08/07/30 22:03:50 +UCwIfTE
>>773 続き
姫子は千歌音に覆いかぶさると、首筋に唇を這わせた。
「っ…!やっ…姫子さまっ、駄目…」
「いや?」
「え…っ…」
「千歌音は私とこうゆうことするのはいや?私のこと嫌い?」
姫子は千歌音の瞳を真っ直ぐに見つめる。
「そんなことっ…嫌いなんて…」
嫌いなはずがない。
この世で一番大好きな人なのに。
「姫子さまは…みんなの憧れで、この村にとって大事な人だから…」
自分で自分の声が震えているのがわかる。
「私なんかが…なんの役にも立たない私なんかが、姫子さまに愛される資格なんて…」
「私は…」
まるで自分自身を責めるかのように続ける千歌音の言葉を姫子は遮る。
「私は千歌音が好きよ。千歌音がいるから、千歌音と一緒だから…どんな時でも頑張れるの」
「姫子さま…」
「だからそんなこと言わないで。そんな顔しないで。ね?お願い…」
お日様のように温かく、優しい笑顔がわずかに曇った。
私はいつだってこの人に救われてきた。
この人を悲しませたくない。
この人に笑顔でいて欲しい。
「…はい…姫子さま。」
千歌音がほんの少し笑顔を見せると、姫子もにっこりと笑ってくれた。