いたらしい。
そしてやはり、自嘲的に首を振ると、声のトーンを落として続ける。
「本当の私、なんてものに拘泥するほどナイーブでは無いつもりだったけれど、でもそうね。
……実は、今一つ、お見合いの話が来ているの」
「おおっと」
冗談半分、本気半分に慌ててみせて、亮祐は押さえたままだった由香里の手を離した。
だがそれは幸い、彼が意図したよりも軽い意味で受け取られた。
「気にしないで、そんなんじゃないから。父も母も少し早過ぎるって意見で一致しているし、
でも成人もしたからとりあえず一つ、てところなの。練習会みたいなものね」
「じゃあ、お前はどう思ってるんだ?」
「悪くない話だとは思う。条件はいいし、何より相手の方に、その、私をと強く望んで戴いて
いるようだし。それに、大学の方もね、私はほら、下に弟が二人いるでしょう。弘樹さ……
父は、」 恥じるように訂正して、彼女は続けた。「問題無いっていつでも言ってくれるけれど、
でも結局のところ、私に四大を出てまで特別修めたいものがあるわけではないの」
由香里が意図的に答えをずらした事は分かっていたが、亮祐は敢えて黙っていた。
本質的に、彼が関わる問題では無いし、それに彼女も先を続けたがっていたからだ。
「仮にこのまま決めたとして、その後、私はずっと今の自分を続けるでしょう。相手の方は、
"淑やかな由香里"を─何だか、自分で言ってこれ程莫迦らしい言葉も無いけれど─
とにかく、それを望んで下さっている。そして、私自身、今の猿真似を続けるのでいいなら、
それが一番気楽なの。
でも、このまま嫁入りして、母親になって、お婆さんになって。それじゃあ、西佐久での
私の十年は、一体何だったんだろうなって」
今度は、亮祐も口を挟もうとした。だが、彼女が続ける方が早かった。
「ごめんなさい、分かってるの、これが一番子供染みた考えだって。でも、私のおうちは
水の底で、村の人はみんなバラバラ、それで育った子供まで変わってしまったら、
西佐久はさあっ、お父さんはさぁ……っ!」
そのお父さんが誰なのかは、亮祐には聞くまでもなく分かった。彼自身よく覚えている。
由香里たちと何度も一緒に遊んでもらい、そして何度も一緒に怒られた相手だ。
由香里の実父は、田舎の男にしては線の細い人だった。それが持病のせいだったと
亮祐が知ったのは、彼の葬式に出た後のことだ。
その三か月前、彼は娘の運動会に、父兄として参加していた。この年はたまたま雨で
開催日が流れて、平日の月曜に行われていた。男親で参加したのは岩瀬の家だけだった
から、亮祐は何の気に無しに、その事で由香里をからかった。
彼の骨にひびが入って接骨院に送られたのは、その日の午後のことになる。
気が付くと、由香里の手の周り布団に、はたはたと水痕が出来ていた。彼女はもう喋ろうとは
していない。元の様に俯いて、小さく肩を震わせている。
猥談が得意というわけでもないのに、由香里が無理に亮祐の昔話を振った理由が、今の
彼には良く分かった。彼女は彼に、昔通りの無邪気なエロガキでいて欲しかったのだろう。
全く、幼稚で稚拙な話だが、けれど割に本気で由香里はそれを望んでいた。旧友達が、
昔通りの姿で自分の前に立ち現れる事を、彼女は無意識に願っていたのだ。そうすれば、
きっと自分も昔のように戻れると信じていた。
だが、現実はそれとはかけ離れていた。一人は死に、一人は行方不明、もう一人はさっさと
結婚して子供までいた。残った一人は、無邪気な悪戯心の代わりに、在り来りな男の反応、
それもきっと彼女がうんざりするほど見せつけられてきた類のものを、返して寄越した。
それゆえ、由香里は失望した。
何とも、稚拙で拙い話だ。西野由香里が望んだものは、故郷が水に沈まずとも、手に入れ
られるようなものでは無い。手に入れたいと望むべきものでもない。確かに、彼女の思春期
は些か込み入ったものであったようだけれど、それでも由香里の発想は、本人の言う通り
あまりに子供染たものだと言える。亮祐はそう思った。
538:水底の邦
