SIREN(サイレン)のエロパロ第3日at EROPARO
SIREN(サイレン)のエロパロ第3日 - 暇つぶし2ch1:名無しさん@ピンキー
07/06/12 20:34:41 SjHjK7Bd
終了条件1:ホラーゲーム「SIREN」を題材にしたエロパロSSの投下、ネタ振り、
       萌え雑談等による「>>1000」への到達。
終了条件2:大量のSS投下による容量完走。

 Hint1:急募・SS職人様!

前スレスレリンク(eroparo板)
前前スレスレリンク(eroparo板)

2:名無しさん@ピンキー
07/06/13 00:36:41 4hSV04Sg
美智子

3:名無しさん@ピンキー
07/06/15 17:34:37 /5UBYaDN
3

4:名無しさん@ピンキー
07/06/18 19:30:01 9uDoHm4x
宮田(+牧野)×理沙で3Pとか何となく見てみたい

5:名無しさん@ピンキー
07/06/24 13:53:46 YVIsk2LC
>>4見たい見たい!激しく同意

6:名無しさん@ピンキー
07/06/28 00:50:03 oen/788T
ここのSSをまとめてある所はないんですか?

7:名無しさん@ピンキー
07/07/01 08:02:04 bsV6qjS6
>>1乙です。

暫くネットできない状況でした。
前スレ、落ちるだろうなぁとは予想してましたが、
立てる方がいてくれるとは思ってませんでした。
前スレでリクのあった漁師達による加奈江輪姦貼っときます。

注意:当然ながらレイプものです。あと、ともえが悪者です。
   あとチビ脩が虐待を受けます。
>>6
URLリンク(www26.atwiki.jp)

8:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:03:07 bsV6qjS6

 ――悲劇は、少女が人ならざるモノであったこと。
 そして人でないにも関わらず――否、人でないが故に――余りに美し過ぎたこと。

 ――悲劇は、惨劇を生んだ―――


「おい、起きろ!」

乱雑に頬を打たれ、加奈江は意識を取り戻した。
同時に、躰の感覚も少しずつ取り戻してゆく。
だがそれは加奈江にとって、不快な、怖ろしいものでしかなかった。

即ち――雨水と泥にまみれた躰。
その、重く疲弊した躰が転がされている、冷たく硬いコンクリートの床。
荒縄で、後ろ手に縛り上げられた手首の痛み。己を取り囲む、敵意に満ちた複数のまなざし。
そして何より――天井から煌々と照りつけている、まばゆい蛍光灯の灯り。

「うぅっ……」
加奈江は躰を横に向け、光を避けようとする――
が、その動作は、腕を縛める荒縄によって封じられた。
「動くんじゃねえ!」
手首から伸びる縄を引いたのは、雨合羽に身を包んだ男だった。
彼だけではない。
その場にいる男達は皆、暗い色の合羽を着込み、フードを目深に被って顔を隠していた。

顔の無い人の群れ―――
それは、彼らの心の奥底にある罪悪感から来る物なのかも知れない。
このか弱げな少女を襲い、拉致する行為に対する後ろめたさ。
正義のため、島の平和を守るため――
そんな名分を掲げた処で拭い去る事の出来ない、陰湿な暴力を執行せねばならぬ事への恐れ―――

小さな島のこと。
幾ら顔を隠した処で、その背格好や声などで誰が誰であるのか、お互いに判りきっている。
それでも、判らないことにする。
そうでもしなければ、これから始まる残虐な宴の加害者となる自分に、彼らは耐えられない―――

「あなた達……脩は? 脩は何処に居るんですか?!」
出刃や木刀を携えた男達を仰ぎ、加奈江は震える声で問う。

三上脩。いにしえの闇の使いとして現し世に現れた加奈江を、最初に見つけた人間の男の子。
まだ四歳の幼い脩は、加奈江にとって実の弟――否、或いはそれ以上の、
かけがえのない存在であった。
こんな怖ろしい状況にあっても、加奈江の気がかりは脩の安否、ただそれだけだ。

「脩? ……ああ、お前が刺し殺した学者の、一人息子のことか……」
加奈江を縛り上げている荒縄を持った男が答えた。
「ふん! 岩場に打ち揚げられていたお前を、拾って養っていたあの男を殺した恩知らずが……
 今度はその子供も手に掛けようってぇのかい?!」
「違います! あの子を……脩を返して下さい!」

加奈江の剣幕に、男は一瞬、鼻白んだ様子を見せる。
だが次の瞬間、男の掌は加奈江の頬を打っていた。


9:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:04:28 bsV6qjS6

 「ふざけたこと抜かすな! この、人殺しの化けモンがぁ! 己の立場をわきまえやがれ!!」
男は加奈江の胸倉を掴み、彼女の躰を引き摺り起こした。
加奈江の顔が、苦悶に歪む。
雨に濡れた美少女の痛ましい姿に、その場に居る男達は動揺を隠せない。

「馬鹿野郎、うろたえるんじゃねえ! 上っ面の美しさに騙されるな!
 いいか。このアマは島を穢す化けモンなんだ。俺達の手で、仕留めにゃならねえ……
 これは、あのお方の御意志でもある。そうだったな?」
男の言葉に、他の男達は大きく頷いた。
「そ、そうだよな……俺たち島の漁師は、太田の家に逆らっちゃ生きていけねえ。
 殊にあのお方の言うことには、絶対……」
中の一人が、弱々しく震える声で言う。
彼の言葉に、他の者達は返事をしなかったが、否定もしなかった。

「じゃあ……やるぞ」
男達は、一斉に加奈江を見下ろした。
加奈江は、己の命がもはや風前の灯であることを悟り、顔色を失った。

しかし――加奈江のこの認識は誤りであった。
男達は彼女に対し、死以上の苦痛を与えようとしていたのである。


縄を掴んでいた男が、加奈江の襟元に手を掛けた。
青色の大きな襟が引っ張られ――次いで、ビリリと耳障りな音を立てて、
加奈江のワンピースの前が破かれた。
「!!」
ハッとした加奈江の表情。
そして、はだけられた胸元を覆う質素な下着をも男は引き千切り、
彼女の真っ白な乳房を、無機質な光の下に晒した。

男達の視線が、乳房に絡みつく。
豊かな膨らみを見せる白い乳房は、加奈江の呼吸に合わせて柔らかく揺れている。
男達の一人が、グッと生唾を飲み込む音が聞こえた。

加奈江は、曝け出された肉体を男達の眼から隠そうと身を捩る。
が、両腕を後ろで縛り上げられているのでは、どうしようもなかった。
彼女を剥いた男が、低く笑う。
掌に余るほどの大きさの乳房を乱暴に捻り上げ、
その尖端に息づいている桃色の乳頭を、強く押し潰す。

男の狼藉に耐えかね、加奈江は咽喉の奥で「くっ」と微かな呻きを漏らした。
すると、それを合図にしたかのように、廻りの男達が動き出した。

「へへ……こいつが化けモンのおっぱいか。おい、俺達にも触らせろや」
「こりゃあ見事な……
 しかもただデカイだけじゃねえ。この肌触りといい柔らかさといい、全く堪らんぜ」
「ああ。それに見ろよ。この乳首の色の鮮やかなこと。やっぱ、若い女は違うねえ…………」

好き勝手なことを言いつつ、男達は加奈江の乳房を、敏感な乳首の突起をまさぐり続ける。
「いや……やめて…………やめて下さい」
何本もの欲望に満ちた手指に絡みつかれ、加奈江は消え入るような抗いの言葉を発する。
だがそれは、男達の情欲を煽る以外に役立ちはしなかった。

「けっ! 化けモンのくせに、何抜かしやがる!
 人間様のすることに逆らえる立場じゃねえんだってことを、骨身にまで判らせてやらぁ……
 おい、てめえら! 早くこの、邪魔な布っ切れを剥いじまいな!」

10:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:05:17 bsV6qjS6

 最初に加奈江の衣服を引き裂いた男――おそらく彼が、一同のリーダー格なのであろう。
彼の号令に従い、他の男達は加奈江のワンピースを剥ぎ取りにかかった。

「ああ……」
袖口を破かれ、スカートを刃物で切り裂かれ、加奈江の可愛らしいワンピースは、
見るも無残なぼろ布と化してゆく。

夜見島に全裸で流れ着いた加奈江に、脩の父・隆平が与えた水色のワンピース。
『死んだ家内が若い頃に着ていた物なんだが……』
そんな風に言いながら、少し照れた笑いを浮かべた隆平の姿を思い出し、
加奈江は物悲しい思いに囚われる。
しかも、その隆平を――脩のたった一人の父親である隆平を、自分は、この手で殺したのだ。
ほんの数時間前に。そう。この漁師達の言う通り。
闇の意思に乗っ取られ、自我のない状態だったとはいえ、その事実は―――

悲しみと絶望で乖離しかけた加奈江の意識は、男達の喚声によって引き戻された。
気付けば、加奈江のワンピースは全て取り払われており、
今や、彼女を覆っているのは、白い綿の下穿きのみであった。

「うっひょー! こりゃすげえや!」
「この躰の線、肌の色つや……ううむ、思った通りかなりの上玉だ……
 別嬪だし、その本性が化け物だとは、こうして見る限りはとても信じられねえ」
コンクリートの床に転がされた加奈江の裸身に、男達の脂ぎった視線が注がれる。
フードの下から覗く無数の淫らな光に、加奈江はこわごわと身をすくめた。

「全く素晴しい躰だよ。殺してしまうのが惜しくなってくるほどに」
リーダーの男が、加奈江のなめらかな太腿をさすりながら言った。
「だがな……これも化け物の手の内なんだ。人間を騙し、たぶらかす為の……
 判ってるなお前ら? この躰に魅入られた、あの学者の末路を忘れちゃなんねえ」

一同は静かに頷いた。
彼らは皆、三上家襲撃の際、隆平の惨殺死体を目の当たりにしている。
そして、その死体の傍らで、血まみれの包丁を手に立ち尽くしていた加奈江の姿も―――

その光景により、彼らの疑念は確信へと変わった。
間違いない。やはり加奈江は闇の世界からやって来た使い女――
人の姿かたちを盗み、島を災いに導かんとする海の“穢れ”――――
穢れは祓わねばならない。彼らの暴力は、正義の行為として正当化された。

「野郎ども! 化けモンの脚を開かせろ!」
リーダーが号令をかける。
男達は加奈江の肉体に群がり、彼女の白い脚を、瞬く間に大きく割ってしまった。
「あぁ……いやぁ…………」
真一文字に開かれた両腿の間で、白い布地に包まれた陰部が、くっきりとその形を現している。
男の一人が、その中心部の窪みのある辺りを、指先で軽く突付いた。

「あぅんっ!」
唐突に襲われた甘い感覚に、加奈江はビクリと内股の筋を浮き上がらせる。
「化けモンの癖に、アソコはきっちり感じるってかい? ヒヒヒ」
男は更に、加奈江の性器を下着越しにグリグリと弄り廻す。
「あっ、うっ、う」
加奈江のもっとも敏感な箇所が、男の指による刺激で次第に充血を始める。
火照りは新たな快感を生じ、それは、加奈江自身の意思に逆らって、
止め処もなく彼女の性器を蕩けさせた。

11:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:06:41 bsV6qjS6

 「……おい、見てみろ」
加奈江の性器を弄る男が、指を離し、その性器を指し示した。
指で辿られ、割れ目に白い布地を食い込ませた加奈江の性器。

その開き気味な割れ目の真ん中辺りが――濡れていた。

男達が低く声を上げる。
白い股布の中心に、濃く、粘り気を帯びた液体が滲んで、ウズラの卵大の淫猥な染みを作っていた。
「この化け物……オメコ濡らしてやがるぜ!」
「へへっ、こいつぁいいや!
 縛られて無理やり股座おっぴろげられてんのに、淫水出しやがるとはなぁ!
 とんだ色狂いの化けモンだ」

下品な中傷の言葉を口にしながら、男達は、寄ってたかって加奈江の性器に手を伸ばす。
「あうぅ……」
男達の手の陵辱に、加奈江は切ない呻き声を漏らした。

「こいつが邪魔だ」
不意に、加奈江の下穿きが、グイッ、と横にずらされた。
紅く染まり、粘液に濡れ光る肉の合わせ目が、ぷっくりとしたその姿を覗かせる。
「いやっ!」
加奈江は反射的に腰を引こうとした――が、男達に押さえつけられ、身動きすることは叶わない。
そして男達に淫らな手は、加奈江の下穿きをそのまま引き千切り、
彼女を、完全な裸体に剥いてしまった。

「いや……いやああああぁぁあっ!!」
乳房も、女陰も、肛門も、何もかも丸出しの恥ずかしい姿を曝け出され、
加奈江は悲痛な声音で叫んだ。

「くうぅ……堪んねえ…………」
男の中で、最も年若いと思われる一人が、興奮に耐えかねた様子で自らの股間を押さえている。
無論、彼だけではなく、その場に居る全員が同じ状態に陥っていた。
若い娘の無防備な肢体を前に、全員、ズボンがはちきれそうな程に陰茎を勃起させていた。

それでも――此処に至るまでは、この娘が人ならざるモノであるという恐怖と嫌悪から、
彼らの欲情の心は随分と抑えられたものであったのだ。
しかし、こうやって加奈江の丸裸を――濡れて開いた女の部分を眼の前にすると―――

「も、もう我慢できねえ! 俺ぁ、姦るぜ!!」
年少の男がズボンを膝まで引き下ろし、加奈江に襲い掛からんとする。
加奈江が甲高い悲鳴をあげた。
「馬鹿野郎! 勝手なマネすんじゃねえっ!」
跳ね踊る陰茎を加奈江の膣口に宛がおうとした若者を、リーダーの男が、首根っこ掴んで引き剥がす。

だがもう、時は遅かった。
「あっ、フゥーン」
若者が珍妙な呻き声をたてたかと思うと、露出した紅い亀頭の先から、
真っ白い精液がどっくどっくと溢れ出てしまっていた。
若者の精液は勢いよく飛び散り、加奈江の下腹部は勿論のこと、
豊かな乳房や、ぽってりとした唇の辺りにまで降り掛かって汚していた。

「なんだいなんだい! えれぇ早えんだなぁ」
若者は、加奈江の膣口に亀頭が軽く触れただけの刺激で達してしまったのである。
「ハァ、ハァ、す、すんません、今夜の為に、ゆんべからセンズリ我慢してたもんスから」
射精した途端、人が変わった様にしおらしくなった若者を見て、男達は爆笑した。

12:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:07:58 bsV6qjS6

 「ったく仕様がねえなぁ、こんなに汚しやがって……」
加奈江の肉体に降り掛けられた精液を眺め、リーダーは言った。
彼は、呆然と眼を見開いたままの加奈江の顔を覗き込む。
そして、精液に濡れた乳房を、彼女の口元近くまで持ち上げた。

「舐めろ」
リーダーは、乳房にこびり付いた精液を、加奈江自身の舌で清めるように命じた。
加奈江は顔を背けてそれを拒む。

すると、リーダーの掌が加奈江の頬を打った。
パン! パン! と、鋭い音を立て、何回も、何回も平手打ちが浴びせられる。
加奈江の蒼白な頬は、見る見る内に赤く腫れ上がっていった。
「……さあ、とっととやれぃ」
加奈江はもう、拒まなかった。
腫れ上がった頬に涙の筋を残したまま、加奈江は、己の雪白の乳房に舌を這わせた。

