08/07/30 22:03:50 +UCwIfTE
>>773 続き
姫子は千歌音に覆いかぶさると、首筋に唇を這わせた。
「っ…!やっ…姫子さまっ、駄目…」
「いや?」
「え…っ…」
「千歌音は私とこうゆうことするのはいや?私のこと嫌い?」
姫子は千歌音の瞳を真っ直ぐに見つめる。
「そんなことっ…嫌いなんて…」
嫌いなはずがない。
この世で一番大好きな人なのに。
「姫子さまは…みんなの憧れで、この村にとって大事な人だから…」
自分で自分の声が震えているのがわかる。
「私なんかが…なんの役にも立たない私なんかが、姫子さまに愛される資格なんて…」
「私は…」
まるで自分自身を責めるかのように続ける千歌音の言葉を姫子は遮る。
「私は千歌音が好きよ。千歌音がいるから、千歌音と一緒だから…どんな時でも頑張れるの」
「姫子さま…」
「だからそんなこと言わないで。そんな顔しないで。ね?お願い…」
お日様のように温かく、優しい笑顔がわずかに曇った。
私はいつだってこの人に救われてきた。
この人を悲しませたくない。
この人に笑顔でいて欲しい。
「…はい…姫子さま。」
千歌音がほんの少し笑顔を見せると、姫子もにっこりと笑ってくれた。
780:名無しさん@ピンキー
08/07/31 00:21:44 sIYoEQdH
>>779 続き
「…いいのね?」
先ほどの優しい姫子とは違って、熱がこもった眼差しと声で千歌音に尋ねてくる。
恥ずかしさの余り、言葉を返す事ができなくて小さく頷いた。
「千歌音…」
「あっ…」
姫子は千歌音の豊かな胸に、ためらわず触れてくる。
千歌音の顔や仕草は幼いのに、身体の方は徐々に少女から大人の女のように変化していく。
(千歌音の胸…こんなに大きかったかしら…)
何度も千歌音の裸を見ている姫子は、少しの変化さえ見逃さなかった。
「あ…っ…」
「もしかして、また大きくなっていない?」
姫子が鎖骨に口づけながら千歌音に聞いてくる。
「…姫子さまは、嫌いですか…?胸が大きいの…」
見当違いな答えに姫子は一瞬きょとんとしたが、そんな千歌音が可愛くて頬が緩んでしまう。
「そんなことないわ。そうね、ちょっと妬けてしまうけれど…好きよ、千歌音のは。」
そう言って胸の先端をそっと口に含んだ。
「…っ…ひゃっ…」
舌先で転がして、吸ってみると千歌音が可愛らしい声を上げる。
その声を聞きたくて、今度は歯で先端を優しく噛んだ。
「やんっ…!」
反対側を手で優しくもみしだく。
口に含んだそれは、先ほどより固くなってゆく。
「ん…千歌音…。」
姫子は夢中で千歌音の胸を味わった。
781:名無しさん@ピンキー
08/07/31 01:32:44 szmJsbz0
>>780
職人さま・・・!!
782:名無しさん@ピンキー
08/07/31 07:11:07 sIYoEQdH
>>780 続き
そっと唇を離すと固くなった先端が唾液で光っていた。
そこから段々と下がっていく。
脇腹から腹部へ、強く口づけを繰り返しながら臍へ舌を差し入れる。
「……あ」
千歌音は不安になったのか、布団をぎゅっと握り締めた。
やはり千歌音の不安は的中した。
「千歌音。」
姫子が膝に手をかけた。
千歌音は姫子の方へ視線を向けると、姫子と視線が合わさる。
その瞳はとても優しく、でもその奥には熱い情欲さえ感じられた。
「千歌音…。」
「だ、駄目っ…。」
姫子は千歌音が嫌がる事はしたくなかったが、もう我慢の限界まできていた。
「お願い。千歌音…。」できるだけ優しく囁き、何度も口づけると千歌音の膝の力が抜けていく。
「あっ……!」
気づいた時には、力の抜けきった膝は姫子の手で開かれていた。
姫子の視線がそこに注がれる。
「…綺麗。千歌音のここ。」
「…っ、やぁ…っ!」
大好きな人に見られている。
千歌音は恥ずかくて顔を枕にうずめた。
視界が涙で歪む。
「…っく…。」
枕が涙で少し濡れた。
「千歌音?泣いているの?」
姫子が心配そうに声をかけてくる。
千歌音は顔を向ける事ができない。
「そんなに嫌だったの?」
「…嫌じゃ…っく…なくて、ただ…」
なんて言ったらいいんだろう?
憧れの人に自分の大事な所を見られているのだ。
それもまだこんな明るい時間だ。
夜ならともかく、全てを見られる事が恥ずかしくてほんの少し怖かった。
「大丈夫よ。」
きっと姫子は何も言わなくてもわかっているのだろう。
姫子のその言葉だけで、何故か不思議と安堵する自分がいる。
「何も怖がらなくていいのよ。」
穏やかな声に気を許した瞬間、姫子の顔がそこへうずめられた。
783:名無しさん@ピンキー
08/07/31 08:08:32 sIYoEQdH
>>782 続き
「ああっ…、や、駄目っ…そこは汚いからっ…」
「汚くなんてないわ。千歌音のだもの。」
千歌音の止める声も聞かず、姫子はそこへ優しく口づける。
千歌音の身体がびくんと揺れた。
「濡れてる…。」
「……っ!」
千歌音のそこは触れる前からもう既に熱く濡れていた。
割れ目にそって舐めると、とろりと千歌音の愛液が溢れてくる。
「…んっ…ふ…甘い。」
唇についた愛液をぺろっと舌で舐める。
「は…っ、あっ…姫子…さまっ…」
今度は指で広げると、愛液を塗りつけるように指で愛撫した。
「あ…ああっ!」
姫子は千歌音が乱れていく様を熱い眼差しで見つめていた。
自分達は巫女だ。
千歌音の処女を奪うわけにはいかない。
でももし巫女でなかったら、千歌音の全てを奪っていただろう。
少しだけ自分達の宿命を恨んだ。
「千歌音。」
姫子はそんなことを考えながら、千歌音の身体にかぶさり抱き締める。
手は休めることなく千歌音を責めたてた。
「んぁ…っ、はぁ…」
無意識になのか姫子の背中に手をまわす千歌音。
「好きよ千歌音…。」
不意に姫子が突起の部分を指で押した。
「―っ!!あ…あっ!」
千歌音の声が急に切羽詰まったような声に変わる。
限界に近いのだろう。
姫子は千歌音の唇を塞ぐ。
「んんっ…ん…ぅ。」
口づけをしながら瞳を開くと、千歌音の瞳の端から涙が光っているのが見えた。
(泣いている千歌音も綺麗…)
「ああっ!姫子さまぁ…っ!」
離れた唇から達した千歌音の綺麗な声を聞きながら、姫子は愛おしい少女を胸に抱き寄せた。
784:名無しさん@ピンキー
08/07/31 08:19:00 sIYoEQdH
>>783
もう少しだけ続きます。
時間が空くまでお待ちください。
785:名無しさん@ピンキー
08/07/31 11:55:31 zQKP7bpl
もうやめろ低脳
786:名無しさん@ピンキー
08/07/31 12:29:10 sIYoEQdH
>>785
わかりました。
迷惑なようならもう書きません。
787:名無しさん@ピンキー
08/07/31 13:30:16 9w5UscVV
迷惑などではありません
そいつはただの嵐ですのでお気になさらないように
引き続きお願いします
788:名無しさん@ピンキー
08/07/31 13:31:10 L/Xst0Gt
ageレスに構うなよ
789:名無しさん@ピンキー
08/07/31 17:40:58 sIYoEQdH
>>787
最近書き込みをはじめたので、少し不安になってしまいました。
お言葉に甘えて引き続き書かせてもらいます。
>>788
今度からはそうする事にします。
790:名無しさん@ピンキー
08/07/31 18:21:43 sIYoEQdH
>>783 続き
2人で裸のまま抱き合って布団の中に潜り込んでいたら、いつの間にか昼を過ぎていたらしい。
日差しが差し込み明るかった部屋が少しだけ薄暗く感じた。
千歌音が姫子を見つめると、姫子もまた見つめ返してくれた。
「もう熱は引いたみたいね。」
そう言って瞳を閉じ、額をくっつけてくる。
千歌音も釣られて瞳を閉じた。
愛する人に抱かれた幸福感が、じんわりと胸を温かくしてくれる。
だがそれは一瞬で吹き飛んだ。
「失礼します。姫子さま?」
突然の声に千歌音ばびくっと身体を強張らせた。
襖を隔てた向こう側に下女がいる。
(どうしよう…こんなとこ見られたら…)
村中に知れ渡ってしまうかもしれない。
それは自分にとっても、ましてや姫子に一番迷惑がかかる事は明白だった。
震える手から千歌音の不安を感じ取った姫子は、ぎゅっと千歌音を抱き締め囁いた。
「このままじっとしているのよ。」
そう言うと凛とした声で下女に声をかけた。
「千歌音が寝ているからそのまま待っていて。」
姫子は素早く布団から起き上がり、慣れた手つきで巫女を身につけ襖に手をかけた。
千歌音は慌てて頭まで布団をかぶる。
姫子はいつもと変わらない凛とした態度で下女を迎えた。
「何かしら?」
「もうすぐ日が暮れますが、食事の方はどうされますか?こちらにお運び致しましょうか?」
「いえ、千歌音の熱も下がったし…目を覚ましたら私が取りにいくわ。それまでここには誰も通さないで。」
「かしこまりました。失礼致します。」
791:名無しさん@ピンキー
08/07/31 19:03:20 sIYoEQdH
>>790 続き
襖が閉まる音がすると、姫子が優しく声をかけてきた。
「もう大丈夫よ。ここにはしばらく誰も来ないから。」
千歌音が布団から顔を出すと冷静で凛とした表情が、柔らかな顔に変わる。
「怖かった?」
姫子は千歌音の側に来て、安心させるように抱き寄せた。
まだ震えている千歌音の手を姫子の手が優しく包む。
まるで幼い子供をあやす母親のように、優しく、温かく、千歌音を包んでくれる。
「…姫子さまは平気なんですか?」
「あら、これでも内心は驚いていたのよ。千歌音と同じ…ほら。」
千歌音の手を姫子の胸元に当てると、心臓の鼓動が激しく動いていた。
その鼓動に姫子も同じ気持ちだった事を感じとり、千歌音は安堵した。
「さあ、もう少し横になった方がいいわ。熱がぶり返すといけないし…千歌音?」
返事が返ってこないかわりに、千歌音の安らかな寝息が聞こえてくる。
「千歌音?寝てしまったの?」
覗き込むと姫子の胸の中で、幸せそうに微笑んだ千歌音の寝顔がそこにはあった。
自然と姫子の顔が緩む。
たまにはこんなのもいいだろう。
ここの所、色々と忙しく2人で一緒にいる時間が少なかった。
千歌音のこんな幸せそうな顔を見たのは久しぶりだ。
姫子は千歌音が目を覚まさないように、額にそっと口づけた。
(お休みなさい…私のお月様…)
終わり。
792:名無しさん@ピンキー
08/07/31 19:07:27 sIYoEQdH
いくつか字を間違ってたかも…。
文も下手で申し訳ないです。
今度は上手く書けるよう頑張ります。
793:名無しさん@ピンキー
08/07/31 21:16:03 LwBtphph
>>792
GJ!!
久々の職人の光臨に全俺涙
次回も期待しる
794:名無しさん@ピンキー
08/08/01 00:23:35 yYTgS2xc
最近は姫子さまの強引攻めばかりだったからな
たまには優しい攻めも見たいわ
しかし…姫子さまはマコちゃんにも手出しそうで怖いわ
795:名無しさん@ピンキー
08/08/01 12:47:19 CBNjoMEi
>>793
ありがとう。
そう言ってもらえると嬉しいですね。
いま考えてるのは来世編。
年上姫子×年下千歌音ちゃんとか…。
その事で、参考に皆さんに質問したいことがあるんですが…
転生した(記憶は無い)年下千歌音ちゃんは姫子の事をなんて呼ぶと思いますか?
自分としては「姫子さん」あるいは「姫子お姉ちゃん」とかなんですが…
他に何かありますか?
796:名無しさん@ピンキー
08/08/01 20:15:38 h1uPD2bv
記憶が戻らないうちは「姫子さん」が自然かも
記憶が戻れば現世通り「姫子」かな
あまり年が離れてなければの話ですが
797:名無しさん@ピンキー
08/08/01 22:15:15 EPHR8Jsc
>>792
凄く良かったですよ
Hだけじゃなくて、余韻のエピローグで
姫子が如何に千歌音のことを思っているかが詳しく描かれていたのが良かったです
特に千歌音の手を自分の胸に当てさせて、ドキドキしているのを確かめさせるところなどは
アニメ最終回の姫子の告白「ほら、こんなにドキドキしてる」のところを髣髴とさせて一寸泣けました!
ところで来世の姫子の呼び方ですが、個人的には姫子より幼い千歌音が
「姫子」と呼び捨てにするのが萌えますw
798:名無しさん@ピンキー
08/08/01 22:43:30 yYTgS2xc
優しい前世の姫千歌でも作ってみるかな
799:名無しさん@ピンキー
08/08/02 07:25:34 pez/6l3h
>>796
設定としては、姫子が大学生で千歌音ちゃんが中学生で考えてるんですが…
自分の考えでは、転生後って千歌音ちゃんは以前と同じ性格かどうかわからないので、あえて呼び方を変えた方がいいのかなと思ったんです。
姫子さんから姫子と呼び方が変わっていく様もいいかもしれない。
>>797
なるほど。
確かに年下の千歌音ちゃんが年上の姫子を、呼び捨てってのも捨てがたいんですよね。
800:名無しさん@ピンキー
08/08/02 10:25:55 xZG4qxip
>>799
記憶が戻るまでは現世の人前での呼び方「来栖川さん」とか如何でしょう?
年下の、しかも女の子の自分になぜこんなにも熱い好意を向けてくるのかが、幼い所為もあり良く分からなくて
つい邪険にしてしまうけれど、姫子にどんどん惹かれてしまうツンデレ風の千歌音、とか期待してしまいます
801:名無しさん@ピンキー
08/08/02 12:44:30 pez/6l3h
>>800
人前では「来栖川さん」
2人の時は「姫子さん」
そして親密になっていくと「姫子」とかですかね?
