少女ファイトでエロパロat EROPARO
少女ファイトでエロパロ - 暇つぶし2ch150:少年もファイト
08/01/28 22:44:03 zJwFtbA6
性懲りも無く百合です。苦手な方はスルーで。
設定は、厚子と奈緒の中学時代。

昼休みが終わり、午後の授業が始まったにも拘らず、厚子は教室に姿を現さなかった。
(ははあ……またか)
状況を察知した私は、手を挙げて教室に入ってきたばかりの先生に告げる。
「せんせーい、お腹が痛いので保健室に行ってきまーす」
先生の返事も待たずに教室を飛び出す。構うことは無い。どうせ私はクラスでも馬鹿で通ってる。私
がいなくったって、誰も気にしやしない。それで結構。いまの私には、授業よりも大切な事があるんだ。
迷うことなく目的地を目指す。
(きっと、彼女はそこにいる)
私には確信があった。外へ出る。木枯らしが吹き付けて寒い。体育館とグラウンドの間にある用具置き
場。使わなくなった工具やら備品やら……とにかくガラクタを貯蔵しておく場所。滅多に先生や生徒が
やって来ることもない。一目を気にせず、コソコソと何かやらかしたい者には打ってつけの不良どもの
隠れスポット。
重く錆付いた鉄の扉に手を掛けて開ける。ガラガラと耳障りな音が響く。ツンと鼻を衝く独得の臭気。饐
えたカビの臭い。染み付いた汗の臭い。時間と共に積もりに積もった埃の臭い。そして、真新しいニコチ
ンの臭い。
そこに彼女はいた。
「サボリ魔、見―っけ♪」
煙草を口に咥え、三段重ねの飛び箱にドッカと腰を下ろした我が親友、延友厚子が私を凝視し固まっていた。
「―なんだ、奈緒かよ。びっくりさせんな。いま授業中だろ、こんなとこで何してんだ?」
「それはこっちの台詞でしょ。厚子こそ何してんの?」
「私は……その……一服してんだよ」
「ふ―ん」
「寒い。入るんならさっさと扉を閉めれ」
「うん♪」
厚子の隣に腰を下ろし、ポケットからプリッツの箱を取り出しポリポリと齧る。
「ねえ、厚子も食べる?」
「いらん」
「ねえ」
「何だよ」
「煙草ってさあ、美味しいもんなの?」
「―駄菓子を嬉しそうな顔で食ってるようなお子様には、理解できんだろ」
「ああ、ひどーい! 同い年のくせにい―えいっ!」
隙を衝いて、厚子の手から煙草をもぎ取る。
「おい!」
取り返そうとする手を制して、素早く口に咥え思い切り煙を吸い込んで、そして―思い切り咽せ返った。
「ゲホッゲホッ! 何なのよこれ。喉が痛い。よくこんなの吸ってられるね、厚子」
「馬鹿! だから言ったろ。奈緒にはまだ早いんだよ。返せ!」
私の手から再び煙草を取り戻し、口に咥える厚子を見て、不意に思ったことが言葉になって出て来た。
「あっ、間接キスだ!」
今度は厚子が咽せ返った。指から煙草がポトリと落ちる。
「ゲホッゲホッ……馬鹿……突然、何を言いやが……ゲホッ! ああ、もったいねえ。まだ充分吸えたのに
……ゲホッゲホッ!」
煙がよほど深く気管に入り込んだのか、厚子の咳はなかなか治まりそうも無い。仕舞いには涙まで浮かべて、
私は申し訳なくなり背中を擦った。


151:少年もファイト
08/01/28 22:45:40 zJwFtbA6
「ああん、ごめん厚子。大丈夫? 悪気はなかったのよ。私って馬鹿だから考えなしに何でも
口に出しちゃうのよ。ねえ、まだ苦しい?」
まだ喉をゼエゼエ言わせながら涙を浮かべている厚子が、私にしがみ付く。そしてそのまま私の身体
に頬を埋めてきた。
「う……くっ……うう……ううっ」
「―厚子、もしかして泣いてるの? そんなに苦しいの?」
予想外の事態に気が動転する。これはもしかして、保健室に連れて行った方が良いのかも?
でも……
「……大丈夫。ごめん……でも、お願い。もう少し、このままでいさせて」
厚子は同い年だなんて思えないくらい、しっかりしている。私なんて、いつも厚子に叱られてばっかりだ。
だけど、その分、私を助けたり励ましたりしてくれたのも厚子だけだった。失恋して落ち込んだ時、バレー
の試合で私のミスで負けて泣いた時、母さんと喧嘩して家を飛び出した時。厚子がいてくれなかったら、私
はどうなっていたことか。
厚子は確かにしっかりしている。でも、やっぱりただの十代の女の子であることに変わりは無い。脆さや弱
さも併せ持っている。厚子がSOSを発信したときに、それを受け止めてあげられるのは、きっと私だけなんだ。
「うん、いいよ。厚子の気の済むまで。私なんかで良かったら、いつまででも良いよ」