「んっ、んぐ……んむぅ」
舌を動かす度に、異様な臭気と、ピリリと舌を刺す苦味が、口の中に運ばれてくる。
そのつらさ悔しさで、加奈江の目尻には新たな涙が湧き出し、零れ落ちた。
「いいツラしてやがる……おい」
満足げに口元を歪めたリーダーが、後ろを振り返り、一人の男に声を掛けた。
「こりぁあ、おめぇの出番だろう」
「え? もう始めちまっていいんですかい?」
呼び掛けられた男は、一瞬戸惑った様子を見せる。
「ああ、予定じゃあのお方がこっちに着いてからってぇ手筈だったが……
 なぁに、もうじきに来るだろうて」

リーダーの言葉に、男は「へい」と答えると、
壁際に置かれた、何かのケースらしき物を引き寄せ、その蓋を開いた。
不安な面持ちで見守る加奈江の眼の前で、男は黒い部品を次々と取り出し、組み立ててゆく。
それはカメラだった。
それも、一般家庭にあるコンパクトカメラの類よりもずっと本格的な、プロ仕様の代物だ。

「……どうしたぃ? ボサッとしてねえで続けな」
彼らの目論見に気付き、顔色を無くした加奈江に、リーダーは乳房を舐め続けるよう促す。
だが、柔らかい膨らみを唇に押し当てられながらも、加奈江の眼はカメラを――
カメラに取り付けられた大仰なストロボを、食い入るように見詰めている。

「いや…………!」
凶器じみた黒いレンズを向けられると、加奈江は、いきなり激しく暴れ出した。
屈強な漁師達が取り押さえる中、必死で身を捩り、脚をバタつかせる全裸の加奈江は、
まさに取れたての魚のようだ。
「ヒヒッ、いいポーズだ」
男はシャッターを切った。
薄汚れた室内に、切り裂くようなシャッター音が鳴り響き――
同時に、まばゆい閃光が、辺り一帯を無慈悲なまでに照らし出す。

「きゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

加奈江は、絶叫した。

13:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:08:52 bsV6qjS6

 閃光に躰の隅々までも照らされる苦痛は、加奈江に取って、最も耐え難い拷問であった。
光は、闇の使いである加奈江の、最大の弱点なのである。
あまり長い時間、強い光を浴び続けると、
加奈江は、この仮初めの肉体を保つことが、出来なくなってしまう。

「駄目! やめて……やめて下さい! や、やめて」
息も絶え絶えといった風情で、加奈江は抗いの言葉を吐き続ける。
その苦悶に満ちた表情に、巨大なレンズが向けられる。

そして、閃光。
「い……ぁ…………いひ、ひぃ、い」
顔に、躰に、開ききった性器に、光の陵辱を受けた加奈江は、
半ば白目を剥いた凄まじい形相を、男達の前に晒していた。

「なかなかいい写真が撮れそうだな」
リーダーの言葉に、カメラの男は笑って頷く。
「全くですぜ兄貴。アマチュアカメラマンの俺が、こういった迫力に満ちた女の裸を撮れるなんて
 本当にありがたい話です……あのお方には、もう足を向けて寝れませんて」
彼が、そう言った時であった。

「ふふふ……その言葉、忘れるんじゃないよ」
入口の扉が開き、雨音と共に女の声が聞こえた。
男達は全員立ち上がり、声の主に頭を下げる。加奈江は首を伸ばし、新たな登場人物を見た。
桜色の着物を身に纏った小柄な立ち姿。切り髪の下、勝気そうな瞳を煌めかせた若い女―――
「……ともえ、さん?」

加奈江の呟きを耳にし、ともえは床に転がる裸体に、チラリと一瞥をくれる。
「いい姿ねえ。化け物女には、ピッタリの格好じゃない」
そして、高らかに笑う。
太田ともえ。
島髄一の網元、太田家の統領娘。
太田の家は、網元であると同時に、島を穢れから守る使命を帯びた、由緒正しい名家である。
当然、“海の穢れ”である加奈江とは、敵対する立場にある。

「ともえお嬢様! いい時にいらした。ちょうどこれから、本番に入る処ですぜ」
リーダーの言葉に、ともえは満足そうに頷いた。
「もう写真は撮ったのね? ふふ、面白いことになったでしょう?」
「へい、そりゃあもうお嬢様の仰る通り……このアマ、白目を剥いてヒイヒイ泣き喚いてやがって」

「そうでしょうとも」
ともえは、加奈江を残忍な眼で見下ろす。
「いにしえの闇から来た使い女は、光が苦手なのよ。
 だからこの女、今まで、陽のある時間に表へ出てこなかったでしょう?」
「なるほど……」
一同、加奈江に冷たい視線を送った。室内が、陰険な悪意で満たされる。

「では、早く始めなさいな」
漁師の一人が用意した木の箱に腰掛け、ともえは男共に指図した。
加奈江は、驚愕に眼を見開く。

闇に対抗する者として、ともえが自分に敵意を持っていることは、以前から承知していた。
自分を排除したいと思っていること。
そして、その為に強硬な手段を取る可能性があることも、予測はしていた。
しかしまさか――統領の常雄の指図というならまだしも、その娘であるともえが……
同じ女の身であるともえが、かような淫らな陵辱を、手下の漁師達に命じていたとは―――

14:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:09:41 bsV6qjS6

 「ともえさん!」
加奈江は、強張る咽喉から声を振り絞り、ともえに呼びかけた。
「あなたが……あなたがこんな仕打ちを企んだんですか?!
 こんな、破廉恥なことを……いったい何故?!」

「おだまり!!」
ともえが鋭く一喝した。
「破廉恥なのは、あんたの方でしょう? 私は知ってるのよ。
 あんたが、あの余所者の学者を始めとした、島中の男達に色目を使っていたのを!」
「そんな……私、そんなことしてません」

「いいや。お嬢様の言う通りだね」
男の一人が口を挟む。
「俺ぁ以前、夜の路地でこの女に誘われたことがあるぜ……
 狭い道でよう、こいつ、すれ違いざまに、ワザとおっぱい押し付けてきやがってよ」
「俺もだぜ! 俺が居る前でケツを突き出して、ガキの靴ヒモ直してやがった!
 へへへ、この太腿をチラつかせてよぉ」
別の男が、加奈江の腿を撫で廻した。加奈江は、首をぶるぶると横に振る。
「違います! 私、私そんなつもりは……」

ともえが立ち上がった。
ともえは、何処から持ってきたものか、大振りの目抜き大切を携えていた。
その巨大な刃を加奈江に向けたかと思うと、切っ先を加奈江の下顎に宛がい、グッと顔を上向かせる。
「何を言っても無駄よ。化け物女。あんたはもう逃げられない……
 さあ、あんた達! この化け物女に、人間の力を思い知らせておやり!」

男達は、一斉に加奈江の肉体に躍りかかった。
シャッターが何度も切られ、稲光の如き閃光が室内に満ちる。

加奈江の悲鳴が、灰色の天井に木霊した。



「よし、姦れ」
無骨な手がしなやかな肢体を嬲り、押さえつける中、リーダーの声がする。
「お、お、俺から、ですかい?」
答えたのは、酷く気弱なか細い声だった。
「ああそうだ、おめえからだ。おめえ、道すがら言ってたじゃねえか……
 まだ女を知らねえから、今夜姦れるのが楽しみだってなぁ」
「ほーお。そいつぁ面白ぇじゃねえか。滅多に居ないぜ? 化けモンで筆下ろしする野郎なんてよ」
一同、大きな声で笑った。

加奈江の虚ろなまなこに、覆い被さる黒い影が映る。
女陰の裂け目に、そろそろと宛がわれる硬い肉の尖端。
 ――犯されてしまう……。
だが、加奈江はもう、半ば諦めていた。
重い躰に圧し掛かられても――寧ろ、光を遮ってもらえて有難いとさえ思った。

この陵辱の後、自分は殺されるのだろう。
仮初めの肉体を失うこと。それは、大して怖ろしいことでは無い。
加奈江の心残りは、ただ一つ。

 ――脩…………。

愛しい脩を、守りきれなかった。脩を残して、消え去らねばならなくなった……。

断腸の思いで静かに涙ぐむ加奈江の膣に、凶暴な男根が、荒々しく分け入った。

15:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:10:23 bsV6qjS6

 「あぅ……」
 「おうっ、ううう」
加奈江と男は、同時に声を漏らした。
シャッター音と共にフラッシュが焚かれ、性器で繋がった二人を横から写した。

「ようよう! どうでぇ、オメコに嵌めた感じはよ!」
「うぅっ、な、なんだかヌルヌルしてます……そ、それに、中の肉が、纏い付いてくるみたいで」
初めての性交の感想を訊かれ、男は、興奮に震える声で答える。
「ほれ、じっとしてたって仕様がねえだろう。腰を使いな、腰を!」
周りに促され、彼はぎこちなく尻を上下させ始める。

膣の入口から、躰の奥深い部分にまで衝撃を受け、加奈江は呻いた。
だが三往復もしない内に、彼は果ててしまった。
「お……おおおぉっ」
激しい射精の快感にガックリと力が抜け、加奈江の乳房に凭れかかる。

「早く退け馬鹿野郎! 後がつかえてんだ」
男が押しやられ、別の男が圧し掛かってくる。
今度の男は、やけに性急に腰を動かしてきた。
あまりに素早く膣を摩擦されるので、加奈江は、引き攣れる痛みを感じて顔をしかめた。
その所為なのか、加奈江の膣は萎縮したように男の陰茎を締め付け――
瞬く間に、彼を射精へと導いた。

彼はさっさと加奈江から離れる。そしてまた、別の男が入れ替わった。
 ――ああ……あと何人居るんだろう…………。
まばゆいフラッシュの合間を縫って、加奈江はその場に居る男の数を数えようとした。
……ざっと見る限り、七、八人くらいの人影が認められる。
だが正確な数は判らなかった。
明滅する光に眩んだ加奈江の眼は霞み、
膣を繰り返し犯される感覚で、意識も朦朧として、正常な思考が出来なくなっているのだ。

男達は、際限なく加奈江を犯し続けた。
たび重なる陵辱で、加奈江の全身は汗にぬらついて白くかがやき、
膣口からごぼごぼと溢れ出た精液は、尻の谷間を伝ってコンクリの床に染み込んでいた。


こうして、何度目かの射精が、加奈江の胎内で行われた。
「ったく……どいつもこいつも、あっという間に終わりやがって」
例のリーダーの男が、呆れ果てた口調で吐き捨てた。
「いいか。俺達ゃこの化けモンに、人間の怖さを思い知らせてやらにゃならねえんだぞ?
 それがどうだ? おめえらが不甲斐ねえからこのアマ、こんなにしれーっとしたツラしてやがる」

「いやぁ兄貴。そうは言いますがねぇ」と、他の男達は不服そうに言う。
「この化けモンのオマンタンの具合の良い事といったら……とても持ちゃあしませんて」
「そうっスよお。そんなこと言うんだったら兄貴、是非とも兄貴が手本を見せて下せえよお」
彼らはリーダーの方を見る。
男達が代わる代わる加奈江を犯し続ける中、リーダーだけが未だ、加奈江と交わっていない。

「ふん、しょうがねえなあ」
リーダーはニヤリと笑うと、身を包む雨合羽を、勢いよく脱ぎ捨てた。
人相を露わにした彼を見て、一同ハッと息を飲む。
一方のリーダーは平然とした様子で、瞬く間に全ての衣服を脱ぎ捨て、加奈江の前に仁王立ちした。

加奈江は、気怠げにリーダーを見上げた。
蛍光灯の灯りが逆光になった彼の顔は、加奈江からはよく見えなかった。
だが、そのがっしりとした体躯や、赤銅色によく灼けた膚の色は、なんとなく見て取れた。

16:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:11:10 bsV6qjS6

 リーダーが加奈江の前にしゃがみ込むと、加奈江を取り囲んでいた男達は、少し後ろへ引いた。
「いいかおめえら、よぉく見て置きな」
加奈江の乳房を両手で鷲掴みながら、彼は言う。
「今からおめえらに、女の扱い方を教えてやらあ」
リーダーは、たわわな乳房をグッと持ち上げ、桃色の乳頭を摘まみ上げた。

彼は、他の男達のように慌てて性器を結合しようとはせず、
加奈江の肉体のあちこちを指先でまさぐった。
首筋から乳房をたどって脇腹をなぞり、また乳房に戻って柔らかく揉みしだく。
加奈江はぼんやりとした表情のまま、男の指戯を受けている。

やがてリーダーは、長い舌を伸ばして加奈江の乳首を舐め、
更に、上下に弾くように素早く舌を動かし始めた。
「う…………」
加奈江は、小さく呻いて眼を閉じる。
その表情をカメラが捉える。加奈江は首を振り、長い黒髪で顔を隠そうとした。
「ふふふ」
彼は低く笑うと加奈江の髪の毛を払いのけ、顎を掴んで無理やりカメラの方に向けさせた。
「撮らせてやれよ。せっかくのいい顔が、勿体ないぜ」

そうしながらも彼の手は、休むことなく加奈江の肉体を責め立てる。
片方の手で乳房を撫で廻しながら、もう片方はゆっくりと下腹部に落ち、
加奈江の、だらしなく開いたままの脚の付け根を、もぞもぞと弄くりだした。
「うっ、うぅんっ!」
その途端、加奈江の身は仰け反り、甲高いよがり声が唇から漏れ出でた。
リーダーは、加奈江の膣口に、中指と人差し指を挿れて掻き廻しつつ、
親指は陰核に宛がい、強い力で揉みほぐしていた。

暫くそれを続ける内に、加奈江の漏らす声は本格的な喘ぎ声となり、
弄られる陰部の疼きに耐えかねてか、尻を、もじもじと蠢かせ始めた。
「ふむ、そろそろいい頃合いだな」
リーダーは、加奈江の中から二本の指を引き抜いた。
指には、膣を汚した男達の精液とは明らかに違う、加奈江自身から湧き出た恥液が、
ねっとりと絡み付いていた。
周りの男達が溜息を漏らす。
リーダーは加奈江の両脚を脇に抱え込み、焦らすようにゆっくりと、陰茎を膣に埋没させていった。

リーダーは、人に言うだけのことはある、性技の巧みな男であった。
ただ前後に腰を動かして突きまくるばかりではなく、
時に浅く、時に深くと、緩急つけて抜き挿しをした。

「はっ……あぁ、あぅん」
入口上部のザラザラした部分をカリ首で擦られたり、
ぐるぐると廻すような動作で、膣内を隈なく掻き廻されたりする毎に、加奈江の性悦は昂まり、
遂には男の動きに呼応して、その丸い尻をクイッ、クイッ、と、自ら上げ下げするまでになった。
「おいおい見ろよ! こいつ、腰使ってやがるぜ!」
「はっはーっ! 本当だ! 兄貴のマラを咥え込んで、オメコが涎たらしてよがってやがる!」
「しかしさすがは兄貴だぜ! 化け物のオメコを夢中にさせちまうなんざ……」

