SIREN(サイレン)のエロパロ第3日at EROPARO
SIREN(サイレン)のエロパロ第3日 - 暇つぶし2ch8:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:03:07 bsV6qjS6

 ――悲劇は、少女が人ならざるモノであったこと。
 そして人でないにも関わらず――否、人でないが故に――余りに美し過ぎたこと。

 ――悲劇は、惨劇を生んだ―――


「おい、起きろ!」

乱雑に頬を打たれ、加奈江は意識を取り戻した。
同時に、躰の感覚も少しずつ取り戻してゆく。
だがそれは加奈江にとって、不快な、怖ろしいものでしかなかった。

即ち――雨水と泥にまみれた躰。
その、重く疲弊した躰が転がされている、冷たく硬いコンクリートの床。
荒縄で、後ろ手に縛り上げられた手首の痛み。己を取り囲む、敵意に満ちた複数のまなざし。
そして何より――天井から煌々と照りつけている、まばゆい蛍光灯の灯り。

「うぅっ……」
加奈江は躰を横に向け、光を避けようとする――
が、その動作は、腕を縛める荒縄によって封じられた。
「動くんじゃねえ!」
手首から伸びる縄を引いたのは、雨合羽に身を包んだ男だった。
彼だけではない。
その場にいる男達は皆、暗い色の合羽を着込み、フードを目深に被って顔を隠していた。

顔の無い人の群れ―――
それは、彼らの心の奥底にある罪悪感から来る物なのかも知れない。
このか弱げな少女を襲い、拉致する行為に対する後ろめたさ。
正義のため、島の平和を守るため――
そんな名分を掲げた処で拭い去る事の出来ない、陰湿な暴力を執行せねばならぬ事への恐れ―――

小さな島のこと。
幾ら顔を隠した処で、その背格好や声などで誰が誰であるのか、お互いに判りきっている。
それでも、判らないことにする。
そうでもしなければ、これから始まる残虐な宴の加害者となる自分に、彼らは耐えられない―――

「あなた達……脩は? 脩は何処に居るんですか?!」
出刃や木刀を携えた男達を仰ぎ、加奈江は震える声で問う。

三上脩。いにしえの闇の使いとして現し世に現れた加奈江を、最初に見つけた人間の男の子。
まだ四歳の幼い脩は、加奈江にとって実の弟――否、或いはそれ以上の、
かけがえのない存在であった。
こんな怖ろしい状況にあっても、加奈江の気がかりは脩の安否、ただそれだけだ。

「脩? ……ああ、お前が刺し殺した学者の、一人息子のことか……」
加奈江を縛り上げている荒縄を持った男が答えた。
「ふん! 岩場に打ち揚げられていたお前を、拾って養っていたあの男を殺した恩知らずが……
 今度はその子供も手に掛けようってぇのかい?!」
「違います! あの子を……脩を返して下さい!」

加奈江の剣幕に、男は一瞬、鼻白んだ様子を見せる。
だが次の瞬間、男の掌は加奈江の頬を打っていた。



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