■ 女が長身で男がチビのエロパロ! ■at EROPARO
■ 女が長身で男がチビのエロパロ! ■ - 暇つぶし2ch106:名無しさん@ピンキー
07/09/17 23:20:26 9gf5hRiF
書いてみようかと思ったけど、具体的にどんくらいからが長身なのかな……
175あれば充分?

107:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/09/17 23:44:45 a+ZQQVej
あくまで男女の身長差が主眼っぽいし、170でも十分長身だと思う

URLリンク(homepage3.nifty.com)
↑一応ここで、身長別-男女のボディサイズ平均ってのが出てるんで見てみるといいかも
かなり便利

108:名無しさん@ピンキー
07/09/18 22:45:53 Q2muJr05
>>106
175~190ぐらいが理想

109:名無しさん@ピンキー
07/09/20 04:29:39 8oXO8Egw
今北。
おお、なんという神スレ。。。
てか、ひー君マダー?

110:暗愚丸
07/09/20 22:05:54 PrOBLWh3
ということで、お久し振りです。
今回短めですので、ひっそり投下

111:『僕らのルール』
07/09/20 22:07:11 PrOBLWh3
 卑猥な粘着音だけが響く部屋の中。
 呆然としていた美鳥が、洋を見詰めてくる。
「……なに、しとん?」
 目尻に涙を溜めて、美鳥が惚けたような声を上げた。
「んっ」
 ちゅぽっと音を立てながら洋のソレから舌を離した夕紀が、美鳥の方に振り向く。
 その右手が洋の股間を握って来る。
 にちゃにちゅと音を立てなら動く感触が気持ちよくて。
 気持ちいいと感じてしまうことがイヤだった。
「何してるか、見て分からないなんて、あんた馬鹿?」
 そして、聞こえてきた声に、無性に腹が立った。
 その声音は嘲りに満ちていて、きっと嫌気が差すほどに気分悪い笑みを浮かべているこ
とが理解できた。
「ひー君」
 美鳥がじっと見詰めてくる。
 必死で言葉を告げようとして、なのに口が動かない。
「……なんで何も答えてくれへんの?」
「そんなの、あんたの声が聞きたくないからに決まってるでしょ?」
 違うと言いたいのに、声が出せないこちらを嘲笑うように、嬉しげな夕紀の声が響く。
 悔しくて、苦しくて、情け無くて。
 ただ拳を握りしめる。
 その部分くらいしか、自分の意志で動かすことが出来なかった。
「ひー君……、ウチよりも、ソイツの方がえーの? ウチのこと、嫌いになったん?」
「フラれたからって、腹癒せにソイツ呼ばわりなんてしないでくれます?」
 美鳥が子供のように言葉を投げかけてくる。
 その様子が、昔のことを思い出させた。
 引っ越しする時、ボロボロと泣いていた美鳥。
 あの時の約束は今でも胸の中にしっかりと根付いている。
「ひー君、なんか、言ってぇな。なぁ、ひー君」
 美鳥の声がどんどん弱々しくなっていく。
 なのに、ソレを止めることも出来ずに、ただ美鳥を見詰めることしかできない。
 ソレしかできない自分に吐き気がする。
「ホント、しつこい。フラれたくせにその理由を聞きたがるなんて、馬鹿馬鹿しいにも程
があるって分からないの?」
「……ひいくん」
 不意に、美鳥の頬からぽろりと涙がこぼれ落ちる。
 同時に微笑みを浮かべる美鳥。
 その寂しげな微笑の形を、洋は以前にも見たことがあった。
 澄香に告白されたときの、だけど、受け入れられなくて断ったときに見せられた微笑と
同じものだったから。
「ひー君が、ソイツ選んだんやったら、ウチはえーよ」
 ポツリと美鳥が呟いた言葉が、其処に込められた想いが、胸の奥に突き刺さってくる。
「だから、ソイツ呼ばわりやめろって、言ってるんですけどぉ? それとも耳も聞こえな
いんですかぁ?」
 夕紀のわざとらしく伸ばした語尾が、許せないほどに不快で。
 股間から上ってくる快楽を忘れさせた。
「ウチ、ひー君の迷惑なんやね? ……ウチ、おらんようなったほうがええんやね」
 美鳥の声が聞こえるたびに、ポロポロと涙が零れるたび、胸の奥に刺さった傷が痛み、
見えない血があふれ出す。
 そんな、美鳥の声なんて聞きたくない。
 今すぐ、美鳥を抱きしめてそんなことないと伝えたい。
「そう言う事ですよ。ほら、さっさと消えてくれます? それとも、私と洋さんのSEX
を覗くつもりですか? 別に構いませんけど、みじめですよねー」
 くすくすと笑う夕紀。
 嫌いな人間は今までにいくらでもいたし、ケンカだって両手の指では足らない程度に経
験している。
 けれど、生まれて初めて、洋は他人を憎いと感じた。
「……ほな、ウチ消えるな。ひー君、今までゴメンな」
「洋さんの邪魔ばっかりしてたのに、今頃気付くなんて体が大きくて頭まで血が巡ってな
いんじゃない?」

112:『僕らのルール』
07/09/20 22:07:55 PrOBLWh3
 美鳥が、一瞬だけ悔しげに顔を歪めて、それでも何も言わずに背中を向ける。
 許せなかった。
 美鳥を泣かせて喜んでいる夕紀が許せなかった。
 許せなかった。
 ワガママだけを通して、洋の気持ちを考えようともしないことが許せなかった。
 だけど、
 何より許せなかったのは、
 泣いている美鳥を慰めることも出来ない、引き留めることも出来ない自分自身だった。
 自分の無力さが悔しくて、だから夕紀を憎むことしかできなくて、拳に更に力を込めた。
 血の気が失せるほど強く握りしめた拳から、じわりと痛みがはい上がってくる。
 美鳥が後ろ手にドアに手を伸ばす。
「ひー君、今までありがとうな。……バイバイ」
「洋さん、やっと邪魔なのいなくなりましたし続きしましょ?」
 にやにやと、さも嬉しげに嗤う夕紀が振り返ってくる。
 それは胸がムカつくほどに気味悪い笑顔で、そんなものを視界の片隅にさえ留めていた
くはなかった。
 なによりも、美鳥がドアを閉めようとしてる事の方が、洋には辛かったから。
 ただ止めたいと、洋はそれだけを思う。
 あのドアが閉まったとき、美鳥との関係が壊れてしまう。
 それだけがただ脳裏を占めて、そんなことになりたくないと心が必死で叫んでいた。
 握りしめた拳がじくじくと痛んで、胸の奥の傷もずきずきと痛む。
「……って」
 その痛みが、体を縛っていたなにかを弱めたのか、
「待って……、美鳥」
 喉の奥から、声が絞り出た。
 ぴくんっと肩を震わせて、美鳥が動きを止めた。


