ケロロ軍曹でエロパロ 其の6at EROPARO
ケロロ軍曹でエロパロ 其の6 - 暇つぶし2ch65:名無しさん@ピンキー
07/04/21 19:38:16 9DF0UwWX
そこで秋ママの登場ですよ。

というわけで前スレからクル秋待ってます。

66:名無しさん@ピンキー
07/04/21 19:41:49 DDI1oOBP
プルルはエロパロ的に幅広く応用できそうな便利な存在になりそうだな


ケロロ・ギロロ・ドロロ…幼馴染み云々でカタがつく
タママ…ケロロに近付かれるのを危惧したタママによりエロ展開へ
クルル…気に入らないと思って手を出す
モア…ほぼタママと同じ流れ

ガルル…上司と部下のインモラルな恋愛模様
タルル…女がガルル小隊に来るなんて認められないッス!→骨抜きにされる
ゾルル…誰にも公平な態度で接するプルルに有り得ない感情を抱く
トロロ…あまり感じたことのない母性をプルルに感じ、体を重ねる

まぁどんな流れになろうとも、人体を知り尽した看護長だからヤった相手が枯れ果てる
のが目に見える…

67:名無しさん@ピンキー
07/04/22 00:21:33 jEiKt38K
>>65
同志よっ!!

68:名無しさん@ピンキー
07/04/24 17:51:02 dT/klwnL
メルマルは……


キルミラと同じ感じにっちゃうかな。どうしても

69:名無しさん@ピンキー
07/04/25 07:25:54 p3FQMr/+
成体の頭身が高い分、絵的にはエロを想像しやすいと思うが…

70:名無しさん@ピンキー
07/04/26 12:27:09 fezzPgoN
メル夏は読みたいですなあ。

71:名無しさん@ピンキー
07/04/28 12:08:05 GAhqafNm
先週と今週の放送のせいで、土下座する夏美に萌えるようになっちまったい。
心の底から本気でケロロに土下座する夏美とか、いいだろうなあ。

72:名無しさん@ピンキー
07/04/28 12:51:09 DscgtcwJ
今モーレツにギロロ×クルル♀が読みたい!!!

73:名無しさん@ピンキー
07/04/28 15:40:37 6l5zNLrK
>>72
あの話はクルルが女だったとか説明せんとつじつまがあわないなw

74:名無しさん@ピンキー
07/04/29 05:53:00 NXoBExEu
クルモアだとどうしても凌辱系になるのかな?
心ではおじ様が好き、だけど体はどんどんクルルに開発されて、
どっちが本当の気持ちかわからない…
んでクルル自身はもっとわからんくなってる。

そんな設定に禿しく萌える。
保管庫の話がガチガチのツボになってしまったせいだなー。

75:四七四式 ◆sqiwCTHRg6
07/04/30 21:03:15 017Dnrbx
お久しぶりな四七四式です
やっと♀ケロの続きが完成しました
今回はタマ桃がメインであまりエロは多くないかも…
週末にも投下しようと思います

76:名無しさん@ピンキー
07/05/01 12:48:45 XE1cV076
>>75
うおおキター

77:名無しさん@ピンキー
07/05/03 01:22:16 D8keQQ+Q
期待アゲ

78:ギロ夏スキー
07/05/03 03:48:26 ZdA1r8uK
かなり時間がかかってしまいましたが、パート3が完成しましたので投下します。


79:超劇場版擬人化ケロロ軍曹2 深海のプリンセス
07/05/03 03:50:23 ZdA1r8uK
「すごい……」
ナツミ城を案内してもらっている夏美とギロロのうち、夏美は感嘆としたため息をついている。
メールとマールは、その姿を満足そうに見ていた。
城の上空には逆さまの虹が天空へと伸び、無数の皿型のテラスは空中庭園、水上庭園になっている。
その全ては夢の中の景色のように美しい。
そして極めつけは最後に案内されたプリンセスルームだった。
「お待ちしておりました。プリンセス、さあお入りください」
部屋の前で待機していたマスターナイトメアが、自動ドアとなっている扉を開ける。
「わあ……!」
部屋に入った夏美は、感動のあまり声を上げてしまう。
目を輝かせて広々とした室内を見回す。
どんなファンタジー世界のお姫様でも、こんな素敵な部屋には住んでいないだろう。
幻想的なだけでなく、部屋の隅にはテレビやコンポが設置され、
小さな冷蔵庫には冷えた飲み物まで用意されており、夏美にとって実に理想的な部屋だった。
「う~ん。すてきね……」
夏美は感心しきってそうつぶやいた。
(ほんと、この子たちっていったい何者なのかしら……?)
心の中では素敵な城にわくわくする気持ちと、逃げなきゃいけないという気持ちが入り混じっている。
「フン……」
しかしその光景を、既にケンプファーギロロ状態を解除しているギロロは面白くなさそうに見ていた。
それを見たメールは、まるで勝ち誇ったかのような得意げな笑みを浮かべる。
「どう? 気に入った?」
メールは例の赤いボールの形をしたアイテムをかかげて見せ、反対側のマールが解説を始める。
「あちらのメアボールを使えば、頭の中のイメージや記憶にあるものをなんでも実体化できるんです」
「また、お前ばっかり喋って! 僕が説明しようと思ったのに!」
「はっ。申し訳ありません、王子――」
かしこまっておじぎをするマールに、大人ぶった調子で、やれやれと首をふるメール。
「まったく、マールはいつもこうなんだから……やんなっちゃうよ」
夏美は二人の微笑ましい姿を見てクスッと笑う。
「……ん?」
気がつくと、メールがじっとこっちを見つめている。
「ナツミ……」
「えっ?」
「こ、これに……」
なんだか真剣な目をしながらメアボールを差し出すメール。
よくわからないまま、夏美はボールに手を近づけるが――メアボールがポワッと光を放つ。
「「!?」」
怖くて手を引っこめると、光はすぐに消えたが、ギロロは警戒の色を隠せない。
「…………?」
この時、マスターナイトメアの目の色が一瞬変わったのに、ギロロだけが気付いた。
その光景を食い入るように見つめていたマールの方は、肩の力を抜いてホッとため息をついた後、
たしなめるように言った。
「王子、焦りは禁物です」
「マール!」
「あっ!」
余計なことを! というように睨み付けるメールに対して、しまった、と口を塞ぐマール。
「え、なに? なんなの?」
わけがわからない夏美。
「さっきの言葉はどういう意味だ? やはり何か隠しているな」
メールの挙動不審な行動に、ギロロは疑惑の念を強める。
「な、なんでもない! ……それよりさナツミ、街を探検しに行こうよ! ナツミの街を!」
なんだか知らないが、とにかく夏美の気を引きたくてしょうがないらしいメール。
(随分気に入られちゃったわね)
夏美が心の中で呟いている内に、メアボールをしまったメールは、窓を開けてパッと外へ飛び出した。
「あっ! ちょっと待ってよ!」
思わず窓から乗り出して外をのぞくと、最初見た時より大きくなっている広大な市街地を一望できる。
「ここだよナツミ!」
窓の外からメールの声がしたと思うと、夏美の目の前に何かが浮かんできた。
そこには移動用らしい、巨大な空飛ぶマンタ型ナイトメアの、広々とした背中に乗ったメールがいた。
上に乗っているメールは、マンタの頭部から生えている二本の触角を手綱のように操っている。

80:超劇場版擬人化ケロロ軍曹2 深海のプリンセス
07/05/03 03:51:49 ZdA1r8uK
「それで飛んでいくの?」
「大丈夫! 僕がいれば怖くないから!!」
夏美はメールの手を握り締めておっかなびっくりマンタ型ナイトメアの背中に乗り込む。
マールも後からいそいそと乗り込んできた。
「ま、待て夏美! 俺も行く!」
夏美を一人にしておけないとばかりに、最後にギロロが慌てて飛び乗る。
「さあ行くよ!」
メールが触角を引っぱると、それに従いマンタは街の賑やかそうな一画へ降下していった。
「一筋縄でいかないのはわかっていた……。あの時封印したこれを使うのも考えておくべきだな……」
一人残され呟くクジラ型ナイトメア、マスターナイトメアの手には怪しい、禍々しい壺があった。




後ろへと飛び去ってゆくのは、人っ子一人いない、どこか古臭い街並み。
「不思議――」
「どうした、夏美?」
夏美の呟きに、街を観察していたギロロが彼女に視線を変えて聞いてくる。
「なんだかとっても懐かしい感じがするの」
「当然です。ここはプリンセスの記憶にある、プリンセスの大好きだった街なのですから」
「私の大好きな街……ね」
(本当かしら? 懐かしいって事は、記憶にある街なのかもしれないけど……)
マールの返答に対して、どうもどこか引っ掛かるものを感じてしまう。
「わあっ、あれはなんだ!?」
メールの声に、夏美はハッと我に返った。
彼の指さすものは、広告つきの気球が上がり、屋上に小さな観覧車も見える建物、デパート。
「あそこに行ってみようよ!」
メールが宣言すると、マンタ型ナイトメアはデパートへ進路を定めた。




「うわ~い!」
歓声を上げて、メールはデパート内へ駆け出していった。
「お待ちください王子――!」
エスカレーターに乗り込んだメールをマールが追いかける。
「三人とも僕のそばから離れるな。迷子になっても知らないぞ!」
たちまち二人の姿は上の階へと見えなくなった。




「まったくもう! どこ行っちゃったのかしら、あの子達……」
後を追ってエスカレーターで三階の家具売場まで上がった夏美は、ため息をつく。
「夏美、今なら二人きりだ。邪魔な護衛もいない。逃げるなら今のうちだ」
彼女と同行しているギロロが逃げる案を提案したところへ、マールが飛び込んできた。
「プリンセス・ナツミ! 一大事です!」
「ど、どうしたの?」
「メール王子の姿が見えないのです! 恐らく迷子に…………どうか、どうか一緒に探してください」
「……うん、まかせといて」
「夏美!」
これにはギロロが思わず声を荒げるが、
「だって、あんな心配そうな顔されたらほっとけないじゃない」
「…………わかった、俺も手伝おう」
惚れた弱みというか、なんだかんだ言いながらも、夏美についてゆくギロロだった。
その後三人がデパート内を捜索した結果、業務用エレベーターの中で泣いているメールを見つける。

81:超劇場版擬人化ケロロ軍曹2 深海のプリンセス
07/05/03 03:55:07 ZdA1r8uK
「いたいた。王子様発見~」
「ナツミ……」
一人ぼっちで心細くてたまらなかった―そんな目でこっちを見つめるメール。
「なになに? ドアの開け方がわからなかったの?」
夏美が言い終わる前に――メールは彼女に抱きつき、こらえきれずウッウッと泣き出した。
迷子がお母さん、お父さんに再開した時のように、首にしがみついて、顔をこすりつけて。
(あたしも迷子になって心細かった事があったなあ。あれは、いつだったけ? あの一人ぼっちの感覚。
そう、たしか風船が……おっと! とにかく今はこの子を安心させてあげなきゃね)
「もう大丈夫よ、メール」
夏美は、しゃくりあげて震えている小さな身体をそっと抱きしめた。
「まったく……。これからは勝手にうろつかないことだな」
ギロロも、メールの頭に手を乗せ優しく撫でている。
安心したのか、メールの身体から力が抜け、しゃっくりもおさまっていく。
「……あっ!」
夏美の後ろでマールが驚いているのに気づいたメールは、ギョッとしたように顔を上げた。
彼は凄い速さで夏美から離れると、ごしごしと涙を拭いて、顔を真っ赤にしてマールに食ってかかった。
「も、元はといえばマールのせいなんだからな! お前がちゃんとついてこないからいけないんだぞ!」
「はっ、申し訳ありません、王子!」
照れ隠しに怒鳴り散らしてプイッと飛び去っていくメールに、反射的にかしこまって平謝りするマール。
夏美は、そんなマールに微笑みかけ、軽くウィンクしてみせる。
「さ、今度はちゃんとあたしたち保護者同伴でデパートを探検してみましょうか?
王子様がまた迷子にならないようにね」
「はい!」
嬉しそうにうなずいたマールは、こっそりと呟いた。
「……よかった。プリンセスが、ナツミで……」




「……母艦撃沈、てこずらせやがって」
「こっちも片付いたよ」
深海へと潜航中のロードランジャー内部、ケロロ達の目の前のモニターには、クルルの操艦と
サブローの操るガンプラに破壊されたユーコン級潜水艦とザク・マリンタイプ部隊が映っている。
「フィ~、危なかったであります。まさかガンプラが敵になるとここまで手強いとは」
ケロロは戦闘中の緊張感から解放されホッとしている。
「でも、これで一安心〈ズガアァン!〉キャアッ!?」
続いての桃華の言葉は、突然の衝撃によって途絶える。
ロードランジャー後方から無数の魚雷が襲来、そのうちの一つが当たったのだ。
「後方からの魚雷により、第三艦橋大破! 敵、第二派接近中! てゆーか油断大敵!?」
コンソールを操作するモアによって、魚雷の来た方向の海域の画像が映し出される。
「ゲロッ! 今度は種ネタまで!?」
驚愕の表情を浮かべるケロロの見たものは、サブローのガンプラに襲い掛かり、次々と破壊していく
ビグロ、カプール、グーン、ゾノ、そしてそれらの母艦であるマッドアングラー級潜水艦の姿だった。
「また間違えてるよ~! ビグロも宇宙用なのに~ブツブツ……」
ケロロは浜辺の時のようにガンプラ考察に入ってしまいそうになる。
「おおかた海中用に改造してあるんだろ。マズイぜぇ~。ガンプラもどきの攻撃で護衛が壊滅、丸裸だ。
サブローに新しいのを書いてもらうにしても、船外に出すまでにこっちがやられちまう」
「つーことは、僕達、大ピンチですか~~~!?」
クルルの返答にパニック状態になりかけるタママ、しかも敵は無情にも次なる攻撃を放つ。
しかし迫りくる魚雷は、思いもよらない第三者の魚雷攻撃によって相殺された。
「高速物体接近、速度100ノットを超えています! 正体はペコポンの、日本海軍の潜水艦です!」
「確かにペコポンには100ノットを超える潜水艦があると聞いてあるでありますが、
いくらなんでもこの深度まで潜れる性能はなかったはずであります」
モアの解析により自分達を助けてくれた存在の正体は判明したが、ケロロはいまいち納得できない様子。
そうこうしているうちに潜水艦の方から通信が入ってきた。
『桃華お嬢様~! ご無事ですか~~!?』
「ポール!?」
桃華の驚きの声と同時にモニターに映ったのは、西澤家執事ことポール。
彼は軍とのコネを使って日本海軍保有の、核融合機関搭載電磁推進潜水艦を人員と一緒に拝借、
桃華のピンチに深海まで駆けつけてきたのだ。

