少女ファイトでエロパロat EROPARO
少女ファイトでエロパロ - 暇つぶし2ch139:名無しさん@ピンキー
08/01/03 18:51:49 Bb9LwXWA
でも逢わずにはいられない。逢って、きちんと謝罪したかった。たとえ何と言われようと、罵詈雑言
浴びせられようと構わない。そうされても仕方ないことをしてしまった。だから逢いに行く。そうしない
と私の罪は償えない。私の魂は救われない。
だけど、お嬢から告げられた言葉は
「ありがとう」
という謝辞だった。
「沙羅がいなければ私一人じゃ、どうしようもなかったよ。沙羅がいてくれて良かった。命の恩人だね」
(違います!)
そう叫びたかった。
(私は逃げ出しただけです……お嬢を見捨てて……命の恩人どころか……ただの卑怯者なんです!)
だけど、言い出せなかった。お嬢が誤解しているのを良いことに、それを利用した。苦しんでいるお嬢
からも真実からも逃げ出して……私はつくづく最低の人間だった。

それ以降、私は己を棄てた。もう、二度とお嬢の傍から逃げ出すことのないよう、弱い自分を切り捨て
た。これは自信への戒め。そうしないと、私はお嬢の傍らに立つ資格が無い。

「お嬢?」
過去の古傷を思い返すことに意外に嵌まり込んでいたせいか、背中のお嬢の手が止まっていることに
気が付くのに時間がかかった。振り向こうとした瞬間、お嬢のしなやかな腕が首筋に巻き付き、背中に
しな垂れかかって来た。お嬢の柔らかい肌が密着する感触が、はっきりと伝わってくる。思いがけない
事態に、心臓が飛び上がりそうになった。
「お……お嬢。いくらなんでも、お戯れが……」
立ち上がろうとして、足が滑った。頭をしたたかに打って目の前に火花が散った。天使が輪を描いてダ
ンスを踊る様を眺めながら、今度はお嬢と正面から抱き合って押し倒されているような形になっている
ことに気が付いた。
「お嬢、いい加減に……」
「沙羅、好きよ」
幻聴だと思った。だけど、
「沙羅、大好き」
今度は、はっきり聞こえた。
「……だけど、だからこそ、あなたには自由でいて欲しい。自分の運命は、とっくの昔に受け入れる覚悟は
している。だけど、沙羅まで重いしがらみに囚われるような顔をしているのを見るのは、とてもつらいんだ。
だから、私の分まで生きるのを楽しんで……」
(ああ、お嬢。どうか、どうか、私のことなんかで苦しまないでください! 泣かないでください!)
何も言わず、ただお嬢を抱きしめた。世界中の何よりも愛しく大切なものを、腕の中に留め置いた。今まで、
お嬢の言葉には全て『はい』と従ってきた。だけど、今回ばかりは首を横に振らざるを得ない。これは自信が
考え抜いて決めた道。迷いも後悔もない。お嬢が涙する理由など、何一つ在りはしない。これが、私なりの精
一杯の愛情表現。
(お嬢。私も、お嬢のことが大好きです)

そして、今日も私はお嬢の傍らに立つ。お嬢の影として僕として、自分を押し殺したまま。

「はーい、じゃあレシーブ練習、開始!」
「鎌倉先輩、よろしくお願いします!」
(ああ……)
スカッ
だけど最近、いつまでこの状態を保てるか。ちょっと自信が無くなってきている。




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