つづく





152:名無しさん@ピンキー
08/01/29 01:28:13 kZRdLBAF
学とミチルが付き合うようになってから、はや一ヶ月が経過しようとしていた。
当初ミチルは、部員たちに冷やかされるのでは?と心配していたのだが、
それは男女別々のバレー部員の中でも、入学当時からかなり仲のよかった二人のこと。
すんなりと納得してしまう部員の方が多く、学の冷やかしに全く動じない度胸も相まって、
ただのミチルの杞憂で終わってしまっていた。
今日も校舎を出てすぐ他の部員たちと別れ、ミチルと学は二人きりで帰路へつく。
『付き合う』ことになってから、特に用事のない時は二人きりで帰るようにしているのだが、
ミチルと学の間に流れる空気は、付き合う前も後も何も変わらないものであった。

「それでですね、その時練さんがですね…」

しかも、帰宅まで話す内容は9割方練のことなのである。
もともと学とミチルは私生活での接点(趣味や嗜好など)がバレーを除けばほとんどない。
仲がいいのは小学生の時幼馴染だったことが大きな理由で、それがなければ、
ただの優等生と不良。お互い最も親しくない部類の相手になるだろう。
最も、この付き合い自体、『練を守るため』に始めたものなのだから、この会話の選択は間違っていないのかもしれない。
部活中の練の様子、部活中に何を話したか、部活内の関係はどうか……。
学が口にする内容は、どれも練の現在を知るには必要不可欠なものであり、
『練を守る』という付き合いの主旨には決して反していないだろう。

が、しかし……。

(な~んか『付き合ってる』って感じじゃねえよな、俺たち……)

次第に、そんな状況に不満……というほどではないにしろ、疑問を覚えてしまう自分がいることにミチルは気付き始めていた。
二人きりの時、学がする会話、時折見せる笑顔、これからの目標、そのどれもかれもが練さんが、に始まり、練さんに、で終わるのだ。
分かっていたことではある。否、知っていたことではある。
学がどれだけ練に憧れていたのか。その理由も、切っ掛けも、全部ミチルだけが知っているのだ。

だけど、それでも……。

「私も、練さんみたいに、あんな風に…」

隣でただ、練のことだけを話されるのは、面白くない。
―そう、ミチルは感じ始めていた。

153:名無しさん@ピンキー
08/01/29 01:31:36 kZRdLBAF
うわ~~~すみません、>>152です。
リロ忘れて割り込みになりました。

今号の展開でちょっと思いついたのでミチル×学を書きたいと思っています。
ただなんか難しいんで、ちまちまと、ですが…。
とりあえず今は>>152だけです。

いきなり割り込んでしまい申し訳ありませんでした。
厚子と奈緒続き楽しみにしています。

154:名無しさん@ピンキー
08/01/29 09:20:18 6P7SyKTH
いいよ、いいよ。
こちらこそ続き期待してます。
お互い良作目指して頑張ろう


155:名無しさん@ピンキー
08/01/30 09:19:53 EpdF1t2V
>>152>>153
お二人とも期待しています。
自分も燃料があったら、またミチ学書きたいです。

