らぶドルat EROPARO
らぶドル - 暇つぶし2ch300:名無しさん@ピンキー
08/02/07 20:50:49 FtXgjpOL
瞳子を孕ましたい

301:名無しさん@ピンキー
08/02/09 01:03:07 +b1EvfRZ
瞳子って階段から落っこちてアソコを見られた子だっけ?


302:名無しさん@ピンキー
08/02/09 01:03:57 0LkGEX+G
そうそう。なぜかノーパン。

303:名無しさん@ピンキー
08/02/09 01:41:08 +b1EvfRZ
彼女いいねぇ。
彼女書いてみたいねぇ。

しかし、頭の中にあるのは、瑞樹とマネージャーのデキちゃった話なんだよなw




304:名無しさん@ピンキー
08/02/09 10:39:37 n9ucpML8
雪見の誕生日ということで

305:名無しさん@ピンキー
08/02/09 15:57:19 Y2ZG9WkI
ゆきみんの雪見大福をパフパフ

306:名無しさん@ピンキー
08/02/12 21:18:39 CF7FBoT1
これは?携帯だけだけど
URLリンク(courseagain.com)

307:名無しさん@ピンキー
08/02/14 07:10:07 PBKotvrn
らぶドル バラエティCD らぶり~できゅ~となの

よ!!(瑞樹)
だぁ!(舞)
ニャ!(海羽)
ですよ(比奈)
ですゥ(琴葉)
デ~ス(瑠璃)

口調には、こういう違いがあるんだなぁ。


308:名無しさん@ピンキー
08/02/16 16:37:04 M/V6DLR9
いえーい瑞樹みてるー?

309:名無しさん@ピンキー
08/02/18 22:20:02 aBw6ZR5I
過疎

310:名無しさん@ピンキー
08/02/21 16:01:34 T8WWYU/4
なのよ!

311:名無しさん@ピンキー
08/02/25 03:11:38 ULt8ZrPE
kaso

312:名無しさん@ピンキー
08/02/25 08:36:39 cdqpymGN
みんなかわいいのにねえ

313:名無しさん@ピンキー
08/02/26 07:09:49 EQcCIKTf
ああ、たまらんよ。

314:名無しさん@ピンキー
08/02/29 01:16:52 In6yywQM
ぬこ谷さんかわいいよネコ谷さん

315:名無しさん@ピンキー
08/03/02 02:34:26 HlgyYzCb
に゛ゃー。

316:名無しさん@ピンキー
08/03/12 23:45:40 MRBDp49R
保守

317:名無しさん@ピンキー
08/03/17 00:27:45 oqo5/1DO
今日中にレスがなかったら琴葉は俺の嫁

318:名無しさん@ピンキー
08/03/17 00:57:20 RHteRcrh
琴葉はどうでもいいや

319:名無しさん@ピンキー
08/03/17 01:17:36 U8WrAl0y
瑞樹と瞳子さえ無事ならな

320:名無しさん@ピンキー
08/03/17 09:44:09 HucgLYxV
どうでもいいとか言うな(泣)

321:名無しさん@ピンキー
08/03/17 21:45:59 v1qmcRKj
おっぱい大きいのに・・・

322:名無しさん@ピンキー
08/03/19 13:36:48 DVhAbfl3
キャラの誕生日でもこのスレときたら

323:名無しさん@ピンキー
08/04/04 12:27:41 1H9nlm/E
あぁ、比奈の誕生日忘れてたや……

324:名無しさん@ピンキー
08/04/04 20:53:37 TVCUiT1R
君が忘れてる間に比奈は頂いたぜ

325:名無しさん@ピンキー
08/04/05 04:07:14 NOzQvugz
や、唯・ひびき・舞がいれば脳内はパラダイスだから特に問題は・・・

326:名無しさん@ピンキー
08/04/05 06:32:11 i/+sxoXz
瞳子物を書くなら、
アソコをみたことをネタにおねだり(脅しともいう)をして
アプローチを続けてせまる(責任をとってもらう)
というのしか浮かばない私の脳は壊れていると思う。


327:名無しさん@ピンキー
08/04/06 03:45:38 StO5d5ND
や、むしろ瞳子が、
「これで内緒にしてくださいね」
と自発的に奉仕してくれる話とか。。。

328:名無しさん@ピンキー
08/04/06 11:41:55 NYYBkzTy
うおおおおー!! それいい!!
そうか、そういう切り口があったか。
メモっておこう__φ(.. )


329:名無しさん@ピンキー
08/04/08 03:42:19 WgbVDc2e
琴葉様の誕生日でしたね……

330:名無しさん@ピンキー
08/04/20 01:32:39 y/ceRAj8
らぶドルのみんなからプレゼントされた鉄棒で……

331:名無しさん@ピンキー
08/04/20 07:26:53 HORCLRVt
懸垂を100回出来るように特訓中の智弘

332:名無しさん@ピンキー
08/04/30 09:25:54 UEMeAhaC
誕生日にそれとなく舞におねだりしてスルーされた琴葉さんは鉄棒で自らを慰めるのであった

333:名無しさん@ピンキー
08/05/01 01:09:03 cwy8E1ls
沙有紀に踏まれたい

334:名無しさん@ピンキー
08/05/07 09:33:59 LrOyc/nD
むしろ踏みたい

335:名無しさん@ピンキー
08/05/16 01:51:17 UwY56R1m
過疎化の現実

336:名無しさん@ピンキー
08/05/17 05:02:53 UbtBdpuN
.

337:名無しさん@ピンキー
08/05/17 05:19:42 mD1c9Yu7
 

338:名無しさん@ピンキー
08/05/21 03:20:13 1o2GymXr
おーけー、今年は瑞樹の誕生日覚えてたぜ

339:名無しさん@ピンキー
08/05/21 08:34:13 sRUcOw+x
昨夜、らぶドル 榊 瑞樹 (1/8スケールPVC塗装済み完成品)を買った。
これで執筆のテンションがあがる。あとはコミケに当選しないと(爆
ここへの投下はゲフンゲフン……瑞樹本を出して余力があったら……。
純愛物で、瞳子、舞、琴葉の中から一人か。
鬼畜物なら三期生全員とか出来るが、このスレでは場違いだな。
瑞樹、誕生日おめでとう。


340:名無しさん@ピンキー
08/05/21 18:18:02 bS88Zrmw
瑞樹本とは聞き捨てられないな

341:侍見習い@武士道 ◆VpTYy/KBUc
08/05/25 01:12:01 47S8yWUk
そしてひびきは忘却の彼方……

342:名無しさん@ピンキー
08/06/07 01:30:15 LJPKZFiU
かそだ

この前の、コミケにどのくらい出てたっけ。

343:名無しさん@ピンキー
08/06/07 01:31:52 ZhEFYQ/g
瞳子といちゃいちゃしたい

344:名無しさん@ピンキー
08/06/08 14:51:47 sI7V+FOg
>>343素子する

素敵エピソードぉ~ まだぁ? モウガマンデキナイ

345:名無しさん@ピンキー
08/06/08 19:44:01 Ut7AxOoL
猫羽を猫あつかいしたい

346:期待はNGさん
08/06/09 22:04:05 VkyrvEDZ
投下します。
瑞樹ものです
保守がわりなので、期待はNGで

347:期待はNGさん①
08/06/09 22:08:35 VkyrvEDZ
sageわすれたスマソ↑
その雨は急に降り始めた。昨日はあんなに晴れていたのに正午から降り始めた雨は私…榊瑞樹の心も沈ませていた。
最寄りの駅まで、送っていくというスタッフの誘いは断った。まだデビューしていない私ひとりのために多忙なスタッフの仕事を邪魔したくないと思ったからだ。
スイート・フィッシュ・プロダクションの事務所は都内の繁華街から少し外れた場所にある。最寄りの駅までは、いつもなら徒歩15分くらいだ。だが今日は雨で道がぬかるんでいて、思うように進まなかった…。
それは、事務所を出て10分くらい歩いた頃におこった。
【バタン】 ここを通ると近道だと舞に聞いた公園を通っていた時、地面に出来たぬかるみでつまずいてしまったのだ。
『痛っ』とっさに、ジンジン痛むヒザをみると、崩れかけたアスファルトで切ってしまったのだろうか、かなり深いキズが出来ていた。
あわててバックの中からハンカチを探していると【ペチャンペチャン】誰かが近づいてくる音がした。
だんだん、その音が近づいてきた…

348:期待はNGさん②
08/06/09 22:24:05 VkyrvEDZ
恐怖に身動きが出来ないでいるとその音の主は、聞き慣れた声を発した。
「何してるんだよっ!カゼひくだろ」
『‥‥…マネージャー!』
緊張の糸が切れたのか瑞樹は急に声をあげて泣きだし、彼に抱きついた。
「おいおいどうしたんだ?あっ、すごいキズじゃないか!」
一瞬考えこむと、彼はこう言った。「ここからなら事務所よりオレの家のほうが近いが…よかったら来るか?」
瑞樹はびくっとしながらも、少し顔を赤くしてコクンとうなずいた。


続きは、このスレに人がいるのか見てから、つくる。
携帯からなので、行がおかしかったらスマソ


349:名無しさん@ピンキー
08/06/10 00:04:37 kzWz+395
ワッフルワッフル

350:名無しさん@ピンキー
08/06/10 00:31:20 D+Xg/SjV
よしきた。よし、期待。
個人的なことを言えば、俺以外の書いたSSがココに載ることは想像していなかっただけに、ムチャクチャ嬉しいぜ。

351:fushianasan
08/06/10 23:23:05 zMktwuSy


352:名無しさん@ピンキー
08/06/11 01:48:38 TgZvwpzr
私とは違う切り口なので楽しみだ。

コミケ当選したので頑張る。
しかし、瑞樹本なのに瞳子がいい女として出てくるんだよな。
瑞樹書いているのに微妙に瞳子に対してスイッチが入っているw


353:名無しさん@ピンキー
08/06/11 09:36:48 CWOepexz
よし、そのまま瞳子&瑞希3Pルートだ!

354:名無しさん@ピンキー
08/06/11 23:24:32 TgZvwpzr
そんなこというから、3P話が頭の中を走っているじゃないかw

瞳子の母って「結城はるか」だけど、これって結婚して夫が婿に入ったということ?
アイドルである未婚時と娘の瞳子の姓が同じということは、そういうことでいいんですよね?


某所の人気投票ランキング
桐生琴葉
榊瑞樹
進藤あゆみ
北条比奈
野々宮舞

瞳子は六位でした。とりあえず瑞樹は二位なので需要はありそうでよかった。
もっとも、らぶドルそのものにどれだけ需要があるかは疑問ですが( ´¬`)チヘド


355:名無しさん@ピンキー
08/06/12 00:13:49 qONSaSYD
>>354
多分それでいいと思うよ
芸名で母親の旧姓を名乗ってる可能性もあるけど、母親の七光と言われないようにしてる瞳子に限ってそれはないだろうし

あと、少なくともここに一人お前さんの新刊を心待ちにしている男がいるぞ

356:期待はNGさん
08/06/12 00:55:45 UW0t8/lb
>>354
ここにも、一人いるぞ。

遅くなりましたが、続き投下します。

357:期待はNGさん③
08/06/12 00:59:34 UW0t8/lb
智弘の自宅は、その公園から車ですぐ着いた。
「そのタオル使って。カゼをひくからまず、キズの手当てしないと。」
そう言うと智弘は救急箱からマキ○ンを出し消毒し始めた。
『っ 痛っ …いきなりやったら痛いじゃないのっ』
「ごめんごめん」
智弘は慌てて謝りながらもいつも通りの瑞樹になってきたと安心した。
「寒いだろ?シャワー浴びてくるか」
『それなら使わせてもらうわ。』
瑞樹はそう言い、バスルームへむかった。

358:期待はNGさん④
08/06/12 01:01:14 UW0t8/lb
……瑞樹がシャワーを終えて出てくるとそこには、少し瑞樹には小さい下着と洋服がそろっていた。
「そこに、舞の洋服を出しておいたから、借りるといい。」
『ありがとう、マネージャー』
用意された服を着て、瑞樹が部屋に戻ると智弘は「今日はもう遅いから送っていくよ」と言い立ち上がろうとした。



359:期待はNGさん⑤
08/06/12 01:03:50 UW0t8/lb
しかし、瑞樹は聞き取れないほど小さい声で
『・りた・くない…』
と言い、智弘のそでを小さく引っ張った。
智弘が聞き返すと、今度ははっきりと自分の思いを伝えたのだった。
『帰りたくないっ その……だから……私を抱いて!』
そう思いを伝えると、瑞樹は智弘に抱きついた。
が、智弘はためらっていた。
彼は、今までマネージャーとして瑞樹と接していたからだ。


360:期待はNGさん⑥
08/06/12 01:04:51 UW0t8/lb
「俺はお前のマネージャーなんだその…気持ちはうれしいがそういうことは―・」
『いやっ拒まないでっ おねがいだから 私のことをひとりの女の子としてみてよ!』
顔を真っ赤にした瑞樹の懇願でついに智弘が折れた。
「(姉さん、社長ごめんなさい。俺は、もうガマン出来ません)」
そう心の中で謝罪すると、やさしく瑞樹の口をふさいだ。
『・・ふっっ―んんっ』
一度口を離し彼女の身体を抱き抱え、ベッドまで運ぶとそのまま押し倒す。

361:期待はNGさん
08/06/12 01:08:59 UW0t8/lb
再びくちびるを奪うと今度は、閉じられた口の中に舌を侵入させた。
『んんっひゃあ』
手を胸のうえに持っていきやさしく瑞樹のふくらみをもみはじめた。
『やあっふあっ』
はじめての感覚に小さく喘いだ。 そのまま服とブラを一気に脱がせた。
その白い肌と、美しい胸に見とれていると彼女はか細い声で『あんまり、、見ないで…』
とつぶやいた。
「きれいだし、形もいいんだな。」
瑞樹の願いは、すっかり瑞樹の身体のとりこになった彼には届いていないようだった。
無言で瑞樹の形のよいふくらみをゆっくりともみはじめた。
『―ひゃはははっ』
突然の刺激に驚いたのか大きく喘いだ。
そのまま刺激を与え続けた。時には、頂点を弾くのを忘れず。