あとツンデレな千歌音ちゃんもいいですね。
考えておきますww
802:名無しさん@ピンキー
08/08/02 22:56:58 BnKTFfrY
姫子は知らない、イズミ達に妬まれ千歌音が苛められていることを。
皆の人気者で憧れの存在である姫子、その姫子に溺愛されている千歌音。
幼少の頃から病弱で体の弱い千歌音は姫子のお屋敷に居候している。
そんな千歌音を面白くないと思ってる子達も当然居るわけで…。
特に、姫子信仰者で取り巻きでもあるイズミ達の千歌音への仕打ちは酷いものがある。
だがその事実を千歌音は言えない。
言えば姫子は怒るだろう、イズミ達はただではすまない…。
そんな姫子を千歌音は見たくはないのだ。
「お嬢様…」
「もう、結構よ、下がって構わないわ」
「かしこまりました」
専属メイドで侍女でもある乙羽に下がるように命じた姫子は。
ベッドの上で横たわって居る千歌音の手を握った。
「もういいの?」
「はい…姫子さまが看病してくださいましたから」
「そう…良かったわ」
優しく微笑む姫子、千歌音が元気で居ることが姫子にとっての一番の幸せである。
「そう…元気なのね、なら…ね、いいでしょ千歌音」
千歌音の顔を覗き込むと…顔を寄せる姫子。
「ひめこさまっ……」
「キス…してもいいかしら?」
「ですが姫子さまに風邪をうつしでもしたら私…」
「いいのよ千歌音にうつされるのなら本望だわ…ね、おねがい」
「姫子さま………はいっ」
ベッドへ少し体を乗せた姫子の顔が、唇が千歌音の唇を目指して近づいてくる。
拒む理由などない、身分が違いすぎるとはいえ、心から愛している姫子とのキス…。
千歌音は戸惑いながらも顔を真っ赤に染めて…キスを受け入れた。
803:名無しさん@ピンキー
08/08/02 22:58:19 BnKTFfrY
「んっ……ふぁ…ちゅ…」
優しいキス、強く押し付けるわけでもなく、もちろん舌などいれてこない。
ゆっくりと触れてるだけのキスだ。
姫子の蜜のような…とても甘いお日様の唇に…千歌音は酔った。
そして数秒たつと…触れるだけだったキスが…姫子の唇にゆっくりと押し付けられ始める。
そして姫子の両腕が千歌音の背中に回され抱きしめられるような格好になり始めた。
「ちゅ……んふっ」
「んふ……ちゅ…はぁ…はぁ…ふふ、私、千歌音の唇好きよ、薔薇のような香りがして…とても柔らかいの」
優しい声で囁きながら姫子はゆっくりと…舌を入れ始めた。
姫子の舌は千歌音の口内を縦横無尽に這いずり回る、そう…千歌音の唾液の一粒も残さないように。
「ああっ……千歌音、好きよ」
姫子の声は優しい…千歌音を安心させる効果がある。
姫子の手が千歌音のパジャマにかかる…。
「…っ…ひ、ひめこ…さまっ?あのっそれは…」
「千歌音、いいでしょ…?いけないかしら?」
「あ、あの…っ」
「私は千歌音が好きよ、心から愛してるわ…だから千歌音の体が欲しいの、いいでしょ?」
「っ…姫子さま……そ、そのようなありがたいお言葉っ……」
「それは脱がしていいと受け取って構わないのね」
「あっ……は、はい…姫子さま」
頬を染めると小さく瞳を閉じ…受け入れ態勢に入る千歌音―。
804:名無しさん@ピンキー
08/08/02 22:59:17 BnKTFfrY
それを確認した姫子は―くすりと笑みを浮かべ頷くと千歌音のパジャマをゆっくりと脱がし始める。
ボタン一つ一つを脱がしているたびに千歌音の下着が目に入るため…姫子の鼓動は高鳴ってく―。
カサッと音がし…全てを脱がし終えると…千歌音のパジャマをゆっくりと置き。
露になったキャミソールをゆっくりと時間をかけて丹念に揉みほぐしていく。
「んくっ……ふぁ、ひ、ひめ…こさま」
「大丈夫よ千歌音…怖がる必要はないわ…全て、私に任せて…頂戴」
「ひぁ、んふ……ああっ姫子さま……っ」
キスをされながら二つの乳房をキャミソールの上からとはいえ揉まれた。
千歌音はもうなにも考えられない…姫子に抱かれながら…頭の中が真っ白になった。
「んふふ……いいわよ、千歌音…とても柔らないわ…」
姫子を見上げる千歌音の頬が赤く染まってていて可愛い…。
「好き、好きよ千歌音…私の可愛い千歌音」
「ああっ……姫子さまっ」
こうしてたまに千歌音の体が欲しくなった姫子が求めてくるだび。
千歌音は幸福の絶頂に達していた、この世で一番愛する人に抱かれているという事実。
その事実が嬉しいのだ、イズミ達に苛められることなど嫌な思い出を一瞬だけ消し去れる瞬間でもある。
私はこの人に愛されているのだ、それだけでもいい…とても幸せだ。
姫子とは身分、立場が違いすぎる…だけでも同じ使命を持った巫女なのだから。
本来は千歌音の処女を…全てを奪いたいであろう姫子。
だがそれは…巫女だからだけではなく。
姫子は千歌音が怯えるようなことはしないのだ。
「くはぁっ……」
キャミソールをたくし上げられ二つの乳房が姫子の目の前で露になる。
「千歌音…全て私に任して頂戴…全て」
805:名無しさん@ピンキー
08/08/02 23:01:36 BnKTFfrY
「ふふ、ほんとに千歌音の胸は大きいわね、でも千歌音になら負けても本望だわ」
自分の乳房と見比べながらそう告げる姫子。
「いえ、姫子さまのだって…」
「謙遜しなくていいのよ、私…千歌音のものなら全て好きだもの、全てが好きなの」
両手で揉まれ直接しゃぶられ…千歌音の瞳から涙が溢れる。
だがこれは悲しみの涙ではなく喜びの涙…。
「ねえ、姫子…いいかしら?」
姫子の手は千歌音の下半身に伸びる。
そして一枚の下着に…手が触れようとしたとき…。「いやぁっ!」
千歌音の悲鳴によって邪魔された。
一瞬の驚きの顔の後…表情を曇らせる姫子。
「千歌音……そう、嫌なのね」
「い、いえ…ただ、今日のところは…まだ風邪も治ってませんし」
「そう、わかったわ…ごめんなさいね、そうよね、千歌音も病み上がりだったわね、ごめんなさい」
「いえ、私こそ申し訳ありませんでした」
服を脱ぎかけていた姫子はゆっくりとネグリジェを着直すと侍女を呼んだ。
「乙羽さん、姫宮さんがお休みになられるわ、就寝の準備をお願いできるかしら?それから―」
たまには強引気味じゃなくほのぼのもいいと思うんだ。
最後まで逝かなくてごめんね千歌音ちゃん
806:名無しさん@ピンキー
08/08/03 18:40:37 yt5uBAO4
転生後の姫千歌SSが出来たので書いてもいいですか?
ちょっと長くなるかもしれないんですが…。
807:名無しさん@ピンキー
08/08/03 18:45:21 vThZqhAd
是非投下してください
808: ◆M2vRopp80w
08/08/03 19:02:46 yt5uBAO4
>>807
ありがとうございます。
一応設定なんですが、転生後の大学生姫子×中学生千歌音ちゃんです。
個人的に嫉妬する姫子が見てみたかったので自分なりに考えてみました。
あと、今度からトリップをつける事にしたのでよろしくお願いします。
809:転生後 夏のプレゼント ◆M2vRopp80w
08/08/03 19:39:51 yt5uBAO4
人通りが多い街の通りを歩くと、うるさいくらいに鳴き響く蝉の声と日差しに照りつけられ熱されたアスファルトが、姫子に真夏の季節が訪れた事を感じさせる。
眩しいくらいの太陽の光に目を細めた。
今日は大学の授業が午前中までだったので、必要な物を買って帰ろうと街へ寄った。
しかしこの暑さでは日射病になりかねない。
姫子は早く買い物を済ませ、家に帰ろうと思った。
その時だった。
一瞬、通り過ぎた店に振り返りショーウィンドウを覗くと一着のワンピースに目を奪われる。
色は淡い水色で、デザインはシンプルだが清楚で爽やかな印象のワンピースだった。
姫子は真っ先にそのワンピースが似合うであろう人物を思い出す。
(素敵なワンピース…きっと千歌音ちゃんに似合うだろうな…そうだ!)
姫子は何かを思いつくと店の中に入って行った。ちょうど数日前にバイト先からボーナスを貰ったばかりだった。
値段は少しばかりしたが、どうしてもそのワンピースを手に入れたかった姫子は店の定員に声をかけた。
「すみません、あのワンピースを下さい。」
810:転生後 夏のプレゼント ◆M2vRopp80w
08/08/03 20:22:35 yt5uBAO4
>>809 続き
姫宮邸に帰りついたのは夕暮れ時だった。
姫子が門の前にあるインターホンを押して名前を言うと、大きな門が自動で開く。
邸に入ると大勢のメイド達が出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ、来栖川さま。」
「ただいま帰りました、あの…」
先頭に立って出迎えてくれたメイド長の乙羽に、姫子が尋ねようとしたその時、ちょうど階段からその人物が降りて来た。
「お帰りなさい、来栖川さん。」
まだ帰って来たばかりだったのか、制服姿の長い黒髪の美少女が姫子に気づき、笑顔で階段を駆け降りてくる。
「ただいま、千歌音ちゃん。」
嬉しそうな少女に姫子も自然と笑顔になる。
姫宮千歌音。
この姫宮家の一人娘で、姫子の愛する想い人。
長い黒髪に、すらりとした細い身体、彫刻のように美しい顔立ち。
まだ幼いはずの千歌音はどこか大人の女性のような艶やかさと色気を感じさせた。
「もうすぐ夕食の時間だから一緒に食べましょう?」
「うん、分かった。じゃあ着替え来るね。」
811:転生後 夏のプレゼント ◆M2vRopp80w
08/08/03 23:08:14 yt5uBAO4
>>810 続き
姫子は自分の部屋に戻り服を着替える。
姫子には懐かしいこの部屋は、あの前世の頃と全く変わっていない。
千歌音と再会してまだ数ヶ月。
姫子が街の交差点で、同じ貝のネックレスをしている少女と出会ったあの日、姫子は全ての記憶を取り戻した。
抱きしめた少女は姫子の事を一切、覚えていなかった。
それが千歌音だった。
記憶は無かったが、千歌音も漠然とたった一人の想い人を待っていたらしい。
姫子が同じ貝を着けている事に、千歌音も何かを感じ取っていた。
そんな二人が惹かれ合うのには時間はかからなかった。
いまでは想いが通じ、再び恋人同士になった姫子と千歌音。
先月から居候し始めたのも、千歌音からの提案だった。
両親が居ないひとり暮らしの姫子に、良かったら姫宮邸に住まないかと言われ、一瞬躊躇したが千歌音とまた一緒に過ごせる事が嬉しくてお世話になる事にした。
姫宮邸は男子禁制だが姫子が女である事と、千歌音と顔見知りである事で何とか承知して貰えた。
あの時の千歌音の嬉しそうな顔は今でも覚えている。
コンコンとドアのノックがした。
「はい、どうぞ。」
「失礼致します。来栖川様、お食事の用意が出来ましたのでどうぞ一階の方へ。」
夕食の知らせを乙羽が告げにきた。
「ありがとうございます。すぐに行きますから。」
私服に着替え、一階に降りダイニングルームへ向かうと既に千歌音が座って待っていた。
「お待たせ千歌音ちゃん。」
「いいえ、じゃあ食事にしましょう。」
テーブルの上を見ると、最近何故だか椎茸が入った料理が多いような気もするが…。
(前にも椎茸が沢山入ってたような気がするんだけど…)
夕食を食べながら、姫子と千歌音の会話は楽しく弾んだ。
812:名無しさん@ピンキー
08/08/03 23:48:19 4EwpKBO4
GJなんだができればまとめて投下して欲しいな
焦らしプレイは苦手なんだw
813:転生後 夏のプレゼント ◆M2vRopp80w
08/08/03 23:53:10 yt5uBAO4
>>811 続き
夕食もお風呂も済ませ部屋で過ごしていると、千歌音が姫子の部屋へやって来た。
千歌音を部屋に呼んだのは姫子だった。
「あ、千歌音ちゃん。ちょっとここに来てもらえるかな?」
「…なぁに?」
不思議そうに首を傾げる千歌音の前に、大きな紙袋を差し出す。
「はい。」
「…私に…開けてみていい?」
「もちろん。」
千歌音が紙袋から箱を取り出し、中を開けると水色のワンピースが入っていた。
「これ…」
「あのね今日街に行った時、このワンピースを見かけて千歌音ちゃんに似合うんじゃないかって思って…気づいたら買っちゃった。」
「でも…私…誕生日でも、特別な日でも無いのに…いいの?」
「うん、千歌音ちゃん。着てくれる?」
「………うん。ありがとう姫子さん。」
照れくさそうに頬を赤らめ、はにかみながらお礼を言う千歌音。
まだ記憶を取り戻していない千歌音は、姫子の事をこう呼ぶ。
これでもやっと下の名前で呼んでくれるようにはなったのだが。
「それとね千歌音ちゃん、お願いがあるんだけど…」
「お願い…?」
「千歌音ちゃん、もうすぐ夏休みでしょ?あの、もし良かったら…デートに行かない?」
「デート?姫子さんと…」
それを聞いて、千歌音はさらに顔を赤く染めて下を俯く。
「あ…そっか、千歌音ちゃんは夏休みでも部活とか、お茶会とかあるよね。忙しいよね、ごめんね無理言って…」
少し気まずくて姫子が背を向けると、手をキュッと握られた。
「千歌音ちゃん…?」
「…行きたい。」
小さな声で呟いた千歌音は、今度は顔を上げて姫子を見つめる。
「姫子さんとデートに行きたい。」
「いいの…?」
「うん…。」
こくりと千歌音が頷いたのを確認した姫子は、嬉しくて頬を少し染めた。
「これ…デートに着て行ってもいいかしら?」
「うん…!きっと似合うよ。」
姫子は実はそのつもりで買って来たのだが、千歌音には秘密にして置いた。
きっと数日後に見るワンピースを着た千歌音は、誰よりも綺麗だろうなと姫子は思った。
814:名無しさん@ピンキー
08/08/04 00:08:53 T4ZBXmwL
じわじわ投下するのは何かのプレイですか?
