●●寝取り・寝取られ総合スレ6●●at EROPARO
●●寝取り・寝取られ総合スレ6●● - 暇つぶし2ch2:374 ◆ldQo/fT6KU
07/09/28 16:03:33 v4Enk9dV
前スレが500kb超えて書き込めなかったので、立てました。

で、また思い切りキャラ名間違ってた……
前スレ>>752の吉良の台詞
「吉良との間に、本当は何があったのか……」
になってますが、相当恥ずかしい間違いです。
「唯との間に、本当は何があったのか……」
に、脳内訂正しといて下さい。

やっぱキャラ名なんて、思いつかないからって適当に設定しちゃ駄目ですね。
思い入れが何も無いから、しょっちゅう間違えるの何のって。


第八話、過去編その1、投下します。

3:374 ◆ldQo/fT6KU
07/09/28 16:04:48 v4Enk9dV
目印は色眼鏡に、茶髪に、煙草。
唯は待ち合わせの相手に、そう告げていた。
駅前の繁華街、誰もが気軽に立ち寄れる、少し洒落た喫茶店。
茶髪は飽きる程見かけるが、全席禁煙のこの店で、
テーブルの上に煙草の箱を置いている男は、他にいない。
店員の視線は男には痛かったが、吸わなければ文句は言われない。
程なくして約束の相手、安室怜が現れた。
「ZEROさん……ですか?
 初めまして、木馬です。本名は安室怜ですけど……」
あまりハキハキと喋らない、臆病そうな子だと、唯は思った。
「こちらこそ、初めまして。
 本名は日色唯。まぁ苗字は気にいってないから、唯って呼んでくれよ」
唯はそう言って、店員を呼びつけて追加注文した。
レモンティーとミルクティーを、それぞれ一杯ずつ。
怜がミルクティーを好む事を、それまでのブログ上での会話や
最近やり取りを始めたメールの内容から、既に唯は知っていた。
「あ、あの……お代……」
「あぁ、気にすんなよ。仮にも年上なんだから、俺がオゴるよ。
 つーかお前バイトしてないんだから、金無いだろ」
「お、お小遣いなら……」
「それは大切に使えよ」
それが、二人の直接の出会いだった。

4:374 ◆ldQo/fT6KU
07/09/28 16:05:29 v4Enk9dV
二人が知り合ったきっかけは、唯のブログだった。
いつの間にやら悩み相談請負の様相を呈していた彼の日記のコメント欄に
ある日『木馬』の名で、新たな相談事が書き込まれた。
年は高校三年生。
中学時代に不登校を経験し、その為人間不信と、自尊心の欠如を併発しているとの事。
他人を信じないくせに、自分さえも信じない。
それは相談者にとって、当然の事だった。
何しろそれまでの十八年間、バイトもした事が無かったのだ。
部活もせず、学校にも行かず、働いた事も無い。
趣味も特技も持ち合わせていないとなれば、自分に対して
裏づけのある自信を持つ事の出来る機会など、彼女にはなかった。
このまま高校を卒業しても、進学する勇気も、就職する自信も無い。
勉強は嫌いではないが、大学で何かを習ったとて、それを将来に活かせるかわからない。
働いた事が無いから、就職したとて、まともに役に立てるかわからない。
その相談者、木馬……安室怜は、日ごとZEROに相談を持ちかけた。
彼女は、根が深かった。
それまでZEROの元に相談を書き込む者など、片思いの恋愛相談や、
学校の教師がムカつくだの、クラスの誰が腹立つだの、他愛の無いものばかりだった。
それに比べて怜は、心療内科を経営している父親から
鬱病の薬を貰って服用し、それで何とか心を安定させているという程の、重症だった。
ZEROは根気良く、何日も話を聞いてやって、次第に木馬と打ち解けていった。
十八年間自分に自信を持てなかった人間に、一発で自信を持たせる術は無い。
何ヶ月、何年とかけて自力で自信を磨くと同時に、
誰かが自尊心を後押ししてやる必要がある。
お膳立てと言えば聞こえは悪いが、ZEROが選んだのは、まさにその手段だった。
仕事上の関係なら兎も角、単なる普通の友人関係において言えば、
信頼を掴み取るのに、有能も自信も必要無い。
ただいつも一緒にいて、ただ楽しい。それが友情というものだ。
一緒にどんな苦境を乗り越えたとか、皆で一丸となって何かに臨んだとか、
そういったものも確かに友情を形成する要素ではあるが、それが全てではない。
ただ一緒にいるだけの事が、友情を形作る事は多い。
何もしていなくても、自分を必要としてくれる人間を得る事は出来る。
ZEROは……唯は、それを教えようとしていた。

5:374 ◆ldQo/fT6KU
07/09/28 16:06:17 v4Enk9dV
無論唯自身は、努力はするに越した事は無いと思っている。
全く努力無しに、お膳立てだけで自信を確立するのなら、
それは自信ではなく不遜、傲慢に繋がるだけでしかない。。
自分の中で自分なりの根拠の備わっている自信の方が、ハリボテのプライドより数倍良い。
けれど、それは後回し。
今は兎に角、直接会って親睦を深め、
元不登校だろうがバイト未経験だろうが、勿論鬱病だろうが、
そんな瑣末な事など一切関係無しに他者からの『必要』『情』を
得る事は出来るのだと、彼女に教えてあげたかった。
俺はお前の事を、友達だと思っている。
ただそれだけでも、お前には価値があるのだと、わかってくれ。
言葉には表さないが、態度と誠意で、それを伝えようと試みていた。
偽善と言われれば、否定はしない。
けれど彼女と知り合ってからの一ヶ月程の間、
ブログやメールで会話を重ねていく中で、確かな友情を唯は彼女に感じていた。
何も、全く友情を感じない相手に対して、嘘でも良いから
友達ごっこを演じて自信をつけさせようなどと、考えていたわけではない。
多少物事を深く考え過ぎるきらいはあるものの、中々聡明な子だ。
唯は彼女を、そう評価していた。
異性として意識する程にはないが、十分好感が持てる相手だと思っていた。
その気持ちを、彼女に対する評価を、表情で示す事によって、
彼女に一人の人間としての自信をつけさせたかった。

6:374 ◆ldQo/fT6KU
07/09/28 16:07:01 v4Enk9dV
その後二人は、何度か二人だけで会う事が多くなっていった。
最初はオフ会という名目だったが、いつしか明確な理由も無く、
ただ遊びたいから会う、といったような、自然な関係になっていた。
互いの住居は近くないが、電車で二時間もあれば会える距離だ。
月に一度か、多くて二度。
授業やバイトの合間を縫って、二人はいろいろな所に遊びに行った。
映画や、カラオケや、花見や、誕生日パーティ。
様々なイベントを重ねていく中で、いつしか二人の関係は、友情を超えていた。
しかし、では恋愛感情かと言われれば、そうではなかった。
怜は度々、唯に対して「お兄ちゃんみたい」と言っていた。
彼女に兄はいないが、兄という存在に対する幻想が、そう思わせていたのだろう。
唯も唯で、怜を妹のように大切に思っていた。
自信をつけさせたいとか、そんな考えは、とうに忘れていた。
互いに、相手といる時間が、楽しく思えていた。
怜はいつの間にか、薬に頼らなくとも、唯と一緒にいる時だけは
心を安定させる事が出来ている自分に、気付いていた。

そして、だからこそ、別の問題が発生した。
二人は兄妹のような関係だが、兄妹ではない。
人に、二人はどういう関係なのかと聞かれた時に、何と答えたら良いのだろう?
唯ならば『妹みたいなモン』で通すだろう。
恋よりも愛の方が上位にあると考える唯にとって、
せっかく兄妹……家族愛に近い状態にまでもってこれたものを、
今更恋愛に『格下げ』するつもりなど、毛頭なかった。
家族愛、人類愛という言葉はあれど、家族恋や人類恋といった言葉は有り得ない。
恋に落ちて結ばれた二人が、年を重ねる事で男女の仲を超えた、夫婦の愛を形作る。
幼い男児は母親に恋をするが、いつしか思慕は失せ、代わりに孝行な愛情に形を変える。
恋を乗り越えた先にあるものが愛だと、唯は思っていた。
なればこそ、今更怜と付き合うとか付き合わないとか、論ずるのも愚かだ。
形は違うかもしれないが、今自分が怜に対して抱いている感情は、
紛れも無く広義では『愛』に属しているのだから。
唯は、内心そう思っていた。

7:374 ◆ldQo/fT6KU
07/09/28 16:07:43 v4Enk9dV
だが、皆が皆、唯のように考えるわけではない。
異性に対して『一緒にいると落ち着く』『一緒にいたい』と思う気持ちは
多くの場合、恋愛感情に直結する。
怜もまた、唯に対してそれに近い感情を抱いていた。
確かに、本当に恋愛感情なのかと問われれば、そうとは言えない。
けれど、この感情、この関係を言い表す適切な日本語が、存在しない。
血縁も何も無いのだから、兄妹とは言えない。
ただの友達と言うには、自分が唯を求める気持ちは、強すぎる。
しかし、付き合っているとは、とても言えない。
その頃彼女の中には、言い表しにくい関係性を
『ただの、そういうモノ』として割り切るだけの観念が、備わっていなかった。
だからだろうか、答えを焦ったのは。
いつしか彼女は、恋心さえ抱いていない筈の唯に対して、
さも恋人のように振舞っていてほしいと、振舞っていたいと、
淡く願うようになっていた。
唯が大学の女友達と、講義の帰りにご飯を食べに行ったと聞けば、嫉妬した。
連れ立って歩く時、手を繋いでくれたら良いのにと、無言で祈った。
唯の目を引きたいから、大学に入ってからは慣れないお洒落にも、気を遣うようになった。
唯がいる事が安心の材料だったから、唯と同じ大学を選んだ。
親元を離れての自活も、自分はもう自立出来る、大丈夫だと、唯にアピールするためだった。
揃いでしか販売されていないチョーカーを、
そうと気付かないフリをしつつ買って、半ば無理矢理唯とお揃いにした。
恋愛でなかった感情を、無理矢理恋愛感情にしていた。

8:374 ◆ldQo/fT6KU
07/09/28 16:08:33 v4Enk9dV
ある日、彼女は思い切った事を言った。
「ねぇ、唯……」
四月の唯の誕生日に、二人で花見に行った時の事だ。
花見と言っても、別段ゴザを敷いて酒を飲むようなものではない。
ただ二人で、桜並木をブラブラ散歩する程度の、穏やかなデート。
折り良く周りに人はおらず、完全に二人きりだった。
「今日は唯の誕生日だしさ。その……
 オ、オデコにだったら、あの……キス、しても良いよ」
耳まで真っ赤にしながら、怜はそう切り出した。
別に唯の事が好きなわけではない。
恐らく唯だって、自分とそんな事をしたいとは、思っていないだろう。
けれど、この中途半端な関係を、どうにかしたい。兄妹ごっこを、終わりにしたい。
唯がその気になってさえくれれば、自分も『その関係』に、埋没していける気がした。
しかし、唯はその申し出を断った。
「大事にとっとけよ。その内大学とかバイト先とかで、
 もっと素敵な男と知り合えた時のためにさ」
これだ。
予想はしていた。
この甲斐性なしは、どうせそんな綺麗な事を言って、お茶を濁すのだろう。
怜は最初から、そう予想していた。
いつもこの男はこうなのだ。
軽薄な振る舞い、軽妙な表情でもって、飄々と受け流す。
何よ、軽々しく人の申し出を蹴ったりして。
大体いつも、マイペースで軽佻浮薄で、何考えてるかわからなくて、
不真面目で阿呆で間抜けで、こないだだって自販機でホットコーヒー買おうとして
間違えてアイスコーヒーのボタン押したり、挙句お釣りを取り忘れたり、
無理に気取るくせに、変なところで馬鹿っぽいって言うか、
一緒にいると疲れるって言うか……。
「……聞こえてるぞ」
「え!?」
「お前、考えてる事を口にする癖があんのな。
 そんなんでよくも、人の事を馬鹿だ間抜けだと……」
「うっ、うるさいっ!
 この甲斐性なしの根性なしのチャラ男!」
唯は、少しだけ困ったように笑って、怜の頭を撫でた。
「こっ、子ども扱いしないでよ……」
「あぁ悪い、そういうつもりじゃねぇよ。
 ただ、普段口数の少ないお前が、俺の事を馬鹿にする時だけは
 楽しそうに元気良くベラベラ喋るなぁ……と思ってさ」
だがそれきり、唯はただ怜の頭を撫でただけで、
その額に口付けてやる事も、ましてや抱きしめてやる事もしなかった。

9:374 ◆ldQo/fT6KU
07/09/28 16:09:22 v4Enk9dV
丁度その時期に前後して、怜の前に吉良という男が現れた。
チャラチャラしている唯と比べれば、良くも悪くも普通の青年。
けれど確かな優しさと誠実さがある事は、
仕事を教わっている内に、すぐにわかった。
掴み所の無さ過ぎる唯に比べれば、遥かに安心出来る相手だ。
唯の勧めでバイトを始めてみたものの、怜はそれまで働いた事が無かったから
最初はちょっとした事でパニックになりかけたり、焦ってミスを連発したものだ。
けれどそんな彼女を、吉良は丁寧に指導した。
叱り過ぎず、褒める時は褒め、着実に成長させていった。
一緒に仕事したり、講義の合間の暇を一緒に潰したり、
一緒に食事をしに行ったりして、いつしか怜は、彼に惹かれている自分に気付いた。
唯とベクトルは違うけれど、吉良もまた、彼女を安心させる男だった。
怜は迷った。
自分は今、同時に二人の男性を、強く求めてしまっている。
そんな事は、倫理的に認められない。
しかしこのままでは、吉良の方に心が傾いてしまいそうになる。

―次からは、わざわざ敬語使わなくても良いから―
―怜ちゃんに敬語使われると、何て言うか俺……寂しくなっちゃうし―

二人で食事をしに行ったその帰り、吉良が呟いた言葉が、
嬉しいやら恥ずかしいやら、妙に気分を高揚させた。
気分が良くて、思わず一人で笑ってしまいそうにさえ、なった。
けれど、それでは駄目なのだと、彼女は思った。
より付き合いの長い、より長く一緒にいた唯の方をこそ、自分は選ぶべきだと。
それは半ば、強迫観念に近かったかもしれない。
彼女は答えを焦った。
そうして、唯との関係を一気に進展させるべく、ついに行動に出た。