08/10/19 21:09:25 DV4988ft
それでも、彼は同情した。
同郷の人間として、幼馴染として、同情せずにはいられなかった。
それに、彼女は、一つ大きな勘違いをしている。
「ゆっこ、枕投げをしよう」 全く 出しぬけに、亮祐は言った。
「……ぅえ?」
「ここの枕は、と……うわ、これ地味にいい奴だな。やっぱり破くと不味いから座布団投げに
しよう。そんで、俺が勝ったら真夜中の露天風呂にて大人版凄エロな。まあ負けるつもりは
さらさら無いが、もしゆっこが勝ったなら……」
「ちょ、ちょと待って、亮ちゃん」
いきなりの展開について行けず、目を真っ赤に腫らしたままおたおたとしている由香里を、
亮祐は座布団を押し付けて、黙らせる。
「お前のその馬鹿げた悩みを一発で解決する助言をやろう。但し、同郷のよしみで俺が手を
抜くと思うなよ。エロがかかった時の亮チャンマンの本気は憶えてるだろう? ま、嫁入り前の
お嬢様の貞操は、美味しく頂かせてもらいましたということで」
「な、何言って、はぶっ!」
「よし、試合前の紳士的な拳合わせ完了。いくぞ、いっせーのせっ」
十年ぶりの本気で、亮祐は枕投げを開始した。投げつけるだけの間合いが無いので、
実際は座布団でバタバタと叩いているだけだが、それでも年頃の娘にするには間違いなく
憚れる苛烈さで、彼は容赦なく由香里を攻めた。
まず上からバンバンと振り下ろして、相手を守勢に追い込ませる。そして座布団を盾に
防御態勢を取ったところを、今度は正面から勢いよくぶつけて、彼女を仰向けに押し倒す。
その上に馬乗りになる格好で─実際は、膝立ちに相手の体を挟んだ形で─亮祐は
彼女のマウントを取った。
由香里の座布団を力任せに引き剥がす。すると、突然の狼藉に対する、困惑と苛立ちの
混じった表情が、娘の顔に浮かんでいた。どこか憶えのあるその顔色に、亮祐は内心
ほくそ笑む。
こんなことで、簡単に剥がれかける化けの皮を、何故誰も破いてやろうとしなかったのか。
─いや、むしろ当然か。こいつを剥がしてやれるのは、この世に三人、あの世を合わせても
四人しかいない。
敗者を蔑むべく、亮祐は見下ろして言った。
「おめぇ、おっせぇーなぁ」
十一年前、運動会の日、石垣の上で由香里に言ったのと同じ言葉。父兄混合のバトンリレー
で、最下位だった由香里の組を、亮祐は得意げにからかった。
その後にはこう続く。「父ちゃんが出たのお前んとこだけのくせに、その父ちゃんが一番
おせぇじゃないか」
この直後に、二人は二メートル弱の高さからダイブした。以来、その言葉は、二人の間で
絶対の禁句になっている。
それを再び口にするべく、亮祐の唇が「と」の形に開く。だが、肺の空気が彼の声帯を震わせる
直前、由香里の右腕が座布団へ伸びた。
「ごふっ!」
そして直後、強烈な一撃が亮祐を見舞った。由香里は座布団を掴んだ右手でもって、完璧な
ストレートを顔面に決めた。座布団で叩いたと言うより、まさに座布団をグローブ代わりにした
パンチといった感じだった。
膝立ちで不安定な姿勢だった亮祐は、もんどり打って後ろに倒れた。そこはちょうど良く
布団が途切れていて、彼はしたたかに後頭部を畳へと打ちつけた。だが、その頭の中で、
亮祐はガッツポーズを決めていた。
539:水底の邦
08/10/19 21:10:11 DV4988ft
火花が飛び散る瞼の内側に、直前の光景はしっかりと焼き付いている。茶色い布地に全ての
視界が奪われる瞬間、彼はとても懐かしいものを見つめていた。
日頃のストレス、長旅の疲れ、そして腹の奥を吐き出させられたことによる心の痛み。それらが、
最後の絶対冒してはならない一言によって圧縮され、ついに発火した瞬間の表情を、亮祐は
この目でしかと見た。
ゆっこが、「悔しい」と吠える瞬間を。
彼女は、ずっとそう叫ぶべきだったのだ。母親の再婚にせよ、自身の見合いにせよ、悔しい
のならそう認めるべきだった。
思えば、由香里がお嬢になったのは当然の帰結だった。両親を敬い、邦を尊び、約束を遵ずる。