156:少年もファイト
08/02/01 22:28:20 xcF0LANk
>>151の続き

奈緒の胸に顔を埋めたまま、厚子の嗚咽は続いていた。
(私が人前で泣くなんて……)
自分で自分の有様に驚く。一体、何故こんな気持ちになってしまったのか?
己の心の内に秘めた葛藤。絶対に誰にも言うまいと決めていたはずだった。これは、私一人の問題。
誰かに縋って、答えを導き出せるものではない。それに本来、厚子は他人に頼ることを由とはしなかった。
しかし正直、
(もう、疲れた……)
答えの出ない問いに思い悩む行為が、こんなにも苦しいものだったなんて。それは確実に厚子の精
神を疲弊させていった。その苦痛から逃れるために、世間のあらゆることから目を背けてきた。あん
なに好きだったバレーの練習にも顔を出さなくなった。煙草にも手を出してみた。だが、所詮は一時し
のぎの逃避に過ぎず、より一層自分を追い詰める結果となった。
(このままでは、私は本当に駄目になってしまう。どうすれば……)
そんな時、思いがけず奈緒が目の前に現れた。彼女とちゃんと言葉を交し合うのは、どれ位振りだろう?
 奈緒の明るく屈託のない声を耳にしている内に激しく胸に込み上げてくるものがあった。不意に涙腺が緩む。
(泣くもんか)
しかし、零れ落ちてくる涙は止めようがない。自分の急変に奈緒はさぞかし驚いていることだろう。
(格好悪いな)
しかし、そんな厚子を奈緒は黙って受け入れてくれた。そのことが何より嬉しい。
(あの頃に戻りたい)
登下校も休み時間も部活でもいつも一緒。奈緒さえいれば、それで良かった。
『厚子といたら、どこでも楽しーもん』
あの言葉を、もう一度素直な気持ちで聞けたら。
こうなったら、全てを吐き出してしまいたい。答えも意見もいらない。ただ、話してしまいたい。ただ、聞い
てもらいたい。それだけでいい。

「お母ちゃんが死んだとき……ただ哀しくて、つらくて……心の中にポッカリと大きな穴が開いてしまった
みたいで、どうしようもなかった。父ちゃんから『母ちゃんは、天国で幸せに暮らしてる』って聞かされて、
それでどうにか自分を慰めてきた。それでも埋められない穴はバレーに打ち込むことで誤魔化してきた。
とにかく身体を動かして余計なことは考えないようにして……なんとか、これで乗り切っていける。そう思っ
てた。だけど、しばらく前に家へ帰ったら知らない女の人がいて、とうちゃんが『今日からこの人が、お前の
新しい母ちゃんだ』って言うんだ―ショックだった。頭の中が真っ白になった。その人は、とても良い人で、
多分出会い方がこんな形じゃなかったら、私もすぐに好きになったと思う。でも、『もし私までこの人を受け
入れてしまったら、死んだ母ちゃんはどうなる? 誰も母ちゃんのことを思い出さなくなる。母ちゃんのことを
忘れてしまう。そんなの可哀想すぎる』 そう思ったら、とてもその女の人を受け入れることが出来なくなった。
ひどいことを言ったり、ひどいことをしたり……その人は、とても傷ついていると思う。でも、どうしようもなくて
―傷つけることで母ちゃんを守ったつもりになって、逆に母ちゃんのことまで傷つけてるようで……そんな
自分に、うんざりで― 奈緒、私どうしたら良いのかなぁ?」
(厚子が私に、自分の心の闇を曝け出してくれている)
その事実に奈緒は衝撃を受けた。例え親友同士であろうと己の弱い部分を見せることなど、普段のプライドの
高い厚子なら考えられない行為だ。逆にそれだけ厚子が追い詰められていたという証でもあるのだろうが。
目頭が熱くなった。涙もろい性格で『フランダースの犬』は何度観ても泣いてしまう。でも、今回ばかりは必死に
なって涙を堪えた。厚子は世界中の誰よりも私を選んで打ち明けてくれた。縋って頼ってくれた。私まで泣いて
しまったら、それは厚子の気持ちを裏切ってしまうことになる。
いつもなら泣き言を言うのは奈緒で、厚子はその度に『しょうがねえなぁ』という顔で奈緒の手を引いてくれる。
(今度は私が厚子の手を引いてあげる番なんだ)
だから、絶対に泣いてちゃいけない。