10:374 ◆ldQo/fT6KU
07/09/28 16:10:06 v4Enk9dV
ある日の夜。
唯の携帯電話に、一通のメールが届いた。
「件名:会いたい」
それを見た時唯は、業者からの迷惑メールかと思った。
しかし送信者を確認してみると、そこには『安室怜』と表示されていた。
「今から会いたい。そんで、ぎゅーってしてほしい」
本文には、簡潔にそれだけが書き込まれていた。
絵文字も顔文字も、一切無い。
本当なら驚き、一体何がどうしたのかと、相手に問いただしたくなるところだろう。
しかし唯は、いつかこんな事を怜が自分に
嘆願してくるであろう事を、かなり以前から予測していた。
自分と二人きりの時に、怜の精神が最も安定している事は、唯にもわかっていた。
しかし心の不安定さには、大抵波があるものだ。
今までだって、電話で声が聞きたいとか言われた事は、たまにあった。
今回は電話では足りず、直接会って抱きしめて欲しい、という事なのだろう。
無論唯は、怜を抱きしめてやろうとは、思っていなかった。
自分達二人は、そういう関係ではない。
けれど向こうが会いたいと言っている以上、それを無下にする事は出来ない。
要は、ハグさえしなければ良いのだ。
ひょっとしたら、会って顔を見せてやるだけで、落ち着いてくれるかもしれない。
兎にも角にも、唯は怜の下宿へと向かった。
「……本当に、来てくれたんだ」
「呼んだのはお前の方だろうが。ほい、これ土産」
一人暮らしで金に余裕のあまり無い怜に、もてなしをさせるのは申し訳ない。
唯は気をきかせて、傍のコンビニでジュースを二本、買ってきていた。
しかし、気をきかせたのはそこまでで、やはり怜を抱きしめようとはしなかった。
強く抱きしめてくれたら、そのまま流されてあげられるのに……。
何もかもを、委ねる気になれるのに……。
怜はそう言いたかったが、口には出せなかった。
それが口に出せるくらいなら、そもそもメールではなく、電話で用件を伝えている。
数時間二人で適当に話したり、ゲームをして遊んだりしている内に、
ついぞ抱きしめてもらえないまま、唯はソファから立ち上がった。
「じゃ。俺、そろそろ帰るわ」

11:374 ◆ldQo/fT6KU
07/09/28 16:10:56 v4Enk9dV
思わず伸ばした手が、唯の服の袖を掴んだ。
「待っ……」
行って欲しくなかった。自分の前から、消えて欲しくなかった。
唯がいれば、自分は自分を保っていられる。
抱きしめてくれなくとも、せめて今夜だけは、ずっと一緒にいて欲しかった。
唯もさすがに、今回は自分の負けだと思ったのだろうか。
軽く溜息をこぼすと、まさに頼れる兄のごとく、愛しい妹に微笑んだ。
「……ったく、わぁかったよ。ま、明日は講義も午後からだし。
 俺はお前の『お兄ちゃん』だもんな。
 一人で寝るのが怖いってんなら、一晩だけ添い寝してやるよ」
「……うん」
こうして二人は、一つのベッドの中、寄り添うようにして眠る事となった。

だが、それでも唯は、尚も怜に手を出さなかった。
彼女は一晩中、今か今かと、唯が自分を抱きしめてくるのを待っていた。
眠い目をこすっては、何度も唯の横顔を見つめた。
「早く寝ろよ、怜」
「……アンタは寝ないの?」
そうは言ったが、怜は本当は、唯に眠って欲しくなかった。
眠るのなら、私を抱いて寝て……そう言いたかった。
「俺は、お前が寝てから寝る」
それは、可愛い妹の寝顔を見たがる兄と言うよりも、
娘の寝顔を楽しみに帰宅する、父親のような表情だった。
北斗の拳に例えると、アインのような感じだろうか。
この態度、この声に、彼女は今まで安心をもらってきたのだ。
そう思えばこそ、逆に一層、自分は唯に抱かれるべきだと思った。
自分が選ぶべき男性は、吉良ではなく、唯なのだと、思い込もうとしていた。
結局陽が上りきるまで、唯は眠らなかった。
いつの間にか眠りに落ちていた怜は、
カーテンの隙間から入り込む朝日に目を覚ますと、
隣で平然と本を読む唯に、驚きと呆れの混じった声をかけた。
「……アンタ、寝てないの? 眠くならないの?」
「俺は授業中とかに寝てるから。普段から睡眠時間は一日合計三時間くらいだし」
まさか、一晩中起きていたと言うのだろうか。
相変わらずこの男は変人だと、怜は思った。

12:374 ◆ldQo/fT6KU
07/09/28 16:12:07 v4Enk9dV
時計の針が十時少し手前になった辺りだっただろうか。
唯は洗面台で簡単に顔を洗うと、そのまま怜に挨拶した。
「そんじゃ、俺そろそろ帰るわ。午後から講義だし。
 まさか泊まりになるなんて思ってなかったから、ノートとか持って来てないし」
「え、で、でも……まだ、早いじゃない?」
「こっから俺ん家まで、徒歩だと一時間くらいかかるんだよ。
 バスの定期も部屋に置きっぱなしだから、家に着く頃には十一時になるし。
 午後からの講義だと、それでジャストぐらいだろ」
昨晩に怜からのメールを受信した時点では、もうバスのダイヤは終了していた。
遅くとも夜中の内には帰る事になるだろうと思っていた唯は、
まさか次に日に、バスの運行している時間帯に帰る事になるとは
予想していなかったため、定期乗車券を持参していなかったのだ。
だが勿論、それでは怜の方は納得出来なかった。
このまま、何もしないままで、帰って欲しくなどなかった。
甘えるような、寂しそうな、枯れてしまいそうな、溶けてしまいそうな。
いろいろな感情が混ざり合った、複雑な声で、彼女は唯を今一度呼び止めた。
「私まだ、ギュッてしてもらってない……」
ゆっくりと振り返った唯の目に映った怜の姿は、
まるで初めて出会った時のようだった。
自分を支えるものを何一つ持たない、人生に窒息死してしまいそうな顔。
ちゃんと立っているのに、その中に骨が入っていないかのように感じる脆さ。
それは、薬が無いと落ち着かないと言っていた、以前の怜のようだった。
それを支えてやるのは、兄の役目だと、唯は思った。
「……はぁ。我侭な妹を持つと、苦労するな」
苦笑いとも微笑みともつかない表情で、兄は妹を抱きしめた。
軽く肩を抱き寄せ、髪を梳くように撫で、胸板に包み込んでやった。

13:374 ◆ldQo/fT6KU
07/09/28 16:13:47 v4Enk9dV
「唯……」
「ん?」
怜はおもむろに、唯の名を呼んだ。
唯も返事はしたが、しかし怜は、言葉を続けなかった。
ただ、名を呼んだだけに留まった。
その先の言葉も願いも、口には出来なかった。
怜の体温は、冷たかった。
女性の多くは経血のために全体の血行が男性より悪く、
総じて冷え性になりやすいものだが、この際そんな学術的な事は問題ではない。
怜の体の冷たさは、精神性に起因するもののように思えた。
少なくともその時に限って言えば、紛れも無く心因性だっただろう。
そしてそこに温もりを与えるには……
心を温めてやるには、兄という存在では不可能だった。
怜は自分に、兄を求めてはいない。
唯はそう直感した。
大切な妹を守るためにこそ、唯は自分が兄である事を、捨てようと決意した。
いつだったか、怜自身がそう申し出た時のように、
唯は彼女の前髪を掻き分け、その額に優しく口付けた。
「しゃあねぇな。今日だけ講義サボるわ」
間近で微笑むと、彼はそのまま、今度は唇にキスをした。
優しく、柔らかく。
これまで積み重ねてきた思いやりの全てを、溶け込むように。

その後の行為は、時間がかかった。
相手が処女という事もあって、唯は気を遣って、ゆっくりと攻めてやった。
独り善がりにならないよう、乱暴に扱ってしまわないよう、
丁寧に細やかに、少しずつ高めていった。
キスだけでも十分近くかけ、ようやくディープキスに移行した時には
怜も少しだけ体を強張らせたが、怯えながらも何とか彼の舌を受け入れた。
流れ込んでくる唾液の味とぬめりは、初めての彼女には受け付け難かった。
だが、これがセックスというものなのだと、彼女は割り切った。
強く抵抗を感じながらも抱かれる彼女に、唯は
「最初はそんなもんだよ。初めっから気持ち良くは、中々なれないから。
 でも、なるだけお前にも楽しんでもらえるよう、頑張るからさ」
そうは言われても、他人の舌を受け入れる感覚は、怜には気持ちが悪すぎた。
無意識に、相手が吉良君だったら、もっと気分が良いのかな……
などと考えてしまう。
そうして、そんな計算をしてしまう自分に、嫌気が差す。
流されていれば良いのだ。
我慢して抱かれていれば、きっと最後には全てうまくいく。
唯と二人で、幸せになれる。
そう信じて、彼女はリビングのソファの上、マグロのまま唯に愛され続けた。

14:374 ◆ldQo/fT6KU
07/09/28 16:14:33 v4Enk9dV
いくらまだ開発されていない処女とは言え、
時間をかけて性感帯を攻められていれば、多少快感を得るのは必然だ。
それは体の反応、反射であって、遅かれ早かれ誰にでも訪れる。
ましてや一番敏感な陰部を、ひたすら舐め回されていれば、避けようが無い。
表面をくすぐるように這い回る舌が、時折クリトリスの上を左右に動き、
かと思えば膣の入り口の辺りに侵入して、中を犯しにかかってくる。
唯の唾液に混じって、かすかに怜の愛液が染み出してきた。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
喘いでいるわけではないが、体にはある種の負担がかかってきているようだ。
唯は艶っぽい溜息を、小刻みに吐き出すようになった。
「もうそろそろ、かな……」
唯は体を起こして、彼女の腰を両手でがっちりと掴んだ。
本音を言えばもっと濡れてくれた方がやりやすいのだが、
処女相手にこれ以上濡れろというのも、無理な話しだろう。
「痛かったり、止めたくなったら、すぐに言えよ?
 無理だけはすんなよ、絶対に」
「はぁ……はぁ……うん……」
唯は自分の分身の先端を、怜の中に押し込んだ。
まだ飼い慣らされていない陰唇は、強く頑なに、異物の侵略に抵抗した。
「いっ……ぎ、あっ……」
「大丈夫か? もう止めるか?」
だが、怜は答えない。正直もう止めたいと思いつつも、
今ここで止めてしまったら、また答えを先延ばしにしてしまう事になる。
唯に抱かれ、最後まで済ませる事で、唯に傾倒していきたかった。
やっぱり自分はこの人の事が好きなんだ。
抵抗を感じるのは、自分が初めてだからなんだ。
相手が誰でも、それは決して変わらないんだ。
だから、お願い……そう確信させて。
声にならない声が、彼女の頭の中をぐるぐると駆け巡っていた。

唯は、少し挿入する度に、怜に優しくキスをした。
それは彼女を安心させてやるための、彼なりのケアだった。
十五分程かけてどうにかやっと奥まで到達した時には、
ソファの上のシーツには、もう赤いものが滴り落ちていた。
痛みの方が快感より遥かに勝っていて、怜はまるで気持ちが良くなかった。
しかし皮肉なもので、内壁を保護するために、液が分泌されてきている。
中はヒリヒリと痛くて、腫れあがっているようにさえ感じる。
「それじゃ、動くぞ」
ここでも唯は、怜を甘えさせるように、ゆっくりと動いた。
怜の中はきつくて、すぐにでも達してしまいそうになる。
本能は、今すぐ射精したくてたまらないと、叫び続けている。
そこを何とか堪えて、彼女を慣れさせるように、努めてゆっくりと動いてやる。
腰が動き、尻が睾丸とぶつかり、亀頭が子宮口にぶちあたる。
「はっ……はっ……はっ……はっ……」
痛いのか、それとも少しは感じ始めているのか。
或いはただ単に、体を動かす事で疲労しているだけなのか。
怜は先程までより少しだけ強く浅く、呼吸を吐き出し始めた。

15:374 ◆ldQo/fT6KU
07/09/28 16:15:16 v4Enk9dV
その時だった。
テーブルの上に置いてあった、怜の携帯電話が鳴ったのは。
「ただ今、電話に出る事が出来ません。発信音の後に、お名前とご用件をどうぞ」
「ピー……あ、もしもし怜ちゃん? 俺だけど。
 もう昼休みだし、皆で一緒にご飯食べようと思ったんだけど……
 また電話します。それじゃ。……ピー」
その声を聞いた瞬間、怜の目に光が戻りかけてきた。
目の前にいる、今自分を見下ろして汗を流している、この男。
何故この男が、自分を抱いているのだろう。
何故自分は、この男に汚される事を望んだのだろう。
違和感と後悔が、気化するドライアイスのごとくに、心の中に広がってきた。
「ったく、間の悪い奴だなぁ。お楽しみの最中また電話なんかされちゃ、たまんねぇよ」
唯は携帯電話の電源を切って、そのまままた動き始めた。
だが、もはや怜には、彼を受け入れる事が出来なかった。
こんなタイミングで聞いてしまった吉良の声が、彼女を正気に戻した。
彼女を、冷静にさせてしまった。
今目の前にいるのが、吉良先輩なら良いのに。
今自分を抱いているのが、吉良先輩なら良いのに。
今自分の胸を揉んでいるのが、今肉棒で貫いてきているのが、吉良先輩なら。
さっき処女膜を破ったのも、アソコを舐めてきたのも、
乳首を弄っていたのも、ディープキスしてきたのも、私のファーストキスを奪ったのも
そればかりか、優しく私の髪を掻き分けて、額に口付けてくれたのも。
全て、吉良先輩だったら良かったのに……。
その瞬間、はっきりとわかった。
自分が、好きでもない相手を、好きだと思い込もうとしていた事を。
そのために、愚かにも一生ものの傷を負わされてしまった事を。
気がついた時には、怜は涙を零し、唯の体を拒絶していた。
「お願い……もう、止めて……」
悲痛な嘆願に、唯は少しだけ悲しそうな目をしてから、
ゆっくりと男根を引き抜いてやった。

16:374 ◆ldQo/fT6KU
07/09/28 16:16:56 v4Enk9dV
第八話終了です

17:名無しさん@ピンキー
07/09/28 17:34:15 mwyJMGaR
誰がアホなのか、明白だな。

18:名無しさん@ピンキー
07/09/29 01:51:13 cXRDA1iy
携帯から失礼、たしかにアホだな

19:名無しさん@ピンキー
07/09/29 01:58:56 cRSGSlGo
何というか、NTRと呼ぶには微妙な雰囲気になってきた…

20:名無しさん@ピンキー
07/09/30 22:40:58 WBSFruL/
書き込み少ないね
みんな新スレに移行した事に気付いてないのかな?