そんな娘が、大人の作法と、自分を抑える事さえ覚えれば、日本的令嬢が出来上がるのは
当たり前のことだったのだ。
彼女は、何も変わっていない。西佐久村大字の岩瀬家の娘は、ただ立派な大人に成長して、
そしてひょんなことから少しだけ自分を抑える仕方を間違えただけのことだ。
それが証拠に、昔仲間がちょっとタガを外してやれば、彼女は元通りの苛烈さを見せる。
若干ふらつく頭を腹筋のバネで無理やり起こして、亮祐は布団の上に座り直した。由香里は、
少し呆けたような表情でこちらを見ている。だが起き上がりざま、亮祐が放った横からの一撃を
彼女はしっかりとガードした。
枕投げはまだ終わってはいない。十年前、由香里が約した「枕投げ」は、相手が降参するか、
はたまた物を壊して怒られるかするまで終わらない、本気の勝負だった。それに今回は
"亮ちゃん"がいかにも好みそうな景品まで付いている。だから、亮祐は絶対に勝ちを諦めない。
そして、由香里も諦めてはいなかった。正面からの振りおろしを片手でつかむと、彼女は
鮮やかな胴を鳩尾に決めた。少し本気でほがる亮祐に対して、彼女の唇が愉快げに歪む。
彼を見惚れさせるのでは無く、奮い立たせるような、どこか猟奇的な笑み。それは同時に
この上なく煽情的で、亮祐は心臓が飛び跳ねるのを感じた。
それから二人は、小学生もかくやと言うようなはしゃぎ方をした。由香里は、シーツを使った
目くらまし、フェイント技、何でも使ってガムシャラに勝ちを取りにきた。対する亮祐も手加減せず、
ただ顔にだけは絶対に当てないようにして、ほとんど力任せに座布団を振りまわした。
その結果、最後は亮祐の勝ちとなった。二人が本気を出した故の、当然の結末だ。
再びマウントを取った亮祐は、由香里の座布団を手の届かない所へ吹き飛ばし、言った。
「はあっ、はっ……俺の勝ちだな、ゆっこ」
「ふはっ、ふ~……。そうね、私の負け。
──ふふ、あーもう、本当に悔しいわ」
そう言う彼女の顔は、決して満面の笑みでは無い。少しだけ歯を食いしばり、本物の
悔しさが滲む歪んだ笑顔だ。
けれど、その表情は、間違いなく今日一日で一番、ひょっとしたらこの十年で一番、
生き生きとしたものだった。
*
夜半過ぎ、ロビーが無人な事を確認するように覗きこんでから、亮祐はそっと渡り廊下へ
踏み出した。その様を見て、三歩遅れてついて行く由香里がころころと笑う。
「女将さんに見つかったって、別に怒られたりしないわよ」
「いや、そうじゃなくてだな、う……畜生。余裕ぶってんのは今のうちだけだぞ」
「そうね、全く仰せのとおり。だからこそ、今のうちに優位に立っておかなくちゃ」
露天風呂へと続く簀子の上をトテトテと渡りながら、二人は小声で軽口を言い合った。何だ
かんだ言って、両者とも酷く緊張しているのだ。
540:水底の邦
08/10/19 21:11:04 DV4988ft
十年越しの枕投げ再戦が再び亮祐の勝ちで終わった後。約束通り、彼らは一緒に露天へ
入ることにした。
勿論、亮祐はそのつもりで勝った。その覚悟で勝った、と言うべきか。ともかくも、彼女の
長い独白を聞いて、その決定的な勘違いを己が解いてやると決意した瞬間、こうなる事は
本気だった。
けれど、その興奮が、いざ手に手を取って気後れするほどの二十歳の娘と一緒に脱衣場へと
向かう瞬間、同い年の相方に残っているとは限らない。自分が言い出しっぺなら尚更だ。
無論、別の意味での興奮はあるのだが、そいつはいざと言う時まで、かえって男の緊張を倍加
させる困りものである。
対する由香里は、形だけとはいえ、亮祐に言われて従うという立場の分、少しだけ気楽な
ようだった。少なくとも、こうして二人で風呂へ向かっている間に限っては。
露天風呂に着くと、ちゃんと女将の予想通り空いていた。入口の脇に提げてある予約表を
見ると、もう一時間半近く誰も入っていないようである。今なら、飛び入りの彼らが暫く使わせて
もらったとて、宿側も文句なかろうという事で、亮祐はさっと一時間分の名前を書くと、由香里と
