08/08/26 09:05:23 g/JT9Hq+
>>984 続き
「大神君!?」
「来栖川、来てたのか?」
「うん、大神君は?」
「一応、ここ大神神社だぜ。」
「え?あ…そうだった…大神君がいて当たり前だよね。」
恥ずかしそうに笑う姫子。
何ひとつ変わらない姫子の様子にソウマは微笑んだ。
「来栖川、一人で来たのか?」
「うん、今はね。でも後から千歌音ちゃんも来るの。」
「そ、そっか…姫宮も…」
ソウマは照れくさそうに頭をかきながら、小さな声でボソッと呟いた。
「あのさ、姫宮が来るまでもしよかったら…」
「え?」
用事が予定よりも早く終わり、千歌音は急いで姫宮邸に戻った。
「乙羽さん、急いで浴衣を用意してもらえる?」
帰ってすぐに浴衣に着替え、車に乗り大神神社に向かう。
さすがに慌ただしかったが、少しでも姫子と長く過ごしたくて千歌音は運転手に声をかけた。
「ごめんなさい。もう少し急いでもらえるかしら?」
大神神社に着くと、夕暮れ時よりも結構な人の多さだった。
人混みの中、姫子を目で探す千歌音。
「ひめ……!?」
ようやく見つけた人混みの中、浴衣をきた姫子を見つけた千歌音が声をかけようとしたその時…。
(あれは…大神さん…?どうして…?)
姫子はソウマの横で楽しそうに笑っている。
はたから見たらそれは恋人同士にも見えるだろう。
あの前世の時にミヤコに見せられた、姫子とソウマの姿だった。
(どうして…姫子…私以外の人にそんな笑顔…それとも大神さんの事がまだ…)
ズキッと千歌音の胸が痛んだ。
「あ…千歌音ちゃん!」
その時、姫子がこちらに気づいて手を振った。
笑顔で駆け寄って来る姫子に、千歌音は何とか笑顔を作って見せた。
「ごめんなさいね、遅れてしまって…」
「ううん、思ってたよりも早かったんだね。」
「え、ええ…」
続きはのちほど…。