82:超劇場版擬人化ケロロ軍曹2 深海のプリンセス
07/05/03 03:56:28 ZdA1r8uK
『我々だけではここまで来る事は困難だったでしょう。しかしある方の協力によって可能となりました』
するとセンサーがポールの乗艦している潜水艦とは別の、高速で接近する物体を察知しモニターに映す。
『お久しぶりですね。ケロロ軍曹』
物体の正体はケロン軍宇宙艇、乗っているのは――ガルル中尉率いるガルル小隊。
これにはケロロも驚きを隠せない。
「ガルル中尉! 何でこんな所に!?」
『たまたま第二のキルル覚醒の調査の際に出くわした敵を排除するだけです』
『ホントはギロロ伍長が心配だからじゃないスか?』
『ププ~~ペコポンの軍の潜水艦を改造しろって言ったのには驚いたけどこういう事とはね』
『フン、公私混同だな』
『フフッ、でもそれがガルル中尉のいいところじゃないかしら?』
ガルル自身は真面目でも、彼の部下の反応のせいでどうもしまらないが。
『『こちらが敵をひきつけます。その隙に行ってください』』
宇宙艇はガンプラ、潜水艦はマッドアングラーへ攻撃を開始する。
頼もしい援軍の到来によって気を取り直したケロロは命令を発する。
「今の内であります。ポール殿とガルル中尉が敵を引き付けている間に敵陣へ突入を! クルル曹長!」
「ク~ックックッ、こいつの出力なら問題ねぇ」
クルルはロードランジャーを更に加速させ、海底に展開されている巨大なドーム型バリアに突入させた。






屋上にある遊園地の小さな観覧車――。
夏美とメールが乗り込んだゴンドラはすぐに一周してしまわないよう、ゆっくりと上がってゆく。
観覧車自体は小さくても、ビルの屋上に設置されているため見晴らしは抜群だ。
街の中央、霧の中から塔を突き出しているナツミ城もよく見える。
向かいの席に窓の方を向いて座っているメールは、「びゅ~ん」とか口で言いながら、
デパートで夏美からもらったZガンダムをウェイブライダー形態に変形させて、飛ばして遊んでいる。
ギロロとマールはすごく乗りたそうにしていたが、下で待っていた。
ちなみに夏美とメールが二人きりになる時、一悶着あったのは言うまでもない。
「あ~あ。なにやってんだろあたし……あの時ギロロの言うとおり逃げるべきだったかな?」
街を見下ろして、夏美はぼそりとつぶやく。
逃げ出すところか、無人のデパートでメールとマールと遊び倒した上に、家具のベットで眠ってしまい、
おまけにこんなところでメールとのんびりしてしまっている。
(なんで? この街が妙に懐かしいから? 特にこのデパートが気になるの……。こんなに狭かったのね。
あの頃は、あたしのほうが小さかったから広く感じたんだわ……ん? あの頃?)
「ここって……なんだっけ……あれ?」
奇妙なものを見つけて、夏美は思わず身を乗り出した。
観覧車の下、フェンス付近の空間に赤い風船が浮かんだ状態で静止している。
「あの風船は……」
夏美は必死に記憶を呼び起こそうとし、何か思い出しかけたその時、突然メールが声を上げた。
「あ、そうだ!」
「どうしたの? もしかしてトイレ? んもう、だから乗る前に聞いたじゃ―」
「ちがうよ」
メールはメアボールを取り出すと、Zガンダムを大事そうに座席に置いた。
「これのお返しに、僕からもプレゼントをあげる」
「えっ?」
夏美が驚いている間に、輝き出すメアボール。

83:名無しさん@ピンキー
07/05/03 03:57:49 HOWZdzJl
超支援

84:超劇場版擬人化ケロロ軍曹2 深海のプリンセス
07/05/03 03:57:51 ZdA1r8uK
光は波のように伝わり、パーカーや水着までが光り出し、光の粒子となって消えようとしている。
「ちょ、ちょっと……!」
そう言いかけた瞬間、すうっと全身が涼しくなり、服が消え失せた。
身に着けていたもの全てが、光と化してパッと弾け飛んだ瞬間、光の粒子は別の物質に変化していた。
「こ……これって……!?」
ようやく声を絞り出し、夏美は全身を眺め回した。
透けたベールのついた髪飾り、可愛らしく肩の部分で膨らんだ袖、ヒラヒラでふっくらとして上品な
透けているドレススカート……まさにプリンセス!
それも、着ていたビキニのイメージを残した、人魚姫のような大胆なデザインだ。
こちらを見上げたメールが、満足げな顔をする。
「ねっ 素敵だろ? ナツミ」
「う、うん」
「プリンスの姿だって、君と同じように……」
次の瞬間メールの全身が光に包まれ、光の塊となったシルエットが大きくなってゆく。
光が収まった後にいたのは、夏美より少し年下、冬樹と同年代位の、地球人の姿となったメールだった。
王子様の服を着ており、蒼い髪に整った顔立ちをしている。
「ねっ、どう? こんな感じ? ナツミと同じような姿になってみたんだけど」
地球人化したメールの容姿は美少年の類に属するものであり、異性を惹きつけてやまないだろう。
「……う、うん……」
しかし、夏美はそんなメールの姿を見てもときめかず、むしろここぞとばかり、
(どうして? どうしてこんなに苦しいの? ……ギロロ…………)
ギロロの姿が、地球人、ケロン人を問わずに浮かんできてしまい、思わず俯いてしまう。
「……どうしたのナツミ? 大丈夫?」
そう言って夏美の顔を覗き込もうとしたメールだが、
「オンワァ~~~!!! ナンジャコリャア!!!!!!???????」
下から聞こえてきた大きな絶叫によってそれは適わない。
観覧車から降りた夏美は思わず「ウッ」とひるんだ。
目の前にいるものは、それほどまでに危険なオーラを放っていたのだから。
他にマールの姿が見当たらない代わりに、見慣れない女の子がギロロの姿を見て青褪めた顔をしている。
「おい……これはどういうことだ……」
美しく黒く長い髪、十二単、手には扇……そう、ギロロは平安時代風の美人に……
ああ、いや、ただ平安時代風のとだけ言うべきか。
いくらギロロが地球人形態では美少年でも、「美人」と言うにはあまりに無茶なその姿。
なにしろ顔に白塗り極太マユの、まるで志○けんのバカ殿のような化粧が施されているのだから。
どうやら夏美がドレス姿になったと同時に、ギロロもこの姿にされたようだ。
「ああ、ナツミにドレスをプレゼントしたついでに、ここの本で読んだので最も似合わそうなのを」
ブチッ!!!!
メールのなんの悪気も無いような答えに、ギロロの中で何かがキレた。
「このガキィ~~~もう許さん!!! またんかーーー!!!!!」
「ヘヘーン。悔しかったら捕まえてみろよ~」
城の方向へ逃げるメール、それを追いかけるギロロ。
ケンプファーギロロになって武器をぶっ放さないところを見ると、多少正気は残っているらしい。
しかし着物姿で爆走する姿は……不気味以外の何者でもない。
「メール王子! プリンセス、追いますので乗ってください!」
「えと……あなたは……」
「マールです。早く!」
蒼い髪の少女、メールと同じく地球人の姿になったマールが手引きする。
マールが言うには、メールが地球人化した際、自分もこの姿になったという。
「ギロロ……! わかった」
夏美とマールはマンタ型ナイトメアに乗り、壮絶な鬼ごっこをしているギロロとメールの後を追う。
そして城に着いた二人の見たものは、

85:超劇場版擬人化ケロロ軍曹2 深海のプリンセス
07/05/03 03:58:43 ZdA1r8uK
「ほ~れほれ! あはは! 本に載ってたコレ、やってみたかったんだ」
「あぁ~れぇぇぇぇ~~~って、やめろ~~~!!!」
下帯をつかんだメールが、ギロロをグルグル回して着物を脱がしてゆく光景だった。
メールはすっかりギロロを回す事に夢中になっている。
「ギロロ……あんた、なにやってんのよ……」
「こ、このガキ、思った以上に、素早くてぇぇ~~。一瞬の隙に帯を掴まれたと思ったらぁぁ~~~」
猛スピードで回されながらも、あきれている夏美のツッコミにかろうじて答えてみせるギロロ。
「なんの、なんの、まだまだ、よいではないか~!!」
「あ~れ~ごかんべんを~~~~!!!!」
ついついつき合って熱演を続けてしまうギロロ、だがまんざらでもないようなのは気のせいか?
あっけにとられて、ぽかんと見ている夏美とマール。
十二枚重ね着していて、現在三枚脱がしたから、後九回は続ける事ができる。
その時、海底に作り出されたこの街の空にある天井を突き破り何かが落ちてきた。
ギロロもメールも帯回しをやめ、夏美とマールと同じく落ちてくる物、ロードランジャーを見上げる。
艦首からすさまじい勢いでテラスの池に着水したロードランジャーは、高潮のような水しぶきを上げた。
そのまま逆立ち状態のロードランジャーのハッチが開き、まず最初にケロロが降り立つ。
続いて冬樹、桃華、アリサ、サブロー、小雪、モア、タママ、クルル、ドロロが後に続く。
ちなみにケロロ小隊メンバーは戦闘に備えて、全員それぞれのコスチュームに着替えていた。
「またさっきのボケガエルですか。しかも今度は団体で……」
やれやれと肩の力を抜くマール。
「ギロロ伍長~、夏美殿~、助けにきたであります、って――何やってんの……?」
皆を意思を代弁するかのようにケロロが話そうとしたが、ギロロのあまりの姿に言葉を失ってしまう。
夏美のドレス姿が霞んで見える程その衝撃は大きく、ケロロだけでなく他の皆も硬直状態に陥っていた。
「し、しまった……この姿なの忘れてた……」
ギロロも今更ながら自分の今の姿を再認識して、ガクッと項垂れてしまった。
「と、とりあえずギロロの事は置いといて、夏美殿迎えに〈ビシッ!〉ヒイィッ!?」
いち早く立ち直り夏美に近づこうとしたケロロの足下に銃創ができる。
「困りますなあ。緑髪のお客人、貴方は当然の事、他の方々も招待した記憶はないのですが」
声と共に城の中から現れたのはマスターナイトメアとジムの、ビームスプレーガンではなく
ビームライフルを装備した大部隊、そのうち一体のビームライフルの銃口から煙が上がっている。
ミイラ取りがミイラになる、夏美とギロロを助けるつもりが、逆にケロロ達が包囲されてしまった。




to be continued……

86:ギロ夏スキー
07/05/03 04:14:47 ZdA1r8uK
今回はここまで。
前のと比べて少し短いかもしれません。
劇場版との微妙な違いを探してみると面白いかも。
例としてはドリルモグラの代わりとしてのZガンダムや、ギロロがメールの頭を撫でるシーン等ですね。
ゴールデンウィーク中にはなんとか完結させたいので続きを急ピッチで執筆中です。
こう思ったのはアニメ158話の影響もあります。
記憶改竄ネタはあまりにも酷すぎましたからね……。
ギロロと夏美のこれまでの話を全て台無しにするような内容でしたから。
クルルにはマジ殺意が湧きました。
その鬱憤を全て創作にぶつけていますのでもう少しお待ちください。

87:名無しさん@ピンキー
07/05/03 11:12:18 is5Tp2ax
GJ!!!!!
GW中に完結支援.

88:名無しさん@ピンキー
07/05/03 23:35:03 Pnydaqwo
GJです!
続きお待ちし取ります~!

89:名無しさん@ピンキー
07/05/05 20:35:51 XCQY9/vu
♂タママ×♀タママなんてダメかな?
まだ構想段階だけど・・・

90:名無しさん@ピンキー
07/05/05 21:15:58 JkJnaUAH
人格分裂でもすんの?

91:名無しさん@ピンキー
07/05/05 21:17:04 fSKgUQbq
♀ケロマダー?

92:名無しさん@ピンキー
07/05/05 21:20:38 XCQY9/vu
そこは例によってクルルの発明で・・・

93:名無しさん@ピンキー
07/05/05 21:22:15 XCQY9/vu
追記 某アニメの魔獣"切ったり貼ったり"を参考にしたものです。

94:四七四式 ◆sqiwCTHRg6
07/05/06 23:28:44 JozObRqI
お待たせしました、四七四式です
予告にあったように♀ケロの続き投下です
今回は前言通りタマ桃を絡ませてみました
では…

95:『Dreaming sergeant Part-03 "偶"』(タマ桃)
07/05/06 23:31:01 JozObRqI
基地内に響かんばかりの大きな音を立て、ギロロはケロロの部屋の扉を開いた
否、どちらかというと蹴り破ったと言った方が正しいか
部屋の中ではケロロがタママと、さっき買ったガンプラを仮組みしているところだった
団欒とした空間を劈いてギロロが現れたものだから、2人は思わず手にしていたガンプラを落としてしまった
眉間に深い皺を刻みつつ、赤く燃えるギロロの視線はケロロへと注がれる
また侵略か何かの話かと思い、ケロロはごく自然に応対した
「ああギロロ、どったの?」
「…ッ」
しかし、ギロロの心情はそれどころではない
風呂場で自慰に耽る想い人と、その少女の口から漏れた気になる言葉の数々…
確かな事は解らずとも、ギロロは夏美の異変の原因がケロロにあることを、持ち前の動物的勘で察知していた
ギロロはケロロにズンズンと詰め寄り、おもむろにその首根っこを掴む
「貴様っ…夏美に何をしたァ!?」
「ゲ…え、え??」
こんな光景は小隊内でも日常茶飯事の筈だった
だがギロロの様子はいつもの激昂時に見せる顔のそれとは明らかに違っている
無論、この事に関してケロロは何も知らない
全く噛みあわない両者の問答に、強引にタママが割って入った
「ちょ、ちょっとギロロ先輩待って下さい!」
「どけタママ!これは重要な問題だッ!」
「えっと~…ワガハイ何かしたっけ?」
「き、貴様!!」
身に覚えのない訴えに言葉が詰まるケロロだが、その行動がギロロをもっと刺激した
横のタママを突き飛ばし、そのまま掴みかかるとケロロをその場へ押し倒す
流石にここまでの行動に出られるとケロロも憤りを感じ、言葉を荒げた
「ぎっ…何をするでありますか!!」
「黙れ!そこまでしらばっくれるとは…見下げ果てたぞ!」
「2人とも、ホントに止めて下さいですぅ!ギロロ先輩、どうしちゃったんですか!?」
側のタママを完全に無視したギロロの顔は、怒りで真っ赤になっている
血が滲むほどに拳を握り締め、その様子は尋常ではない
「ギロ…ロ?」
押さえつけられ、涙さえも瞳に浮かせている友の姿を見て、ケロロは喉を鳴らした
幼い頃からいつも一緒だった赤ダルマ
ちょっと融通が効かなくて、偏屈で、頑固で、だけどイイ奴
子供の頃からの腐れ縁で、ケロロも彼を異性として意識した事が無いわけでもない
何だかんだで頼りになるし、小隊内では一番頼りにしているつもりだった
そんなギロロがこんな顔を見せ、しかも自分を拘束して怒りに震えている
ケロロは、背中に嫌な寒気が走るのを感じた



