07/09/25 10:02:50 Mw4tVy8y
2人で照れながらジュースを飲み、ポップコーンをつまんでいたら本編が始まった。
美香は姿勢を正してちゃんと観る体勢をつくる。
俺もあまり興味はなかったが一応観る姿勢になった。
なんとなく美香の手の上に自分の手を重ねた。
「!」
ビックリしたような顔で美香がこっちを見た。
俺はあえてスクリーンに目を向けていたが美香の反応を気にしていた。
少しして、美香の手が俺の手をきゅっと握ってきた。
「なんか恥ずかしいな…」
自分からしたことなのに照れ臭くて言葉にせずにはいられなかった。
映画は王道の恋愛モノだった。
すれちがいながらも愛を深めていき、最後に待つのはハッピーエンド。
心理描写がしっかりしているからわりとおもしろかった。
キスシーンではつい美香を見てしまったが、美香が映画に集中してたためバレてない…はず。
「案外いい映画だったな」
「うん」
美香を意識してたのをごまかすように声をかけ、席を立ち、映画館を出た。
ずっと手は繋いでいた。
しばらく無言で歩く。
少しして
「お兄、キスシーンの時こっち見てたでしょ?」
不意に聞かれた。
「あ、いや、その…」
頭が真っ白になった。
「ずっとお兄のこと意識してたからわかるよ?おかげで映画のことほとんど覚えてないけど」
繋いでいる手に美香が力をこめた。
「お兄の方から手を繋いでくれたのも嬉しかったから。ずっとお兄のこと見てた」
ドキッとした。
告白されて以来、ずっと美香のことを意識している。
美香を見てドキッとすることはどんどん多くなっていた。
「だからキスシーンのときにお兄がこっち見てたのもすぐにわかったよ?」
俺を見つめる美香の目が少しうるむ。
「どうしようお兄…この前告白したときよりもっと好きになってる。毎日お兄のこと考えるだけで好きって気持ちが溢れちゃいそうだよ!」
気がついたら俺の方からキスしていた。
美香はすぐに身をまかせてきた。
今までで一番長く熱いキスだった。
続く…