続きが気になります><
815:転生後 夏のプレゼント ◆M2vRopp80w
08/08/04 00:30:52 52m03Pw7
>>813 続き
デートを数日後に控えたある日、デートの予定を立てるため千歌音の部屋の前ににやって来た姫子。
ドアをノックしようとした瞬間、部屋から楽しそうな笑い声が聞こえる。
(千歌音ちゃん?誰と話してるんだろう…?)
いけない事とは分かっていたが、あまりにも楽しそうなその声が気になって姫子は少しだけドアを開けて部屋を覗いた。
そこには楽しそうに微笑んでいる千歌音と乙羽がいた。
姫子は一瞬胸が締めつけられたような気がした。
姫子が見たものは、プレゼントをしたワンピースを着て乙羽の隣で微笑む千歌音。
(千歌音ちゃん…何で乙羽さんと…?)
カチャッとドアノブが音を立ててしまったため、千歌音と乙羽がこちらを振り向いた。
「来栖川さん…!?」
「あっ、ご、ごめんなさい。私…千歌音ちゃんに用があって…」
姫子は慌てて謝るがその時、千歌音と乙羽が慌てて何かを隠したように見えた。
「えっと…用事って、何かしら?」
気のせいだろうか?
千歌音が何か戸惑っているように見える。
「それではお嬢様、失礼致します。」
一礼した乙羽は何かの箱を持って部屋を出ていく。
「ありがとう、乙羽さん。よろしくね。」
「あの、それ着てくれたんだね…。」
あのワンピースはやっぱり千歌音に似合っていた。
「え、ええ…似合うかしら?」
姫子は千歌音の様子がおかしい事に感づきながらも話を続けた。
それは、次の日の夕方だった。
姫子が屋敷の廊下を歩いていると、窓から庭で千歌音と乙羽が二人きりで話しているのを見かけた。
(また乙羽さんと…?)
考えて見れば、あれからずっと千歌音の態度が変だった。
妙に姫子を避けているような気がする…。
(まさか…乙羽さんと…そんな千歌音ちゃんに限って…そんな事…)
無いとは言い切れない。
千歌音は記憶を取り戻してないのだ。
姫子を好きでいてくれた頃とは違う。
(千歌音ちゃん…)
姫子はまたチクッと痛んだ胸に手を当てた。
816:名無しさん@ピンキー
08/08/04 00:35:00 inGip3Zc
うひーww
続きが気になって寝れねーw
817: ◆M2vRopp80w
08/08/04 00:37:42 52m03Pw7
>>812
>>814
すいません。
携帯からなんで、なかなか繋がらなくて。
焦らしているわけではないんですが…。
本当に申し訳ないですが、続きはまた明日投下します。
…決して焦らしプレイではありません。
818:名無しさん@ピンキー
08/08/04 01:04:08 LxnHa0Pc
別に焦ることはないですよ
>>817さんのペースでお願いします
それにしてもこれはニヤニヤ以上に面白いww
特にまだ幼いためか恥じらいを見せる千歌音ちゃんがやばすぎるwww
これがギャップ萌えというやつかw
819:転生後 夏のプレゼント ◆M2vRopp80w
08/08/04 06:03:40 52m03Pw7
>>815 続き
その夜、千歌音がもうそろそろ眠りに就こうとした頃だった。
遠慮がちに小さくコンコンとノックする音がした。
(こんな時間に…?誰かしら…)
「どうぞ。」
声をかけるが返事が返ってこない。
一向にドアを開けてくる様子もないので、千歌音が不思議に思いながら静かにドアを開けると、そこには姫子が立っていた。
「姫子さん?」
「ちょっと…いいかな?」
とりあえず部屋の中に姫子を招き入れた。
「ごめんね、もう寝るところだったんでしょ?」
千歌音はもうネグリジェに着替えていた。
見れば就寝するところだったのがわかる。
「ええ…それよりどうしたの?こんな時間に…」
「……あのね、最近千歌音ちゃん…何か私に隠してない?」
姫子が尋ねると、千歌音の表情が一瞬だけ変わったのを見逃さなかった。
「あ…何か困った事とか、悩みがあるんだったら何でも話して欲しいの。ほら、千歌音ちゃん色々大変でしょ?」
「……何も。」
「え?」
「何もないわ…悩みも特にないし、毎日忙しいけれど…もう馴れているし。」
「そっか…」
(でも、千歌音ちゃん何か隠してる…私に言えない事なの…?それとも乙羽さんにだったら話せるの?)
姫子は不意に、あの時乙羽と一緒に楽しそうに笑っていた千歌音の笑顔を思い出した。
「そういえば、千歌音ちゃん最近乙羽さんと一緒に居る事…多いよね?」
「……っ!」
その時、千歌音の肩ビクッと揺れた。
明らかに狼狽したのがわかる。
「千歌音…ちゃん?」
「……」
何故かその場で、千歌音は黙り込んでしまった。(どうして?どうして何も言ってくれないの…?千歌音ちゃんやっぱり…乙羽さんと…)
姫子はきゅっと唇を噛み締める。
胸が痛い、苦しい、それは明らかに姫子の嫉妬だった。
乙羽の前で見せていた笑顔も、あのワンピースも姫子の隣で見せて欲しかったのに。
それなのに…。
姫子の心の奥に抑えきれない何かが破裂しそうだった。
「あ…あの、実はね…乙羽さんに…」
長い沈黙の後、ようやく千歌音が口を開くと後ろからドアのカギを閉めたような音がした。
「えっ…?」
そして今度は、部屋の照明まで消えて真っ暗になった。
820:転生後 夏のプレゼント ◆M2vRopp80w
08/08/04 06:49:28 52m03Pw7
>>819 続き
暗くなった部屋を、わずかな月明かりだけが照らしてくれている。
「姫子さん…?」
千歌音が振り返ろうとすると、後ろからギュッと抱き締められた。
「あっ…」
「千歌音ちゃん…」
姫子は、千歌音が離れないように力を込めてさらに身体を密着させた。
「あのっ…姫子さ…ん」
突然の事に慌てた千歌音は姫子の方へ顔向けた。
「どうし…んっ…!」
不意に唇が塞がれて、千歌音は言葉を発せなかった。
姫子はキスをしながら千歌音を正面に抱き寄せてくる。
「ん……ぁ…っ」
何度も角度を変えながら口づけをする。
息継ぎも出来ないほどのキス。
姫子が舌で千歌音の唇を何度か舐めると力が抜けたのか、千歌音の唇がわずかに開いた。
躊躇うことなくそこに舌を入れる。
柔らかくて甘い口づけに酔ってしまいそうだった。
「…はぁ…ちゅ…んっ」
千歌音が姫子の背中に腕を回し、ギュッと服を握りしめる。
立っていられないのだろう。
姫子より少し小さな身体が腕の中で震えている。
「千歌…音ちゃ…ん…」
唇を離さないまま、姫子はすぐ側の窓際まで千歌音を抱きかかえ壁に押さえつけた。
「んっ…はぁ…っ」
ようやく解放された唇から、つうっと糸が引いた。
千歌音の肩が揺れている。
姫子の胸元に頭を寄せ、呼吸を整えているようだ。
「ひ…姫子さん…どうしたの…」
千歌音はいつもの姫子とは違う様子に、少し怯えているように見えたが頬は赤らんで上気している。
それがより一層、姫子の欲情を湧き上がらせた。
何も言わず姫子はネグリジェの上から千歌音の脚に触れてくる。
「あっ…やっ…!」
千歌音が姫子の手首を掴んで止めようとしたが、逆に姫子に掴まれ押さえられた。
「じっとしてて」
それだけ言うと、ネグリジェの裾を捲り上げ直に細い脚に触れてくる。
「……っ!!」
あまりにも急な求め方に、千歌音は怖くなって身体を固くした。
姫子はお構いなしに千歌音の耳にもキスをしてくる。
「んっ…や、くすぐった…い」
くすぐったくて身をすくめ抗議するが、姫子は止めてはくれなかった。
821:転生後 夏のプレゼント ◆M2vRopp80w
08/08/04 07:37:14 52m03Pw7
>>820 続き
窓から差し込む月明かりが、千歌音の白い脚を照らした。
美しくてすらりと長い脚を姫子は優しく撫でる。
「姫子…さ…」
唇は首筋を這い、右手は脚を撫で、左手で腰を引き寄せる。
千歌音の深い湖のような瞳が、視点が合わず段々と虚ろになっていく。
脚を撫でていた手は千歌音の腰を撫で、いつの間にか胸元にたどり着いていた。
幼い千歌音の胸は前世の時までではないが、中学生にしては豊かだった。
姫子は、柔らかくて弾力があるそれをゆっくりと揉み始めた。
「やぁっ…」
姫子の耳元に千歌音の吐息がかかる。
おもわずゾクッとして千歌音の首筋を強く吸った。
唇を離すと紅い痕がついた。
「痕…残っちゃうね。」
姫子はそれを承知でつけたのだ。
肌の露出が多いこの季節にわざと見えるように、しかも一番見えやすい首筋につけた。
まるで千歌音は自分の恋人である証のように…。
「そんなの…誰かに見られたらっ…」
「見せてあげればいいよ、だって千歌音ちゃんは…私の恋人でしょ?」
「やん…っ!」
不意に姫子が、千歌音の胸の先端をネグリジェの上から指で摘んだ。
衣服の上からでも固くなっていくのがわかる。
「……んっ!」
千歌音は恥ずかしくて、じっと見つめてくる姫子の顔から自分の顔を逸らした。
だが、姫子の手が服の中に入り込んでくる。
千歌音はハッと息を飲んだ。
姫子の掌が直に胸に触れる。
「千歌音ちゃんの…大きい…胸って揉んでいると大きくなるんだって。」「え…っ?」
姫子が何故か唐突にそんな事を口にした。
「まさか…千歌音ちゃん、誰かに触らせたりとかしてないよね…?」
「なっ…そんな事、あるわけ…ないっ!」
ムキになって抗議する千歌音に姫子はさらに問いただす。
「本当に?例えば…乙羽さんとか…?」
「わ、私は…乙羽さんにだって、何でそんな事…」
千歌音の黒い瞳が滲む。
泣き出してしまいそうなか細い声。
姫子は千歌音をいじめたいわけではなかったが、あまりにもその姿が愛しくて、ついそんな事を言ってしまう。
「じゃあ、証明してくれる?」
「証明…?」
「千歌音ちゃん…私の事好き?」
千歌音は疑われたくないのか素直に頷く。
「それなら私を好きだって証明して」
822: ◆M2vRopp80w
08/08/04 07:43:00 52m03Pw7
とりあえず一旦ここで区切ります。
続きを書きたいんですが、仕事に行かねば…。
夕方か夜頃にまた投下します。
823:転生後 夏のプレゼント ◆M2vRopp80w
08/08/04 18:55:08 52m03Pw7
>>821 続き
姫宮邸の庭は広くて、周りの近所から屋敷の中はほとんど見える事はない。
その点では安心だった。
ましてや夜なんてほぼ見えないだろう。
まさか姫宮邸の窓から、一人の美少女が淫らな姿を晒しているなんて、きっと誰も思うはずがない。
「……っ」
曇りひとつも無い、大きな窓に手をついて涙を浮かべた千歌音の姿が窓に映る。
月明かりに照らされた千歌音の肌が、白く浮き上がりさらに美しく見えた。
姫子は後ろから千歌音を抱きしめ、千歌音の胸を愛撫している。
優しく、もどかしく、だが時々指で固く尖った先端を刺激してくる。
「千歌音ちゃん、綺麗…」
「やっ…もう、やめ…て」
潤んだ瞳で訴えられても、今の姫子には何の効果もない。
逆に姫子を燃え上がらせるだけだ。
「千歌音ちゃん…証明してくれるんじゃなかったの?」
「でもっ…こんなの…」
いくら何でもこんな体制は千歌音には恥ずかしかった。
もう深夜を回っている。
誰にも見られる心配は無いだろうが、千歌音は安心出来なかった。
「大丈夫…もうみんな寝てるよ…」
「あっ…駄目っ!やあぁ…っ」
姫子の指がショーツの中に侵入してきた。
熱を持ったように熱いそこに触れると、クチュッと濡れた音がした。
「感じてくれてるんだね、千歌音ちゃん…嬉しい。」
千歌音が窓に視線をやると、頬を染め嬉しそうに千歌音を見つめる姫子が映っている。
窓に映った二人の視線が合わさった。
まるでお日様のように優しい眼差しに、千歌音は視線を逸らす事が出来ない。
窓に映った姫子が目を細めた瞬間、千歌音の中に姫子の指が入ってきた。「…ぁ…」
「熱い…」
千歌音の身体が強張った。
姫子の指が千歌音の体温に包まれる。
そこは温かくて溶けてしまいそうなくらい心地良かった。
「はぁっ……姫子さ…ん?」
しばらく中に入れたまま、一向に動き出さない姫子の指。
わずかに不服を持ったような千歌音の声の呼びかけに、姫子はある提案をした。
「ね…千歌音ちゃん、自分で動いて見せて…」
824:転生後 夏のプレゼント ◆M2vRopp80w
08/08/04 19:54:23 52m03Pw7
>>823 続き
「えっ…?」
「自分で腰を動かすの。千歌音ちゃんが、ね…」
姫子が空いている手で千歌音の腰を撫でた。
言葉の意味を理解した千歌音は、顔を真っ赤に染める。
「いやっ…!そんなの出来ないっ…」
子供のように嫌々と首を横に振る。
「じゃあずっとこのままだよ。」
声はこんなにも優しいのに、どうして姫子はこんな意地悪な事をするんだろう?