ともに暖簾をくぐった。
内風呂と違って、露天の脱衣場は酷く狭かった。せいぜい家族単位での入浴しか想定して
いないので当たり前なのだが、するていとお互いすぐ真横で浴衣の帯を解かなければならない。
これから、同じ湯に浸かろうと言うのに何をという問題ではあるのだが、それはそれ、最初の
一歩と言うものは常に踏み出しにくいものである。
帯に手をかけつつ、そっと横目で亮祐が窺うと、由香里はわざとらしく温泉の成分表などを
読んでいた。勿論、それは女湯に貼ってあるものと一字一句変わらない。そして後ろ手に
組まれた両手の親指が、もぞもぞと気忙しそうに動いている。
「あー、ゆっこ?」
「は……。はい」
返した声が少しだけ掠れてしまって、由香里は決まり悪そうに言い直した。しかし先刻と
同じく、それでかえって亮祐にはほんの少しの余裕が生まれた。
さっと帯を解いて、浴衣の袖を肩から抜きつつ、彼は言った。
「夜中とはいえ、あんまり長々と占有するのは気が引けるしな。そろそろ入ろう」
「うん。そうね」
しかし、そう言って帯紐を解きかけた彼女は、亮祐が下着に手をかけたところで、「あの」
と小さく声を上げた。
「少しだけ……失礼なことを聞いていい?」
「何なりどうぞ」
「その……あなたは、こう言う経験が、ある方なの?」
「いや……こういうのは、ないな」
高校の頃、亮祐にも少しの間交際をした娘がいた。何度か映画などに出かけ、その度に
口吸いなどもしたりしたが、結局それだけだった。お互い、男女の交際がどんなものか分かる
と、それで興味は尽きてしまい、卒業と同時に何となく別れた。一番接近したのは、埃っぽい
体育館の舞台裏で、彼女の胸に触れた時ぐらいだろう。
だが、そんな事情を、彼の言葉の濁し具合からあっさり感じ取った由香里は、「そう」と小さく
呟いてから、
「でも、私よりは頼れそうだし。その、色々任せてしまっていいかしら」
「ああいいぜ。全く、男冥利に尽きるところだ」
「それはよかったわ。それで、あの、早速尋ねたいのだけれど」
「うん?」
「私は、その、この場で一緒に脱ぐのかな。それとも、後から遅れて入ればいいの?」
酷く真剣な顔で尋ねられて、亮祐は思わず吹き出した。それに少し怒ったような顔を見せた
由香里だったが、しかし自分が馬鹿な事を聞いているという自覚があるのか、抗議の言葉は
口にしない。そんな彼女に、亮祐は少し悪戯心が湧いてきた。
「そうだな、俺が脱がすという手もあるか」
「えっ……ふぇええ!?」
541:水底の邦
08/10/19 21:11:44 DV4988ft
亮祐が帯に手をかけると、由香里は素っ頓狂な声を出した。だが、実際に彼が浴衣を剥ぎ
取りだすと、その身体は金縛りにあったように固まった。そんな彼女を面白がるように脱がして
いった亮祐だったが、その素肌が露わになると、こちらも同じく固まらずにはいられなかった。
「そんなに、もう。昔、全部裸の所だって見てるでしょう」
「馬鹿言え」
下着姿を凝視されて、娘が堪らず漏らした言葉に、彼の返した声は掠れていた。が、こちらは
彼女の心に余裕を与えるというわけにもいかないようだ。
亮祐の指が背中のホックに掛ったところで、由香里は少し非難がましい目で彼を見上げた。
自分が履いたまま、人を脱がすのはどうなのか、と言う意味らしい。
「分かった分かった」
そう言って、亮祐は思い切りよく下着を脱いだ。だがその隙に、彼女も同じく素早く上下の
下着を取り外して、身体の全面にさっと手ぬぐいを当ててしまった。その薄く頼りない布地は、
意外とメリハリの利いた由香里の身体をおよそ隠し切れてはいなかったが、それでも、
他人の手で脱がされるよりはマシ、ということだろう。
亮祐に、少しだけ残念に思う気持ちが無いわけでは無い。しかし、細い両腕とささやかな
布きれでもって、真っ赤になりながら自分の身体を押さえている由香里を見て、余り望み
過ぎるのも罰が当たると、苦笑した。