『Dreaming sergeant Part-03 "偶"』



96:『Dreaming sergeant Part-03 "偶"』(タマ桃)
07/05/06 23:32:24 JozObRqI
「待たれよ!」
小隊始まって以来と思われる一触即発の状況下に、一陣の風が吹いた
次の瞬間、とんっ…とギロロの背に微弱な衝撃が起き、同時に彼の視界は暗転し、ケロロの上に倒れた
「わぷ!?」
「あ…ドロロ先輩」
そこに、小隊の縁の下の力持ち、ドロロ兵長がいた
彼は今にもケロロに殴りかからんとするギロロを止めるため、背中のなんたらかんたらというツボを刺激したらしい
ギロロをどかして起き上がったケロロは、晴れ晴れするような笑顔でドロロに感謝の意を述べた
「いやぁ~ドロロ、ほんとに助かったでありますよ」
「無事でなにより…と、言いたいところでござるが」
ツボを付いたときに使った小太刀の鞘をなおすと、ドロロはケロロに本当に身に覚えがないのかと、今一度問いただしてみた
事態は収拾したとはいえ、このギロロの過剰ともいえる行動や言動は無視できないものだったからだ
「だ~か~ら~、ギロロが勝手に言いがかりをつけてきたんでありますよぉ!」
「僕たちはずっとここでガンプラを作ってたですぅ」
「ふむ…」
いまいち納得ができない流れだ
ともかく、このままギロロを放置しているわけにはいかないので、ドロロがギロロを預かると進言した
「ダイジョブで…ありますか?」
「何があってこうなったかは存ぜぬが、また暴れだすとも限らんでござる」
ぐったりとしたギロロを見つめ、とても複雑な心境のケロロとドロロ
沈痛な面持の2人を前にして、タママも同じく嫌な気分になった
…しばらく静寂が部屋の中を包んだ
ドロロはギロロを水車小屋へと運び、タママは遅くなったので西澤家へと帰宅する準備を整えていた
そろそろ飯時なので、ケロロも散乱してしまったガンプラを片付けている
タママが持ち込んで食べ切れなかったお菓子をかたしている側で、こっそりケロロはあの薬を取り出す
「…」
この薬を手にしてから一ヶ月と少し…確かにこれは自分に大きな幸せを呼んだ
しかし、この薬と今回のギロロ暴走とは無関係なはず―なら、何も問題は…
…そういえば、薬を使い終わる時に自分はどうするのか?
いっそ人間になってしまって冬樹と歩むか、それともケロン人に戻ってこの僅かな蜜月に終止符を打つのか?
というか、使っているところを見られたりして、自分が女性だと周囲にバレたら?
冬樹はもちろん、夏美や秋の反応は?
いや、それよりも長年連れ添った小隊の皆に知れたらどうなる?
今回の騒ぎどころではない、恐ろしい結果になってしまうのでは?
最悪の展開の果てに待つバッドエンド
連鎖的にケロロの頭を恐ろしい情景が巡った
その途端、自分が手にしている薬が、今まで自分たちが手にしたどんな兵器よりも恐ろしいものだと思えて、ケロロはぞっとした
「(けど…ずっとずっと、冬樹殿のことが…)」
だが、もしかすると、逆にもっと良い結果が待っている可能性だってある
皮肉にも悪い結果より良い結果を連想することが難しかったが、ネガティブな思考に翻弄されていてはどうにもならない
ケロロはその大きな不安を、無理矢理自らの内へと封じた

97:『Dreaming sergeant Part-03 "偶"』(タマ桃)
07/05/06 23:33:42 JozObRqI
「ぐんそ~さん♪」
「…」
「軍曹さん?」
悩みで上の空のケロロに、タママの呼びかけは聞こえていない
もう帰るから別れの挨拶ぐらいしたかったのだが、応答がないのでタママは残念に思った
でも、ついさっきあんなことがあったのだから無理もないと察し、そっとタママは退こうとする
「じゃ、帰りますね?」
「…」
「……ん?」
名残惜しそうにタママが振り返る…すると、ケロロの側に赤い宝石のような何かが落ちていた
それはあの大事な秘密の薬で、ギロロに押し倒されたときに落としてしまったものだ
この薬、パッと見は綺麗なルビーのように見えるが、甘いものに眼のないタママには美味しそうな飴玉にそれが見えた
「(危ない危ない、拾い忘れがあったです……っと)」
ケロロの気分を害さないように、タママはそっと薬を手に取ると、持参したお菓子専用のリュックへと放り込んで立ち去っていった
…タママは、小型UFO以外の移動手段として、最初のころはワープを使用していた
時が経つにつれて円盤で移動するようになったが、たまに荷物の多い日などはワープを利用しており、今日のタママはワープでこちらに来ていた
そのワープ中、タママはケロロといたとき食べ損なったお菓子を見つめ、重々しく溜息をつく
「お菓子でもいいから…モモッチには元気になってほしいですぅ」
みんなには話していなかったが、あのあと冬樹に会えなかった桃華はかなり落ち込んでいるらしい
食べ物も喉を通らないようで、せめて何か口にしないと体に悪いと思い、後でタママはこのお菓子を桃華と食べようと思っていたのだ

98:『Dreaming sergeant Part-03 "偶"』(タマ桃)
07/05/06 23:35:13 JozObRqI
…その後、ケロロはいつも通り夕飯のため、食卓へと足を運んだ
だが、その席には夏美と秋の姿が無い
秋は仕事の関係でいないが、夏美は風呂場でのぼせて気分が悪くなったとかで、もう眠っているらしい
ギロロもドロロが連れて行ったので、今食卓を囲んでいるのは、冬樹とケロロだけである
先の騒動を振り払うかのように、ケロロは楽しげに膳を取った
「いやはや、ママ殿の作り置きがあったからカンタンにご飯ができたであります」
「…ごめんね、軍曹」
「ゲロ?」
箸を取り、ご飯を突付こうとしたケロロに、申し訳なさそうな顔で冬樹が謝った
何事かと思えば、例の頼まれたガンプラの一件のことだった
「あんなに楽しみにしてたのに…今日ね、とても面白い女の人に会ったんだ」
「ゲ……そ、それで?」
「その人、なんだかどこかで見たような感じだったんだけど、話してるととても楽しくって、まるで軍曹みたいだったよ」
「!」
「もしかしたら、あの人も宇宙人かも…なんてね」
冬樹にしてみればただの何気ない会話だったろうが、ケロロはそれを聞いただけで内心ドキドキであった
人間になった自分がどう思われたのか、正体がばれていないか…
だが、思いのほか冬樹が擬人化ケロロに感じた印象は、割と良いものだったようだ
ケロロは、そこで思い切って、冬樹にもっと突っ込んだ質問をぶつけてみた
「けど、その人が軍曹と同じガンプラを欲しがってて…それで譲っちゃったんだ。軍曹、ごめんね」
「ふっ…冬樹殿」
「ん?」
「その女の人って…えっと、冬樹殿はまた会ってみたいでありますか?」
かなりぶしつけなケロロの質問
一瞬、冬樹の脳裏に帰り際の夏美の言葉がよぎる
だが人を見る目が確かな冬樹は、迷わずこう言った
「うん、会ってみたい…かな?」
「…っ!!!」
まるで心臓を鷲掴みにされたような衝撃が、ケロロの心に響いた
嬉しい…ちゃんと、好意的な目で冬樹に見られていた
それが解っただけでも、ケロロは天にも昇る気持ちだった
今すぐにでもこの喜びを発散させたい衝動に駆られたが、取り敢えずはぐっと抑え、ニコニコ笑顔で冬樹に自分のおかずを分けるに止めた
「軍曹、鳥の唐揚げいらないの?」
「ふふん♪何でもないでありますよ、冬樹殿」
「あははっ、変な軍曹」
にこやかな談笑を交えながら、日向家の食卓は深けていった


99:『Dreaming sergeant Part-03 "偶"』(タマ桃)
07/05/06 23:36:44 JozObRqI
一方、ここは西澤邸・中央食堂
いつも数十人のスタッフが配備され、常に一流ホテル顔負けの料理ともてなしができる設備が整っていた
しかし、今ここを利用する人はおらず、非常に寒々としている
その食堂に現れたのは、さっきケロロと別れて帰ってきたタママだ
大きいテーブルには最高のコース料理とオードブルが置かれていたが、どれも全然手が付けられていない
ちょうどそこに屋敷内の警備をしていた吉岡平が通りかかったので、タママは話を聞いた
「桃華お嬢様ですか?…残念ながら、まだお食事には手をつけていらっしゃらないご様子です」
「そっか…やっぱり…」
吉岡平が言うには、桃華は自分の部屋にまだ閉じこもっているという
タママはそこへ向かい、大きな扉をノックした
「…モモッチ、起きてるですか?」
…反応は無い
桃華のこういう行動はたまにあった
大規模な予算を賭けたラブラブ作戦が失敗したときとかは、よく塞ぎこんでいたものだ
いつもだと、しばらくしたらまた気を取り直していたが、今日はちょっと長いので心配だった
「モモッチ…入っちゃうですよ…」
タママは、極力音を立てないように、そっと扉を押し開いた
部屋に入ると、タママは桃華を探し始めた
勉強机、トイレや洗面所、広大な庭を一望できるテラスと探したが、そのどこにも桃華の姿は無い
西澤財閥のご令嬢というだけあって、自分の部屋だけでも日向家とほぼ同じぐらいあるのだ
なかなか桃華が見つからず、困っていたタママは、まだ探していない場所があることに気付いた
「も、モモッチ~…?」
そこは寝室だった
桃華とタママは仲良しだが、さすがに部屋は別々にある
ことプライベートな場所なので、あまりタママもこの部屋自体に入った事はない
そして、有事以外はポールでさえも入れないのが、この寝室だった
うら若き乙女の寝床なのだから、触れられたくないこともあるのだろう
タママが桃華の寝室に入ったのは、かつて地球を去ろうとした時に訪れた時以来、初めてだった(詳しくはアニメ一年目最終回参照)
寝室は明かりが点いておらず、薄暗い中でタママは眼を凝らして桃華を探す
すると、ベッドでうつ伏せになっている姿を見つけた
「…」
「モモッチ、大丈夫ですぅ?」
「…ほっとけよ」
不機嫌なのか、今は裏モードらしい
「モモッチ、ご飯食べないと身体に良くないですぅ…もしダメだったら、僕のお菓子でもいいから食べて欲しいですぅ」
「いらねぇよ…」
言葉遣いは確かに裏モードのものだが、覇気が無い
毎度の事とはいえ、冬樹と会えもしなかったのは余程応えたと見える
それでもタママは引き下がらず、持っていた袋からお菓子を取り出した
「これ、前にモモッチがくれたお菓子の…ホラ、おいしいですよっ」
「お前のだろ…食べろよ」
「んもぉ…モモッチ!」
桃華は横にあったクッションを被り、自らタママの声を遮断した
そこまで意固地にされると、流石にタママもちょっとムッとして、ボリボリとお菓子を食べ始めた
「ふん!あとで欲しいって言っても、モモッチにはひとつもあげないですぅ!」
「…」
互いに険悪なムードのふたり
桃華を元気にさせるどころか、更に事態をこじれさせてしまったことを残念に想いつつ、タママはお菓子を口に運んだ

100:『Dreaming sergeant Part-03 "偶"』(タマ桃)
07/05/06 23:38:38 JozObRqI
と、その時だった
何かガリッと硬いものを噛み締めたので、タママは思わずそれを吐き出した
それは、さっきケロロの部屋で拾った、あの薬だった
「(…そういえば、こんなの僕食べてたっけ?)」
不審に思いながらも、再びタママはそれを口にする
だがコロコロと舌で転がしてみても、薬なのでまったく味がしなかった
耐えかねたタママはそれをガムの余った包み紙に包み、菓子の空袋の中に放りこんだ
「…タマちゃん」
ふと、桃華の表の声がしたので、タママは菓子を探る手を止めた
まだクッションを頭に乗せたままの姿勢で、桃華は呟く
「もしかして、私は冬樹くんに…嫌われているんでしょうか」
「…そ、そんなことっ」
「だって、私は今までずっと冬樹くんを振り向かせようと、色々手を尽くしてきましたわ…でも…」
クッションを枕元に置き、桃華は起き上がった
その顔は目元が腫れ、彼女がさっきまで泣いていたことを物語っている
そして、再び桃華の瞳がうるうると揺らいだ
「でも…結局それが報われないのなら、私は…」
「…ッ」
桃華の悲しそうな表情に、タママは心が痛んだ
思えば自分も似た境遇だが、相手にさらりと自分の好意を伝えられるタママと、繊細で言い出せない桃華とでは立場が違った
そんな真逆な自分が、どう桃華をフォローできようか
だがそれでも、タママは桃華のもとに駆け寄った
「モモッチ、もしフッキーがダメだったら…僕がモモッチのお嫁さんになるですぅ!」
「…タマちゃん」
「だからモモッチ…お願いだから、元気を出して欲しいですぅ……」
うっすらと涙を浮かべたタママの顔を見て、桃華の心は次第に落ち着きを取り戻した
やはり似たもの同士ということか、この2人はとても相性がいいのだろう
桃華はタママの気持ちを飲むと、ぐいっと涙を拭き、立ち上がった
「ありがとう…タマちゃん」
「モモッチが元気になってくれたら、僕はそれだけで嬉しいですぅ」
心配で曇っていたタママの顔も、晴れやかないつもの可愛らしいものへと戻っていた
…が、タママの顔がやけに赤い
成り行きとはいえ桃華に対して告白したようなものだから、動揺していたのだ
「ところでタマちゃん、タマちゃんが私と結婚するなら、タマちゃんは"お婿さん"ですわよ?」
「え?あ、ああっ!!…ハズかしいですぅ………」
「そういえば、ケロン人と人間では、結婚ってできるの?」
「うえっ!?モモッチまさか…??」
「勘違いするんじゃねぇ!興味本位だっつーの!」
裏の桃華が出てきた…ということは、もう桃華は大丈夫だ
タママは怯えて頭を抱えながらも、どこかホッとしていた
「ええと、異種族間の結婚はそんなに珍しい事じゃないですぅ。でもペコポンじゃあまりそういうのは認識されてないから、今のとこはムリっぽいです」
「ふぅん…それで?」
「たまに我慢しきれないバカがアブダクションしてゴーカンすることもあるけど――」
「って止めろよオイ!」
「ほんぎぇい!!」
「うわ…聞くんじゃなかった」
裏の桃華が出てきた…ということは、また口に気をつけないと
タママは桃華に蹴り飛ばされながらも、どこかウンザリしていた
…お互いに軽口を叩きつつ、遅い晩餐へと足を運ぶ2人
だが、その胎動は着々と進んでいたのであった

