08/01/19 09:29:27 Rla6gWYD
……それから、更にもう三度も求め合った事を思い出した洋は、自分のベッドに横にな
りながら、小さく溜息をついた。
「ん、どないしたん、ひー君?」
傍らから何処までも嬉しそうな声を上げる美鳥。
その朗らかな笑顔に、自分自身の浅ましさに対する情け無さなどあっけなく消え去って、
洋は苦笑を浮かべた。
「いや、そのゴメン。ハジメテなのに何度もしちゃって」
「別にえーよ、そんなん。……ひー君が優しぅしてくれたから、ウチきっとハジメテでも
痛なかったんやもん。それにハジメテでイク? やったっけ、アタマ真っ白になれたんや
もん」
そう言ってとろんとした目つきを浮かべる美鳥。
その表情だけでまた股間が熱くなった。
けれど、既に風呂で汗を流してさっぱりしたのに、また求めるのも美鳥が大変だと思っ
たから。
洋は気付かれないように笑顔を浮かべた。
「そうなんだ」
「ん、頭真っ白になって、全身ぽわ~ってなって、けど、ひー君がウチのナカおってくれ
るんも、ウチのお腹に熱いの注いでくれるんも全部伝わって…………って、あかん、メッ
チャはずい」
頬を赤らめて顔を逸らす美鳥。
もう、幾度目になるか分からないほどの想いが胸の奥にわき上がって、洋は美鳥の顔を
引き寄せてそっと触れるだけの口づけを交わした。
「僕も恥ずかしいけどさ、美鳥が気持ちよくなってくれて嬉しい」
「ん……」
まるで猫のように目を細めて、美鳥が嬉しそうに笑う。
それが嬉しくて、また触れるだけのキスを何度も続けた。
「ひー君……大好き」
「……僕も、だよ」
ぎゅっと美鳥の体を抱きしめる。
その柔らかな胸や体の感触が、無防備に自分に預けられている。
それは言葉で言い表せないほどの幸福感を伝えて来て。
いまはただその温もりに身を任せたまま、眠りに落ちたかった。
「ひー君……だっこして、寝るんは……、気持ちええね」
「うん……、美鳥、は、最高の、抱き枕だね」
「ひーくんも、やで」
美鳥の声から力が抜けていく。
美鳥ももう眠りそうなんだと、同じように眠気に身を任せながら洋はそんなことを思っ
て。
「おやすみ……ひーくん……」
「おやすみ、みーちゃん……」
辛うじて言葉を放ち、洋はそのまま温かな眠りに身を任せた。