「ふふん。ようやく淫売の化け物女が、本性あらわしたってぇ処ね」
前に出たともえが、上気した顔で言い放つ。
「さあ、もっともっと責め立てるのよ!
 化け物女のもっとみっともない、もっと恥ずかしい姿を私に見せなさい!」
ともえの命に、リーダーは大きく頷いた。

17:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:11:49 bsV6qjS6

 「判ってますよ、ともえお嬢様……
  そいじゃあ、お嬢様にもっとお楽しみ頂ける様にしやしょうかい」

リーダーは一旦、加奈江の膣から陰茎を外した。
そして、加奈江の髪を引っ掴んで立ち上がらせると、背後から彼女の片膝を抱え、
後ろ取りで陰茎を挿れ直す。
刺激的な姿態に、ともえを始めとした全員が息を飲んだ。
リーダーは小さく笑い――更に、そのまま加奈江の、もう一方の膝もすくい取った。

室内に、どよめきが起こった。
子供に小便をさせるような姿勢で抱え上げられた加奈江は、
陰茎を嵌められた女陰を見せ付ける形を取らされていた。
真っ赤に腫れ上がり、淫汁まみれでひくひくと蠢いている、いやらしいその姿―――

「ああぁ」
あられもない姿にされた加奈江は、羞恥の極みで切ない声をあげる。
しかも、そんな加奈江をカメラは無情に撮影し続けるのだ。
「いぁ……ああ! ひぃっ……」
この状態で、ストロボの光を浴びせられるのは辛過ぎる。
それは、長いこと正座を続けて痺れた足を、思い切り踏み付けられるようなもので、
どうにも耐え難い苦痛であった。

「ヘッ、なんだいこいつ! 写真撮られるたんびに、オメコをピクピクさせてやがらあ!」
男の一人が、加奈江の性器を指さして笑う。
彼の言葉通り、加奈江の性器は、フラッシュに合わせてひとりでに収縮を繰り返していた。

「おぉ! クソ、よく締め付けやがるぜ……特に、入口の締め付けが凄い。
 こりゃあ俗に言う、蛸壺陰門ってえヤツだ。これじゃあ、おめえらが持たねえのも無理はない」

そう言いながらもリーダーは、無理な姿勢をものともせずに、腰を使い始める。
加奈江は再び、喜悦の声を上げ始めた。
「あっ、あっ、あっ、あ、あ、あ、あ、あ……」
性器の結合部からは、ぐちゅぐちゅ、にちゃにちゃ、と淫らな粘液の音が鳴り響く。
抱えあげられて揺さぶられる加奈江の脚は、膝から下がガクガクと上下し、
白い乳房も、ぷりんぷりんと大きく揺れ弾んだ。

こんな光景を見せられては、他の男達も黙っていない。
「あぁっ! いやあぁっ!!」
加奈江の陰核に、誰かが指を這わせてきた。
シコシコした手触りの敏感な肉豆を捻られて、加奈江はびくりと肩を震わせる。
陰茎の出し挿れされる膣口の周囲も、別の男が弄り廻している。
両の乳房は両脇から別々の男に触られているし、何故か、足の指をぺろぺろ舐めている男もいる。

「いぃ、あ、あ、あひ……へ……あ…………」
加奈江はもう、ほとんど正気を失ってしまっていた。
膣を犯され躰中を嬲られ、眩しい光に幾度も幾度も晒されて―――

「なんて醜い顔かしら」
眼の前に立ったともえが、蔑みの言葉を投げ掛ける。
「これほど大勢の男に辱めを受けながら、よく気分を出せるものねえ……
 白目を剥いてヒイヒイ言って、上の口も下の口も、だらしなく涎たらして。
 いくら化け物とはいえ、恥はないの?」

加奈江は、ともえから眼を逸らした。
途端、ともえの平手が加奈江の頬を打った。
「答えなさいよ化け物女!」
憎々しげに言い募る。

しかし次の瞬間、ともえはフッと笑顔を見せた。

18:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:12:33 bsV6qjS6
十一
 「ふふ……まあいいわ。あんたは今、性交に夢中なんですものねえ。
  大事な処に男のおちんこ嵌められて、雌豚のようによがり狂っているんですもの、
  マトモに話なんて出来やしないわよねえ、ホホホ……」

ともえは華やかに笑うと、加奈江に嵌めている男に眼で合図をした。
男は頷き、より一層、大きな動きで加奈江を姦し始めた。
加奈江は首を反らせ、恍惚の表情を露わにする。

「もっともっと、雌豚らしく啼き喚いてごらんなさいな。
 あんたの本性を……この場で曝け出すといい!」

言われるまでもなかった。
闇の使者としての勤めも果たせず、かといって、人間にもなれない。
加奈江にはもう、何も残されてはいないのだ。
彼女の虚ろな心は、もはや屈辱を屈辱とも思わず、
身を苛む快楽を、寧ろ積極的に受け入れようとさえしていた。

そして遂に、加奈江に快楽の絶頂が訪れようとしていた。
「おや、とうとう気を遣りそうなのね?」
ともえの言葉を耳の隅で捉えつつも、加奈江の感覚は、陰門の奥――
陰茎の先で突き廻される、子宮頸口の蕩けそうな快感に、全て持っていかれてしまっていた。

――かぽん、かぽん、ぱこっ、ぱこっ
 ――ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ

「あああ、いい、いいい……くる……きちゃう、のお」
肉のぶつかる音と、性器から飛沫をあげて飛び散る淫液の音が、ひときわ激しく鳴り響く中、
加奈江の、絶え入るような声が被さってくる。
加奈江を犯す男もまた、先走りを漏らしながら、最後のあがきの如く、
がむしゃらになって腰を振り立てている。

リーダーは、大汗を掻きながら前に二、三歩進んだ。
すると、ともえと共に、取り囲んでいた人垣がサッと別れた。

加奈江は、何とは無しに、恍惚と閉ざしていた瞼を開いた。
部屋の片隅に、小さく光る何かが見えた。

二つ並んだその光は、眼だった。
つぶらな瞳。途轍もなく懐かしい――だけど決して、今この場に居てはいけない子の瞳―――

「脩」

加奈江は、驚愕に眼を大きく見開いた。
口にガムテープを貼られ、自分と同じように、後ろ手に縛り上げられた幼児の姿。
その痛ましい脩の姿に、加奈江の理性は急速に回復する。

だがもう、手遅れであった。

「いや、いや、い…………いひいぃい! いぁああああぁぁあぁぁあぁぁあぁああぁぁー……!!」

自分を見上げる脩の眼と見詰めあいながら、加奈江の躰は、凄まじい絶頂感に襲われた。
脳髄を貫く快感に、加奈江の視界の脩は、ぼやけて揺れる。
揺れているのは、加奈江自身も同じだった。
性器の痙攣は、全開の内股の筋肉や、肛門、尻の肉までもヒクつかせ、
それにつれて、肩から足のつま先まで、感電したようにビクンビクンと震え強張った。

脩の瞳は、そんな加奈江の全てを見詰めていた。
貝のように潮を噴き出し、蠢き悶える女陰を脩に見せつけ、
加奈江は、果てしない絶頂の渦にきり揉みにされ、沈んでいった―――

19:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:14:27 bsV6qjS6
十二
 白く虚ろに時が流れた。

自失の状態から覚めた加奈江は、いつの間にか、脩の前に座り込んでいた。
「脩……」
幼い脩のふっくらとした頬には、涙の跡が残されている。
しかし今、その顔には何の表情も無かった。
人形のようになってしまった脩を前にして、加奈江には、何もなす術が無かった。
出来ることなら、脩を縛めている縄を解いてやりたい。
ガムテープを剥がし、涙の跡も拭ってあげたい。
そして――抱き締めるのだ。もう二度と離さない、と、誓いながら―――

でもそれは、脩と同じく縛められた状態にある加奈江の手では、叶わぬことだった。
 ――それに
と、加奈江は項垂れる。
あんな――あんな醜態を晒してしまったのだ。
脩の眼の前で。汚らわしい快楽に耽溺し、絶頂を極めるはしたない姿を、この躰は―――

閉じた太腿の内側では、男の放った精液と、自身の出したよがり汁の入り混じったものが、
溢れ返って粘りを帯びている。
腫れ上がった性器の穴はジンジンと疼きを残し、
こうしていても、未だ男の陰茎を嵌めているような錯覚を起こしていた。

こんな汚らしい自分が、脩に触れることが、果たして許されるのだろうか?

「感動のご対面ってわけね」
傍らに立ったともえが、嘲笑を交えた声で言う。
「しかし……傑作だったわねえ。あんた、性交に夢中でこの子に全然気付かないんだもの。
 ねえ、この坊や、いつから此処に居たと思う?」
「……」加奈江は、黙ってともえの言葉を聞いている。
「実はね……最初からなのよ。
 あんたが此処に連れて来られた時には、すでにこの子は此処であんたの様子を見ていたの」
加奈江は、俯いたまま眼を見開いた。

「化けモンに魅入られたガキだからな」
と、リーダーの男が続ける。
「見付け次第始末するように、と、親父さんには言われていたが、
 この余興に使えると踏んだお嬢様が、此処へ運ぶよう指示されたんだ。
 始めはてめえの眼に入らんよう、階段の影に隠していたが、
 へへっ、てめえがオメコで気分出し始めてからは、此処に出して置いといたのさ。
 てめえが気付いた時に、面白ぇことになると思ってな」

加奈江は、頭を殴られたような衝撃を受けていた。

 ――見 ら れ て い た 。 脩 に 。 全 部 見 ら れ て い た 。

加奈江は、今まで此処で晒してきた、痴態の数々を思い返す。
いっそ死んでしまいたくなるほどの羞恥の念。そして―――悔恨。
加奈江はもう、脩に眼を向けることさえ出来なくなってしまう。

「さてと。そろそろ休憩時間は終わりだぜ」
リーダーは、加奈江を縛る縄を掴んで引き摺り、加奈江を、部屋の中央に転がした。
「まだまだ、てめえが相手をせにゃならん野郎が何人も残っているんだ。
 さっさと済ませねえと、夜が明けちまわぁ」

これ以上の陵辱を受ける訳には、いかない。
加奈江は、慌てて起き上がろうとした。
だが多勢に無勢。人外ではあっても、非力な女の身で、しかも縛られていては―――

20:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:15:10 bsV6qjS6
十三
 それでも加奈江は今までとは違い、全力の抵抗を示した。
脩の眼の前で、これ以上恥ずかしい様を晒す訳にはいかない。
「やめて! お願いです! こんなこと、もうやめて下さい!!」

加奈江のそんな必死のあがきは、瞬く間に封じられた。
男の一人が、脩の咽喉元に出刃包丁を突きつけたのだ。
「股を広げな。そう……ちゃんとガキにも見えるようにな」
冷酷な刃物を柔らかな咽喉に受け、脩の塞がれた口元からは、ちいさな呻き声が漏れる。

「脩!」
こうなるともう、加奈江は言いなりになる他なかった。
ぶるぶると全身を震わせながら、加奈江は脚を開き、淫汁まみれの性器を露わにした。

「ヒヒヒ、ほら坊主、よおく見てやんな。あれが、おめえの大好きなおねえちゃんのオメコだよ」
「脩……見ないで」

「ほれ、こうやっておっぴろげると、もっとよく判るだろう……ほら、この穴だ。
 この化けモンは、この穴に男のチンボを嵌められるとヒイヒイよがり狂うんだ……
 おめえもさっき、見ただろう?」
「見ちゃ駄目……」

「坊主はこのお乳を吸ったことあるかい?
 へへっ、こうやって吸って、舐めてやるとな、女はみぃんな気持ちがよくなって、
 オメコを濡らすものなんだぜ?
 そして……くく、こうしてオメコのサネを撫で廻してやると……」
「見ないで」

「そらそら、オメコがぴくぴくしてきやがった。チンポを欲しがっている証拠さ。
 ついさっき、あれほど派手に精を遣ったってえのに……ほんに多情な女だ。
 いや、女じゃねえのか? 何しろ化けモンだもんなぁ、ハッハハ」
「脩、だめ」

加奈江の呟きは、誰の耳にも届きはしなかった。
おそらくは、脩の耳にも――何故なら脩の眼は、加奈江が見てはならないと言い含めている、
彼女の躰の秘められた部分を、食い入るように見詰め続けているからだ。

やがて加奈江は、男達の玩弄の魔手に、抗う力を失っていった。
肉体を嬲りまわされ、肉の凶器で膣を、口を、肛門を、いく度もいく度も犯された。
加奈江自身は、脩の眼の前で四度の絶頂を迎えたが、
その身に受けた男達の射精の数は更におびただしく、とても数え切れるものではなかった。

全身精液まみれのその姿は、情け容赦なく写真に収められた。
そして――
明滅するフラッシュを浴びせられ、今しも、溶けて無くなりそうな感覚に身悶えしながら、
尚も加奈江は呟き続けていた。

それは、祈りのように。それは、呪詛のように。

  ――脩…… 見ちゃだめ…… 見ないで…… 脩…… 見ないで…………。


21:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:16:09 bsV6qjS6
十四
 最後の男が、加奈江の顔に精の雫を放った。

ボロ雑巾のように床にへばりついた加奈江をうち捨て、男達は、ぐったりとした様子で、
そこかしこに座り、身を休めていた。

「みんな、ご苦労さま」
ずっと狂乱の宴を傍観していたともえが立ち上がり、一同に声を掛けた。
「じゃあみんな……今夜はこれで、引けてしまっていいわ。後は私に任せて……」
「お嬢さん一人で? 大丈夫ですかい?」
リーダーが、案じて口を挟む。
「……そうね。では、お前とお前だけ残って」
ともえは、リーダーともう一人の男に命じた。

雨の中、男達はぞろぞろと帰ってゆく。
室内にはともえと二人の男、そして、加奈江と脩の五人が残される。
「お前たち……ちょいと、二階へ行っておくれでないか?」
ともえの命を待つ男達に、ともえは言った。
「私はこの……化け物女に、用事があるのよ」

リーダーは一瞬、怪訝そうな顔を見せたが、
すぐに、全てを得心したような、意味深な笑顔を浮かべて頷いた。
「判りやした……んじゃあ、俺っちは上で待ってますんで。何かありやしたら、すぐに呼んで下せえ」

二人は、二階へ上がって行った。

ともえは、去ってゆく足音を確認するように、暫し階段の方を向いていたが、
やがて、ゆっくりと振り返って加奈江を見下ろした。
加奈江は、未だ辛うじて生きている、といった状態であった。
精液の残滓を躰のあちこちにこびり付かせ、抜け殻の如く虚ろな有様で横たわっていた。

ともえは加奈江の眼を覗きこむ。加奈江の瞳が揺らいだ。
加奈江に意識があるのを認めると、今度はむき出しの下腹部に眼をやる。
あお向けに転がった加奈江は、さいぜん犯された姿勢のままだった。
しどけなく八の字に開いた脚の付け根から、爛れきった性器が、ぱっくり口をあけていた。