千歌音が姫子に抱かれたのはこれが初めてではない。
初めて抱いてくれた時は、あんなにも優しくしてくれたのに…。
自分自身に、いつもとは違う形で熱い想いをぶつけてくる姫子。
例えどんなに酷い事をされても千歌音は姫子を受け入れてしまう。
「千歌音ちゃんは私の事嫌い…?」
窓に映っている意地悪な姫子は、どこか悲しそうにも見えて千歌音の胸の奥を締めつけた。
「……っ」
姫子が嫌いなはずがない。
千歌音はそんな姫子を見たくなかった。
姫子が悲しむくらいなら、自分が耐えればいい。
そう思った。
千歌音は唇を噛みしめ、ゆっくりと腰を動かした。
「あ、っ…」
声を出すのが恥ずかしくて、さらに唇を噛む。
千歌音の耳にも聞こえるほど、クチュクチュと濡れた音がする。
窓はギシギシと軋み、千歌音の腰が淫らに動く。
「ひ…め…姫子さ…っ!」
千歌音は虚ろな瞳で姫子の名を呼ぶ。
千歌音に求められている事が、姫子は何より嬉しかった。
「千歌音ちゃん」
急に姫子が指を動かし始めた。
千歌音の奥まで突き上げるように。
「あっ…もう…っ…」
はらはらと大粒の涙を流す千歌音。
姫子の指が容赦なく千歌音を責めたてる。
そして…。
「―あっ!」
千歌音が身体を大きく震わせた。
膝の力が抜け、倒れそうになった千歌音を姫子が抱きとめる。
「千歌音ちゃん、千歌音ちゃん…」
姫子は千歌音を愛しそうにぎゅっと抱きしめ、何度も名前を呼ぶ。
「…姫…子、さん」
(私は…この人が好き…)
千歌音は姫子に応えるように、力が入らない腕で姫子をぎゅっと抱き返した。
825:転生後 夏のプレゼント ◆M2vRopp80w
08/08/05 05:08:59 KwkVUOH+
>>824 続き
「……っ…」
しばらくずっと二人で、その場に座り込んだまま抱き合っていると姫子の微かな泣き声が聞こえた。
「……姫子さん?」
千歌音が身体を離して姫子の顔を見上げると、姫子が泣いていた。
「どうして…どうして泣いてるの?」
姫子が泣いているのを見て、千歌音は胸が痛んだ。
「私、私のせい…?何か姫子さんを泣かせるような事した…?」
「違うの。千歌音ちゃんのせいじゃない。千歌音ちゃんは何も悪くないよ…悪いのは…」
そう、悪いのは自分だ。
千歌音の記憶が無いからと、勝手に不安になって嫉妬して、千歌音のせいではないのに…。
千歌音を無理やり抱いてみても、結局最後は虚しさが残るだけだ。
前世では千歌音を苦しめ、悲しませていたのは自分なのに。
きっと今では姫子の方がもっと千歌音の事を愛している。
姫子はこんな自分勝手な自分の気持ちに嫌悪したのだ。
姫子が黙って泣き続けていると、突然ふわりと柔らかな感触に包まれた。
「ち…千歌音ちゃん…!?」
姫子は千歌音に抱きしめられていた。
慰めるように姫子の頭を優しく撫でる千歌音。
「泣かないで…貴女が泣くと私も悲しくなる…。」
「千歌音ちゃん…」
千歌音は姫子の涙を細長い指で拭ってくれた。
千歌音の瞳には今にも溢れそうな涙が浮かんでいる。
「あのね、私…千歌音ちゃんと乙羽さんの仲に嫉妬してた。千歌音ちゃん、乙羽さんと一緒にいる時すごく楽しそうにしてたから…。それにずっと千歌音ちゃんに避けられてるような気がして…」
「それは…その…違うの。」
千歌音は少し口ごもり、姫子から視線を逸らした。
「……え?」
「…あのね」
千歌音は立ち上がり、クローゼットの中から箱を取り出してきて姫子の前に置いた。
「これ…何?」
「開けてみて…」
姫子が箱を開けてみると、中には淡いピンクのワンピースが入っていた。
「千歌音ちゃん…これ…」
「あのね、乙羽さんに頼んで用意してもらってたの…姫子さんのワンピース…」
「私の…?じゃあ…」
「その…姫子さんとお揃いにしたかったの。デートに着ていくワンピースを…だから、その…姫子さんには前日まで内緒にしていてって…乙羽さんに頼んでたの。」
千歌音はそう言うと顔を赤くして恥ずかしそうに俯いてしまった。
「それじゃあ…あの時避けられてた気がしたのは…」
826:転生後 夏のプレゼント ◆M2vRopp80w
08/08/05 06:30:01 KwkVUOH+
>>825 続き
「本当は早く渡したかったけれど、その…姫子さんを驚かせたくて…」
千歌音の声が段々と小さくなっていく。
「ほ、本当はお揃いなんて子供っぽいんじゃないかって不安で…だから乙羽さんに頼んでどういうのがいいか相談…してたの…」
最後の方は消え入るような小さな声で、真っ赤になりがながら千歌音は本当の事を話してくれた。
「だから…それ受け取ってくれる?」
姫子は不安そうに見つめてくる瞳を、真っ直ぐに見つめ返した。
「もちろん…だって、千歌音ちゃんが私のために用意してくれたんだもん。嬉しい…ありがとう千歌音ちゃん。」
にっこりと姫子が笑うと安心したのか、千歌音も笑顔になった。
(そういえば…あの別れの時、千歌音ちゃんと約束したっけ…)
姫子は思い出していた。
前世の別れの時、姫子と千歌音はわずかに残された時間の中で、お揃いの服を着てお出かけしようと約束をした事を。
(でも千歌音ちゃん、記憶は戻ってないみたいだし…)
もしかして心の奥底で、覚えていてくれたのだろうか?あの時の約束を…。
「それと千歌音ちゃん…さっきはごめんね。酷い事をして…」
「ううん…もう気にしないで。」
千歌音は優しく微笑んでくれた。
姫子は嬉しくなって、千歌音を再び抱きしめる。
「大好き…千歌音ちゃん。」
「…私も、私も姫子が好き…」
「…?千歌音ちゃん、いま姫子って言った?」
「えっ…」
「私のこと、姫子って言ってくれたよね。」
喜んで嬉しそうな笑顔を向けてくる姫子に、千歌音は顔を赤くした。
「私そんなこと…」
「嘘、いまちゃんと言ったよ。」
「…し、しらないっ…!私そんなこと言ってない!」
千歌音は、嬉しそうな姫子になんだか少し悔しくてムキになる。
姫子はそんな千歌音も愛しく思った。
(でも…いまは記憶が無くてもいい…だっていまはこうして千歌音ちゃんと同じ気持ちだから…)
もしかしたら千歌音がこの先、いつか思い出す時が来るかも知れない。
その時は、前世の思い出を二人で沢山話そう。
「お休み千歌音ちゃん…」
「お休みなさい姫子…」その夜、二人は同じベッドで寄り添って眠りについた。
あの前世の夜よりも、幸せな気持ちに包まれて。
終わり。
827: ◆M2vRopp80w
08/08/05 06:34:59 KwkVUOH+
書いてみて思ったんですが…やっぱりエロって難しいですね。
828:名無しさん@ピンキー
08/08/05 10:34:43 UvlU0H5I
いやはや、GJです!
829:名無しさん@ピンキー
08/08/05 20:12:27 WQHvO44C
>827
全然おk!!
ソフトなHなのにワッフル!ワッフル!
次回作も期待してしまうw
830: ◆M2vRopp80w
08/08/05 21:35:53 KwkVUOH+
姫千歌限定で、キスくらいまでだったら書けるんですけどねww
デートで積極的な姫子にドキドキしてしまう千歌音ちゃんとか…。
831:名無しさん@ピンキー
08/08/05 21:41:26 WQHvO44C
>830
かわいいのぅwかわいいのぅw
んじゃ今回の「転生後、夏のプレゼント」の続きって事でそれの投下は無理ぽ?
エロが無かったら他の住人が涙目になるかもしれんが・・・
832:名無しさん@ピンキー
08/08/05 22:15:33 QLV2Oau0
GJでした~
やっぱり姫千歌は最高ですね!!
デートで積極的な姫子にドキドキしてしまう千歌音ちゃんがぜひ見てみたいですwww
あと余談ですが実は介錯先生も前世編や後世編ができたらいいなと思ってるらしいですよ。
833: ◆M2vRopp80w
08/08/05 22:37:42 KwkVUOH+
>>831
>>832
エロ…自分に文才さえあれば…。
二人がデートに行くとしたらどこがいいですかね?
いまテレビ見てたら偶然、水族館が出てて…。
水族館、海、遊園地…とか?
できれば夏らしい場所が…。
834:名無しさん@ピンキー
08/08/05 22:48:01 WQHvO44C
遊園地じゃソウマとかぶるし、海だと水着も捨て難いが
2人の白い肌が日に焼けちゃうからやっぱ水族館とかがいーかな!
それか姫宮邸の別荘でお泊りとか?ってデートじゃないか・・・orz
835:名無しさん@ピンキー
08/08/05 22:51:39 z80SOwDF
姫宮家のプライベートビーチで海水浴とか?
それで姫子が千歌音ちゃんにオイル塗ってあげるとか言ってアレコレ…いやなんでもない
836:転生後 真夏のデート ◆M2vRopp80w
08/08/06 00:24:56 UByINr8O
夏のプレゼント後日談です。
さすがにデートなのでキスまでかも。
夏休みに入り、訪れた水族館は大勢の家族連れやカップルで賑わっていた。
「わぁ…さすがに人が多いね。」
「そうね。」
色違いのお揃いのワンピースを着た姫子と千歌音は、うるさいくらい賑わう水族館の入り口でその様子を見つめる。
隣町の水族館まで来たのだが、まさかこんなに人が多いなんて思わなかった。
天火明村には遊園地くらいしかないので隣町までやって来たのだが…。
「はぐれないようにしなきゃね、千歌音ちゃん。」
そう言って姫子は躊躇う事なく千歌音の手をとった。
「あ……」
繋いだ手から姫子の温もりが伝わってくる。
千歌音はとっさに、紅く染まった頬を見られないように俯いた。
「行こう、千歌音ちゃん。」
「ええ…」
とびっきりの笑顔を向ける姫子。
千歌音の胸がとくんとくんと鼓動を打った。
二人がエスカレーターに乗ると、水槽トンネルの中の魚たちが出迎えてくれる。
上から光が差し込んだ水の中はキラキラと反射して綺麗だった。
エスカレーターを登りきると、大きな水槽に様々な色とりどりの魚たちが気持ち良さそうに泳いでいる。
「うわぁ、すごい…!綺麗だね…千歌音ちゃん。」
千歌音より年上の姫子は、まるで子供ようにはしゃいでいる。
(姫子、まるで子供みたい…)
千歌音はそんな姫子が可愛くてクスッと微笑んだ。
一通り水族館の館内を回っていたら、ちょうどお昼時だった事に気づいた。
「千歌音ちゃん、お腹空かない?」
水族館の館内の中には、軽めの食事が取れる売店もあったが、姫子は朝早くに起きてお弁当を用意していた。
実は数日前から、乙羽さんにお願いして美味しい卵焼きの作り方を教わっていたのだ。
もちろん千歌音には内緒で。
何度か甘すぎたり、焦げてしまったり失敗したが、デートの前日にやっと乙羽からOKをもらえた。
他にも千歌音が好きな物も沢山入れて来た。
「そうね、もうお昼だし…どこかで何か食べる?」
「あのね、今日はお弁当作って来たの。良かったら食べない?」
837:転生後 真夏のデート ◆M2vRopp80w
08/08/06 01:28:45 UByINr8O
>>836 続き
館内の外に出ると、売店の近くに休憩所のベンチがひとつ空いていたのでそこで食べる事にした。
そこは食べ物の持ち込みもいいらしく、場所も日陰になっていてちょうどよかった。
辺りを見ると、他のベンチに座った数人の家族連れやカップルがお弁当などを食べている。
「ここで食べよっか?」
風呂敷をほどき二段に重なったお弁当箱を開けると、彩り鮮やかで美味しそうなおかずが沢山入っていた。
「これ姫子がひとりで作ったの?」
「う、うん、千歌音ちゃんの口に合えばいいんだけど…」
千歌音は姫子が自分のために、一生懸命お弁当を作ってくれた事が嬉しかった。
「いいえ、姫子が私のために作ってくれたんでしょう?頂いてもいい?」
「うん!沢山食べてね。」
千歌音の言葉に安心した姫子は、さっそくフォークを取り出した。
「千歌音ちゃんは何から食べたい?」
「そうね…じゃあ、姫子のおすすめを。」
「おすすめだったら…卵焼きかな。」
姫子が一番苦労して作った、乙羽さんのお墨付きの卵焼き。
姫子は卵焼きをフォークに刺して、千歌音の口元へ運ぶ。
「はい、千歌音ちゃん。」
「え…あ…の、姫子?」
姫子は周りを気にせずに、千歌音に食べさせようとするが、千歌音は恥ずかしくて少し戸惑った。
「千歌音ちゃん?」
そんな事も気にせずに卵焼きを差し出したまま、首を傾げて千歌音を見る姫子。
(でも…せっかく姫子が私のために作ってくれたのだから…)
さすがに人前で恥ずかしかったが、千歌音は姫子が作った卵焼きを口に入れた。
「どうかな…?」
甘過ぎず、ふんわりと柔らかい卵焼きはとても美味しくて千歌音の好みの味だった。
「美味しいわ、とても。」
「本当に?」
「ええ、本当よ。」
姫子は、胸に手を当てほっと息をついた。
「よかったぁ…!」
二人で笑い合って食べるお弁当は、とても美味しくて何よりのご馳走になった。
838:名無しさん@ピンキー
08/08/06 02:00:22 o1JSwWq1
携帯から乙です!