362:期待はNGさん
08/06/12 01:10:13 UW0t8/lb
急に胸の愛撫が止まり、不満に思っている。だがすぐに智弘は、頭を瑞樹の秘所に近づけた。
瑞樹は、これからされる行為に期待し、体をビクつかせた。
そして…ついに手は瑞樹の大切な部分に到着した。
『ひぁ・‥』
「指、入れるぞ」
ずぷっ
『んぐぅッ!!』
だんだん奥に侵入していく彼の指。
それは、狭いナカをかき分けながら奥にいく。
『あ、ああぁ』
指の4分の3位が入ったところで瑞樹のナカをかきまわす。
クチュックチュックチュッ
『あっ!ぅう…ひゃ…んっ!―』
「み、瑞樹っ 気持ちいい?」
『ふっ、うん…なんかぁ不思議ぃな感じぃ』
「こんなに溢れさせるなんてすごいね…全部ビショビショだ。」
『やぁ。 しょっ、そんなこと言わないで…』
ろれつがまわらない口調で無駄な抵抗をした。
「ねえ?」
彼は、手を止めるとこれ以上ないくらいやさしく問い掛けた。


363:期待はNGさん
08/06/12 01:12:39 UW0t8/lb
「君の全部が欲しいんだ、瑞樹」
瑞樹は、顔を真っ赤にそめ、うなずきながら答えた。
『うん…ぃぃょ..』
その言葉を聞くと、智弘はし下着とズボンをいっしょに脱ぎ捨て、すでに固くなったソレを出した。 予想をはるかに上回るソレの大きさに瑞樹が息をのむ。
『それ、、ほんとに入るの?』
「怖いならやめるよ?」
その言葉にあわてて瑞樹は答えた。
『大丈夫。だから、、来て』
瑞樹を安心させようと軽くキスをすると、智弘は慎重に腰を進めていった…。
亀頭がゆっくりナカへ飲み込まれていく。瑞樹は目を堅くつぶり耐えている。
「(くっ、本当に大丈夫なのか?)」
さらに進めようとしたところ、さらに強い抵抗が智弘のモノを妨げた。
「『(これが)』」
二人は目をあわせると軽くうなずき合い智弘は一気に強い抵抗を貫いた。


364:期待はNGさん 制作協力:オタのオフ友
08/06/12 01:15:08 UW0t8/lb
「…………っ!」
「……………!」
その部分を抜けた瞬間、ソレは瑞樹の最奥までスムーズに達した。 その途端、無数の肉襞が肉棒に絡み付いてくる。 「っ……くううっ」
暖かくぬめる感触に発射しそうになるが、無理やり意志の力でねじ伏せた。 下半身に力を込め、快感をやり過ごす。
「っはあっ、はあっ、瑞樹、大丈夫?」
全力疾走直後のような息をしながら、痛みに耐えているであろう彼女の心配をする。

365:期待はNGさん 制作協力:オタのオフ友
08/06/12 01:18:10 UW0t8/lb
「え…あ、あれ……痛く…ない?」
しかし、彼女は予想に反して、困惑した表情を見せた。 しばらく不思議な表情を見せていたが、智弘と目が合うと必死になって弁解を始める。
「わ、私初めてなんだから、ほ、本当なんだから!」 「信じるよ」 「え?」
智弘は結合部から流れ出た純潔の証をすくってみせる。 「え、じゃあなんで…?」
「僕にもよくわからないけどさ、そういう体質の人っているらしいよ」
「そ、そうなの?」
目をぱちくりさせる瑞樹。 そのしぐさがたまらなく可愛くて、智弘は思い切り抱きしめていた。 智弘の体温を全身に感じて不安だった気持ちがあっという間に落ち着く。
受け入れた智弘のソレは、体の奥を押し広げ熱を放っている。
「すごく熱い、智弘…」
痛みがなかったのは少し拍子抜けだが、智弘と結ばれた喜びはそんなものをあっさりと吹き飛ばした。

366:期待はNGさん 制作協力:オタのオフ友
08/06/12 01:25:06 UW0t8/lb
「わたしたち、ひとつになれたんだ…」
「うん、瑞樹の中って、すごく柔らかくてあったかくてきもちいい…」
「と智弘のも、すごく大きくて、熱くて、硬くって、おくまで届いてる…」
そのまま二人ともじっとして、互いの感触を確かめ合う。 目を閉じると、体の深いところまで打ち込まれた智弘を強く感じられる。
これが自分の中を激しくこすったらどうなってしまうのだろうか。
「智弘。動いて…」
求めに応じて智弘の腰が焦らすようにゆっくりと引かれていく。
それに合わせて自分の膣内が引きずられる。 抜けそうなぎりぎりのところまで引くと、ズン、と深く突いてきた。
「はああっ!」
今までの愛撫とは違う、重い質量すら伴う快楽。 腰の奥までしびれるような快感。 もっと、もっと智弘に激しく動いて欲しい。
もっと感じさせて欲しい。
「智弘っ、、!」
「み、瑞樹ぉ!」
智弘が腰を激しく動かし始める。


367:期待はNGさん 制作協力:オタのオフ友
08/06/12 01:27:17 UW0t8/lb
肉襞をめくりながら陰茎が引き抜かれ、子宮口に達するまで深々と突き刺される。
「ふあっ、んんっ、やっ、あっ、あっ、あっ、ああっ!」
「瑞樹、みずき、みずき!」
智弘が何度も自分の名を呼んでいる。その名を呼ばれるたびに胸に喜びがたまり溢れそうになる。
「智弘、、好きっ、好きっ、大好き!!」
「俺も、俺も愛してるっ!!」
智弘が腰を引くたびに悦楽の波紋が広がり、突きこまれると快楽の電流がはじける。 瑞樹の体は揺さぶられ続ける。
「あ、ああっ、あっ、ひうっ、うあっ!」
体の中心に熱がどんどん集まっていく。
と、智弘が動きを変えた。

368:期待はNGさん 制作協力:オタのオフ友
08/06/12 01:30:10 UW0t8/lb
肉棒を奥まで突き立てて抉り回す。
「ひああぁぁぁっ!」 苦痛と紙一重の焼け付くような快感。
いつも、誰にでもやさしくまるでギャルゲーの主人公のように鈍感で、全く気持ちに気付いてくれていなかった智弘。
それらとはまったく違う荒々しい智弘が自分を翻弄している。
けれど、そんな智弘も好きだ。自分を激しく愛してくれる智弘が好きだ。 世界で一番智弘のことを愛してる!

「あっ、うああっ、あくっ、あああっあっ、あっ!」
智弘の動きが激しくなる。
自分からも腰をうねらせて彼に同調する。
いまや瑞樹の体は、ベッドの上から跳ね上がるほど犯されていた。
もう智弘のこと以外何も考えられない。 混濁した世界の中で、全身を荒れ狂う快楽がより熱く昇華していく。
「み、瑞樹、もう―」 智弘のほうも限界が近づいているようだ。
「んっ、いい、いいよ、一緒に、きてぇぇっ!」
全身で彼を受け止めて、自分もまた昇りつめていく。 息のかかる距離で狂おしく見つめあいながら、突かれ続ける。
智弘の表情が快感に激しく歪んだ。体内で智弘のソレが膨れ上がる。
同時に瑞樹の中で熱が一気に爆ぜ、頭の中が閃光で真っ白になる。

369:期待はNGさん 制作協力:オタのオフ友
08/06/12 01:31:36 UW0t8/lb
「ふああっ、あっ、はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
はるかな高みへと打ち上げられた体は、激しい炎に包まれ悦楽の火の粉を散らしながら霧散していく。 遊離した感覚の中、胎内に注ぎ込まれた熱い精を感じる。
(熱い……それにこんなにたくさん)
満たされた想いとともに意識が現世へと戻ってくる。 力を使い果たしたように俯いていた智弘が、のろのろと手を伸ばし瑞樹の体を抱き締めた。 瑞樹も痺れの残る両手を智弘の背に回す。
彼の体がゆっくりと瑞樹に覆いかぶさる。
(幸せ……) 折り重なるように抱きしめあいながら、心地よい余韻を味わった。
全身のけだるさは抜けないが、それが気持ちいい。 これなら永遠に朝が来なくてもいいかもしれない。
自分の腕の中で、うっとりと目を閉じながら髪を撫でられている瑞樹を見て、埒もないことを考える。
その安心しきった穏やかな表情は年相応の少女のものだった。

370:期待はNGさん
08/06/12 01:33:34 UW0t8/lb
結局、後半は時間なくて下請にだしてしまった(^_^;)
スマソ

371:期待はNGさん
08/06/12 01:35:41 UW0t8/lb
最後の最後にsage忘れた。
つってくる………

372:名無しさん@ピンキー
08/06/12 08:52:25 Zwb7DVsi
ヘタ

373:名無しさん@ピンキー
08/06/12 19:03:11 68Ng18rk
けなすだけならクズでも出来る、ってな。

下請けがいるとは凄いなw
甘々な話でよい。


374:名無しさん@ピンキー
08/06/13 00:36:28 1LxbYxGW
貫通から極端に描写が変わっているのが、場面の急転換をうまく表現できてる。
よう頑張った。純情でいいな。

375:期待はNGさん→名無しになるぞ
08/06/14 14:56:04 f62DqMQ6
俺は、書いた。
>>352 &みんなも、書くんだ。


376:名無しさん@ピンキー
08/06/14 19:46:50 tGGAjEAK
基本的に同人人間だからいい話が浮かぶとそっちにもっていってしまうんだよね。
それでも決めごとがあって、ネタ元がある場合はそこに戻すことにしている。
>>353のようなネタ振りで話が浮かんだときには、
作品を書いたときには同人にはしないでそこに還元している。
それがマナーだと思っている。
書くとしたら>>353ネタかなぁ。

らぶドル バラエティCD らぶり~できゅ~となの よ!!(瑞樹編)を聞いた。
他の5人も聞いてみたくなったよ。
いまさらながらに、地味にハマりつつある……。


377:名無しさん@ピンキー
08/06/17 17:47:26 Ra/qFJW+
ほしゅ あげ

378:名無しさん@ピンキー
08/06/17 21:51:03 4J9fbq2E
沙有紀に踏まれたい

379:名無しさん@ピンキー
08/06/19 20:52:53 Af1THu7r
キャラを理解するためには、ゲームをプレイした方がいいのでしょうか?


380:名無しさん@ピンキー
08/06/19 23:38:57 4NGT4wF1
>>379
やらないよりはやった方がいいのはもちろんだが、PS2版には3期生が登場しないことに注意


381:名無しさん@ピンキー
08/06/20 00:09:32 aPNosF+z
一期生、二期生を理解するのにはいい、かな。
瞳子とかよく知りたいんですよね。

382:名無しさん@ピンキー
08/06/25 17:07:40 JXBtiQn1
みんなで、瑞樹たんを×××してみないか?

383:名無しさん@ピンキー
08/07/01 04:27:28 RQrRrz58
もうすぐ落ちそうでこわい//
せめて夏のイベントまで(ry

384:名無しさん@ピンキー
08/07/08 06:31:08 Ry+C71cq
maintenance 保守

385:名無しさん@ピンキー
08/07/11 00:30:05 gUrXPJsl
いちお捕手

386:03s1hRg
08/07/15 06:46:13 OQPUCnkO


387:名無しさん@ピンキー
08/07/16 11:10:38 Jn12l6We
にゃんにゃんにゃん

388:名無しさん@ピンキー
08/07/19 06:44:02 JCoNQR8a
私をついに

389:名無しさん@ピンキー
08/07/19 07:12:41 gmUsxEZd
食べちゃった♪

390:名無しさん@ピンキー
08/07/19 11:33:15 v2Dr9/BR
既成事実が出来たにゃー!
マネージャーは私だけのモノにゃー!


391:名無しさん@ピンキー
08/07/20 00:46:28 eQb1TohK
海羽の一人称は「あたし」だ
つまり>>390は海羽ではない
おまえは誰だ!?


392:名無しさん@ピンキー
08/07/20 00:56:55 VuzxcA1O
ミ・ケ・キャラット

393:名無しさん@ピンキー
08/07/20 05:07:13 9vgAlWRd
>>391 cv.やってる瑠璃かとオモタw

394:名無しさん@ピンキー
08/07/23 23:26:40 owuJqfi2
mu?

395:名無しさん@ピンキー
08/07/24 21:45:25 MyutY+Tm
あげないと 落ちそうだ

396:名無しさん@ピンキー
08/07/28 00:19:49 iC7ayBfD
そういえば瑞樹本出すとか言ってた人はどうしてるんだろ?

397:名無しさん@ピンキー
08/07/29 09:43:02 J9sKR3vl
|

|・)チラッ

|_・) <呼んだ?

|・)ススッ…

|)スーッ…

| <約一ヶ月、飛び込みの物に時間を取られたため頒布は延期。告知済作品を優先します。

| <瑞樹は少し尺が長い(エッチだけして終わり、ではなくその前後の話もある)ので。

| <初回限定版を購入(PS2無。エミュに賭ける)。これで瞳子始め1,2期生もなんとか。

| <でも、スレに執筆発言をすると『必ずスレが落ちる』ので、完成したときにスレがあったら載せるぐらいで(瞳子物)。

| <では、ご縁があったらまたいつか。

|ノシ

398:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:02:37 4bCnL7XI
>>397
そっか、そいつは残念だ
またの機会に期待するよ

399:名無しさん@ピンキー
08/08/01 08:04:24 N0OsLYHD
そういって頂けるとありがたい反面、もうしわけない。
瑞樹本は、申込み時点で告知してなかったため
優先度の関係で次回に持ち越しました。
会場で次回頒布として告知するかも知れないので、
もし、当サークルが判明しても口外せずこっそり買いに来て頂ければ。

ここでの謝礼がてら冬までにショート作品で
瞳子を投下出来たらなと思っていますが予定は未定ということで。
予告して書き始めた途端、落ちたスレがいくつもある(汗)

何か瞳子が好きですね。
設定といいビジュアルの雰囲気といい。
瑞樹本に三期生以外で唯一登場するらぶドルだったりw

他の人にもSS書いてもらいたいですね。

400:名無しさん@ピンキー
08/08/02 06:51:27 lRdUvSH5
400

401:名無しさん@ピンキー
08/08/06 01:33:26 3BNk9zLh
ho

402:名無しさん@ピンキー
08/08/11 07:00:17 wKdv4Oqu
捕手

403:名無しさん@ピンキー
08/08/15 18:39:49 61kdYAag
コミケ 行きたいな

404:名無しさん@ピンキー
08/08/17 00:28:41 XrX7kmhi
にゃ~

405:名無しさん@ピンキー
08/08/18 09:09:31 gICbSqus
コミケ 行ってきた

406:名無しさん@ピンキー
08/08/26 12:04:06 loneVmA7
ほしゅ

407:名無しさん@ピンキー
08/08/26 20:51:33 DZoFer8q
冬に申し込んできた。
当選して当サークルが判明した場合には
他言せずにこっそりとお越し下さいw
秋にもうひとつイベント参加することになったため瞳子物はゲフンゲフン
資料読んでいたら、あやとかいいなぁと思ったり。
まずは瑞樹やってきます。


408:名無しさん@ピンキー
08/08/27 07:25:04 UQf7lE7L
俺も冬申し込んだ!
「らぶドルでやりたい」と言ったところ、他のサークル員に同意してもらえずに、結局他のを作ることになったけど……

409:名無しさん@ピンキー
08/08/27 23:42:30 lHhP+QkY
>>408
よし!
それじゃ、一緒に合同誌だ!
私、瞳子担当。後よろしくw

うちは個人サークルだから作りたいものを作っています。
マイナー作品ばっかりをヽ( ´ー`)ノ

410:名無しさん@ピンキー
08/09/03 06:31:25 wvsn9KIi
保守

過去の作品だよね…ほとんどの人にとってね

411:名無しさん@ピンキー
08/09/10 06:08:58 CR1wS2Or
ほしゅ

そうそう部屋片付けてたら、同じ舞のキャラソンCDが2枚出てきた。


412:名無しさん@ピンキー
08/09/10 08:36:13 MMpTHZAB
らぶドラーにはよくあること

413:名無しさん@ピンキー
08/09/10 09:57:18 McIeDOPy
らぶドルの明日はらぶドルSONGのほんにござる

414:名無しさん@ピンキー
08/09/21 01:39:16 J204kdSz
みんな
秋・冬のイベント参加予定は?