風呂はやはり石造りで、こじんまりとしつつも、決して貧相な感じはしなかった。風呂の向こう
はダム湖になっていて、明るい時間なら結構な眺望が楽しめるのだろう。残念ながら、今は
漆黒の闇の中だが、ちょうど上り始めた下弦の月が、ゆらゆらと湖面に反射していて、これは
これで風情がある光景と言えなくも無い。
もっとも、そんな景色を楽しむ余裕など、若い二人にある訳が無かった。
「よいしょ、と。そこの石滑るぞ、気を付けろよ」
「う、うん」
簡単に掛け湯だけして、亮祐は由香里の手を取り、早速湯船に足を浸けた。お湯は内風呂と
比べて随分とぬるい。ゆっくり景色を楽しんでもらうと、のぼせないような温度設定になっている
のだろう。およそ眺望など楽しむ状況にない彼らだったが、この配慮は別の意味で有り難い。
手ぬぐいを脇に置いて、中ほどまでざぶざぶと入る。それから彼が振り向くと、由香里は
予想通り、湯船の端で手ぬぐいを取れずに立っていた。
「浴槽に浸けるの禁止」
「分かってっ……て、あ…」
有無を言わせず、さっと手ぬぐいを取りあげる。脱衣所から漏れる黄色い灯りと、東の空
に上る青白い月が、娘の真っ白な裸を照らし出した。
染み一つ無い、硬質な陶器を思わせるような肌に、亮祐は思わずじっと見入った。脱衣所で
そのほとんどを見ているとはいえ、こうして何一つ隔てるもの無く直視した彼は、やはり溜息を
吐かざるを得なかった。胸に宿る豊かな膨らみから、全く無駄の無い腰回り、そして水面へと
沈むすらりとした両脚が作る曲線美は、こちらが気後れするほどの完璧さを誇っている。
だがそれで、亮祐が由香里に臆するようなことは無かった。薄暗い月明かりの下でも分かる
ほど、真っ赤になって目を泳がせているその表情は、間違いなくゆっこのものだからだ。
彼と目を合わせると、由香里はさすがに堪らないといった感じで、お湯の中へ身体を下ろした。
とはいえ、ここの泉質はサラサラとした無色透明が売りだから、それで完全に男の視線から
逃げ切れるわけでも無い。
くすくすと笑って自分も半身を湯に浸けると、亮祐はすかさず娘へとにじり寄る。そう大きくも
無い岩風呂には逃げ場も無く、端っこで固まっている彼女を、彼はひょいと横抱きにすると、
自分の膝の上に乗せた。
興奮した男のものが尻に当たって、由香里が小さく悲鳴を上げる。だが亮祐がその顔色を
窺うと、彼女は何でも無いというように、プイと視線をよそへやった。
黙認を得て、彼は早速娘の体へと手を伸ばす。初めは臍の辺りを、安心させるように何度か
ぐるぐると擦ってやる。それから、由香里が他人の手に慣れた頃合いを見計らって、亮祐は
娘の乳房を掌でそっと持ち上げた。
542:水底の邦
08/10/19 21:12:20 DV4988ft
「……んっ」
小さく力を加えると、指の間から僅かに零れる。決して小さくない彼の手に、丁度すっぽり
収まる程度のそれは、今までで一番柔らかな場所だった。亮祐がほんの少し力を込める
だけで、美しい双丘は彼の意のままに形を変える。だが内側に指を沈めようとすれば、
それらは慎み深い力でもって押し返す。
やがて人差し指が薄桃色の頂きを捉えた。指の腹に天辺を乗せて、そっと内側へ押し潰す。
それから、淵で円を描くようにすると、娘の呼吸が変わってきた。
けれど、その吐息に声が乗るには至らない。こういう事に自信があるわけでもない亮祐は、
再び娘の顔色を窺った。すると、赤い顔のまま酷く真剣な表情で、じっとこちらを見つめる
由香里と目が合った。
「……ゆっこ?」
「あっ、その、ごめんなさい。……続けてくれて、いいよ?」
「いや、正直俺も自信があるわけじゃないしな。マズッたんなら、言ってくれた方が、」
「違う違う、そんなんじゃないの」
亮祐の言葉を遮って、彼女はぱたぱたと首を振った。それでも彼が止まったままでいるので、
由香里はやや言葉を選ぶようにしてから、言った。
「えと、亮ちゃんの表情がね。なんと言うか、とても昔に似ていたものだから」
「…………は?」
「こう言う時の男の人って、もっとその、いやらしい顔をしているって思っていたんだけれど。