839:転生後 真夏のデート ◆M2vRopp80w
08/08/06 02:08:27 UByINr8O
>>837 続き
お昼を済ませた二人は、午後からの水族館のメインであるイルカのショーを楽しんだ。
夕暮れ時。
あれほど賑わっていた館内は人がまばらに居るくらいで、しんと静まり返っている。
「楽しかったね。イルカの写真もいっぱい撮れたし。」
姫子はショーの間、かわいいイルカ達の姿をカメラで撮影していた。
千歌音はイルカ達より、一生懸命カメラを構える姫子の方が微笑ましくてそちらの方ばかり見とれていたのだが…。
「…姫子、今日はありがとう。」
千歌音は姫子にお礼を言いたかった。
こんなに素敵で楽しい1日をくれた事に。
「千歌音ちゃんが一緒だからだよ…。」
姫子は千歌音の正面に回り手を握った。
「千歌音ちゃんと一緒だから楽しかったの。だから千歌音ちゃんのお陰でもあるんだよ。」
「姫子…」
見つめ合う二人。
少し薄暗い、館内の大きな水槽の前でゆっくりと二人の唇が重なった。
他の客は水槽の中の魚に視線を向けている。
二人を見ているのは魚たちだけだ。
唇を離し微笑み合う姫子と千歌音。
「またいつか二人で来ようね、千歌音ちゃん。」
「ええ…きっと。」
「ねぇ、姫子。」
「なぁに?千歌音ちゃん。」
「今度ね、姫宮邸の別荘に行く事になったんだけど…良かったら姫子も一緒に行かない?」
「えっ…私も?いいの、千歌音ちゃん?」
「ええ、それにお返しさせて。今日の素敵なデートの。」
水族館から天火明村に帰る電車の中で約束したデートのお返し。
数日後、姫子は姫宮家の別荘でとびきりに甘い二人だけの時間をお返しされる事になる…。
続く…かもしれない。
840:834
08/08/06 02:13:51 o1JSwWq1
遅くまでご苦労&GJ!
そして俺のリクに応えてくれてサンクスw
さり気無くずっと待機してた甲斐があったぜ!
別荘まで続いて下さい<(_ _)>
841: ◆M2vRopp80w
08/08/06 06:20:31 UByINr8O
なんかいつの間にか、シリーズ化のようになってきてるような…。
別荘向かった先で、姫子にエロエロな事をされる予定の千歌音ちゃん…
ご希望のプレイがありましたらどうぞ。
と言うより、アイデアを下さい。
842:名無しさん@ピンキー
08/08/06 23:28:56 BUKfkpXD
希望か・・・・
別荘の部屋の中で姫子が「千歌音ちゃんを撮りたい」とか言って
写真を撮り始めて、1枚ずつ服を脱がせて最終的には
タイ●ニックでジャックがローズのヌードを書くみたいな感じで
(ひみことかおんの逢瀬みたいなやつねw)
最後はアッーー!!みたいなのは無理がありすぎるか・・・
843: ◆M2vRopp80w
08/08/07 08:03:28 qzWfLknG
>>842
姫子が千歌音ちゃんの写真を取ってそれから…
ぜひ参考にさせてもらいますww
自分が他に考えてるのは…
海だと浜辺ではしゃぐ2人。
滑って千歌音ちゃんを押したおす姫子とか…
服が濡れてしまって(あるいは、泳いだ後)2人でシャワーを浴びる事になり、そこでエロな展開になったり…
山だったら
森とか林の中で屋外プレイとか…
川ではしゃぐ千歌音ちゃんを写真に収めていた姫子が我慢できなくなって押したおし…
妄想が止まらない。
844:名無しさん@ピンキー
08/08/07 10:09:57 iA50Hbri
急な大雨から非難するために寂れた小屋に転がり込む二人
濡れた服を乾かすため着替えることに
姫子の前で着替えるのは恥ずかしいから「あっち向いてて」と千歌音は言うが・・
以下ふみゃjh
千歌音ちゃんは受けで
845:名無しさん@ピンキー
08/08/07 15:26:54 S+nkjhM2
「千歌音ちゃん寒くない?大丈夫?濡れてるけど…」
デート帰りに大雨に襲われ小屋に入った2人。
「私はいいけれど…姫子さんは?」
「ううん、私はいいの…千歌音ちゃんさえ無事なら」
と、雨で濡れた自分の絞ったりと服を乾かしながらそう言う姫子。
堂々と下着姿で居る姫子に千歌音は頬が真っ赤になっていた。
いくら女同士とはいえ…姫子に恥じらいはないのだろうか?
「あ、あの…姫子さん?こんなところでそんな…」
「あ、この格好?ううん、気にしないでいいよ」
千歌音は気にするのだが…。
姫子は千歌音を心から愛している、最愛の人には…全てを見せられる、恥じらいなどないのだ。
このまま雨が止まないでほしいと姫子は思った、このまま…帰れば乙羽が居る。
自分と千歌音の間に割り込む人が…嫌、そんなの嫌…。
「うーん…千歌音ちゃんも服が濡れてるね、乾かす?」
「え?い、いえ…私は結構よ」
「そう…ふふ、千歌音ちゃん…」
服から手を離すと千歌音に歩み寄る…そのまま抱き寄せる姫子。
「ひ、姫子さん…?」
「こうすれば…温まるよね」
胸元に千歌音の顔を強く入れ込むとそのまま自分の顔も被さる。
「あ、あの…っ///」
「愛してるよ…千歌音ちゃん、私が守るから…ずっと千歌音ちゃんのこと守るからね」
千歌音を優しく胸に抱くとそう耳元に囁く姫子…。
そのまま甘えたいが素直になれない千歌音は。
「あ…ちょ、ちょっと待って頂戴ひめ……んっ!?」
慌ててがばっと顔を上げた千歌音に姫子は口付けする。
目を大きく開け戸惑う千歌音をそのまま押し倒し…。
千歌音ちゃんを好きになった状態の姫子は随分と積極的で大胆なんだろうな
京四郎を視聴する度そう思えるよ
846: ◆M2vRopp80w
08/08/07 17:15:59 qzWfLknG
>>845
GJ!
素晴らしい。
847:二人の夏旅行 ◆M2vRopp80w
08/08/07 18:15:17 qzWfLknG
あんまりエロが上手く書けないかも知れません…
(なるべく頑張ります)
真夏の日差しが降り注ぐ道を一台のリムジンが走る。
姫子が車の窓から外を見るとそこには、どこまでも続く澄みきった青く広い空と海が広がっていた。
「うわぁ…見て千歌音ちゃん!海だよ。」
久しぶりに見た海に感動する姫子。
(やっぱり誘ってよかった…)
嬉しそうな姫子の顔を見て千歌音は微笑む。
あのデートのお返しに、千歌音は姫子を姫宮家の別荘へ誘った。
別荘は天火明村から大分離れた県外にある。
長い車の旅も終えて、リムジンから降りると目の前にはまるでちょっとしたホテルのような建物がそびえ立っていた。
「さぁ、ついたわ。ここが姫宮家の別荘よ。」
(こ、これ別荘なの…まるでホテルみたい…)
姫宮邸ほどではないが、姫子が想像していた別荘をはるかに上回っていた。
姫子が呆然として別荘を見上げていると中から数人のメイド達が出迎えてくれた。
実は本当は乙羽も来る予定だったのだが、千歌音が離れた姫宮邸からメイド長である自分まで離れる訳には行かなかったらしい。
姫子も一緒に別荘へ行くと言った時は、殺気らしきものを感じたが…。
二人は中に入り広間のソファーに座り、一息つく事に。
冷たいアイスティーを飲みながら、今後の予定を話す。
「しばらく休んだら何しましょうか?ここはすぐ近くに海があるし、山までほんの少し歩けば滝とか川もあるのよ。」
「…う~ん。じゃあ、せっかくだし海へ行きたいな。」
「ふふっ…姫子、ずっと車の中で海を見ていたものね。」
「だって久しぶりなんだもん。」
クスクスと笑う千歌音に姫子は恥ずかしそうにそう言った。
「そうね、私も久しぶりにここの海が見たいし…海水浴でもしようかしら。」
「千歌音ちゃーん。早く早く!」
ピンクの水着の上に白いパーカーを着た姫子が、浜辺で千歌音を手招きする。
目の前に広がる真っ白な砂浜に青い海が姫子を興奮させた。
まるで子供の頃に戻ったように。
遠くから水色の水着をまとった千歌音が姫子の下に走って来る。
「姫子ったら早いんだもの。」
ちょっと置いていかれた千歌音は苦笑いしながらやって来た。
「あ…ご、ごめんね。つい…」
「ふふっ、いいのよ。姫子が喜んでくれたなら。」
「………」
「姫子?」
848:二人の夏旅行 ◆M2vRopp80w
08/08/07 19:22:02 qzWfLknG
>>847 続き
千歌音が姫子を見上げてると、なんだかぼうっとした顔で姫子が千歌音を見つめていた。
「どうしたの姫子?」
「えっ、あ…ううん、何でもないの!」
姫子は顔を赤らめ両手を振った。
(千歌音ちゃん、水着姿も素敵なんだもん…見とれちゃうよ)
プライベートビーチで、2人きりの時間を満喫する姫子と千歌音。
海で泳いだり、パラソルの下で寝そべって日光浴も楽しんだ。
「千歌音ちゃん」
「?」
姫子の声に振り向くと、カシャッと姫子がカメラで千歌音を撮った。
「きっと綺麗に撮れてるよ」
「もう、さっきから姫子ったら私ばかり撮ってない?」
ぷくっと頬を膨らませ、反論する千歌音。
姫子はカメラを置いて千歌音の下へ駆けてくる。
「だって水着姿の千歌音ちゃんなんてめったに見れないもん。この際に撮って置かないとね。」
「も、もう…っ!」
恥ずかしげもなくそんな事を言ってくる姫子に、照れた千歌音は海水をピシャッとかけた。
「きゃっ…やったね、千歌音ちゃん!」
姫子も千歌音に負けずにかける。
二人ではしゃぎ、海水をかけ合っていると突然波が千歌音の足をさらった。
「きゃっ…!」
「千歌音ちゃん…危ない!」
バランスを崩した千歌音を姫子がとっさに抱きとめた。
「大丈夫?千歌音ちゃん!」
「え、ええ…ありがとう姫子。」
千歌音が姫子から離れようとすると、ギュッと姫子の腕に引き寄せられた。
「姫子…?」
顔を上げると姫子の顔が間近にあった。
「千歌音ちゃん…」
「ひ…め…」
唇が近づいてくる。
触れ合おうとしたその時…。
「お嬢様ー!」
「 …っ!! 」
遠くから千歌音を呼ぶメイドの声が聞こえた瞬間、二人は慌てて離れた。
「な、何?どうかしたの?」
少し戸惑ったように千歌音はメイドに尋ねる。
「お電話が入っております。メイド長の乙羽様からです。」
「乙羽さんから?ちょっと待っていて。すぐに行くから。」
「かしこまりました。」
一礼したメイドは別荘の中へ戻って行く。
「ごめんなさい、姫子。ちょっとだけ外すわね」
千歌音は申し訳なさそうに姫子に謝った。
「ううん、気にしないで…」
千歌音が別荘へ入って行ったのを確認すると、ひとり残された姫子は気まずくてもう少しで千歌音の唇に触れるはずだった自分の唇を指で押さえた。
(私ってば…)
849:名無しさん@ピンキー
08/08/07 20:54:19 f4/QnCuI
続編きたきたwww
850:二人の夏旅行 ◆M2vRopp80w
08/08/07 22:31:53 qzWfLknG
>>848 続き
あの後、戻ってきた千歌音としばらく海水浴を楽しんだ姫子は夕食の時間までにシャワーを浴びる事にした。
数十人は入れるであろう広い浴室の中に入り、シャワーの栓をひねる。
突然浴室のドアの向こうから声がした。
「姫子?」
「…千歌音ちゃん?」
「私も入っていい?」
「えっ、ええと…うん。」
ここは千歌音の別荘なのに断りなんて聞く必要はないのだが。
そんな事を考えていたら、浴室のドアが開く音がした。
姫子の横にやって来た千歌音は隣のシャワーの前に立つ。
ちらっと千歌音を見ると、白い肌が姫子の視界に入った。
(やっぱり…綺麗だなぁ、千歌音ちゃんは…)
長く艶やかな黒髪、真っ白な肌、引き締まった腰、すらりと伸びた手足。
その千歌音の身体を熱いお湯が濡らしていく。
姫子がその様子をじっと見つめていると、千歌音が不意にこちらを見た。
「なぁに?」
「えっ…あ、えっと…海水浴楽しかったね。」
姫子は慌ててごまかすように話題を出す。
「ええ、明日はどこか行きたい所はある?」
「そ、そうだなぁ…そうだ、ここら辺にお土産なんて買うお店とかある?」「お土産?そうね、車に乗って町までいけばお店があるわ。行ってみる?」
千歌音が近づいて姫子の顔を覗く。
「…っ!う、うんっ。マコちゃんにもお土産買って行こうかなって思ってたから…」
姫子は千歌音の身体から顔を逸らした。
「…そう?確か町に、カフェもあったし…明日はそこでゆっくりして、明後日に山にでも行ってみましょうか?」
姫子の様子に小首を傾げながら千歌音は予定を立てていく。
姫子は適当に相槌を打ちながら頷いた。
「じゃあ先に上がるわね。」
「う、うん…」
千歌音は一通りシャワーを浴びると先に浴室を出て行った。
「はぁ…何やってるんだろう…私…」
姫子は溜め息をついた。
頭から離れないさっきの千歌音の裸体を、消そうとするようにシャワーのお湯をさらに熱くした。
夕食中、姫子は急にさっきの事を思い出して千歌音に尋ねた。
「そういえば、乙羽さんから何の用だったの?」
「ああ、無事にこちらに着いたか確認の電話よ。あと姫子にもよろしくって…」
「そっか…千歌音ちゃん?どうかしたの?」
何故か急に考え込む千歌音。
「そう言えば、乙羽さん…くれぐれも気をつけるように言ってたけど…何の事かしら?」
姫子は何故か悪寒を感じた気がした。
851:二人の夏旅行 ◆M2vRopp80w
08/08/07 23:23:30 qzWfLknG
>>850 続き
翌日、二人で車に乗り町へ出ると様々なお土産屋がならんでいた。
お菓子やその町の特産品、色んなお土産に目移りしながらどれにしようかと千歌音と相談し購入した。
観光客も多い為か、町には結構オシャレなカフェがあった。
その中の一軒のオープンカフェに入る。
「…じゃあお願いします。」
注文を済ませ、二人で過ごす貴重な時間。
天火明村では二人でこんなにゆっくり過ごす時間はあまりない。
姫子は大学やバイトに、千歌音は中学に通っていて、ましてや姫宮の一人娘なのだ。
暇なはずはない、お互い何かと忙しい。
「久しぶりだね。二人きりで過ごすの。」
「そうね、私も夏休みでも忙しいし…姫子も大学やバイトがあるものね。」
「千歌音ちゃんありがとう。こんな素敵な別荘へ誘ってくれて…こんな素敵な時間を作ってくれて…」
姫子は千歌音に感謝の気持ちを伝える。
千歌音とこうして過ごす時間は、姫子にとって最も幸せな時だ。
「…そんなこと…」
千歌音は姫子の手を取り、両手で包み込んだ。
「私が姫子と一緒に来たかったの。姫子と一緒だから。あの時、姫子が言ってくれたでしょう?私と一緒だから楽しいって…私も姫子と同じだから…姫子と一緒だから楽しいの。」
綺麗な瞳で見つめ返す千歌音に、姫子はドキドキしながら千歌音の手を空いた手で包む。
「千歌音ちゃん…」
気持ちいい風が吹く。
こんな穏やかで大切な人と幸せな時を過ごせて、姫子は世界一幸せ者だと思った。
その日の朝は天気が良かった。
山の中には滝と小川があるらしく、二人で見に行く約束だった。
帽子とお弁当なども忘れずに持って行く。
しばらく二人で手を繋いで森の中を歩いて行くと、どこからか水の流れる音が聞こえる。
「もうすぐ着くわ、ほら。」
千歌音が指を指した場所を見ると小川を見つけた。
その小川は澄みきっていて、中の魚や岩まで見えるほどだ。
「凄く綺麗な川だね。」
「そうでしょ。この先の上流に行くと滝があるの。さぁ、行きましょう。」
「うん。」
852: ◆M2vRopp80w
08/08/07 23:30:31 qzWfLknG
とりあえず今日はここまで。
また明日の夕方頃に投下します。
853:名無しさん@ピンキー
08/08/08 00:08:49 tiXmM8a/
>852
乙!