415:名無しさん@ピンキー
08/09/21 11:21:42 Dvt4GSkr
11月某オンリー
12月冬コミ
2月某オンリー
4月以降 総合かオンリーを1つ(恐らくアレのオンリーがあると思っている)

……瞳子を書く時間ががが。
らぶドルオンリーないんだよねぇ。
11月、2月、どちらも10年以上前に始まった作品ですでに終わっているけれど
こうしてオンリーを開けるほど根強いファンがいる。
今年の春に参加したオンリーも10周年記念オンリーだったなぁ。
どうにも古い作品が好きな俺ガイルw
活動が本メインだからどうしてもネット投稿より本にシフトしてしまう。
瑞樹以外にも瞳子、琴葉、海羽を本にしたいと思い始めているが、需要はどうなのかと(苦笑)
ショコラ+比奈の4P姉妹どんぶり物出来ないかなぁとか色々と脳内に煩悩は多いw
性格上、メインの子たち全員を書く傾向があるが、流石にらぶドル18人やったら死ねるのでやらない=□○_バタッ

>>412
この言い方、凄くいいです。

416:名無しさん@ピンキー
08/09/24 08:50:15 0xbwO3mn
俺は12月の冬コミだけだ。
らぶドルじゃない他作品での参加になる人だけども。そしてコミケ初参加。

>>412
その呼称、使わせてもらいます。

>>415
瞳子なら絶対買うぜw

417:名無しさん@ピンキー
08/09/25 07:00:04 xQQlE4KF
>>416
お互いに原稿頑張りましょう(=゚ω゚)ノ

何とかこのスレには恩返しをしたいですね。
アニメを観ていたとき以上にハマるきっかけになったのはこのスレですし、
瑞樹本の背中を押したのもこのスレだから。
ただ、物語を綴りたいクチなので話を練っているうちにしっかりしたものが書きたくなって、
結果として本にいってしまうのでこのスレに投下出来ないという事態に。

「水泳大会」とか読むと「沙有紀可愛いなぁ」と思うし
近親相姦超好きだけど瑠璃は書きにくい素材だし
玲はキャラとして面白そうだなと思うし
雪見の気弱さは巧く使うと味が出るかなと思うし。
Σ( ̄□ ̄ )ハッ! この分では全員のネタを考えかねないw
リアルタイムでハマっていたら全員、本にしたでしょうね。

瑞樹(冬コミ)、瞳子(09年夏コミ)、の順で(当選したら)本にします。
瞳子が本になる代わりに、残りの16人の中から一作、ショートを書いてここに投下します。
年内だけでも6冊、2月オンリーまで二週間に一作のペースで仕上げていかないといけないので
いつ投下とはいえませんが、出来たあかつきにはスレが残っている限り投下します。
すでにプロットは出来ました。あとは時間作って書くだけです。
誰が出て来るかは投下したときのお楽しみで。
しかし、投下予告のせいでスレがなくならいいといいけれど(苦笑)

418:名無しさん@ピンキー
08/10/04 06:41:12 cO89DdUX
>>417
大丈夫か?

無理すんなよ

419:名無しさん@ピンキー
08/10/09 21:08:55 A04VoEi5


420:名無しさん@ピンキー
08/10/10 00:34:28 uVBUzPfb
海羽ちゃん苦しめたい……

421:名無しさん@ピンキー
08/10/10 05:52:23 Yr6+9sqK
やめいw

422:名無しさん@ピンキー
08/10/10 07:11:53 zLlyAh9e
縛って動けなくした唯と海羽の目の前で、ネコを可愛がりまくりたい

423:名無しさん@ピンキー
08/10/10 07:13:14 GZilmRnI
性的に

424:名無しさん@ピンキー
08/10/11 00:57:50 bRSxKNmL
420の書き込みをしたあと海羽の健康的かつエロい体を想像してたら邑々してきて、
よし、こうなったら海羽を心身ともぼろぼろになるまで性的に苦しめちゃう妄想をしよう、
まずは参考のためアニメ本編と各種CDの再チェックだ、と思いとりあえず
キャラソンCDのLovelyメッセージを聞いてみたら、あまりにも愛おしく思えてきて心が折れたぜ。

海羽ちゃん応援したい……

425:名無しさん@ピンキー
08/10/11 20:17:41 xd6SZxhd
らぶらぶ妄想で行くが良い

426:名無しさん@ピンキー
08/10/17 08:14:48 +/0kQS3B
>>422
可哀想すぎるw

427:名無しさん@ピンキー
08/10/18 04:55:51 r4bLZ+L0
ほしゅ

ニャンニャンニャニャニャッ

428:名無しさん@ピンキー
08/10/19 01:08:00 qmQZsFC2
ある喫茶店の扉が開くと、出入りを知らせるためにつけられた鈴が、ちりん、と鳴った。
入ってきたのは、二匹の猫のぬいぐるみを身につけた少女だった。
少女の名前は、有栖川唯。
今をときめくらぶドル一期生のメンバーだった。
今日は、オフということでこの喫茶店にやってきた。
「いらっしゃいませ」
ウェイターが、静かな声で挨拶をかける。
「お一人ですか?」
「はい」
「お席はこちらになります」
唯は、ボブ気味の髪をふわりとさせて案内された席に着くと、軽く店内を見回した。
彼女の目線の先には、色々な品種の猫がいた。
その猫は、自由に店内を移動しており、ある猫は客の腿の上で気持ちよさそうに鎮座している。
喫茶店内に猫という、ありえない光景だが、ここではこれが当たり前だった。
この店は「猫喫茶 みゃあみゃあ」。
最近はやりの猫のいる喫茶店だった。
「ご注文は」
ウェイターは、伝票を取る用意をして待っている。
「あ、はい。えっと、それじゃ、オレンジジュースで」
ウェイターは、伝票に注文を書き込むと、一枚の紙を差し出した。
「猫についての注意事項は、こちらに書いてありますので、よろしくお願いします」
ウェイターは、注文を伝えるために厨房へと消えた。
唯は、急いで注意事項の書かれた用紙を読み切ると、自由になっている猫のところへゆっくりと近づいた。
「おいでー。おいでー」
腰を落として両手を差し出し猫を呼ぶ。
猫には、首から名札がぶら下げられている。
「ベリーっていうんだ。ベリー、おいでー」
猫喫茶の猫だけあって、ベリーはゆっくりと近づいてきた。
唯は、そばまできたベリーをそっと抱き上げた。
「うわぁー。ふっわふわだー。『ジャパニーズ・ボブテイルの長毛』なんだね」
名札には、その猫の種類も記載されていた。
唯は、猫を抱えたまま席に戻ると、すでにオレンジジュースが運ばれていた。
猫を腿の上におき、優しく撫でながらジュースを口にした。
「ん~、幸せ~」
猫好きの唯にとって、こういう喫茶店が出来たのは嬉しかった。
ペットショップにいっても眺めることは出来ても、こうして触ることは出来ない。
それが、ここでは可能なのだ。
この日、唯はほとんどをこの喫茶店で過ごした。
名残惜しい中、会計をしているときだった。
「有栖川唯さんですよね?」
唯は、会計をしている店員から声をかけられた。
「はい」
「すみませんが、サインお願い出来ますか?」
店にとって芸能人が来店したというのは、ウリのひとつになる。
まして、猫好きで有名な芸能人ともなればなおさらだ。
「いいですよ」
唯は、店で用意してある色紙にサインをした。
「どうもすみません」
店員は礼を言うと、小さく折られた紙を手渡した。
「後で見て下さい。特別ですよ」
耳打ちするように小さく話した。
「ありがとうございました」
唯は、店員の声に送られて店外へ出た。
しばらく歩いてから、先程の紙を開いた。
そこには『特別鑑賞会のお知らせ』として、日時が書いてあった。
また、特別というだけあって、他言無用とのことだった。
内容は、店では見られない猫に触れるというものだった。
「うっわー! 行かなくっちゃー!」
唯の目は、きらきらと輝きを放っていた。

429:名無しさん@ピンキー
08/10/19 01:09:00 qmQZsFC2
ある喫茶店の扉が開くと、出入りを知らせるためにつけられた鈴が、ちりん、と鳴った。
入ってきたのは、腰にまで届く超ロングの髪を持つ少女だった。
少女の名前は、猫谷海羽。
今をときめくらぶドル三期生のメンバーだった。
今日は、オフということでこの喫茶店にやってきた。
「いらっしゃいませ」
ウェイターが、静かな声で挨拶をかける。
「お一人ですか?」
「一人です」
「お席はこちらになります」
海羽は、店内をきょろきょろと見回しながらウェイターの後をついていった。
その目には、至るところにいる猫が映った。
この店は「猫喫茶 みゃあみゃあ」。
最近はやりの猫のいる喫茶店だった。
「ご注文は」
ウェイターは、伝票を取る用意をして待っている。
「んー、ミルクがいいかな。うん」
ウェイターは、伝票に注文を書き込むと、一枚の紙を差し出した。
「猫についての注意事項は、こちらに書いてありますので、よろしくお願いします」
ウェイターは、注文を伝えるために厨房へと消えた。
「リボンがついているのはまだ人に馴れていないから抱いちゃだめなのね」
海羽は、一通り読み終わると席を立ち、用意されている猫用の固形餌を手に掴むと、そのまま子猫のいるところへ向かった。
「さあ、エサだよー。おいしいよー」
子猫は、海羽の握り拳の中から匂ってくるエサにつられて寄ってきた。
「そうそう。エサだよー」
海羽は、少しずつ自分の席へと移動する。
子猫もそれにつられて移動してくる。
海羽は、席についても子猫をおびき寄せ、子猫が自発的に自分の腿の上に乗るようにし向けた。
これは、俗に言う裏技で、『抱きかかえる行為』をしてしまうのはいけないが、抱かなければ腿の上に乗せてもよかった。
あくまでも『抱くこと』が禁止なのだ。
海羽は、事前リサーチでこの裏技を知っていた。
「良く来たねー」
海羽は、子猫の背中を優しく撫でた。
「ん~」
柔らかな感触に、背筋がゾクゾクした。
「やっぱりいいニャー。猫は最高ニャー」
ついつい、語尾に口癖が漏れる。
海羽は、猫の可愛さに蕩けながら時を過ごした。
そういう時間は、あっという間に過ぎ去っていく。
海羽は、後ろ髪を引かれながら会計へと向かった。
「猫谷海羽さんですよね?」
海羽は、会計をしている店員から声をかけられた。
「はい」
「すみませんが、サインお願い出来ますか?」
店にとって芸能人が来店したというのは、ウリのひとつになる。
まして、相手は人気上昇中のらぶドル三期生・猫谷海羽である。
「いいですよ」
海羽は、店で用意してある色紙にサインをした。

430:名無しさん@ピンキー
08/10/19 01:09:52 qmQZsFC2
「どうもすみません」
店員は礼を言うと、小さく折られた紙を手渡した。
「これは?」
「後で見て下さい。特別ですよ」
耳打ちするように小さく話した。
「ありがとう」
海羽は、何か判らなかったが、『特別』ということで礼を言った。
「ありがとうございました」
海羽は、店員の声に送られて店外へ出た。
しばらく歩いてから、先程の紙を開いた。
そこには『特別鑑賞会のお知らせ』として、日時が書いてあった。
また、特別というだけあって、他言無用とのことだった。
内容は、店では見られない猫に触れるというものだった。
「ええーっ! これ、ホント!? あたしってついてるー!! 絶対行くニャー!!」
海羽は、喜びの余り大きくジャンプした。

431:名無しさん@ピンキー
08/10/19 01:11:06 qmQZsFC2
メモに記された日がやってきた。
指定された場所にやってきたのは、有栖川唯だった。
「ここだよね」
それは、路地裏にある雑居ビルだった。
看板もなく見るからにあやしい感じがする。
「こういうところでないと目立つからかな」
特別な猫ということなので、何かと秘密にしなければならないことがあるのかも知れない。
とりあえず、設置されている小さなエレベータで指定された階で降りると、一人の男が立っていた。
「いらっしゃいませ」
この前の店員とは違う男が立っていた。
「紹介状はございますでしょうか」
「これでいいんですよね」
唯は、もらった紙を見せた。
「どうぞこちらへ」
男は、すぐ目の前の扉を開けた。
唯は、一人、中へ進むと、別の男が待っていた。
男に案内されて、パーティーションに囲まれた席へと通された。
「会が始まるまで、こちらでお待ち下さい」
唯は、三人掛けのソファに腰を下ろすと、それに合わせるようにして飲み物が運ばれてきた。
そばには、雑誌ラックがあり、時間を潰せるようにと猫の写真集などが入れられていた。
唯は、飲み物を飲みながら本を眺めていると、瞼が重くなってきた。
「ん……疲れているのかな……」
らぶドルとしての仕事が詰まっている中で、無理矢理オフの日を作ってきた。
その分、毎日の仕事がハードになり、遅くなることもあった。
「ちょっとだけ横に……」
唯は、ソファで横になると、そのまま寝てしまった。

唯が寝てから5分後。
室内に入ってきたのは、猫谷海羽だった。
海羽は、パーティーションを挟んで隣の席に通された。
海羽も、唯と同様に待つように言われ、飲み物が運ばれてきた。
ごくごくと飲み物を飲み干し、目を輝かせながら猫の写真集に目を通していた。
「ん……なんか……眠いニャー……」
海羽は、ソファの背もたれに体を預けると、そのまま寝てしまった。
しばらくしてから数名の男達が、唯、海羽、二人の頬をぺちぺちと軽く叩いた。
「完全に眠っているな」
「今日はこの二人だけだったな」
「急いで連れ出すぞ」
二人は、意識がないまま大きめの段ボール箱に詰められると、ワンボックス車に乗せられていずこかへ連れ去られた。

432:名無しさん@ピンキー
08/10/19 01:13:26 qmQZsFC2
どの話を続けますか?