今の亮ちゃんは、そうね、昔内緒で学校のレコード機を分解しちゃった時に、ちょっと似てるわ」
「そ、そうか」
かなり意外な事を言われて、思わずどもる亮祐をよそに、彼女はうんうんと一人で頷いた。
「そうなの。私もそう。あの後、針だけ取り出して、皆で石引っ掻いて硬い硬いって大騒ぎした
時の気分。すごく恥ずかしいけど、緊張して、でもドキドキしてて。……ふふ、何だかちょっと
懐かしいね」
もちろん亮祐も憶えている。その後、担任に見つかって優に半日は怒られた。そして今の
由香里の瞳は、確かにその頃の感じできらきらしている。
だが今現在、一人で盛り上がっていたと分かった亮祐は、何ともやる方のない気分だ。
「そうかい」
「うん。だから、もっと好き勝手にしてくれていいよ」
直前の会話が無ければこの上なく嬉しい台詞だが、今となってはそうもいかない。しばし
投げやりに揉んで─それでもちゃんと興奮する自分に軽く自己嫌悪しながら─亮祐は
ええい、と立ち上がった。
「さてじゃあお嬢さん、そろそろ『超凄いエロ・成人指定』のお時間ですよ」
「ふふ、分かったわ。今までのは亮ちゃん的に、まだまだ子供向けなのね」
「そうとも。ここから先は、いかにゆっこでもドン引きするぐらいの酷いヤツだから」
「でも、亮ちゃんとかっちゃんがいきなりレコード壊し出した時、私最初は普通に引いたよ?」
「……もうええ。お前ちょっと口閉じてこっちゃ来い」
そう言って自分が口を閉じると、亮祐は由香里の手を引き、湯船の端へと連れて行く。
そして、足湯をするために座り易くなっている岩へ自分がストンと腰を下ろすと、露わに
なった一物から顔だけ背けている彼女に言った。
「お前、フェラチオって知ってるか」
「ふぇらちお?」
「いや、知る訳ないよな。男でも知ってるのビデオ持ってる奴くらいだし」
「あら、うちにもあるわ。ベータマックス」
「そっちじゃダメなんだ。って、んな事は今はどうでもいい」
ごほん、と一つ咳払いをして、亮祐は由香里の手を自分のものへと誘導する。そして、
さすがに慌てた表情になる彼女へ、出来るだけ平調で彼は言った。
「こいつを、お前の口で扱いて欲しい。……言っている意味、分かるか?」
543:水底の邦
08/10/19 21:13:03 DV4988ft
ポカンと口を開けたまま、由香里は優に十秒は固まった。徐々に居た堪れなくなってきた
彼は、もう一度、彼女の手を取り、これを、そこへ、と指し示す。そこでようやく頷いた彼女は、
特大の溜息をついて、言った。
「分かったわ。 ……………………何と言うか、さすがは亮ちゃんね」
「最高の賛辞、ありがとう。で、やめとくか?」
「いいえ、やるわ。約束ですから」
そう言って、由香里は在りし日のように、思い切り不敵な笑みを浮かべてみせた。
亮祐の腰元へやってくると、由香里はそこで立て膝を突いた。それからおずおずと、屹立した
一物へ指をからめて、幹のところを握っていく。両手で挟みこむようにすると、彼女は一旦顔を
上げた。
「その……」
「まず、舌を出す」
「ん」
ペロ、と由香里は素直に舌先を伸ばす。続いて、『次は?』と上目遣いに指示を仰いだ。その
様に、どこか子犬的な可愛らしさを感じて、亮祐は彼女の頭へと手を伸ばす。
「よしよし。そのまま頭を下げる」
「……ん」
今度は一拍、返事が遅れた。しかし、頭に掛けられた男の手に従って、由香里はゆっくりと
彼の一物に舌先を寄せて行く。
触れる直前、彼女は一旦動きを止めて、目を閉じた。それから小さく息を吸い込み、はずみを
付けて思い切りよく頭を下ろす。
「んあっ……!」
柔らかな舌先が、傘の天辺を叩いた瞬間、娘はピクリと身体を震わせた。だが、それでも頭を
戻すような事はせず、味蕾を裏筋に押し付けたまま、じっと状況を受け入れる。
彼女が落ち着くのを見計らって、亮祐は言った。
「とりあえず、先っぽをぺろぺろと頼む。飴玉でも…棒付きのやつな。舐める感じで」
