08/11/17 21:55:23 Y18OvdiD
古い道場と繋った家屋の庭で若い祖父と二人の小さい孫が戯れている。
「おじいちゃん!俺パンダ乗りたーい!」
「俺もパンダがいい!」
「そうかそうかー。二人ともパンダさんの背中に乗りたいか」
「いいなぁ早乙女君は。可愛い孫が二人もいてさ。
僕んとこなんて皆出てったまま一人も孫の顔を見せてくれないんだからね~」
「ああ!いいですよお義父さん。お前ら父さんの背中に乗せてやるぞー」
「ヤダ!父さんすぐ潰れちゃうじゃんか。俺パンダがいいもん」
「こらっお前は女の子なんだから『俺』じゃなくて『私』だろ」
「なんでー?お母さんだって一緒だもん!」
「ったく。アイツが悪い見本見せるから…」
玄関の前には手土産を持ち、体の締め付けのない柔らかい服を着た女が思い込んで立っている。
「ごめんくださーい。…って自分家に向かって言うのも変か…」
ぶつぶつと考えていると玄関の中から駆け足で誰かが走って来るのが聞こえてきた。
「ちょっと買い物いってくらー!留守中ちゃんと面倒見るんだぞ!」
大きな音で戸が開くとそこには懐かしい顔があった。
「…茜?」
優しい雰囲気の若妻はこちらを見るとにっこりと微笑んだ。
「…おかえり、茜」
「…ただいま!らんま」