「う、そ」
 呆然とした表情を浮かべて見上げてくる夕紀。
 だけどそんなものはすぐに意識から消した。
「なんで? だめです。洋さんは動けないんですよ、しゃべれないんですよ」
 夕紀の空虚な声が聞こえた瞬間、洋はまた体が重くなるのを感じた。
 けれど、そんな声も重さも、今の洋には意味など無い。
 堅く握りしめた拳と胸の奥に刻まれた傷の痛みの方が、何倍も重たいものだから。
「美鳥」
 ゆっくりと、それでも確実に洋は声を放つ。
 まだ自分のものを握っている夕紀の肩に拳を突き出して、そのまま押し退ける。
「え?」
 ぼうっとした声と共に夕紀がゆっくりと倒れて、握りしめられていた男根がぬるりと滑
って自由になった。
 最後にぶるんっと震えたそこから気持ちよさが一瞬だけせり上がってくる。
 けれど、そんなモノはまるっきり無視して、洋は立ち上がった。
 まるで、海上の船の上にいるみたいに床が揺れている。
 そう感じるのは、単に体の自由が戻りきっていないだけのこと。
 それでも構わなかった。
 体が動かせるのなら、美鳥の側に行けるのなら、それだけででよかった。
「ひー君?」
 どこか呆然とした表情で美鳥がゆっくりと振り返ってくれる。
 ただそれだけのことが何よりも嬉しくて、もう今まで抑えてきた想いがあふれ出しそう
になっていた。
 否、もう、抑えることも隠すことも出来ない。
 泣かせてしまった美鳥を二度と泣かせないために、伝えないといけない想いがあった。
 だから、洋はただ美鳥をじっと見上げる。
 いつも見上げるしかない身長差に感じていたものより、頬に残る涙の跡に覚えた悔しさ
の方がもっとずっと強く感じた。
 不意に美鳥が僅かに頬を赤らめながら視線を逸らす。
 そんな風に、視線を逸らされるのが哀しくて、洋はただ美鳥の顔を見詰めたまま、口を
開いた。
「美鳥。僕は、僕は美鳥の事が、好きだ。他の、誰かなんて、いらない」

113:『僕らのルール』
07/09/20 22:08:50 PrOBLWh3
 少しずつ、ゆっくりと呟き続ける。
 同時に、声が徐々に強くなっていく事に気付いた。
 ふらついていた体も、今は芯が通ったようにしっかりと立っていられる。
 自分を縛っていたなにかが解けているのを感じながら、洋はただ美鳥を見詰めていた。
 今だけは、自分の想いを正直に、全てを美鳥に伝えたい。その願いだけで、洋は唇に言
の葉を乗せていく。
「いつか、美鳥が、言ってたのとは違う。けど、思うんだ。隣にいて欲しいのは、側にい
て欲しいのは、好きでいたいのは美鳥だけなんだ」
「ひー君……」
 美鳥が嬉しげに目を潤ませて見詰めてくる。
 それだけで美鳥の想いが分かって、それが嬉しくて洋は、気がつけば更に言葉を重ねて
いた。
「美鳥、子供の頃の約束、覚えてるよね?」
 それは問いかけでも、ましてや確認ですらなくて、単なる事実を述べただけ。
 顔を赤くした美鳥がこくんと頷いて。
 また慌てて顔を背ける。
 その仕草の意味が理解できずに、それでも洋は語を繋ぐ。
「僕もずっと覚えてる。今でもそうなりたいって思ってるんだ」
 心の奥に秘めてきた想いを口にすると同時に、耳が熱くなるのを感じた。
 きっと耳まで真っ赤になっているだろうなと、脳裏の片隅をそんな想いが過ぎった。
「僕が好きなのは、美鳥だけなんだ」
 それでも、自分の全ての想いを乗せた言葉に、美鳥は応えてくれなくて。
 困ったような表情のまま、いきなりハンカチを差し出してきた。
「美鳥?」
「その、やね。前、隠してくれへん?」
 言われてゆっくりと視線を下に向ける。
 半ば力を失った陽物が、ひくんっと蠢いた。
「わっ!?」
 思わず、両手で前を押さえる洋。
 慌ててズボンに収めようとした洋は、夕紀の唾液で汚れたままだと言うことに気付いて
思わず動きが止まってしまう。
「った! と」
 慌ててズボンの後ろに手を回した洋は、はたとその動きを止めた。
 あまりにも強く握りしめていたせいで、指が開いてくれない。
「あ、あれ、くそっ」
「もう、しゃあないなー」
 くすりと笑って、美鳥がハンカチを伸ばしてくる。
「ちょっ!? 美鳥、汚いって! 自分でやるから!」
「うん、確かにあいつのつばはばっちいけど、ひー君のやったらウチ構わんよ?」
「いやでも、せめてティッシュでっっ!」
 言葉の途中で洋は全身を震わせた。
 美鳥が手に持ったハンカチで拭って来たのだ。
「んっ! 美鳥っ!」
 ゾクゾクと背筋が震える。
 どうでも良いと思っている相手に直接触れられるより、布越しでも好きな相手に触れら
れていると思うと同時、半ば力を失っていたモノがまた堅さを増した。
 顔を真っ赤にして全てを拭った美鳥が、ゆっくりとボクサーブリーフにソレをしまって
ズボンもきちんとチャックを閉めてくれる。
 それが恥ずかしすぎて、洋は美鳥の顔をまともに見ることが出来なくなる。
「ひー君」
 だけど、美鳥の真剣な声に、慌てて顔を上げた。
 顔は赤いままで、だけどまじめな表情で美鳥がこちらを見詰めてくる。
「ウチ、待っとぅから。ひー君が来てくれるん待っとぅから。そんときに答え返すから」
 それだけを口にして、美鳥がくるりと背中を向けた。
 夕紀との話しをきちんと付けてから、ちゃんと話しをしたい。
 ソレが美鳥の願いだと分かったから。
 からからとドアが目の前で閉まるのを見ながら、洋は小さく溜息を吐いた。
 本当は、そんなことをしたくない。
 けど、ここで釘を刺しておかないと、きっと夕紀はまた同じようなことをしてくる。
 ソレが分かっていたから、小さく溜息を吐いたあと、洋はゆっくりと振り返った。

114:『僕らのルール』
07/09/20 22:09:41 PrOBLWh3


 上半身を起こしてそれでもどこか呆然としていた夕紀が、こちらを見詰めて怯えた表情
を浮かべた。
「ひっ」
 息を呑む夕紀を、洋は冷たい目で見詰めていた。
 洋がこの冷めた表情を女子に向けたことは、ただの一度もない。
 女の子に間違えられることが多いから、と言うわけでもないが洋は女性に対してはいつ
も優しく接してきた。
 けれど、夕紀に対してだけは、そんな気にはなれなかった。
「……一つ言うとく」
 美鳥を泣かせた夕紀が許せなかったから。
 自分のことだけしか考えていないことが、腹立たしかったから。
「二度と、僕と美鳥に関わってくんな」
「そん、な」
 目に涙を溜めて見詰めてくる夕紀。
 その姿に、少しだけ胸が痛む。
 けれど、ソレを表に出す気は全くなかった。
 もし好きになった人に相手がいたら、洋なら何も言わずに身を引くだろう。
 誰かを好きになったなら、その人が幸せになって欲しいと思うのはきっと当然の事。
 そして、もう幸せになっている相手に、自分の気持ちを押しつけるなんて出来るわけが
ない。
 なのに、夕紀はそんな事を考えもせず、自分自身のことだけを一番に考えて無理矢理奪
おうとしてきた。
「こんど、いらんことしてみい。本気で許さんへんからな」
 ……なによりも、夕紀は美鳥を泣かせた。
 その一事だけでも、洋にとっては絶対に許せない相手になったのだから。
「絶対関わってくんな」
 その言葉だけを吐き出して、洋は夕紀に背中を向ける。
「ま、まって下さい、洋さん」
 弱々しい声音に足が止まりそうになる自分を叱咤して、ドアの取っ手に手を伸ばす。
 背後で動く気配を感じても、洋は振り返らない。
「好きです、洋さん! 私が、私こそが、誰よりも貴方のことを好きなんです! だから、
行かないで! 行かないで下さい!」
 不意に、背中に夕紀がしなだれかかってきた。
 しがみつかれる感触が不快に感じられないことが不愉快すぎて、洋は強引に夕紀を振り
払った。
 これ以上ここにいたら、優しい言葉をかけてしまいそうだったから。
 手早くドアを開けて、外に出る。
「ひろ」
 ぴしゃんっと激しい勢いでドアを閉めた。
 いまはただ、全身を蝕む不快感を収める為に、ここから離れたかった。
「い、いやぁあああああああっっっっっ!!」
 背後から泣き叫ぶ声が聞こえて、胸が痛む。
 自分を好きでいてくれた人に、こんな酷い仕打ちをしなければいけないことが洋にはと
ても辛くて。
 けれど、夕紀はもっと酷いことを自分達にしてきた。
 だからこれは当然の結末。
 なのに、胸の痛みを抑えきれないのは、それだけ自分が甘いから。
 分かっていてもソレが情け無くて、小さく溜息を吐いた洋はそのまま歩き出す。
「……あー、ちょい待て」
 不意に後ろから声をかけられて、振り返る洋。
 昼休みにケンカを売ってきたバスケ部員が、表情を消して立っていた。
「なんか用?」
 今は周りには誰もいないし、かなりむしゃくしゃしているから、ケンカを本気で買って
も良いかなと、心の片隅でちらりと思う。
 そんな洋に気付いているのかいないのか、がりがりと自分自身の頭を掻き乱した相手が、
いきなり頭を下げてきた。
「バカが迷惑かけたみたいですまねえ。あのバカは思いこむとすぐ暴走する性質なんだよ」