21:名無しさん@ピンキー
07/09/30 23:23:10 VywoQ2HU
保管庫があるのだからリンクで誘導すりゃ済む話なのに、
自サイトに作品を転載するNTR-BLOGは少しいやらしい気がする。

22:名無しさん@ピンキー
07/09/30 23:33:53 kRW5m0cq
まぁこれなら仕方ないかと思えるよ俺は。
少なくとも練習とか寂しいからあっちいくーとかよりは遥かに。

23:名無しさん@ピンキー
07/10/02 21:02:31 d3O7/caF
過疎ってんなー。

孕ませスレに、MCで人妻をバカスカ孕ませる寝取りものが投下されてるぞ。
旦那の描写がまるっきり無いから、寝取りの醍醐味は薄めだけど。

24:名無しさん@ピンキー
07/10/02 22:53:19 atWDHIKy
前スレに次スレのアドレス貼ってなかったから、
次スレになってるって事が分からんのかも。
俺も偶然このスレ見つけたし。


25:名無しさん@ピンキー
07/10/02 23:19:30 k7QBvzYy
次スレ分からないとかどんだけ(ry

26:名無しさん@ピンキー
07/10/02 23:27:27 stXOMRdx
と言うかそもそも、このスレ立ったのって
前スレが500kb超えてからだしな

27:名無しさん@ピンキー
07/10/03 01:20:12 TYWkpFHS
>>23
MCはチートっぽくて興奮が1ランク落ちるんだよな。
まぁそれでも十分だが

28:374 ◆ldQo/fT6KU
07/10/04 00:27:15 wKvtG/uv
第九話、投下します。
今回は前半が過去編その2、後半で病室シーンに戻っての
二本立てにしてます。



「ごめんな、泣かせちゃって」
服を着た後、部屋の隅にうずくまってメソメソと泣き続ける怜に、
唯はひたすら謝り続けた。
やはり自分は、彼女を抱くべきではなかった。
わかっていた筈ではないか。互いに、肉体の繋がりを求めていなかった事は。
迂闊な事をして、大切な妹を泣かせてしまった後悔が、彼の中に芽生えていた。
だが、怜はまるで唯を受け入れなかった。彼のその優しさすらも。
「……気持ち悪い……」
泣き顔を見られないように顔を背けながら、怜は心情を吐露した。
「匂いとか……感触とか……吐きそう……」
堪らず、唯は彼女の肩に手を置きかけた。
けれど、それは突発的な拒絶の言葉によって、遮られた。
「触らないで」
唯は押し黙り、一言も発する事が出来なくなった。
最初は、彼女が泣き止むまで辛抱強く待っているつもりだったが、
もうそれすらも、自分には許されないのだと悟った。
隣にいてやる資格は、自分には無い。彼女自身が、それを望んでいない。
唯はただ無言で、静かに彼女の部屋を去って行った。
鍵は閉めといた方が良いぞ、とだけ、気遣うように言い残して。

それからしばらくして、怜は吉良に悩みを打ち明けた。
トラウマは、吉良の手さえも、撥ねつけてしまった。
本当は彼の事が好きだったのに、自分が早まったせいで、
他の男に気を許し、体を捧げてしまった。
吉良が自分に対し、少なからず好意を抱いてくれている事には、気付いていた。
けれど……いや、だからこそ、素直に吉良の胸に飛び込んでいけなかった。
不貞を働いた不埒者と罵られても、否定は出来ないのだから。
こんな自分を好きだと言ってくれる吉良に、どうしようもなく申し訳なかった。
「こないだ、社会学の日に……っ
 お……お兄ちゃんに……よごっ……汚、され……っ」
怜は何とか声を絞り出して、それだけ伝えた。
ここで彼女は、言葉の選択を誤った。
本当なら、お兄ちゃんに抱かれた、とでも言うべきだった。
しかし、激しい後悔と吐き気が、彼女に「汚れた」という言葉を選ばせてしまった。
それは殆ど、無意識に選択された言葉だった。
唯一人を悪者にしようなどというつもりは、無かった。
いや或いは、心の底では、そのつもりだったのかもしれない。
後になって彼女は、何であんな酷い言い方をしてしまったのだろうと、
何度も思い悩む事になる。
「……あの野郎っ!」
自分のために怒ってくれる吉良の優しさが、逆に心に痛かった。

29:374 ◆ldQo/fT6KU
07/10/04 00:28:00 wKvtG/uv
「……あいつを、訴えよう」
吉良はそう提案したが、怜にはそのつもりは全く無かった。
悪いのは、自分の方なのだから。
「良いんです……私が、悪いんだから」
「何でだよ!? 怜ちゃんの何が悪いって言うんだ!」
「私が……簡単に、気を許したから……」
それは、紛れも無く真実だった。
愛していない相手を愛していると思い込み、
許してはならないラインを許し、体を開いたのだから。
けれど、吉良はそんな意味合いにはとらなかった。
全てを自分で背負い込もうとする、健気な女の子だとでも思ったのだろうか。
彼の中で、怜は美化されているようだった。
私はそんな綺麗な人間じゃないですよ……怜は、何度もそう言いたくなった。
しかし、どん底まで落ちた精神にとって、
自分の味方をしてくれる男の存在は、都合良く心地良かった。
騙す気など無かった。騙したいわけではなかった。
……自分は何も嘘を言っていないのに、勝手に吉良が曲解しているのだ。
怜は、そう思い込もうとしていた。
私は、レイプされたんじゃない。望んであいつに抱かれたんです。
そんな言葉は、彼女には言えなくなっていた。
ただ、やはり、今更唯の方に傾く事も出来ない。
商売や遊びとして割り切っているのなら兎も角、女性にとっては
好きな相手とのセックスは幸せで楽しいが、好きでもない相手とのセックスは
思い出すだけでも気持ちが悪く、受け入れがたいものだ。
怜はその夜、唯とお揃いで買ったチョーカーを、
近所の川の中に、思い切り振りかぶって投げ捨てた。
決別、嫌悪、愛憎。
ありとあらゆる感情を残して、それは流れの中に埋没していった。

30:374 ◆ldQo/fT6KU
07/10/04 00:28:46 wKvtG/uv
それからと言うもの、怜は考え続けた。
あれ程自分を大事にしてくれた男を、何故自分は、愛する事が出来なかったのか。
彼と一緒にいると心が落ち着いて、薬に頼らなくても自分を保てた程だったのに。
唯と一緒にいた日々を、懐かしみながら思い出す。
生理の日でも、唯がいてくれたら、痛みなど気にならなかったのに。
出不精で、新しい場所に行くのを怖がる自分でも、唯と一緒なら、怖くなかったのに。
唯と一緒にいる時だけは、無口な自分でも、いろいろお喋り出来たのに。
何故あいつに対して、こんなにも嫌悪感を感じるのだろうか。
嫌悪感を……。

そこまで思い至って、怜ははっとした。
かつて唯に言われた、何気ない言葉を思い出す。
―普段口数の少ないお前が、俺の事を馬鹿にする時だけは―
―楽しそうに元気良くベラベラ喋るなぁ……と思ってさ―
そう、よく喋っていた。
元気良く。ベラベラと。
あの男を、馬鹿にする時だけは……。

そこに気付いた時、怜は自分で自分が恐ろしくなった。
「あ……あぁ……」
自分は何と、人に非ざる性根の持ち主であろう。
不登校だった時代に培われた、歪んだ人生観故だろうか?
或いは誰とも繋がれなかった高校時代に育まれた、偏狭な思考のせいだろうか?
はたまた薬で無理矢理落ち着かせてきた、世界への憎悪のためか?
いや、経緯も原因も、この際関係が無い。
重要なのは、自分が唯に対して抱いていた、本当の本音。
深層心理の中に蠢いていた、醜く浅ましい、吐瀉物のように汚い心。
自分はあの男を、見下していたのだ……。
その日怜は、久しぶりに自分から、唯に対してメールを送った。
もう二度と連絡もとらないと思っていたのに。

31:374 ◆ldQo/fT6KU
07/10/04 00:29:34 wKvtG/uv
「私、ようやく自分の本音に気付いたの。
 私はあんんたの事、最初から嫌いだったみたい。ただ、自分では気付いてなかっただけ。
 中学と高校で、自分のプライドはズタボロになっちゃったから、
 誰かを見下して、安心したかっただけなの。だから私は、あんたを利用した。
 軽くてチャラチャラしてるあんたを、ただそれだけの理由で、根拠も無く馬鹿にして、
 自分の劣等感を、誤魔化してたの。自分の中で勝手に、あんたを矮小な人間に仕立て上げてた。
 私がいくら馬鹿にしても、あんたは何も怒らなかった。
 だから私、いつまでも調子に乗ってた。あんたに会いたいと思った夜も、
 それが原因だったんだと、今ならわかる。
 心が不安定になった時、馬鹿にしてる相手に直接会う事で、自信を補強しようとしていた。
 ただそれだけの事なのに、自分でそれに気付けなかったから、体を許してしまった。
 あんたが私に、例え恋愛感情でないとしても、それなりの好意を抱いてくれてる事は
 気付いてたから、その気持ちを利用したの。
 私は本当に、最低の屑だわ。
 だからもう、私の事は忘れて。あんたはいっぱい謝ってくれたけど、
 単に私が、馬鹿だったのが、いけないんだから」
一字一句、何度も指を止めてしまいそうになる程、思い悩みながら文章を打った。
途中で、いっそ死ぬまでこの本音は黙り通しておこうか、とさえ思った。
しかし気付いてしまった以上は、伝えなければならない。
自分がどんなに悪辣で曲がった人間であるか。
この深層心理に気付いた時の、怜のショックの度合いといったら、並みではなかった。
本当なら、直接唯に会って、自分の声と言葉で、伝えるべき内容だ。
そうして、唯が望むなら、一発でも二発でも、頬をはられても仕方ない程だ。
何しろ自分のせいで、唯は吉良に、リンチに近い程一方的に殴られたのだから。
けれど、償いのために唯の前に今一度現れる事は、怜には怖過ぎた。
と同時に、まだ唯に対する嫌悪感も残っていた。
いくら唯は悪くない、悪いのは自分だとわかっていても、それは変わらなかった。
自分で勝手に作り出した、唯に対するイメージと、
それに伴う侮蔑の心に、尚も引っ張られていた。
声さえ聞きたくなかったから、彼女はメールという、最も卑怯な手段を選んでしまった。

32:374 ◆ldQo/fT6KU
07/10/04 00:30:20 wKvtG/uv
しかし、そうして多大な覚悟を決めてまで送ったメールに対して、
唯が返してきたメールの内容は、怜を驚かせる程、拍子抜けするものだった。
唯の方もまた、どれ程の時間をかけてこの文章を打ち込んだだろうか。
返信がきたのは三十分以上経過してからだった。
「別に構わねぇよ。
 俺が迂闊な真似したのが、いけないんだし。本当ごめんな。
 お前が俺を嫌いだったとしても、俺は何も文句は言わないよ。
 元々好き嫌いなんて感情論なんだから、人を好きになるのにも
 嫌いになるのにも、理由や根拠なんか無くて当たり前さ。
 だからお前は悪くない。悪いのは俺の方だ。ごめん」
もはや怜には、何と返せば良いか、わからなかった。
この期に及んでもまだ、この男は自分に謝罪してきている。
こんな、醜い自分に対して。
自分を見下し利用した女に対して、好き嫌いは感情論だから仕方ないなどと。
嘘をついていた事に対する怒りと、裏切りに対する悲しみとで、
本当なら自分は、彼に殺されても文句は言えない立場だと言うのに。
どこまでこの男は、お人好しなのだろう。

それから更に数分後。
再び、唯から怜にメールが送られてきた。
どんな罵声の言葉が投げかけられるだろうと、覚悟しながら本文を開いた怜の目には
ただ二言か三言、簡潔に最後のメッセージが記されているのが映った。
「もう俺の名前は電話帳から消して良いよ。
 多分もう連絡とる事なんて無いだろうし。連絡とりたくもないだろうし」
その言葉を読んだ時、怜は罪悪感と安堵感の、両方を感じた。
もうこれで、二度と唯に謝る機会が得られなくなる。そんな罪悪感。
と同時に、もうこれで、唯に謝らなくても良いんだという、安堵感。
後者は明らかに、腐った考え方だった。
こんな時唯なら、縋ってでも謝罪し、頭を下げ続けるだろう。
現に彼は、根気良く何度も怜に謝っていた。
けれど、自分はどうだろう?
本当なら自らの不出来を詫びるために、自ら彼の前に現れなければならないのに。
もう二度と電話もメールもしなくて済むと、何故自分は安心している?

33:374 ◆ldQo/fT6KU
07/10/04 00:31:08 wKvtG/uv
彼女はまだ、一番言わなければならない言葉を、言ってなかった。
「ごめんなさい……」
本当なら直接伝えなければならない言葉。
謝意を呟きながら、彼女はゆっくりと、確認作業をするように、
唯の名をメモリダイヤルから削除した。
彼女は、自分の非を認めていた。自分が馬鹿だから悪かった。
だから唯は悪くない。そこまで認めていて尚、まだ言っていなかった言葉。
彼女は「ごめんなさい」とは、まだ言えていなかったのだ。
「私が悪かったの」と言うばかり。「だから、ごめんなさい」とは、一言も言っていない。
言うのが、怖かった。自ら罪を認める最後の一線が、超えられなかった。
まだ自分は、被害者だと思いたがっていた。
その後彼女は、再び唯と出会う機会を得ながらも、
結局最後まで、頭を下げる事が出来なかった。
飲み会の時に唯が言った言葉が、胸に突き刺さる。
―自分に好意を持ってくれてる人間を、嫌ったり疎んだり出来る程―
―子どもの脳みそは廃れた構造しちゃいねぇよ―
―そんな器用な真似が出来るのは、大人だけさ―
私の脳は、廃れている。そう認めざるを得なかった。

34:374 ◆ldQo/fT6KU
07/10/04 00:31:53 wKvtG/uv
第九話後半


・吉良視点

「そんな、馬鹿な……それじゃ、俺は……」
怜ちゃんが全てを話し終えた時、俺の胸中に訪れたのは、
これまでに感じた事の無い程の驚愕と、後悔と、自己嫌悪だった。
「寝取っていたのは、俺の方だった……?」
これまで俺はずっと、唯に怜ちゃんをを寝取られたと思い込んでいた。
しかし、真実は全く逆だったのだ。
唯は何ヶ月もかけて、会話やデートを重ねて、
対人恐怖症の少女の心を、開かせていった。
自分に自信を持てなかった子に、曲がりなりにも自信を持たせ、
外聞を気にしなかった子が、お洒落に注意を払うようになった。
そうして時間をかけて、唯が心を解してきた女の子を、俺は横から掠め取っただけ。
そして唯を頭から犯罪者と思い込み、殴り、退学に追い込み、
自分は怜ちゃんとヤリまくり、中出しし、性に従順な子に仕立て上げただけ。
殆ど何の苦労も、努力も無しに。
ただ、性欲を満たすためだけに。

35:374 ◆ldQo/fT6KU
07/10/04 00:32:36 wKvtG/uv
自分が唯の立場だったら、怜ちゃんに対して何が出来た?
彼女が元登校拒否児童だとは知っていたが、薬まで服用していたとは、知らなかった。
そんなものに頼らなければ精神を安定させられず、
他者をまるで信用せず、自分さえも信じようとしない、そんな子を相手に、
自分だったら、何ヶ月もかけて自信を補強させてやるなど、出来ただろうか?
確かに自分も彼女に仕事を教え、成長させる事で、ある程度は手助けしてやった自負がある。
だが、人間不信で対人恐怖症の状態の子を、
一から這い上がらせる事など、出来ただろうか?
それを唯は、やってのけたのだ。
出会ってから、実に何ヶ月とかけて。焦らず、時間をかけて。
兄として、可愛い妹のために。それを俺は、奪い去ったのだ。