待っちょる
854: ◆M2vRopp80w
08/08/08 08:51:12 N1P+28b6
一応、二人の夏旅行で転生後の話しは終了しようとかと思います。
実は千歌音ちゃんが記憶を取り戻すまで考えてるんですが…
かなり長く、しかもあんまりエロではないので、ここらへんで止めておこうかなと。
今、別の話しを考え中。
855:名無しさん@ピンキー
08/08/08 10:33:49 9TBvLEnd
そうですか
私は別にエロくなくてもいいですよ
ここは一応エロ総合とはなってますが
姫千歌の絡みが読めるだけで幸せです
856:名無しさん@ピンキー
08/08/08 10:44:10 0HrD3YzS
>>854
エロなくてもエロいよ
857: ◆M2vRopp80w
08/08/08 12:53:10 N1P+28b6
>>855
書いていいかどうしようか迷ってます。
この先、ちょっとシリアスな展開になるので…
まあ、最後には幸せな話しにするつもりですが。
>>856
確かにあの二人はいちゃいちゃしてるだけでもエロい…
858:名無しさん@ピンキー
08/08/08 14:09:21 iZbZoWp3
姫子が千歌音と楽しそうに話してると真琴は胸が痛くなる。
薔薇の園内で偶然見た、姫子と千歌音の甘い口付けを…。
それを見た瞬間真琴に邪険な心が浮かび上がった。
知っている、私は知っている…私が眠ったあと姫子が…。
千歌音との写真を見ているのを…そして一人で呟いてるのを。
「愛してるよ…千歌音ちゃん」私の前では宮様と呼んでる癖に。不愉快だ。
そんなある夜。眠りにつこうとした姫子を呼び止める。
「あのさ、姫子…こっちこない?」
「え?」
「たまにはいいじゃん、ね?」
最近姫子が自分に懐かない、いまの姫子はあの人しか頭にない。
「あ…う、うん…」
その時までは正気を保てた…でも、姫子を見た瞬間…私は…。
こっちのベッドに入ってきた姫子を欲望の眼差しで見つめる真琴。
姫子の体全体、パジャマの裾から見える隙間を見渡す。
「マコちゃん?」
真琴は灯を消すと姫子を逃がさないように強い力で抱きしめた。
「きゃっ」
そのまま覆いかぶさると抵抗したきた姫子の両腕をシーツへ押し付ける。
普段から筋トレで鍛えている真琴と非力な姫子では力に差があるし、体の出来が違う。
「好きだよ…姫子」
押さえられ身動きの取れない姫子。
そして真琴は無防備な姫子の唇に顔を近づけていく。
そのまま触れるのに時間はかからなかった。
859:名無しさん@ピンキー
08/08/08 14:10:20 iZbZoWp3
「や、やめてマコちゃ……んっ!」
声を強引に封じるとうに唇で唇を塞ぐ。
「ん……はぁ……」
「ちゅ……んふ…はぁ…はぁ…」
端と端までしっかりと塞ぎ、言葉を一切発させない、息をさせない。
姫子にとっては初めて千歌音以外の人と交わしたキス、それも強引気味に奪われた。
押さえられた手から逃れようと必死に抵抗する姫子の両腕、足をばたつかせ暴れる姫子の両足。
その行為すら真琴にとっては快感で快く刺激的だ。
そして、真琴の手は姫子の着ているパジャマのボタンに触れた。姫子の抵抗など右手一本だけで十分。
「ん~んん~っ!!」
「ちゅ…ふふ、無駄だぞ姫子…寮長の見回りは終わったし騒いでも誰にも聞こえない」
真琴がパジャマのボタンを一つづつ外す度に姫子の瞳から涙が流れ始めた。
「なに泣いてるんだ姫子?こういうこと宮様ともやってるんだろ?」
慌てて涙目でぶんぶんと首を振る姫子。
「ほら、取れた」
ボタンを全て外すと姫子のパジャマを脱がす、するとキャミソールが露になる。
構わず下着の上から真琴は姫子の乳房を揉み始めた。
「や、やだっ、マコちゃんやめ……ん」
乳房を揉む手はそのままに再び姫子にキスした。
「んふ…ちゅ…んふふ…ふんっ」
姫子の唇は甘い、とても甘い…蜜のように甘い…。
こんな唇を千歌音は…羨ましすぎる。
「んん~っ!!!」
姫子の悲鳴を物ともせず真琴は揉みしだく、そして「カサッ」とキャミソールと取り除く。
「んんっ!!」
二つの生果実が真琴の前で露になった。姫子が瞳から大粒の涙を流すが気にしない。
容赦なく乳首に噛み付く、これは自分の物だと言うかのように。
「ちゅる…ぺちゃ、ぺちゃ…はあ……はあ…」
何度も嘗め回すと…今度は姫子のズボンに手をかけた。
「んん~っ!!」
姫子の悲鳴を塞いで一つの小さな下着に触る、そのままショーツに手をかけ…。
「はっ!!!」
真琴は正気に戻る…欲望の目から普通の目へ…目の前で怯える姫子を見ると。
「ご、ごめんな姫子…私どうかしてたわ…」同じように真琴も泣き出した。
マコちゃんだって千歌音ちゃんに嫉妬くらいするさ…
てか、空気読めなくてすみません
>>858
私も観たいです、続きお願いします
860:名無しさん@ピンキー
08/08/08 14:11:58 iZbZoWp3
>>857
アンカーミス…すみません
いえ、エロ無しでも構いませんので
是非よろしければお願いします
861: ◆M2vRopp80w
08/08/08 16:34:52 N1P+28b6
皆さんのご期待に応えられるよう頑張ってみます。
それと、今考えてるもうひとつの別の話しとゆうのが…
姫子と千歌音ちゃんがアメノムラクモから子供を授かる、あるいは授かる力をもらい二人が子育て(子作り)に励みながらも幸せに過ごすと…
こんな自分をだれか叱って下さい。
862:名無しさん@ピンキー
08/08/08 17:52:09 9TBvLEnd
それ良いですね!
子育てする二人も見てみたいですw
二人の子供ですから二人に似てすごく美人な女の子なんでしょうね
863:名無しさん@ピンキー
08/08/08 17:54:56 iZbZoWp3
子育てか…どっちもあやすのは上手なんだろうな
特に千歌音ちゃんは姫子で慣れてるし
864:二人の夏旅行 ◆M2vRopp80w
08/08/08 19:03:44 N1P+28b6
>>851 続き
上流へ登って行くと辺りの空気が冷たく感じた。
滝の流れる大きな音が聞こえる。
「ほら、見えて来たわ。」
遠くの方にさほど大きな滝ではないが、確かに立派な滝があった。
「うわぁ…。」
近くまでいくと、寒いくらいに涼しく感じる。
「気持ちいいね、水も綺麗だし。こんな場所があるなんて。」
姫子はうーんと気持ち良さそうに背伸びをした。
「こうするともっと気持ちいいわよ。」
千歌音は靴を脱ぎ、岩場に座って川の水の中に足を入れる。
姫子も千歌音の隣に座って同じように足を入れた。
川の水は冷たくて、歩き疲れた足を癒やしてくれる。
二人は持ってきたお弁当を食べてのんびりと自然の中で過ごす。
いつもの慌ただしい日常を忘れ心も体も癒されていくのを感じた。
昼を過ぎたあたりだろうか。
空を見上げるとさっきよりも雲が増えている。
「もしかしたら雨が降るかも…残念だけれど、そろそろ帰りましょうか?」
「そうだね、じゃあ帰ろうか千歌音ちゃん。」
荷物を片付けて、二人で山を降りて行くと空はどんどん暗くなり、ポツリポツリと雨が振り出した。
二人は急ぐが、雨足はさらに強くなっていく。
服はもう既に濡れてしまっていた。
本当なら雨が収まるまで雨宿り出来ればいいのだが。
こんな山の中では…。
そんな事を考えながら急ぐ姫子の腕を、突然千歌音が掴んだ。
「どうしたの、千歌音ちゃん!?」
「まって姫子、こっち。」
千歌音は姫子の手を取り、帰りの道とは違う草むらの中を歩いて行く。
(どこに行くんだろう?)
「あ…」
さらに奥へ進むと、急に道が開けた。
「あそこでしばらく雨宿りしましょう。」
千歌音が指を指した先には、小さな小屋があった。
中に入ると農業に使うような道具が色々と並んでいる。
思った以上に中は広く、きちんと片付けられていて雨宿りするにはちょうど良かった。
「ここって…?」
「ここの近くに姫宮家の菜園があるの、そこの道具小屋よ。昔ここに来た事を思い出したの。まだあって良かったわ。」
「そうなんだ。」
「あ…姫子、髪が濡れてる。」
姫子の服と髪は雨で濡れてしまっていた。
千歌音が白いハンカチを取り出し、姫子の髪や頬を拭いてくれる。
「私はいいから、千歌音ちゃんだって濡れてるよ。風邪でもひいたら…」
そう言いかけて、姫子は言葉を詰まらせた。
865:名無しさん@ピンキー
08/08/08 19:53:02 HtAHh5/9
>861
なんて幸せ家族計画ww
それも読みたいし、今のあげてるのもマジで最後まで書いちゃってほしい
ただでさえ職人不足だし
866:二人の夏旅行 ◆M2vRopp80w
08/08/08 20:32:33 N1P+28b6
>>864 続き
背伸びをして姫子の髪を拭いてくれる千歌音の胸元に目を奪われた。
千歌音の服が濡れて下着が透けている。
姫子は息を飲み込んだ。
千歌音の髪は濡れ、艶やかな桜色の唇が色気を醸し出している。
「姫子?」
千歌音が姫子の視線を辿ると、服が透けている事に気づいた。
「…っ。」
千歌音は耳まで真っ赤にして、胸元を両腕で覆う。
「あ、えっと…その…ちゃんと拭いた方がいいよ。風邪…ひくといけないし…」
ハッと我に返った姫子は、慌てて詰まらせていた言葉を出す。
「え…ええ…」
気まずい雰囲気が流れる。
「あの…私、むこう向いてるから。」
姫子は千歌音から背を向けて壁の方に向かい合った。
しばらくすると衣擦れの音が聞こえた。
いま後ろで千歌音が服を脱いでいる。
(千歌音ちゃんの裸なんて何度も見てるじゃない…私ってば…)
いまさら恥ずかしがる事なんて無いはずなのに、姫子の心臓は今までにないくらい高鳴っている。
「姫子…」
後ろから千歌音の声が聞こえる。
(もう済んだのかな…?)
そう思って振り返ると千歌音が上半身の前をはだけ、瞳を潤ませて立っていた。
「千歌音ちゃん…!」
驚いた姫子は、前を向いて千歌音の裸から視界を遮った。
「……っ!」
だが、千歌音は姫子の背中に抱きついてくる。
背中に感じる千歌音の胸の感触。
(もしかして…私、誘われてる…?)