101:『Dreaming sergeant Part-03 "偶"』(タマ桃)
07/05/06 23:40:12 JozObRqI
時刻は既に午後の10時を回っていた
不貞腐れていたときはあまり何も感じなかった桃華だが、今は空腹を自覚して腹を痛めている
お嬢様である桃華の一日は規則正しく、普段なら夕飯もきっかり8時ぐらいに終わっているはずだ
桃華とタママがすっかり冷えてしまった料理をポールに温めてもらう間、ずっと腹が鳴っていたのは仕方が無かった
「お嬢様、お元気になられて何よりでございます」
「こちらこそ、心配をかけましたねポール」
「あぅ~おなかすいたですぅ」
「タマちゃんはさっきお菓子を食べてたんじゃあ…」
「お菓子は別腹だからおなかはすっからかんなんですぅ」
5分と経たない内に、料理は一時前の暖かなものへと戻っていた
桃華とタママは仲良く手を合わせ、静かに腹を満たした
ところが、一人だけ様子がおかしい者がいた…タママだ
「うう…なんかハシが進まないですぅ」
「タママ殿、間食は健康に悪いでございます」
「違うですぅ!ホントはちゃんと食べられるのに…なんかおなかがつっかえてるって言うか、えっと~…」
「無理しないほうがいいですわ、タマちゃん」
結局、タママは料理に手をつけぬのをよそに、桃華は腹を満たした
時間も遅いため、桃華はすぐにお風呂へと進んだ
タママもタママでもう寝ようかと、まっすぐ自分の部屋へと向かった
「ハァ…なんだか今日はいろんなコトがあったですぅ」
大好きな軍曹さんとガンプラ組んだり、いきなり怒髪天なギロロ先輩が怒鳴り込んできたり、モモッチを励ましたり…
廊下を進みながら、タママは今日あった事を思い出していた
だが若者の興味はすぐに変わってしまうもので、もうタママは次の日のことに考えが移っていた
また軍曹さんといっしょにあんなことや、こんなこと…♪
「!」
考え事をしていたせいか、突如タママはつまづいてしまった
何も無いところでつまづくなどらしくないと思いつつ、タママは立ち上がろうとした
だが、妙な事に身体に力が入らない
そればかりか、だんだん全身を激痛が伝い始めたのだ
心臓の鼓動が早くなり、体が熱くなる…
実はさっき桃華の部屋にいたときに嘗めた、あの薬が発動していたのだ
ただ嘗めただけなので効果は薄く、ケロロの時ほど痛みは無い
しかし、何も知らないタママにしてみれば、十分なほどの苦しみだった
「ぐ…あぁ…ッ!!痛っ!いぐっ…っ……!」
―何が何だか解らない
―とにかく、桃華のところへ行かなければ
ぐらつく意識の中、本能的な意志が働いたのか、タママは変化する身体を引きずりながら、ゆっくりと歩き始めた

102:『Dreaming sergeant Part-03 "偶"』(タマ桃)
07/05/06 23:41:42 JozObRqI
「♪♪♪」
一方、こちらは桃華の部屋の浴室である
心地よいシャワーを浴びながら鼻歌を歌ったりと、女の子だけのプライベートなひと時を堪能していた
以前に幼児体型と呼ばれた彼女の身体だが、しかしそれはそれで魅力的な、なだらかな線を描いている
名前のように桃色に染まった肌は、湯水の流れにまったりとした心地よさを感じていた
だが、不意に何かの気配を感じた桃華は、ちらりと後を振り向いた
「…?」
さっき、そこで何かが倒れるような音がしたような…?
空耳だろうと思い、桃華はギリシャ産最上級のシャンプーを手に取った
ノズルから香りの良いジェルを出し、それを頭につけようとしたところ…また何かの気配を感じて、桃華は聞き耳を立てた
ちなみに、ここにムクジャンはいないはずである
「どなた…ですか?」
応答は無い
しかし、何かが部屋の扉の前にいる事だけは確かだ
桃華は手のジェルを落とし、タオルで紙や身体を拭くと、バスローブを着て浴室から顔を出した
浴室ではシャワーの音が邪魔していたが、外に出ると何かの呼吸する音が聞こえる
ポールならこんな真似はしないし、親衛隊の人などもっての他
メイドたちのイタズラでもないだろうし、タママはもう寝てるはず…
桃華の背筋に悪寒が走った
「まさか…お、オバ…ケ?」
「モモッチ…」
「!」
ちょっと元気が無いようだが、あの声はまさしくタママのものだ
大きく溜息をついた桃華は、どうしたのかと扉の向こうのタママに問いかけた
「どうしたんですの?怖い夢でも…」
「…」
「タマちゃん?」
何か様子がおかしい事に気付いた桃華は、浴室から出ると内鍵を外して扉を開いた
それと同時に、扉の前にいるタママが姿を現す…かと思われた
だが桃華の前に現れたのは、見ず知らずの少年だった
少年は少し長めの黒髪にボーイスカウトのような服と短パンを着用していて、その衣装は黒を基調にしている
歳は桃華と同じか少し上みたいだが、背丈は若干少年のほうが上のようだ
呆気に取られた桃華は、ろくなリアクションもできずに少年を傍観していた
「へ…?」
「モモッチ、僕です…」
「た…タマちゃん?タマちゃんなの!?」
いきなり人間になって現れたタママに思いっきり驚く桃華
しかも続けてタママが倒れたので、桃華は更に驚いてしまった
「タマちゃん、一体何があったんですの!?」
「…ぐ…う」
「え?何と……?」
「おなか…すいたですぅ」
そう言ったとたん、タママはがくりと意識を失った
説得しにきたときに置いていった菓子がまだ転がっていたので、桃華はそれを強引にタママの口へと突っ込む
「どーいうことなんだタマ公!おら起きて説明しやがれ!!」
「グゴゴゴ…ってホントに死んじゃうですぅ!!」
一体何が起こったのか?
桃華とタママは、とりあえず寝室で状況の整理に勤めることにした

103:『Dreaming sergeant Part-03 "偶"』(タマ桃)
07/05/06 23:43:14 JozObRqI
お菓子を食って元気を取り戻したタママは、自分が人間になってしまったことに、改めて驚いていた
当のタママもどうしてこんな事になったのか、まるで原因がわからないという
「確かに声や行動はタマちゃんですわね…でも一体、何があったんでしょう?」
「いきなり体が痛くなったと思ったら、突然こうなっちゃったんですぅ」
よもや飴玉と思って口に含んだものが原因だとは、流石に気付いていない
それよりも、人間になったことでタママは幾つも障害を抱えていた
まず、ケロン人よりも高い視線なので、まるで竹馬に乗っているような変な感覚であるという事
そして、さっきから体のある部分がおかしいという事だった
「ある部分?」
「それは……」
タママはなぜか恥ずかしがって、話を進めようとしない
そんな不可解な状況でイライラが溜まったのか、裏の桃華が出てきて強引に問い詰めた
嫌がるタママが抵抗したので、桃華は力で屈服させようとする
「いいからどこなのか言えよ!頭か?」
「やっ…ダメですぅ!」
「人が気遣ってんのに無碍にする気か?ちょっと見せてみ…ろ……」
「…っ」
先程から桃華は、自分があられもない格好だという事をすっかり忘れていた
そんな扇情的な場面を年頃の男の子が見たらどうなるか…反応はひとつだった
「うわ…コレ……」
厚手の短パンの上からでも解るぐらい、タママの雄が勃ち上がっていた
男が興奮するとこうなることはだいたい解っていた桃華だが、直にこういう光景を見るのは当然初めてだった
そのため拒絶する事もなく、じっとそれを凝視している
しかし男の象徴を異性に見られるのは気分がいい事ではない
どうにか桃華をふりほどこうと、タママは隙を見て桃華の襟首を掴み、組み敷かれた状態から脱出しようとした
「うわぁっ!」
…が、変な体勢で暴れたせいか、2人はバランスを崩し、そのままベッドへと倒れこんでしまった
しかも倒れる際に思いっきり頭をぶつけたので、しばらく動けないまま悶えた
「~~~~ッ」
「…ッ、んのバカ野郎!痛ぇじゃねえか!」
「モモッチだって、いきなり僕の…を見ようとするからっ!…はれ?」
「あ…」
その時、2人の表情が固まった
今のいざこざのせいで桃華のバスローブが解け、胸や腿が大胆な形で露出していたのだ
しかも倒れた格好が桃華を押し倒すような姿勢になっている
桃華とタママは顔を真っ赤にして、しばらく互いを見つめ合った
そのうち桃華が乱れた部分を直そうと、そっと自分の胸元に手を伸ばした
だが、その手をタママが掴む
「た…タマちゃん?」
「シャンプーの…いい匂い」
「あっ!!」
まだ若く思春期真っ盛りな少年でもあるタママが、この状況を甘受することなど出来るはずもなかった
己を見失ったタママは桃華の手を取ると、彼女の首筋に口を付けた
そこを甘噛みされ、桃華はちいさな悲鳴を上げる
「大丈夫だから…」
「やっ!タマちゃ…そこ、ああっ!!」
タママは桃華の両腕を片手で拘束すると、空いたほうの手でバスローブを強引に脱がし始めた
当然バスローブの下は裸身である…シャワーで濡れ、ほんのり火照った身体が、タママの目に晒されていく
桃華はなんとかタママを振りほどこうとしたが、人間になってもタママの馬鹿力は相変わらずで、ビクともしなかった

104:『Dreaming sergeant Part-03 "偶"』(タマ桃)
07/05/06 23:44:42 JozObRqI
「ダメ…ですわ……タマちゃん」
親以外に初めて裸を見られ、桃華は顔から火が出るほど恥ずかしがった
しかしそんな桃華の様子などに構う事もなく、タママは彼女の胸へ顔を寄せる
そして小さな膨らみを嘗めると、桃華の身体はびくりと跳ねた
お世辞にも豊かとは言えない桃華の乳房は、アブノーマルな感覚を感じ、乳首を勃起させていた
「ひッ…!ん、はぁっ!あくッ!」
「ん…ちゅ…」
「や…はぁっ!!あぐうっ!」
ただ嘗められているだけだが、湯上りで敏感になっていた桃華の肢体には十分すぎる攻めだ
彼女の柔肌にはタママによって刻まれたキスの痕がいくつも残り、唾液によって艶かしく光っている
タママの口は次第にトップへと移り、まるで乳飲み子のように彼女の乳頭を啜っていく
「か…はぁ…ぁ……!!」
もうタママによる拘束は解かれていたが、快感でギリギリだった桃華は抵抗すら忘れていた
仰け反りながら、四肢を巡る快楽の波を必死に受け止める桃華
その体は、玉のような汗ですっかり濡れきっている
無論、それは女の最も大事な部分でも同じ状態だった
「…」
「っ!」
股の辺りに違和感を感じた桃華は、ハッとして体を起こした
既に桃華の秘所はぬるぬるに濡れている
そこをタママの勃起したものが、短パン越しにグリグリと押し付けていたのだ
挿入こそされていないが、膣口を突き上げられ、本番さながらの快楽が桃華を襲った
「モモッチ…おいし……」
「ふうぅっ!!」
「んく…んん…」
タママの攻めは力で畳み掛ける単調なものだったが、幼い桃華にとってはあまりにも大きい衝撃だった
突き上げられるたびに肩が震え、口からは切ない吐息が漏れる
快楽は増長し、2人は一気に限界まで登りつめた
「…ッ、ふあぁっ!ひあああああぁぁッッ!!!」
1、2度ほど桃華の体が激しく跳ね回った刹那、半端に繋がった部分から潮が吹き上がる
亀頭を締め付けられ、同時にタママも弾けた
服越しに感じる生暖かさに、桃華の意識はまどろんだ
タママも絶頂の反動で気を失い、かくりと桃華の上へと倒れた
「はぁ゙っ…!はぁ゙っ……たま…ちゃ……ん」
「………」
余韻でぐらつく頭をもたげ、桃華はタママを抱き起こした
ところが、そこにいたのはあの見慣れた黒い宇宙人であった

105:『Dreaming sergeant Part-03 "偶"』(タマ桃)
07/05/06 23:46:36 JozObRqI
これには桃華もきょとんとして、しばらく状況が飲み込めずにいた
…実は、この時タママが服用した薬の効果が、ちょうど切れたのである
確かにタママはあの薬を口にしたが、ただ嘗めただけだったので、その効果は1時間もしないで切れてしまったのだ
「夢…?いえ、私はタマちゃんと…っ」
次第に冷静さを取り戻していった桃華は、今しがた自分がしてしまった事を自覚し、ひどく赤面した
しかし桃華はそこにすやすやと寝息を立てるタママを、ただ静かに見つめているだけだった
いつもの彼女であれば、烈火のごとく怒ったはずである
ましてや、乙女の体を悪戯に弄ばれたのだ…怒らないとすれば泣いていてもおかしくない
だが、彼女は頬を染め、汗に濡れた体でタママを見つめているだけだった
…考えてみれば、桃華は異性から面と向かって告白された事など、今まで一度も無かった
財閥のお嬢様ということで学校では冬樹と出会うまで浮いていたし、彼女自身も冬樹一筋で進んでいたから、別の男性を意識する事も無かった
そんな桃華の心に、さっきタママが投げかけた言葉が、思いのほか深く響いたと思われる
「ん…」
「あっ、タマちゃん…」
ようやくタママが目を覚ましたときには、もう桃華はパジャマに着替えていた
タママは何があったのかよく解らなかったようだが、さっきまで自分が何をしていたのかを思い出し、顔を真っ青にした
「あ…わ…わああっ!!モモッチ…ごめんなさぁい!!」
「まぁまぁ…タマちゃん、私はそんなに気にしていませんわ」
「…ほえ?」
「今日は、いっしょに寝ませんこと?」
「えっ?」
理解不能なシチュエーション続きだったが、タママはこれに甘んじた
またシャワーを浴びなおしたのか、桃華の髪がよく香る
時間は、夜の2時を過ぎている所だった


106:『Dreaming sergeant Part-03 "偶"』(タマ桃)
07/05/06 23:47:56 JozObRqI
同刻、こちらはケロロの部屋
冬樹との時間を満喫したケロロは、ある算段を立てていた
すなわちデートの第2弾である
今度はどうやって冬樹と出会おうか…ケロロは終始ニコニコ顔だ
まだ薬が一個減っているのには気付いていないようだが…
「ふぅ…」
もう夜も遅い
大きく背伸びをすると、ケロロはどさりとベッドに体を委ねた
「冬樹殿…」
次のデートも予定はバッチリだ
そう確信しているケロロだが、彼女はまだ何も知らなかった
あの薬に、大きな欠陥があることなど―――



【to be Continued】
(薬の数…残り5錠)

107:四七四式 ◆sqiwCTHRg6
07/05/06 23:50:01 JozObRqI
今回はここまで
次からはまた他のキャラクターの心情の動きも交えつつ、ケロロの同行を書いていく予定です
まだ未消化のSSもいくつかあるので、次に投下するとしたらそっちからになりますが…

108:ギロ夏スキー
07/05/07 00:53:39 +ZaUaglc
ご苦労様でした。
GJです。
これからの展開が楽しみでなりません。
個人的には擬人化したギロロと夏美の話も読んでみたいですね。
それと今書いている小説ですが、完結できませんでした。
一部は完成しているので、なんとか明日には投下する予定です。

109:名無しさん@ピンキー
07/05/07 01:05:11 F0kmm+0i
ぬおお
おふたりとも、おつかれさんです。GJ!
先の展開が楽しみだ~
あまり根を詰めずにがんばってくだされ。正座して待ちます。最近暑いので、全裸で。

110:名無しさん@ピンキー
07/05/07 06:34:41 NivKVBmQ
キイタァァァァァァアァァ!!!!!!!!!!!