115:『僕らのルール』
07/09/20 22:10:23 PrOBLWh3
 その言葉は少し意外で、だから洋はまじまじと頭を下げたままの相手を見詰めてしまう。
「許してやってくれなんざ言えた義理じゃねえが、あのバカなりに真剣だったって事だけ
は覚えといてくれ。それだけだ」
 そこまで言って頭を上げた相手が、洋が出てきた部屋に入っていく。
 それで、何となく昼休みに突っ掛かってきた理由が分かった。
 口元に苦笑を浮かべて、また歩き出す洋。
 僅かでも良いから夕紀にも良い結末があるといいなと、そんなことを僅かに想いながら。

116:暗愚丸
07/09/20 22:14:54 PrOBLWh3
前回レス下さった皆様、ありがとうございました。

ってことで、やっと話自体にはほぼオチがつきました。
あとは肝心要というか、このためだけに突き進んできたエロ話とおまけのエピローグを残すのみ。
ベタベタ甘ラブで、多分今回の倍以上に長いエロ話を書いてきます。

それでは、今回もお付き合い頂きありがとうございました。

117:名無しさん@ピンキー
07/09/21 04:05:26 VTPGy4SU
やったー!続ききたー!

終わってしまうのは寂しいけど
続きwktkしてますぜーっ!

118:名無しさん@ピンキー
07/09/21 06:32:14 LfLKv5uR
GJGJ!
この二人には、ほんと幸せになってほしいよ。

でも、ちょっと夕紀が不憫かな。ひー君とトモダチには、もう戻れないのかなあ。


119:名無しさん@ピンキー
07/09/24 04:18:11 fE52Ylfc
>>116
ベタ甘カモーーーーン!!!!


全裸で正座して待ってるんだぜ!

120:名無しさん@ピンキー
07/09/27 19:57:17 z70L1m1n
>>116
GJ!
ベッタベタの甘々ラブラブは大好きだ!!

>>118
確かに不憫かもしれないが、それだけの事をしでかしたんだから、こうなっても仕方ない。

121:名無しさん@ピンキー
07/10/04 12:20:49 xZWQEcRb
保守

122:名無しさん@ピンキー
07/10/12 13:31:15 96yMEMvF
守る

123:暗愚丸
07/10/20 09:16:59 n8xtVMgz
どもひさしぶりの暗愚丸です。
えと、やっとエロに入れると喜んでたら、阿呆みたいに長くなってきました。
ってことなんで、本番手前で一旦投下します。
では、『僕らのルール』投下します。

124:『僕らのルール』
07/10/20 09:17:40 n8xtVMgz
 そのドアには、丸っこい文字で『MidoriChan's Room』と書かれたプレートが貼ってあ
った。
 その前で、洋は逸る想いを抑えるために深呼吸を繰り返す。
 美鳥をこれ以上待たせてどうするんだと、自分自身を叱咤してようやく上げた手でドア
をノックしようと構えた。
 だけど、額に僅かにかかった髪が鬱陶しくて、思わずその手で払いのけたせいで勢いを
失ってしまう。
 美鳥が好きだから、大事だから。
 釣り合いが取れていない自分が隣にいても、迷惑かも知れない。
 今さらそんなことを思ってしまう自分自身に、洋は嫌気を覚えながら溜息を吐く。
 いまさら、告白をなかったことになど出来ない。
 それは、美鳥に対する最も重い裏切りだとわかっていた。
 意を決して、ドアをノックする。
「んー、開いとぅから、入ってきてぇな」
 ドア越しに美鳥の声が聞こえて、洋はためらいを飲み込んでドアを開けた。
 僅かな甘さを感じさせる香りが鼻について、また鼓動が早まる。
 カーテンや絨毯はともかく、壁紙まで洋の部屋とは違うパステル系の色調に彩られた室
内は、女の子の部屋だと強く実感させた。
「ひー君、お帰り」
 ベッドにちょこんっと腰掛けた美鳥が、苦笑を浮かべてこちらを見詰めてくる。
 まだ僅かに濡れている髪を見た瞬間、帰ってきてすぐに入った風呂場で感じた甘い香り
を思い出した。
 美鳥も、告白の先を望んでいるのかも知れない。
 そう感じて、慌てて脳裏に湧いた思いをかき消した。
 今はただ、大切な思いを告げるだけ。
「うん、ただいま」
 そんな言葉を口にしながら、美鳥のすぐ前に移動する。
 普段なら見上げないといけない美鳥を、逆に見下ろしているというのはとても新鮮な感
覚で、胸の奥のざわめきが強まっていく。
 だから、ただ美鳥を見詰めることしかできない。
 誰よりも大事で大切な美鳥。
 生まれたときからずっと一緒にいて、だけど離れてしまって。
「ひー君」
 美鳥がじっと見詰めてくる。
 整った目鼻立ちに長い黒髪、モデル並みの体型と、人目をひく外見をしている美鳥。
 だけど、そんな外見なんて本当はどうでも良かった。
 体が大きくていじめられてた子供の頃を知っている。
 まるで子犬のように、いつも自分の服を握って後をついてきた頃を知っている。
 本当はとても甘えん坊で寂しがりやで泣き虫で弱虫な事も、ずっと昔の幼い約束を未だ
に信じ続けてる事も知っている。
 他の誰よりも、美鳥のことを知っているのは自分だけだと信じていた。
「美鳥、僕は」
 言葉の続きを口にしようとして、洋はまた黙ってしまう。
 そんなこちらの様子に業を煮やしたのか、いきなり美鳥が立ち上がった。
「美鳥? わぷっ!」
 いきなり強く抱きしめられる。
 美鳥の豊かな胸に顔を埋める体勢になって、呼吸するのが苦しくて。
「ひー君、そんな緊張せんでもえぇんちゃう? もう、いっぺん言ぅとうやん」
 優しい言葉と嬉しそうな微笑みに、とくんっと胸の奥が騒いだ。
「美鳥……」
 だから、自分からぎゅっと抱きしめて、美鳥の胸から洋は顔を上げた。
 言いたい言葉は数え切れないほどあった。
 あの日に交わしたケッコンの約束。
 同じ高校に受かったと知ったときの嬉しさ。
 同居することになった時の喜び。
 なのに、いきなり海外出張で両親が出て行った事に、……美鳥と二人きりで暮らすこと
に対する戸惑い。
 夕紀のせいですれ違いかけた時間。
「僕は、…………僕は」
 だけど、どうしてもその言葉が出てこない。