つづく


157:少年もファイト
08/02/10 23:09:36 9vB1PCaF
>>156の続き


「うちはお父さんもお母さんも元気だから、厚子の気持ちをとても全部理解してはあげられないけど。
―-厚子はさ、もっと自分に自信を持ってもいいと思う。厚子はとっても優しくて強い娘だから、何があ
ったってお母さんのことを忘れたりなんかしないよ。厚子のことを、ずっと見てきた私が言うんだから間
違いないよ。それよりもさ、厚子が落ち込んだ顔をしてることの方が、お母さんに悪いと思うんだ。厚子
が元気になってくれないと、お母さんだって安心して天国にいけなくなるじゃない。つらいこともあるけれ
ど、世の中には楽しいことがもっと一杯あるし、厚子はこうして生きてるんだからさ。もっと二人で楽しも
うよ。ねっ、厚子」
傷ついた親友を励ますという、およそ自分には不向きな大役を引き受けた今、奈緒は必死になって脳を
フル回転させ、言葉を紡ぎ出した。何とかして友達を救いたい。その一心で。
お母さんを亡くしたことの哀しさ、喪失感は理解できるつもりだ。だけど、それに囚われすぎて厚子まで死
人みたいな状態になっているのは間違っている。
(厚子……お願い。元気を出して)
だけど
「無理だよ……。私、そんなに器用じゃないし要領よくもない。お母ちゃんのことが頭から離れない。何を
やってても楽しいと思えないし……。やっぱり前みたいには戻れそうもないよ」
厚子はすっかり萎縮してしまっていた。母親という拠り所を失い、父親にも裏切られたという思いを抱えて
懸命に一人で突っ張って生き続けてきた結果、自らの殻に閉じ篭り、そこから出て来れなくなってしまって
いた。今の彼女にとって世界はとても窮屈で息苦しいものなのだろう。そこから彼女を解放することは容易
ではない。生半可な慰めや励ましの言葉の羅列では、なんの効力もない。
では、どうすれば? 実力行使しかない。それもかなり荒療治の。
ゴクリッと、唾を飲みこむ。正直、これから自分がやろうとしていることが正しいことかどうかわからない。
(でも、私が厚子にしてあげられるのはこれだけ。これは、私にしか出来ないことなんだ)
「厚子。顔をあげて」
深く息を吸い込み、決意を固めると奈緒は言った。その先に起こることも知らず、厚子は言われるままに顔
をこちらに向ける。その後頭部をそっと右手で抱えて自分の方に引き寄せる。そして一息に唇を奪った。










親友との初キッスは、しょっからい涙と臭いニコチンの味がした。



158:名無しさん@ピンキー
08/02/11 22:07:04 Z1LSRyK/
>>156>>157
GJ。
あれ、何で目頭熱いんだろうな…

そういえばもうすぐバレンタインですね

159:名無しさん@ピンキー
08/02/15 22:37:37 CvnjqQ2l
>>157の続き

(こ……これって……なんなの?)
一体、どうしてこういう展開を迎えているのか? 目の前一杯に奈緒の顔が迫って来たかと思えば、
唇が得も言われぬ感触に包まれた。徐々に状況を理解した。唇を奪われている。女同士でキスし
ている。私と奈緒が。
(ふ、ふざけないで!)
カッとなった。頭に血が上った。親友だから、奈緒だからこそ心の闇を吐露した。慰めや同情なんか
いらない。ただ聞いてさえもらえれば良かった。奈緒ならきっと、分かってくれる。そう思っていた。そ
れなのに……こんなことをするなんて。あんまりだ。
急いで唇を引き剥がそうとする。
『馬鹿っ!』
そう吐き捨てて、引っ叩いてやるつもりだった。
だが、奈緒がそれより早く厚子の肩を掴み、そのまま引き倒した。腰掛けていた飛び箱の下には体
操用のマットが放置されていたおかげで怪我をするようなことはなかったが、先程とは逆に、厚子の
顔から血の気が引いた。
奈緒が、冗談やおふざけのつもりで、こんな行為に及んでいるわけではないということを悟ったからだ。
「な、何を……するつもりなの?」
声が震える。闇が急速に勢いを増し、目の前にいるはずの奈緒の表情さえ判別できない。それが否
が応でも不安を掻き立てる。相手の本心が読めない。目的が分からないというのは、こんなにも怖い
ことだったのか。
「さっき言ったでしょ。『世の中には、もっと楽しいことが一杯ある』って。私がそれを今から厚子に教え
てあげるの」
淡々と、いつもと変わらぬあっけらかんとした口調で奈緒が言う。そしてそれをすぐさま、実行に移した。
厚子の右の耳朶を軽く軽く甘噛みし、次いで舌先を耳の穴に差し入れる。穴の淵をザラザラとした舌が
這う『ジョリッ』という音が、やたら大きく聞こえた。
背筋を冷たいものが駆け抜けていく。
「嫌ァッ!」
パニックになった。気が狂いそうだ。全力で奈緒を払いのけようとした。
冗談じゃない! 冗談じゃない! 冗談じゃない!
(私は……私は、こんなこと知りたくも無い! 望んでなんかないっ!)
パアァンッ!
乾いた音が闇に響く。一瞬、何が起きたのか分からなかった。激しい電流に打たれたような。頬が熱い。
叩かれたのだ、と脳が理解した。奈緒に。心がそれを受け入れようとしなかった。この期に至ってもまだ
信じられない。あの……奈緒が。
だが、