111:名無しさん@ピンキー
07/05/08 20:39:53 Yvs0lll4
久しぶりにココ来たけど、なんつーか文章のレヴェル高いなぁ…

GJの嵐だぜ!!

112:名無しさん@ピンキー
07/05/10 10:07:50 MOjOAad6
初めてココに来たんですが、何か凄いですね。
小雪×冬樹ってもうあります?
ネタだけ提供したいんですが、ペコポンでの暮らしを支える為に小雪が援助交際紛いの事してて(忍は今の世に適応できないし、生活費が不足)、
その現場を学校で冬樹に見られる。
小雪は夏美に知られたくない一心から冬樹に口止めを迫る。
しかし冬樹は本当の友情の在り方を説き、夏美に告白する用に説得。
それを聞いて恐れた小雪は無理矢理冬樹を犯し、冬樹の純粋な心に罪悪感を植え付ける事で口止める。

冬樹は軽い人間不振に陥るが、実はその現場を桃華に見られており…

ってのはダメですかね。
自分文章力もエロ表現力も無いんで小説書けませんから、
どなたかやって下さると嬉しいんですが…。
図々しいですかね。
気にいらなければ結構ですが、できればやって欲しいなぁ、と思ったり。
重い話になりそうですけどね。

113:名無しさん@ピンキー
07/05/10 21:07:38 i4hUQMca
>>117
ケロロなんだから
君が望む永遠のパロネタも入れるとなお良しだな。

114:名無しさん@ピンキー
07/05/10 21:08:29 i4hUQMca
アンカーミス
>>117>>112

115:名無しさん@ピンキー
07/05/10 22:16:42 MOjOAad6
>>113
パロネタですか…忘れてました。
うーん…
小雪が冬樹を犯してしまう際に軽く誘惑させて、
拒否する冬樹を縛る為に
金縛りの術を使うってのはナルトのパロにはなりませんかね。
適当に印結ばせて茶の葉の里で覚えたとか言って。

あとはハットリ君のネタで行為の後に妊妊(ニンニン)とか。
うー、これ位しか…
幅狭くてすいません。

116:名無しさん@ピンキー
07/05/10 23:03:38 MOjOAad6
連レスです。
自分のレス、2ちゃんにしては丁寧というか
気持ち悪いカキコかもしれませんね。

別に他意はありません。
ただケロロのエロパロがあったのが嬉しかったんで
ネタだけ残したつもりです。
作家さんの人達はこれからも頑張って下さい。
ちょくちょく覗くと思うんで。
それでは。

117:名無しさん@ピンキー
07/05/10 23:07:13 OfMfeqeq
>>112
ストーリー性を持たせたいなら、自分で書くのが一番だと思うぞ。

運良く職人が書いてくれて、自分が考えてた話と趣向が全く違ってたら、素直に喜べるか?

118:名無しさん@ピンキー
07/05/11 00:15:32 GbE28td5
>>117
分かりました。
よく考えたら文章創るだけでも大変ですよね。
とりあえず少し書く練習してみます。
納得出来る出来になったらココに投下するかもしれません。
お騒がせしました。

119:名無しさん@ピンキー
07/05/11 00:31:07 qvl8fDtQ
>>118
おう!!頑張れ!!>112のシチュ面白そうだから楽しみにしてる

120:名無しさん@ピンキー
07/05/11 23:56:41 ZD9L4OIe
>>112
本当の友情のあり方はともかく、友情を続けたいならなおさら告白するべきじゃないと思う
これは引かれる
それがまだ分からない? 冬樹ーというのもキャラ的にはオッケーな気がしますw
投下楽しみにしてますねv

121:名無しさん@ピンキー
07/05/12 14:05:18 yfbv0lSG
これといっちゃあ何ですけど冬桃のエロ小説読んでみたいです。
シチュはエッチしたくなる薬を飲んだ冬樹と桃華がエッチをする。
幼い発展途上の体でのエッチが見たいです。
一応機会があれば投下します。

122:名無しさん@ピンキー
07/05/13 21:06:58 LYB+EwK4
職人さん方、GJです!!

123:名無しさん@ピンキー
07/05/19 01:25:05 Km/93HCQ
保守アゲっとく

124:名無しさん@ピンキー
07/05/21 20:57:11 8msPnmSk
>>108
ギロ夏スキーさんはもう書かないのか?

125:名無しさん@ピンキー
07/05/23 10:23:55 KeyWIMJL
>>95
遅レスですがGJ!
自分はタマモア的なシチュに弱いんですが
タマ桃も凄くエロエロでかなり萌えました。

>>112
がんがってください。正座してお待ちしております。

126:名無しさん@ピンキー
07/05/26 10:36:32 r7Z9hWmY
今日のケロロ見たらサドなプルルの話が思い浮かんだ

127:羽草
07/05/26 12:11:06 WbbDDtKi
どうも。前スレでキルルとミララの小説を書いた者です。
予告した通り、今マールの小説を書いてます。
相手はメールで、シチュは映画のその後といった感じです。
完成率は・・・結構忙しい身なので五割と六割の間ぐらいです・・・。
投下まであとどれくらいかかるか分かりませんが、なるべく早く投下できるよう
がんばるので、気長に待ってて下さい。

128:名無しさん@ピンキー
07/05/26 16:16:05 DnA/8xkL
>>127
おおお!!!
是非頑張って下さい!

129:名無しさん@ピンキー
07/05/26 18:23:13 6TRscWRu
キルミラ小説の作者さんか!
頑張ってください、期待してますb

130:名無しさん@ピンキー
07/05/30 18:26:02 zfavwFJd
ほしゅしゅ

131:名無しさん@ピンキー
07/06/02 02:35:35 Z13rDLOh
作品は少ないがクオリティは高い、そんなここが大好きだ。
つーことで支援保守

132:四七四式 ◆sqiwCTHRg6
07/06/02 21:10:12 XefXTE7N
前スレで言っていたプルル×ケロギロドロの乱交話、やっとこさ完成しました
アニメ基準…というかキャラ設定はケロラン寄りになりましたがご容赦下さい

明日辺り投下しようかと思います

133:名無しさん@ピンキー
07/06/02 22:07:55 6bR96fL6

四七四式さんキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!

遂に完成しましたか!!お疲れ様です。明日が楽しみだ











一人事
(誰かココの小説に挿入絵とか書いてくれる人とか居ないのかな??)

134:名無しさん@ピンキー
07/06/03 07:36:33 fuleZ3pq
キタワァ......

135:名無しさん@ピンキー
07/06/03 15:29:07 kGLDqg7z
AAで挿入絵かw
♀キャラでw

136:名無しさん@ピンキー
07/06/03 16:41:30 w1H+x8Nj
>>135
誤爆?

137:名無しさん@ピンキー
07/06/03 23:04:36 fuleZ3pq
>>136
たぶん135は「2ch的には、挿絵もAAだよなー」とか思ったけど、♀をAAでかくのは
厳しいだろwってことじゃね?

138:四七四式 ◆sqiwCTHRg6
07/06/04 00:04:12 KVB4Szvx
お待たせしました
予告よりちょっと過ぎたみたいですが、投下したいと思います
ケロランのプルル登場回を下地に幼年訓練所の話を色々と膨らませてみました
少しショタめの描写もあったりするのでニガテな人はご注意のほどを…
ではでは↓

139:『散りゆくは美しき幻の夜』(プルル乱交)
07/06/04 00:05:27 KVB4Szvx
ある日、突然ケロロ小隊の前に、見知らぬ少女が現れた
それは人間化してケロロたちの内偵調査のために来た、ガルル小隊のプルル看護長だった
幼馴染との再会に色めき立つケロロたちだが、それからすぐにプルルは本隊へと帰還していった
「プルルちゃんも、変わりなかったであります…」
去っていくプルル…それを見つめつつ、ケロロは呟いた
いろんなことがあった幼年時代
ケロロの瞼に、その頃の思い出が懐かしく浮かんだ



『散りゆくは美しき幻の夜』



「おっせーじゃんゼロロ!置いてくよー?」
「ま、まってよケロロ君…ハァ」
「大丈夫か、ゼロロ」
蒸し暑い日差しが照りつける中、ケロロ、ギロロ、そしてゼロロの三人組は、なぜか山登りをしていた
ここは幼年訓練所の裏にある山で、たまに演習などに使われるところだ
どうして3人がこんなところにいるかというと、その発端はケロロにあった
その頃、ケロロたちはちょうど夏休みを満喫していた
だが四六時中遊びまくったせいか、夏休み中盤に差し掛かった頃にはマンネリ気味になっていたのだ
プールに虫捕り、肝試しに海水浴と、思いつく限りの楽しそうな事はやり尽くした
退屈で退屈で、とりあえずいつものように秘密基地に集まっていたケロロは、そのときある事を思いついた

"成年訓練所に行ってみない?"

成年訓練所…ケロロたちが幼年訓練所を卒業すると、成績次第ではそのまま軍人になれる場合があるが、ほとんどの場合は進学する
幼年から青年、そして成年訓練所と進むのだが、解りやすく言えば小中高の学校といったところである
しかし成年訓練所はかなり厳しく、関係者以外は近づくことすら許されていない場所だった
もちろんギロロ達も反対した…だが、「行くなと言われるところに行く、入るなと言ったところに入る」というケロロの悪い癖のせいで、ここに至るのだ
「裏山からだったらダイジョブだって!」
「も、もしバレたらどうするの?怒られるだけじゃすまないかも…」
「ギロロの兄ちゃんもいるんだろ?だったら俺達も十分関係者じゃん!」
「ぜんぜん理由になってないだろ…」
立ち入り禁止の鉄条網をくぐり、いよいよ成年訓練所の敷地へと足を踏み入れたケロロたち
だが、ここは軍に最も近い教育機関である…その警備設備も軍隊並みに強固なものだった
鉄条網を越えたとたん、突如大音量のブザーが鳴り響いたのだ
「ゲロォーーー!!?」
「だから言わんこっちゃ無い!はやく逃げるぞ、ケロロ!」
「わぁっ!待ってよ~!」
今来た道を引き返そうと、回れ右をしたケロロたちだが、既にそこは分厚い壁で区画を隔てられていた
ここに閉じ込められた…?
頭から血の気が引き、真っ青(1人は最初から青いが)になる3人
けど、このままでは見つかってしまう
一計を案じたケロロは、最終手段に打って出た
「こうなったら…成年訓練所に隠れよう!」
「えええっ!?」

140:『散りゆくは美しき幻の夜』(プルル乱交)
07/06/04 00:06:24 KVB4Szvx
大急ぎで山を駆け下りたケロロは、とうとう成年訓練所へと辿り着いた
しかし、もう後には戻れない…ここからどうやって外に出るかが問題だ
なんとかケロロたちは倉庫みたいな所へと隠れ、状況の打破に努めた
「ギロロ、ギロロの兄ちゃんに頼んで、なんとかならない?」
「兄ちゃんはこないだから夏の演習で別の惑星に出てるんだ…帰るころにはたぶん夏休みが終わってるかも」
「どどどどどうしよ~」
「う~ん…」
状況は絶望的だ
下手に動く事も出来ない中で、ケロロたちはじっとしているしかなかった
―夕方までに帰らないと、怖い父ちゃんにどやされる…
―また兄ちゃんに迷惑はかけたくないし…
―母さんが心配してたらどうしよう…
3人の間に、どんよりした空気が渦を巻いた
と、その時だった
「――じゃあ、次はあの星の侵略だね?解ったよ」
「お、おい、誰か来たぞ!隠れろ!」
倉庫に現れた人影に気付き、ケロロ達はとっさに物陰へと息を潜めた
そこに現れたのは、そのころから売れっ子侵略者として名を馳せていたウレレだった
どうやら軍の高官から依頼を受けているようだ
こんな場所での相談なのだから、たぶんイリーガルな注文なのだろう
しかし子供であるケロロたちにとっては、何が何やら解らない話だった
「宜しく頼む」
「それについては病院に寄ってからすぐ行くので、明日には完了すると思います…では」
ビジネスライクなウレレは敬礼も共鳴も省略し、足早にそこを後にした
高官もいなくなり、やっとケロロたちは物陰から出てきた
「ふぅ…危なかった~」
「いったい今のはなんだったんだろ?」
「思い出した!!」
「うわっ!?」
緊張の糸が切れ、ホッとしているケロロたちの脇で、いきなりゼロロが大きな声を上げた
「ゼロロ!見つかったらどうすんだよ!?」
「ご、ごめんケロロ君…じつはさっきあの人たちが話してて思い出したんだけど、ここには病院があるんだよ」
「病院?」
実は、ここ成年訓練所には、実習を兼ねて作られた大きな医療施設があるのだ
解りやすく言えば大学病院のようなもので、そこではこの施設の中で、唯一部外者の出入りが許されている場所だった
かつてゼロロが喘息になったとき、ここの病院に来た事があったのだ
「…つまり、病院に入りさえすれば、ここから出られるんだな?」
「うん」
「スゲー!ゼロロやるじゃん!」
「でも…ここからどうやって行けばいいか解らないよ?」
「それならさっきの人も病院に行くって言ってたから、ついてけばなんとななるんじゃないか?」
「よっしゃ、じゃあさっさと行こうぜ!」
光明が見え始め、ケロロたちは僅かながら救われた感じがした
だが、ケロロたちが向かった先には、運命の出会いが待っていたのだった――

141:『散りゆくは美しき幻の夜』(プルル乱交)
07/06/04 00:07:32 KVB4Szvx
ウレレは胃腸薬を処方しに成年訓練所内病院へと向かっていた
その後を、ケロロたちは隠れながら進んだ
道中、彼らは幼年訓練所よりも巨大な建物や広大な施設を目の当たりにして、大きく感銘を受けていた
ずらりと並んだ射撃場、大型の戦略シミュレーター、全天候型ドームの体育館、重厚な兵器や車両の数々…
そしてしばらく進んでいくと、これまた大きな白い建物が現れた
これこそ、目指していた病棟だった
「よ~し…とっととあそこへ飛び込もうぜ!」
「ああ…ん?ちょっと待て!」
「なんだよギロロ~」
「…あれを見ろ」
急ごうとしたケロロを静止したギロロが指す先には、病院の入り口が見えた
しかしそこには歩哨が立ち、持ち物検査等を行っている
ここまで来たのに、こんなところで足止めとは…ケロロたちは焦った
「ど、どうするのケロロ君!?」
「ヤッベー…」
何か、何かあそこを突破する方法は無いのか
祈るような気持ちでケロロは周囲を見渡した
もしあそこでストップされたら、勝手に入ったのがバレる
ともなれば、思い切って別ルートでの脱出を考え直そうか
様々な策が頭を巡るものの、確実性の無いものばかりだ
…すると、ある病室の窓が開いているのに気付き、ケロロは目を細めた
「あ、アソコ!」
「え?」
もうこうなったら手段を選んでいる余裕はない
ケロロは一目散に、窓が開いた病室へと向かった
そこは幸いにも歩哨の居るところからは死角になっている
走るケロロに遅れまいと、ギロロとゼロロも続いた
「おい、それってフホーシンニューってやつじゃ…」
「ケ、ケロロ君!」
3人は一緒に手を繋ぎ、その病室へと飛び込んだ