125:『僕らのルール』
07/10/20 09:18:34 n8xtVMgz
 本当に伝えたい想いは一つ。ソレを口にするだけで良い。
 美鳥も受け入れてくれると解ってる。それでも言葉に出来ない自分がいらだしくて、洋
は唇を噛みしめる。
「ひー君、ウチ引き留めたかっただけなん? ほんまはそんなん思ってないん?」
「美鳥」
 美鳥の寂しげな声が、哀しげな微笑が、胸に突き刺さる。
 そんな思いを、美鳥に抱かせた自分が許せない。
 そんなことはないと美鳥にすぐに伝えたい。
 そのために言えば良い言葉は一つだけで。
 だから、美鳥をしっかりと見詰めた。
 見上げなければいけない悔しさは、もう心の何処にもない。
「僕、僕は、美鳥のことが好きだ。なによりも誰よりも、美鳥のことが大切だから。ずっ
と側にいたい。ずっと側にいて欲しいんだ」
 思いの丈を吐き出すのと同時に、膝が崩れそうになって。
 けれど、美鳥が更に強く抱きしめてきてくれて、動きが止まる。
 不意に、美鳥がぽろりと涙を零した。
「やっと」
 美鳥が小さく呟いて、涙を落としながらそれでも嬉しげな微笑みを見せてくれる。
「やっと、言ぅてくれた。ウチ……、ウチもひー君のこと好きや。ずっと、ずっと側にお
りたい思っとぅ。ひー君と結婚したいって今でも思てるんや」
 美鳥が想いを受け入れてくれたことが嬉しくて。
 抱きしめていた右手を伸ばして、美鳥の後頭部に手を添える。
 同時につま先立ちになりながら、美鳥の唇に優しくキスをした。
 柔らく濡れた唇の、甘く優しい感触と微かな甘い薫りに、鼓動が早まっていく。
 どれだけ口づけを続けていたのだろう。
 息苦しくなって離れると同時に、慌てて深呼吸する。
 ソレは美鳥も一緒で、互いに顔を見合わせて思わず笑ってしまった。
「キスで呼吸苦しなるってお約束やね」
「うん、そうだね」
 にこりと笑って、美鳥が自身の唇を指でなぞる。
 その仕草が扇情的で、体が反応しそうになった洋は、美鳥から離れようともがいた。
「……ひー君、どないしたん?」
 そう言いながら、更に強く抱きしめてくる美鳥。
 顔に当たるふわりとした感触が、胸やおなかに感じるなだらかな感覚が、鼻腔をくすぐ
る女の子の薫りが、洋の体を疼かせた。
「あ、いや、なんでもない。だから離れて」
「イヤや~、ひー君のこと離したらん、今日はひー君だっこして寝るんや~」
「あ、アホ! そんなん出来るかい!」
 本気を出せば美鳥を突き飛ばす事は出来るけれど、いくら洋でもソレはしたくなくて。
 だから、抑えきれなくなった。
「あ」
「……だから、離せ言うたんや」
 美鳥が恥ずかしげに顔を赤くして、こちらを見詰めてきて。
 同じように顔を赤くしながら、美鳥を睨む。
 堅くそそり立ったそれが、美鳥の柔らかな下腹部に押しつける体勢になってしまった。
 下手に口を開けばそのまま最後まで進んでしまいそうな雰囲気に、洋は慌てながら必死
で言葉を探す。
 確かに美鳥のことは好きで、こうして抱きしめられるのは嬉しいこと。
 ……その先にある事だって、興味はある。
「はよ離さんかい」
 だけど、美鳥のことは大事だから。
 大事にしたいから、ただ欲望のままに貪るようなことだけはしたくない。
「イヤ」
 なのに、美鳥が更に強く抱きついてきた。
 それだけではあきたらず、堅くなった洋のソレに下腹部を押しつけてくる。
「ちょっ、こら、美鳥!」
「イヤや、ウチ待っとったんや。ずっとひー君とこうなるん待っとったんやから」
 顔を赤くしたまま見下ろしてくる美鳥。
 その目尻に涙が浮かんでいることに気づいて、思わず洋は息を呑んだ。
「ウチ、ひー君のお嫁さんになるんやから、Hも絶対ひー君とするって決めてたんやもん。

126:『僕らのルール』
07/10/20 09:19:21 n8xtVMgz
ウチ一人Hかて、いつもひー君想いながらしてたんや。やからもう、我慢できへんもん」
 美鳥のあまりにもあけすけな好意に、洋には答えることが出来なくて、それでも、心の
枷が外れそうになってることだけは気づいていた。
「だ、だけどなっ! んっ…………っ!?」
 ただ触れ合うだけのキスだと思っていたから、唇の間を割って舌が入ってきた事で一瞬
パニックを起こしてしまう。
 だけど、美鳥は更に強く抱きしめてくるだけで、離してくれない。
 それどころか、激しく口の中をなめ回してくる。
「っ……ちゅっちゅぷ……んちゅ……ちゅる……」
 耳から聞こえてくるいやらしい音と、頭の中で響く粘着音が意識を灼いていく。
 舌を絡めう事が、口の中を蹂躙される事がこんなに気持ちいいとは思っても見なかった。
 だから、抵抗することなど出来なかった。
「じゅっ……じゅちゅっ……ちゅぷ、ぷちゅ、んっ」
 美鳥が抱きしめていた腕を放して、少ししゃがみ込んでくる。
 そして、いきなり背中と膝裏に手を回されて持ち上げられた。
「っっ!」
 まるで女の子のようなその扱いに文句を言おうとして、更に激しく舌を吸われた。
 それだけで抵抗しようとする気力が無くなって、気がつけばとさっとベッドの上に投げ
出されていた。
「……はぁ……はぁ」
 大好きな女の子とキスをしていた。
 しかもそれがいやらしくて飛びっきりHなキスとなれば、意識が朦朧としてもおかしく
はない。
 そう想いながら、プチプチという音を聞き流していた。
「ふふっ、ひー君可愛えぇなぁ」
 その言葉に我を取り戻した洋は、流石に一瞬言葉を失った。
 いつの間にか美鳥がのし掛かってきていて、しかも上半身のパジャマをはだけさせられ
ていたのだ。
「こ、こら美鳥! いきなり何しとう!」
「何って、脱がせとぅだけやん。Hすんねんで? 服脱がな出来へんやん」
 あまりにも平然とした美鳥の言葉に、顔が赤くなる。
 何となく、このまま進むのは負けたような気がして、ごほんっと軽く咳払いをした。
「……それはいいけど、自分で脱ぐからっ! ってか、普通服脱がせて悦ぶってのは、男
の仕事だろっ! 人の話を聞け!!」
 言ってる間にも器用に服をはがされてしまう。
 ずりずりとゆっくりとベッドの下側に移動した美鳥が、そのまま洋のズボンを一気に引
きずり下ろした。
「っ!」
 ぶるんっと大きくそそり立つものが、美鳥の鼻先に飛び出してしまう。
 いくらさっき見られたばかりと言っても、恥ずかしさがなくなるわけはなくて。
「さっきも思たけど、ひー君のっておっきいんやね」
 どことなくぽーっとした表情で見上げてくる美鳥に、思わず顔が紅くなってしまう。
 洋のそれは平均よりも大きいけれど、自分の体が小柄なせいで余計に大きく見えてしま
うことが、少しはずかしくて情け無かった。
 そんな洋の思いに気付いた様子もなく、くんくんと子犬のように臭いを嗅ぐ美鳥の仕草
を見るだけでも恥ずかしくて。
「……ひー君のにおいがする」
 そんな美鳥の呟きに、顔が赤くなってしまう。
 ここに来る前に風呂には入ったけれど、まだあらいきれてなかったんだろうかと、そん
なことを思ってしまう。
「ぅあっ!」
 だけど、いきなり尖端にキスされて、思わず腰が跳ねた。
「えと、刺激きつい?」
 少し困ったような表情を浮かべて問いかけてくる美鳥。
 洋はただこくんと頷く。
 ……本当は、きついと言うよりも気持ちよすぎた。
「ほしたら~」
 れろんっと先端を舐め上げられて、思わず唇を噛みしめた。
「ひー君、気持ちえぇ?」
「っ! そ、それは、うぁっ!」