「手間を取らせないで。暴れると、余計に苦しい思いをするだけなんだから」



奈緒の抑揚のない冷たい言葉が、それが真実であると告げていた。




160:名無しさん@ピンキー
08/02/26 02:59:46 9mtebJTm
hosyu



161:名無しさん@ピンキー
08/02/29 00:26:40 bagC+Gw0
千石*お嬢(逆アリ)
とかはないもんなのか…?

162:名無しさん@ピンキー
08/02/29 16:23:22 HNrdMiIC
>>161
自分的にはすごくアリだと思うよ

163:--
08/03/04 21:38:43 0SLn66W4


164:名無しさん@ピンキー
08/03/08 01:09:07 9vAyEpwt
捕手

165:名無しさん@ピンキー
08/03/08 22:29:19 hQz2hRsg
>>159の続き

厚子の全身から急速に気力が萎えていった。
唇を奪われ、押し倒され辱めを受けて、抵抗したら頬を打たれた。
長い付き合いの、誰よりも理解しあえていると思っていた親友の突然の豹変に思考は混乱し、どう対
処して良いのかさっぱり分からなかった。不安だった。恐ろしかった。
授業をサボり、煙草を吸い、不良を気取ってはいるものの、厚子はそれ以外では至って一般的な十
代の少女に過ぎなかった。鬱屈した感情をコントロールする術を知らず、自分を傷つけ周囲に当り散
らすことでしか解消できない不器用な女の子だった。
月に一度の『お客さん』が訪れるようになって以来、そこそこ性の知識はあるが、それ以上の興味は
無く寧ろ嫌悪していた。
(女であることが、鬱陶しくて仕方ない。生理の不快感、膨らんでくる胸、周囲の視線。全部、全部、
ウザッたい!)
それなのに……何をどう間違えて、こういう事態に陥っているのか?

木枯らしの吹きすさぶ中をやって来たせいか、奈緒の手はひどく冷たい。その冷たい手が今、厚子の
セーラー服の下に差し込まれ臍の上を這い進み、自分以外誰も触れたことの無い小ぶりの乳房を掴んだ。
「痛ゥ……」
奈緒の指の力が思いのほか強く、呻き声が洩れた。
「あっ、ごめんね」
奈緒は案外素直に謝ると、今度はそっと優しく包み込むような加減で揉み上げていく。だからと言って
厚子の気持ちが変化するようなことはない。
「お願い。もう、やめて」
一縷の望みをかけて懇願するが、もちろん受け入れられはしなかった。それどころか乳房への愛撫は徐
々に激しさを増していく。
「はぁああ……」
背筋を電流が走りぬける。脳に靄がかかっていく。血が沸き立ち皮膚の表面を小さな虫の大群が這い回っ
ているかのような疼痛感。
(なにこれ……私、まさか―感じてるの?)
認めたくない。だけど身体の芯から絶え間なく生じる熱は、厚子の理性を着実に溶かしていっていた。
脚を擦り合わせ、何かを縋りつこうとするように手は宙を彷徨う。その手を奈緒が掴んだ。
「ねえ、厚子も私に触ってよ」
そう言うと、厚子の手を自身の服の下に滑り込ませ導いていく。振り払いたかったが、先程の頬を叩かれた
痛みがフラッシュバックのように蘇り抗う気力が失せた。あの衝撃はかなり深く厚子の心に根付いてしまっていた。
外気は氷のように冷たいのに、奈緒の身体も汗ばむほどに熱かった。他人の素肌に触れたことなど、ほとん
ど無い。そして意外に豊満な奈緒の乳房に指がかかった。その大きさ、熱さ、柔らかさに息を呑む。
「―ねえ、もっと、もっと気持ちよくしてあげるからさあ……厚子も私を気持ちよくしてよぉ」
淫猥な毒気を含んだ奈緒の吐息が、厚子の耳朶を擽った。