142:『散りゆくは美しき幻の夜』(プルル乱交)
07/06/04 00:08:40 KVB4Szvx
「いだっ!」
「ぐぉっ!?」
一気に飛び込んだせいで、ケロロたちは折り重なって倒れこんだ
何も反応が無いところを見ると、なんとか気付かれずに入る事が出来たようだ
「ヤッフゥ~…これで一安心だなぁ」
「バカ!いくらなんでも今のは危なかったじゃないか!」
「やめてよ2人とも~!」
「うふふ…っ」
「…?」
その時、ケロロ達はひとつだけ大きな見落としをしていた
飛び込んだ先の病室…そこにいる患者の事だ
いきなり見ず知らずの子供が飛び込んできたら、大騒ぎになっていただろう
しかしここにいた患者は、3人のやり取りを微笑ましく見ていただけだった
「あ…えっと…」
ケロロたちは言葉に詰まった
誰かに見つかったという緊張感もあったが、それ以上に、その患者に見入っていたからである
患者の名はプルル…まだこの時は、ただの1人の少女であった
突然の訪問者にプルルは物怖じする事もなく、くすくすと笑っている
その笑顔はとても可愛く、3人は頭からポーっと熱くなる、ヘンな感覚を共有した
「あなたたち、どこから来たの?」
「そ、それは…その…」
「ここの裏の山から…えっと……」
「山から来たの?ふふ、おかしな人たち」
またプルルは微笑んだ
ますますケロロ達はたじろぐ
ともかく、このままここに長居は無用だ
一刻も早くここから脱出したかったケロロたちは、プルルの病室を出て行こうとした
「そ、それじゃ…」
「待って!」
ところがいきなりプルルに呼び止められ、今度は3人同時に頭から冷たくなる感覚を共有した
「…ナニ?」
「あの……あなたたちが誰かは知らないけど…その、また、私のところに来てくれる?」
「えっ?」
「あたしプルル、この向こうの幼年訓練所にいたんだけど…今はここにいるの」
ちょっと困り気味の笑顔を見せながら、プルルは腕の点滴を引っ張った
聞くところによると、彼女は病気がちで訓練所に通えなかったという
そういえば3人は、自分たちのクラスにゼロロと同じように、いつも休んでてカラの席があるのを思い出した
そう、ケロロたちと一度も会ったことが無かったが、プルルは彼らの同級生だったのだ

143:『散りゆくは美しき幻の夜』(プルル乱交)
07/06/04 00:10:32 KVB4Szvx
この思わぬサプライズに直面したことにより、ケロロたちはしばしの間プルルと時間を共にする事になった
初めて会ったばかりだが、すぐに3人とプルルは打ち解ける事ができた
ずっと病院に居るが、みんなに遅れないように病室で勉強をしている事
実はガルルとも既に面識がある事
この病院は結構セキュリティがいい加減である事
そして、いつも病室で1人だけで孤独だった事など、彼らは話し合った
時間を忘れて団欒していたせいで、その後遅い時間に帰宅した3人は、揃って叱られた事も付け加えておこう
兎にも角にも、こうしてケロロたちに新たな夏休みの楽しみが増えることになった
3人は何度も病院へ通い、その都度プルルと会った
時にはこっそり病院から抜け出して、秘密基地に連れて行ったこともある
その際は看護婦さんに見つかって、大目玉を食らってしまったが…
またある時には、夏休みの宿題を手伝ってもらう事もあった
退屈だった夏の日を、あっという間に吹き飛ばしたプルル
いつしか彼女の存在は、ケロロたちの間で大きなものに変わりつつあった
…ある日、いつもと同じようにケロロたちが面会に訪れた
いつも通りの楽しげな談話が続いたが、それも看護士さんの言葉でお終いになってしまった
「プルルちゃん、そろそろ面会時間も終わりですよ~」
「えっ?もうそんな時間?」
「あーあ、もう終わりかよ」
「大丈夫だよ、また明日もあるんだし」
このところ楽しい日々が続いていたが、楽しければ楽しいほど時間は短く感じるものである
ケロロたちは勿論、そう感じていたのはプルルも同じだった
「…」
「それじゃ、プルルちゃんまた今度ネ~」
「ねぇっ」
「ん?」
「ちょっとイイ事思いついちゃったんだけど…みんな、耳貸して」
プルルは、3人にこっそりとある話を持ちかけた
その話に対して、ケロロたちは目を光らせた
「へぇ~、なかなか面白そうじゃん!」
「うん、そうだな」
「でも母さんたちには何て言えば…」
「それなら、それぞれ互いの家に行くって言えばいいんじゃないかしら?」
「いーじゃんいーじゃんすげーじゃん!よし、キマリ!」
まるで遠足に行くかのように、うきうきしながら何かの段取りを決めていくケロロたち
その時は軽い気持ちでのたまっていたが、それがのちのち夏で1番の思い出になろうとは、このときの4人に知る由もなかった


144:『散りゆくは美しき幻の夜』(プルル乱交)
07/06/04 00:11:34 KVB4Szvx
次の日、プルルの病室へ看護士さんが検診に訪れた
だが、いつもはワイワイ騒いでいるはずのケロロたちの姿が見えない
「プルルちゃん、今日はお友達はお休み?」
「あ、ハイ…そんなところですっ」
ちらりと、プルルはロッカーのほうへと視線を向けた
なにやらロッカーが微かにだがガタガタと動いている
看護士さんはそれに気付くことなく、病室を後にした
「…みんな、もういいよ」
「あぁ~苦しかった」
「ケロロ!お前こんなところでおならをするなんてナニ考えてるんだよ!」
「いまは5時ぐらいだから…あと3時間はガマンしないとダメみたいだね」
ケロロたちが計画した事…それは、ここでのお泊り会だった
先日、入院しているのでいつも一緒に居られないプルルが、夏の思い出にと発案したのだ
この病院は9時ぐらいになると面会が終わり、閉まるようになっている
そこで、どこかに隠れて9時以降まで留まっていれば、あとは楽しい時間が待っている…という計画だ
帰るときは病院が開く6時ぐらいにセキュリティチェックで隙が出来るので、そこを狙って出て行けばいい
以前プルルが「この病院のセキュリティはいい加減」といったのは、この事に由来している
――こうして時間は流れて3時間と20分、ようやくケロロたちは狭苦しいロッカーから出てくることができた
この日のためにケロロは晩飯代わりのスナック菓子、ギロロは趣味の本、ゼロロは最新式の携帯ゲームなどを持参してきていた
親にも内緒なお泊りの夜
自分たちだけの秘密の時間に、ケロロたちはウキウキしながらくつろいだ
トランプを引いて遊んだり、普段は見られないような深夜のテレビ番組を見たり、4人並んで1つの本を見たり…
誰にも邪魔されない楽しい時間は、彼らにとっても充実したものだった
ちなみにこの病院、セキュリティが抜けているとはいえ、一応は軍の関連施設である
たまに見回りのロボットが来たりするので、そのときだけケロロたちは声を潜めた
そんなこんなで時間は経ち、いつしか夜の12時を回っていた
「はぁ…なんだか眠たくなってきたなぁ」
「もうとっくに寝てる時間だしな…ふぁ~あ」
「でも、すっごく楽しかったわ!」
「それじゃ、次行く?」
お泊り会最後のイベントは枕を並べてのパジャマパーティーだ
修学旅行気分なケロロたちは、みんなでプルルと同じベッドに寝ることにした
ちょっと窮屈だが、大人用のベッドだったのでなんとか全員入る事ができた
このまま順調に進んでいれば、これでもうお泊り会は無事閉幕となる…はずだった

145:『散りゆくは美しき幻の夜』(プルル乱交)
07/06/04 00:12:45 KVB4Szvx
午前1時半、さすがにケロロたちも起きている限界を過ぎていた
もう十分遊びつくしたし、話す話題も無くなっている
ぼんやり深夜のテレビでも眺めていた
ところが、そこで事件は起きたのだ
「あ…」
うつらうつらとしていたケロロはテレビに映った光景を見て、思わず声を上げてしまった
どうしたのかと思ってギロロたちも起き上がってみると、そこには思いも寄らぬものが映っていた
その時、ちょうど週末だった事もあり、テレビでは映画を放送していた
こういう深夜に放送される映画には、ゴールデンタイムは流れないような濡れ場があったりするものだ
ケロロたちが見てしまったのは、ちょうどそういう場面だった
「…」
すっかりケロロたちはテレビに釘付けだ
興味津々といった感じで、プルルもそれに見入っている
当時は純真だったケロロたちからすれば、あまりにもショッキングな光景だっただろう
しばらくして濡れ場が終わったあとも、どこか期待を含めた視線で彼らはテレビを見続けた
安いカーチェイス、ありきたりなガンアクション、そしてかったるいラストシーンまで、みんな固唾を呑んで見続けてしまった
映画が終わると、あとは退屈なテレビショッピングだか何だかの番組が続いたので、ケロロたちはそのうちテレビを切った
「…ふぅ」
「……もう、寝る?」
「う、うん…」
みんな真っ赤な顔のまま、静かにベッドへと潜りこんでいく
だが、あの映画の場面が頭にこびりつき、寝るに寝られなくなっていた
「ケロロ君…起きてる?」
「あ…うん」
「…やっぱり、眠れないよね?」
「ま、まあネ~…」
「あたしもだよ」
狭いべッドの中で、彼らは体をくっつけあって寝ている
右から順に、ゼロロ、ケロロ、プルル、ギロロの順番だ
この時彼らの中で眠りにつけたものは、誰も居なかった
「でも…もう起きてても、やることないじゃん」
「…ううん、あるといえばあるよ」
ケロロはそこで、えっ?と思った
いつも可愛く、眩しい笑顔で笑っていたプルルの顔が、このときだけとても艶に満ちていたからだ
それは対面にいるギロロやゼロロには見えなかったものの、言葉尻の不自然さに反応はしていた
「さっきテレビでやってたの…スゴかったよね」
「あ…うん」
「女の人が仰け反って男の人と絡んだり…ケロロ君たちって、そういうのに興味…ある?」
「へ?」
無い…こともない
彼らだって幼いとはいえ男の子、まだ性の開花を経験していないが、少年らしい助平心ぐらいはある
しかし、プルルが言っている言葉の意味を理解するには、まだまだ幼すぎた
布団から起き上がると、プルルはシーツを捲り上げた

146:『散りゆくは美しき幻の夜』(プルル乱交)
07/06/04 00:13:41 KVB4Szvx
「最後だし…とことん楽しまなきゃ…ね」
「プルルちゃん、なに…すんの?」
真意が掴めぬプルルの行動に、ケロロが口を挟む
「大丈夫、みんな知ってるから」
そう言うとプルルは戸惑うケロロを落ち着かせ、すす…と彼の下方へと移動した
そして彼の股間の辺りに顔を近づけて、おもむろにぺろりとそこを嘗めてしまった
「はぅっ!」
「ちょっ…プルル、なにやってんだ!?」
「ふふ…やっぱりこうなるんだ。じゃあ…」
「!」
まるで相手の反応を楽しむかのように、プルルはまた彼の股間を嘗め続けた
当時のケロロは自慰さえ知らない、まさに無垢な少年だった
そんな彼がいきなり股間を嘗められたのだから堪らない
プルルが艶かしく嘗めていると、ケロロの雄が勃起を始めていた
完全に顔を出したところで、今度はプルルはそれをぱくりと口に含んだ
その瞬間、ケロロは眼を見開き、あのテレビと同じように仰け反った
「あひぃッ!!」
「んむ…んっ……っ」
「うわぁ…スゴい…」
何が起こっているのか理解できないギロロとゼロロは、ただ指をくわえて傍観しているだけだった
ケロロも自分が何をされているのか解らなかったが、味わったことのない異様な感覚に身体を震わせている
啜るようにケロロの陰茎を口内と舌で弄くったりと、プルルの攻めは止まらない
そしてケロロが一段と喘いだそのとき、彼女の口の中に熱が流し込まれた
「ひ…ぎぃいっ!!!」
「んむっ!…んく…んっ…」
初めは驚いた顔を見せたプルルだが、すぐに放たれたものを飲み込んでいく
しかし途中で咽てしまい、咳き込んでしまった
「けほっ!けほっ!……ん…はぁっ」
「はゥ…う………」
プルルの口内を満たした白濁は、ちょっとだけ彼女の口もとから溢れ、零れ落ちた
一方で、生まれて初めて感じた射精の味に、ケロロはびくびくと身体を引きつらせている
何が起こったのか未だに状況を理解していないギロロたちにも、プルルは視線を向けた
「え?」
「大丈夫っ、キモチいいだけだから…」
「プルルちゃん、これってまさか…ひぁっ!」
ゼロロの台詞を遮るかのごとく、プルルは2人の股間に手を伸ばした
先程の様子を見てギロロたちも勃っていたので、今度は一度に両手で扱いていく
時に亀頭の先を嘗めたり、扱く速さを変えたりしながら、丹念にプルルは2人の快感を育てる
更に、くちゅくちゅと厭らしい水音が彼らを高ぶらせた
こちらもケロロと同じように一分と掛からずに限界に達し、彼女の顔へと欲望をぶちまけた
「くうっ!」
真っ白なシャワーを浴び、彼女の顔は淫らに染まっていく
噎せ返る匂いの中で、プルルはただ恍惚の表情でそれを浴びていた