127:『僕らのルール』
07/10/20 09:20:02 n8xtVMgz
 れろれろと亀頭を舐め回されて、雁首をくすぐられて、そのたびに腰が引けてしまう。
 そんな洋の様子に気をよくしたのか、美鳥が更に動きを激しくしてきた。
「っく、た、確かに、気持ちいい……け……ど」
 直接の気持ちよさよりも、美鳥がしてくれていると言うことの方が気持ちよかった。
 だから、耐えられなくて。
「ちょい、ストップ」
 なんとかぎりぎりで止めることが出来た。
 顔を上げた美鳥が、不思議そうな表情で見詰めてくる。
「僕だって、美鳥を気持ちよくさせたい。美鳥の裸見たい」
 激しく脈打つ鼓動に辟易して、それでも呼吸を呑んで美鳥を見詰める洋。
 一瞬、あっけにとられた表情を浮かべた美鳥が、それでもにこりと笑ってくれた。
「ほしたら~~、ウチが脱ぐ方がえぇ? それともひー君脱がせたい?」
「そんなの、僕がやりたいに決まってるだろ!」
 思わず叫んでしまった。
 それが恥ずかしくて、なのに美鳥が嬉しそうに笑ってくれる。
「ほな、ええよ~」
 ぽすんっと洋の隣にぽすんと寝転がる美鳥。
 上半身を起こして、洋は美鳥の上にのしかかる。
「そ、それじゃ」
 気がつけば手が震えていて、それでも美鳥のパジャマの第一ボタンにゆっくりと手を伸
ばした。
 すこし手こずりながら、それでも一つ目を外してほっと溜息を吐いた。
「あ、あはは、ひー君、大丈夫?」
「う、うん」
 美鳥の優しげな声に頷いて、洋は二つ目を外そうとする。
「ふぁっ!?」
 同時に、美鳥の口元から声が漏れて、とくんっと胸の奥が震えた。
 両手の甲が、美鳥の柔らかなふくらみに当たっていた。
「ご、ごめん」
「ん? なんで、謝るん?」
 頬を赤らめた美鳥と視線が絡み合う。
 その顔に浮かぶ笑みが、続きを促していて。
 洋はそれ以上何も言わずに、ぷちぷちとボタンを外していく。
 徐々に露わになっていく美鳥の白い肌に、心臓の鼓動が早まって。
 そのたびに、ひくんひくんっと自分のソレが動いていることを、洋は自覚していた。
「美鳥、脱がすよ」
「ん」
 全部のボタンを外して、ゆっくりと美鳥の肌を露わにする。
 あれだけ海やプールに行ったはずなのに、殆ど日焼けの後も残っていない真っ白な肌が
目に映った。
 黄色い飾り気のないブラに包まれた大きな胸と、対照的に滑らかで平らかなお腹が視界
を埋める。
「ひー君。ウチのブラ、フロントホックやから真ん中のとこ両手で持って、左右から押し
つけてひねったら外れるから」
「うん」
 美鳥の言葉に従ってぷちんとブラを外す。
 そのまま、何も言わずにブラを脱がして、しばし言葉を失った。
 寝そべっているのに、型くずれしていない大きな胸。
 その白さと美鳥が呼吸するたびに震える様子、なによりその先端にぽつんとある淡いベ
ビーピンクが洋の目を釘付けにする。
 でもとりあえず美鳥を脱がせる方が先決。
 そう思ったから、洋は美鳥のパジャマとブラを、美鳥の腕から抜いた。
「ひー君、その、下も」
 美鳥の恥ずかしげな声にこくんと頷いて見せて、上体をずらした洋は美鳥のパジャマの
ズボンに手を伸ばす。
 細い腰とズボンのゴムの間に指を入れる。
 その滑らかすぎる感触に、洋は逸る気持ちを必死で抑えた。
 手伝う様に、腰を浮かせてくれる美鳥。
 けれど、いざ脱がせようと、ズリ下げた瞬間、美鳥が声を上げた。
「あっ! ひー君、ちょ、ちょいっ! 待っっ! っっ!」

128:『僕らのルール』
07/10/20 09:20:43 n8xtVMgz
 その焦りを含んだ声に少しだけ首をかしげて、もう少し下ろした所で美鳥の言わんとし
ていることに気付いた。
 ……真っ白なシミ一つない肌。
 腰から続く平らで柔らかそうな下腹部がみえて、茂み―と言うにはまだ少し早い、僅
かに固まってみせる和毛(にこげ)が目に映った。
「ぁ、あっ! ご、ゴメン、美鳥!」
 そのつもりはなかったけれど、下着ごと一気にずらしてしまったのだ。
 いきなりすぎて、きっと美鳥も恥ずかしいだろうけど、それは洋も同じで。
 けれど、下着だけ元に戻すのはとても間抜けだとしか思えないから。
「ゴメン、美鳥。でも、その」
「……うん、ええよ」
 美鳥が顔を赤らめたままで、それでも頷いてくれたから。
 洋は美鳥のズボンを下着ごと最後まで下ろして、美鳥の体に視線を向けた。