姫子の心臓がさらに高鳴った。
「ごめんなさい。でも、やっと…本当に…」
千歌音は姫子の服をギュッと掴み、小さな声を絞り出すように呟いた。
「二人きりになれた…」
千歌音が顔を背中にうずめる。
「千歌音ちゃん…っ。」
その瞬間、姫子はたまらず振り返り千歌音を抱きしめた。
「あっ…」
千歌音を引き寄せ、小さな唇を塞ぐ。
二人の唇が重なった。
はだけた胸に手を重ねると、下着越しに温かな体温が伝わってくる。
「千歌音ちゃん…千歌音ちゃん…」
唇を重ねながら千歌音の名前を呼ぶ。
「ひ…めこ…っ」
服に手をかけていくと、白い肩が露わになった。
そのまま一気に脱がしていく。
パサッと床に服が落ちた。
「ごめんね、千歌音ちゃん…もう私…っ」
姫子はそのまま千歌音を肩を抱きしめて囁く。
「我慢できない…」
「姫子…」
千歌音は姫子に応えるように首に手を回した。
867:二人の夏旅行 ◆M2vRopp80w
08/08/09 06:46:16 OAT0LUjc
>>866 続き
激しい雨の音にかき消されないように、千歌音の声に耳を済ませながら首筋にキスをする。
「…ん…っ…」
耳を甘く噛みながら、ブラジャーのホックに手をかけた。
ブラジャーを外すと白くて豊かな胸が露わになる。
できるだけ優しく触れて、乳房を揉んでいると千歌音の呼吸が乱れていくのが分かった。
「綺麗な胸…白くて、大きくて、柔らかくて…」
「そんなこと…」
姫子が胸を褒め称えながら千歌音を見つめると、頬は赤らんで黒い瞳はキラキラと潤んでいた。
「本当だよ。千歌音ちゃんは全部綺麗だもん…」
指で胸の先端を撫でると、千歌音が切なそうに瞳を揺らした。
顔や肩にキスをしながら下へとさがっていく。
胸にたどり着いてその固くなった実を口へ含んだ。
「……っ…ぁ」
千歌音の腕が姫子の頭を引き寄せて抱きしめる。舌先でつついていると固さが増していくのが分かった。
立ったままの千歌音の脚が震えていた。
「千歌音ちゃん、肩に掴まって。」
姫子の肩に手を掴まらせて、身体の重心を安定させる。
唇で胸を愛撫しながら、指先はゆっくりとさらに下に降りていく。
「ぁ…っ!姫子…」
その指先を千歌音のスカートを捲って中にスッと忍びこませた。
脚を撫で上げながら、下着の上からその場所に優しく触れる。
「汚れちゃうから脱ごうね。」
そう言って、姫子は下着に手をかけると千歌音が息を飲む声が聞こえた。
指に下着をかけて下におろしていく。
「脚上げて。」
脚を上げさせて下着を脱がさせると、今度はスカートも脱がさせる。
これで千歌音は、何ひとつ身にまとっているものは無くなった。
その美しい裸体を姫子の前に晒している。
「綺麗だよ、千歌音ちゃん…」
その美しい裸体を姫子がうっとりと見つめている。
「…あんまり…見ないで…」
姫子は恥ずかしそうに俯いて、顔を真っ赤にしている千歌音の腕を掴んで引き寄せた。
「きゃっ‥!」
姫子のもとに倒れこんできた千歌音を床に押し倒す。
「あっ…やだっ…!」
いきなり膝に手をかけて脚を開かせた。
千歌音が驚きと非難の声を上げる。
目の前の姫子に全てをさらけ出した千歌音。
姫子の視線が一点を見つめている。
「やっ…」
恥ずかしさのあまり瞳をギュッと瞑った。
868:二人の夏旅行 ◆M2vRopp80w
08/08/09 07:41:41 OAT0LUjc
>>867 続き
「あっ…!」
姫子がそこに顔をうずめた。
「だめっ…やめてっ!汚いから…っ」
千歌音が姫子の顔を引き離そうとするが、力の入らない手では抵抗すらできない。
姫子の手に手首を掴まれて、動きを封じられる。
「大丈夫だよ、千歌音ちゃん…」
「でもっ、汗とかかいているし…それに…」
「誘ったのは千歌音ちゃんだよ、いまさら止められないよっ…」
姫子はもう感情を抑えきれないとでも言うように、再び顔をうずめた。
「あ…姫子っ…!」
千歌音の視界が涙で歪んだ。
「んっ…はぁ…っ」
姫子の舌が触れてくる。
その場所を時には優しく、執拗に、我を忘れて。
「千歌音ちゃん…」
姫子は許しを請うように、こちらを見ながら舌で愛撫し続けている。
「全部もらってもいい?…千歌音ちゃんの…」
指が入り口に少し侵入した。
「あ…」
何を言ってるか分かっている。
まだ入れたことのないその奥は、姫子にすらまだ上げてはいない。
初めての経験に不安を感じたが、相手は大好きな人だ。
拒否する理由はどこにもなかった。
(姫子になら…私…)
千歌音がこくりと頷いたのを確認して、姫子の指が奥へ入る。
「っあ…‥」
千歌音はまだ幼い。
中も狭くて姫子の指はすぐにそこへ到達した。
それはその奥を守るように膜を作っている。
姫子は身を強張らせる千歌音を抱き寄せて、安心させるように額にキスした。
「少し痛いかもしれないけど‥ごめんね」
そう言った瞬間、姫子の指がさらに奥へと進む。
そして…。
「……あっ」
千歌音はその瞬間、姫子の手によって守られていたものが破られた事を感じた。
「いっ…‥」
すぐに痛みを感じた。
ギュッと姫子にすがりつく。
「千歌音ちゃん、痛かった?大丈夫?」
姫子が心配して千歌音の頭を優しく撫でる。
しばらく指を動かさずにじっとしていたら、千歌音が姫子の方へ顔を向けた。
「もう、いいから…」
「でも…まだ痛むでしょ?」
「大丈夫…まだ少し痛むけど…」
「いいの?」
千歌音が頷いた。
姫子はありがとうと言って唇を重ねる。
ゆっくりと優しく指を動かすと、千歌音が首を反らした。
「あっ…姫子…っ」
いままでは入り口までだったが、初めて入った千歌音のその奥は温かくて脳まで溶けてしまいそうだった。
雨の音がまだ微かに聞こえる。
きっとまだ降っているのだろう。
姫子はそんな事を考えながら千歌音を抱き続けた。
869:二人の夏旅行 ◆M2vRopp80w
08/08/09 09:00:40 OAT0LUjc
>>868 続き
「お嬢様方!ご無事でしたか!」
別荘へ戻ると、帰って来ない二人を心配したメイド達が慌てて出迎えに来た。
「大丈夫よ、心配かけてごめんなさいね。少し雨宿りをしていたものだから…」
先ほどの雨が嘘のように、空は晴れている。
あの後、雨が止むまで二人で抱き合ったまま、あの小屋で過ごしていた。
ただの通り雨だったのだろう。
思ったよりもすぐに止んでしまった。
二人で着替える為に部屋に戻る途中、千歌音が姫子の腕に自分の腕を絡まてきた。
「ねぇ、姫子…今度はちゃんとお返しさせてね。」
「お返し?お返しならもうして貰ったよ。」
「そうじゃなくて…いつも姫子にばかりにしてもらってるから…その…」
顔を赤くして見上げてくる千歌音の顔を見て、姫子は自分の顔まで赤くなるのが分かった。
(そっか…だから千歌音ちゃん、私を誘ってたんだ…)
千歌音が言うお返しとはきっとそうゆう事なのだろう。
姫子は答える代わりに、千歌音の手をキュッと握った。
「千歌音ちゃん、花火やらない?」
別荘で過ごす最後の夜、姫子はこっそりと買って持って来た花火を取り出して千歌音を誘った。
浜辺で出て、波の音しか聞こえない静かな海の前で夏旅行最後の夜を過ごす。
花火もあっという間にほとんど終わり、最後の線香花火に火をつけた。
「楽しかったね。本当に来てよかったな。」
「来年も二人で来ましょうか?ここに…」
「本当?いいの?」
「ええ、もちろん。」
綺麗な千歌音の横顔を見て姫子は耳元で囁いた。
「…お返しもまだ貰ってないしね。」
「な…!もう、姫子っ…」
二人で笑い合って、寄り添い夜空を見上げた。
(私、きっと忘れない…千歌音ちゃんがくれた素敵な思い出…)
だがこの時二人は思ってもみなかった。
この先に再び二人を引き裂く運転が待ち受けていたなんて…。 何も知らない二人をただ夜空に浮かぶ月が静かに見つめていた。
終わり。
870:名無しさん@ピンキー
08/08/09 09:24:38 cC0ewYA/
朝からGJです!!!興奮しましたっ!!w
871:名無しさん@ピンキー
08/08/09 11:15:30 2ph3x8mD
GJでした!
処女喪失はナイスでしたw
姫子はまだなのかな。。千歌音ちゃんガンバww
872: ◆M2vRopp80w
08/08/09 12:55:39 OAT0LUjc
二人の子育ての話しを考えていてたら…
姫子似の女の子が生まれる。
その娘が妹が欲しいとねだる。
二人もお互いにひとりっ子なため、ひとりっ子では寂しいだろうともう一人子供を作ってあげる。
そして千歌音ちゃん似の女の子が…
この妄想野郎を誰か止めてください…。
873: ◆M2vRopp80w
08/08/09 15:44:05 OAT0LUjc
>>869
すいません。
いま見たら、運命が運転に変換されてました。
申し訳ない。
874:名無しさん@ピンキー
08/08/09 20:25:07 2ph3x8mD
>>872
止めませんwww
ただどうゆう風に子供を作るのかが気になります
魔法の力とか安易なのじゃなくてちゃんと夫婦の営みであgばhh
というかどっちが産むのとかw
私的にはどっちも(ry
875: ◆M2vRopp80w
08/08/09 20:57:18 OAT0LUjc
>>874
それはもちろん、二人で営みを…
産むのはどっちもアリですね。
あと、二人はどんな名前をつけるのか。
何かいい名前ありませんか?
できれば姫子似の子と、千歌音ちゃん似の子と両方あると助かります。
876:名無しさん@ピンキー
08/08/09 21:26:58 2ph3x8mD
ホントに容易かもですが・・
姫子似→ひみこ
千歌音似→かおん(歌音)
京四郎のやつまんまですw
色々文字ったりしましたがなかなか思いつかないですね今のとこw
877:名無しさん@ピンキー
08/08/09 21:38:42 2qYIQuAe
姫子似→雛子(ひなこ)
千歌音似→千羽(ちはね)
ワルQのまんまですが
878: ◆M2vRopp80w
08/08/10 05:43:11 /77iDK00
ちょっと転生後の話しはお休みして、子育てする姫子と千歌音ちゃんの話しを書こうと思います。
>>865さんからはタイトルを
>>877さんからは子供の名前を頂きました。
設定は二人の間に一人の娘が生まれ、幸せに暮らしている話しです。
エロは…あんまりないかも…。
879:幸せ家族計画 ◆M2vRopp80w
08/08/10 06:43:22 /77iDK00
―神無月の巫女―
輪廻転生を繰り返し、悲しい宿命を背負った二人の巫女。
陽の巫女と月の巫女。
世界を再生する為、剣神アメノムラクモによって引き裂かれ月の社に封印されるが、再び転生し月の巫女は陽の巫女と再会を果たす。
そんな二人に、アメノムラクモは贖罪としてある特別な力を授けた。
それは…。
穏やかな風と、温かな日差しが差す昼下がり。
高級マンションや住宅が並ぶ住宅街。
ある高級マンションの一室から、慌ただしい音が聞こえる。
「こらっ!雛子、待ちなさい!」
紅茶色の髪をしたひとりの女性が、小さな女の子を追いかけている。
「やだ~!」
女性と同じ紅茶色の髪をした小さな女の子は、元気に部屋を走り回っていた。
「ほら、捕まえたっ!」
女性の腕の中で、捕まえられた女の子は楽しそうにはしゃぐ。
子供の元気な様子に、女性は穏やかで優しい微笑みを浮かべている。
来栖川 姫子。
彼女は嘗ての陽の巫女である。
「もう、雛子。ちゃんといい子にしていないと駄目ってママに言われたでしょう?」
女の子を腕から解放すると、真っ正面を向かせて女の子を叱った。
「わかった?雛子。」
雛子と呼ばれた女の子。千歌音と姫子の間に生まれた娘である。
雛子は下を俯いていたが、隙を見て姫子の腕からすり抜けて再び走りだす。
「あっ、こらまた!」
二人でそんな事をしていたら、あっという間に、陽が沈む時間帯になってしまった。
「いけない!千歌音ちゃんが帰ってくる前に夕食の準備しなきゃ。」
姫子は時計を見て慌ただしくエプロンを身に付け、台所に立つ。
「ひなこもてつだう~。」
トコトコと台所まで走って来る。
「じゃあ、冷蔵庫からお野菜持ってきてくれる?」
「はぁい」
最初は見ていてハラハラしていたが、子供のうちから何でも経験させておくのも大事な事だ。
小さな体で一生懸命に母親の手伝いをする雛子を見て、姫子の顔が緩んだ。
「よし、これでいいかな。」
テーブルに並べられた豪華な食事、真ん中には今日買ってきた花を飾る。
今日は千歌音が出張先から帰ってくる予定だった。
《ピンポーン》
待ち人が帰って来た事を知らせるインターホンが鳴った。
「あ、ママだっ!」
雛子がいち早く、玄関の方へ走っていく。
880:幸せ家族計画 ◆M2vRopp80w
08/08/10 07:30:55 /77iDK00
>>879 続き
「は~い!」
姫子も玄関へと急ぐ。
雛子が精一杯、背伸びをしてカギを開けドアを開くとそこには千歌音が立っていた。
「ただいま、雛子。」
「ママ~」
雛子が千歌音に抱きつくと、千歌音は雛子を軽々と抱きかかえる。
「お帰りなさい。千歌音ちゃん。」
「ただいま、姫子。」
姫宮 千歌音。
彼女は嘗ての月の巫女である。
「ちゃんとお母さんの言うこと聞いていい子にしていた?」
雛子は姫子の事をお母さん。
千歌音の事はママと呼んでいた。
千歌音は抱きかかえた雛子に尋ねる。
「ひなこ、いいこにしてたよ。」
「おかしいなぁ?お昼の時は随分とお母さんを困らせたけど?」
姫子は小首を傾げてわざとらしくそう言った。
「してたもん!ごはんつくるときも、ひなこおてつだいしたもん!」
ムキになって反論する雛子が何だか可愛らしくて、姫子と千歌音は微笑み合った。
「じゃあ、いい子にしてた雛子にママからお土産。」
千歌音は雛子を降ろすと、手に持っていた紙袋を渡した。
「わぁ、ケーキだ!ありがとうママ!」
嬉しそうに紙袋を持って、雛子はパタパタとリビングへ走っていく。
「ふふっ、雛子は元気がいいわね。」
その様子を見ていた千歌音がクスクスと笑った。
「元気なのはいいけど、もう大変だよ。」
苦笑いする姫子。
「ごめんなさいね。大変だったでしょう?姫子ひとりで。姫宮の家に帰っていてもよかったのに…。」
仕事で出張に行かなければならなかった千歌音は、姫子ひとりで雛子の世話をするのは大変だろうと心配して姫宮邸に帰るように言ったのだが…。
「大丈夫だよ。雛子おてんばだから乙羽さんに迷惑かける思うし…それに大変だけど楽しいしね。」
結局、姫子はマンションで千歌音の帰りを待つ事にしたのだ。
「そう?でもあまり無理をしては駄目よ。」
心配そうに姫子を見つめる千歌音。
姫子はそんな千歌音の手を握った。
「うん、分かってる。千歌音ちゃん、それより…」
姫子は千歌音を見上げて目を閉じる。
「姫子…」
千歌音は頬を微かに赤くして、姫子の唇に自分の唇を近づけていく。
「あ~ママたち、ちゅーしてる!」
二人の唇が重なろうとした瞬間、リビングのドアから雛子がこちらを覗きながらそんな事を言った。
「ひ、雛子…!」
「な…もう、雛子っ!」
姫子は顔を赤くして、自分達をからかう雛子に声をあげた。
881:幸せ家族計画 ◆M2vRopp80w
08/08/10 14:15:50 /77iDK00
>>880 続き
「千歌音ちゃん、お風呂空いたよ。」
「ええ、じゃあ私もお風呂済ませてくるわね。」
先に雛子と一緒に風呂を済ませた姫子は、帰ってきてからも自室で仕事を続ける千歌音に声をかけた。
千歌音は姫宮邸から出て、ここに住んではいるが姫宮家の一人娘には変わりない。
いまでは姫宮を支えている大事な後継者だ。
毎日忙しい日々を送っている。
家に居る時くらいは、千歌音にゆっくりと過ごして欲しい姫子はなるべく一人で家事などをこなしている。
それでも優しい千歌音は、姫子を心配して色々と手伝ってくれるのだが。
「雛子は?」
自室から出て、リビングに出るとソファーの上で眠そうに目を擦る雛子の姿があった。
「もう眠いみたい。私が寝かしつけるから千歌音ちゃんはゆっくりお風呂に入って。」
「…いいの、私が寝かしつけてもいいけれど。」
「大丈夫だよ。千歌音ちゃんは明日も忙しいんだからゆっくりしていて。」
雛子を溺愛している千歌音は自分が寝かしつけたかったのか少し残念そうな顔をしたが、また明日も仕事が控えている。
ちゃんと体を休ませて欲しくて、姫子は千歌音をお風呂へと行かせた。
「ん~…」
「雛子おいで。絵本読んであげるから。」
雛子の手をひいて子供部屋に連れていく。
姫子は本棚から沢山ある絵本の中から、一冊を選んでベッドの横に座った。
絵本を途中まで読み聞かせ、雛子がウトウトと今にも瞼が閉じそうになっていた時だった。
「ねぇ、おかあさん…」
「なぁに?」
「なんでひなこには、きょうだいがいないの?」
雛子は何故だか、突然そんな事を言いだした。
「どうして?」
「だってひなこのおともだちは、いもうとがいるんだよ。」
そういえば雛子には、最近近所に出来た友達に妹が産まれたのを羨ましがっていた事を思いだした。
「でもみんないる訳じゃないでしょ?」
「うん…でもひなこもいもうとほしい…よ。」
姫子は今にも眠りにおちそうな雛子に布団をかけてやる。
「ほら、もう寝ねようね。雛子。」
「はぁ…ぃ‥」
「おやすみ。」
「おや‥すみなさぁ…ぃ」
姫子は、スウスウと静かな寝息を立て始めた雛子の寝顔を見つめた。
雛子が寝たのを確認し、絵本を本棚に直して子供部屋を出る。
「妹かぁ…」 姫子は雛子が言った事を思い出しながら、姫子はリビングへと戻って行った。
882:名無しさん@ピンキー
08/08/10 14:21:25 OXgtlVly
雛子かわええww
4歳くらいかな?