147:『散りゆくは美しき幻の夜』(プルル乱交)
07/06/04 00:14:30 KVB4Szvx
ケロロは、うまく動かない身体を動かし、どうにか上体を起こした
―心臓がバクバクして、体が沸騰しているかのように熱い
―訓練所のマラソンでしんどいほど走らされたときに似た感覚だけど、何か違う
初めて射精を味わったケロロの胸中には、そんな感想が浮かんでいた
ギロロたちも、脳天を突き抜けるような甘美な刺激に、体中が震えている
一体何が起こったのか…彼らには解らなかった
「ん…はぁっ!」
余韻で朦朧としているケロロたちを尻目に、プルルは自分を慰めていた
薄い筋に指を這わせ、解すような手付きで愛撫していく
幼い身体はたちまち汗で淫らに輝いていき、彼女もまた快楽の中へと飛び込んでいた
「もうちょ…っと……ひぐッ!!」
すみれ色のしなやかな背筋が、びくりと震える
頃合を見計らい、プルルは膣口から指を引き抜くとケロロたちの方へ向いた
「みんな、最後に…気持ち良いことしようよ」
「…?」
「さっきのテレビでやってたみたいに……あたしたちも、ね?」
全く流れが理解できぬ中、ケロロたちがただ1つ解っていた事があった
それは、さっき達したあの快感を、また感じたいという衝動だ
だがそれに先立って、自制心が彼らの中で働いていた
「でも…これっていけないことじゃ…」
ゼロロの言うとおり、ケロロやギロロもモジモジしていて実行に移せるような状況ではない
そこでプルルは止めとばかりに、あるものを3人に見せる事にした
「ほら…コレ……」
「!!!」
プルルは自分から脚を開き、粘液と汗で濡れた秘所をケロロたちの目に晒した
ピンク色に熟れた蕾は僅かにヒクついている
あまりにも刺激的かつ衝撃的な光景を見て、3人は言葉を失っていた
更にプルルが指で押し広げて、その膣内までを彼らに見せ付けた
「女の子の…ココに、男の子の…を、挿入するんだよ」
「ソー…ニュー?」
「わ…すげ…」
「そして、このナカに入れたり抜いたりすると、すっごく気持ちいいんだよ」
「ほ、ほんと?!」
「入院してると退屈でしょ?だから、あたし夜はいつもこうしてたの…びっくりするほど気持ちよかったから、みんなでするともっといいと思って…」
流石にそろそろ恥ずかしくなってきたのか、プルルはいそいそと脚を閉じた
だが、ケロロたちの目には先の光景が焼きついて離れない
幼い彼らが性的衝動に身を任せるのに、そう時間はかからなかった

148:『散りゆくは美しき幻の夜』(プルル乱交)
07/06/04 00:16:22 KVB4Szvx
ところが、いざというところで問題が露呈した
プルル1人にケロロたち3人…いくらなんでもこれでは行為以前の問題だ
たちまちケロロたちは、誰がプルルと寝るかということで口論となった
「じゃあさ、俺からプルルにするー!」
「ずっ、ずるいぞケロロ!こういうことはジャンケンで公平にだな…」
「あわわわ…2人とも~」
「ふふ…大丈夫、みんないっしょに良くなればいいんだよっ」
みっともない言い争いをしていたケロロたちは、プルルの言葉にきょとんとした
言ってやるよりまず実行…と、プルルはケロロを寝かせた
置いてきぼりを喰らった形のギロロとゼロロは、またさっきみたいに待機している
やっかみの視線が気になるが、構わずケロロとプルルは続けた
「まず、ケロロ君から…いくよっ?」
「…うん」
「ケロロ君はなにもしなくていいから…」
そう言って深呼吸をしたプルルは、まだ適度に硬さを帯びているケロロの陰茎へ、腰を下ろしていく
柔らかな花弁が先端に触れるたびに、ケロロは次に待っている快楽を想像して、更に自身を怒張させていた
「んっ…」
にゅる…と、膣口が根の先端から包むように挿入していく
ケロロとプルルの腰が、ゆっくりと近づく
しかしその時、不意に何か突っ張るような感触を感じて、ケロロはプルルの動きを止めた
「ちょ…プルルちゃんストップストップ!ナニか引っ掛かってるってば!」
「ああ、大丈夫…それ、あたしの処女だから…だいじょ…んん"ッ!!」
突然、その行き止まりが破られ、プルルの身体が一気にケロロと密着した
膣内のあまりの気持ちよさに、再びケロロは身体を引き攣らせる
一方で、プルルも覚悟していた処女開通の痛みに、身体を強張らせた
「ーーーーっ!!ーーーーッッ!!!」
声にならない悲鳴を上げつつ、悶えるプルル
膣内でギリギリと締め付けられ、ケロロもがくがくと肩を笑わせた
「見てよギロロ君…つながってるよ…?」
「あ、ああ…」
目の前で行われる性の営み
ギロロとゼロロも傍観し続けるのはもう限界だった
呼吸を落ち着かせ、破瓜の痛みをじんわりと受け入れたプルルは、息も絶え絶えにギロロたちに視線を泳がす
「ッ…じゃ…あ……ハァ、次は…ギロロ君の番……だよ」
「大丈夫…なのか?」
「ギロロ君…には、こっちで…んっ……」
ヒクつく体を動かし、プルルはギロロに見えるようにお尻を突き上げた
「え…?だって、そっちは違う…」
「いいのっ!ここ…にも……はいる…から」
「ギロロ君、はやくしないとプルルちゃんが!」
「お、おう…」
戸惑いつつも、ギロロはプルルのしっぽを押さえ、アナルに手をかける
膣口から滴る粘液のおかげで、ある程度はほぐれてはいるようだった

149:『散りゆくは美しき幻の夜』(プルル乱交)
07/06/04 00:18:08 KVB4Szvx
「さっき…寝るときにトイレにいったでしょ?だから…大丈夫だよ…」
「じゃ、じゃあ入れるぞ?」
「ん…っ」
熱く焦れたギロロの塊が、じりじりとプルルのおしりを熱くしていく
体内に2つ目の男根が挿入され、心臓を掴まれたかのような苦しさがプルルを襲う
処女開通の痛みだけでも相当なものだったのに、肛壁の拡張をも伴う苦しさは想像を絶していた
しかし、返ってその痛みや苦しみが、背徳的な快楽を生む土壌にもなり得ていた
プルルの背中に密着する形で挿入し終えたギロロは、大きく吐息を吐き出す
予想以上の心地よさに、ギロロは眼を丸くした
「プルルちゃんの…スゴい…」
「え…へへ」
「ね、ねぇ…」
「お?どったの…ゼロロ?」
見ると、ゼロロがじっとこちらを眺めている
とても物欲しそうな眼だ
だが、もうゼロロが入れる隙間は無いに等しかった
二穴はケロロとギロロが使っているし、あるとすれば…
「ゼロロ君は…コッチに来て」
「う、うんっ」
プルルは自分の脇に立つようにとゼロロに指示をした
「ここで…いいの?」
「うん…さ、あとは私に任せて…ね」
「ひゃあっ!」
不意に、プルルはゼロロの勃起している陰茎を口に含んだ
ケロロにしていたように、プルルはゼロロを口で奉仕しようというのだ
さっきは手コキだったので、彼にとっても新鮮な感覚だろう
ゼロロは腰をおろさないように、ガクガクと震える足で必死に踏ん張っている
その様子が微笑ましかったのか、プルルはくすりと笑った
「んぷ…じゃ、もうあたしもいいみたいだから……動いて…いいよ」
「そ、そんじゃあ…」
「行く…ぞ」
「ぷっ…プルルちゃん!」
彼女の言葉を皮切りに、ケロロたち3人は思い思いに蠢き始めた
プルルの負担も相当なものだったが、それらはすべて快楽が打ち消していく
…今、少年少女たちの夜は、本当の意味で始まった

150:名無しさん@ピンキー
07/06/04 00:18:17 bzqLthd3
待ってました!!!

151:『散りゆくは美しき幻の夜』(プルル乱交)
07/06/04 00:19:47 KVB4Szvx
膣内を暴れるケロロと、アナルを蹂躙するギロロと、口内を埋め尽くすドロロ
若き少年達の躍動は、プルルの可愛らしい肉体を淫らな絵の具で染めていった
「んん゙ーーっ!!んふっ、んあ…うはぁあっ!!!」
「プルルちゃっ…ま、マジ…スゲえって…ひっ!」
「っはぁ、きもちいい…これっ、ホントきもちいい…!」
「んひゃあっ!ダメだよプルルちゃ…ひゃっ!出ちゃうっ!!」
「も…なんだよゼロロ~…ん……オンナノコみたいな声…出して……」
「…ふゔッ、んふううぅううぅうっ!!」
「プルル…ホントのホントに大丈夫…ッ?」
涙をボロボロと流しながら、プルルは必死に首を縦に振った
純粋に快楽を味わっていたケロロたちとは違い、プルルは3人の熱を受けて、体の芯まで火照っていた
まるで己の体ではないかのようにうねり、快楽を加速させていく自分…
プルルは、ある種の倒錯的な状態に陥りながら、快感に身を委ねていた
「ここ…すっごくぬるぬる…してる」
「ひゃ、んああっ!ケロロ君、そこ…ダメぇッ!!」
ケロロはびしょびしょになった腰回りから、粘液をプルルへと塗りたくった
汗と涎と、涙と愛液とで淫らに体を湿らせながら、ひたすらにプルルは喘ぐ
ギロロからは首筋にキスをされ、ドロロを手で扱いたり口で銜えたりと、体がガクガクになっても彼女は共に快楽を共有する事を求めた
そして、動き始めてから10分も立たないうちに、4人は限界へと引きずり上げられていた
「あ…あのさ、プルルちゃん…なんかさ…また出るみたいなんだケドさ…」
「こっちも…もう…」
「ドロロ君も…も…ダメみたいね……ふ、んっ!は……じゃ、あ、あたしの……ナカに…みん…な…んふっ、だッ…出して!!」
懇願するような言葉とは裏腹に、プルルは自分から腰を動かし始めた
より一層増した快感に、ケロロやギロロは涙を流しながら喘いだ
もう男も女も関係ない…互いに性的な快感を感じ続けた4人は、まるでひとつに解けてしまうような錯覚に陥りつつ、限界を迎えた
「プル…ちゃ、んあっ!ひゃ…ひぎぃいっ!!!」
「ぐうぅッ…うっ、あっ!うはあぁあっ!!」
「ひああっ!出るッ!!ボク…ふああぁっ!!!」
「…ッッ!!イっ…イぐゔぅ゙ううう!!はっ…あああああああっっ!!!!!」
口を、腹を、腕を、顔を、股間を、全身を…
ケロロたちは同時に達し、全ての欲望をプルルの身体へと刻み込んだ
まるで頭から熱湯を被されたかのごとく、熱の真っ只中でプルルは気絶してしまうぐらいの絶頂を感じ、そして倒れた
それぞれ全てを出し切り、大きく息を荒げながら、いっしょにくっついて倒れるケロロたち
精神を朦朧とさせるほどの衝撃の中で、彼らはしっかりと手を繋ぎ、そのまま夜の闇へと意識を飛ばしていった


152:『散りゆくは美しき幻の夜』(プルル乱交)
07/06/04 00:20:58 KVB4Szvx
「地球はどうだったプルル看護長」
「はいっ、とても楽しかったですっ」
地球から去っていくガルル小隊一行
ガルル曰く"燦々たる"結果だった内定調査の記録は、トロロによって一部改竄が進められていた
遠くなっていく地球を見つめつつ、プルルもまた昔日の情景に思いを馳せている
あの激しい交情のあと、しばらくプルルは入院生活を送っていたが、夏休み明けに訓練所へと復帰していた
しばらくゆっくりとプルルに会えないと思っていたケロロたちが驚いていた様子が、まるで昨日の事のように思い出せる
まるできら星の如く、あっという間に過ぎ去っていった幼年訓練所時代
自ら進んで幼少時の姿を維持していたプルルは、郷愁に浸りつつ地球を後にしていった
(元気でね、みんな…)
たった一度だけのあの乱交を思い浮かべ、プルルは頬を染める
遅々として進んでいない侵略…かつてプルルがいなかった頃にガルル小隊とケロロ小隊が戦闘した事があった
侵略を怠っているケロロ小隊がケロン軍的に見てもあまり良くないものであることはプルルもよく解っているつもりだ
ということは…次に彼らに会うときは、もしかするとまた戦わなければならない時なのかもしれない
だが、プルルはそうは思っていない
(お互い頑張ろうね、ケロロ君…っ)
彼らは親友で、大好きな人で、とても楽しい仲間だ
信頼に満ち足りた表情で、プルルは労いの言葉を胸に秘め、見えなくなるまで地球を見つめ続けた



【THE・END】

153:名無しさん@ピンキー
07/06/04 00:21:51 bzqLthd3
GJでした!!!!!!!
次回作&アレの続きも楽しみに待ってます!!

154:四七四式 ◆sqiwCTHRg6
07/06/04 00:25:47 KVB4Szvx
以上です
プルルが入院していたのは実は重い病気のためで、今も幼年時代の姿のまま
なのはそのせい…と設定に絡めてこうかと思いましたが、それだとややこし
くなりそうだったので除外しました
さて、あとは前スレでいくつか言っていたネタを消化しないと…

155:名無しさん@ピンキー
07/06/04 02:03:19 WZZUZLIB
GJ! プルルネタはこのスレ初めてかな
除外設定も魅力的なんで、ぜひ他の話で使ってほしいっす。

(つべ板のは誤爆かしらん)

156:四七四式 ◆sqiwCTHRg6
07/06/04 02:38:29 1fPi81+t
>>155

157:四七四式 ◆sqiwCTHRg6
07/06/04 02:41:04 1fPi81+t
>>155
確認してきましたがアレは誤爆ではないです(そもそも私はつべ板にはあまり行きません)
早速転載された…という事かと思われます

158:名無しさん@ピンキー
07/06/04 05:10:14 uzVNfbXj
ここはテンプレないですか?
ログも現スレも最初から見てたけど擬人化とか♀化、触手色々大丈夫そうにお見受けしましたが…
本当は何処等辺まで大丈夫なんでしょうか?
初心者なものでそこの所教えて頂けたら、幸いです

ドロロが書きたいんだ!