これまでの事が、フラッシュバックして記憶の中に甦る。
怜ちゃんはレイプされたのだと、俺は思っていた。
確かに彼女自身がそう言ったように、俺は思っていた。
だが、よくよく思い返してみる。
彼女自身が「唯に強姦された」「唯にレイプされた」「唯に無理矢理犯された」
などといった、或いはそれに類する言葉を放った事は、一度も無い。
ただ、汚されたと言っただけ。
仮に彼女の初めての相手が自分であっても、
綺麗な体でなくなる以上、それは紛れも無く『汚れる』という事になる。
唯への先入観と、寝取られた悔しさとで、勝手に真実に目を向けようとしなかった。
頭ごなしに事実を捻じ曲げ、それで全てをわかった気になっていた。
それは間違いなく、自分の過ちだった。

36:374 ◆ldQo/fT6KU
07/10/04 00:33:27 wKvtG/uv
周囲にいた友人、知人達の反応は、一様に衝撃を物語っていた。
慄き震える者、涙を滲ませる者、顔を背ける者、嗚咽を漏らす者。
それも当然だろう。
愛した妹を、望まれて抱いた筈なのに性犯罪者扱いされた挙句、
退学という、ある種の社会的抹殺まで受けて尚、相手を許そうとした男の話など。
聞いて、平然としていられる方が、どうかしている。
これが見も知らぬ赤の他人の話なら、女の方に怒り、見下すだけで終わっただろう。
だが慎達にとって複雑だったのは、その女が、自分達の大切な友人だった事だ。
慎達には、唯か怜ちゃん、どちらかを一方的に味方する事など、とても出来なかった。
ただ、残酷な真実に、憤るばかりだ。
「安室……お前……」
慎はそこまで言いかけたが、しかし、そこから先の言葉が出てこない。
何と言えば良いのか、何を言いたいのか、自分でもわかっていないのだろう。
そうして慎は、俺の方を見てきた。
「おっ……俺は……俺は……」
震える右拳を見つめ、俺は後悔に打ちひしがれる。
あの日俺は、唯を殴った。
抵抗さえしない唯を、何度も、何度も。血を吐き、顔が腫れる程。
あいつが抵抗しなかった理由が、今、ようやくわかった。
あれが、あいつのせめてもの、罪滅ぼしだったのだ。
大人しく殴られ続ける事で、咎を負ったのだ。
罪など、何一つ犯していないのに。
引きちぎられ、叢に放り捨てられたチョーカーに、
あいつはどんな思いを寄せただろうか?

37:374 ◆ldQo/fT6KU
07/10/04 00:34:11 wKvtG/uv
―おいおい、そんな事バラして良いのか、吉良?―
―軽々しくバラしちまえば、傷つくのは俺じゃなくて、怜の方なんじゃねぇの?―
―法廷であの子に証言させるわけ?―
―法廷での質問攻めに、あいつが耐えられんの?―
―殺したいんだろ? 殺せば良いさ。あの子がそれを望んでるのか?―
唯の言い放った言葉の数々が、俺の脳髄を満たした。
人を馬鹿にしたような、挑発めいた言葉の数々。
だが、実際は違っていた。あれは、挑発などではなかった。
怜ちゃんの事を、本当に心配して言っていたのだと、今ならわかる。
償いたいと願う心が、自らの死さえも、受け入れようとしていたのだ。
何故そこに、気付けなかった?
先入観だけであの男を見続け、疑心しか向けなかった自分自身を、俺は憎んだ。
「それでも……」
海本が呟く声が聞こえる。
「それでもあいつは、安室さんを助けてくれたんだよ。
 本当なら殺したい程憎んでもおかしくない相手なのに……」
そうなのだ。
許すだけでも相当な精神力が必要だったろうに、ましてや救おうとまでしたのだ。
わざとらしく気取り、飄々と振舞う道化の仮面の
下に隠した、聖職者のごとき慈愛の心。
仮に同じ状況になったとして、自分に同じ真似が出来るだろうか?
望んで抱かれておきながら、相手を強姦魔に仕立て上げ、
自分を見下していたと告解して尚、まともに謝罪の言葉も述べない女に。
殺人事件の動機になってもおかしくないような仕打ちだ。
そんな相手に、失神してしまいかねない程の量の血液を分け与えてまで
助けてやりたいと、助かって欲しいと、一心に願うだろうか?
医者を怒鳴りつけてまで自分の血液を提供する程、あんなに迷い無く、真剣に。
……本当に助けても良いんだろうか?
……こいつが死んでも、自分は困らないんじゃないのか?
……こいつが死ぬのは、当然の報いなんじゃないのか?
きっと自分なら、例え最終的には血を分け与えたとしても、
必ず途中で何度も、自らの慈善行為に、そんな疑問を感じてしまうだろう。
自分にとって、恨んで当然の相手ならば。

―焦って出した答えなんか、相手の男子だって聞きたくないだろうし―
唯は一体、何を思って、ブログの相談者にその言葉を贈っただろうか。
答えを焦った怜ちゃんのために、彼が犯罪者にまで貶められた事を考えれば
その何気ない言葉の中に込められた思いの強さは、語るまでもなく推し量れた。

38:374 ◆ldQo/fT6KU
07/10/04 00:34:56 wKvtG/uv
「ねぇ、おはなし、よくわかんない。おにいちゃん、どうしたの?」
一人志保ちゃんだけが、事情が掴めない事に不満を漏らした。
挟道さんは少女を抱き上げ、少し鼻をすすりながら、にっこり笑って答えた。
「志保ちゃんの好きになった人はね、すっごく優しい人だって事」
「ふぅん。でもしほ、そんなのしってたよ?」
無垢な心こそが最も本質を捉えていた事を、俺は思い知らされた。
「そうね。でも志保ちゃん以外は、皆知らなかったの」
「なんで? みてたら、わかるよ?」
その通りだ。先入観を持たずに唯を見ていれば、すぐにわかった筈ではないか。
あの男が志保ちゃんに優しくするたび、ブログの相談者に答えてやる度に
俺はどんな目で、あの男を見た? どんな風に、あの男を思い浮かべた?
本当は良い奴なんだなとか、優しい奴なんだなとか、一度でも思ったか?
ただ、よくわからない奴だと、思っただけじゃないか。
情けない。
かつて自分が唯に口走った言葉が思い出されて、恥ずかしくなる。
―何でそんな奴の心配をするんだよ!―
―怜ちゃんは、誰にも何も打ち明けられなかったばかりに―
―誰にも心配してもらえなかったのに!―
何と愚かな事か。
誰にも何も打ち明けられなかったのは、本当は誰だ?
誰にも心配してもらえなかったのは、本当は誰だ?
誰にも認められず、誰にも褒められず、一人で苦しみ続けたであろう者は、誰だ?
―おにいちゃん、どこかイタいの?―
―イタいの、イタいの、とんでけー―
あぁ、こんな小さな子どもでさえ、唯を気遣ったと言うのに。
その痛みを取り除いてやりたいと、自分に出来る事をしようとしたと言うのに。
こんな子どもにまで、自分は負けてしまった。人間として。

39:374 ◆ldQo/fT6KU
07/10/04 00:35:43 wKvtG/uv
「……唯に、謝らなきゃ」
跪き、土下座をして許しを請わねばならない。
俺のせいで、彼は大学まで辞めてしまった。親には何と釈明しただろうか。
明らかに、彼の人生は狂ってしまっただろう。
「どう、安室さん。まだ、彼の事が嫌い?」
挟道さんが怜ちゃんに問いただす。
だが無論、怜ちゃんがイエスと答える事は無かった。
惨憺たる仕打ちを受けて尚、彼女を助けようとした男を、
まだ自分の勝手に作り上げた印象と、先入観だけで嫌い続けられる者など、居はしない。
消え入りそうな声で、怜ちゃんは呟いた。
「私、もう一度……お兄ちゃんの事、お兄ちゃんって呼びたい。
 お兄ちゃんの血が私の中に流れてるのが、今はとても嬉しい。
 本当にお兄ちゃんの妹に、なれたような気がするから」
唯と怜ちゃんは、今本当に、血の繋がりを得ていた。
「……もう一度会って、あいつにちゃんと謝りたい。
 私がお兄ちゃんって呼んだら、あいつは怒るかな?」
俺は首を横に振った。
そして、怜ちゃんが唯の血を嫌がってなどいない事を、
唯自身にも伝えなければならないと思った。
「俺、あいつの病室に行ってくる」
いてもたってもいられず、俺は慌てて廊下に出た。
だが、そこでばったりと出くわした看護士の女性に、俺は捕まった。
「あぁ、日色さんのご友人の方ですね?」
「……はい」
とても友人などと名乗る資格は俺にはなかったが、とりあえずそう答えておいた。
「日色さん、こちらに来られてませんか?」
「え? いえ、こっちには……あいつ、部屋にいるんじゃ……」
「さっき二度程病室を見て来たんですけど、
 二度とも日色さんがいなかったんですよ。
 一度目はお手洗いだろうと思ったんだけど、
 十分後にもう一度行った時もいなかったから、てっきり
 こっちに来てるのかと思ったんですが」
「……えぇっ!?」
「まだ回復してないだろうから、無闇に出歩くのは、よくないのに……
 一体どこ行ったのかしら……」
俺は振り向き、怜ちゃんの方を見た。
怜ちゃんは……いや、怜ちゃんばかりではない。
よく状況が飲み込めていない志保ちゃん以外、ほぼ全ての者が、
目を皿のように丸くして、唯の失踪に驚いていた。
「お兄ちゃん……」

40:名無しさん@ピンキー
07/10/04 08:16:30 Lpmh6qFJ
投下終了がわかるように一言添えたレスを入れたり、文末に『つづく』とか入れたりして区切りをはっきりさせるのが投下のマナー。

スレストさせるのが目的じゃないでしょう?

41:名無しさん@ピンキー
07/10/04 08:33:13 wKvtG/uv
>>40
そうしたかったんですが、連続投稿か何かでずっと弾かれてました
一応ギリギリ>>39で第九話は終了です
すみません

42:374 ◆ldQo/fT6KU
07/10/04 08:34:00 wKvtG/uv
あ、ハンドル忘れてました;

43:名無しさん@ピンキー
07/10/05 01:51:02 46LSoS/H
・・・

44:名無しさん@ピンキー
07/10/05 21:08:02 XPZFNRaJ
テキストにコピって、名前を変換してから読んでます


45:名無しさん@ピンキー
07/10/06 00:13:27 Ro3LIYnn
スレ落ちてると思ったらいつのまにか新スレになってたか
この夏の向こうまでの人の続き待ってるぜ

46:名無しさん@ピンキー
07/10/06 14:42:21 IXvUu6lE
俺も同じく期待してるよ。 この夏の向こうまで


47:名無しさん@ピンキー
07/10/06 22:39:34 ANrheiCw
この夏の向こうまで、だけ期待してる。
後はどうでもいい。

48:名無しさん@ピンキー
07/10/06 22:51:51 zyi6iMxi
この夏作者乙

49:名無しさん@ピンキー
07/10/06 23:27:11 rYkJxNi7
>>47
この夏…はどうでもいい。までは読んだ

50:名無しさん@ピンキー
07/10/06 23:30:31 OgIf+KK3
なんで楽しみにしてるって書いただけで叩かれるんだ?
ちょっと異常だろ…

他の作者に触れなかったら怒ったのか?


51:名無しさん@ピンキー
07/10/06 23:53:43 fB5V2kzA
まあ、そういうことだろうw

52:名無しさん@ピンキー
07/10/07 04:50:31 Pqf/JbXg
俺はROCO氏に期待してる
あの一人称視点、女のビッチさがたまらん

53:名無しさん@ピンキー
07/10/07 06:24:06 bzZYY79O
俺はかきやー氏を全裸で待ち続けてるんだが、いい加減そろそろ限界だわ。
身体的な意味で。

54:名無しさん@ピンキー
07/10/07 08:31:44 /GlvvA5a
かきやーさん前回の投稿から半年たってる?
そろそろ来てくれるかな

55:名無しさん@ピンキー
07/10/07 09:39:49 1w2k/deN
トシくんとあたしの続きを待って、祝半年!

56:名無しさん@ピンキー
07/10/07 10:30:41 8PtWSyWu
おい、お前らアニメ版キミキスが凄いぞ
まず妹が違うひとんちの子になってる
で主人公と同居って甘酸っぱい関係になったマオねえはDQNな不良っぽい男と絶賛フラグ立て中
更にその妹寝取った男が二見さんとキスする所で一話終了
原作のファンであればあるほどものすごい寝取られ感

57:名無しさん@ピンキー
07/10/07 13:38:06 YEFQj2BG
スレ違いだし主人公は別に好きな人がいるし、全く寝取られじゃねーよw

58:名無しさん@ピンキー
07/10/07 18:15:33 qoYhYJj1
寝取られの意味わかってる?

59:名無しさん@ピンキー
07/10/07 18:16:41 qoYhYJj1
>58は>56にです

60:名無しさん@ピンキー
07/10/07 23:44:03 8PtWSyWu
むぅ、ここの住人は表面的な寝取られにしかしか反応しないヤツラばっかりだったとは……ちょっと失望したよ
寝取られスレの看板は下ろした方がいいですよ

61:名無しさん@ピンキー
07/10/08 00:10:47 tsA8XSz6
寝取られではないが寝取られに近いイヤ~な気分を味わうシチュエーションだな。
俺は言いたくなる気持ちもわかるぞ
しかしその言い様はないだろう

62:名無しさん@ピンキー
07/10/08 00:50:23 g97gMtd6
言いたいことはわからんでもないが、
なんでもかんでも寝取られという言葉をあてはめるケースが増えてるからなぁ。

ハズレを経験していない人はいないだろうし、
純度の高い寝取られ作品をまずは求めたい気持ちがあるなぁ。

63:名無しさん@ピンキー
07/10/08 01:16:23 BCubbbq3
スレ違いって所は見えてないんだから荒らしと一緒だろ。反応するな

64:名無しさん@ピンキー
07/10/09 05:51:29 brM00FWR
NTRではないだろうが攻略可能だと思ったキャラが攻略不可だったり
他のキャラを好きになるというのはNTRに似た切なさはある
まぁ白けたというのが適切だろうが

65:名無しさん@ピンキー
07/10/09 22:29:24 2/Yr6EaT
アニメ版のキミキスの二次創作はことごとくNTRになりそうだな。
よし。
誰か立ててきなさい

66:名無しさん@ピンキー
07/10/10 01:43:46 CCUx1mPA
>>64
他にも主人公に惚れてたキャラがごくあっさりと気がついたら別のキャラを好きになってうまくいくとか激しく白けるな
例えば最近のあいこらとか
そう言えばテイルズオブファンタジアのアーチェが処女じゃないと知って以降絶対にやらないと心に決めたっけな

67:名無しさん@ピンキー
07/10/10 20:58:12 k682y6jj
ハーレム漫画や三角関係なんかにありがちな展開だね。
場合によっちゃ構わないけど、主人公が好きって要素が中核を担ってるようなキャラだと余計に白ける。
そういう要素を中心としてそのキャラが好きだった場合、好きだったキャラじゃなくなってしまってるわけだし。

例えば、どこぞの漫画の不殺の剣客が、途中で(それなりにイベント用意して良い話っぽく)心変わりして
「哀しいが今後は人も殺すでござるよ」とか心変わりしちゃったとして、それと似たようなもんだと思う。
そりゃそういう展開なんだから仕方ないとは思っても、不殺って辺りが好きだった人は白けるでしょ。どうしても。


そーいうのって、対抗キャラの整理って意図が見え見えで嫌いだわ。
…でもなぁ、64が言ってるのはそういうことじゃない気がするし、アーチェの部分はないわ…

68:名無しさん@ピンキー
07/10/11 01:09:44 Nktj9TzA
てか、誰か投下して(374の人以外で)

69:名無しさん@ピンキー
07/10/11 01:23:06 MkzAnI5V
まずは君からするんだ!