こくりと首だけで返事して、由香里はチロチロと舌を動かした。最初は舌の腹を使って、エラの
部分を押し上げる感じ。それに段々と慣れてくると、今度は舌先を細く窄めて、先端をくるくると
舐め回す。
「れる…れろん……んちゅ」
「……く」
舌の動きが活発になると、亮祐の口から早速耐えるような吐息が漏れた。先端からは、既に
先走りのものが漏れ始めている。
全てが素人の娘の愛撫は、男のツボを突いたそれでは無い。だがそれだけに、この何物にも
侵されたことの無い淡紅色の舌先を、自分が最初に穢しているのだとういう実感が、亮祐の
官能を深く煽り立てていた。
両足の付け根が熱くなり始めたのを感じて、亮祐は言った。
「んっと。先っぽはとりあえずいいから、今度は幹の方を舐めてくれ」
「れむ。……はい」
握りしめていた両手を開いて、付け根の部分へと舌を伸ばす。そこで先ほどと同じように、
ペロペロと舌を使う由香里だったが、これに亮祐は注文をつけた。
「そこは、さっきと同じじゃなくてだな。なんつーかこう、ハーモニカというか、」
「ハ、ハーモニカ!?」
「いやすまん、分かる訳ないよな……。なあ、ちょっと頭、掴んでいいか」
「うん、任せるわ。……その、ごめんなさいね?」
上目遣いに謝辞を言われて、亮祐は「いいーんだよ」と強引にその頭を押し下げた。ここまで
来て、そんな仕草に一々恥ずかしがるのもどうかと思うが、しかしツボに来てしまった際は
どうしようもない。
544:水底の邦
08/10/19 21:14:19 DV4988ft
「首曲げて……そう。で、唇に挟んで、吸ってみてくれ」
「んぶっ……んちゅ、ちゅるれる」
頭を剛直に対して直角に寝かせて、その根元当たりを横の方から銜えさせる。しっかり吸い
ついたの確認して、彼は娘の頭を上下させた。
「ちゅううぅ……はむ、んあ……れる」
二三度、亮祐がリードしてやると、後は手放しでもスムーズになった。柔らかな口の粘膜が、
左右から交互に優しく扱き上げる。上体を押し付ける様にして動いているため、彼女が剛直を
舐め上げる度に、彼の太股で二つの乳房が柔らかく潰れた。
「じゅぷ……れむ…んぁ……あ、んちゅっ!?」
と、由香里が突然、口先を鋭く窄めるようにして、傘の裏側をきつく吸った。ふいに鋭い快感が
走って、亮祐は少々情けない呻きをあげる。しかし、幸いな事に由香里が気付いた様子は
無かった。彼女は彼女で、別の事に焦っている様子である。
「どうした?」
「ご、ごめんなさい。涎が垂れてしまいそうになって」
そう言って、由香里は少し気まずげに口元を拭おうとした。
「ああなんだ。いや、寧ろいっぱい、べとべとに垂らしてくれて構わんぞ」
「ええっ、そうなの? それって何か、汚くないかな?」
剛直に口を寄せたままで、目を丸くしてそう言う娘に、亮祐は思わず吹き出した。ここまで
来て、汚いもへったくれもあるはずが無い。だが、その一見頓馬な発想は、いかにも無垢な
由香里らしくて、彼の笑いと官能のツボをくすぐった。
「大丈夫、汚くない汚くない。まあでも、気になるんなら、こぼさないよう様に飲んでもいいぞ」
「わかった、そうする。涎を垂らしっぱなしにするのは恥ずかしもの」
そう言って、由香里は今までもよりもしっかりと唇を窄め、敏感な傘に吸いついた。そして、
先端から滲み出す先走りのものを、唾液ごとコクンと飲み下していく。
「れるれる……んっちゅる…ぢゅちゅぅ……はむ」
「……くっ」
吸引の力が強まって、亮祐はいよいよ我慢が効かなくなってきた。腰から背中にかけてが、
温泉の熱とは別のものでじっとりと汗ばんでいる。両脚の付け根の辺りでは、先ほどから
不随意な脈動を始まっていた。
「ゆっこ、もう一度頭、掴むぞ」
「ぢゅぷ、はひ…………んあぶっっ」
「舌止めないで、絡めて」
位置を正して、一気に中程まで銜えさせる。吃驚して止まりかけた由香里だったが、彼の
低い声を聞いてすぐに愛撫を再開させた。先端から、付け根、裏側と、味覚器官の全てを
使って、男の剛直に奉仕する。経験が無い彼女にも、彼が余裕の無い状態であることが、
