08/04/10 02:00:04 nT62H5r5
ロケットバイクに跨り、東京上空に差し掛かったカナメは山手線の線路を見つけた。
高度を下げ、線路をたどって進むと渋谷駅が見えてきた。
カナメはバイクの高度を更に下げて、駅前に飛び降りる。
「スーパーガールカナちゃん参上ッ!」
しかし、何か変である。
周囲で事件など起こっている様子が無いのだ。
カナメが困惑していると、近くにしゃがんでいたホームレスと思わしき男性が声をかけてきた。
「股に変な物くっつけたねーちゃん。事件の見物かい?ここは東口。連中ならハチ公口の方にいるよ。」
「あっ、そうなんですかっ!お騒がせしましたっ!」
カナメは赤面しつつリモコンでバイクを呼び戻し、再びそれに跨り駅舎を飛び越えた。
ハチ公口前広場では「蛇愛徒」と書かれた幟を掲げた五人の暴走族がネイキッドバイクで暴れていた。
「オラオラァ、俺らスネークアイズに楯突く奴ぁー他にいねーだろーなぁー?」
彼らは「蛇愛徒」を「スネークアイズ」と読ませたいらしい。
駅前の交番は破壊され、広場には数人の警官が倒れていた。
その他の警官たちは訳があって、大勢の野次馬と共に離れたところから様子を見守るだけである。
その訳は族のバイクに絡みついている鱗の付いた物である。
族は警官たちを他所に、逃げ遅れた女性を黒いワンボックスカーに押し込んで連れ去ろうとしているのだ。