70:名無しさん@ピンキー
07/10/11 18:13:20 s71pSm4G
>>67
誤解のないように言っておくが俺は別にアーチェたん萌えーとかではないから。
ただ奴の言動は明らかに否処女のそれではないから不意打ちでダメージ2倍だっただけ。
ミントの方が好きだったが彼女が非処女だったとしてもこれほどのダメージはうけない。
しかも相手の男が登場するわけでもなく否処女設定になんの意味もないのも腹が立つ。
リフィル先生は大人ですから…普通だよね。
まぁ彼女が処女だったらそれはそれでイイが

71:名無しさん@ピンキー
07/10/11 18:56:29 qgjWjW1p
うざい

72:名無しさん@ピンキー
07/10/11 22:33:47 WuhVIDZ6
議論と自治は荒れの素と自重

73:名無しさん@ピンキー
07/10/11 23:39:29 MkzAnI5V
いや単にスレ違いで空気読んでない人だからじゃないの?

74:名無しさん@ピンキー
07/10/12 20:36:34 ff1fV+86
テイルズキモオタはさっさと下に失せろ。
URLリンク(yellow.ribbon.to)

75:名無しさん@ピンキー
07/10/13 14:07:01 AX1pYnKx
テイルズ厨は嫌われてるなぁ…
NTRに沿った話なら別にいいんじゃないの?
俺は知らないから乗らないけど。

76:名無しさん@ピンキー
07/10/13 14:17:54 /AJ/eKxe
テイルズに対する思いを、寝取られSSを書いてぶつけてくれるならいいけど、
70みたいな感じでやられると、71みたいな感想になってしまう。

77:名無しさん@ピンキー
07/10/13 18:58:59 nM9a14lF
とりあえずアーチェが非なのはあの世代の大半のboysには大きな衝撃を与えたはずだ

78:名無しさん@ピンキー
07/10/14 05:29:56 2xuCJh+z
>アーチェ非処女
箒ででも破ったんじゃないのか?

79:名無しさん@ピンキー
07/10/14 11:27:44 /LReDZxO
>>78
旅で家に泊まった男とランデブーってことが小説にあった希ガス

80:名無しさん@ピンキー
07/10/14 14:38:02 K+bLBY1r
それぐらい許してやれよ

81:名無しさん@ピンキー
07/10/14 20:21:56 A0c5J4gr
それでもアーチェの方が人気だったよな。
メインヒロインの名前すら思い出せん。

82:名無しさん@ピンキー
07/10/15 00:35:42 iuvISjA3
メインヒロインはミント。
ううう…ユニコーンイベントなんて嫌いだぁああああ

83:名無しさん@ピンキー
07/10/15 01:37:53 SELLcyPP
すずちゃんは?

84:名無しさん@ピンキー
07/10/15 04:45:45 5BGLXuOF
ユニコーンの馬並なアレに寝取られるミント

85:名無しさん@ピンキー
07/10/15 06:22:20 X7tyGMRM
邪武に寝取られるなんて

86:名無しさん@ピンキー
07/10/15 13:45:31 gMkTxwEe
かいきやーはまだかね?

87:名無しさん@ピンキー
07/10/15 21:45:21 Uc4wJL/R
そもそも主人公のクレスとくっつかないキャラなんだから処女とかどうでもよくね?

88:名無しさん@ピンキー
07/10/15 22:00:59 VX2ATtYv
そろそろ空気読んで自分がいるべきスレに戻ろうね^^

89:名無しさん@ピンキー
07/10/15 23:13:55 iuvISjA3
>>87
そういう問題ではないと思う。

90:名無しさん@ピンキー
07/10/16 01:11:54 vMmGycGk
>>89
1個前のレスくらい見ようw
検索すれば関連スレくらいすぐ見つかるでしょw

91:名無しさん@ピンキー
07/10/16 03:49:54 sUxZkDwM
テイルズ厨は巣へ帰れ。
手前のトラウマなんざ長々と聞きたかねえんだよ。
どんだけ打たれ弱いんだよ。
いつまで引っ張る気だ。



92:名無しさん@ピンキー
07/10/16 07:45:38 a0j6ciGW
よーし、ここは流れを正しい方向に戻すため、ヨヨの話でもしよう!

93:名無しさん@ピンキー
07/10/16 08:36:25 zP7+HkHN
サラマンダーより、はやーい☆(性的な意味で)

94:名無しさん@ピンキー
07/10/16 10:15:14 cmh8eiBW
その言葉、そもそもサラマンダーがどの程度(性的な意味で)耐久力があるのかが重要だ。

95:名無しさん@ピンキー
07/10/16 21:28:01 DQhyIZqf
アニメも終わったというのにかきやー氏の続編はまだなのでしょうか…
つかながされて藍蘭島でクグると、1ページ目にエロパロ保管庫が出てくるってどうよw

96:名無しさん@ピンキー
07/10/17 01:14:57 l6RQuOr7
>>90
見た上で無視したんだが。
そもそも厳密な寝取り寝取られのみで通用するほど流れが速いわけでもないし。
少しでも寝取り寝取られに引っかかるなにかがあればいいんじゃない?

>>92
バハムートラグーンはトラウマゲーNO1

97:名無しさん@ピンキー
07/10/17 04:45:59 bwhvKFPB
つーか、ここはエロパロ板なんだよ。
いいかげん半角板に行ってくれ。

98:名無しさん@ピンキー
07/10/17 05:35:21 XiuFwEae
96自身がアーチェ相手に色々妄想してたから、非処女な事実に自分が寝取られたように感じたでオケ?
個人的な妄想にまで付き合ってらんない

99:名無しさん@ピンキー
07/10/17 07:03:20 nLkVDrcc
またコドモ達にスレが寝取られてる。

というわけで、ショタ寝取りものください。

100:名無しさん@ピンキー
07/10/17 10:34:04 zLJHdjuf
まて、それはショタっ娘を寝取るのか、ショタっ子から寝取るのか、それが問題だ

101:名無しさん@ピンキー
07/10/17 11:11:07 w4nOqREe
ショタっ娘もショタっ子もゲットするのが漢だろw

102:名無しさん@ピンキー
07/10/17 23:17:47 JuGbETH6
もう面倒だからショタっ子からショタっ娘を寝取りゃいいんですよ

103:名無しさん@ピンキー
07/10/17 23:21:18 uuNRCa4X
バハラグのSSってどこかにないかのう

104:名無しさん@ピンキー
07/10/17 23:32:14 C+radhG3
バハラグのスレは既に2まで立っているが、ヨヨネタだけは無いな。


105:名無しさん@ピンキー
07/10/18 01:12:03 K6i1Z93i
>>98
いや、俺自身は別にアーチェに対してどうこうとは…
無意味にヤな気分を味わうイベントだとは思うけど

106:名無しさん@ピンキー
07/10/18 01:31:59 GOYa5opc
>>105
こいつはもう死んだ方がいいと思うんだけど…

107:名無しさん@ピンキー
07/10/18 07:33:26 9c/BZ+gB
>ショタっ娘
ロリじゃないのか?
それともブリジットのような子のことか

108:名無しさん@ピンキー
07/10/18 11:37:55 646Qn3zI
>>101
ばっか、ショタっ子が彼女を寝取られて、あまりの悔しさに
顔をグジュグジュにして泣いてる姿がそそるんじゃねーか。

109:名無しさん@ピンキー
07/10/18 19:45:34 Xt9BicWT
>>108
そこを襲うんですねw

110:名無しさん@ピンキー
07/10/19 04:54:10 Mp/W3dZC
>>106
105をかばうわけではないが君の物言いもどうかと思うぞ。
スレ違いが気に入らないなら別の話題を提供して話をそらせばいい。

111:名無しさん@ピンキー
07/10/19 05:45:09 ODSHC9AC
ショタッ娘ってのはショタ好きなおにゃのこだろ?

112:名無しさん@ピンキー
07/10/19 19:10:45 bS+bNZ4k
>>110
本人乙

113:名無しさん@ピンキー
07/10/19 19:50:33 dEbgb6EN
なんか粘着して叩いてる人いるみたいだね。

114:名無しさん@ピンキー
07/10/19 21:59:39 1dQraxf0
何時までも引っ張るやつがいるからでしょ

115:名無しさん@ピンキー
07/10/20 11:34:04 yRN4vknP
>>113
本人乙。
頼むから、もう言わせるなよ。

116:名無しさん@ピンキー
07/10/20 17:50:54 +ZX7vdOv
>>110 >>113
なぜ態々終わった話題を蒸し返すと小一時間ry

117:名無しさん@ピンキー
07/10/20 22:54:15 cMdVvLXF
>>116
いや>>1からずらっと見てたらすぐ本人認定するとことか
脳内の敵と戦ってるみたいでキモイでしょ。
114-115とかも臭いし。

118:名無しさん@ピンキー
07/10/20 23:37:20 uDSdU4fP
しつこいよ、マジで。

119:名無しさん@ピンキー
07/10/21 00:58:26 n8dWSEqn
で、続きを読みたい作品はなに?

120:名無しさん@ピンキー
07/10/21 01:06:29 rj91sZo8
かきやーさん…藍蘭島でもガールズブラボーでも英雄伝説でもいいから早く続きを…
パンツ脱いで待ってるにはキツイ季節になってきたんよ…

121:名無しさん@ピンキー
07/10/21 01:58:27 ikdwkWke
じゃあそのパンツを頭から被って変身するんだ

122:『練習』
07/10/21 05:40:30 JCyL64Vx
「ひっく…ぐす……」
夏休みも近づこうというある日。
僕の目の前で幼馴染の長月桃―モモちゃん―が泣いている。
僕とモモちゃんの両親はそれぞれ共働きなので、二人でよく一緒に遊んだ。
今、僕はモモちゃんの部屋にいる。
「あのさ、モモちゃん、何ががあったの?」
僕、若草春一はモモちゃんにそう問いかけた。
モモちゃんは昔から、困ったことがあると何でも僕に相談した。
そして、僕の助言を信頼する。
「うっう…シュンちゃん…グス」
モモちゃんは僕のことを『シュンちゃん』と呼ぶ。
女みたいな顔つきだと、小さいころからかわれたが、モモちゃんは僕とずっと仲良しだった。
小柄で優しく可愛いモモちゃん。
僕はそんなモモちゃんのことをいつの間にか…
「あのね、師走先輩がね…昨日…」
師走先輩、その名前が僕の心を痛みと共に現実に戻す。
1週間前にモモちゃんと付き合い始めた人だ。
5日前には手を繋いでデートしたこと、
3日前にはキスしたこと、
それらをモモちゃんが嬉しそうに報告するたびに僕は思い知らされた。
モモちゃんが好きなのは僕ではないということを。
昨日何かあったのかな?
手を繋ぎ、キスをしてそれから…
僕の妄想がどんどん加速する。
「昨日、何があったの?」
「先輩がね…ひっく…デートの後でホテルに行こう、って」
それってやっぱり…
僕の目の前が真っ暗になる。
「ホテル…モモちゃん、それってあの…その」
しどろもどろになる僕。
「あのね、男の人と女の人がその、Hなことする…」
モモちゃんも真っ赤になって答える。
「私ね、そういうのはまだ早いんじゃないのかな、て思って先輩に言ったの。そうでしょ?」
僕は心の中でほっとしながらも頷く。
僕らは中学1年生だし、先輩は中学2年生、確かに早すぎるように思う。

123:『練習』
07/10/21 05:41:30 JCyL64Vx
「それで、先輩は何て?」
「『お前は俺のことを愛してないのか!』って…グス」
その時のことを思い出したのかまた涙目になるモモちゃん。
いくら付き合っていてもそういうことで怒るのは間違っている。
そんな先輩とは別れてしまえば良いのに…
「私、怖いの…先輩のことは好きだけど。まだそういうことをするのは…」
「それで…どうなったの?」
「うん、その日はそこで分かれ…。どうすればいいのかな、シュンちゃん?」
別れるべきだ。そう僕は言うべきだ。
だが、僕はそうは言わなかった。
後から考えて何故そんなことを言ったのだろうか、と思う。
だけど、その時の僕は僕たちの関係を歪めてしまう言葉を口にした。
「『練習』…してみればいいんじゃないのかな」
「え?」
僕の言葉は止まらない。
「僕とHなことの『練習』をしようよ」
「シュンちゃん…?」
「だってさ、先輩とHなことしないと、モモちゃん、嫌われちゃうよ」
「でも、そんなの…」
「僕はモモちゃんと生まれてからずっと一緒にいたから、怖くないでしょ?」
モモちゃんは考え込んでしまった。
「本当に、先輩と仲直りできる?」
その言葉に僕は複雑な感情を抱いた。
僕との『練習』をすることに心が動いていること、
その動機が先輩との仲直りにあること、だからだ。
「じゃあ、さっそく『練習』を始めようよ」
「何を…するの…?」
恐る恐るモモちゃんは聞いてきた。
「まずは、そうだな…オチンチンに慣れることかな」
「なれる?」
モモちゃんは首を傾げる。