ともえは、その痛々しい女の部分を――紅い下駄で、思い切り踏み付けた。
「ぎゃあぁっ!」
加奈江の弛緩していた躰が、電撃を受けたようにビクンと跳ね上がった。
その拍子に、膣の中に溜まっていた精液が、どろりと膣口から溢れ出る。
加奈江は痛みに涙を流しつつも、陰部を手で押さえることも出来ずにただ、股間をヒクつかせた。

「ぶざまねぇ」
ともえは、異様に紅潮した顔で加奈江の姿を見遣った。
そして今度は、部屋の隅で小さく蹲っている脩の方に眼を移した。
「坊や。こっちにいらっしゃいな」
ともえが呼び掛けても、脩は光る眼で見上げるだけで、身動きひとつしない。
「くすくす……そうか。こんな汚らしい化け物女の傍へなんて、寄りたくはないってことね?」

ともえのこの言葉を聞くと、脩は、おずおずと加奈江の方に近付いた。
「ご覧、坊や」
ともえは、脩の肩に手を置いて、加奈江を指す。

「この、惨めなみっともない姿……まさに、人間以下の畜生そのものと思わない?
 でもこれが、この化け物女の本当の姿なのよ。
 こいつは今まで、人間の振りをして坊やに良くしていたようだけど……そんなの、ぜんぶ嘘。
 坊やをたぶらかすための、偽りの優しさだったのよ。
 どう、坊や? この化け物の本性を、今宵ここで、嫌というほど見ただろう?
 それでもあんたは、こいつをおねえちゃんと呼べる?
 この不潔な淫売女郎を見て……あんたは今、どう思っているの?」

22:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:17:37 bsV6qjS6
十五
 ともえは、脩の口を塞いでいたガムテープを剥がした。
その途端、脩はともえの手を振り払い、加奈江の傍に寄った。

「おねえちゃん!」
「……脩」
脩は加奈江の眼をジッと見詰めていたが――急に、声を上げて泣き出した。
封じられていた口が開かれたのと同時に、押さえられていた感情が、一気に噴出したようだった。
「おねえちゃん……おねえちゃんかわいそう」
手を縛られた脩は、その柔らかな頬を、加奈江の頬に擦りつけて泣きじゃくった。
加奈江にこびり付いた、淫液で汚れるのも構わずに―――

「……脩!」
脩の涙の温かさを感じ、加奈江の眼からも涙が溢れた。
そのまま二人は、身を寄せ合って涙した。
「脩……ごめんね脩…………」
加奈江にはもう、謝ることしか出来なかった。
この子の父親を殺し、そして、この子を助けることも出来ない。
光と男根に犯され抜いた加奈江には、もはや、起き上がる力さえ残ってはいないのだ。

それでも脩は、こんな自分を、未だ慕ってくれている。
加奈江は脩の健気さに、嗚咽を漏らしてただ泣き続けた。

この哀れな二人の間に、もう、言葉は不要であった。
互いを思いやり慈しみあう心は、熱い涙となってそれぞれの頬の上で混じりあい、
ひとつに溶けあっていた。

そんな二人の様子を、ともえは背後から忌々しげに眺めていた。
「いつまで泣いているのさ、うっとおしいね!」
ともえは脩を押しこくり、加奈江から無理に引き剥がす。

「脩に触らないで!」
加奈江は鋭い声と共にともえを睨みつけた。
ともえは、加奈江の頬を打とうと手を振り上げる。すると――
「おねえちゃんをいじめるなぁっ!」
脩が、横からともえに体当たりを浴びせた。
意表をつかれたともえは、まともに喰らって地べたに尻餅をついてしまう。

「あんた達……!」
ともえは、怒気を露わにして立ち上がった。
二人の前に立ち塞がり――不意に、肩をすくめて溜息をついた。
「やれやれ気の毒に。すっかり化け物の術中に嵌まりこんでいるのね」
そして脩を見下ろすと、一転、優しげな声で語りかけた。
「ねえ坊や。そんなにそのおねえちゃんが好き?」

脩は、戸惑った様子でともえと加奈江を見比べていたが、じきに、コックリと頷いた。
「そう……じゃあ可哀想ねえ。だってあんたのおねえちゃん、もうすぐ死んじゃうのよ?」
「……うそ!」
「嘘じゃあないわよ」
ともえは脩に、あでやかな微笑を見せた。
「だってご覧な。おねえちゃん、皆にやっつけられてボロクズの様になってるでしょう……?
 放って置いたら死んじゃうわよ。確実に」
脩は今にも泣き出しそうな顔になる。

「助けてやりたい?」
ともえは、脩の目線に屈みこむ。
「おねえちゃんを助けるために出来ることがある、と言ったら、坊やはしてあげられるかしら?」
「ぼく……おねえちゃんをたすけたい。なんでもする」

たどたどしいながらも、はっきりとした声音で言った脩に、ともえは微笑んだ。

23:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:18:21 bsV6qjS6
十六
 「じゃあ、おねえちゃんを舐められる?」
ともえは、加奈江の躰に眼を遣りつつ脩に問うた。
「それも、おねえちゃんのお道具。つまり……おしっこの出る処、と言ったら判るかしら?」

脩は、黙ってともえを見据えている。
「あんたのねえちゃんは、其処に男のものを咥え込み過ぎて、イタイイタイになってるはずなのよ。
 だから……あんたが舐めて、傷を癒してやるといい」

「……何言ってるんですか?」
加奈江は愕然として声を上げた。だがともえは、それを無視して、脩を、加奈江の前に座らせた。
「ほら此処。此処を舐めるのよ」
ともえは加奈江の性器を指し示した。

加奈江の性器は、いまだ激しい陵辱の痕跡で、火のように紅く充血して荒れている。
濡れた恥毛がへばりついた大陰唇。
その内側で、陰茎によって幾度も擦り上げられたせいで、肥大した赤紫色の小陰唇には、
白濁した液が絡みついている。
中央部の、ぽっかりと黒く穴の開いた膣口の様相といい、
それは大人の眼から見ても、空恐ろしく感じるほどの淫らさである。

ましてや脩は、たった四歳の子供なのだ。

生まれて初めて間近に見る生々しい女性器に怯み、脩は顔を強張らせる。
「駄目よ脩! そんな処、見ては駄目……」
脚を閉じることさえままならない加奈江は、首を傾け、懇願に近い口調で脩に訴える。
「おねえちゃんが、死んでもいいの?」
うつむく脩の耳元に、ともえがそっと囁きかける。

脩の顔が、ゆっくりと加奈江の股間に近付いてゆく。
熱い吐息が降り掛かり――小陰唇の一端を、チロリと小さく舌が這った。
「あっ!」
加奈江は、思わず声を上げた。
「おねえちゃん、いたいの?」
心配そうな脩の声に、加奈江は、首を大きく左右に振る。
「大丈夫だから……脩はしないでいいのよ、そんなこと」

「やるのよ坊や」
ともえが後ろで命令した。
「そんなんじゃ駄目! もっと、感じるように舐めてやらなけりゃ……
 ではこうしましょう。いきなり膣を舐めるのは気味が悪いだろうから、まずは、此処をお舐めなさい」
ともえは、加奈江の包皮からむき出た陰核を、指で摘まんで脩に示した。
「此処の先っちょをね、舌を素早く動かして舐めるの。
 これなら小さいからあまり味もしないし、出来るわよね、坊や」

脩は言われるまま、加奈江の陰核に舌先を宛がった。
「脩……」
脩は、加奈江の困惑気味な表情を見上げる。
そして、そのまま加奈江を見上げつつ、舌先で、陰核を小刻みに突付き始めた。
「脩……!」
柔らかく熱い舌が、加奈江の敏感な肉芽をぴたぴたと刺激する。
加奈江の頬が、赤く染まった。

24:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:19:10 bsV6qjS6
十七
 脩の舌は、ぎこちない動作で一所懸命に、加奈江の陰核を突付き廻す。
その、焦らすような舌の動きに耐えかね、加奈江のその部分は、硬く尖りかけていた。

「ん……ぅん…………んっ!」
加奈江は戸惑っていた。
幼い脩が強要されている不潔な行為。加奈江の心は、それを痛ましく思っている。
なのに、躰の方は―――

「気持ちがいいなら、ハッキリそう言ったらどう?」
ともえは、腕組みをしてニヤニヤ笑いながら言った。
「何を気取っているのさ? 無理に声を殺しちゃって……
 あんたが淫乱の化け物だってことは、とっくにバレているのに」

ともえは、立ったまま下駄を片方脱いだ。
そして、白い足袋を履いた足を加奈江の乳房に乗せ、指の股で、器用に乳首を摘まみ、こね廻した。
加奈江は、逆上せたように顔を耳まで紅くし、切ない溜息をつく。

ともえは、乱れた裾前から華奢な足首を覗かせて、暫し、加奈江の乳首を責めていたが、
やがて、スッと足を戻した。
加奈江は、ともえを見た。
ともえの頬は、加奈江に負けないくらいに紅潮し、大きな瞳を爛々と輝かせたその表情は、
一種異様な美しさを醸している。

ともえは、何かに耐えるように微かに震えながら、加奈江の顔をジッと見返していた。
「化け物女のくせに」ぼそりと呟く声。
加奈江の耳の横で、カラン、と、赤い下駄が床を踏みしめる音がした。

ともえは、加奈江の頭をまたいで立っていた。
桜色の着物の裾を捲り上げ――そのまま、ガバッと顔の上にしゃがみ込む。
加奈江の眼の前に、ともえの淡い恥毛に縁取られた女陰が突きつけられた。
「ともえさん……」

ともえの肉付きの薄い、慎ましやかな感じのする陰部は、鼠蹊部の辺りまでが紅に色づいていた。
そこをともえは、自身の指先でぱくりと寛げる。
開かれた陰唇の内部は、淫猥な蜜で溢れかえっていた。
「……此処をお舐め」
荒い息の中、少し掠れた声音で、ともえは命じた。

「…………」
加奈江は、黙ってともえの顔と、眼の前に晒されたともえの割れ目とを、交互に見ていたが、
頭を僅かに上げて、ともえの濡れた粘膜に、唇を吸いつけた。
「うわ……あぁあっ!」
ともえの叫び声が、辺りに木霊する。
加奈江は舌を伸ばし、淫液を止め処なく沸き立たせている膣口に、えぐるように挿し入れる。

「あぁっ、はっ、いぃ……も、もっと、もっとお舐め! もっと……お、おサネも吸って!」
ともえは膝をつき、加奈江の顔面に、股をぐりぐりと擦りつけた。
加奈江は少しむせ返りつつも唇を開いて陰唇に被せ、中の粘膜をべろべろ舐めまわした。

「おおぉ、おあぁ、あぁ」
「んむ……ん、んん…………んんっ!」
二人の女の喘ぐ声が交錯する。
加奈江の激しい口淫を受けるともえの甲高い嬌声と、
脩に陰核を刺激されながら、ともえに奉仕する加奈江の、抑えられた艶声は、
殺風景な廃屋の中で、一際なまめかしく響き渡った。

25:加奈江/夜見島金鉱(株)/-3:00:00
07/07/01 08:22:40 bsV6qjS6
十八
 「ああぁー……いいわ、上手いわ……堪らない…………」
ともえは、ハアハアと大息を弾ませながら、着物の襟元に手を入れた。
懐から何かを取り出している――それは、掌に納まるほどの、小さなこけし人形であった。

ともえは加奈江の顔の上から離れ、こけし人形の底を加奈江の口に突っ込んだ。
「しっかり咥えているのよ」
そう言って、ともえは腰を上げ、こけしの頭に膣口を宛がい――ゆっくりと、腰を落としていった。
「あああああ……」
小さなこけしは、吸い込まれるようにともえの膣に埋没してゆく。

こけしを完全に胎内に埋めてしまうと、ともえは再び、加奈江の唇に、陰唇を押し付けた。
押し付けながら、加奈江の顔を両腿で挟みこみ、尻を前後に揺らす。
そうして、加奈江の唇の感覚を味わいつつ、ともえは、加奈江の顔を見下ろす。

眉をひそめたその表情は憂いに満ち、濡れぬれと潤んだ黒い瞳の美しさと相まって、
見る者を引き込まずにはいられない妖艶さを漂わせていた。
「化け物女のくせに」
ともえは再び、その台詞を呟いた。
「この顔が……この躰が、島中の男達を惑わせたのだわ……
 あん、こんな、化け物の、うわべの美しさに、あぅっ、み、みんな、誑かされ、て……あうぅっ!」

ともえは感極まった様子で、襟元を引き千切らんばかりの勢いで寛げ、小ぶりの乳房を露出させた。
自らの手で乳房を弄くりまわしつつ、腰を廻し、躰を反対向きにした。
加奈江に尻を向け、脩の居る方に向き直ったのである。

脩は、相変わらず加奈江の陰核に舌を這わせていた。
もうだいぶ慣れてきたのか、舌先で突付きまわすのではなく、
飴玉でも舐めているかのようにぺろぺろと、上部から裏つらの辺りまで、丁寧に舐めまわしていた。
「ああ……こんな小僧っ子までが、この化け物女の虜! こんな……おサネに舐りついて」
ともえは脩を、きつく吊り上った眼で睨みつける。

「はあ、はあ、そ、そうよ……化け物女……お前がこの島に現れてからというもの、
 男はみんな、お前のことばかり見るようになった!
 口では……あぅん、怪しいだの危険だのと言いながら……
 みんな、本心ではお前を欲しがっていたのを私は知っている!
 そう…………あぁ、お父様でさえ、私がこうして手を廻していなければ、きっと……!」

不意に、加奈江のくぐもった呻き声が、一オクターブ高くなった。
どうやら、脩に舐められ続けた陰核の快感が、限界に迫りつつあるらしい。
「気を遣るの? 気を遣るのね?!」
ともえは手を伸ばし、脩の顎の下、熱く潤みを帯びた加奈江の膣口に指を挿し入れ、
ぐちゅぐちゅと掻きまわした。

激烈な抜き挿しに、加奈江の快美感は加速する。
そして、ともえもまた、加奈江と同じく絶頂への階段を駆け上りつつあった。

「あああーっ……畜生! この、化け物女! お前さえ、お前さえ居なければ……
 私が一番だったのに! 島で一番綺麗なのは…………この私、だったのにいぃっ!!」

ともえの躰が、ばたりと前に突っ伏した。
加奈江の躰に、顔面に、全身を擦りつけるようにして、ともえは、ひくひくと震えて、達した。
それとほぼ同時に、加奈江の膣は、挿し込まれた指先をきゅっと締め上げる。
「うむ……むうぅ……んんんーっ!」
ともえの噴き出した淫水を顔中に浴びながら、加奈江もまた、達した。

女達が絶頂の呻きを漏らして身悶えているさなか、脩だけは、一人静かに己の仕事に没頭していた。
女達の声も、淫らな狂態も、彼の感覚からは遮断されているようだった。
 加奈江が陶酔の中、意識を遠のかせていることも知らず、脩はただひたすらに、
加奈江の陰核に愛撫をし続けた―――

26:三上脩/夜見島港/海上/29年前
07/07/01 08:23:46 bsV6qjS6
十九

 ――脩…… 見ないで……。

その言葉を残し、彼女は海の中に消えていった。
沈んだのではない。人魚姫のように、泡となって海に溶けたのだ。

あの後――全てが終わった後、脩と加奈江は、ともえの手下によって海に放り出された。
二人は縛られたままであったが、加奈江は岩場の尖った部分を使ってなんとか縄を切り、
脩の縄を解き、小船のある場所まで、脩を伴って泳いだ。

