10/07/10 00:43:35 2LKaQVEz
「ひこ・・・・・・ごめん・・・・・・」
なんで、どうして・・・・・・
もしかして最後の通信になるかもしれないのに、どうして・・・・・・
「TDRSさん、ひめはまだ、助かるんですか?」
「先生たちの努力でね、なんとか電源を落とさなくていいようにしてくださってる。
あとはひこぼしくん。彼女を助けられるのは貴方だけなの」
TDRSさんから送られてくるデータ。
それは僕のスラスタを制御するための、新しいプログラム。
数年間かかって開発された僕のプログラムを、先生たちは10日で書き換えてしまった。
多分、寝る間も惜しんで僕のためにこのプログラムを書き換えてくれたんだろう。
ポタリ・・・・・・しずくが落ちた。
みんな、ひめを助けるために頑張ってくれている。
あとは、僕が頑張るだけ。
「TDRSさん、ドッキングの予定日は?」
「8月27日。お願い、おりひめちゃんを助けられるのは君だけなの」
プログラムを頭にいれ、復唱する。
スラスタを労わって動かすこと、そして何よりも重要なのは逃げないこと。
636:名無しさん@ピンキー
10/07/10 00:51:43 2LKaQVEz
とりあえず中編以上です
とりあえず、実際のシナリオにそれなりに忠実になぞろうと努力しています。
ただ、TDRS経由での交信の頻度とか、そのあたりは完全に妄想
JAXAの公式サイトでもっと流してくれればいいんだけど
ついでにドッキングに関しての資料として使えるかなと思いましたが
URLリンク(ssdl.aero.kyushu-u.ac.jp)
さっぱり分からねぇ・・・・・・
まあ、要約すると上のSSみたいな感じだと思います(ヲイ)
後編は日曜日までに投下できるといいなと期待しつつ
637:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/10 11:49:06 m/emf8cZ
変態無人機HTVのパパとママのお話ですね大いに期待
638:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 00:18:39 vmt+hUGn
みちびきさん最凶伝説
639:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 00:25:58 Lh06HDxS
こんな場所があったとは……気が向いたら投下してみます。
旅客機擬人化方面で。エロは期待しないでください。
640:携帯から
10/07/11 00:38:38 YPox+Jss
衛星の人です
本日づけでPCが規制食らいました
ひこぼし×おりひめは規制解除までちまちま校正してます
その間>>639さんの旅客機擬人化をお楽しみください
……とイカロスくん並の無茶ぶりしてみる
641:639
10/07/11 00:50:30 Lh06HDxS
ごめんなさい私のPCも絶賛規制中ですごめんなさい!
とりあえずアレです、規制明けたら投下する(予定です)ので
>>640さん、ひとつご勘弁を(笑)
642:名無しさん@ピンキー
10/07/11 23:27:03 x3DIWaHv
オォウ、何という規制ラッシュなんだ・・・・・・
何はともあれ規制解除されるまでお待ちしておりますので焦らずに推敲して下さい。
643:名無しさん@ピンキー
10/07/17 01:18:31 7SICdRGi
書けるようになった?
お久しぶりです。
やっとこさ ひこぼし×おりひめ 投下できます
皆さんお待ちかねのエロ・・・・・・はないですがラストが!!