124:『練習』
07/10/21 05:42:27 JCyL64Vx
「そう、オチンチンにまずは慣れないと」
そう言って僕は自分のズボンを脱ぎだす。
モモちゃんは大慌てで目を逸らそうとする。
「いいの?先輩にきらわれちゃうよ?それに昔は一緒にお風呂に入ったよね?」
先輩に嫌われる、その言葉を聞きモモちゃんは恐る恐る僕の股間を見つめる。
「シュンちゃんの昔と違っておっきいね…それに、毛も生えている…」
モモちゃんは膨れ上がった僕の股間を見つめていった。
「触ってみてよ」
「えっ…でもオシッコするところでしょ、汚いよ」
いきなりこれは早かったかもしれない。
「じゃあ、僕洗ってくるよ、シャワー貸してねモモちゃん」
そう言って僕は浴室に向かった。
浴室の中で僕は膨れ上がった股間を丁寧に洗っていた。
これからどうしようか…そう考えていると物音が聞こえた。
「あの、シュンちゃん?」
僕の心臓が跳ね上がる。
そう言ってモモちゃんは遠慮がちな声と共に入ってきた。
学校の授業で使っている水着姿で。
「なんだ…」
「どうしたの?」
思わずでた失望の声に無邪気に首を傾げるモモちゃん。
そういえば一緒にお風呂に入るのは幼稚園以来だ。
モモちゃんの体型はツルペタだ。
それでも水着姿だと胸の微かな膨らみが分かる。
「なんでもないよ。それよりモモちゃんはどうしてここに?」
「えっとね…触る前にきちんと洗ってくれているか見に来たの」
と言いながら興味深々なようすで僕の股間を見つめた。
幼馴染の気安さからだろうか?
「へぇ…やっぱり、昔見たのと全然違う…」
あまりじろじろ見られると落ち着かない。
「モモちゃんが洗ってよ」
「私が…?」
「おチンチンに慣れる事ができるし、きれいにできて一石二鳥だよ」
「うん…」
モモちゃんは恐々と自分の手を泡立てて僕の股間を優しく包み込むように洗い出した。
「あっ…」


125:『練習』
07/10/21 05:43:28 JCyL64Vx
「大丈夫?変なところ触っちゃった?」
声をあげた僕に手を止め心配そうに尋ねるモモちゃん。
だけど、そうじゃなくて、とても気持ちが良かったのだ。
大好きなモモちゃんにオチンチンを洗ってもらうのがこんなに気持ち良かったなんて。
僕はしばらく感動していた。
「本当に、大丈夫?」
「あっ…うん大丈夫だよ、続けて」
モモちゃんの声に我に返り続きを促す。
優しく股間を洗われているうちに僕の呼吸が荒くなる。
「ハァハァ、出るよ、モモちゃん」
「えっ?キャア」
今まで味わったことの無い快感と共に射精する
ビュッビュッと精液がモモちゃんの水着にかかり、どろりとした液体が白く染める。
それを見て僕は満足した。
モモちゃんを初めて汚した人になったのだ。
僕は師走先輩に対して優越感を抱いた。
(モモちゃんは、僕のだ…)
「シュンちゃん…酷いよ」
「ゴメンね、でもほら、これが精液、赤ちゃんの素だよ」
「これが、赤ちゃんの素…?変な臭いだね…シュンちゃんの小さくなっちゃたね」
水着にかかった精液を指で掬って匂いを嗅ぎながらモモちゃんは言う。
確かに一度出してしまい僕のオチンチンは萎んでしまった。
だけど水着を白く汚されたモモちゃんを見ているうちにオチンチンがムクムクと復活しだした。
「あっ…また大きくなってる…」
モモちゃんが驚いたように言う。
「モモちゃん『練習』の続きをしよう。」
「うん、でもその前に洗わせて。汚れちゃったし」
モモちゃんは精液の付いた手をお湯で流しながら言った。
僕はモモちゃんの白く汚れた水着を見てふとあることを思いついた。
手を泡立ててモモちゃんの水着に付いた精液をふき取るのだ。
あまり膨らんでないモモちゃんの胸の辺りを触ってみる。
モモちゃんの胸は緩やかだが、柔らかく暖かかった。

126:『練習』
07/10/21 05:44:22 JCyL64Vx
「キャッ」
胸の辺りに触られてモモちゃんが声を上げた。
「あっ、シュンちゃん…何をするの?」
「僕のオチンチンを洗ってくれたお礼に、モモちゃんを洗ってあげる」
そういって僕は泡のついた手で精液の付いたあたりを洗い出す。
水着越しではあるが、その感触は心地よいものだった。
「モモちゃん、手が空いているなら、僕のオチンチン洗ってよ」
「あっ…うん分かった。あん、くすぐったい」
僕に胸をいじられ変な声を出しながらもオチンチンに再び手を伸ばすモモちゃん。
気持ちいい感触が股間と手に集まる。
モモちゃんも興奮してきたのか息が少し荒くなる。
二人のハァハァという声が浴室に響く。
まずい、また出ちゃう…
「きれいに洗ったし、お湯で流そう」
「うん…」
トロンとした瞳で僕を見つめたモモちゃんがうなずく。
そして、シャワーで泡を流した。
「次は…何をするの?」
モモちゃんは僕を信頼しきった表情で見つめる。
僕はモモちゃんの胸の感触の余韻に浸っていたが、その声で現実にもどる。
「うん、次はオチンチンをなめて。」
Hな本で読んだがフェラチオというやつだ。
「オチンチンを…?」
また、先ほどの大きさを取り戻した僕の股間を見つめてモモちゃんが言う。
「洗ったからきれいになってるでしょ」
「でも…」
「師走先輩に嫌われてもいいの?」
優しい口調でそう声をかける。
先輩の名前を出すのは嫌だけど、それを利用してモモちゃんを汚したくなった。
モモちゃんは片時も僕のオチンチンから目を離さないでいる。

127:『練習』
07/10/21 05:45:19 JCyL64Vx
「うん…分かった」
しばらくためらったのち、モモちゃんは頷いた。
「じゃあ、まずさきっぽを舐めて」
僕は立ち上がり、モモちゃんを跪かせて、股間に顔を近づけさせた。
モモちゃんはゆっくりと僕のオチンチンに顔を近づけ、さきっぽをペロッと舐めた。
「ああ…」
僕の体に快感が走った。
「これで…いいの?」
「うん…その調子だよ」
そう言ってモモちゃんの頭をなでるとくすぐったそうな表情になった。
その表情とモモちゃんにしていることのギャップが僕をさらに興奮させた。
ピチャ、ピチャという音が浴室に響く。
(気持ちいい、でもすぐ出さないようにしよう)
僕は断続的に続く快感に耐えた。
「モモちゃん…」
「なあに?」
「今度はさきっぽだけじゃなく口の中に咥えて…」
「うん…」
そういうと僕のオチンチンをパックリと咥える。
そして、僕の顔を見上げる。
「うう…いいよモモちゃん…そのまま舐めて」
口の中は暖かくてまるで優しく包み込まれるようだ。
快感がさらに強くなる。
「ん……んん……んぐ……んっ」
モモちゃんは一生懸命に舌を動かす。
モモちゃんの肩に手をおき、快感と感動に震えた。
「んぐ……ん……んぐ」
(ああ…モモちゃんの口の中、最高だ…)
もっと続けたいが、そろそろ限界だ。
「モモちゃん、出すよ!」
ビュッ、ビュッ。

128:『練習』
07/10/21 05:46:12 JCyL64Vx
「ん…?んん!」
射精に驚いたような表情を見せ、顔を離そうとするモモちゃん。
だけど、僕はモモちゃんの顔をつかんで離さない。
そして、射精が終わると、モモちゃんの顔から手を離す。
「ゲホッ…ゲホ…」
口に溜まった精液を吐き出すモモちゃん。
僕はぼんやりとしているモモちゃんの唇に、
「ん…」
キスをした。
モモちゃんの唇の感触を感じ、舌を入れて味わった。
舌に精液の味がした。
とても生臭く、Hな本で精液を飲む女性がいたけど、あれは嘘だなと思った。
「ん…あっ」
唇を離す。
「どうして、キスしたの?シュンちゃん」
モモちゃんは不思議そうに聞く。
モモちゃんにとって僕はキスするような相手ではないのか…
僕は君とキスしたかったんだ、モモちゃん。
「口が汚れちゃったから、きれいにしたんだよ」
「きれいに?」
「そうだよ。モモちゃん」
僕は内心を隠していった。
「ふうん…ありがとうシュンちゃん」
モモちゃんの笑顔が僕の心を乱す。
「ねぇ…シュンちゃん」
「なに、モモちゃん?」
「師走先輩、今のことしたら喜んでくれるかな?」
師走先輩、僕と二人きりで、僕のオチンチンを咥えながら、モモちゃんが考えていたこと。
モモちゃんの心の中に僕はいないのだろうか?
僕の心が黒く染まっていく。

129:『練習』
07/10/21 05:47:17 JCyL64Vx
「ダメだよ…」
僕は冷たく言う。
「えっ?」
「全然話にならないよ…」
「どうして?」
モモちゃんの顔が泣きそうになる。
かまわず僕は続ける。
「だって…モモちゃん、僕の精液飲まなかったよね?」
「え…そんなの無理だよ」
相変わらず泣きそうなモモちゃんの顔。
それでも僕は続ける。
「男の人はね…飲んでもらわないと愛情が無いと思っちゃうんだ」
「そんな…」
僕は心の中で嘘だ、と叫んでいた。
あんなものを飲まないと愛情が無いなんて嘘だ、と。
「でも、大丈夫だよ」
急に僕は優しくニッコリ笑って言う。
モモちゃんのことを安心させるように続ける。
「大丈夫…?」
「最初はだれでもうまくいかないんだ。だからもっと『練習』すればうまくいくよ」
「本当に?」
「僕はいつも、モモちゃんを助けてきたじゃない」
そして、今はモモちゃんを汚している。
「うん、ありがとうシュンちゃん!」
モモちゃんは笑顔になって抱きついてきた。
水着越しに柔らかい感触が僕を包む。
僕はモモちゃんの頭をなでながら言う。
「じゃあ、今度はきちんと飲めるように『練習』の続きをしようね…」


こうして、僕たちの関係は歪んでしまった。
モモちゃんの心は僕に無いのに、モモちゃんの体は僕が汚す。
僕はモモちゃんと恋人になりたかったのに。
僕は一体何を間違ってしまったのだろうか。

130:『練習』
07/10/21 06:02:45 JCyL64Vx
以上です。
スレ汚し失礼しました。

131:名無しさん@ピンキー
07/10/21 08:15:37 uxiog/Nf
これは続きを気体

132:名無しさん@ピンキー
07/10/21 17:01:30 4canijbJ
これは・・・いい。
幼馴染を「寝取る」っていうのが新しいな。

133:名無しさん@ピンキー
07/10/21 17:22:25 V4SAdoQ9
善意に来るんだ歪んだ愛情と性欲って感じがたまらない
幼馴染が好きだから止められなくて自己嫌悪していく主人公がたまらん

134:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:17:07 ktw3Az77
練習で寝取られるとこの馬鹿ビッチが!!と怒りを覚えるが練習で寝取るとこの女馬鹿だ…プギャーと笑いつつ興奮するから不思議だ
それにしてもこれはあまり見ないタイプのSSだな

135:名無しさん@ピンキー
07/10/22 06:53:06 pM0tI/ua
斬新じゃないか
GJ!

136:名無しさん@ピンキー
07/10/22 07:21:06 Kb0EWVEp
練習で~ってなるとまずバッドエンドなりそうな。
スクールデイズなんかそんな感じ。

137:名無しさん@ピンキー
07/10/22 15:58:22 /U6C4k4N
俺的には、バッドエンドって『モモちゃんが主人公との愛に目覚めちゃって終わり』なんだけどなあ…
このスレって、ネトラーの方がネトラレラー(言いにくい)より多いのだろうか

138:名無しさん@ピンキー
07/10/22 16:35:53 5y9XpSUE
属性としては、彼女が快楽に負けて彼氏を裏切ってしまうってところに重点を置く人が多いからじゃない?


139:名無しさん@ピンキー
07/10/22 21:12:19 lmJWI0LM
寝取られているのに寝取っている。これは斬新。結末としては

主人公の成功→寝取り小説
主人公の失敗→寝取られ小説

続きに期待

140:名無しさん@ピンキー
07/10/22 23:53:01 ktw3Az77
正確に言えば「寝」取られてないけどね。

141:名無しさん@ピンキー
07/10/23 03:14:48 1t13uEHi
奪われているのに奪い返しているの方が正しいか

142:名無しさん@ピンキー
07/10/24 23:39:10 GdNM2r2h
寝取り方向が面白そうだな

143:小ネタ
07/10/25 02:17:35 mPUlh+2K
舞台裏


わたしは、入雲夕凪(いりくもゆうなぎ)、いわゆる入雲財閥のご令嬢というやつね。
わたしのような完璧な人間にも、悩み事があるわ。
幼馴染の蕨清明(わらびせいめい)。
何が楽しいのかいつも、ニコニコしていて、見ていてイライラするわ。
おまけに、入雲財閥の令嬢であるわたしのことを高校生になっても
『ゆうなぎちゃん、ゆうなぎちゃん』などとなれなれしく呼ぶ始末。
救いようの無い馬鹿ね。
高校に入るときもわざわざ遠くの高校を選んで一人暮らしをするなんて、わたしに対する嫌がらせね。
一緒の高校に行ってあげてるわたしのことを少しは考えたらどうかしら。
馬鹿な幼馴染を持つと苦労が耐えないわ。
まあ、わたしにも落ち度はあるわ。
不覚にも幼稚園の頃、
『ぼく、ゆうなぎちゃんをお嫁さんにしてあげるね!』
『し、仕方ないわね!わたしのお婿さんにはしてあげるわ!』
なんて約束をしてしまったものね。
そうよ、相手が馬鹿でも、や、約束は守らないといけないわ。

144:小ネタ
07/10/25 02:18:50 mPUlh+2K
「お嬢様」
「なに、泉」
これは、わたしの執事の泉。
お祖父さまの代から仕えている忠実な男よ。
「蕨様のことで…」
「あの馬鹿がどうしたの?」
「なにやら恋人がおできになられたとのことですが…」
「なんですって!!」
わたしは大急ぎで携帯を使って馬鹿を呼び出したわ。
『あ、もしもし、ゆうなぎちゃん?』
「そうよ!あんた、今日、何か無かった!?」
『うん、ゆうなぎちゃんに真っ先に伝えようと思ってたんだけど』
あの馬鹿の能天気な笑顔が頭に浮かぶわ。
「速く用件を言いなさい!!」
『恋人が出来たんだよ』
「誰!?名前は!!?」
『同じクラスの青鷺宮(あおさぎみや)さんだよ』
「そう…」
わたしの声の変化にも気づかず、能天気に続ける。
相変わらず空気がよめないのね、この馬鹿は!
『当たって砕けろっていうけど、意外とうまくいくんだね』
「良かったじゃない…」
『あっ、ごめんね、今からデートなんだ。じゃあね』
ガシャン!
携帯をそろそろ買い直さなければいけないと思っていたから、ちょうどいいわ。
「泉」
「はっ、何でしょう、お嬢様」
「あの馬鹿にまとわり付いた害虫を駆除して頂戴」
「はっ、どのような方法で?」
「任せるわ」
「畏まりました」

145:小ネタ
07/10/25 02:19:43 mPUlh+2K
数日後
『いいっ、いいですぅ、もっとぉ、もっとお願いしますぅっ!』
『くっ、まったく、淫乱なお嬢ちゃんだな』
『はいいっ、淫乱な雌豚にご褒美をくださいいっ!ご主人様ぁっ』
『はいはい、ほらよ、ご褒美のザーメンだ』
『ああっ、ありがとうございますうっ、孕んじゃう、孕んじゃう、みや孕んじゃううっ!』
『腹ボテになっても、楽しませてくれるよなあ?』
『はいいっ、みやはご主人様の雌豚ですぅっ』
『ほら、続き行くぞ、雌豚の宮ちゃん』
『あんっ、いいっ…もう、らめぇ…』
ぴっ。
DVDを途中で止め、泉に向かって言う。
「思ったより、遅かったわね。」
「申し訳ありません。薬漬けにした後も、思いのほか長く理性が残っておりまして」
「それにしてもこの娘、頭おかしいんじゃない?」
「薬のためには何でもするように躾けましたので。途中経過をご覧になりますか?」
「そんなものはいいわ。それで、これはいつ清明の所に届くのかしら?」
「明日には届きます」
「そう、下がって良いわ」
「はっ」
まったく。
あの馬鹿をわざわざ慰めるためだけにわたしの貴重な時間がつぶれてしまうわ。
駆除した後もわたしに迷惑をかけるなんて本当、害虫って最低。
まあ、そもそもはあの馬鹿が悪いのだけど。
ホント、馬鹿な幼馴染を持つと苦労が耐えないわ。


以上です。

146:小ネタ
07/10/25 02:23:02 mPUlh+2K
訂正です
×苦労が耐えない
○苦労が絶えない

失礼しました。

147:名無しさん@ピンキー
07/10/25 06:27:44 OcM2rhIR
また新しいタイプの寝取り(?)だね
GJ

148:名無しさん@ピンキー
07/10/25 09:22:44 tAgmMsoD
オレ的には、宮ちゃんの描写(外見・ヤラれてる様子)がチョビッとでもあると
さらにグッとくるけど、確かに新しい何かを感じるGJ!