 静かに横たわっている美鳥。
 その肌はとても綺麗で、胸も形が崩れることもなく上を向いている。
 細くくびれた腰から、なだらかな曲線を描いてるお尻と太股。
 なだらかでソコだけ僅かに色彩の違う、和毛と美鳥の一番大事な部分。
 思わず見詰めてしまう。
「……ひー君、やらしい目してる」
 美鳥のどこか拗ねたような声に、はっと我に返る洋。
 見上げた美鳥が、口を尖らせていた。
「やっぱ、ひー君もウチの体ばっかに興味あるんや。ひー君も男の子やもん、しょうがな
いんやね」
 呟きながらそっぽを向く美鳥に、ちくりと胸の奥に痛みが走る。
 それを抑えて、洋はずりずりと上体を美鳥の上半身の方へと移動させた。
「ゴメン。美鳥の体、綺麗だから見とれてたんだ」
 呟きながら、そっと顔を近づける。
 美鳥がなにか言いたげに唇を開けようとして、ソコにキスを落とした。
「んっ!?」
 驚いた美鳥に答えることなく、何度も小鳥がついばむようなキスをする。
 最初は戸惑っていた様子の美鳥が、洋の首に手をかけてきて、積極的に受け入れようと
してくれる。
 だから、洋は一度美鳥の唇から外れて、右の頬にそっと唇を押しつけた。
「っ? ひー君?」
 不思議そうな声をかけてくる美鳥に答えずに、洋は今度は左の頬にキスをする。
 そのまま、涙の跡を伝って少しずつ頬を上がっていく。
 そして、閉じた瞼の上からキスを落とした。
 ちゅっ、とすこし触れるだけの優しいキス。
 そのまま右の瞼に移動して、今度は右の耳たぶに触れる。
「ふぁっ!? ひ、ひー君、何しとぅの?」
「キスしてる」
 美鳥の焦った声に答えながら、今度は左の耳へと移った。
「あ、でも、その、ひゃっ!? キ、キスって、口とか胸とか、ちゃうんっっ!」
 戸惑いと焦慮の混じる言葉に声を返さず、洋はそのままのど元に優しく唇を押しつけた。
 美鳥自身から立ち上る、ミルクのような甘い香りが鼻腔をくすぐって、ひくりとソレが
蠢くのを抑えられない。
 のど元から左右の首筋、鎖骨へと移動しながらキスを続けていく。
 いつの間にか首に掛かっていた美鳥の手が外れていた。
「ひー君っ、こちょばいっ、こちょばいって」
 くすぐったそうに身をよじる美鳥。
 ソレを見ながら右肩にキスをして、上腕、肘、下椀、手首と移動していく。
 そっと右手を持ち上げて、掌、手の甲、親指か小指まで順番にキスして、今度は左肩に
移った。
「ひー君っ、さっきからなにしとぅのっ?」
 口元をゆるめて、けれどどこか恥ずかしそうに美鳥が声をかけてくる。
 ゆっくりと左肩から下に移動して、指先までキスを続けてから、顔を美鳥に向ける洋。
「美鳥の全部が好きだって証拠、見せてる」
「っ! そ、そやけど、それ、めっちゃハズい」

129:『僕らのルール』
07/10/20 09:21:25 n8xtVMgz
 困ったように眉をひそめる美鳥。それが可愛くて、思わず笑みがこぼれてしまう。
「なんも、笑わんでもえぇやん」
「あ、あはは、ゴメン美鳥。でも、恥ずかしかったりくすぐったかったりするだけ?」
 聞き返した途端、紅潮していた美鳥の顔が更に赤くなる。
 だから、嬉しいとか気持ちいいとか、そんな気持ちになっていることは読みとれて。
 今度は胸を避けて、なだらかなお腹へと移動した。
「ひー、君?」
 きっと、胸に来ると思っていたのだろう。美鳥が不思議そうに問いかけてきて。
 やっぱりそれにも答えず、洋は胸のすぐ下からお腹全体を這うようにキスして、おへそ
にもキスをする。
「ひゃんっ! ひー君、そこあかんっ!」
 よほど綺麗に洗っているのだろう、匂いもほとんどなくて。
 また徐々に下に移動していく。
 ちゅっ、と淡い翳りの寸前にキスをして、今度は右の太股に移動する。
 そのまま、下へ下へと、キスをしながら降りていく洋。
 触れるたびに、美鳥がくすぐったそうに吐息を漏らす。
 それを聞けるのがうれしくて、美鳥の足下にまで移動した。
「ひ、ひー君っ! あかんて、そんな、きたないやんっ!」
 美鳥の驚きの声に答えることなく、美鳥の足の甲や裏、そして、指のつま先に至るまで
キスの雨を降らせていく。
「別に、汚くないよ? 美鳥だから、僕には汚くなんてない」
「そ、そやけど」
 嬉しそうに口元をゆるめる美鳥。
 それが嬉しくて、今度は左の太股にキスをして、下まで移動していく。
「んっ! そやけど、こんなん、ハズい」
「そんなに恥ずかしい?」
 足の指先に至るまで唇を押しつけてから、顔を上げた洋は美鳥に問いかける。
「当たり前や!」
 軽い口調の問いかけに、美鳥が怒った表情を浮かべて見詰めてくる。
 いきなり、美鳥が体を起こした。
「美鳥?」
「ひー君にも同じ事したるんや!」
 美鳥が叫ぶと同時に、こてんとベッドに押し倒された。
 戸惑うよりも先に美鳥の顔が間近にあって。
「ひー君」
「んっ!?」
 ちゅぅっと、美鳥の唇が洋のソレに吸い付いてきた。
 洋がしたようなただ触れるだけのキスではなく、まるで貪るようにこちらの唇を吸い上
げる美鳥。
 ただ唇をこすり合わせて、時々上唇や下唇を甘噛みされる。
 それだけでゾクゾクと背筋が震えるほど気持ちよくて。
 びくんっと腰が震えた。
「ちゅぅっ、んちゅっ、じゅちゅ」
「んっ!?」
 それだけでも気持ちよかったのに、美鳥の舌が唇を割って中に入ってきた。
 上顎と下顎の歯茎と歯の表側を順番に舐められて、くすぐったさにおもわず口を開ける。
 同時に美鳥の舌が入ってきた。
 口蓋をくすぐるように舐められて、歯茎の裏側にも舌が伸びてくる。
 そして、つんつんと美鳥の舌が洋の舌をつついてくる。
 気持ちよさと、気恥ずかしさに戸惑っていた洋は、慌てて舌を伸ばして美鳥のソレと絡
めた。
「っ!」「ん~~」
 美鳥の舌の動きにあわせて、必死に洋も動かしていく。
 舌と舌を絡め合う感触は快感で、ちゅくくちゅと、耳からではなく頭の中で直接響く音
に体よりも心の方が気持ちよかった。
 どれだけソレを続けていたのか、ちゅぽっと音を立てて美鳥が離れる。
 ほんの一瞬、銀の糸が走って途切れた。
「はぁはぁ……っ」
「ふぅ、ふぅ、ひー君、可愛えぇなぁ」
 美鳥が嬉しそうな笑顔を浮かべて見詰めてくる。