それでは投下します
644:名無しさん@ピンキー
10/07/17 01:19:05 7SICdRGi
「ひこぼし、最終接近開始します」
一歩一歩、虚空を踏み締めてひめとの距離を詰める。
点だったひめが、だんだんと大きくなってくる。
ひめが近づく、一刻も早くひめを・・・・・・
「くっ……」
スラスター異常。
頭に悪夢が浮かぶ。
バランスを崩した僕のアームが、ひめを……
「違う!!」
その悪夢をふり払う。
作動しそうになる回避シークエンスを押し止どめる。
まだ距離はある。
逃げちゃダメだ。助けるんだ、ひめを。
「ひこ……」
ひめの顔色が悪い。
自分の太陽電池だけで電力をまかないきれないひめ。
先生たちが機能維持を第一にひめのプログラムを書き換えてくれたお陰で、
ひめのバッテリーを節約し、いままで生き延びることができた。
でも、残された猶予も少ない。
早く、でも正確に。
645:名無しさん@ピンキー
10/07/17 01:19:41 7SICdRGi
「アウターマーカー通過」
電力が足りないのが、ひめはぼうっとしている。
でも、GPS位置計測、レーザー反射で僕を精密に導いてくれる。
ひめの服についている反射材。
僕の放つレーザーを正確に反射することにより、精密な誘導を可能にしてくれる。
自分ひとりでドッキングできるわけじゃない。
ひめが助けてくれるから。
あと少し。
僕は腕を伸ばす。
大切なものを、もう二度と手放さないために。
ひめの体が僕の腕に入る。
「ドッキング機構、駆動開始します」
そして僕は、ひめを抱き締める。
「ドッキング完了しました」
646:名無しさん@ピンキー
10/07/17 01:20:10 7SICdRGi
僕の腕の中のひめは、僕の胸に顔を埋める。
「ひこ……ゴメン。私が悪かった」
「え、どうして?」
ひめを放り出して逃げ出したのは、全部僕が臆病だったからなのに……
「怖かった。ひこがTDRSさんと楽しそうに話してるのが。
ひこが、取られちゃうかと思って。だから私、あんなこと。ねぇ、ひこ……」
そんなひめがかわいくてどうしようもなくて、僕は唇でひめの口をふさいだ。
暖かくて、柔らかいひめ。
誰にも渡さない、僕だけのひめ。
「ねぇ、ひこ。私のこと、好き?」
当たり前じゃないか、そう言おうとして気が付いた。
そうだ、当たり前と思い過ぎてて、口に出してなかった。
織姫と彦星、惹かれ合うのが当たり前と思ってた。
でも、改めて口に出すと、ちょっとこそばゆくて、気持ちいい。
「大好きだよ、ひめ」
僕の言葉をまっすぐに受け止めて、恥ずかしそうに僕の胸に顔を埋めるひめ。
「ひこ、私達の仕事、あと何が残ってるか覚えてる?」
頭の中、実験のタスクを思い返す。
複数回用意されていた接近、離脱パターン。
ふらふらとひめとの離脱、再接近を繰り返すうち、
いつのまにか実験予定のタスクをこなしてしまっていた。
あとは……
647:名無しさん@ピンキー
10/07/17 01:21:03 7SICdRGi
「宇宙給油試験?これって……」
顔を真っ赤にしたひめが、こくんとうなづく。
軌道上は無重量。
アームを使って他の衛星に模擬燃料を受け渡すこの試験は、
姿勢制御を行いながらアームを動かす技術、軌道上での物の受け渡しなど、
多くの知見をもたらしてくれる。
でも、僕たちにとっては……
「ひ、ひめ。いいの?」
僕たちの使命として決められてることなんだからいいも悪いもないんだけど。
でもその意味に、聞き返さずにはいられなかった。
「ひこだから、いい」
僕の腕の中のひめが呟く。
「お願い、ひこ。私に……ください」
648:名無しさん@ピンキー
10/07/17 01:21:27 7SICdRGi
誰もいない、二人だけの軌道上。
受け渡しを行う給油口を覆うカバーを、ゆっくりと外す。
ひめは僕の腕が触れる度、怯えたように震える。
「ひめ……」
僕の言葉に涙を浮かべた瞳を開くひめ。
安心させるために、僕は優しくひめに唇を重ねる。
「ふにゃぁ、ひこっ、そんなとこっ」
唇同士のキスから、首筋、肩、胸、お腹。
ひめの体に怪我がないか確かめながら、
ひめの体のあちこちに僕の印のキスマークをつけながら、口づけを繰り返す。
ひめの体に異常はない。
「綺麗だよ、ひめ」
そしてもう一度、優しく口づけを交わす。
僕が体に触れるたび、可愛い反応を返してくれるひめ。
ひめの体は上気して、もうすでに僕を受け入れる準備は調っている。
模擬燃料準備よし。
あとはこれをひめに……
「行くよ、ひめ……」
模擬燃料をひめの給油口に近付け……
「え、あ、あれ?」
ひめの給油口を見失った僕は、一瞬パニックに陥った。
え、えっと、あれ?