そして、脩を小船に乗せた処で朝が来た。
強烈な朝の光――ただでさえ脆くなっていた加奈江の肉体は、もう、限界だった。


脩は加奈江の溶けた水面を、いつまでもいつまでも見詰め続けていた。
紺碧の世界に包まれた脩は、脳裏に焼き付けられた加奈江の姿だけを思っていた。

優しく、美しかったおねえちゃん。
そう、おねえちゃんは、本当に美しかった。
怖い人達に苛められ、泣かされていた時でさえ――その美しさは変わらなかった。

着物の女の人に命令されて、おねえちゃんのおしっこの場所を舐めさせられた時だって―――
怖い気持ちになりながらも、何故か、胸の疼くような奇妙な嬉しさを感じた。
それは、おねえちゃんの助けになると信じた為だったのかも知れないし、
或いは、舐めている場所の発する、何処か懐かしい匂いのせいだったのかも知れない。

それはこの、海の匂いに似ていた―――


加奈江の姿を、声を、匂いを思いながら、脩の視界は次第にぼやけてゆく。
輪郭を失いつつある世界の中で、脩の意識も、溶けて無くなってしまいそうになる。

 ――このままぼくも、おねえちゃんのところにいくんだ。

薄れゆく意識の片隅で、脩は切なく呟いた。
でも本当は判っていた。自分は、おねえちゃんの処に行けはしないのだということが。

昇る朝日は全てを照らし、眩しいほどに、世界をきらめかせている。
だけど、今の脩に取ってそれは、何の意味も成さない、虚しい現象に過ぎなかった。
もはや脩は、暗く閉ざされた世界に身を置いている。

脩自身が、それを望んだのだ。
何故なら――おねえちゃんの居ない世界を見ていても、しょうがないから。
おねえちゃんが見れないのだったら――もう、何も見る必要がないから―――


こうして、脩の世界は光を失った。
彼は光を――真の光を取り戻す為に、残りの生涯を費やすことになるだろう。


 二十九年のちに、加奈江と再会を果たす、その日まで―――

【終了条件未遂。】

27:名無しさん@ピンキー
07/07/01 08:25:10 bsV6qjS6
アーカイブ【No.0001】古びたフィルム

取得人物/サイレンのエロパロスレッド閲覧者
取得時間/不明
取得場所/夜見島金鉱(株)1F
取得条件/>>8-27に投下されたSSを読む
金鉱跡に忘れられていたエロ写真フィルムの一部。
URLリンク(www26.atwiki.jp)でさらに詳しく)


28:名無しさん@ピンキー
07/07/01 20:33:49 tUUWDDYm
すげえ・・
超乙です

29:名無しさん@ピンキー
07/07/06 14:44:48 Y/Q1gBAw
ho

30:名無しさん@ピンキー
07/07/06 15:05:10 fX5UOEaK
>>698.>>706

31:名無しさん@ピンキー
07/07/14 20:23:15 lp8bFXlC
終了条件未遂


32:名無しさん@ピンキー
07/07/21 11:39:50 w5Fc1lcT
みーなきぼん

33:名無しさん@ピンキー
07/07/25 20:31:11 fogBroRm
保守


34:名無しさん@ピンキー
07/08/05 22:56:10 3ZEDiffH
保守

35:名無しさん@ピンキー
07/08/09 14:25:13 vRD+h8Gl


36:名無しさん@ピンキー
07/08/11 18:40:16 JV1GpyCS
宮田と理沙か宮田と美奈希望

37:名無しさん@ピンキー
07/08/30 01:22:28 50oKXyu8
過疎すぎだろ・・・

38:名無しさん@ピンキー
07/09/04 23:13:12 RP03bvFm
   |  先生! |
__ノ ∩ 助けて!|
||   ||    /)
ヽニ>―-||   //
_// ̄||∧∧//|
/ /  ハ(;´Д)  ̄\
L|/⌒/   /
\\ノ__/o ゚
 \\:::::\\゚
  \\:::::\\
ジャーッ \\:::::) )
ゴボゴボ\_二二_ノ


   |      |
__ノ      |
||     先せ… |
ヽニ>―、    |
_// ̄ヽヽ__/)亅
/ / _∧_∧ // \
L|/ (;´Д)/
\\∠__/o ゚
 \\:::::\\゚
  \\:::::\\
ゴボゴ\\:::::) )
ポポポ…\_二二_ノ


39:名無しさん@ピンキー
07/09/06 16:34:57 otIYBQ4c
保守

40:名無しさん@ピンキー
07/09/09 15:52:41 54UIiqpu
40

41:名無しさん@ピンキー
07/09/23 01:09:23 AsgDQw7n
もうこのスレには誰も居ないような気もしますが、投下します。

牧野×八尾

またかと思われるでしょうが、またです!
宮田もちょっと出てきますが、あまりいい扱いではないです。
カッコいい宮田を期待されている方にはSUNMASON。では。

42:牧野慶/蛇ノ首谷/羽生蛇鉱山選鉱所/1993年/16:45:21
07/09/23 01:12:03 AsgDQw7n
 「赤ん坊の声……?」

 戻り橋を渡り、選鉱所の近くまで歩いて来た所で慶は立ち止まり、耳をそばだてた。
肌理の細かい霧雨に顔を舐られながら、古ぼけた木造の建物を見上げる。
今の声は、確かこの中から聞こえた気がする―。

 慶は信者の家に法要に出掛け、教会へ戻る途中だった。
「ひと雨来そうですし、どうかウチの車で教会まで御送りさせて下さい」と、
その家の主人が懇願するのを固辞して一人、歩いて帰るのを選んだ事に、これと言って意味はない。
あえて言うならば、村人達の丁重な挨拶や、好意に満ちた微笑に煩わされされずに、
一人きりで歩きたかった。と言うのがその理由であろうか。

 確かに蛇ノ首谷は、孤独を楽しむには打ってつけの場所であろう。
何しろ合石岳の鉱山が閉ざされて以来数十年、打ち棄てられ、荒れるに任されたままの
この廃選鉱所以外、何も無いのだ。
 当然、人の行き来も殆ど無い。
しかしそれは取りも直さず、人目の無いのをいい事に、
良からぬ目的でこの場所を使う不埒者の居る可能性が有りうる。と言う事でもある。
例えば―要らない赤ん坊を置き去りにする。など――。

「!」

 再び声が聞こえた。
細く頼りなく響くその声音は、聞きようによっては子猫の鳴き声の様でもあった。
(しかし……)
もしも捨て子だったら。と考えてしまうのは慶自身が十七年前、
教会に捨てられていた赤ん坊だったのだと、教えられていた所為なのかも知れない。
(やはり……放って置く訳には……)
とにかく、確認だけでもしなければ。
慶は一人小さく頷くと、手前の空き地を通り、小雨にけむる廃屋へと足を運んだ。

 選鉱所の内部は、外から見る以上にぼろぼろに朽ち果てていた。
床や階段は所々崩れて穴が開いているし、至る所に木片や硝子の破片が散らばっていて、
慶が歩く度にぱりり、ぱりり、と寂しく乾いた音を鳴らした。

 慶は、恐る恐る辺りを見廻す。
暦の上ではもう夏だというのに、此処は酷く薄ら寒い。
荒涼とした屋内で瓦礫に足を取られながら慶は、この廃屋に入り込んだ事を既に後悔し始めていた。
 此処に一人で居るのが、怖いのだ。
今は昼間だからまだいいが、暗い時分であったなら間違いなく逃げ出していたことだろう。

(や、やっぱり、気の所為だったのかな……)
完全に及び腰になってしまった慶だったが、
(これで帰ってしまっては、何の為に来たのか判らないではないか)
と思い直し、なけなしの勇気を振り絞って、辛うじて踏み止まっていた。
そうして選鉱所内をあちこち探索し、配電盤の傍を通り掛かった時―
一際はっきりと、かの声を聞いた。
 (……あっちだ!)

 それは、休憩所から聞こえていた。
大きな声ではなかったが、何処か切ない調子のかん高い声音は、離れていても耳についた。
 慶は一旦表に出ると休憩所前の階段に廻る。
腐って崩壊寸前の階段を、壊さぬ様に注意深く上った。
休憩所の、板が打ち付けられた窓の向こう側に、何か動くものがある。
破れた板の隙間から、緊張した面持ちで中を覗く―。

 そして慶は、息を呑んだ。


43:牧野慶/蛇ノ首谷/羽生蛇鉱山選鉱所/1993年/16:45:21
07/09/23 01:13:50 AsgDQw7n
 休憩所に居たのは、慶と全く同じ顔の少年であった。
十七年前、双子として同時に生を受けながら、教会へ貰われた自分と引き離され、
病院に引き取られて行った同胞。
たった一人の肉親でありながら、誰よりも遠い存在である―弟。
 宮田医院の跡取り息子―宮田司郎は、休憩所の床に跪いていた。
司郎の前には一人の少女。
彼に白いブラウスの背を向け、四つん這いで床に伏せている。
司郎は、紺のブレザースカートを穿いた少女の腰を抱え込み、ズボンの前だけ開けた自分の下半身を、
彼女の臀部になすり付ける様に押し当てていた。

 慶は、全身がカッと熱くなるのを感じた。

 幾ら慶が奥手であっても、男と女がこんな場所で、こんな姿で、
何を行っているのか判らない程、子供では無い。
 少女は司郎にされるがままで殆ど動く事は無かったが、時折顔を伏したまま、
頼りなげな喘ぎ声を漏らした。
あたかもそれは、子猫か赤ん坊の泣き声の様である。
司郎は、そんな少女を冷たい眼で見下ろしながら、淡々と腰を揺すっていた。

 そんな二人の繋がりを真正面から目撃した慶は、ただ呆然とその場に立ち尽くすだけだった。
声を上げる事もその場を立ち去る事も出来ず、
ただひたすらに、目の前の男女の生々しい行為に圧倒されていた。

 「んっ、んっ、んっ……」

 少女の声の間隔が早まっていく。
慶が呆けた様に見守る中、司郎の腰の動きが少しずつ激しさを増していた。
それにつられて少女の下肢も大きく揺さぶられ、捲れ上がったスカートの下から
剥き出しの白い尻たぶが露わになった。
その尻の間から、司郎の赤黒い陰茎が見え隠れする。

 いつしか慶の眼は、その、二人の結合部分に釘付けになっていた。
(一体、どんな感じなんだろう……)
司郎は性行為のさなかにあっても日常と変わらず、全くの無表情を貫いていたが、
慶には司郎の肉体の昂ぶりが、手に取る様に判っていた。

 それにこの少女。
顔を伏せているので誰かは判らないが、その制服姿から見て、自分と同年代の村娘に間違いない。
慶は、村の少女達の顔を一つ一つ思い浮かべてみる。
どの顔も皆、無邪気で純朴そのもので、とても性交など―
ましてやこんな場所で、大胆に尻を突き出して声を上げたりする姿など、想像する事も出来ない。

 汚れた床に流れ落ちた黒髪を眺めながら慶は、何か妬ましい様な、妙な気持ちに満たされつつあった。
そしていつしか慶の手は、丈の長い法衣の上から、熱を帯び、硬く押さえつけられている陰茎を
無意識の内に撫で摩り始めていた。
 (ああ……)
じんわり伝わって来る快感が、慶の思考を蕩かして行く――。

 その時、不意に司郎が顔を上げた。
鋭い視線に突き刺された気がして、慶は思わず後ずさる。
その途端、黒い革靴の下で、腐った床板がギシリと大きな音を立てた。
 音に気付いた少女が、パッと顔を上げる。
慶は思わず眼を見開いた。それは、慶がよく知っている顔だった。
毎週日曜、必ず教会に礼拝に来る、熱心な信者一家。
彼女はその家の一人娘だった。大人しく、小動物の様に小柄で愛らしい少女。

 彼女は礼拝の最中、いつも慶を見つめていた。
慶もまた、そんな少女の事を意識せずにはいられなかった。
少女の悲鳴を背に、脱兎の如くその場を走り去りながら慶は、ぼんやりと考えていた。
(僕の事を見ていた訳じゃあ、無かったんだなあ……)

44:牧野慶/刈割/不入谷教会求導師居室/1993年/21:16:45
07/09/23 01:15:44 AsgDQw7n
 暗い自室で慶は寝台に横たわり、夜光塗料の星に彩られた天井を見上げていた。
つい先程雨は上がったものの、憂鬱な湿気は消え去る事無く室内に留まり、
部屋にただ一つの高い天窓を開け放しても、出て行く気配は無い。

 崖に面して建ち、陽当たりの悪い教会の母屋で、採光と換気の為に穿たれた天窓であったが、
あまりその役目を果たしているとは言えない。
どうせ、風も陽の光も背後の崖に遮られ、教会にはまともに届きはしないのだ。
月の光さえ届かない、黒い闇を湛えた窓枠を見遣り、慶は物憂げに溜息を吐いた。

 あの後―どうやって教会まで帰って来たのか、覚えていない。
帰ってからも何もかもが上の空で、教会でのお勤めはしくじってばかりいたし、
食欲も無く、勉強にも全然身が入らなかった。
 求導女から幾度も注意を受けてしまい、ついには体調を心配され病院へ連れて行かれそうになった。
でもそれだけは勘弁して欲しかったので何とか言い繕い、這々の体で自室に逃げ込んだ訳である。

(散々な一日だったな……)
瞼を閉じるとあの時の少女の、驚愕の表情が眼に浮かぶ。
あの子と司郎が―あんな事になっていたなんて。
そうとも知らず、自分に司郎の面影を重ね合わせていただけに過ぎない少女の視線を勘違いし、
独り合点で舞い上がっていた自分が、酷く滑稽で惨めに思えた。
 彼等は、あそこに居たのが自分だと気付いただろう。
そして、あんな風に逃げ出した自分の事を、二人して笑ったに違い無い。
そんな想像をして、慶は辛く悲しい気持ちになった。

(ああ……駄目だ。このままじゃ、眠れない……)
 慶は、寝台の上で上半身を起こすと、やにわに寝巻きのズボンと下穿きを膝下までずり下ろした。
生ぬるい夜気に晒された陰部は、彼自身の気持ちに反し、熱く火照っていた。
 慶は息を吐き、黒い陰毛の中の赤紫色の肉塊に手を伸ばす。
初めて間近で性行為を見た衝撃と、淡い恋情を踏み躙られた屈辱感が不思議な興奮を伴い、
慶を奇妙に欲情させていた。

 求導師と言う聖職に在りながら、こうしてこっそり自涜を行う事には、常に激しい罪悪感が付き纏う。
汚らわしい肉欲に溺れ、そこから逃れられない浅ましい自分。
それを行った翌日、慶はいつも祭壇の前で、神に懺悔の祈りを捧げた。
そして、もう二度とあんな淫らな真似はしないと誓った。
 なのに、してしまう。
禁欲の誓いは三日と持たず、夜が来ると慶は、性器の疼きに身悶えしながら、
陰茎の摩擦に耽ってしまうのだ。