愛されてるな~~~w
2人はもちろんだけど、乙羽さんとかも嫉妬しつつも溺愛しそうだww
883:幸せ家族計画 ◆M2vRopp80w
08/08/10 17:11:52 /77iDK00
>>881 続き
姫子がリビングのソファーに座ってお茶を飲みながらくつろいでいると、お風呂を済ませた千歌音がやってきた。
「あ、千歌音ちゃんもお茶飲む?それともお酒のほうがいいかな?」
「ありがとう、姫子と同じでいいわ。」
「うん。」
姫子は千歌音と一緒にソファーに座り、千歌音が居なかった数日間の出来事を話した。
「それでね…あ、ごめんね、なんか私ばっかり話してるよね。千歌音ちゃん疲れてるのに…」
「そんなことないわ、お話し楽しいから。」
千歌音の優しい笑顔を見て、姫子は雛子と話した先ほどの会話を思い出した。
「‥…ねぇ、千歌音ちゃん。ひとつ聞いてもいい?」
「なに?」
「あのね、千歌音ちゃんは一人っ子でしょ?」
「ええ…」
「千歌音ちゃんは兄弟とか居なくて、寂しいって思った事…ある?」
「え…?…そうね、確かに思った事がないわけでもないけれど…どうしたの、突然そんな事?」
「あのね…実は…」
姫子は雛子が妹を欲しがっている事を千歌音に話した。
「そう…雛子が…」
「だから雛子の願いを叶えてあげたいって思ったの。」
姫子も一人っ子で、雛子の気持ちが分かる。
ましてや両親を幼い頃に亡くした姫子はきっと寂しかっただろう。
雛子にはそんな思いをさせたくはない。
「そうね…あの力を使えばもうひとりくらいは…」
自分達には、普通では有り得ない特別な力を授かっている。
それは神であるアメノムラクモから貰った互いの子供を授かる力。
女同士でも身体を交わせるだけで子供を作る事ができる、二人だけにしかできない特別な力だ。
「それでね、千歌音ちゃん。今度は私が産みたいの。」
「えっ…姫子が?」
雛子を産んだのは千歌音だ。
子供はどちらでも授かる事ができる。
以前、雛子を授かる時も千歌音が姫子に心身ともに負担がかかる妊娠をさせる事を頑固として譲らなかったのだ。
その時、姫子は本当は自分が産みたかったのだが、あまり千歌音が拒否するので渋々諦めた。
「ね、お願い。千歌音ちゃん…今度は私に産ませて。」
「そんな…だめよ。姫子にあんな辛い事させたくないわ。」
千歌音はまたも頑なに拒否をする。
自分が経験しているからなおさらだった。
「私も産んであげたいの、千歌音ちゃんの子を‥ううん、産みたい。千歌音ちゃんの子が欲しいの。」
「姫子…」
884:幸せ家族計画 ◆M2vRopp80w
08/08/10 17:50:25 /77iDK00
>>883 続き
「お願い、千歌音ちゃん。」
「……分かったわ、姫子。」
姫子の真剣な眼差しに、千歌音はやっと頷いてくれた。
「ありがとう、千歌音ちゃん‥!」
笑顔になった姫子を見て、千歌音は自分の決意の弱さに呆れた。
(だめね、私ったら‥姫子の笑顔にはかなわないわね…)
あれほど姫子には産ませないよう決意していたのに、いざあんなふうにお願いされたらあっさりと許してしまった。
結局のところ、千歌音は姫子には子供の雛子以上に弱いのだ。
「でも大変よ、子供を産むのは…」
「うん、分かってる。」
千歌音が妊娠して出産するまでずっと側で見てきた。
大変なのは百も承知している。
「じゃあ、千歌音ちゃん…ベッドに行こう…もう雛子は眠ってるし。」
姫子が千歌音の腕に手を絡ませ、肩に頭を寄せた。
「姫子…」
身体を重ねるのは久しぶりだった。
ここのところ忙しくて、二人っきりで過ごす事がない。
ましてや雛子がいるので、そんな事をするのさえ躊躇ってしまっていた。
千歌音は姫子の肩に手を回して自分達の寝室へと向かった。
「あ…千歌音ちゃん‥」
シーツの擦れる音が聞こえる寝室で、二人の呼吸がやけに大きく聞こえる。
「姫子…」
ひとつの生命をつくりだす神秘的な行為。
それを自分達に与えられるなんて。
千歌音と姫子は、残酷な宿命を背負わせたアメノムラクモに感謝をしていた。
「どんな子が産まれるかなぁ‥」
二人で愛し合った後、姫子は嬉しそうに千歌音に微笑みかけた。
「そうだ、名前考えないと。千歌音ちゃんはどんな名前がいいと思う?」
まだ見ぬ子供に、姫子は想いを馳せる。
元気で健康に産まれてくれさえすればそれでいい。
「あ、でも…」
「なぁに?」
「千歌音ちゃん似の子がいいなぁ…」
「姫子…」
姫子の言葉に頬を赤くしながら、千歌音も優しく微笑みかえした。
それから数ヶ月後、姫子と千歌音の子が姫子のお腹に宿る。
姫子の思いが通じたのか、千歌音にそっくりな女の子が産まれ千羽と名付けられた。
もしかしたら続く…かも?
885: ◆M2vRopp80w
08/08/11 12:15:51 i001kpn7
>>882
乙羽さんは雛子よりも千歌音ちゃん似の千羽に溺愛しそうな気が…
886:名無しさん@ピンキー
08/08/11 21:22:02 +gO/cdgi
>>885
んじゃ雛子はマコちゃんから溺愛されるんかな?
あーしかし2人の子と考えただけでハグしたくなるww
887: ◆M2vRopp80w
08/08/11 23:06:16 i001kpn7
おそらく…
雛子は千歌音ちゃん、マコちゃんに。
千羽は姫子、乙羽さんに可愛いがられる…。
そして雛子は、いつも妹を心配する妹想いの姉に。
千羽は、雛子の側にいつもくっついて離れないお姉ちゃんが大好きな妹に。
888:名無しさん@ピンキー
08/08/12 19:02:44 9i5JOzIS
>>887
なんてほほ笑ましい姉妹w
個人的には千羽ちゃん出産前の姫子を気遣う千歌音ちゃんとかも見たいな~
889:名無しさん@ピンキー
08/08/12 21:21:34 Bnz2Zu9O
雛子ちゃん出産前の千歌音ちゃんを気遣う姫子も見てみたい><
890:幸せ家族計画 千羽出産編 ◆M2vRopp80w
08/08/12 23:22:55 k/fq4qUj
出産の事はよくわからないので、かなり適当かも…
姫子のお腹に赤ちゃんを授かり、出産予定日を間近に控えたある日…。
「あ、洗濯物取り込まなきゃ。」
姫子がベランダに干した洗濯物を、取り込もうと立ち上がったその時だった。
「だめよ、姫子は休んでいないと!」
台所に立っていた千歌音が、慌ててこちらへやって来る。
「大丈夫だよ、千歌音ちゃん。それくらい私が…」
「だめ。私がやるから座っていて。」
千歌音は姫子の初めての出産が心配で付き添う為にしばらくの間、休暇を取って家にいる。
千歌音も出産を経験しているが姫子の身体とお腹の子が心配で、いてもたってもいられないようだ。
何をするにも、すぐに駆けつけて来る。
しかし、それは千歌音だけではなかった。
「そうだ、部屋のお掃除でもしようかな…」
「だめ~!おかあさんはやすんでなきゃだめ!」
今度は雛子が姫子の下にやって来る。
「雛子?大丈夫よ、これくらい…」
「だめったら、だめっ!おなかには、あかちゃんがいるんだよ!おそうじはひなこがやるっ!」
雛子は初めての妹が産まれる事が相当嬉しいらしい。
千歌音がいつも姫子を心配しているのを見て、出産が大変なのを子供ながらに感じているらしい。
雛子まで何かと駆けつけてくる。
「はい…わかりました。」
あまりに雛子が訴えてくるため、姫子も仕方なく諦めリビングへ戻ろうとしたその時…。
「……っ!」
「おかあさん…?どうしたの?おかあさん!」
姫子は突然その場に座り込んだ。
お腹に痛みを感じる。
(これって…もしかして…)
「ママぁ…!」
雛子はリビングにいた千歌音の下に泣いて走って来た。
「雛子?どうしたの?」
「ママ!おかあさんが、おかあさんが…」
「……!」
雛子の様子にただならぬ雰囲気を感じて、千歌音は姫子がいる部屋に向かうと姫子が座り込んでうずくまっていた。
「姫子!大丈夫?」
「千歌音ちゃん、もしかしたら…陣痛…かな…?さっき急に…」
苦しみながらも心配をかけさせまいと姫子は笑顔を作って話すが、額には汗が滲み出ている。
「予定日まだなのに…」
「心配しないで、そうゆう事はよくあるわ。今すぐ病院へ行きましょう。」
千歌音は姫子を抱えて車に乗せ、かかりつけの産婦人科に車を走らせた。
891:名無しさん@ピンキー
08/08/12 23:38:20 9i5JOzIS
陣痛→破水→陣痛の間隔が短くなる→おめでとう
の流れだっけ??
自分には全く縁がないので姉の経験談で許してくれ、姫子
892:幸せ家族計画 千羽出産編 ◆M2vRopp80w
08/08/13 00:13:47 TlVACxGb
>>890 続き
病院へ着くと、姫子はすぐに分娩室に運ばれた。
「おかあさん…」
雛子が涙を浮かべて、分娩室を見つめたまま千歌音のスカートをギュッと掴んだ。
「大丈夫よ、雛子…」
「でも…おかあさん、ものすごくいたがってたよ!?」
先ほどの姫子の苦しむ様子に、不安を感じた雛子は大粒の涙をポロポロと流す。
「心配しないで、雛子。ママもね、雛子が産まれる時すごく苦しかったのよ。」
「ママも…?」
千歌音は雛子を安心させるように、優しく肩を抱いた。
「そうよ。痛くて苦しかったけど、雛子に早く会いたくて頑張ったの。」
「ひなこに…?」
「ええ、雛子も早く赤ちゃんに会いたいでしょう?」
「うん…」
「今度はお母さんが頑張っているの。だから雛子も泣かないで、無事に赤ちゃんが産まれるようにママとここで待っていましょう。ね‥?」
そう言って、ハンカチで雛子の涙を拭いてやると落ち着いたのか笑顔を浮かべた。
「うんっ!おかあさん、がんばってるんだもんね。ひなこいいこにしてまってる。」
「雛子…」
姫子に似て、意志の強い雛子を千歌音はぎゅっと抱きしめた。
どれくらい時間がたったのか、千歌音と雛子は病院のソファーに座ったまま待ち続けていた。
雛子は千歌音の膝に頭をのせてウトウトとしている。
雛子の頭を撫でながら、窓を見ると外はもう暗くなり始めていた。
(長いわね…私の時もこんなに長かったかしら…?)
千歌音が雛子を産んだ時を思い出していると、突然分娩室から赤ちゃんの泣き声が聞こえた。
「今の…!?雛子、雛子、起きて…」
眠りかけていた肩を揺り動かすと、雛子が目を擦りながら目を覚ました。
「うぅん…おかあさんは…?」
分娩室の扉が開き、中から先生が出てきた。
「先生!?赤ちゃんは…」
「無事に産まれました。お母さんも無事ですよ。」
「ありがとうございます…!雛子、赤ちゃん産まれたのよ。雛子の妹が。」
「ほんと?ほんとにほんと?」
「ええ、本当よ。」
「わぁ!!ひなこにいもうとができたぁ…!」
喜んでピョンピョンと飛び上がる雛子を見て、千歌音は微笑んだ。
(よかった…姫子も赤ちゃんも無事で…)
千歌音はやっと安堵して胸を撫で下ろした。