こんな時はどうしたら……
649:名無しさん@ピンキー
10/07/17 01:21:57 7SICdRGi
「くすっ」
ひめの細い指が、僕の目指すところを指差す。
「ご、ゴメン。初めてだったから……」
「私だって初めて。ううん、私達だけじゃない。
無人衛星同士の物の受け渡しは、きっと世界でも初めて。だからね・・・・・・」
僕の下になっていたひめが、上体を起こして、今度はひめからの口付け。
「ひこ。一緒に頑張ろ」
その一言で僕の理性はもうとろけてしまった。
模擬燃料をひめに押し当てる。
「ひめ、いくよ」
ひめの大切なところに押し当てて、力を入れる。
微かな抵抗を押し切って、模擬燃料パッケージがひめの中に入る。
「くぅぅっ・・・・・・痛っ・・・・・・」
ひめの小さく押し殺した悲鳴。
すぐに燃料を注入するのはこの状態じゃ危険だ。
そっと舌でひめの涙を掬う。
ひめの痛みを少しでも抑えられるよう、優しく体を撫でる。
ひめが荒く息をつく、数回。
「ひこ、もう大丈夫だから」
まだひめの息は荒い。
「ひめ、大丈夫?辛かったら一度中止しても……」
ひめは小さく首を横に降る。
「初めて……だからっ、私とひこのっ、世界で最初の初めてだからっ。
だから、最後まで……」
そこまで言われて、僕は引き下がれない。
ぎゅっとひめの体を抱きしめ、注入を開始する。
はじめは強張っていたひめの体。
でも、繰り替えすうちの僕のものに馴染み、声にも色が混じり始める。
体の相性が悪いわけがない。僕はひめと一緒になるために生まれてきた衛星だから。
「ひゃうん、ひこぉ、ひこぉ・・・・・・」
耳元であがる、ひめのかわいらしい声。
もっと一つになりたい、ひめと僕はもともと一つの衛星だから。
ひめと僕、二人で「きく7号」だから。
「ひめっ、いくよ・・・・・・」
「うん、ひこ、出して、いっぱい、お願いっ!!」
ぎゅっとひめの体を抱きしめる。
はじける感触。
接続された模擬燃料パッケージから、模擬燃料がひめに流れ込んだ。
荒い息を静めながら、乱れたひめの髪を指で直す。
「ひめ、大丈夫?」
ちいさく、こくりとうなづくひめ。
これでミッションコンプリート、かな?