「はぁ……あぁぁ……」
 慶の左手の中、彼の肉の塊は、それ自身意思を持つものの様に脈打ち、青筋を立てて怒張していた。
その、明確な性欲の形状を成した器官を、慶は摩り、揉み、優しく宥めようと試みたが、
やがて業を煮やした様に強く締め上げ、ゴシゴシ扱き始めた。

 閉じた瞼の裏では、選鉱所で見た光景を再生していた。
朽ち掛けた廃屋の一室で這い蹲り、後ろから陰茎を挿入されていた少女。
乱れて床に散った黒髪。白いブラウスの背中。捲れ上がったスカートの紺色。
 その紺色の中から現れた、柔らかそうに割れて震える尻肉の膨らみ。
白い靴下の足首に絡み付いていた、水色のパンティー―。

 慶の想像の中、少女を姦している少年は、いつしか慶自身に変貌している。
慶は少女のスカートにしがみ付き、憎しみに近い激情を込めて、彼女の未知なる女性器を
自らの陰茎で蹂躙し続けた。
「はっ、はっ、はっ、はっ……」

 射精の時が迫る。
それにつれ、慶の呼吸は早くなり、手淫の動作も素早く、激しいものになって行く。
睾丸がせり上がる。先走りの粘液が溢れ、テラテラと亀頭を濡らす。
 しかし、快感のうねりのさなか、慶は凍りついた。

45:牧野慶/刈割/不入谷教会求導師居室/1993年/21:16:45
07/09/23 01:16:46 AsgDQw7n
 暗い室内に微かな月明かりが入り、湿った空気が、ゆうるりと流れて頬を撫ぜる。
慶は背筋を伸ばし、絶望的な面持ちで正面に眼を向けた。
彼の真正面、寝台の足元から2メートル程離れた先の―部屋の扉が開いている。

 そこに、求導女が立っていた。

 求導女―八尾比沙子。ずっと昔から尼僧として教会で働き、求導師の手助けをして来た女。
白磁の肌と、黒檀の髪と、目鼻立ちのはっきりした美しい容貌を持ち―
それでいて控え目で奥床しく、誰に対しても慈愛に満ちた態度で接する聖母の様な女。
 慶が子供の頃から母として、姉として、眞魚教の先達として彼を育み、
養父である先代求導師亡き後、ただ一人の家族となって傍に付き添って暮らしてくれている、
かけがえの無いひと。

 求導女はいつもの赤いベールは外していたが、衣装はまだ尼僧服のままだった。
月明かりを背に部屋の入り口に立ち、静かに慶を見詰めていた。
慶は、自分の陰茎を握り締めたまま、言葉も無く、求導女のすらりとしたシルエットを見詰め返した。

「求導師様」
 柔らかな通る声に呼び掛けられ、びくりと肩が跳ねるのと共に、慶の刻が動き出す。
慶は、露出した陰茎を両手で覆った。
 他にどうしようも無い。
こんな、下半身を丸出しにして、勃起した陰茎を手にしている格好を見られてしまっては、
今更、どんな言い訳をしたって無駄だろう。

 慶は、眼の前が真っ暗になる様な気がした。
この惨めな行為……眞魚教の求導師として有るまじき、破廉恥な行為に耽っている所を、
一番見られてはならない、求導女に見付かってしまうなんて。
(終わりだ……僕は、もう……)

 慶の躰は小刻みに震えていた。
狂おしい程の羞恥の念に苛まれ、いっそ死んでしまいたいとさえ思った。
 求導女は、日頃は万事に寛容で、慶の挙動にもそれ程口煩く干渉して来る事は無かったが、
求導師としての言動や振る舞いに関しては、事の他厳しい一面を見せていた。
常に自分が求導師で在る、という自覚を持つように。
求導師として、恥ずかしく無い行いを心掛けるように。
幾度と無く求導女から言い含められていたこの言葉を、今のこのザマは明らかに裏切っているだろう。

 ――求導師失格。

 そうだ。自分は求導師の資格を失い、教会を追い出されるかも知れない。
頭を殴られた様な衝撃に襲われた。
 求導師でなくなる事。
それは慶に取って、この世界からの消滅を意味した。
身寄りも無く、何の才覚も無い自分が、教会の後ろ盾無しに―求導女の助けも無しに、
どうやって生きて行ったら良いのだろうか―。

 足元が崩れて行く様な絶望感に蒼ざめる慶の元へ、求導女はゆっくりと近づいて来る。
いっそ、激しく打擲して貰えないだろうか?
慶はふと、そんな事を考えた。
 もしもそれでこの罪が赦されるのなら―慶は、どんな責め苦にでも耐えられる様な気がした。

 求導女が慶の横に立つ。
慶は深くこうべを垂れ、求導女の断罪の刻を待った。
 求導女は寝台に、慶と肩を並べる様に腰掛ける。
寝台のスプリングがギッと音を立て、求導女の肌の暖かさと、甘やかな匂いが慶を包み込む。

 女の手が、陰茎を隠す慶の両手の上に重ねられた。
細く、柔らかく、少し冷たい指の感触。
 その指先が―何の前触れも無く、慶の手の下に滑り込んで来た。

46:牧野慶/刈割/不入谷教会求導師居室/1993年/21:16:45
07/09/23 01:17:31 AsgDQw7n
 「……?!」

 慶は一瞬、自分が何をされたのか判らなかった。
下を見下ろす。
求導女の華奢な手は間違いなく、慶の掌の中の、萎縮しきって縮こまった陰茎に触れていた。

「此処……自分で弄っていたのね?」
 優しげな口調で求導女が囁く。
慶は思わず頷いてしまう。
「求導師様……」

 蒼色の闇の中、求導女の口元が、幽かに微笑んだ様な気がした。
そして―。

「一言……言って下されば良かったのに」

 え―?
聞き返す間も無く、求導女の手が動き出した。
 慶の掌の下で、彼女の手の甲の骨が盛り上がったかと思うと、
指先が包皮に埋もれかけた亀頭を撫ぜ、中指が、裏側の筋をすうっ、すうっ、と刷く様に辿った。
「え?……あ、……あ!」
 裏筋からゾクッと来る感覚と共に、慶の陰茎は瞬く間に勃起し直した。
求導女の指は、だらんと乗せられたままの慶の両手に邪魔されるのも構わず、
屹立した陰茎に丁寧に添えられ、玄妙な動きでそこを刺激し始めた。

「うあっ?! やっ、八尾さ……あぁーっ!!」

 あっと言う間に絶頂が訪れた。
どくん、と痙攣した肉の玉の先から精液が勢い良く飛び散り、小さく声を上げる求導女の
眉間から唇、胸元、下腹部と、ほぼ一直線に点々と白い飛沫で濡らした。
「あっ、あっ……ぁ…………」

 慶は力が抜けた様に、仰向けにばったり倒れ込んだ。
求導女に握られた陰茎の先からは、未だ、どくどく、どくどく、噴水の如く精液が溢れ出ていた。

「凄い……こんなに沢山……」
 求導女の驚嘆の声を遠くに聞きながら、慶は全身をびくん、びくんと痙攣させ、
虚ろな瞳で天窓を見上げていた―――。


 慶の永い射精がようやく治まった時には、求導女の掌も、その袖口も、固練りの白濁液で
どろどろに汚されてしまっていた。
求導女は、寝台の横に設えた卓子の上のちり紙箱から紙を何枚か引き出し、慶の体液を拭い取った。

「何故……? どうして、こんな事を……」
 手や顔に付いた汚れを、優雅な動作で拭き取っている求導女の手つきをぼんやり眺め、
慶はぽつりと呟いた。
 慶に振り向いた求導女の表情は、闇に埋もれて読み取ることは出来ない。
しかし彼女の躰からは落ち着いた、穏やかな気配のみが感じられた。
いつも通りの求導女。それが何故自分にあんな、淫らがましい真似をしたのだろうか―?

47:牧野慶/刈割/不入谷教会求導師居室/1993年/21:16:45
07/09/23 01:18:40 AsgDQw7n
 天井の星座群が、慶の瞳の中に小さな光を映す。
それらは四年前、先代求導師からこの部屋を受け継いだ時、慶が自ら描いたものだ。


「求導師様のお世話をするのが、私の役目ですから」
 夜光塗料の星の下、求導女の艶めいた唇がちらりと光る。それは、慈愛に満ちた微笑を象っていた。
そして今の一言が、彼女が慶の陰茎を手淫した理由についての説明であった。

「求導師様。御免なさいね……すぐに気付いてあげられなくて」
 ちり紙で慶の性器の周りを丁重に拭き清めながら、求導女は語る。

「そうよねぇ。貴方も、もう十七歳。男の人として……
 此方の方にも、気を配ってあげなければならなかったんだわ。
 ……貴方があんまり大人しい御気性の方だったから、私、つい気付くのが遅れてしまって」

「何……言ってるんですか?」
 慶には、求導女の言葉の意味が理解し難い。彼女の言いようを聞いているとまるで、
己が求導師の性の捌け口になる。とでも言っているみたいではないか。
しかも、この口振りでは―それがこの教会で、恒久的に行われていた様な気配すらある。
(そんな馬鹿な)
 あの、清楚で上品で、賢明な女性である八尾さんが。
慈母の様に優しい―自分にとっては、まさしく母に等しい女性であるこの八尾さんが。
そんな―それではまるで――。

「止めてください」
 慶は躰を起こした。
そして、陰嚢の裏側にまで垂れた粘液を優しく拭き取っていた求導女に、ぴしゃりと言い放った。

「そんな……そんな事、八尾さんはしないでいいんです。先代までがどうだったかは知りませんが……
 僕は……僕は八尾さんを、そんな風に扱うつもり、無いですから」
 慶は、求導女の事を深く敬愛していた。
このひとには聖職者として、女性として、ひとつの欠点も見当たらない。
彼にとって、正に完璧な理想の女性像であったのだ。
そんな求導女を性欲の対象に貶めてしまうのが、心根の優しい慶にはとても堪えられなかった。

「求導師様……」
 求導女は汚れたちり紙を足元の屑籠に捨て、枕元の電気スタンドの灯りを点けた。
橙色の暖かい灯りが寝台を照らす。慶は、眼を細めて一時の眩しさに耐えた。
 ふと顔面に、求導女の甘い吐息がふわりと掛かった。
求導女が、親しみを込めた笑みを浮かべて慶の顔を覗き込んでいる。
こんなに間近で求導女と向き合う事は、久しく無かった。慶は気恥ずかしくなって眼を伏せた。

「優しい子ね。求導師様は。だけど」
 慶は、ひっ、と小さな悲鳴を上げた。求導女が、再び陰茎に指を絡めてきたのだ。
その陰茎は―未だしゃっきりと屹立したままだった。
「これは……どうするつもり? 眠れないんじゃない? このままじゃあ……」

 慶は頬が熱く逆上せるのを感じた。

48:牧野慶/刈割/不入谷教会求導師居室/1993年/21:16:45
07/09/23 01:20:10 AsgDQw7n
「ほ、放っといて下さい! 僕の……こんな……八尾さんは、触ったりしちゃ、いけない!」
 慶は眼を伏せたまま、顔を耳まで紅潮させて声を上げた。
しかし。求導女の手を払いのけたり、彼女から躰を離したりはしなかった―いや、出来なかった。
 求導女のしなやかな指の感触は、あまりに甘美で心地良く、その快味から、
慶はどうしても自ら抜け出せないでいた。

「お願いです八尾さん。手を……その手を、退けて下さい。でないと……僕は……」
 おもてを伏せ、慶は懇願する。呼吸を荒げながら―。
それは慶の、肉欲に負けまいとする良心の叫びであった。

「求導師様。私にこうされるの……嫌?……私なんかが相手じゃあ、駄目なのかな」
「……! そ、そんな事!ぼ、僕は八尾さんのこ……んん……?!」

 顔を上げた慶の唇に、求導女の唇がぶつかった。
甘く柔らかく、巨峰の様にぷりぷりとした弾力を持った、女の唇。
求導女の唇は慶の乾いた唇をしっとりと包み込み―彼の脳髄に痺れる様な快感をもたらした。

 そして、慶は再び射精した。

「んむ……うんん…………!」
 拭き清められたばかりの慶の陰茎は、自ら吐き出した白濁液に再度、汚辱された。
求導女の息の香を嗅ぎながら、慶は固く眼を閉じ、その眦に涙を浮かべた。
その涙は、歓喜と情けなさの入り混じった、苦い味がした――。


「本当に凄いわね。やっぱり……若いのねぇ」
 慶から唇を離した求導女は、手に掛かった彼の精液を舌で舐め取っていた。
さすがに初回程の量は出ていないので、それで充分の様だった。
 慶は肩を落とし、ただ呆然と喘ぐ様な呼吸を繰り返す。
二度の射精による疲労より、己の精神が快楽に屈服した敗北感の方が、慶を消沈させていた。
 しかも。

「ねえちょっと。まだ……硬いままじゃない?」
 慶の陰茎は、それが生来の形であるかの様に、頭をもたげて起き上がり続けていた。
性欲の旺盛な年頃とはいえ、今までこんなになった事は無く、慶は、我ながら呆れるのを通り越し、
少々気味悪く思い始めていた。
 求導女は暫し慶の勃起を眺めていたが、やがて慶に背を向け、寝台から降りた。
そのまま立ち去るのかと思いきや、くるりと慶を振り返った。

「八尾……さん?」
 求導女は頭の後ろに手をやると、結い上げていた髪を解いた。
つややかな黒髪が肩に零れ、かぐわしい髪の香りが辺り一面に広がった。
そして次に、首の後ろに両手を伸ばし―赤い尼僧服の釦を、ゆっくりと外し始めた。
慶は、固唾を呑んでその様子を見守る。

「……そう見詰められると、何だか照れちゃう」
 困った様に微笑む求導女。慶は、咄嗟に顔を背ける。
しかし、その眼はしっかりと、求導女の肉体に向けられていた。

49:牧野慶/刈割/不入谷教会求導師居室/1993年/21:16:45
07/09/23 01:21:07 AsgDQw7n
 電気スタンドの暖色のぼんやりとした灯りが、寝台の傍に佇む求導女を、
妖艶な幻の様に浮かび上がらせている。
 慶は、今まさに衣服を取り去ろうと二の腕を蠢かせる求導女の立ち姿に―
密やかな衣擦れの音に、誘蛾灯に誘い込まれる夏の虫の如く、心を奪われていた。

 このひとのこんな姿を見るのは、何年振りの事だろう?
ずっと幼い時分、風呂に入れて貰う時に、こうして彼女が服を脱ぐのを待っていた記憶が、
慶の中で唐突に蘇る。
 あの時と同じ様に、まず尼僧服の白い立ち襟がたわみ―たらんと前によれて、
求導女の、なよやかな撫で肩が現れた。
肩の丸みの先が、肌の艶で輝いているのも、あの時と変わらない。そして―――。

  ぱさり。

 赤と白の布地が、くすんだ緋色の絨毯の上に落ちた。
慶の眼の前に、ブラジャーとパンティーとマナ字架だけの、均整の取れた瑞々しい裸身が曝け出された。
(すごい……)
 慶は思わず溜息をついた。