130:『僕らのルール』
07/10/20 09:22:05 n8xtVMgz
 洋も同じように笑顔を返して、また気恥ずかしさを感じて。
 また、美鳥の顔が近寄ってくる事に気付いた。
 そのまま、ぺろんっと右の頬を舐められた。
「美鳥?」
「ん~~、ひー君、好きぃ」
 呟いた美鳥が今度は左の頬をれろっと舐めてきて、そのまま舌が這い上がってくる。
 瞼に来るとわかって、洋は思わず目を閉じた。
 右目の上かられろんと軽く舐められて、それが気持ちよかった。
「ひー君、目、開けてぇな?」
 美鳥の声に慌てて、目を開いて。
 視界いっぱいにピンク色が広がったと思った瞬間、ぺとりとなま暖かくてすこしざらつ
いた感触が右目を覆った。
「み、美鳥!?」
 美鳥が目を直接舐めているのだと理解したのは、一瞬遅れてだった。
 ぞくぞくと全身に痺れが走る。
 肉体的な快感は殆どないけれど、心が泣きたくなるほどに気持ちよくて、股間がひくん
っと跳ね上がった。
 それが、美鳥のお腹に触れて、また気持ちよくなってくる。
 美鳥が一旦離れて、見詰めてきた。
「ひー君の目、なんかしょっぱい……、もしかして、泣いとぅ?」
「そんなわけ、ない……。ってか、いきなり、何するんや」
「ひー君、ウチにキスしてくれたやん。ウチもそうしとうだけやもん」
 その言葉を残して、今度は左目に舌を伸ばしてくる。
 左目を開いて、右目は閉じた。
 乗り出した美鳥の、大きな胸が揺れるのが見えてしまうから。
 それが少し恥ずかしいから。
 美鳥が舐めてくる感覚に身を委ねた。
 気がつけば、美鳥が離れていて。
 そのままつつっと左耳に舌を這わせてきた。
「んくっ!」
 ちゅっとキスされて、ぴくっと意識してないのに体が震える。
 そのままれろれろと美鳥の舌が動き始めた。
「美鳥……、恥ずかしいって」
 思わず声が漏れて、体を起こした美鳥が見詰め返してくる。
 その顔に詰る色を感じて、思わず小首をかしげた。
「ひー君、ウチに同じ事しとったやん、なんでウチがしたらあかんの?」
「そ、それは」
「やから、ひー君も抵抗したらあかんのや」
 その言葉に返すことが出来なくて、美鳥が右耳に舌を這わせるのを無言で受け入れる洋。
 気持ちよさにただ身もだえながら、美鳥が首の方に動いていくのを感じていた。
「んくっ!」
 美鳥の舌が這う感触に、我知らず声が出てしまう。
「ひー君、ほんまに可愛えぇなぁ。まるで、女の子みたいな声やし」
 普段だったら怒り出すその言葉に、今だけは洋も返す言葉が見つからない。
 確かに、美鳥の舌が蠢くたびに漏れる声は、女の子の喘ぎ声そのもの。
 だから言葉を返せなくて。
「っ! ふっ!」
 つっとのど元を美鳥の舌が這う。
 その心地よさに、言葉が出ない。
 その舌が、右肩に移動して、一気に下っていく。
「美鳥、待って、んくっ!」
「何で?」
 不思議そうに首をかしげた美鳥が、洋の手を取り上げた。
 そのまま、手首や甲や掌も舐め回した美鳥が、親指を口に含んだ。
「んっ!」
 ぞくりと指から腕へと気持ちよさが走る。
 ちゅくちゅぷと散々舐め回して今度は、人差し指へと移動する美鳥。
 温かくぬめる感触が気持ちよくて、股間が勝手に跳ねてしまう。
「ひー君、気持ちえぇんやね? ひー君、気持ちえぇとウチも気持ちえぇよ」
 美鳥の言葉に、洋はただこくんっと頷く。

131:『僕らのルール』
07/10/20 09:25:50 n8xtVMgz
 今度は美鳥の舌が左肩へ移動して、またゆっくりと伝い降りてきた。
「んっ、んくっ! ふっ……ふぅ」
 じんわりと全身に熱が籠もっていく。
 それは、気持ち良いと言うより心地良いと感じられて。
 今度は左手に美鳥が吸い付いてくる。
「美鳥……」
 ただ美鳥を見詰めながら呼びかける洋。
 手の指に吸い付きながら美鳥が上目遣いで見詰めてきて、普段とは違う媚びの入ったそ
の目に鼓動が早まった。
 美鳥がそのまま移動して、今度は胸の上に舌を這わせて。
 奇妙な感覚に思わず頬が熱くなった。
「ちょっ、こら!」
 美鳥が、ちろちろと乳首に舌を這わせているのだ。
 じわっとそこから熱が湧いて、全身に広がっていく。
「そ、そこはやめろっ! んっ! ふぅ」
 美鳥が楽しそうな笑みを浮かべながら乳首を舐めてきて。
「ひぅっ!!」
 かりっと、甘噛みされて自分でも思ってもいない声が飛び出した。
 美鳥がにんまりとした表情で見詰めてくる。
「ほんまに女の子みたいやね?」
「い、いい加減にせんと、本気で怒るで!」
 思わず素で叫んだ洋に、しょぼんとした表情になる美鳥。
「……うぅ、ひー君が怒ったぁ」
 その様子に、何となく苦笑が浮かんで。
 洋は右手を伸ばして、美鳥の唇をそっと撫でた。
「別に怒ってないけどさ。そこはやめてって言ってるだろ」
「あかんの? 気持ちよぅないん?」
「気持ちいいとか、そう言う事じゃなくて……」
 単にそんな所を弄られて、気持ちよくなる自分が信じられなかっただけ。
 そして、それが恥ずかしかっただけだから。
「そんなに、イヤなん?」
 上目遣いで見詰めてくる美鳥に、洋はこくんと頷く。
 それで納得してくれたのだろう。
 それ以上は何も言わずに美鳥が徐々に舌を下ろしはじめた。
 洋のへそのあたりで止まった美鳥が、ソコを舌でほじる。
 ほんの一瞬、美鳥が微妙な表情を浮かべて、そのまま下へと移動していく。
「あ、美鳥!」
 右の太股を伝い降りた美鳥が、足の指に舌を這わせようとするのを慌てて制止する。
 一瞬、美鳥が訝るように動きを止めた。
「そこ、汚いっ!」
「ひー君もしてくれたやん」
 それだけを呟いた美鳥が、れろっと親指を舐めてきた。
 ゾクゾクと全身が総毛立っていく。
 ちゅるぴちゃと卑猥な音が響き、そのたびに心が驚きの声を上げるほどの心地よさを感
じていた。
 今度は、左の足に移って指をしゃぶる美鳥が、不意に動きを止めて顔を上げる。
「ひー君、気持ちえぇ?」
 その言葉に、ただ頷くことしか出来ない洋。
 同時に洋のソコがぴくんっと震えた。
「ふわ……、結構よう動くんやね?」
 美鳥が目を好奇心で光らせて、じっと洋のソレを凝視してくる。
 つっと、足首から太股を伝うようにはい上がってくる美鳥の舌が、下腹部を軽く舐めて
きた。
 何となく、美鳥のしようとしていることが理解できて、だから、洋は何も言わずにされ
るがままに身を任せる。
 恥ずかしげな表情の美鳥が、堅くそそり立つ洋のソレに顔を近づけてきて。
 そのまま、さっきみたいに先端に優しくキスしてきた。
「っ!」
 それだけの事が気持ちよくて、ぴくんっと腰が震えた。
 美鳥が嬉しそうな笑みを浮かべて見上げてくる。