166:名無しさん@ピンキー
08/03/09 11:24:16 Cx3mnlSK
思ったけど鏡子って胸何カップぐらいだろ?
2巻のカラーを見て気になった

167:名無しさん@ピンキー
08/03/10 14:18:20 R6iOcEzY
ほす

168:名無しさん@ピンキー
08/03/12 15:09:05 YfnfFRNS
だれか何か投下してくれ

169:少年もファイト
08/03/13 18:24:47 yvKcnsBi
取りあえず、燃料投下。出来は保証しない。


「あの……式島クン」
登校途中の俺を、学が呼び止めた。
「んっ、よお学。おはようさん」
「あっ、おはようございます―あの、それで……これ……」
と、言って差し出したのは綺麗な包装紙に赤いリボンのかかった小さな箱。そこから漂う甘い香りが
鼻腔を擽る。
それで、ようやく今日が何の日か思い出した。
「ああ―ありがとう。気ィ遣わせちまって、悪ィな」
「いいえ。私達、一応付き合ってることになってますから」
「あ、ああ―そうだよな」
「それじゃ、私、朝練がありますから。お先に失礼します。じゃ、じゃぁ、また後ほど」
と言って駆けて行く学。
「お、おおい!」
一人取り残される俺。
それが先月の今日。ヴァレンタイン・デーの話。


「おい、学」
登校途中の学を俺が呼び止める。
「あっ、式島クン。おはようございます」
「お、おはよう。それでだなぁ―これ」
と、言って差し出したのは綺麗な包装紙に白いリボンのかかった小さな箱。そこから漂う甘い香りが
鼻腔を擽る。
「?」
「―先月のお返しだよ」
「あっ、す、すいません。わざわざ、ありがとうございます」
「そ、それとだなぁ」
「はい?」
「俺たちは『一応』付き合ってるんじゃねえ。『ちゃんと』付き合ってるんだからな。ここ、結構重要なポイ
ントだからよ」
俺のこっ恥ずかしい宣言に、キョトンとした表情をしていた学の顔。が、すぐに頬を桜色に染めて晴れや
かな笑顔で
「はい―はい、そうですね。私達『ちゃんと』付き合ってるんですよね」
その笑顔に、俺は思わず見とれて―更に追い討ちをかけるように
「二人ともおはよう。何してるの、こんなところで?」
「げっ、練! 何でもねえ、本当になんでもない! じゃ、俺、朝練あるからお先に!」
「あの、式島クン―」
見られたくない光景を、一番見られたくない相手に見られた気まずさに、俺は後ろを振り返ることなく駆け
続けた。
これが、今日。ホワイト・デーの話。