 求導女の下着はベージュ色の綿製で、飾りも無く質素そのものであったが、その地味さが、
かえって彼女の肉体のつやめかしさを際立たせていた。
 求導女の躰は骨細で、全体的にほっそりと締まっているが、胸元と、腰から腿にかけた辺りには
むっちりと脂が乗っていて、見た目の美しさばかりで無く、その触感の素晴しさまでも想像させ、
慶の興奮を駆り立てるのだ。

「求導師様」
 求導女の躰に見とれる内に咽喉が鳴り、慌てて咽喉元を押さえていた慶に、彼女は声を掛けた。
「下着は……貴方が取って下さい」

 思わぬ言葉に、慶は「へっ?」と素っ頓狂な声を出す。
意図が掴めずまごつく慶に、求導女は今迄見せた事の無い、少女の様にはにかんだ笑みを漏らして言った。
「だって……男の人の前で自分で全部脱ぐの、恥ずかしいんだもの」

 慶の心臓が跳ね上がった。
今のは本当に、あの八尾さんの言葉だろうか?
母であり、教師であったこのひとは、優しいけれどいつでも凛としていて―
誰に対してだって、こんな甘ったれた態度を取るひとでは無かった。
 少なくとも、自分の知る限りは――。

 慶は胸が高鳴り、躰中がカアッと燃え上がるのを感じた。
つい先刻まで、あれほど求導女を汚す行為を嫌がっていたというのに、
それを忘れてしまったかの如く、いそいそと彼女の傍に這い寄り、言い付けに従わんとする。

「求導師様……ブラのホック、判りますか?」
 優美な曲線を描く背中を見せて訊ねる求導女に、「はい、なんとか」と上ずった声で返事をしつつ、
慶は、窮屈そうなベルトに締め付けられた乳房を開放すべく、小さな金具の引っ掛かりを、
震える両手で外した。
粗末な布が、乳房の弾力に弾かれる様に、床に落ちる。

 求導女が振り返る。
慶の眼の前に、二つの豊かな膨らみが露わになっていた。
円錐型のそれは、白く柔らかく隆起し、スタンドの灯りに妖しく浮かび上がり、
膨らみの真下に濃い影を落としていた。
 暗い薔薇色の乳頭は丸く突き出し、乳房の頂点を淫猥に彩っている。
白い勾配の谷間には、銀のマナ字架。
 求導女の唇が、三日月の様に笑った。

50:牧野慶/刈割/不入谷教会求導師居室/1993年/21:16:45
07/09/23 01:21:56 AsgDQw7n
 慶は、寝台の上に正座をして求導女の乳房に見入った。
眉根を寄せ、半開きの唇で浅い呼吸を繰り返すその表情は、砂漠で渇きに苦しむ人の顔の様である。
彼の震える指先は眼の前の、したたる様に熟れた、甘そうな果実に伸ばされる……

「まだ下が残ってるわよ」
 求導女の声が慶の動きを止めた。
「下」と鸚鵡返しに繰り返し、慶は目線を下に落とした。

 そこには、ベージュの薄いパンティーに包まれた下腹部がある。
その中心部には、黒い翳りが幽かに透けて見えていた。

 慶は、ぐっ、と生唾を飲み込み、パンティーの両脇に手を掛ける。
指の背に彼女の肌の温かさを感じつつ、綿の布を、そろそろと下ろす。
すると白い肌に囲まれて、ひときわ黒く輝く草むらが現れた。
縮れの少ない和毛は逆三角形に生え揃い、求導女のおんなの部分を、奥床しく包み込んでいた。

 慶の手がパンティーをするり、と、腿の途中まで引き降ろすと、彼女は膝を片方ずつ上げ、
彼の仕事を手伝った。

 足首からそれが抜け落ちると、もう求導女の躰を隠すものは、何も無い。

 無防備で、何処か挑発的でもある美しい裸身を眼の前にして、慶は軽い眩暈を覚えた。
こんな姿になって、彼女が自分に何をさせようとしているのか――考えるだけで、躰が煮えたぎる。
それは、あまりに現実味の無い事だった。
(これは、夢なんじゃないだろうか)
 そう考えた方が、辻褄が合う様な気もする。
これはきっと、有り余る性欲に悶々とする己の脳が見せている淫夢。
八尾さんと抱き合って―これから、という処で眼が覚めるのに違いない。
下着の中の、生温く濡れた感覚と共に―――。

「これでもう、どれだけ濡らされても大丈夫だわ」
 尻の下が少し揺らいだかと思うと、求導女が寝台に上がって来ていた。
隅で縮こまっている慶の隣に腰を据え、ゆっくりとその身を横たえる。そして、慶を見上げて微笑んだ。

「さ、求導師様。どうぞ」
「はい?」
 どうぞと言われても、女を知らぬ慶には何をどうすればいいものやら、さっぱり判らない。

「……そっか。初めてだから、やり方が判らないよね」
 内気な慶の困惑を察し、求導女は身を起こした。
寝台の足元の方に蹲る慶と向き合う様にして坐り、枕元のスタンドの笠を手前に傾けて、
シーツの上を明るく照らした。

 そして慶は見た。
彼女のしなやかに伸びた脚がスッと開き、白い、大理石の様な内腿と、
その中で密やかに息衝いていた、肉の裂け目が露わになるのを。

 更に。
彼女は膝を立て、太腿を大きく広げ、その裂け目に指を宛がい―其処も、ぱっくりと広げた。

「求導師様……見て」

 求導女の静かな声。慶の眼が見開かれる。
慶がずっと、求め続けていたものが、其処にあった。
 こんなに間近く。生々しく。
慶は息をするのも忘れ、求導女の、その部分を見詰め続けた。

51:牧野慶/刈割/不入谷教会求導師居室/1993年/21:16:45
07/09/23 01:22:44 AsgDQw7n
 夜の帳に包まれた暗い寝室。
寝台の辺りだけが、スタンドの灯りにぼんやり浮かび上がっている。
その幽かな光に照らされ、求導女の生殖器は、その妖しく淫猥な全貌を曝け出していた。
「八尾、さ……ん」

 牡丹の花みたいだ。それが、第一印象だった。
高く盛り上がった陰阜の下、黒い繊毛に薄く縁取られた大陰唇の中に、肉厚な、濃い紅色の陰唇があり、
指で寛げられた其の陰唇の中には、色味の淡い、繊細な感じのする粘膜が、
複雑で内臓めいた姿を現していた。
菱形に割られたその頂点に、豆状の突起がぽつんとくっ付いているのが不思議な感じだ。

 慶は、もう逆らえない気持ちになり、求導女の性器ににじり寄って行く。
其処に顔を近付けると、香ばしい様な生臭い様な―甘ったるい様な、何とも形容し難い匂いがした。

「ふふっ……可笑しなモノでしょう?」
 かぶりつきで見入っている慶に、求導女が声を掛ける。
慶は何と言っていいのか判らず、ただ曖昧な空返事をするだけだ。

「いい? 求導師様」
 しっとりとした眼差しで慶の顔を見詰め、求導女は、己の性器を指し示す。
「これが、女の陰部です。求導師様のとは全然違うでしょう?男の人のものを受け入れる為に、
 こういう形になっているのよ」
 それは普段、慶に勉強を教える時と同じ、淡々とした口調であった。

「……この、ひらひらした鶏のトサカみたいな部分は、小陰唇といいます。
 普通の時は此処が合わさって、中の粘膜を隠しているの。で、これを広げると……」
 求導女は其処を指先で摘まみ、ピラッと捲って見せた。
「ね。此処の、下の方……ちょっと判りづらいかもしれないけど、此処が膣の入口……
 男の人のおちんちんを挿れる為の、穴の入口よ。赤ちゃんも、此処から産まれます」

 おちんちん。という単語を聞いて、慶は僅かな反応を示す。
それに気付いているのかいないのか―。
 淫らな女教師は、自ら指し示した膣口をグッと開き、小さな穴をひくひくと収縮させて、
慶の目線を強く其処に吸い寄せた。

 顔を突き出し、シーツの上で前屈みに丸く蹲って、求導女の生殖器に見入っている慶は、
眼の前のいやらしい膣穴の蠢きに頬を紅潮させ、呼吸を荒げて行く。
 ずきずき脈打つ陰茎は、腿の間で圧迫されて疼き、
もうこのまま扱き上げて射精したい衝動に駆られてしまうが、慶は、その衝動に耐え続けていた。
そして、求導女による濃密な性教育の授業を、息詰めて聴講し続ける。

 そんな慶に向かって、求導女は、更に詳しく女の性器の解説を行った。
「この膣の穴の下には、お尻の穴があります……ほら、これね。
 これは求導師様にもあるから、判るわよね。
 で、上の方。此処に尿道口があるのだけど……見えるかしら?膣よりずっと小さいから……
 ……そう。女は性器の穴と、おしっこの穴が、別になっているの。
 複雑よね。うふふ……」

 桃色の粘膜の中心部。
求導女が尿道口だと説明した箇所には、ぽつんと小さな窪みがあった。
(これが……八尾さんのおしっこの、穴?)
ぼおっと欲情に逆上せた頭で、慶は其処を凝視する。
 ふと、その穴が微かに広がって、檸檬色の小水を噴き出す映像が頭に浮かんだ。
自らの卑猥な妄想に興奮し、慶はふう、と大きな溜息を吐く。
 勃起が、酷い。
陰茎に血液の全てを持って行かれてしまったみたいに、頭がクラクラする。

52:牧野慶/刈割/不入谷教会求導師居室/1993年/21:16:45
07/09/23 01:23:42 AsgDQw7n
 求導女が美しい女である事に気が付いたのは、いつの頃からだったろう?
それは先代のマナ字架を譲り受け、求導師と呼ばれるようになってからだった様な気がする。

 とても複雑な心境であった。
母に等しい女性であり、汚してはならない清らかな求導女である彼女に、女を感じてしまう自分。
 気が付くと、彼女の乳房の膨らみや後姿の腰の線を眼で追って、
尼僧服の下の肉体に思いを馳せてしまう不埒な自分。
 嫌だ。不潔だ。気持ちが悪い。
そんな気持ちで我と我が身を叱って見るも、その衝動はどうにも抑え難いものであった。
そして或る晩―慶は求導女の夢を見て、生まれて初めての射精を経験したのだ―――。


「それでね、求導師様」
 求導女の講釈が続く。
「この一番上にくっ付いているお豆のようなものなんだけど……」
 と言って女は、割れ目の頂点で紅色に輝いている、大豆ほどの突起を指し示す。

「これが、女の躰で一番敏感な部分なの。陰核。おさね……
 ああ。今の若い人には、クリトリスって言った方が、通りがいいのかしらね? ふふ」
 求導女は自らの指先でその突起をつついたり、そっと撫で廻したりする。

「ここはね、求導師様のおちんちんの尖端と同じくらい……
 いえ、もしかするとそれ以上に、敏感な処なのよ。ここをこうやって優しく触れれば……
 快感を得ない女は、いない……あぁ」
 求導女は、自身の言葉を実証するかのように紅い豆状突起に指を這わせ、切なげな溜息を吐いた。
腰が、何かの衝動に耐えかねているようにもじもじとくねり出し――。

 そして―其処までが、慶の限界であった。

「や……八尾さんっ!」
「きゃっ? 求導師さま?!」

 とつぜん慶は、求導女にしがみ付いた。
求導女の腰に喰らいつき、彼女の股間に顔を埋める。
 恥毛のしゃりしゃりした感触―両手は、たわわな乳房を力いっぱい握り締めている。

「ああっ、求導師様……い、痛いわ……」
 慶に乳房を捻り上げられ、求導女は苦痛の呻きと共に顔を歪めた。
慶の手を取り、乳房から外そうとする。
 だが慶はそれに抗い、尚も強い力で女の乳房を揉みしだいた。

「八尾さん……八尾さん……八尾さん!」
 求導女の性器に顔を押し付けながら、慶はくぐもった声で女の名を呼び続ける。

(これがクリトリス……これが尿道……これが……膣…………)
唇で、舌で、慶は教わったばかりの女性器の各器官を確かめるように舐り廻す。
 酸味と塩味の入り混じったような、奇妙な、それでいて男心を引き付ける淫らな味―。
 掌にはもちもちとした乳房があり、彼の手の動きによってその形を千変万化させている。
乳房の中心の突起が、陰部の頂点にある突起が、慶の刺激を受けてシコシコと硬く尖ってゆく。

「ああぁ……求導師様、ちょっと、お、落ち着いて」
 慶のあまりに性急で乱暴な行為は、求導女の肉体に苦痛を与えていた。
求導女は何度となく少年に自制を促したが、彼女の言葉は彼の耳には入らなかった。

 慶の理性は、極度に昂ぶった肉欲の前に、完全に消失していた。
灼熱の閃光に眩んだように視界は霞み、
沸騰しきった脳髄は、眼下の女体を貪ること以外、何も考えられなくなっていた。
 乳房から、女陰から、目茶苦茶に揉み、摩り、舐め廻して歯を立てる。
それは愛撫などと呼べるような代物ではなく、
求導女は、まるで荒波に揉まれているような心地で苦悶の呻きを漏らし続ける。

53:牧野慶/刈割/不入谷教会求導師居室/1993年/21:16:45
07/09/23 01:24:31 AsgDQw7n
「ひぃっ! やめ……求導師様やめて! 求導師様……」
 慶が乳首をきつく抓った処で、耐えかねた求導女は、本格的に制止の言葉を口にし始めた。
だがのぼせ上がった慶は、相変わらずその訴えを無視し続ける。
 自らの欲情に翻弄される慶は、求導女の内腿に硬直しきった亀頭を擦り付けるのに夢中だった。
尿道口からは先走りの液が駄々漏れになっていて、
ぬるぬるした感触に、陰茎がもう、ふやけてしまいそうだ。

「求導師様! ちょっと待って、きゅ……ああぁっ、駄目! 駄目です、求導師様……
 ……慶ちゃん!!」

 慶の動きがピタリと止んだ。

 先代が急逝し、求導師となってから四年。慶は村で“求導師様”と呼ばれ続けてきた。
今や彼を“牧野慶”という個人名で呼ぶ者はほとんど居ない。

 それは求導女も同様であった。
先代の死亡が確認されたその日から、求導女は慶を“求導師様”と呼んだ。
 求導女に求導師と呼ばれた瞬間から、慶は村の教会の求導師となり、
本人の意思とは係わりなく、村の権力の一端を担う存在として祭り上げられてしまったのである。

 それに伴い、慶自身もその役目に相応しくあるように“求導師”の仮面を被って生活するようになった。
村の信仰を司る者。
それは村中の尊敬と期待を一身に浴びる存在で在らねばならない。
求導師の仮面は慶の精神に重苦しく張り付き、常に重圧を与え続けていた。

 しかし。
その仮面は慶の無意識に、特権者としての自負と驕りをもたらしていたのも、また事実である。
 偉い求導師様。ご立派な求導師様。
村人達の賞賛と敬愛の言葉が、知らず知らずの内に慶の自尊心を高めていった。

 そんな慶の儚い自尊心を、求導女の言葉は容易く粉砕してしまったのだ。

 “慶ちゃん”という幼少時の呼び名で叱責されたことで、慶は子供時代の無力な自分に―
求導女の庇護なしには何も出来ない、今以上に無力な自分自身に立ち帰り、
冷水を浴びせられたように正気を取り戻した。

