07/12/14 23:43:53 KToX7DcI
(七不思議・非常階段)
・・・てんっ・・・てんっ・・・
足が言うことを聞かなくなってきた。履いている靴までが重く感じる。
右には鉄の柵、左には鉄柱。柵は鉄柱の周囲を取り囲んでいる。
鉄柱と柵の間には鉄の階段。13段で一周し、踊り場が現れる。
眼を上げると、また踊り場だった。階段は、螺旋を描きながらまだ上に続いている。
もう、どれくらいここを登り続けたんだろう。
足を止めたいけど、それも敵わない。
・・・てんっ・・てんっ・・・
音が背後から迫ってくる。それもたくさん。
一度でも足を止めたら、きっともう動かなくなるだろう。そうしたら終わりだ。
あいつらに、追いつかれる。
追いつかれないために、私は螺旋階段を登り続ける。
ほんの軽い気持ちだった・・・肝だめしなんかに参加したことを、今になって後悔している。
高校の七不思議スポットに、深夜にそれぞれ一人で行って印を残す。次の朝に、みんなでそれを確認して回る。
ただそれだけのことのはずだったのに。
私が向かったのは、校舎の横にある非常階段。一階から屋上まで続いている。通称、生首階段。
螺旋階段を一階から登っていき、四階に差し掛かったところで、上の屋上から何かが転がってくる。
それが、生首なんだそうだ。