1.有栖川唯 萌え萌え一般向け話

2.有栖川唯 鬼畜陵辱成人向け話

3.猫谷海羽 萌え萌え一般向け話

4.猫谷海羽 鬼畜陵辱成人向け話


-----
といいつつ、ここまで。
思わずネタに触発されて書いたが、同人原稿そっちのけで続けられないw

この続きをここへの御礼としてもいいといえばいいのですが(苦笑)
まあ420以降のネタ振りで即興で書いたものなので適当に楽しんで下さいw

なお、この二人は、417で話したスレ用の話の主人公ではありません。
残り14人の中に主人公がいますw

433:名無しさん@ピンキー
08/10/19 01:37:13 47YsdC6/
アンケートや近況の報告は、いらない

434:名無しさん@ピンキー
08/10/19 09:40:13 A42lW+Rz
5.有栖川唯&猫谷海羽 萌え萌え成人向け話

435:名無しさん@ピンキー
08/10/19 21:25:40 xMrIAiJB
>>432には悪いが俺も>>434に1票。

436:名無しさん@ピンキー
08/10/20 17:39:42 0MW771ds
ここは敢えて、

>>434 ⑤ だろw

437:名無しさん@ピンキー
08/10/24 06:23:29 lKxHua5g
ほしゅあげ

438:名無しさん@ピンキー
08/11/05 15:47:19 G8ppQMtZ
ho

439:名無しさん@ピンキー
08/11/10 00:17:55 N2o+rZgj
ほしゅ

440:名無しさん@ピンキー
08/11/10 00:24:40 wMT1t4q+
海羽ちゃん苦しめたい・・・

441:名無しさん@ピンキー
08/11/19 06:52:19 XDnLIAvg
にゃんにゃん、にゃにゃにゃん♪

442:名無しさん@ピンキー
08/12/05 17:54:56 SajEzARk
ほしゅ変わりに質問

冬コミ参加する?or行く?

443:名無しさん@ピンキー
08/12/05 20:35:05 0IFfux7h
らぶドルで応募したが夏に続いて今回も落ちたよ
今は別の形で参加できればと思って色々やってるけど

444:名無しさん@ピンキー
08/12/09 00:39:35 keQP5PQU


445:名無しさん@ピンキー
08/12/15 12:57:29 c11GVn2p
ピタ☆

ほしゅ

446:名無しさん@ピンキー
08/12/17 00:13:59 YY8LqYEK
>>428
今読んだ、乙
ためしに検索してみたら、猫喫茶ってホントにあるんだな

>>442
今回申し込んでて落ちた人も結構いたんだろうか・・
中の人の関係もあるから、行くことは行くと思うよ

447:名無しさん@ピンキー
08/12/26 20:14:00 pUncMjcS
琴葉可愛いよ

448:名無しさん@ピンキー
09/01/07 00:24:37 j5nbArwr
ショコラのお二人といちゃいちゃしたいぜ

449:名無しさん@ピンキー
09/01/07 17:51:17 9N51mukx
シャッフルにして再生したら久しぶりにらぶドルの曲が…

450:名無しさん@ピンキー
09/01/07 23:41:18 iqKj148C
>>448
俺はショコラの2人がいちゃいちゃしてるのが見たいぜ

451:名無しさん@ピンキー
09/01/08 04:11:19 shMfwRdU
俺はショコラの2人と誕生日が一緒なんだ。マジで。

452:名無しさん@ピンキー
09/01/12 23:31:47 68Ng18rk
 何故、こんなことになってしまったのだろうか。
 誰が言い出したのだろうか。
 SFPは、年始休暇で6泊7日のハワイ旅行に来ていた。
 当然、看板アイドルであるらぶドル18人も全員揃っている。
 そのらぶドル達は、旅行初日の夜、日渡あや・結城瞳子の相部屋に集まっていた。
 全員で一つの大きな輪を形作るようにして並んでいる。
「クジ引きだから、恨みっこなしだよ」
 有栖川唯が、即興で作ったクジの入った袋を中央に置いた。
「誰から引くのかな?」
 猫谷海羽は、きょろきょろと全員を見渡した。
「はーい! 瑠璃引きたーい!」
 藤沢瑠璃は、元気よく手を挙げた。
 それに対抗するように、すっ、と長澤玲の手が挙がった。
「やっぱ、こういうのは景気よく一番に引くのがええな」
 関西人らしく、陽気なノリだ。
 そこへ、さらに一人、手が挙がった。
「こういうのは先輩から引くべきだろ。だから、私からだな」
 そう言うは、らぶドル18人の中で12歳と最年少ながら、芸歴は8年にもなる野々宮舞。
「らぶドルでゆうたらあたしの方が先輩になるんやから、あたしからやろ」
 玲は、舞の意見を否定した。
「あのぉー、本当にするんですかぁ?」
 話の腰を折るように、北条美奈が発言した。
「姉さん。今さらそんなこと言っても、これはもう決定事項ですから」
 双子の妹・北条知奈が言えば
「そや。ほなら、美奈はんは辞退でもええんよ~」
 少しのんびりした口調で、藤田真琴が乗った。
「べ、べつにぃ、私は参加するのが嫌とかぁ、そういうのじゃありませんわぁ」
 美奈は、慌てて自分が除外される流れを制した。
「やはり、お姉様もライバルなのですね……」
 そう小さく呟いたのは、美奈の妹・北条比奈。
 比奈は、姉の焦る姿を見て、はっきりとライバルであると認識した。
「お兄様のことでは、たとえ相手がお姉様であっても、負けませんわ……」
 比奈は、一人、静かに闘志を燃やしている。
「それで、誰から引くのかしら?」
 片桐沙有紀は、いつもの口調で問う。
「二人のジャンケンで、勝った方から引いて、隣の人が順番に引いていけばいいんじゃないかな」
「クジの打順はどこからでも大差ないし、それでいいと思う」
 大路しずくのジャンケン案に、ユニット・ピッコロの相方である、浅見ひびきも同意した。
「それじゃ、ぱぱっとジャンケンをして、早く引きましょ」
 榊瑞樹は、これ以上時間が無駄にならないように、ジャンケンを決定させた。
「最初はグー、じゃんけん―」
 室内に、掛け声が響くと、勝負は一発で決した。
 勝者から時計回りに、袋の中に手を入れては、クジを一枚引いていく。
 クジには番号が書かれており、同じ番号を引いた者同士で対戦の組み合せが作られた。

453:名無しさん@ピンキー
09/01/12 23:32:26 68Ng18rk
「それじゃ、これで決定ね」
 唯は、組み合わせ表を壁に貼った。
 そこで、一人、挙手があった。
「もう一度、ルールの説明をいいかなぁ?」
 進藤あゆみは、確認を求めた。
 仮にも戦いである以上、きっちりとルールを確認しておく必要がある。
「それじゃ、もう一度説明するよ」
 唯は、ルールが記された紙を見ながら、再度読み上げた。
 勝負方法は、対戦相手と同時に愛撫をしあい、先に相手をイカせた方が勝ち。
 一日一勝負で4日間。
 初日は9人が勝ち残ることになるが、トーナメントの組み合わせを作る関係で、一人はクジ引きで脱落とする。
 勝ち残った8人で、クジ引きによりトーナメントを作成する。
 優勝した者が、5日目の朝8時から翌日の朝8時までの24時間、彼女たちの憧れのマネージャーである藤沢智弘と二人で過ごす権利が与えられる。
 もちろん、全員の目当ては、昼間よりも、夜に目的があった。
 ハワイで過ごす二人だけの夜。
 年頃の女の子たちなのだから、それなりの夢も期待も、そして、欲望もある。
「は、恥ずかしい……でも……頑張らないと……」
 らぶドル一気弱な成瀬雪見は、すでに顔面はおろか全身を真っ赤に火照らせながらも勝ち抜く決意をしていた。
『智弘くんと二人っきりで、一晩過ごせるんだ……。や、やっぱり、女の子の方が積極的だと、ダメなのかな。智弘くん、エッチな女の子って、どう思うんだろう……』
 何かと耳年増な桐生琴葉は、色々と妄想を巡らせた。
 壁に貼られた表を日渡あやが見ている。
『智弘さん……あなたのお嫁さんになるためにも……必ず勝ち抜いて……そして……』
 意を固めるあやの隣に、結城瞳子が並んだ。
「あや先輩」
 その声は、いつもの如く透き通り凜としている。
「もしかして、勝ち抜こうなんて考えていませんよね」
「瞳子ちゃん!?」
「昨年の日本ソング大賞と最優秀歌手賞はあや先輩が獲得しました。でも、今回の勝負では、あや先輩は勝てません。最後まで勝つのは私だからです。賞を受賞した上に、智弘さんまでも、なんてのは神様も許さないはずです。残念ですか、諦めて下さい」
 そういって、瞳子は、隣に立つあやに視線をくれた。
「と、瞳子ちゃん怖ひ……」
 昔にも、あやに見せた瞳子の姿。
 こと、智弘争奪戦の瞳子は、性格と容姿から不気味な威圧感を漂わせる。
 さらに、昨年末の賞レースで僅差とはいえあやに負けたこともあり、あやに対する闘志は他に対するらぶドル以上のものがあった。
「それじゃ、それぞれの部屋で勝負を初めてね」
 唯の言葉に、場の空気が変わった。
 そこには、闘志と情念が渦巻いていた。
 全てのらぶドルが相部屋のため、対戦相手同志で話し合い、それぞれの部屋へと散っていった。

 何故、こんなことになってしまったのだろうか。
 誰が言い出したのだろうか。
 かくも、一人の男を巡るらぶドル同士の熱くも淫らな戦いの四日間が始まった。

-終-

454:名無しさん@ピンキー
09/01/12 23:35:35 68Ng18rk
>>447で、琴葉のエロ話考えていて、
>>448でショコラとの3P考えていて、
>>450でショコラの百合話に変更して、
なんて漠然と考えていて、

「全員で百合勝負でいいんじゃね」

ということで今回の作品。
ちなみに、これで終わりです。
全部書いたら死にますし、一位になった子以外の子が不憫なので。
言葉遣いはミスしていないと思うが、あったらスマソ。
正直、これで限界。
らぶドル全員だして動かすのは大変ですよw


455:名無しさん@ピンキー
09/01/12 23:46:31 68Ng18rk
すまぬ。

×「はーい! 瑠璃引きたーい!」
○「はーい! るり引きたーい!」

×「二人のジャンケンで、」
○「三人のジャンケンで、」

ジャンケンが、ひらがなとカタカナが混在してしまっています。

×「残念ですか、諦めて下さい」
○「残念ですが、諦めて下さい」

×あやに対する闘志は他に対するらぶドル以上のものがあった。
○あやに対する闘志は他のらぶドルに対する以上のものがあった。


瑠璃は、自分を「るり」といったような気が。
気をつけなければと思ったところが結構間違っていますorz

456:名無しさん@ピンキー
09/01/13 00:00:03 5rgActpS
うぎゃあああ。
ロクに推敲してないから読めば読むほど文章のぐちゃぐちゃ具合がorz
適当に直してくんなまし。

457:名無しさん@ピンキー
09/01/13 00:37:39 vVmwP0tg
こんな過疎スレに焦って投稿する必要もなかろうに。
落ち着けよ。

458:名無しさん@ピンキー
09/01/13 11:58:34 v4pSGk6m
>>449
シャッフルっていうと一瞬、空鍋をかき混ぜるほうかと思ってしまった

>>452-453
(・∀・)bグッジョブ!!
なんとも大変なことになりそうで……
結末どうなるかはともかく、トーナメントの過程を見てみたいぜ
ちなみに誤字とかは全然気にならなかった

459:名無しさん@ピンキー
09/01/14 18:08:38 WSyuXWXW
 とある劇場の舞台では、ミュージカルの舞台稽古初日を迎えていた。
「『ねこたに』、ガスコンロの前に立っておたまを握る」
 監督の指示が、ヒロイン役の猫谷海羽に飛ぶ。
「『ねこたに』じゃくて『ねこや』です! 『ねこやみう』!」
 前にもミュージカルでお世話になった監督だが、この人、どうにも人の名前の覚えが悪い。
「判ったから『ねこたに』。早く!」
「もう、『ねこや』だっていってるのに」
 海羽は、ぶつぶついいながらも、おたまを手にした。
「はい、それじゃいくよ! はい、スタート!」
 監督の掛け声で、芝居が始まった。

 背の低いツインテール少女が、舞台セットのガラス戸から外を見ている。
「凜(りん)……遅い……」
 少女は、凜という人の帰りの遅さを気にしていた。
 海羽は、おたまで鍋の中をかき混ぜている。
「麻紗(あさ)先輩と一緒なんでしょ。凜クン、楽しそうに出掛けて行きましたから……」
 海羽は、どこか寂しそうなトーンで科白を話す。
「香枝(かえで)……」
 少女は、海羽の役名を口にした。
「初めてですよ。あんな幸せそうな凜クン……初めて……」
 話し始めに言葉が詰まる。
 そこには、香枝の悲しみの心が滲む。
「いいの?」
 少女の言葉に、おたまを掻き回す手が止まる。
「凜が幸せなら……いいの?」
 少女は、香枝から視線を反らす。
「凜が幸せなら…………香枝は、いいの?」
 一呼吸ほどの間、完全なる沈黙が訪れた。
 その後、香枝は再びおたまで鍋を掻き回し始めた。
「もちろんですよ」
 香枝の言葉に、少女は香枝へと視線を戻した。
 香枝は、少女へ顔を向けている。
「凜クンのお世話をするのが、私の生き甲斐ですから。凜クンが幸せならそれでいいんです」
 そういう香枝の目は、焦点が定まっておらず、まるで死んだ魚の目をしていた。
「…………香枝?」
 少女は、香枝の様子に、強い不安を抱いた。繋がりで書きました。後悔はしていない。

460:名無しさん@ピンキー
09/01/14 18:09:43 WSyuXWXW
「はい! そこまで!」
 ここで、監督の声が入った。
「ねこたに、いいよー。声の調子も、その表情も。ここは、このミュージカルの重要なシーンだからな!」
「『ねこや』です。『ねこやみう』だにゃー!!」
 全くもって、人の名を覚える気のない監督だ。
「休憩入りまーす」
 助監督の掛け声で、休憩になった。
 海羽達と入れ替わるように、舞台上では美術スタッフ達が、道具類の位置の再確認をしている。
「猫谷さん」
 共演している少女が、海羽のそばへやってきた。
「先程のこちらを見るシーン、とっても雰囲気が出ていて怖かったです」
「そう?」
「はい。なんか、こう『心が病んでいる』って感じで、とっても良かったです」
「共演している子にそういってもらえると、自信がつくにゃ」
 海羽は、舞台上のときとは一転して笑顔になった。
「でも……」
 海羽は、台本の表紙を見た。
「こんな話をミュージカルにして、お客さん来るのかなぁ」
 表紙には『ニュージャパニーズホラー 【空鍋 -ヤンデレ少女の憂鬱-】』と書かれていた。
「それでは、次のシーン行きまーす」
「はーい」
 助監督の声で、海羽は舞台上へと戻っていった。