159:名無しさん@ピンキー
07/06/04 17:03:23 P364IElP
>>139
ま・・・。
実際は帰らないと思うけどね。

160:名無しさん@ピンキー
07/06/04 21:52:15 4VFeQrLh
>>159
アニメじゃ無くて、ケロロランドのことだと思う。
ケロロ達の待遇や侵略ポイントを調べにきた話。
アニメorコミックス派だったら知らないだろうけど、地球人化したプルルがでてくる。

161:名無しさん@ピンキー
07/06/05 00:15:33 B3yLM+il
つうか一番最初にケロランの話って断ってるじゃん
前スレでもちょっとだが擬人化プルルの話題出てたし

それはそうとGJ!
プルルエロいよプルル

162:名無しさん@ピンキー
07/06/05 02:13:51 JcIeKu6m
>>158
初心って新参って意味か?ここは割と範囲広い。
文頭に注意書きしろ、すれば苦手な人はスルーする
当たり前だが数字物は専板へ。
因みに♀ドロ読みたいとか言ってみる
小雪もいいな、忍者好きだ

163:名無しさん@ピンキー
07/06/05 09:44:53 LWY3V1Qx
腐臭が漂わなければ、女体化系でも歓迎。

164:羽草
07/06/05 18:52:54 6kGX1kbD
四七四式さん、GJです!
本当に四七四式さんは文章を書くのが上手ですね!私もいつかそれくらい上手く
書けるようになりたいです。

165:名無しさん@ピンキー
07/06/08 12:07:27 zR9CxWvk
ほしゅ~

166:つくも
07/06/10 22:36:22 XDlHC8hI
ずっと前、小雪×冬樹ネタを提供してた者です。
かなり遅くなりましたが、一応文章っぽいモノができましたのでこれから投下します。
しかしいかんせん初心者なんで、諸所に見苦しい所があるかもしれません(汗)
エロは冬樹が一方的に犯されるので、苦手な方はスルーして下さい。
それではどぞ。

167:つくも
07/06/10 22:47:32 XDlHC8hI
す、すみません‥‥改行が多すぎて投下不可です。
何とか修正しますのでお待ち下さいorz


168:名無しさん@ピンキー
07/06/10 23:06:34 Rs8P0O7c
誰に、かが非常に気になりますがとりあえず乙~。

169:名無しさん@ピンキー
07/06/10 23:40:16 xpvd5qUC
>>166
とりあえずsageて欲しいかな

170:つくも
07/06/10 23:45:06 XDlHC8hI
本気ですみません、テンパッてますorz
とりあえず制限改行数とか調べて再チャレンジします‥‥
文章はできてるので、期待せずに待ってて下さい(汗)

171:名無しさん@ピンキー
07/06/10 23:51:58 GPvx1ysb
1レスの投稿制限は「4096バイト・60行まで」らしいよ
一行は30~40字あたりが読みやすいらしい

172:名無しさん@ピンキー
07/06/11 00:03:40 0kJwI2qF
>>171
携帯からのレスですが、教えて頂きありがとうございます
早速今調整中です

173:名無しさん@ピンキー
07/06/11 00:07:10 PJ13cErN
>>172


良作の予感

174:つくも
07/06/11 00:29:59 C1cjDcU0
リベンジ逝きます。お願いうまくいって~
携帯からではちょっと見づらいかもです‥‥

175:winter snow
07/06/11 00:31:36 C1cjDcU0
「ハハ‥‥会議で遅くなっちゃったな」

吉祥学園の玄関で慣れたスニーカーを履きながら、冬樹はぽつりと呟いた。
木枯らしが身を切るこの時期、既に日は落ちようとしている。
冬樹は懐から手編みの手袋を取り出すと、それを有り難そうに両手に通した。

「わぁ、あったかい」

かじかんだ指の先まで、ほんのりと優しい暖かさで包まれていく。
最高級の毛糸で編み込まれたそれは、西澤桃華からのプレゼントだった。
明るいピンク色をしており、甲の部分には可愛らしい桃のマークが刺繍されている。
冬樹はクスッと笑い、愛情のこもった目でそれを見ると、玄関を抜け、入り口の階段を降りていった。

桃華とは後でまた会う事になっている。
第xx回オカルト研究会の会議で、今夜は特別野外授業をする、と
半ば強引な意見が通った。
冬樹は二度目の海洋調査に行きたいと言ったのだが、何故か桃華の激烈な反対に遭ってしまい、
結局却下された。

そして野外活動が決まるや否や、桃華は冬樹に手製の手袋を渡し、飛ぶ様に帰ってしまったのである。
「準備をする為」と言っていたが、
オカルト調査の準備をするのでは無さそうだ。

とにかくその日、日向冬樹はいつもより少しだけ帰りが遅かった。
そしていくつかの偶然が、彼を思いもしない修羅場に引きずり込んで行くのである。

176:winter snow
07/06/11 00:33:41 C1cjDcU0
冬樹は薄暗い校舎の陰を背負いながら、一人帰り道に着こうとしていた。
校門まであと少し、10メートルを切ろうとしたあたり。

妙な物音が聞こえたのはその時だった。
物音と言うよりは声、それも不気味な声だった。
男とも女とも区別がつかない、誰かが呻くような、それでいて切ない声。
オカルト好きの少年は、たちまち好奇心を激しくそそられた。

(何だろう、こんな声聞いた事ない‥‥)

耳を澄ましてみる。しかしもう声は聞こえなかった。
勘違い?いや、違う。
冬樹は既に足取りも軽く、声の聞こえた校舎裏へと走り出していた。

辺りはもうかなり暗い。辛うじて西の空が群青色を保っていた。
そんな中、校舎裏で妖しい声が聞こえるとなれば、色んな意味でいい気はしない。
しかし冬樹はそういった気分が悪くなるような事でも、
とにかく自分の目で確かめたいと思う性格の持ち主だった。

そして彼は見てしまったのである。彼にとっては辛く、衝撃的な場面を。

不思議な声を追って校舎裏へとやって来た冬樹は、背の高い木立群の中にたどり着いた。


鬱蒼と茂る草木の奥に、微かに人の気配が感じられる。

(人?)

そう、そこにいたのは宇宙人でもなければ幽霊でもない、ただの二人の人間だった。
薄暗くてシルエットしか判別できないが、
茂みの奥で、何やら小さな声で話し合っている。どうやら男女の様だ。

冬樹は失望した。
生身の人間なら、自分の期待していたオカルトとは無関係。
お取り込み中ならなおさら構うべきではない。
冬樹は軽いため息を漏らすと、くるりと茂みに背を向け、静かにその場を立ち去ろうとした。

校舎の角まで抜き足で歩き、正面玄関に回り込もうとしたその時、そこで冬樹の足が止まった。
彼を引き止めたもの、それはまたしても「声」だった。
それは、先刻まで冬樹を突き動かしていた
オカルトに対する好奇心とは別の力で、彼の行動に働きかけたのである。

朧気に耳に入ってくる男女の会話。 聞き覚えがある―知っている声だ。
冬樹は俯いていた顔を上げると、再び茂みの奥へと目を凝らした。
よく見えない。何となく知っている人影の様な気がする。その時、地平線の向こうに太陽が完全に没した。
空は濃い紫色に染まり、街灯の明かりがその闇を切り裂いた。
校舎裏、今まで隠されていた二つの影が、外からの光を浴び、フワリとその姿を現した。

冬樹は愕然とした。
その中に冬樹の知っている者は確かにいた。

でもまさか、思いもしていなかった
―それが東谷小雪だとは。

177:winter snow
07/06/11 00:37:15 C1cjDcU0
(東谷さ―)
危うく声を出す所だった。冬樹は慌てて開いた口を閉じると、
自らも街灯の明かりに照らされないよう、近くの草むらに身を沈めた。
高まる関心と混乱。
冬樹は胸のうずきを何とか自制しつつ、目の前に広がる光景をもう一度よく確認した。

以前より少しだけはっきり声が聞こえてくる。
「今度はいつ会えるの?」
「その時に連絡します」
男の方は声も顔も知らなかった。黒のスーツに身を包んだスラリとした体型の若い男で、齢は30前後といった所か。
脇にはありがちなビジネスバッグが置かれている。
典型的なサラリーマンタイプだと冬樹は思った。

そしてもう一人の女―いや少女は、明らかに冬樹の知る人物、くのいち少女の東谷小雪だった。
特徴的な声の抑揚、青緑色の後ろ髪を長く一本に束ね、背丈は155㎝位と小さい。
何より全身からあふれ出す独特の忍のオーラが、小雪である事を証明していた。

(何で‥‥?)
冬樹の頭に、いくつかの疑問符が浮かんだ。
何故彼女がこんな場所にいるのか、見知らぬ男と一体何を話しているのか。
できれば飛び出していって、直接本人に聞いてみたい。でも何故かそうし難い雰囲気があった。
理由は解らないが、冬樹にとっては生理的に不愉快な空気だった。

「小雪ちゃん可愛いから、またすぐ会いたいな」
男が下卑た笑いを浮かべ呟いた。

「できれば学校以外の場所でお願いします」

答える小雪の声はどことなく冷たい。少なくとも冬樹の知る生気と明るさに満ちた声では無かった。
「こんな時間じゃ、誰かに見つかるかもしれませんし」
感情のこもらない小雪の言葉に、男は曲がった口端をさらに歪めて答えた。
「ごめんね、でも学校ですると興奮するんだよ‥‥小雪ちゃんの制服姿も見たかったし」

男の声は冷静だが甘ったるく、鼻につく声色だった。まるで自分の玩具を弄ぶ子供が変声期だけを迎えて喋っている―そんな感じだ。
「はい、じゃあお小遣いね」
男は上着の内ポケットから財布を取り出すと、何枚か札束を引き抜き、それを小雪に手渡した。
小雪の表情は相変わらず冷めたままだ。

「家まで送ろうか?」
男が帰り支度を整えながら提案する。結構です、と小雪は相手の顔を見ずにきっぱりと答えた。
男は少し残念そうな色を浮かべると、小雪に惜別の言葉を残し、裏門の方角へと消えていった。

(そんな‥‥)
冬樹は向こう側の闇に溶け込んでいく黒い影と、それをチラリとも見ずに報酬を確認する小雪の姿を見て
胃が締め付けられる思いだった。
この余りにも淡泊な関係。ニュースで何度か見たことがある。
信じられない、そして信じたくはない。でもあの会話、現金の受け渡し、そして微妙に乱れた小雪の服装‥‥
否定できない。むしろその可能性が高かった。
彼女は―援助交際をしている。


178:winter snow
07/06/11 00:38:56 C1cjDcU0
(援助交際‥‥)
そんな事あるのか。いつも無邪気に笑うあの東谷さんが。
冬樹の思考は、自分が思っていた小雪のイメージと目の前で怒った不愉快な事実との衝突で
均衡を失い、不安定に中空を漂っていた。

そう、正に彼は一瞬「うわの空」だったのである。
だから空想を断ち切ってぼやけた視界が元に戻った時、今まで見えていた小雪の姿が消えた事に気付かなかった。
「何奴っ!!」
鋭い声が闇夜に響き渡る。
バサバサと枝葉が切れ落ちる音がして、冬樹の目前の空間が一気に開けた。
どこかで金属製の何かがぶつかり、弾け、地面に突き刺さった感触がする。

小雪は気付いていた。
先ほどから遠く、木陰に潜んでいた人間の気配に。
怪しい相手には所構わず飛び道具を見舞う。それがこの少女の悪癖だった。

「冬樹、くん?」
切り払われた茂みの中から、一人の少年が驚愕で目を瞬かせながら小雪を見上げていた。


「‥‥‥‥」
しばらくの間二人はただその場で立ち尽くし、お互いの瞳を覗き合っていた。
☆      ☆      ☆      ☆ 
「じゃあやっぱり見ちゃったんだ‥‥」
小雪は諦めた様な調子で切り出した。
二人は既に学校から移動し、近くの公園のベンチに並んで腰を下ろしている。
雨風にさらされた古い公園で、辺りにはもう人気がなかった。

冬樹は両手にはまったピンク色の手袋に目をやると、ふと桃華のことを思った。

(たぶん、まだ時間はあるけど‥‥)
まさかこんな事になるなんて。悲痛な気持ちは抑えきれなかった。
それでも冬樹は口を開いた。黙っていてもこの重い空気は消えない。

「でもどうして‥‥?」
真っ直ぐに質問してくる冬樹の視線を横顔で受けとめながら、小雪は少しだけ笑ってみせた。
「自分の為です」
冬樹の表情は冴えなかった。そんな返事じゃ納得できない。
小雪は一呼吸置いてから、丁寧に言葉を継ぎ足していった。
「忍びは現代ではもう生きていけない‥‥だから私たちは普通に生きていく事を決めた」

小雪の目は微動だにする事なく、正面の虚空を見つめている。
冬樹はこれまで、こんなに寂しい小雪の顔を見た事がなかった。
「でも普通に生きていく為には、どうしてもお金が必要なの」
「それって学校とか?」
「うん‥それに夏美さんとのデートにも」
「でもそれなら他にもっと良い方法が‥‥」

そこまで話が進んだ時、小雪は冬樹に体を向かい合わせてはっきりと言い放った。
「これが一番効率がいいんです、身を売る術はくのいちの得意技ですから」
「‥‥‥」
冬樹は小雪の目を食い入る様に見つめた。
その瞳の奥には吹っ切れた人間だけが放つ、一種独特の光が湛えられている。
忍のプライド―自分の問題は自分で解決する―情けは無用。
冬樹にはそんなメッセージが込められている様に思えた。

179:winter snow
07/06/11 00:40:10 C1cjDcU0
それじゃあ姉ちゃんや僕、それにドロロ達は東谷さんの力になれないっていうのか。
やりきれない思いに、冬樹の胸は痛んだ。
友達が困ってる時に何もできないなんて。それじゃあ何の為に―
「冬樹くん」
不意に小雪の言葉が思考を遮った。

「分かってるとは思うけど、この事は夏美さんには内緒にしておいて欲しいの」
「え?」
それは冬樹が予想していなかった要求だった。
「夏美さんには私の汚い所、知られたくないから‥‥」

冬樹は丁度、姉のことを考えていた。小雪にとって姉は大切な友達ではないのか。
「姉ちゃんはそんな事で東谷さんを嫌いになったりしないよ」
明暗を分けたのはその台詞だった。なぜ素直に「うん」と言わなかったのか。冬樹自身にも分からない。
ただ反射的にそう答えてしまったのである。

小雪の顔つきが変化した。
全身を硬直させ、何かを警戒するかの様に押し黙っている。
「いつかは話さなくちゃいけないと思う。きっと話せば楽になるよ。辛いことだからこそ、大切な人には話すべき。それが‥‥本当の友達だよ」

痛々しい程の理想論。何もかも理解し合える夢の様な関係を、この少年は本気で信じていた。
ただ、純粋であるが故に。
「ダメです!夏美さんには‥‥夏美さんには、こんな事知らせる必要なんてない!」
少女の言う事は正しかった。誰もが深い関係を望むワケではない。
小雪にとっては夏美と他愛もないおしゃべりをして、意味もなくじゃれ合う事ができればそれでいい。
そしてそれが何よりの心の支えになっていた。

「‥‥‥‥」
珍しく取り乱した小雪を見て、冬樹もさすがに閉口した。
ただそれでも、自分の考えが間違っているとは思わなかった。

小雪は勢いのあまり、いつのまにか身を乗り出してしまっている。
両手をベンチの上に突き出し、上半身をしなやかに折り曲げ、顔は冬樹に触れる程近くまで寄せられていた。
しかし、そこまで大胆に迫り懇願しながらも、小雪は既にある算段を整えていた。
(口止めするしかない―)

自分にとって何より恐ろしいのは、夏美に援交の事実がバレる事だ。
夏美さんが私の事を嫌いにならないなんて保障がどこにある?どこにもない。冬樹くんは甘い。
小雪はすぐ前で白い息を吐きながら呼吸している冬樹を、チラリと上目で伺った。

(この子は夏美さんに報告するかもしれない‥‥いや、きっとする)
クサイと感じたら先に手を打っておく。忍びの基本だった。
口封じするしかない。問題はその方法だった。
冬樹に論理でかかっても適いそうにない。何か弱みを突ければいいのだが、果たしてそれが何なのか。

その時、小雪に顔を向けていた冬樹の視線、が妙な動きを見せた。
一瞬、何かを捉えたかの様に立ち止まり、それから急に目を逸らしたのである。
まるで見るべきものではなかったものを見てしまったかの様な―。

小雪はなぜか微笑していた。その動きが何を意味するのか、小雪にはすぐに分かったのである。
そうだった。どんなに無頓着に見えても、冬樹は『男』である。男ならほぼ全員に共通の弱点がある。
年頃からしても異性に興味が無いハズはない。

小雪は制服の裏地に隠してあるポケットの中をそっと手で探ってみた。
(よし―)
材料は調っている。後は自分がうまくやるだけだ。
小雪は今晩、もう一度だけ『お付き合い』をする事に決めた。


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch