07/11/17 12:41:23 WcOF6p/O
6年生に進級した由美。眠っている間の記憶を失ってはいるが、いつも通りの生活に戻っている。
ただ1人、杏里という大切な友達の犠牲の上に成り立っている今の生活を、疑うことはない。
だが、彼女と同様の事件が月~年単位で起きている。警察も動いてはいるが、どうも進展しない。
共通点は2つ。彼女達は処女を失っている。連続少女強姦事件であるのは間違いない。
もう1つは記憶を失っているいること。普段の生活や、家族・友人を覚えていても、怖い目にあったはずの期間を忘れているのだ。
1人だけならまだしも、全員が゙恐怖による記憶の封印゙が起こるはずがないのだから。
夏休みに入り、由美は友達と3人でドッジボールをしていた。
その公園はあの場所。だが、由美はそれを知らない。
「ねぇ……疲れたよ……ちょっと水飲んでくる」
ツーテールが特徴的な花梨。人一倍動くのが好きな彼女は、喉の渇きが早い。
――何だろう?
頭は覚えてなくても、体が覚えている。背筋がゾッとし、由美は花梨の肩を掴んだ。
「花梨ちゃん、行っちゃだめ……」
「だって喉渇いたんだもん。どうしたの?」
「わからないけど……そっちは行っちゃだめな感じが……」
止めなくてはならない。自分以外は、そっちへ行ってはいけないような……
「由美、大丈夫だって。まだ昼間だよ?危なくないって……」