 猫谷海羽。
 トップミュージカルスターへの道のりは、長く険しい。

-終-

>>458
私も、あっちのアニメかと思いました。
この作品は、そんな>>458の書き込みに触発されて「キャラデザ」「声」

461:名無しさん@ピンキー
09/01/14 18:12:59 WSyuXWXW
おおう!
長いといわれて分割したら他の文が紛れこんでしまいました。

>>459
× 少女は、香枝の様子に、強い不安を抱いた。。繋がりで書きました。後悔はしていない。
○ 少女は、香枝の様子に、強い不安を抱いた。

>>460
この作品は、そんな>>458の書き込みに触発されて「キャラデザ」「声」 繋がりで書きました。後悔はしていない。

462:名無しさん@ピンキー
09/01/14 23:13:53 TCew9l1r
たしか原作の海羽の話で全く同じことやってたな
ライターもあごセンセで同じだしな

463:名無しさん@ピンキー
09/01/25 05:38:54 hTZe7qnw
シャッホーをミュージカル化となw

そういや海羽は一貫して声変わってないんだよな

464:名無しさん@ピンキー
09/02/01 22:21:45 3bPKu1ew
二月は、らぶドル達にとって一大イベントが控えていた。
―バレンタインデー―
今年は土曜日だが、これは非常に都合が悪い。
何故なら、ただでさえアイドルとバレンタインデーには、イベントがつきまとうものなのに、
土曜日ともなればなおのこと。
それでも都内ならばまだ良いが、人によっては地方に出掛けることになる。
帰京が遅くなる可能性もあれば、帰京が翌日にずれこむこともある。
それどころか、翌日が日曜日であるため、翌日も仕事は必須。
下手に翌日も地方ならば、帰京することなくそのまま現地へ移動の可能性も高い。
ところが、この事態に喜ぶ者もいる。在京組だ。
都内で仕事をする者にとっては、地方へ出掛けている人がいない分、ライバルが減る。
まさに、今回のカレンダーは在京組にはうってつけである。
しかし、地方組も黙ってはいない。
年に一度のアプローチを仕掛けられるこの日をみすみす逃すわけにはいかない。
ましてや、今回は、絶対に逃すわけにはいかない。
今回、らぶドル全員が燃えているのには訳がある。
それは、SFPのチーフマネージャーである藤沢美樹の一言だった。

―智弘が一番気に入ったバレンタインチョコを渡した人には、次のオフに一日智弘貸し出す―

つまり、事務所公認でデートが出来るのだ。
デートは、二人の距離を縮めるにはうってつけのイベント。
選ばれれば他人より頭一つ出るし、他人が選ばれれば出遅れる。
自分が絶対に選ばれなければならず、他人が絶対に選ばれてはならない。
暦の上ではまだ冬だが、らぶドル達には一足早い春の嵐が吹き始めていた。

―終―

465:名無しさん@ピンキー
09/02/02 01:23:50 kgQFaumt
終wwwwwwwwwww

466:名無しさん@ピンキー
09/02/02 09:43:33 HZ37VCZ6
>>464
おっ、季節ネタktkr
智弘は、あのぶんだと、自分からは一人を選べないでしょうな、性格的にw
なのでハーレム展開しか思い浮かばない……

で、貸し出しは、もちろん一晩中ですよね?(ここ重要)

467:名無しさん@ピンキー
09/02/03 23:07:43 8ZXIRQjJ
「むーっ」
 猫谷海羽は、カレンダーを睨んでいた。
「どうしてなんだにゃーっ!!」
 まるで、憤懣やるかたなしといった状態だ。
 その不満の元は、机の上に置かれている一冊の台本とスケジュール表だった。
 台本の表紙には『ニュージャパニーズホラー 【空鍋 -ヤンデレ少女の憂鬱-】』と書いてある。
 過日、無事に初日を迎え、現在公演中のミュージカルだ。
 海羽は、その舞台で主役を張っている。
「もう、13、14は、お休みの予定だったのにぃー」
 台本横のスケジュール表には、公演期間は二週間。
 今月12日で終了となっている。
 今回の劇場は、12日までは海羽のミュージカルで、翌日からは違う舞台が公演される。
 海羽は、ミュージカルあけということで、その後二日間は土日ということもあり休暇になっていた。
 スケジュール表にも休みの記載がある。
 しかし、今、その文字は赤ペンで消されており「大阪」の文字が記されていた。
「急に地方で公演なんてないよー」
 このミュージカル、評判を受けて、急遽、大阪で二日間特別公演されることになった。
 常識では考えられない出来事だが、今回の公演ではチケットも即完売で、ダフ屋が出るほどの人気を受けてのものだった。
「ミュージカルで人気が出たのは嬉しいけど、14日は絶対に東京にいないといけないのにぃー」
 2月14日。
 いわずもがな、バレンタインデーである。
 面倒な義理を果たす日という人もいれば、恋の一大イベントとして迎える人もいる。
 海羽は、後者だった。
 特に、今年は、智弘に送ったチョコレートの中から一番に選ばれれば、その智弘と丸一日デートが出来る権利が与えられる。
 こんなチャンスは滅多にない。
 しかし、13、14日と大阪で仕事となれば、どうやってチョコを渡すのか。
 14日の夜は大阪で打ち上げがあるから、帰京するのは不可能。
 宅配便で日付指定で配送するしか手がないが、ネックになるのは提案者であるチーフマネージャーが出した条件。
 『14日に手渡しをする』『メッセージカードを添えること』『手作りであること』
 これを満たしたチョコだけが、審査の対象となる。
「うー。もう酷いにゃー!!」
 海羽は、ベッドに突っ込むようにして倒れ込んだ。
「14日は病気ってことにして戻ってきちゃおうかなぁ……」
 ミュージカルは、再演のチャンスがある。
 でも、今回のイベントに次はない。
「もーう。どうすればいいのにゃー!!」
 海羽は、枕に顔を埋めて叫んだ。
 今日は2月3日。
 海羽のやきもきする日はまだまだ続く。

-終-

468:名無しさん@ピンキー
09/02/03 23:10:29 8ZXIRQjJ
>>464
寝る前に1日であることで、急遽書いたものだから相変わらす文章ずたずた。

今回は少しは文章としてはマシでしょう。
しかし、海羽ばっかり書いてるな。
18人もいるんだから、もう海羽はいいのではという気もする。

469:名無しさん@ピンキー
09/02/04 05:38:58 gB3q+7jU
おいおい。カレンダーが狂っているorz
文章の確認はしたものの、日付・曜日の確認を怠ったツケですね。
やはり片手間に書くものではないですね。
本来の舞台である同人誌に戻ります。

470:名無しさん@ピンキー
09/02/04 06:37:56 jXU0ytNg
猫は健康的なうえに発育がいいときているから、妄想に入りやすいのだ

471:名無しさん@ピンキー
09/02/04 08:31:54 MN5jzwag
苦しめたいよね

472:名無しさん@ピンキー
09/02/08 07:55:47 pKV1XJTs
バレンタインデーよりも前に、いかに寝取るか、という話になりそうな
気がするんだがどうか

473:名無しさん@ピンキー
09/02/18 16:13:30 W7qd/W3Y
hosu

474:名無しさん@ピンキー
09/03/03 20:35:02 +t5Q5wcG
あや誕生日保守

475:名無しさん@ピンキー
09/03/10 17:16:16 NAp4ym8E
歌届きまくりですよ。

476:名無しさん@ピンキー
09/03/25 07:31:34 /HsiFBJL
ちゅっちゅしたいよぉぉ

477:名無しさん@ピンキー
09/04/07 20:37:23 TZtEbr/L
俺の嫁の誕生日記念age

478:名無しさん@ピンキー
09/04/07 21:56:29 HnaNZxPK
やはり今日は琴×舞で。

479:名無しさん@ピンキー
09/04/07 23:11:04 J8PHHCON
いやいや舞×琴も捨てがたい

480:名無しさん@ピンキー
09/04/10 02:52:15 elCbDUKz
pinkのキャラサロンのらぶドルスレ落ちちゃってるね。
あそこはROMしかしてなかったけど……

481:名無しさん@ピンキー
09/04/23 00:24:06 9Eo1FAra
キャラサロンは落ちてしまったがここは死守せねば
保守ついでに質問
このらぶドルのこんなエロシチュ見たいとかってある?
俺はあやとマネージャーの和姦が見たい

482:名無しさん@ピンキー
09/04/23 07:15:33 yZzz5yzK
>>481
鬼畜陵辱系やアブノーマルなのは駄目だから、俺もラブラブ和姦かな
あゆみにミニスカ和服で膝枕で耳掻き→そのままエッチ見たいな流れのヤツとか見てみたいかも

483:名無しさん@ピンキー
09/04/24 08:46:46 DLs5HZ6K
フトモモが出るミニスカ着物ってのは秀逸だよな、デザインが

484:名無しさん@ピンキー
09/05/06 06:36:36 JfTjVqWl
>>481
どっちかっていうと女性キャラどうしで、ってのが見たいかも。
そういえば以前あったネコカフェの二人はその後どうなったのか未だに気になるw

485:名無しさん@ピンキー
09/05/16 21:48:34 T2tD5Jza
ほしゅ


486:名無しさん@ピンキー
09/05/22 00:32:40 Sa1e/BBs
ほしゅ…ついでに今後の予定を聞いてみる

487:名無しさん@ピンキー
09/05/22 04:59:45 65JAv+BL
みんなどうなんでしょうねえ
>>469さんの本のほうは、はかどってるだろうか?

488:名無しさん@ピンキー
09/05/23 01:08:21 LDtZSFRF
サンクリ復活するらしいからまたそこでらぶドル本出したいと思ってる
一般向けだが

489:名無しさん@ピンキー
09/05/23 14:21:25 Eppxgv92
おーそれはめでたい
サンクリも中の人はいろいろ大変だったみたいだよねえ

490:名無しさん@ピンキー
09/05/23 18:00:15 LDtZSFRF
あ、ちなみに>>488だけどと>>469とは別人ね。

491:名無しさん@ピンキー
09/05/23 19:30:00 dbznCQXY
うぃうぃ

492:名無しさん@ピンキー
09/05/26 00:43:41 ao1tJGmQ
2年以上落ちないとはな

493:名無しさん@ピンキー
09/05/27 00:53:39 ONwOW53b
沙有紀に踏まれたい

494:名無しさん@ピンキー
09/06/04 01:41:19 aPov+6xU
雪見の肌をプニプニしたいのぅ

495:名無しさん@ピンキー
09/06/08 02:49:44 qTb86FbU
コミケ受かった。受かったけど、らぶドルでの参加じゃない……個人サークルじゃないからなぁ。
らぶドルで参加する人っている?

496:名無しさん@ピンキー
09/06/09 03:40:12 pLUzTdvd
当選おめ! もうそんな時期かぁー

497:名無しさん@ピンキー
09/06/09 08:41:50 xdqqCmUq
コミケは応募しても最初以外ぜんぜん受からなかったな
今回は応募すらしてないが

498:名無しさん@ピンキー
09/06/10 00:26:19 HjvNSc+s
>>495
サークルの本とは別に、委託扱いで机のはじっこに
個人で作ったらぶドル本もさりげなく置いてみるとかw

>>497
夏冬コミケはなかなか当たりづらいからねえ……

499:名無しさん@ピンキー
09/06/14 05:02:31 yvQRyDcI
469

「コミケ」は「コミックマーケット」のことで、他のイベントとはコミケとはいわない。

落ちた。
今後、らぶドル本を出すかは白紙。
西又絵自体は、色々なところで(自治体関係とかジョージ・ルーカスとか)
露出はあるけれど、流石にらぶドルは……。
もっとも、申込みをしていた作品は、らぶドルではないのですが。

前の猫喫茶の話、第五の選択の草案は頭の中にないので、
どなたか妄想の出来る人、続きを書いてしまってかまいません。

500:名無しさん@ピンキー
09/06/15 19:48:52 +8iGATyl
 

501:名無しさん@ピンキー
09/06/26 11:26:44 E1LScRGj
まあぼちぼちやっていきましょうぜ。

502:名無しさん@ピンキー
09/07/02 19:28:01 OZu4ctwe
長持ち長持ち☆

503:名無しさん@ピンキー
09/07/13 05:22:19 oWJ/jLqt
昨日があゆみ誕生日だった件
営業で遠征した宿泊先でイチャイチャとかどうか

504:名無しさん@ピンキー
09/07/28 22:05:57 v+NPRGPu
 とある地方のホテルでの一室。
 藤沢智弘は、バスタオル姿でベッドに腰を掛けていた。
「いいのだろうか……」
 とまどっているのは、今夜、これから起こる出来事についてだった。
 いや、正確には『起こす出来事』といった方がいいのかも知れない。

 今日は、仕事で地方に来ていた。
 その仕事も無事にこなし、今夜はここで一泊することになっている。
 それ自体は何の問題もない。
 問題なのは、ベッドがダブルということだ。
 ツインの部屋を予約していたはずが、ホテル側の手違いでダブルの部屋になっていた。
 すでに満室で部屋を変えることも叶わず、有無をいわさずそのまま宿泊することを余儀なくされた。
 これが、男同士なら別段問題もない。
 しかし、同宿相手が女の子、それも、人気アイドルのらぶドルのメンバーなのだから問題だ。
 それでも『マネージャー』と『アイドル』という一線を、しっかりとわきまえていれば何ということもない。
 だが、それは無理というもの。
 何故なら、二人は恋人同士だからだ。
 恋人なら問題ないと思うが、立場上、その関係は秘密だった。
 秘密であるが故に、恋人が普通にすることの全てが出来ない。
 せいぜい、控え室で二人っきりのときに、軽くキスを交わすぐらいだ。
 もちろん、その先の関係など持てるはずもない。
 智弘は、立場上この現状に納得していたが、彼女は不満が募っていた。
 そして、その不満を後押しするように、ひとつのベッドで共に夜を明かすというシチュエーションがセットされてしまった。
 それでも、智弘はそんな素振りを見せることなく、彼女が部屋にいない間に、早々に風呂に入って心を落ち着かせた。
 だが、それは無駄な抵抗といえた。
 風呂から出てきた智弘を、彼女は待っていた。
「……やっと愛し合えるんだよね……」
 彼女は、智弘の腕を掴み、頬を染めながら求めるように眼差しを向けた。
 智弘も、この状況で何を求められているか判らないほど鈍感ではない。
 彼女は、智弘の腕を放すと、入れ替わるようにしてバスルームへと消えた。
 しばらくして、バスルームからシャワーの音が聞こえた。
「本当に、このまま関係をもってしまっていいのか……?」
 アイドルの卵だったときから彼女を見てきた。
 それが今や、らぶドルの一員として、一人のアイドルとして、立派に成長した。
 まさに、これからである。
 これから、もっともっと、アイドルとして上を目指していける。
「その大事な時期に、恋愛沙汰に現を抜かすのは……」
 そこには、一人の男としてより、マネージャーとしての想いがある。
「それに、関係をもってしまったら、俺は、もうマネージャーとして接することが出来なくなるかも知れない」
 『みんなのアイドル』を支えるべき立場なのに『一人の男』としての独占欲が出てくるだろう。
 それは、彼女が『みんなのもの』であることと反することになり、マネージャー失格である。
 智弘が悩んでいると、バスルームの扉が開いた。
 ゆっくりと、姿を現した彼女は、バスタオル一枚だけを体に巻いていた。
 そこにいるのは、アイドルでもなければ、長年見続けてきた娘でもない。
 愛する男と結ばれようと、バスタオルに包まれた身を火照らせている、一人の女だった。
 彼女は、智弘の隣に腰を降ろした。
 彼女は、じっと、智弘と視線を合わせる。
 お互いの瞳に、相手の顔が映り込む。
 彼女は、ぷっくらと赤みを帯びた柔らかな唇を微かに開いた。
「……ともひ……んっ……んんっ……」
 彼女が、愛する人の名を呼ぶと、それを遮るように智弘が唇を重ねてその言葉を封じた。
 しっかりと唇を合わせたその内部では、激しく舌を絡め合う。
 智弘は、決意した。
 今夜、彼女と愛し合うことを。
 彼女が期待に胸をときめかせて、体を熱くしているように、智弘の股間も熱く硬くなっていた。

 -終-

505:名無しさん@ピンキー
09/07/28 22:08:57 v+NPRGPu
普段、こういう書き方はしないのですが、
今回はあえて「誰」ということを特定しませんでした。
逆をいえば、誰でも通用する無難な書き方しかしていません。
お好きなあの娘を想像して楽しんで頂ければ幸いです。


506:名無しさん@ピンキー
09/07/29 07:39:47 1/UnfM8q
比奈ではないな

507:名無しさん@ピンキー
09/07/29 16:51:55 sl1ALwsN
乙やよ~

508:名無しさん@ピンキー
09/07/30 08:51:46 J7lIS/ph
>>504
おお、503のネタを拾ってくれるとは思わなかった。乙!
いいところで寸止めなのがせつないw
とりあえず雰囲気的にも、あゆみだろうという方向で想像。
だとすると上野駅から東北方面に行ったと思われ。

509:名無しさん@ピンキー
09/07/31 21:43:09 pHzK2Plt
本気で18人に対応させるとすると

・オフの日にするべき」
仕事先での宿泊だと、ユニットであるショコラ、ピッコロは除外されてしまう。
・話をさせてはいけない」
女性が科白を話すと、口調に特徴のある子はどうしても除外されてしまう。

などなど、書き方としては問題ありで。
智弘の一人語りで進めてもいいが、それもなんだか味気ないし、
触発された元ネタへの敬意を表してこのような形になっています。
寸止めなのも、それ以上書いてしまうと、描写上、どうしてもキャラの確定が必要になるからです。


結構、ネタは拾います。
猫喫茶話は>>420-423が元ですし(だから酷いことをする話になっている)。

リクっぽい書き込みを嫌うスレもあるけれど、
私は自分で考えた話は、同人誌やHPにもっていってしまう、
逆を言えば、触発されたネタは使わないので(物書きとしてのマナー)
投下用になるわけです。
>>503がなければ投下はなかったです。
なので、他人の希望ネタを読むのが楽しい。
世の中、こんなヤツもいたりするw

510:名無しさん@ピンキー
09/07/31 21:50:57 pHzK2Plt
>>503が元ネタなのにキャラを確定していないのは、とっくに誕生日が過ぎてしまったので、
好きな子で妄想出来るようにということを目的とした実験作にしたからです。


511:名無しさん@ピンキー
09/08/01 00:49:01 KV05VtHn
そうですか

512:名無しさん@ピンキー
09/08/15 03:00:54 oeoA69vI
なるほど

513:名無しさん@ピンキー
09/08/16 23:48:32 lZgeZR2H
>>509
了解了解
時々、こんなシチュいいなーとか妄想したりするけど、
使えそうな物は使っちゃってくださいな。

514:名無しさん@ピンキー
09/08/25 22:11:57 vdIJhzeY
>>281
これを見ると、

中学生
舞、ひびき、しずく、

高校生
比奈、瑠璃、瑞希、琴葉

美奈と知奈も確定でいいのかな。
海羽は高校卒業なのかな。

515:名無しさん@ピンキー
09/08/31 16:22:09 foqGDr0h
いいと思う

516:名無しさん@ピンキー
09/09/10 01:01:49 dOs8QorC
>>514-515
年齢的にはそうなんだろうね。
アニメだと学校(スゥィートフィッシュスクール)自体出てこないから
そのへん曖昧だったりもするが。

517:名無しさん@ピンキー
09/09/17 05:42:21 Nbb5Yv8W
比奈をムリヤリ・・

518:名無しさん@ピンキー
09/09/22 05:14:17 5NJtL4Pz
むりやり

519:名無しさん@ピンキー
09/10/06 17:36:26 Nb3AhUBG
俺は琴葉にムリヤリ…

520:名無しさん@ピンキー
09/10/24 00:09:36 z+FXLsUw
琴葉さんはなにげに受け攻め両方いけるからな。

521:名無しさん@ピンキー
09/11/11 22:37:08 +LKrHH0Z
小説読むと、琴葉がやたらえっちな娘な感じがするのは気のせいか。
舞がファンとの間にある距離の原因は、こちらの予想外のものだった。
もし、未遂で済まなかったら、というエロリ話になるだろと思った。

522: ◆WE8oSWj7IU
09/11/12 18:09:54 C+Pw8IGt
てst

523:名無しさん@ピンキー
09/11/13 00:47:57 xf2WiiAg
こんなところでテストしないの

524:名無しさん@ピンキー
09/11/14 05:26:28 YE78SJB7
>>521
~solo etude~ の琴葉は、つねに頭の中がレズ妄想一杯なんだよな。
あのままほっといたら、何しだすかわからんw

そのいっぽう、舞は陵辱ルート一歩手前みたいな状態という…

525:名無しさん@ピンキー
09/11/14 15:50:28 nRmrAnd1
最下位なのでage

526:名無しさん@ピンキー
09/11/27 20:18:14 Fth9uOFX
半月書き込みが無い…

527:名無しさん@ピンキー
09/11/27 23:00:47 ECfLOx2L
小説読むと海羽も在学中なんだよな。
まあ、元々ただの学校というだけではなく、
教育機関としての機能もある(単位認定が出来る)というだけであって、
専門学校的な側面があるのだろう。
そうでなければ年上人たちが一緒に入れるはずがない(苦笑)
もっとも、そこまでの詳細な設定はないだろうし、詰めていくと破綻するw


528:名無しさん@ピンキー
09/11/30 00:16:01 hHSB1rgj
まあ実際あるとしたら、そんな感じのタレント養成学校なんだろうな。
たしか全員で運動会とかやってたし

529:名無しさん@ピンキー
09/12/10 02:30:52 55GBwGl/
>>431の続きを考えていたんだが、どこかに連れ去られたからには
人知れず調教されるというのがよいのではないかなあと思ってみたり

530:名無しさん@ピンキー
09/12/10 06:00:12 KQsYnxnT
>>529
多数決により選択肢が否決されてしまったので書かずじまいです。

531:名無しさん@ピンキー
09/12/14 01:03:33 1YrS0gjK
住人へのリサーチは不要さ
自由にかけば良いのよ

532:名無しさん@ピンキー
10/01/01 17:23:28 MBcE7NcT
あけ
おめこ
とよろ

533:名無しさん@ピンキー
10/01/01 22:36:37 6nrbG4lv
少し感心した自分がムカつく

534:名無しさん@ピンキー
10/01/02 00:01:54 aC50WN+s
らぶドル18人は、神社に訪れていた。
近年、「萌え神社」「萌え寺」なるものが流行っており、
新春のイベント用会場として協力してもらえる神社を募集。
厳選なる審査の結果から、今回の神社が会場に選ばれた。
決め手となったのは「縁結びの神社」であり「地方」であり「有名ではない」ことだった。
もちろん、地元のバックアップ体制も調査しての決定だった。
本殿で行われるミニコンサートは、祈祷依頼をされた人で希望される人に整理券を配布。
破魔矢など500円分購入につき一人、好きならぶドルと握手出来る整理券をもらえたりと、
イベントも盛りだくさんとなっている。
前日から現地に入りして事前説明をしっかりと聞き、完全な準備態勢でイベントは始まった。
普段は新年といえどそれほど混むこともない神社だが、らぶドルが来るとなっては一大事。
警備員増員では足りず、警察まで交通整理に出動する騒ぎに。
そんな中、彼女たちのマネージャーである藤沢智弘は暇だった。
今回のイベントにあたり、神社を中心として町内会で運営会が組織されているので、
らぶドルに関するトラブルが起こらない限り、彼の出番はなかった。
混雑している人並みを眺めつつ境内をぶらついていると、絵馬をつり下げる一角があった。
「そういえば、最近はアニメのイラストを描く『痛絵馬』というのが流行っているとか」
智弘は、そんなオタク事情を思い出し、絵馬を見に足を向けた。
そこには、すでに色々な絵馬が飾られている。
至って普通のものから、お気に入りのキャラのイラストを描いて「○○は俺の嫁!」といったものまで、
実に多岐に渡っている。
飾る場所には限りがあり、重なって取り付けられるのも普通で、その下にはどんな絵馬があるのかといくつかめくってみた。
その途中、智弘の手が一枚の絵馬で止まった。
人目につかないように、敢えて他の絵馬の下に取り付けたような絵馬だった。
そこには『今年こそ、藤沢智弘さんと結ばれますように』とだけ書いてあった。
智弘は、絵馬の両面を調べたがそれしか書いていない。
文字をよく見てみたが、筆跡からも思い当たるところがない。
というより、文字は不自然に乱れていて、わざと筆跡を変えてばれないようにしているようだ。
ならば「藤沢智弘さん」という書き方から、書いた人を推測するのは無理だろう。
それに、変えることで人物が特定されなくすれば、他のらぶドルに見つかってもその人物が責められることはない。
もっとも、誰だか判らないことで不穏な空気が流れるかも知れないが。
少なくとも、書いた本人は、今日きているらぶドル18人の中の誰かなのは間違いない。
犯人(?)不明の絵馬は、彼に必要以上に彼女たちを意識させることになるのだった。

終わり

535:名無しさん@ピンキー
10/01/03 22:32:02 bR4h7wPV
>>532
改行位置の妙だなw
おめことよろ

>>534
全員と朝までお楽しみ、まで脳内補完した


536:名無しさん@ピンキー
10/01/04 19:14:44 7pMs8Nk/
本日鷲宮神社へ参拝に行き、痛絵馬と痛車と痛単車を見てきた。

>>535
御随意にお楽しみ下さい。


537:名無しさん@ピンキー
10/01/26 06:28:04 23TyHPQb


538:名無しさん@ピンキー
10/02/14 04:01:09 Fl+Mn+wZ
2/9はゆきみんの誕生日だったではないか!?

539:決戦は日曜日
10/02/14 07:52:44 KsbN+vpT
突発で書き始めたバレンタインねた。
しかも、極力現実時間に即するようにしていて長いため、最後まで書ききれるか判らない。
さらに、投下直前になって「この物語にはエロがない」ことに気がついたorz
とりあえず投下する。
ドタバタラブコメディ。エロなしなので、合わない人はNG設定、スルーよろ。

540:決戦は日曜日
10/02/14 07:53:23 KsbN+vpT
 今日は、2月14日。
 と、くれば、女の子にとっては一大イベントの「バレンタインデー」だ。
 らぶドルたちも年頃の女の子。
 この日に勝負をかけている。
 狙うは彼女たちを手がけてきたマネージャー・藤沢智弘。
 しかし、らぶドルは18人、よってライバルは17人。
 いかに自分の気持ちを伝えて、他の子と差をつけるか。
「アイドルとマネージャー」という関係ではなく「女の子と男の人」という「プライベー
トでの距離」を縮めるため、皆虎視眈々と狙っていた。
 さらに、今日は日曜日。
 仕事の子がいる一方で、オフの子もいる。
 週末ゆえ、泊まりで遠方に出掛けている子もいる。
 スタートからハンデがついているバレンタインデーの火ぶたは切って落とされた。

AM6:00
 目覚ましが鳴りだし、午前6時に達したことを告げる。
 温い蒲団の中から、にゅーっ、と細い腕が伸びると、目覚ましを静かにさせた。
「ん……」
 腕は再び蒲団の中へと帰り、盛り上がった蒲団の中でもぞもぞと動きを見せた。
 しばらくして、蒲団の中から頭を出したのは、日渡あや。
「寒い……」
 枕元に置かれたリモコンを手にすると、エアコンのスイッチを入れた。
 ピッ、と音を鳴らすと、エアコンは暖かい風を送り始めた。
「支度しなきゃ」
 あやは、午前中からテレビでの収録が入っている。
 しかし、支度の時間を含めても、この時間での起床はかなり早かった。
 とりあえず、しばらく部屋が暖まるまで蒲団にくるまりながら、頭の中で時間配分を計
算した。
 暖気が部屋に広がり始めたことを実感すると、蒲団から抜け出して身支度を始めた。
 まだ覚醒しきっていない頭と体を起こすために、熱いシャワーを浴びる。
 若さ溢れる肌は、当たった湯を珠にして弾いていく。
「ふーっ」
 あやは、大きく息を吐いた。
 寒さで浅くなっていた呼吸を、深く切り替えた。
 歌手であるあやにとって、しっかりと肺を動かすことは重要であり、大切な朝の儀式だった。
 体も温まり、意識もはっきりすると、シャワーを終えてバスルームを出た。
 可愛らしい下着を着け、服に袖を通すとドレッサーの前に座り、寝癖がついてしまった
髪を丁寧に櫛で梳いていく。
 これだけの髪の長さと量があると、それを手入れするだけでもかなりの時間が掛かって
しまう。
 だからといって、雑に手入れをしようものなら、すぐに傷んでしまい、切れ毛枝毛の元
になるし髪自体が抜けてしまう。
 丁寧に、髪を梳き上げると、ピンクのリボンで髪型を決めた。
「これでいいかな」
 鏡で後頭部の状態もおかしくないことを確認すると、時刻を確認した。
 時計は、7時になろうとしていた。
 その後、テーブルの上に視線をずらすと、そこには、綺麗にラッピングされてリボンが
かけられた長方形の箱があった。
 もちろん、この中身はチョコレートだった。
 なんとか仕事の合間を縫って作ったのは、トリュフ型のチョコ16個だった。
 ただ、トリュフというのは丸い形をしているが、あやが作ったものはいささかいびつな
形をしていた。
「喜んでもらえるといいな」
 あやは、日頃の感謝を込めてこのチョコを作った。
 しかし、このチョコに込められたのは感謝だけではない。
「OKもらえるかな……」
 包装を開けると、そこには手紙が入っている。
 手紙には、感謝の言葉と共に、来月3日の夜に、食事がしたいことが書かれている。
 3月3日といえば、あやの誕生日。

541:決戦は日曜日
10/02/14 07:53:44 KsbN+vpT
 この日はバースディーライブが入っているが、それは都内であり、それも8時すぎには
終わる。
 ライブは、ファンクラブ限定で会場はライブハウスという体裁のため、これといったス
タッフ打ち上げもなく、9時前には会場を後にする。
 しかも、このライブには、智弘がスタッフとして就くので、ライブ後に二人で食事をす
ることは充分に可能だ。
 それに、誕生日なのだから、智弘も断ることはしないだろう。
「最近、仕事でもプライベートでも二人っきりなんてないから、なんとかOKしてもらい
たいな……」
 あやは、都内のデートスポットのレストラン特集が掲載されている雑誌を手にすると、
付箋がつけられているページを開いた。
「智弘さんとこんな素敵なところで食事が出来たら……」
 あやは、写真に写っているテーブルで、夜景を見ながら二人で食事をしている姿を想像
した。
「あ、いけない!」
 つい、うっかり妄想に浸ってしまうところだった。
 時計をみると、7時を回っていた。
 あやは、雑誌を閉じると、チョコを手にして智弘のいる部屋へと向かった。
 この日、智弘は予備の部屋に泊まっていた。
 予備の部屋といっても、実質、智弘専用状態であり、朝一でマネージャーとして付き添
いで出掛けるときに宿泊することが多かった。
 あやは、智弘の部屋の前にくると、軽くノックした。
「智弘さん、起きていますか?」
 反応がない。
 もう一度ノックをしてみたが、やはり反応がない。
「困っちゃうな……」
 あやは、ドアノブに手をかけてみた。
 ノブは何の抵抗もなく動いた。
 鍵は掛かっていないようだ。
「智弘さん……」
 あやは、申し訳なさそうに小さく声を掛けながら小さくドアを開けると、隙間から中を
覗いた。
 室内には人が起きている様子はなかった。
『…………置くだけならいいよね…………』
 あやは、そっと室内へ入った。
 そろりそろりと歩きながら、テーブルの上にチョコを置いた。
『……智弘さん、随分と太っているような……』
 寒いから蒲団に潜り込んでいるのは判る。
 しかし、それを勘案してもかなり蒲団が膨らんでいる。
 あやは、そーっと蒲団に近づくと、異変を見つけた。
 蒲団の盛り上がりが、横に二段になっている。
 明らかに、長いものが二つ横たわっていなければ、こんな状態にはならない。
 あやは、蒲団に手をかけると、恐る恐るゆっくりと蒲団をはじからめくった。
「ん……さむ……」
 蒲団の中から女の子の声がした。
「な、な、な、な、な、な」
 あやは、女の子を見てびっくりした。
「なんで瑠璃ちゃんがいるのー!?」
 智弘の蒲団に潜り込んでいたのは、智弘の妹の瑠璃だった。
「なに……寒い……あれ……あやちゃん?」
 瑠璃は、寝ぼけまなこであやを見た。
「『あやちゃん』じゃなくって、どうして瑠璃ちゃんがここにいるのー!?」
 あやは、瑠璃に寝ている理由を問うた。
「あー、それは……」
 瑠璃は、めくられた蒲団を戻しながら、そのまま二度寝に入った。
「寝ちゃダメです!」
 あやは、もう一度蒲団をめくった。
「あやちゃん寒い……」
 瑠璃は、体を震わせながら抗議した。

542:決戦は日曜日
10/02/14 07:54:06 KsbN+vpT
「どうして!? どうして瑠璃ちゃんが!?」
 あやは、兄妹とはいえ、ひとつの蒲団にくるまって寝ていたことがショックだった。
「瑠璃はぁ~兄妹だからいいのぉ~」
 瑠璃は、そう答えると大きいあくびをした。
「きょ、兄妹でもダメです!」
「いいんだも~ん」
 瑠璃は、くるりと向きを変えると、智弘に抱きついた。
「あったかーい」
「ダメ! 不潔です! そんなことしたらダメです!」
 不潔と口にしたものの、本音は違った。
 兄妹という特権を利用して、臆面もなく智弘に抱きつける瑠璃が羨ましい。
「……なんだ、五月蠅いなぁ……」
 二人のやりとりで、智弘が目を覚ました。
「あ、ご、ごめんなさい」
 あやは、起こしてしまったことを詫びた。
「ん? あやか? なんであやがって、なんだ? くっついているのは瑠璃か!?」
 智弘は、動こうとして自分にしがみついている者の存在に気がついた。
「なんで瑠璃がいるんだ?」
 寝ている間に潜り込まれた智弘には、瑠璃がいる理由が判らなかった。
「ところで今何時だ?」
「7時を回ったところです」
 智弘が時計を確認する前にあやが告げた。
「ああ。もうそんな時間か。ほら、瑠璃、起きろ」
 智弘は、瑠璃の体を揺すった。
『ああ。瑠璃ちゃんってば、智弘さんに起こされている……いいなぁ……』
 好きな人とひとつの蒲団で寝て、智弘に起こされる。逆に、自分が起こすのでもいい。
 あやは、恋人や夫婦でなければありえないことを、妹でありながら智弘にされている瑠
璃に羨望を抱いた。
「ん……お兄ちゃん……おはよ……」
 瑠璃は、体を起こすと大きくあくびをした。
「そういえば、あやはどうしてここにいるんだ?」
 ふいに自分に話がふられ、あやは慌ててテーブルの上に置いたチョコを手にした。
「こ、これ、今日はバレンタインなので、チョコを……」
「お、そうか。今日はバレンタインか」
「あの、一生懸命作ったので、あとで食べてください」
「ありがとう。そうさせてもらうよ」
「そ、それじゃ、私はこれから収録がありますから」
「気をつけていっておいで」
「はい」
 あやは、智弘の言葉に送られて部屋を後にした。
 部屋を出ると、大きく息を吐いた。
「あー、びっくりした。まさか、瑠璃ちゃんが寝ているなんて……」
 まったくもって想定外の出来事に、予定がめちゃくちゃになってしまい、かなりテンパッ
た状態でチョコを渡す羽目になってしまった。
「でも、なんとか渡せて良かった」
 何はともあれ、結果オーライだ。
「さて、今日も一日頑張ろうっと」
 あやは、自室に戻ると、外出の準備をしてテレビ局へと向かった。

543:決戦は日曜日
10/02/14 07:55:41 KsbN+vpT
 智弘の部屋では、まだ瑠璃が居座っていた。
「ほら、瑠璃も自分の部屋に戻って」
「えー、いいじゃん」
「俺はこれから支度して出掛けないといけないんだから」
「なんで?」
「これから玲と仕事だよ」
「いいなぁ。瑠璃もたまにはお兄ちゃんと一緒に仕事に行きたい」
 瑠璃は声優ということもあり、基本的に一人でこなすことになるし、メインフィールド
はスタジオになるので智弘が仕事場に同伴することは少ない。
「そうはいっても仕方ないだろ。ほら、早く部屋へ戻って」
 そこへ、ドアがノックされた。
「智弘はん、起きとる?」
「玲か。すまない、今、支度するからもう少し待っててくれ」
「ほなら、部屋におるから、あとで迎えに来てや」
「判った」
 玲は、部屋に入ることなく自室へと戻っていった。
「ほら。もう支度するから」
 智弘は、瑠璃を急き立てた。
「はーい」
 瑠璃は、返事をして聞き分けた。
 が、
「最後に一回だけ」
 そういって、瑠璃は兄に、ぎゅーっ、と抱きついた。
「それじゃ、部屋に戻るね」
 そういって、瑠璃も自室へと戻っていった。
「さて、支度するか」
 智弘は急いでシャワーを浴びると、ほうほうのていで身支度を調え、玲を助手席に乗せ
て仕事場へと向かった。

544:決戦は日曜日
10/02/14 09:43:35 KsbN+vpT
AM7:43

「こない寒い日の朝から、えろうすまへんなぁ」
 長澤玲は、運転をしている智弘へ声をかけた。
「何を言ってる。君達をサポートするのが俺の仕事だよ」
「まあ、そうなんだけど」
 今年の冬は寒く、今朝も最低気温は氷点下近くまで下がった。
 路面凍結こそしていないが、気温次第ではしてもおかしくない。
 智弘は、運転に注意しながら先方との待ち合わせ場所へと車を走らせた。
 日曜日の早朝ということもあり、都内であっても道は空いているので、それほど時間を
要することなく到着した。
 先方は、最近人気のスイーツショップで、バレンタインに合わせてチョコレートを使用
した新作スイーツを発表していた。
 玲は、そのための「一日店長」として白羽の矢が立ったのだ。
 本来、バレンタインチョコというのは前日までに売ることに注力するものだが、ここの
スイーツは生菓子であり、消費期限が当日のため、バレンタイン用はバレンタイン当日に
販売する必要があった。
 一応、開店は10時予定だが、行列の状況によっては警察の指導により開店時間を繰り上
げる必要があるため、玲にも早めに入ってもらうことになっていた。
 玲と智弘は、先方の事務所で担当者と打ち合わせに入った。
「すみませんが、開店時間を1時間繰り上げることになりそうです」
 担当者は、時間の繰り上がりを告げた。
「行列ですか?」
 事前に繰り上がりの可能性を聞かされていた智弘が質問する。
「はい。長澤さんが店長をされるということもあって男性の方が多く並んでいまして、こ
ちらの予想よりも行列が長くなってしまいまして」
 玲が一日店長を務めるため、ある程度は男が買いに来るという読みはあったものの、バ
レンタインデー用のスイーツのため、基本的には女の子が買いに来るという前提でいた。
 しかし、バレンタインデーだからこそ、一日店長を務める玲から「手渡し」で品物を受
け取れるということで、男の客が多くなっていた。
「すみませんが、お願いできますか?」
「はい。こちらもそのつもりでしたから。いいな、玲」
「もちろんや」
「よろしくお願いします」
 担当者は、頭を下げた。
「こちらこそお願いします」
 智弘が頭を下げ、それに合わせて玲も頭を下げた。
 この辺りの礼儀は、事務所としてしっかりと躾けてあり、この礼儀の良さがスタッフに
も受けがよい理由のひとつだった。
「それでは、衣装を用意してありますので、こちらで着替えを」
 担当に連れられて、玲は別室へと移動した。
 しばらくして、玲はメイド調の服を着て現れた。
「どないや?」
 玲は、智弘の前でくるりと回って見せた。
「似合っているよ」
 タイトスカート姿が多い玲だが、こういう服もよく似合う。
「それでは、店舗へご案内します」
 玲と智弘は、担当者と共に少し離れた店舗へと移動した。

545:決戦は日曜日
10/02/14 09:45:20 KsbN+vpT
「ほー、ぎょうさんおるなぁ」
 玲は、車内から行列を眺めた。
 開店まで一時間以上あるにも関わらず、店舗から50メートルほどの長さになっている。
「10時開店だと本当に凄いことになりそうですね」
 智弘も、行列の長さに危惧した。
「開店を9時にしますので、そうそう長くならないと思いますよ。それではお願いします」
 担当者は、車を店の前で止め、智弘が下車をして、それに玲が続いた。
 常に列の先頭と玲の間に智弘が入る状態のまま、玲を店内へと誘った。
 店内では、本当の店長から再度段取りが伝えられた。
 開店10分前になると、スムーズに買えるように並んでいる人に対して購入数を聞き、引
き渡すための梱包が始まった。
 9時になると、玲が店の外に出てきた。
「本日、アルフヘイムの一日店長を務めます長澤玲です」
 玲は、行列に向かって一礼した。
「本日は、早くからお越し頂きましてありがとうございます。只今より開店致します。店
内へは、スタッフがご案内しますので、指示に従って下さい。それでは、アルフヘイム、
開店です!」
 玲の挨拶に、行列のみならずスタッフからも拍手が沸き起こった。
 最初の客は男性で、玲のファンだった。
 スイーツ系の雑誌やスポーツ新聞などの取材もあり、最初の人に手渡すところが写真に
納められた。
 しかも、最初の人が玲に握手を求めたため、それ以降も商品を手渡した後に握手をする
という、ちょっとした握手会になってしまった。
 それでも、混乱することなくバレンタイン用スイーツは順調に売れていった。
 しかし、いくら用意してあるといっても、無制限に用意出来るはずもなく、昼前には売
り切れとなってしまった。
「少し早いですが区切りもいいので、休憩に入って下さい」
 店長は、玲に声を掛けると、玲は休憩に入った。
「お疲れ」
 智弘は、控え室にやってきた玲をねぎらった。
「まあ、うちは渡して握手してただけやけどね」
 それでも大変なのは変わりない。
「こちらで弁当が用意されているから、食べて休むといい」
「智弘はんは?」
「俺は次の仕事があるから。今日限定のスイーツがなくなったから、もうそんなに混まな
いから、俺がいなくても平気だろ」
 大勢がいる状態での接触は、ひとつ間違えば人が殺到して危険な状態になる。
 そんなことからも智弘がついていたが、落ち着いてしまえば店員だけでも平気だ。
「それじゃ、俺はいくから」
「智弘はん、ちょっと待ってぇな」
 玲は、店の箱を差し出した。
「これ、智弘はんに」
「これって、今売っていたやつじゃないのか」
「そや。智弘はんのためにひとつ都合してもろたんや」
「それはまずいだろ」
「『店長』やから大丈夫」
 そういって、玲は笑った。
「しかし、よくもらえたな」
「衣装着替えるときに部屋へ案内した担当さんに『自分が手渡しするものがどんな味なの
か食べてみたい』ゆうたんや。店長が味知らんゆーのは問題やろ」
「でも、食べてないだろ」
「まあ『それはそれ』や」
 そういって、玲はあどけなく笑う。
「それじゃ、ありがたく頂くよ」
 智弘は、そういって箱を開けると、玲に差し出した。