段々と分かってきた。
娘の口が動き出すと、亮祐も抽送を開始した。
「んぶ……ちゅるぅ…あぶっ……はむぅ」
奥まで突き込んで、咥内の熱と肉圧をモノ全体で味わう。また傘の辺りまで引き抜けば、
唾液を零すまいとする由香里の必死な吸引が、敏感なエラ筋を刺激した。素人としては
出来すぎともいえる奉仕に、彼の体は一気に高みへと走り出す。
「ぢゅぶっ…あむ……はうっ……あぐぅ」
抽送に少し角度をつけて、男は由香里の口を隅々まで蹂躙した。纏わりつく舌に敢えて逆らい
頬を突き、口蓋を撫で、歯茎を擦る。それから、喉奥ギリギリまで挿しこんで、彼女の熱心な
舌使いを満喫する。口の中が唾液で一杯になって来ると、由香里が唇を窄める様にするので、
そこにエラを引っ掛けてじゅぶじゅぶと扱いた。
545:水底の邦
08/10/19 21:15:02 DV4988ft
「じゅる……あむ……はぐっ!…んあっ…ふぁむっ」
抽送のペースが小刻みになる。頭を押さえる腕の力は、今や彼女が鈍い痛みを覚える程に
なってきた。
逆らいようの無い男の力。直接被害を受けたわけではないが、加減を知らない男の子たちに、
少しだけ怖い思いをしたことが由香里にもある。だが、確実に恐怖の対象だったはずのそれが、
今は微塵も怖く無かった。
突然人が変わったようになる男は怖い。でも、亮祐のこれはそうでは無い。夢中になるとすぐ
我を忘れて、人様に散々迷惑をかけた、昔のあの子そのものだ。
─実際は、そのものではないかもしれない。けれど、あの頃の亮ちゃんと同じものが、今の
彼にも残っている。それだけは確かだ。
「じゅぽっ…あぐっ!…けほっ、んぐぐ」
「ゆっこっ……くっそ」
膨らんだ先端が娘の喉輪を捕えた時、亮祐の全身がきゅっと引き攣った。一瞬、全ての動きが
停止して、その直後。
「はく……んぶぅっ!!」
娘の口の深い所で、男の剛直が傘を開いた。激しい奔流が鈴口に当てられた舌で口中に
飛び散り、内側を真っ白に染めて行く。吐き出された精は、すぐに咥内いっぱいに溜まって、
彼女の味蕾に男の精の味と舌触りを教え込む。
だがこのままでは溢れてしまう。そう思った時、彼女はごく自然に、喉を開いて亮祐のものを
飲み下し始めた。
「んん゛ぅ……んんっ…。んく。んっく」
一気に喉を通そうとして、思ったより粘性が強くて引っかかる。そこで由香里は、舌を動かして
唾液と絡め、何度かに分けて飲み込んだ。口の中でぐちゅぐちゅとやっていると、その刺激で
再び白濁が漏れ出して来る。
「んんぅ…ごく…ん…く……」
都合、十回近く噴き上げたところで、亮祐は一先ず収まった。その間、零さないようぴっちりと
唇を締めていた由香里は、同じ数だけ喉を鳴らして、一滴残らず飲み下していった。
「んくぅ……。っぷは」
大きく息を吐いて、彼女の頭がようやく男の腰元から離れる。娘の唇と剛直の間に、一瞬白い
橋が掛かって、やがてぷつりと自重で落ちた。
そうして、彼女が頭をもたげたところで、二人の視線がぱったりと合う。
「……お疲れさん」
「……お粗末さま」
そんなことをポツリと言い合い、二人は揃って吹き出した。直前までの淫猥な行為が嘘の
ような、懐かしい無邪気な笑い方で。
それから、亮祐は由香里の身体を膝上に抱いて、ゆっくりと長風呂を楽しんだ。懐に抱く
柔らかな肌を存分に味わいつつも、先程までは見る余裕の無かった外の風景─月明りに
うっすらと浮かぶ故郷の山々やダム湖の様子などを、彼は二人で飽きるまで眺めていた。
背中をすっかり亮祐に預けて、湖面の月を見ながら由香里が言う。
「こうしてさ、全部が暗くてぼんやりしちゃうと、余り変わって無いって気もするね」
「ああ」
「昼間は、どうしても変わった所ばかりに目が行ってしまったけれど。今は、やっぱりここは
西佐久なんだなあって、思うわ」
「そうだな。ダムで沈もうが何だろうが、土地に足が生えて逃げ出す訳じゃないもんな」
亮祐がそう答えると、由香里は胸に当てられた彼の手を抱き込むようにして、言った。