650:名無しさん@ピンキー
10/07/17 01:22:33 7SICdRGi
「ひこ・・・・・・」
彼女の求めにしたがって、僕はもう一度彼女に優しく口づける。
「ねぇ、ひこ。どんな子になるんだろうね。私たちの子」
あ、え、えっと。僕たちのやってたのは宇宙給油試験で、
そのエッチなことじゃなくて・・・・・・
「えっと、後継機の話?」
そう、とひめは頷く。
「私たちの成果は、今後も受け継がれていく。
私たちの技術は、国際宇宙ステーションへのドッキングや、
他の衛星の修理技術へと繋がる。きっと私たちの技術を生かした子が作られるよ」
僕らは技術試験衛星。
僕らの生まれた意味は、次の衛星に引き継がれる技術を生み出すこと。
「そうだね、きっと生まれてくる。これからの宇宙開発を支えてくれる、僕たちの子供たちが」
651:名無しさん@ピンキー
10/07/17 01:23:10 7SICdRGi
「第二段エンジン燃焼停止」
下からの強烈な加速が唐突に止まり、私の周りが静かさにつつまれる。
「HTV分離!!」
突き放されるような感覚とともに、私は宇宙へと放り出される。
ゆっくりと私は、目を開ける。
「うわぁ・・・・・・」
そこには、青。
一面の青い海、白く光る雲、緑の大地。
高度350kmの宇宙空間に私はいる。
「・・・・・・」
青い地球から、今度は漆黒の宇宙に目を凝らす。
遥か遠くの星以外に、私の目に映るものはない。
人工衛星の打ち上げで過密になってきている宇宙空間とはいっても、
視界に他の衛星が入るほど距離が接近してたら、それは異常事態だ。
「お父さん、お母さん・・・・・・」
この私の軌道上とそう違わない高度に、私のお父さんとお母さんはいる。
私のドッキング技術の元となったお父さんとお母さん、きく7号は、
いくつものトラブルを乗り越え、1999年12月にすべてのミッションを完了。
2002年10月30日15時56分に停波コマンドを受け、永遠の眠りについた。
その後も、この軌道上を回り続けているという。
「よし、私も頑張るんだから!! お父さん、お母さん、見ててね」
この軌道のどこかで回っているお父さんとお母さんに声が届くよう、叫ぶ。
きく7号の娘の名に恥じぬよう、私は行く。
与圧部、推進装置を持ち、日本で初めての「宇宙船」とも呼ばれる私。
次のステップ、有人宇宙飛行を目指すためにも、失敗は許されない。
私は目指す、国際宇宙ステーションへ。
私の「初めて」を、次の世代へ繋げるために。
652:名無しさん@ピンキー
10/07/17 01:25:35 7SICdRGi
以上です
いや~ こういったパターンは初めてだったんで頑張りました
ラブラブセッ・・・・・・模擬燃料給油試験
ドッキング=えっちなこととイメージしちゃいますが、
きく7号はよくよく考えると打ち上げ時にはドッキングした状態で打ち上げるので
「仲のいい幼馴染がお互いを異性と意識してギクシャクしてからくっつく」のパターンで
おりひめはデレツンデレ
解説・・・・・・もとい言い訳
給油口を覆うカバーを、ゆっくりと外す
正直模擬燃料給油試験の資料はさっぱりないので、このあたりは100%都合よく妄想
萌衛星図鑑P57のイラストからイメージ。以下のシーンはすべて妄想
このあたり詳しい資料ご存知の方がいたら教えて・・・・・・
ひめの体に怪我がないか確かめながら
ほ、ほら、ひこぼしのアームにはカメラあるからさ、
こう異常がないか撮影して確かめたりするんよ。うん。
だからエロいことないんだよ!!きっと!!
微かな抵抗を押し切って、模擬燃料パッケージが・・・・・・
ほ、ほら。きっとぎゅっと力を入れるとカチっとはまる感じ。
あんな感じなんだよ・・・・・・多分
HTV
まあ、この子父母より先に大気圏突入しちゃうんですけどね。
当初予定では男の子でしたが、ニコニコ大百科の絵を見て女の子に
HTV1号機は2009年11月2日に大気圏再突入し、燃え尽きました。
きく7号は2007年~2012年の間に大気圏突入するとニュースで見かけましたが、
「突入した」のニュースは発見できなかったので、まだ落ちてないのか?
ご存知の方あれば情報ください
653:名無しさん@ピンキー
10/07/31 15:00:36 E6rDWF6y
中学生の頃、数学の問題集を解きながら
「値を求めよ」とあるのがどうしても頭の中で
「アタイを求めよ」と変換されてしまっていた。
理系の女の子に「アタイを求めよ」なんて言われてみたかった。
654:名無しさん@ピンキー
10/09/09 08:58:10 n+k20+tK
持ちageマース
655:名無しさん@ピンキー
10/11/01 02:50:52 oqqIv6ly
ほー