08/08/26 17:48:39 g/JT9Hq+
>>991 続き
そこは人気のない静かな場所だった。
なのに2人きりで何をしていたのか?
(こんな所で…一緒にいたの?)
千歌音は先ほどの姫子とソウマを思い出す。
(まさか…姫子に限ってそんな…)
前世の時ならともかく、今は両想いなのだ。
姫子がソウマと再びそんな仲になるはずはない。
(そう…今は想いが通じ合ってるもの…)
千歌音は心の中で、自分に言い聞かせた。
だが…。
「千歌音ちゃん?座ろう。」
「…ええ」
2人でその石段に腰をかけた。
「本当によかったぁ、この場所教えてもらっておいて。」
「姫子、その事なのだけれど…」
「やっぱり大神君て頼りになるよね。」
千歌音はその言葉を聞いた瞬間、下に俯いて黙り込んでしまった。
「………」
「…千歌音ちゃん?」
姫子が話しかけても返事は返ってこない。
「どうしたの、疲れちゃった?私がいろいろ連れまわしちゃったから―…っ!?」
突然だった。
姫子は千歌音の腕の中に抱きしめらていた。
「千歌音…ちゃん?」
千歌音の行動に、思わずドキドキしてしまう姫子。
「聞きたくない。」
「えっ…?」
千歌音は姫子を抱きしめたまま、立ち上がり姫子を神社の壁に押し付けた。
「ちか…!」
姫子は不意に唇を塞がれ、言葉を発する事が出来なかった。
「ん……ぅ」
痛いくらい千歌音に手首を掴まれ、姫子は顔をしかめた。
「ふぁっ……ち、千歌音ちゃん、どうし…っ」
いったん唇を離したが、また塞がれる。
「口、開けて」
千歌音が命令口調で言葉を発した。
その声は冷たかった。
姫子は言葉を返せなくて、言われた通り少し口を開く。
当然のように舌がするりと入ってきた。
姫子の身体がビクリと震える。
「んぁ…っ…ち、か…」
2人の身体はさらに密着する。
浴衣ごしに千歌音の身体の柔らかさが伝わってくる。
だが、千歌音の身体は何故か冷たく感じた。
(千歌音ちゃん…)
姫子は千歌音の体温を少しでも感じたくて、背中に手を回した。
濃厚なキスをされながら、姫子はうっすらと瞳を開ける。
目の前には千歌音の綺麗な長い睫が見えた。
姫子がしばらく見とれていると、視線に気づいたのか千歌音も瞳を開いた。
黒くて深い眼差しに見つめられ、姫子は頬を赤らめる。
「んん……っ」
千歌音は姫子の腰に手を回して、さらに舌を押し込んだ。
まだ続きます。