149:名無しさん@ピンキー
07/10/25 11:04:38 eLFlHa5n
ここって実体験を書いてもいいとこですか?
ありきたりな寝取り(といっても一回きり)ですが、はきだしとこうと思いまして・・・。

とりあえずわさりだけ。


俺が19の時の話です。
男友達しかいなくって、女の子が周りに居なかった19歳。
精力が盛んでした。盛んといっても彼女はおらず、まあ一日に何回もオネヌってるだけでしたがwちなみにもちろんチェリーボーイです。
そんな折に親友祐二に彼女恭子ができたと。先越されたと思いましたね・・。
そこは大人な対応で、おう、よかったな、なんて言ってました。正直羨ましかったです。顔みるまではw

続きは希望があれば書きます。

150:名無しさん@ピンキー
07/10/25 11:42:50 gS4Y7S2J
実体験は不倫・浮気板にでも行けよ

全裸待機しすぎて風邪ひいた orz

151:名無しさん@ピンキー
07/10/25 13:53:29 0WEW+l9L
>>143
これはすごいツンデレだなw

152:名無しさん@ピンキー
07/10/25 17:27:04 4i4wo9e9
いやこれはヤンデレってやつだろう。

153:名無しさん@ピンキー
07/10/25 21:08:57 2wzaCzjQ
寝取り小説がほとんどない状態だっただけに幅が広がるのはいいね

154:パパイヤ
07/10/25 21:41:59 sD38uf6W
矢島大介が学食で食事をしていると、背後に座っている男子学生の二人連れが、
気になる事を言った。
「経済学部の山瀬仁美って知ってるか」
「ああ」
「俺、この前、あいつと飲みに行ったんだけど」
男子学生がどこの誰かはどうでも良いが、気になるのは山瀬仁美という名前の方。
何故なら、大介はその名を持つ女とほんの一ヶ月前まで付き合っていたからだ。

「すぐにやらせてくれたぜ」
「付き合ってるのか?」
「まさか。何度かやらせてもらったけど、可愛い顔してる割に貪欲でさ。彼女には
したくないタイプだったぜ」
「サセ子なのかな」
「お前も誘ってみたら?」

ここで大介は席を立った。耳障りこの上ない会話に食欲も失せてしまったのだ。
(仁美、どうしてるのかな)
大介はふと、別れた女の影を追った。容姿は十人並みよりちょっと上、愛嬌があっ
て男好きのする性格だったように思う。あの時はおしとやかで従順で、あまり声を
上げなかったはずだ。大介は薄闇に浮ぶ、仁美の肉体を今もしっかりと目に焼き
付けている。

外へ出てタバコを吸っていると、偶然にもその仁美が目の前を歩いていた。声を
掛けようか迷っていると、
「仁美」
と、見知らぬ男が先に名前を呼んだ。
「篤くん」
「今夜、いいか?皆で飲みたいんだけど」
「いいよ。暇してる」
飲み会の誘いのようだった。大介は黙って踵を返して顔を伏せる。

155:パパイヤ
07/10/25 21:58:44 sD38uf6W
強い酒を飲んだ時のように、胃がかっと熱くなった。篤くんと呼ばれた男は新しい
恋人だろうか。いや、そうに決まっている。となれば自分が付き合っていた時のよう
に、男女の関係になっているはずだ。俺が手をつけた女があの野郎に。大介の心
は張り裂けんばかりである。

別れた理由は他愛の無い物だった。口喧嘩に始まって、罵られてかっとなりつい
手を上げてしまった。平手でぴしゃりと頬を打つと、仁美は黙って目の前から去って
行った。大介も意固地になり、とうとう今日まで謝る機会を逃してしまったが、仁美を
嫌いになった訳ではない。むしろ離れてからは日、一日と恋心が募るばかりで、共通
の友人に仲裁を頼みたいくらいである。だが、今の様子を見ると、好機を逃してしまっ
た感がある。大介はタバコを揉み消しながら、小さくなる仁美の背を見送った。

その晩、大介は小さな居酒屋で友人と飲んでいた。先だっての事もあり、やや荒れ気
味である。そうして杯を重ねていると、見知った顔が店内に入ってきた。
「五人だけど、空いてるかな」
そう言ったのは、仁美に篤くんと呼ばれた男。その後に仁美と、何人かの男が続く。
「お座敷へどうぞ」
従業員が案内をして、一同は奥座敷へ向かった。
「あれ、うちの学生だろう」
友人の言葉を大介は無視した。仁美が誰と飲もうと関係ない。そう心で叫んでいた。

かれこれ一時間も飲み、小用を足したくなると大介は便所へと向かった。その時、あの
奥座敷の前を通るのだが、わざと顔を背けてやり過ごす。ただ耳を欹てていたので、
間接的ながらも中の様子が窺えた。
「いいぞ、仁美。もっと脱げ」
耳を押さえたくなるような居酒屋の喧騒の中で、大介ははっきりとその言葉を聞いた。
そして心臓が誰かの手に掴まれたように痛む。

156:パパイヤ
07/10/25 22:12:05 sD38uf6W
「ブラも取っちまえよ」
また聞こえた。この中で一体何が起こっているのか。大介の心臓は恐ろしいほどに
早まった。
「駄目よ、これ以上は」
「もったいつけるなよ」
「下も脱げ」
大介の脳内に、男数人を向こうに回して服を脱ぐ仁美の姿が結ばれた。なまじ女体
を知っている為、一層、現実味を帯びていた。

「あっ、駄目よ。触らないで」
「お客さん、おさわりは困りますねえ」
篤という名のあの男が、妙な節回しでそんな事を言った。仁美をストリッパーか何か
に見立てている。その事が大介の癪に障った。
「おっぱいの形が良いな」
「そそるぜ」
酒が回っているのか、淫猥な言葉が次々に仁美へ投げかけられている。この襖一枚
を隔てて、かつて恋人だった女が男数人の前で素肌を晒しているという事実に、大介
は絶望的な気持ちになった。

(悪い夢なら醒めてくれ)
過酷な現実だった。立ち止まらなければ良かった。知らなければそれで済んだのにと
こみ上げてくる涙を辛うじて止めた。
「パンツは俺が脱がしてやるよ」
篤の声だった。次に聞こえてきたのは仁美の哀願する声。
「ここじゃ危ないよ。お店の人が入ってくるかもしれないし、やめようよ」
「追加注文しなきゃ、わざわざ入ってこないさ。おい、お前ら、体押さえとけ」
「駄目だって・・・あっ」
ここで会話は途絶えた。後は店内の喧騒に紛れて、中の様子は窺えなかった。

157:パパイヤ
07/10/25 22:31:28 sD38uf6W
(仁美)
大介は顔を手で押さえながら、男たちに捕らえられるかつての恋人の姿を思った。
仁美は篤の恋人ではない。男数人の共通の玩具である。どんな激しい行為に及ぶ
のだろうか。嫌がっているのか、それとも喜んでいるのか。様々な光景が頭の奥で
結ばれ、切れ切れに散っていく。落花無残とでも言うべきか、美しい花が手折られる
ような残酷さがそこにはあった。

座席に戻った大介の顔を見て、友人が驚いた。
「お前、顔色悪いぜ」
「酔ったかな」
「そろそろお勘定といくか」
「いや、もう少し飲みたい気分なんだ」
そう、仁美と男たちがあの奥座敷から出てくるまでは─大介は震える手で杯を
干した。

それから一時間ほどして、あの篤が伝票を持って現れた。その後に仁美、そして
男たちと入店時と同じ並びでやって来る。大介が横目で仁美を見ると、ひどく憔悴
した感じだった。それに対し、男共はすっきりした顔である。大介は小一時間で、
仁美が男全員に犯されたと悟った。まるで玩具のように扱われたのだ。仁美が店を
出た時、大介も反射的に飛び出していた。闇の中で目を凝らすと、一同は大通りに
向かって歩いていく所だった。

仁美は男達の真ん中にいて、足取りも覚束ないようだったが、夜風に当たって気を
取り戻したのか、存外、上機嫌である。その時、不意に男の一人が仁美のスカートを
捲り上げると、真っ白な尻がお目見えした。下着は身に着けていない。
「やだ、やめてよ」
「そうだぜ。今夜はこれから、いくらでもできるんだから」
「そうよ、篤くんの言う通り」
アハハ、と仁美は大声で笑った。その自棄のような楽しんでるような、かつて恋人と
呼んだ女の複雑極まる様子を、大介は落涙しながら見送った。

おすまい

158:名無しさん@ピンキー
07/10/25 22:36:34 5wP7NJ3S
リアルタイムでした。風が冷たいねぇ

159:小ネタ
07/10/26 03:00:19 9HKongRJ
表舞台(舞台裏>>143-145別視点兼続きです)


青鷺さんがいない。
ここ数日の間僕、蕨清明(わらびせいめい)の恋人の青鷺宮(あおさぎみや)さんの姿を見ない。
と、いうよりも僕が彼女に告白をして、OKをもらった日から彼女を見ない。
学校には来ていないし、携帯にもつながらない。
焦りばかりが募る中、DVDが送られてきた。
送り主は青鷺宮、青鷺さんだ。
手掛かりになるのではないかと思い、急いでDVDを再生させた。
真っ白い部屋が映る。
そこには、鎖に繋がれた女の子。
日焼けした健康そうな肌に、短く切った明るい茶色の髪。
全体的にすらりとした体であるけれど、ボリュームのある胸。
だけど、彼女の目はどんよりと濁っていた。
青鷺さんだ…
「どうして…?」
一体何があったのだろう。
そこに、中年ぐらいの男が入ってくる。
上半身が裸で、弛んだ脂肪を揺らしながら歩いてくる。
『グフフ、宮ちゃん、ご主人様が来たよぉ』
いやらしく嗤う男。
すると、表情を輝かせる青鷺さん。
『ご主人様!ご主人様!みやに逞しいの頂戴!』
立ち上がって駆け寄ろうとするが、鎖に阻まれ転ぶ。
『何をそんなに焦ってるんだい?、宮ちゃん…ご主人様は逃げないよぉ』

160:小ネタ
07/10/26 03:01:24 9HKongRJ
「えっ…?」
そういって、ペニスを出す男。
『ああっ、早くぅ!早くぅ!』
期待に目を輝かせる青鷺さん。
そんな彼女を乱暴に押し倒し、挿入する。
「う…そだ…」
『いいっ、いいですぅ、もっとぉ、もっとお願いしますぅっ!』
『くっ、まったく、淫乱な、お嬢ちゃんだな』
男は青鷺さんの胸を鷲づかみにしながら乱暴に青鷺さんを突き続ける。
涎を垂らしながら、焦点の合わない瞳で腰を振り続ける青鷺さん。
『はいいっ、淫乱な雌豚にご褒美をくださいいっ!ご主人様ぁっ』
『はいはい、ほらよ、ご褒美の、ザーメンだ』
そう言って、彼女のお腹に射精する男。
彼女が、汚れさていく…
「どう…して…」
彼女は自分のお腹に付いた精液を手にすくい、あちこちに塗りたくる。
胸、頭、口、腕、そして特に念入りに、股間の辺りを。
『ああっ、ありがとうございますうっ、孕んじゃう、孕んじゃう、みや孕んじゃううっ!』
『腹ボテに、なっても、楽しませて、くれるよ、なあ!』
いやらしい笑みを浮かべながら青鷺さんを激しく突く男。
『はいいっ、みやはご主人様の雌豚ですぅっ』
『ほら、続き行くぞ、雌豚の宮ちゃん』
また、青鷺さんの中にペニスを挿入し、腰を振る。
『あんっ、いいっ…もう、らめぇ…』

161:小ネタ
07/10/26 03:02:34 9HKongRJ
と、そこで、腰の動きを止める男。
ただ、その手は青鷺さんの豊かな胸をいやらしい手つきで揉み続ける。
『あん…ご主人さまぁ…?』
不思議そうに男を見る青鷺さん。
『そういえば、宮ちゃんには恋人がいるんだよなぁ?』
僕の、ことか…?
『えっ…?』
『恋人がいるのにこんなことをしちゃあいけないよなあ?』
『いやああああああああああ!!』
絶叫する青鷺さん。
『ペニス、ペニス欲しい!無いとダメ!みや死んじゃう!!ザーメン頂戴!!』
『でもなぁ、恋人に悪いだろう?』
半狂乱になる青鷺さんに意地悪く嗤う男。
『いない!いない!そんなのいない!!頂戴!ご褒美頂戴!!』
「そ…そん…な…」
『じゃあ、ちゃんとお願いするんだよぉ』
『みやは雌豚ですっ!ご主人様の僕ですっ!いやらしい雌豚にご褒美を下さいいっ!!』
悲痛な声で懇願する青鷺さん。
『いい子だねぇ…宮ちゃん!』
そういって、激しく腰を振る男。
『もっと!モット!みやを、イカセてぇ!!』
「あ…あ…」
狂ったように叫ぶ青鷺さん。
DVDはまだ続いている。
でも、僕の心はそれ以上の内容を受け入れるのを拒み、
「うっ…ああ…」
僕の意識は暗闇に沈んだ。