 ――慶ちゃん。爪を噛んでは駄目と言ったでしょう? もう、めっ! よ……。

 幼子の頃―求導女に叱られて泣きべそを掻いていた時の気持ちを思い出した慶は、
おずおずとその身を引いた。
起き上がり、そして寝台の隅で、背中を向けて首をすくめる。

 求導女もまた、正座をしている慶の後ろでゆっくりと身を起こした。
ちらと振り返ると、慶の唾液でぬらぬらと光る女の乳房が見えた。
乳房には、慶の指で握り締められた痕が、赤く痛々しく残っている。

「慶ちゃん……」
 求導女は、すっかりしょげ返ってしまった慶の肩に手を置いた。
慶は肩越しに、彼女の白い指先を見下ろす。
 求導女は、慶の肩を撫で摩りながら耳元に唇を寄せて、言った。

「慶ちゃんも脱ぐのよ」

54:牧野慶/刈割/不入谷教会求導師居室/1993年/21:16:45
07/09/23 01:25:13 AsgDQw7n
 慶は求導女に言われるまま、寝間着の釦を上から順に外し始めた。
上着を肩から抜き取る。求導女のものより少し大振りなマナ字架が、胸元に鈍く光って現れる。

 着衣の時は幾分華奢に見える慶だったが、その肉体はすでに青年期の逞しさを備えつつあった。
 求導女は慶の、自分のものより一まわり以上も広くなった肩幅を―
厚みを増した胸板を、眼を細めて見遣った。

 彼女の見つめる中、足首の辺りに溜まっていたズボンと下穿きを脱ぎ去ってしまうと、
慶はもう完全な裸体になった。
 反り返ったものを手で押さえている慶の前で、求導女は再び仰臥した。

「慶ちゃん。こっちにいらっしゃい」
求導女に促され、慶は彼女の躰に覆い被さるような姿勢を取る。
彼女の開いた腿の間に膝をつき、真上から白い顔を見下ろした。
「おっぱいはね」と求導女は慶の手を取り、乳房に宛がう。
「おっぱいは……さっきみたいに乱暴に掴んじゃあ、駄目。これくらいの力で、優しく揉んで……」

 求導女は慶の手に己の掌を重ね、柔らかい力で乳房を揉ませた。
慶は求導女の手の動きに合わせ、注意深く乳房を愛撫する。
 彼女の手が離れてからも、慶はゆっくりと乳房を捏ね廻し続けた。
胸の谷間にあるマナ字架が傾いて、光る。
揉んでいる人差し指の辺りに乳首が当たるので、それもそっと転がしてみた。

「あ……」
 求導女が微かな吐息を漏らした。慶は、不安げに女の様子を覗う。
「あぁ……それ、いいのよ慶ちゃん。もっと、続けて……」

 慶は求導女の言葉に安堵し、そのまま乳首に戯れ続けた。
転がしたり摘まんだりしているだけでは物足りなく思い、そこに唇を寄せてもみた。
舌先で舐めて、軽く吸いつく。そしてまた、舌で弾く。
 そうしながら、片方の手ではもう一方の乳房を撫でた。
(ああ、八尾さんの、おっぱい……)
豊かな乳房に顔を埋め、その感触を五感で味わう。

 慶の行為に求導女の吐息も熱くなり、それは次第に、切ない喘ぎに変わりつつあった。
「慶ちゃん、こっちも……」
やがて、求導女は慶の手を、己の陰部に導いた。

 其処はすでに、温かい粘液で溢れ返っていた。

「これは……」
内腿までも濡らしている液体の量の多さに驚き、慶は思わず声を上げる。
「欲しがっているからよ」
求導女は、陶酔に潤んだ瞳を慶に向けて言った。
「慶ちゃんのおちんちんが欲しいから……ここ、慶ちゃんを迎え入れる為に、濡れているのよ」

 ――八尾さんの躰が、僕を、欲している……。

 慶は激しい興奮で動悸が上がった。
耳の奥で己の血管が脈打つ音を聞き―亀頭の裂け目からは、透明な液体がじわりと滲み出た。

「八尾さん……」
慶は、渇いた咽喉から掠れた声を出した。
「僕も、もう……欲しいです。八尾さんの、ここに……」
慶は指先で、求導女の膣口に触れた。本当に、軽い力で触れた。

 ところが――。

55:牧野慶/刈割/不入谷教会求導師居室/1993年/21:16:45
07/09/23 01:26:01 AsgDQw7n
「あ……」
「あはぁ……ん」

 二人は同時に声を出した。
求導女の膣口は、軽く添えられただけの慶の指先を、ぐずぐずと飲み込んでしまったのだ。
慶の中指は、瞬く間に第二関節の辺りまでも膣に埋没してしまった。
初めて触れる膣の内部―ぬめぬめと熱く、硬いような、柔らかいような、妙なる肉襞の感触――。

 慶は其処から、素早く指を抜き去った。
糸を引くその指で、求導女のものに負けず劣らずぬめりを帯びた自分の性器を掲げ持つ。
 求導女は、待ちかねたように自ら陰唇を寛げた。
慶は息を弾ませながら、ぎこちなく膣口に亀頭を宛がう―此処だ。この辺りが、入口の筈――。

「ああぁ、そう、其処よ、そのまま、挿し入れて……乗っかって構わないから!
 ああ、は、早く……う」
求導女に懇願され、慶は思い切って細い肢体に圧し掛かり、陰茎を、開いた膣穴に推し進めた。

 ――う……あ、す、凄い…………。

 雁首を半ば覆っていた包皮が翻転し―
むにゅっ、と亀頭が包み込まれたと思う間もなく、慶の陰茎は温かく濡れた膣内に潜り込んでいった。

 ずぶずぶずぶずぶと狭い肉穴を分け入り、夥しい数の肉襞に、ぴったりと吸い付かれて――。

「あ、あ、あああっ!」

 眼球の奥を、白い閃光が駆け抜けた。
脳天から尾骶骨にかけて電流に貫かれるような衝撃を受け―慶は、女の膣の中に射精をしていた。
「あ、あ、あ……」
 彼は虚ろに眼を見開いたまま、全身をビクンビクンと震わせた後、
力を失って求導女の乳房に突っ伏してしまう。

 だが、それだけでは終わらなかった。

 求導女の甘美な襞のざわめきは、達したばかりの慶の陰茎を容赦なく擽り続けていた。
波打つように茎を締め付け、陰唇も、しっとりと絡み付いて離そうとしない。
 あっという間に硬度を取り戻した陰茎を、慶は小刻みに腰を揺すって女の膣壁に擦り付けた。
(選鉱所で……確か、こんな風にしていた筈だ)
慶は昼間見た弟の行為を思い出し、懸命に腰を上下させた。

 すると、慶の腹の下で求導女が尻を蠢かせ始めた。
最初は小さく細波のように―やがてそれは大波となり、慶の陰茎を粘膜で激しく扱きあげた。
「あっ、はっ、いっ、いいわ……あぁ、響く! 奥に、響くわ……」
求導女の淫声に混じり、繋がった箇所からはぐっちゃぐっちゃといやらしい結合音が鳴り響く。
 ジュクジュクと膣から掻き出される液体は己の漏らした精液なのか、
それとも、求導女の快楽の証の汁であるのか――。

 そうして二人で腰を絡みつかせて揉み合っているうちに、求導女の内部が急激に狭窄感を増してきた。
膣の入口から中心付近、そして奥の方の弾力のある器官にかけて、きゅーっと強く締まってくる。

「あ……慶ちゃん、あぁ、あああぁぁ……」
求導女は黒髪を枕に散らし、紅く脈打つ首筋を仰け反らせる。
額には玉のような汗が浮かび、恍惚の為か、眦に涙まで滲ませている。

 ――八尾さんが……! ぼくが、八尾さんを…………。

 慶は何とも形容し難い、達成感にも似た感動を覚えた。
背筋がぞくぞくとして―またもや、精液を弾け出させてしまった。

56:牧野慶/刈割/不入谷教会求導師居室/1993年/21:16:45
07/09/23 01:26:53 AsgDQw7n
 求導女は、呻き声と共に凭れ掛かってくる慶の頭を抱きかかえて、労わるように撫ぜた。
「出たのね……判るわ。おなかの中、慶ちゃんの精液で一杯になってる……」
求導女の静かな声を聞きながら、慶は、初めて味わう快楽の余韻に微睡んだ――。


 求導女の中で果てた慶は、暫く彼女の中に潜り込んだまま、その豊胸に抱かれて横たわっていた。
眼を閉じ、乳房の温かさ柔らかさ、それに甘ったるい匂いに浸っていると、
何とも言えない狂おしい切なさが胸に込み上げてきて、慶は何故か、泣きたい様な気持ちになった。

「これで落ち着いて眠れそう?」
頭の上から求導女の声がする。見上げると、求導女の黒く輝く瞳が慶を見ていた。
 慶は、気恥ずかしさを感じて瞼を伏せた。

 初めての夢精を経験して以来、慶は求導女を自分の意識から遠ざけるようにしてきた。
必要以外、なるべく彼女の傍には近寄らないようにしたし、
それまで彼女が手伝ってくれていた日常の些末な作業―着替えだとか入浴だとかも、
自分一人で片付けるようにした。
求導女に対する言動も素っ気なく、余所余所しいものになっていった。

 それもこれも、慶が己の中の欲望を押さえ込む為にしてきた努力なのであった。
求導女を女として認識することは、どこか近親相姦めいた罪悪感を生じさせるものだったからだ。
 忌まわしい、不自然な欲望。
その他の少年らしい様々な欲求と同様に、彼は、秘めた感情にも蓋をした。

 そうして数年の時が経ち、慶は、求導女に対する欲望を完全に克服しつつあった。
過剰な性欲に苛まれてはいたものの―それは求導女に対してのものでは無かった。
 求導女は、求導女でしかない。教会を運営していく為に必要な存在ではあるが、それだけだ。
村で他に気になる少女も現れた。慶は、求導女からの精神的な自立を果たそうとしていた。

 全て彼の望み通り――それなのに。

「八尾さん」
求導女の胸の中で、慶は呟いた。
「お願いがあるんですけど」
慶は、求導女の胸のマナ字架を弄りながら言った。
 まだ幼児の頃。
慶は求導女に何かをおねだりをする時、いつもこうして彼女のマナ字架に触れたものだった。
 慶も求導女も、そのことは覚えていなかったが――。

「あの、ぼく……今日のことおさらいしておきたいんです」
恥じ入るように小さな声で言う。
求導女は一瞬きょとんとして慶を見たが、すぐに彼の本意を理解し、穏やかに微笑んだ。

 つまり慶は、もう一度性交をしたいと言ったのだ。
今宵、求導女に教わったことのおさらいとして行為をせがんで来るとは。
何とも慶らしい言い様だと求導女は微笑ましく思った。
 それは一見、生真面目に思える言い様だ。賢くて―でも、少し小ずるい言い廻し。

「勿論、私は構いませんよ。……では、このまま?」
求導女は、外れかけていた慶の陰茎の根元に手を添える。
 だが慶はその手を遮り、求導女の中から引き抜いてしまった。
「いいえ。あの、最初からやってみたいんです。いいですか?」

57:牧野慶/刈割/不入谷教会求導師居室/1993年/21:16:45
07/09/23 01:27:37 AsgDQw7n
 夜が深まるのにつれ、少しは風が出て来たようだ。
気温も幾分低くなり、冷たい夜風が、慶の裸の背をひんやりとなぞる。

 それでも慶は、その冷たさを全くといっていい程に感じていなかった。
体内から湧き上がる交接欲で、全身が燃え上がっている為だ。
 慶は今夜、すでに四度に及ぶ射精を行っていたが、まだ充分な満足を得られてはいなかった。
理由ははっきりしている。
それらの絶頂のほぼ全てが、求導女から一方的にもたらされたものであったからだ。

 当然、自慰に比べればそれらは途方も無い快感を慶に与えていたが―
性に目覚めて以来、押さえ付けられ鬱屈しきっていた欲望は、この程度の快楽では治まり様も無かった。
 慶は、女にも性の絶頂があることを書物などで見知っていた。
それがどういったものであるかまでは、彼の拙い性知識からは見当もつかなかいものの―
さっき、求導女はその兆候を見せていた気がするのだ。

 ――あの時、僕がもう少し射精を我慢出来ていたら……
              八尾さんも、達していたのではないだろうか?

 慶は、求導女が性の絶頂を極める姿を見たいと思った。
己が陰茎でのたうち廻り、憐れによがり泣く求導女の悩ましい姿を、慶は心の底から欲していた。


「じゃあ、いきますよ」
慶は求導女に覆い被さり、唇に軽い接吻をする。
次いで首筋に。
耳朶にも、擽るように唇を這わせる。

 くすくすと笑う求導女の肌の匂いに心をざわめかせながら、慶は隆起した乳房を丸く撫で廻した。
求導女の唇から、溜息が漏れる。
「はぁ……気持ちいいわ慶ちゃん。とっても上手……」
 求導女に誉められて気をよくしたのか、慶は、更に大胆に彼女の躰をまさぐり始めた。

「八尾さん……さっき、此処が一番いいって言ってましたよね?」
慶は指先を滑らせ、求導女の陰部の割れ目の頂点をぐりぐりと捏ね廻す。
 そこには、陰唇に埋もれる陰核があった。
揉まれ、摩られするうちに、柔らかだった突起は硬さを増し、慶の指先をこりこりと押し返した。
 求導女は呻き、身を捩る。

 彼女の陰部は最前の性交の名残りで、未だぬるぬると濡れそぼっていた。
その為、尖った陰核の上で慶の指先は滑り、時折思いがけず強くその部分を弾いたり、押し潰したりした。
 その度に求導女は小さく身を震わせ、細い叫び声を上げる。

 だが慶は、求導女のこの反応が苦痛を訴えてのものではない事を、すでに理解していた。
「ああ慶ちゃん……あなたは飲み込みが早いわ……本当に……凄く……くぅっ」
陰核を弄る一方で、慶は空いた指を女の膣口にめり込ませる。
熱く蕩けたようになっているその肉穴は、慶の指先を抱き締めるように強く、優しく包み込んだ。

「ああっ、あはぁっ、あ……いい。いいわとっても……ああ、ああぁ……」
求導女は甘ったるく鼻に掛かった声を出し、くねくねと尻をくねらせた。
そして、もっと弄ってとでも言うように両手を大陰唇の脇に添え、グッと大きく陰裂を寛げた。
 パックリと開いた貝状の粘膜が、物欲しげにひくひくと蠢く。

(八尾さん……)
慶は、眼の前に差し出された、求導女の発情しきった生殖器に尚も追い討ちをかける。
「あ……あぁあああっ!」
慶は求導女の股座に顔を寄せると、陰核を指で弄くるのを止めて舌先を其処に近づけた。
下から上に。ちろちろと舌を動かしながら、膣の内部を指先で探る。
 掻き廻すようにまさぐっていると、入口から少し入った辺りの上方に、
少し出っ張った箇所があるのに気が付いた。
 弾力のあるその肉の塊を慶はぐっ、ぐっ、と押さえつけてみた。


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