エピローグ

「ミチル、どうしちゃったの。あれ、何か良いことあった?」
「どうしてです?」
「何だか瞳がキラキラしてるから」
「―はい、とっても」






170:名無しさん@ピンキー
08/03/18 00:05:13 f7NQUnbH
hosyu



171:名無しさん@ピンキー
08/03/22 12:20:13 A9MC9P5F
保守


172:名無しさん@ピンキー
08/03/27 02:37:58 QPu8/W6+
最新号の内容がミチ学全開すぎて悶えまくった。ちくしょうにやにやがとまらねえ

173:名無しさん@ピンキー
08/03/28 23:38:26 TVKXEJ9t
誰か何か書いておくれ


174:名無しさん@ピンキー
08/04/02 22:27:02 4/qMC1Wo
>>137
何でもいいなら昨日見た夢の話でも

夢で鎌倉と由良木が一緒の布団で寝てました
性的なのじゃなくて添い寝っぽい(服着てたし
でもちゃっかり手を握ってらっしゃいました

うん、それだけ。
ツッコミどころはミチ学期間中なのに鎌倉と由良木だったってところ

175:名無しさん@ピンキー
08/04/12 12:49:13 EI4GsU8J
saade

176:名無しさん@ピンキー
08/04/19 04:30:56 vr2px6hF
保守

177:名無しさん@ピンキー
08/04/24 16:06:12 Sls2Q+OS
下がりすぎage

178:名無しさん@ピンキー
08/04/24 19:02:48 4DF33RAX
4巻合間合間の鉛筆書きシゲルがムッツリすぎてワロタ。

179:名無しさん@ピンキー
08/05/24 22:57:29 Gn4tmN0h
まさか、ここまで過疎るとは


180:名無しさん@ピンキー
08/05/26 00:17:17 4awcj3fa
今更にハマって来てみれば過疎っているこの事実。
ミチル学で何か投下したいけど、絵じゃなぁorz

181:名無しさん@ピンキー
08/05/26 02:33:57 hpk5DIOv
>>180
期待してます

182:名無しさん@ピンキー
08/06/16 01:50:47 lQ4VZ5EX
>>180
活性化のためにも是非がんばってくれ!!

183:名無しさん@ピンキー
08/06/19 06:34:50 4EpNmT5d
>>120とかの神作品の頃はまだ元気だったのに、あれからまだ60しかレスを消費していないのか…
職人カムバック

184:名無しさん@ピンキー
08/06/20 01:23:15 QoloIDAJ
百合っぽいのなら書けるんだけどな


185:名無しさん@ピンキー
08/06/20 17:28:30 TQTyxoGz
かいてかいて

186:名無しさん@ピンキー
08/06/21 01:38:15 BNwXa+tV
前に『スレちがい』って言われたから、止めといた方がいい


187:名無しさん@ピンキー
08/06/24 15:52:16 5gLzy1RC
age

188:名無しさん@ピンキー
08/06/27 22:05:54 iQbvDJcT
少女ファイトだけ?
日本橋ヨヲコの他作品もスレ違いなんかな

189:名無しさん@ピンキー
08/06/28 15:45:00 z+BKTAig
いや、前に百合もの投下したら、『百合スレの方が良くね?』
って言われたことあるので


190:名無しさん@ピンキー
08/07/15 03:47:21 txkFbIpd
保守

191:名無しさん@ピンキー
08/07/28 01:55:48 LY5FFXYC
初書き込みです。ルールとか、もし間違っていたらご容赦を。

今月号の最後のシーンから。
隆子を並んで見送る、ミチルと学。
「隆子、行っちまったな・・・」
「えと、わたし、何かまずいことでも言ったでしょうか」
「いや、そうじゃなくて、あんな、
 他人をコントロールできない隆子、見たことなくて。
 でも、あれでよかったんだよ」
「式島くんにはまだ想いがあるのでしょうね・・・。
 なんだか気の毒な感じもします。」
「あのさ」
「はい」
「さっき、『唯さんがいやでしょうから、しません』って言ってたよな」
「は、はい・・・」
「いないんだけど」
「そうですね」
「いい、のか・・・?」
ミチル、向き直る。一歩踏み出す。学、答えられない。
「目、閉じてみ」
「は、はい」
抱き寄せられて、ふとあごを持ち上げられ、くちびるに軽い、くちづけ。
「オレ、もう、フリじゃなくて、ずっとお前と・・・」
「えっ、あの、練さんのこと、とか」
「学は、イヤか?」
「いやだなんてとんでもないです・・・。
 あの、わたしなんかで、いいんですか」
「学がいいんだ、オレは」
「はい・・・」


192:名無しさん@ピンキー
08/07/28 17:29:51 +mV1rDXo
夏休みの作文か

193:名無しさん@ピンキー
08/08/30 11:09:00 HNJ1dN+3
保守

194:名無しさん@ピンキー
08/10/11 21:12:57 OqxJ0a3s
ほっしゅ

195:名無しさん@ピンキー
08/11/14 22:19:40 dcekIvop
耳年増な母親に無理やり着させられたメイド服でおどおどしながら
母親仕込みの誘惑台詞を棒読みで放つ学と
そのあまりのいじらしさに思わず押し倒してしまうミチルという夢を見た捕手

196:名無しさん@ピンキー
08/11/15 16:16:34 E8EUOZuy
↑いいね

197:名無しさん@ピンキー
08/12/16 00:04:34 Rkv3UZcP
>>180の絵を今でも待っている。


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