546:決戦は日曜日
10/02/14 09:48:48 KsbN+vpT
「えっ!?」
 戸惑う玲に、智弘は言葉を乗せた。
「半分食べていいよ」
「あ……」
 玲は、言葉に詰まった。
 よもやの智弘との半分こ。
 ひとつのものを分け合うということに、なにか特別な感じがした。
「それじゃ、半分もらうから、先に智弘はん食べてな。うちは食後にもらうから」
 玲は、同梱されていたスプーンを取り出すと、智弘に渡した。
「それじゃ、先にもらうか」
 智弘は、さくさくと食べると、玲に渡した。
「んー、やっぱり旨いな」
 智弘は、人気店のスイーツの味を堪能した。
「それじゃ、俺はもういくから」
 次の仕事への移動を考えると、そろそろ移動しないと危ない。
「待って!」
 玲は、慌ててバッグからプレゼント梱包されたものを取り出した。
「こっちが元々予定してたチョコや」
 智弘は、それを受け取った。
「ありがとう。後で頂くよ」
「ほな、仕事頑張ってぇな」
「玲もな」
 智弘は、忙しなく控え室を出ると、店員や担当者に挨拶をしてから店を離れた。
 控え室に残された玲は、弁当を食べ終わると先程のスイーツを前にした。
『智弘はんがつこうたスプーン……』
 玲は、智弘が使用したスプーンを手にすると、それでスイーツを食べ始めた。
『これって、間接キス……』
 玲は、にやける顔を抑えることが出来ないままスイーツを食べたが、口にしたスイーツよ
りも玲を取り巻く空気の方が甘かった。

547:名無しさん@ピンキー
10/02/14 12:50:42 zNRytG77
久しぶりというか懐かしの投下だなw
乙乙


548:名無しさん@ピンキー
10/02/14 13:13:06 F8rSszws

あやの着替えシーンで色々妄想してしまった俺ガイル

549:名無しさん@ピンキー
10/02/14 14:53:28 KsbN+vpT
実はまだ途中。全員出て来るけど用事をあるので書く時間が厳しい。
今からも外出。最悪二日がかりになるかも。

550:名無しさん@ピンキー
10/02/14 15:58:21 FUMoaoUH
>>549
問題ない
wktkしながら待ってる

551:名無しさん@ピンキー
10/02/14 19:01:59 zNRytG77
もちろん続きまってるよ

552:名無しさん@ピンキー
10/02/14 20:10:54 zerZkFEW
SSが読めるとは思わなかった。嬉しい。
続き…書いていただけますね?お願いします。

553:名無しさん@ピンキー
10/02/15 01:22:40 BbpA3J4E
PM0:15
 智弘は、玲を残して一人車を転がして寮へ戻ってきた。
 寮の入口を開けると、どたどたと廊下を駆けてくる音がした。
「マネージャー!!」
 智弘に呼び掛けながら駆けてきたのは大路しずく。
 少し遅れて浅見ひびきも駆けてくる。
「はい、マネージャー。バレンタインデー」
 しずくは、智弘の前に来ると、チェック柄の包装紙にくるまれた箱を差し出した。
「ありがとう」
 智弘は、すっ、とそれを受け取った。
「あ……あのー……マネージャー……」
 しずくの横に並び立ったひびきも、類似の箱を手にしている。
「あ、あ、あたしも、じゃなくって……わ、わ、わたしも……」
「ひびきもくれるのか?」
「は、はい!」
 ひびきは、智弘と視線を合わせられず、下を向いたまま両手で差し出した。
「ひびき、何もチョコ渡すぐらいでそんなに照れることないでしょ」
 アイドルとして、大勢の視線に晒される仕事をしているのだから、こんなにも恥ずかし
がることが不思議にさえ思えるが「恥ずかしい」と認識するものにはとことん弱い。
「バレンタインチョコ」という、女の子の一大イベント、それも肉親などではなく、想い
を抱いている人に渡すのだから、胸がドキドキしてひびきに強く意識させる。
 趣味が恋愛系の少女漫画の収集だけあって、こういうシチュエーションには強い憧れを
抱いている。
 しかし、実際に自分がその立場になってみると、これほど気恥ずかしく緊張するものも
ない。
「ありがとう」
 智弘は、ひびきの手からそれを受け取った。
 手から箱の重さがなくなることを感じたひびきは、それに釣られるようにして顔を上げた。
 しずくは、頬を人差し指でぽりぽりと掻きながら口を開いた。
「実は、手作りしようとしたんだけど、時間なくなっちゃってぇ……」
 どうにも、ばつが悪そうだ。
 そこへひびきが続く。
「で、でも、二人で一生懸命、お店から選んで買ったから……」
 ひびきは、両手で胸を押さえると、うつむき加減になり目をつぶってしまった。
 年に一度の勝負の日。
 本当なら、二人で手作りしたかった。
 しかし、時間という壁がそれを許してくれない。
 どこかに罪悪感めいたものや、劣等感じみたものを抱えているのは「手作りではない既
製品」をあげたことに由来していた。
 他の娘たちを考えれば、充分手作りで作ってくることは想像に難くない。
 特に、らぶドルにはお菓子作りに長けている北条美奈・知奈の双子がいる。
 どうしたって、比べられてしまうのは目に見えている。
 まして、相手とはらぶドル内では二組しかないユニット同士。
 元より手作りで勝負しても敵うはずがないのは百も承知だが、だからこそせめて既製品
ではなく手作りをしたかった。
『やだ……泣きそう……』
 渡すことの気恥ずかしさに、手作り出来なかった恥ずかしさで、ひびきは落涙しそうだった。
 そのひびきの頭の上に、ぽん、と大きな手が乗った。
「ありがとうな、ひびき」
 そういって、その手は軽く頭を数回撫でた。
「しずくもありがとうな」
 智弘は、手にしている二箱に視線を移した。
「こういうのは気持ちがこもっていればいいんだから、手作りとかそうじゃないとか、そ
こを気にすることはないよ」
「ら、来年はこそは、手作りでちゃんと用意するから……」
 そうしずくが言えば、
「が、が、が、頑張ります! 来年は、しずくと一緒に手作りします!」
 唐突の予告に、智弘は少し面食らったが、
「楽しみにしているよ」
 二人は、その言葉を受けて顔を見合わせ、ここで初めて安堵した。

554:名無しさん@ピンキー
10/02/15 01:23:37 BbpA3J4E
「あーっ!! 何やってんのー!?」
 廊下の奥で元気な声を張り上げたのは、瑠璃だった。
「あーっ!! それ、バレンタインチョコでしょ!! 瑠璃、まだ渡してないのにー!!」
 瑠璃は、近づきながら、少し頬を膨らませていた。
 どうも、自分より先に渡されたことに、やきもちを妬いているようだ。
「別に順番はどうでもいいでしょ」
 しずくの言葉に、ひびきも、うんうん、と頷いた。
「でもぉ……もし本命チョコだったら、瑠璃やだなぁ……」
 瑠璃の科白に、二人は、ぎくっ、とした。
「な、何を言って……義理だよ、義理。なぁ、ひびき」
「う、うん、そう、義理、義理」
 どこかぎこちない返事だ。
「ん~……」
 瑠璃は、少し怪訝そうな顔をしたが、それ以上は追及しなかった。
「そ、それより、瑠璃は渡さなくていいの?」
「あっ! そうだった! お兄ちゃん、すぐ持ってくるから待ってて!」
 瑠璃は、急いで自室へと戻っていった。
「おーい、俺、すぐに出るんだからな」
 そもそも、寮に寄ったのは玲にもらったチョコを置くと共に、なにかトラブルが起きて
いないかの確認のためだった。
 次の現場へ行くためにも、すぐにここを発たなければならない。
「そ、それじゃ、マネージャ。あたしたちもこれから仕事があるから」
 しずくが言えば
「マネージャーも頑張って下さい」
 ひびきも言う。
「しっかりな」
 二人は、はい、と仲良く返事をして、ばたばたと廊下を駆けていった。
 智弘が部屋に入ると、超特急で瑠璃がやってきた。
「お兄ちゃーん」
 タックルをかますかの如く、がばっ、と抱きついた。
「ほら、瑠璃、抱きつくなって」
「えー、いいじゃない。今は誰もいないんだからぁ~」
 甘えん坊というか、ブラコンというか、瑠璃はすぐに智弘に抱きつく。
 たまにならともかく、人目があっても抱きつくのだから、もはや癖の領域かもしれない。
「チョコを渡しにきたんじゃないのか」
「そうそう。これ」
 瑠璃は、いささか雑なラッピングの箱を手渡した。
「瑠璃が作ったのか」
 梱包具合を見れば、どうみてもショップのものには見えない。
「うん! 瑠璃、頑張ったんだよ。ねえ、食べて食べて」
 瑠璃は、今ここで食すことを求めた。
「時間がないからあとでな」
「えー。ちょっとだけ。ね? 一口でいいから」
「しょうがないな」
 智弘は、すぐに外せるラッピングを取ると、これまた少し歪んだ箱の蓋を開けた。
 そこには、なんだかよく判らない形をしたチョコがが複数あった。
 智弘は、そこからひとつをつまみ上げた。

555:名無しさん@ピンキー
10/02/15 01:24:05 BbpA3J4E
「なんだこれ?」
 なんとも形容しがたい形をしている。
「それ、スペードだよ」
「スペード……」
「こっちはハート、こっちはクローバー、こっちはダイヤ」
 瑠璃が次々と指を指していくが、いわれればそれとなーく見える程度の形だ。
「トランプなのか」
「最初はハートだけ作ったんだけど、なんか一種類だけだと物足りないかなーと思って」
 その心意気や良しだが、せめて判る形にしてもらいたいものだ。
 形は残念なことになっていたが、何といっても食べ物は味だ。
 智弘は、手にしているチョコは口の中に放り込んだ。
「味はいいんじゃないの?」
「割チョコを溶かしただけだからね。でも、結構時間かかったんだよー」
「ありがとな」
 智弘は、先程のひびき同様に瑠璃の頭を撫でた。
 瑠璃は、えへへ、と笑った。
「おっと、俺、もう行くから。瑠璃はオフだっけか」
「そうだよ。でも、これから今日の放送のオンエアチェックするの」
「そうか」
「それじゃ、お兄ちゃんがお仕事頑張れるように、瑠璃の元気をあげるね」
 瑠璃はそういって、ぎゅーっ、と彼にしがみついた。
「……おまえが元気になりたいだけじゃないのか?」
「えへへー」
「ほら、部屋に戻りな。もう出掛けるから」
 智弘は、瑠璃の背中をぽんぽんと軽く叩いた。
「はーい」
 抱きつくなということに対しては今ひとつ聞き分けがないような状態だが、それ以外に
関しては素直で聞き分けが良かった。
「それじゃお兄ちゃん、またねー」
 瑠璃は、小刻みに手を振って兄と別れた。
「もう出ないと」
 智弘は、もらったチョコをひとまとめにすると、すぐに部屋から出た。
 だが、本日最大級のハプニングは、この直後に待っていることを誰も知らなかった

556:名無しさん@ピンキー
10/02/15 19:42:34 MBNEpnt9
おお、続きが来てるーっ!
しかもその先があるというのか?
お待ちしてます。

557:決戦は日曜日
10/02/15 23:30:03 BbpA3J4E
 少し前のことだった。
 結城瞳子は、シャワーを浴びていた。
 瞳子は、これからテレビ局で歌番組の収録と、ファンの集いと、立て続けに仕事が入っ
ている。
 午前中は、レッスン室で喉を温め、今は出掛けるための身支度をしていた。
「あーっ!! 何やってんのー!?」
 シャワーを音をぬって、外から大きな声が瞳子の耳に届いた。
 何事かとシャワーを止めて、バスルームの扉を開けてみる。
「あーっ!! それ、バレンタインチョコでしょ!! 瑠璃、まだ渡してないのにー!!」
 それは、瑠璃の声だった。
 それも、階下で発せられているようだ。
「もしかして、智弘さん帰ってきたの!?」
 バレンタインチョコを渡す渡さないで揉めているということは、この寮で該当する人は
一人をおいて他にはない。
「急がないと!」
 瞳子は、急いでバスタオルを手にすると体を拭き始めた。
 朝、起きたときにはすでに智弘は不在でチョコを渡しそびれていた。
 何とか夜に渡せればと思っていたところでの、予想外の智弘の帰宅。
 不確実な夜より、確実な今を置いて渡すチャンスはない。
 瞳子は、髪を満足にも乾かさずに服を着始めた。
「早くしないと、智弘さんまた出掛けちゃう」
 マネージャーである以上、のんびりと休めるはずもない。
 すぐに出て行くのは必然だ。
 瞳子は、チョコを手にすると、慌てて部屋を飛び出した。
 二階の廊下を駆け階段まで来ると、階下に智弘の姿が見えた。
「マ、マネージャー!」
 瞳子は、智弘を呼び止めた。
「瞳子?」
 智弘は、声がした階上を向くと、そこには瞳子が立っていた。
「何か用か?」
 智弘が、階段側へと足を向けた。
「あ、あの、渡したいものが―」
 そういって、階段を降りようと足を踏み出した。
 が、慌ててストッキングを穿いたせいか、足裏の部分にたるみがあり、それが原因でつ
るっと足を滑らせた。
「あっ!!」
 瞳子は、一瞬、声を挙げた。
 手にしていた渡したいものは、瞳子の手を離れて宙を舞い、自身も宙に投げ出されて智
弘目掛けて落ちていった。
 瞳子は、どん、という衝撃を受けた。
「いたたた……マ、マネージャー!?」
 ほとんど、ダイビングする形で落ちてきた瞳子を、智弘が受け止めていた。
 ただ、年頃の女の子が落下したため、智弘は支えきれずに後ろに倒れていた。
「だ……大丈夫か?」
「マネージャーのお陰で」
「よかった」
 マネージャーたる者、タレントの身の安全を守るのは重要な仕事。
 怪我をさせることなど、あってはならない。
「ところで、そこをどいてもらえるとありがたいんだけど」
 智弘は、いまだ自分の腹の上にいる瞳子に語りかけた。
「あ、ごめんなさい」
 瞳子は立ち上がるも、先程同様にストッキングに足をとられて尻餅をついて後ろに倒れた。
「おい、さっきから大丈夫か?」
 智弘は立ち上がって手を差し伸べるたが、M字状に開いた脚を見て体を横に向けた。
 上体を起こしていた瞳子は、慌てて脚を閉じて床にぺたんと座り、太股まで露わにして
いたスカートを膝まで戻した。


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