162:小ネタ
07/10/26 03:03:57 9HKongRJ
暖かい…
目を覚ますと頭に心地よい感触とよく知った顔。
「ゆうなぎちゃん…?うわっ!」
目の前には幼馴染のゆうなぎちゃんが僕に膝枕をしていた。
「あんたね…わたしがせっかく来てあげたのに、スケベなビデオ見てお寝んねしてるとはいい度胸じゃない?」
彼女は意地悪そうに笑って言う。
僕は、思い出す。
「違…うっ…あっ…うう…」
「ちょっと、どうしたの!?」
嗚咽を漏らす僕に彼女が驚いたように聞く。
しばらくして、僕は説明する。
「ふうん、要するにあんたは捨てられたのね」
彼女は容赦ない。
「そ…そんな…」
「こんなビデオ送っておいて、まだ向こうがあんたのこと好きだとおもってたの?」
呆れたように言う彼女。
「で…でも…グス…」
「男が泣くな!あんたいつもへらへら笑ってるでしょ!?」
「いたっ」
彼女に殴られたがそう言われても、いつも通りは無理だ。
「まったく…しょうがないわね…」
彼女は困ったように言った。
彼女は優しい。
ちょっと口が悪いけれど、『し、仕方ないわね!』と言いつつ僕を助けてくれる。
今回も失恋した僕を慰めようとしているのだろう。
それでも…今回ばかりは泣き続ける僕。
「うっ…ぐす……んむう!?」
唐突に彼女にキスされた。
「んむ…ほら、あんた、責任取りなさい!」
「せき…にん…?」
「わたしのファーストキスを奪った責任よ!」
「それは…ゆうなぎちゃんが…」
「言い訳?」
「いや…その…」
「それにあんた『ゆうなぎちゃんのお婿さんになる!』って言ったでしょう!?」
「いや…ゆうなぎちゃんをお嫁さんにするとは言ったけど…アダッ」
また、叩かれる。
それにその話は幼稚園の頃の話だ。
「と・に・か・く。あんたはわたしに付いて来ればいいのよ!」
「う…うん」
やっぱり、彼女は優しい。
幼稚園の頃のことも覚えていてくれた。
「じゃあ、始めるわよ」
彼女はニヤリと笑う。
そして服を脱ぎ始める。
「えっ…待って…」
「なっ何よ!」
彼女の顔が心なしか赤い。

163:小ネタ
07/10/26 03:05:01 9HKongRJ
「そんな、いきなり…」
「あんたも脱ぐのよ!」
彼女に押し倒され、服を脱がされていく僕。
「へぇ…あんた、何だかんだ言ってヤリたいんじゃない」
押し倒したまま、僕のペニスを見てあざ笑う彼女。
そう言いながら彼女も服を脱いでいく。
服を脱いだ彼女を見る。
細く白い体。そして、流れるような濡れ羽色の髪。
胸の膨らみは青鷺さんに比べると負けるがそれでも女性を感じさせる。
「あんた、今変なこと考えなかった!?」
「…そんなことないよ!」
時々思うけど、彼女は心が読めるのだろうか?
僕を睨み付けるが、
「フン…いいわ」
と追求を止める。
彼女の体を見ているとDVDを思い出す。
青鷺さんを胸を揉みながら激しく突く男。
青鷺さんは…でも、ゆうなぎちゃんはここにいる。
「ゆうなぎちゃん!」
「えっ…きゃあ!」
彼女を押し倒す。
その胸を乱暴につかんで揉みしだく。
そして、乳首に吸い付く。
「やっ…ん…ちょっと…あん…」
彼女は感じている!
いつも、乱暴で、僕よりしっかりしているゆうなぎちゃんが。
「ゆうなぎちゃん!ゆうなぎちゃん!」
そう言って、凶暴に猛っているペニスを彼女に突き刺そうとする。
なかなか入らない。
「ああっ…やっ…やめなさ…やん」
やった、入った!
そのことに感動し彼女の中を突き進む。
「あん…やめ…痛い!」
ペニスを入れていくと彼女は痛みを訴えだした。
それでも僕は快楽を求めることを止めない。
「イイよ!ゆうなぎちゃん!イイよ!もっと!もっと、したいんだ!」
彼女は僕のモノだ!誰にも渡さない!
「イギ…痛い!やめな、さい…よ…!痛…やめて…お願…い」
「ゆうなぎちゃん!僕の、ゆうなぎちゃん!」
涙を流す彼女。
今はそのことすら僕を興奮させる。
僕は構わずに激しく突き続ける。
「イクよ!ゆうなぎ、ちゃん!」
「痛い…やめて…痛…う」
彼女の中に欲望を解き放つ。
その快感にうっとりする僕。
「最高だよ…ゆうなぎちゃん…」

164:小ネタ
07/10/26 03:07:18 9HKongRJ
しかし、しばらくして
「せ・い・め・い・く・ん?」
「あっ…その…」
「ふざけんじゃないわよ!」
上にいた僕を跳ね除け怒り狂う彼女。
そして、また押し倒される。
「あんた、何様のつもり!?わたしに痛い思いさせておいて『最高だよ』?一遍死になさい!」
そう言って彼女に殴られた。
「ご…ごめんなさい…」
「おまけに『ぼくのゆうなぎちゃん』…?逆よ!あんたがわたしのモノなのよ!」
「そ…そんな…」
「まあ、いいわ。許してあげる」
どこか意地悪く笑う彼女。
「あ…ありがとうございます」
「そのかわり…」
彼女は目つきを鋭くして、
「他の女に尻尾振ったら…」
「振ったら?」
彼女の瞳がギラギラと輝く。
「…殺すわ…!」
「そんなことしないよ!」
今の僕には彼女だけでいい。
でも、冗談でもそういうのはやめて欲しい。
「ゆうなぎちゃん…」
そういえばまだ言っていない。
「なによ?」
「あ、愛してる!」
「なっ…あい……まあ、当然ね。私も…あんたのことを、あ、あ、愛してあげるわ…感謝しなさい!」
赤くなってそう言った彼女は、可愛かった。
「ありがとう、ゆうなぎちゃん」
「それと…」
「な、何…?」
「今度は、わたしを、そ、その…き、気持ちよくさせなさい!」

この日、僕は恋人を失った。
そして、新しい恋人ができた。
彼女はちょっと怒りっぽくて乱暴だ。
だけど、優しい。
僕は、彼女を愛してる。


以上です。

165:名無しさん@ピンキー
07/10/26 03:28:21 oDGZT81e
よかった。彼女が寝取る新しい寝取り小説。
今までは寝取っても寝取られても男だけだったからね。

166:名無しさん@ピンキー
07/10/26 03:46:21 728gCaAQ
元彼女が可哀相wでもハッピーエンドなんだろうか…

久々にパパイヤさんのも見れて今日は良かった~

167:名無しさん@ピンキー
07/10/26 17:34:28 xDjppk97
真相がばれたらどうなるのだろうか?

168:名無しさん@ピンキー
07/10/26 18:04:31 y9Zrul2Z
パパイヤ……老いたな……

169:名無しさん@ピンキー
07/10/26 20:42:19 qzof9Zdo
悪子を思い出すなぁ

170:名無しさん@ピンキー
07/10/26 21:45:14 6MRJFCfh
>>143
二ノ宮くん…

171:『練習』2
07/10/28 03:52:36 7oFCZEF1
>>122-129『練習』の続編です。


夏休みに入ったある日。
僕、若草春一は、幼馴染の少女長月桃―モモちゃん―と2人でモモちゃんの家の浴室にいる。
そして、モモちゃんは
「んぐ……んん……んぐ……んぐ」
「モモちゃん、うっ、舌の使い方、上手くなったね」
僕のオチンチンを咥えていた。
僕は素っ裸で立ち、モモちゃんはスクール水着の姿で、跪いて。
僕たちは恋人ではない。
モモちゃんがHなことをすることに不安があり、僕が『練習』して不安を取り除こうと提案したのだ。
モモちゃんが水着なのは裸になるのことを恥ずかしがるだ。
それでもここ数日の『練習』で、モモちゃんは僕のオチンチンに慣れ、
モモちゃんは口でするのが上手くなった。
また、最初は精液を飲み込むことができなかったモモちゃんも今では全て飲むことが出来る。
初めて出来た時は、
『上手に出来たね、モモちゃん』
『えへへ、ありがとうね、シュンちゃん』
というやり取りがあった。
「ん……んんぐ……んん……んぐ」
「ああ、とっても気持ちいいよ、モモちゃん」
僕が気持ちよさにうっとりしながらモモちゃんの頭をなでる。
モモちゃんは褒められたのが嬉しいのかくすぐったそうな表情をする。
恋人のいるモモちゃんが僕のオチンチンを咥える。
そのことは、屈折した喜びを僕に与えた。

小さい頃、冬に雪が降るのを待ちわびた。
僕の住むところでは雪はあまり降らない。
それでも、時々雪が積もることがある。
雪が降って、その次の日になると僕は急いで長靴を履いて外に出る。
そうすると、世界は白く美しく輝いている。
僕はそのきれいな白い世界に長靴で自分の足跡をつけるのが好きだった。
サク、サク、と小気味良い音を耳にしながら、小さな僕の雪原を歩く。
特に泥だらけになって汚れた長靴で歩くのが、好きだった。
きれいな長靴で歩くより、僕の足跡がはっきりと残る。
そのときは、自分がこんなことをするとは思わなかった。
今も僕は汚れた長靴で雪原を歩く。
欲望という長靴を履いた僕が、モモちゃんという無垢な雪原を汚しながら。


172:『練習』2
07/10/28 03:53:47 7oFCZEF1
「んぐ…んぐ…んぐ」
モモちゃんがスパートをかけて来た。
でも、今回は口の中に出さない。
「モモちゃん、合図したら抜くよ。3……2……1……ゼロ!」
ビュク、ビュク。
射精する直前に抜いて、モモちゃんの胸の辺りを僕の精液で汚す。
ビクン、ビクンと震えるオチンチン。
1回目は飲んでもらい、2回目、3回目はその時の気分によって、モモちゃんにかける。
モモちゃんと内と外を汚す。
『シュンちゃん、飲んであげるのに、何で出しちゃうの?』
と聞かれたことがある。
『いつも飲んでいると、モモちゃんが大変だからね』
と僕は答える。
本当は、そうじゃなく、
「モモちゃん、汚れちゃったから、洗ってあげるね。」
「やんっ、くすぐったいよ、シュンちゃん」
モモちゃんの未成熟だが、柔らかい肉体を味わうためだ。
水着越しでも、モモちゃんの微かな膨らみと、確かな暖かさが、僕にこの衝動を起こさせる。
モモちゃんはくすぐったそうにしながら、僕のオチンチンを洗う。
僕はモモちゃんを洗い、モモちゃんは僕を洗う。
「あん、シュンちゃん、水着なら洗えばいいでしょ?もう!」
「僕が汚しちゃったからね、僕がきれいにしないと」
そう言って、汚れを落としながら、モモちゃんを汚す僕。
「シュンちゃんは、やん、恋人にしたい人はいないの?」
モモちゃんは時々僕の心に毒針を刺す。
僕の胸が痛み出す。
「モモちゃんが心配でね、恋人どころじゃないよ」
「もう、シュンちゃんたら…心配しすぎだよ」
僕の軽口に頬を膨らませるモモちゃん。
「でも、シュンちゃんは可愛い顔で素敵な人だから、良い彼女ができると思うけどなあ…」
『可愛い顔』は気になるが、その言葉、もっと早く聞きたかった。
今となっては僕に、後悔と苦痛を与える言葉。
もっと早く言ってくれれば、そうすれば、僕は君と…
「モモちゃん、今度は口をきれいにしようね、舌をだして」
そういって、モモちゃんの舌に自分の舌を絡める。
だんだんと口の中に舌をいれ、モモちゃんの中を蹂躙する。
そうしたほうがきれいにし易いんだ、と僕がいったから。
先輩とは、唇で軽く触れるだけのキス。
僕とは、舌を絡めるキス。
優越感が僕の心を満たす。
「ん…ぷはあ…シュンちゃん、何だか私たち、恋人みたいだね」
モモちゃんは口を離し笑顔で言う。
つまり、君にとって、僕は恋人ではない。
「ありがとうね、私のために。折角の夏休みなのに練習に付き合ってくれて」
『練習』は僕の欲望を隠すための方便だ。
感謝されるはずもないのに。
「モモちゃんは大切な幼馴染だからね」
「でも、シュンちゃん、いつも私と一緒にいてくれて、助けてくれた」

173:『練習』2
07/10/28 03:54:46 7oFCZEF1
僕とモモちゃんはいつも一緒だった。
親が共働きなので、互いの家でよく遊んだ。
一緒に笑い、泣き、同じ時間を過ごした。
他の人とは違う僕たちだけの時間。
だから、モモちゃんのなかでは僕は『優しいシュンちゃん』なのだろう。
本当は違うのに。
「それにシュンちゃんの助言のおかげで、師走先輩と仲直りできから、本当にありがとうね」
嬉しそうにいうモモちゃん。
師走先輩、無垢な雪原にある目障りなシミ。
モモちゃんの心の中にいる邪魔者。
モモちゃんの恋人で、Hするためにホテルに入ろうと言われモモちゃんとケンカした人。
『練習』のことは、当然伏せてある。
モモちゃんに助言を求められたので、当座の言い訳として、
『モモちゃんの真心を伝えれば良いんじゃないかな』
といい加減な助言をした。
モモちゃんは本当にそれをした。
先輩を愛していること、でもHなことをするには自分たちは若すぎること、
そして、万一赤ちゃんが出来た時、赤ちゃんを育てることができず、その子が可愛そうだということ。
それらを涙ながらに先輩に訴えたという。
そうしたら、先輩の方も折れて元の鞘に戻ってしまったという。
僕は、まさか2人が仲直りするとは思っても見なかったので驚き、失望した。
相談を受けた時、てっきりHなことをするだけのために、モモちゃんに近づいたと思っていたのだ。
先輩もモモちゃんが本当に好きなのかもしれない。
ホテルに誘ったのはただ、思春期の気の迷いというやつかもしれない。
僕が今血迷っているように。
それと、モモちゃんは先輩に誘われたとき、不安になって何も言わずに帰ってしまったらしい。
『だってね、とにかく不安だったの』とはモモちゃんの弁。
モモちゃんは自己主張が苦手だ。
それでも、他人に流されることは少ない。
僕以外には。
僕の言うことは、いつも信じて付いてくる。
もし、先輩に流されてホテルに入っていたら。
考えるとぞっとする。
『練習』は続けることが出来た。
『練習』のことは誰にも内緒だよ、とモモちゃんに釘を刺した。
『どうして、師走先輩にも言っちゃ行けないの?』
とモモちゃんは言った。
モモちゃんは、師走先輩との本番に備えた練習なのだから隠すことはない、と言う。
(僕たちが殺されちゃうだろ)
とは言わず、
『黙っていて、ある日、突然Hが巧いことを知らせた方が、何倍も先輩は嬉しいでしょ?
それと『練習』が終わるまで先輩とHなことは何もしちゃだめだよ。
『練習』が中途半端な時にしても、先輩は喜んでくれないだろうからね』
僕は言った。
『練習いっぱいしたら師走先輩、喜んでくれるかなあ?』
顔を赤くして嬉しそうにモモちゃんは言った。そして、
『う~そつ~いたらは~りせんぼんの~ます!』
とモモちゃんから指きりをさせられた。


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