07/10/24 05:17:37 9owP22+L
旦那様の名前はひろのり。奥様の名前は恭子。
ごく普通の二人はごく普通に恋をして、ごく普通に結婚しました。
でも、ただ一つ違っていたのは――
実は、奥さまはスーパーガールだったのです。
ある日の朝。
「ひろくん。早く起きないと遅刻するよ」
「うーん、もう少しだけ…」
ねぼすけなひろのりは布団にくるまり、なかなか起きようとしません。
「もう、しかたないなぁ」
恭子はそうつぶやくと、ひろのりに向かってふっ、と息を吹きかけました。
するとその吐息は突風となり、寝室の中に吹き荒れます!
ひろのりは布団ごと吹っ飛ばされ、壁に激突しました。
「い、いててて…あれ、恭子?」
「おはよ、ひろくん」
「お、おはよ…」
ひろのりはようやく目を覚ましました。
恭子のおかげで目を覚ましたものの、出社時間ギリギリであることには
変わり有りません。急いで仕度をします。
「あれ、ひろくん。朝ごはんは?」
「ごめん、今日は朝から大事な会議が有って、どうしても遅刻する訳には
いかないんだ。昼までガマンするよ」
「えー。せっかく作ったのに~。それなら、私が会社まで送ってくよ」
確かに恭子に空から送ってもらえば、会社まではものの1分もかかりません。
ですが、ひろのりはそれをあっさりと拒否します。
「ダメ。僕と結婚するときに約束しただろ。
一緒に暮らす以上、能力は一切使わないこと。
さっきもそうだけど、あれを余所の人に見られたら困るだろ?」
「それはそうだけど・・・」
「じゃあ、行って来る」
「あ、ちょっと待って、ひろくん」
「え?あ、そうか」
「ん」
二人は軽くお出かけ前のキスをしました。こちらの約束だけは、
結婚したときから一度も破られていません。