132:『僕らのルール』
07/10/20 09:26:31 n8xtVMgz
「ひー君、可愛え~なぁ」
 そう呟いた美鳥が、伸ばした手で洋のソレを、きゅっと握りしめた。
「んくっ!」
 しゅにしゅにと美鳥の指が上下に動くたびに、気持ちよさが全身に走っていく。
 ちゅっと先端にキスされるたびに、思わず身悶える程の快感を覚えてしまう。
 だけど、美鳥の刺激はほんの少しだけ、洋の望みより弱くて。
 熱はいくらでも高まっていくのに、体が達することが出来ない。
「ひー君……好き」
 ポツリと呟いた美鳥が、れろんと先端を舐め上げた。
 びくりと、自分でも思っていた以上に強く体が震えて、先走りがにじみ出した。
「これ、変な味やね? でも、なんか凄くHな味や」
「うん……、そう、だね」
 目を潤ませながら見詰めてくる美鳥。
 それが洋の気持ちを昂ぶらせて、その先を求めてしまう。
 それでも、その思いを口に出せない洋に、美鳥がにこりと笑いかけてきて。
「あ~~む」
「っ! みと、りっ」
 一気に洋のソレを口にくわえた。
 美鳥の口の中は温かくて、なのにぬるりとした感触で、びくんっと肩が勝手に震えてし
まう。
「ん~~、ひぃふん……ひもひひい?」
 媚びを含んだ瞳で見上げられる。
 入ったままで喋るせいで、振動が余計に気持ちよさを加速させる。
 だから、頷きながら洋は美鳥を見詰め返した。
「僕ばっかりじゃ、いやだ」
「ん?」
 まだ洋のモノを銜えたままの美鳥が、目だけで問いかけてくる。
「僕も、僕も美鳥を、気持ちよくしたい」
 だから、素直に言葉を返して、美鳥をじっと見詰めた。
 こちらの言葉の意味を理解したのだろう、美鳥が一度口を離して。
 膝立ちになって洋の頭の側にまで来た。
 そのままの体勢で、美鳥が洋の顔を跨いだ。
「……やっぱ、ハズいやね」
 その恥ずかしげな声に答えることも出来ずに、洋は目の前に晒された美鳥の秘処を見詰
めてしまう。
 まだ殆ど一本の線に近い形は、美鳥の体型とは裏腹に幼さを残していて。
 思わずごくりと唾を飲んだ。
 美鳥が体を倒して、洋のモノをまた口に含んできた。
 それを感覚だけで理解して、洋は両手をそっと伸ばす。
「んっ!」
 ぷにゅっとした感触を指先に感じるのと、美鳥が声を上げるのは殆ど同時で、きゅにっ
と竿を握られて、ぞくりと背筋が粟立った。
「美鳥」
 呼びかけながら、その部分を割り開く。
 開いた形はアワビのそれに似ていて、色は鮮烈なまでのサーモンピンク。
 秘豆をくるむ莢と尿道、少し盛り上がってぴくぴくと震え、時折愛蜜を零す入り口を目
にして、どくんっと心臓が今まで一番強く震えた。
 それは、見方によってはグロテスクに見えるもので、
「美鳥、綺麗だ」
 けれど、洋にはとても綺麗に思えた。
「ぷはっ! そんなん、嘘や」
 いきなり洋のソレから口を離した美鳥が拗ねたような声を向けてくる。
 それが不思議で、だけど、今はソレに答える余裕はなくて。
「嘘じゃないよ。どこがどうって上手く言えないけど、でもやっぱり美鳥のココ、綺麗だ
と思う」
 洋から見て下の方、肉莢に包まれたクリトリスのあたりに舌を乗せて、大きく幅を広げ
た舌でれろんと一気に舐め上げた。
 チーズに似た匂いと温くなったスポーツドリンクのような味を感じて、それが昂奮を高
めていく。
「んくっ! ひー君そんないきな、ひゃうっ!」

133:『僕らのルール』
07/10/20 09:27:16 n8xtVMgz
 美鳥が驚きで声を上げるのにも構わず、ただ何度も舌を上下させる。
 甘い涕泣を漏らしていた美鳥が、不意に押し黙ると同時。
 先端が温もりに包まれた。
「っ!」
 美鳥がまた口の中に含んでくれた。そう思っただけで達しそうになって、手を握りしめ
て必死でソレを押さえる洋。
 まだ、イキたくない。美鳥を気持ちよくしたい。
 その思いの方が勝っていた。
 だから、激しく舌を動かしながら両手を伸ばして美鳥のお尻をなで回す。
「ん~~ひー君……それやらしい」
 僅かに咎める声に答えるように、美鳥のお尻をぎゅっと掴んだ。
 適度な柔らかさと掌を押し返すような弾力が、ただただ気持ちよかった。
「ひー君が、その気やったら……」
 美鳥がどこかイタズラっぽい声音で呟いて、次の瞬間、モノの左右から温かく柔らかい
感触が圧迫してくる。
 肉体的には極端に気持ちいいというわけではないけれど、安心感を幾数倍にもしたよう
な不思議な感触に背筋が僅かに震えた。
「美鳥……、何してるの?」
「ウチのおっぱいでひー君のおちんちん挟んでるんやけど?」
 あっけらかんとした物言いに、少しだけ頭が痛くなる。
 美鳥も女の子なんだからもう少し慎みを持って、とそんな言葉が口を衝いて出そうにな
った。
 けれど、こんな事をしている最中にそんなことを言っても意味がない。
「一体、どこでこんな事覚えたんだよ」
「ん~~、冬子と澄香がおっぱいでおちんちん挟むんは男の夢やって言ぅてたんよ。ウチ
やったら楽にソレ出来てえぇなぁって話ししとってん」
 その言葉に、洋は思わず自分の両のこめかみを左右の親指でぎゅっと押さえた。
 美鳥達三人組の一人、妹背冬子の事を思い出して、しかめっ面を浮かべる。
 ボブショートで男性的、かつ姉御肌で男子のエロ話に平然と加わる冬子の事だ。
 きっと、フェラチオとかさっきの乳首へのイタズラも教えたのだろう。
 思わず溜息を吐きそうになって、
「……それとも、ひー君これイヤなん? ウチのやと気持ちよくないん?」
 けれど、聞こえてきた声に思わず苦笑した。
 ぷっくりと大きく膨らんで莢から飛び出したクリトリスに、いきなりキスする。
「ふぁぁっっ!! ひ、ひー君っっ!?」
 美鳥が腰を引きながら振り返ってきて。
 目尻に涙を浮かべて驚いている美鳥に、いつも通りの笑顔を向ける。
「美鳥、気持ち良いよ。美鳥がしてくれて、その、嬉しいよ。だから続けて欲しいな」
 すこし顔を赤らめながら笑いかける洋に、美鳥が嬉しそうな笑顔を浮かべる。
「うん、うん! ウチ頑張るな!」
 何度も頷いた美鳥がぎゅむっとまた洋のソレを左右から圧迫してきた。
 同時に、先端に美鳥が舌を這わせてきて、気持ちよさを抑えてお尻を鷲掴みにする。
 ぴくっと美鳥の体が震えて、とぷんっと美鳥のソコから愛蜜が零れた。
 ソレを舐めとりながら、美鳥の中へ舌を突き込んだ。
 ぎゅっと締め付けられる感触と、熱い内部のぬめる感覚に、ココに自身を埋めたときの
快楽を想像してしまう。
 けれど、今は美鳥を気持ちよくさせたかった。
 右手はお尻を掴んだまま、左手を下に伸ばして、美鳥の堅くしこったクリトリスを優し
くなでさする。
 そうやって、美鳥を攻めていないと、股間からはい上がってくる快感に負けそうになっ
ていた。
「ん、ひーふん、ひーふん」
 口にくわえたまま美鳥が甘い声を上げて、そのたびに震えた感触が伝わってくる。
 ぞくぞくと気持ちよさがはい上がってきて。
 ソレを抑えるように美鳥のお尻を揉みながら、美鳥の膣内(なか)を思い切り舌でかき
回す。
 美鳥の秘豆をくりくりといじり倒す。
 そのたびに美鳥の腰が前後に動いて、もっと気持ちよくしてと必死で告げてきた。
 だから必死で美鳥を気持ちよくさせ続けて、腰から来る痺れを紛らせ続けた。
「ひーふん、ほうひふの? ひふひふひへふ」

134:『僕らのルール』
07/10/20 09:28:02 n8xtVMgz
 美鳥の声に、ちゅぷぺちゃという粘着音に、振動する感触に、イキそうになっていて。
 それでも洋は必死我慢していた。
 締め付けが強くなっているから、もうすぐ美鳥もイクのだと理解できたから。
「ひーふん」
「うぁっっ!?」
 美鳥の声に、僅かに笑いが含まれたような気がした瞬間。
 思わず美鳥の股間から、口を離して叫んでいた。
「美鳥! なに、そこやめ! こら!」
 美鳥がいつの間にか濡らした人差し指を、洋のアナルに突き込んでいたのだ。
 腰裏から得体の知れない快楽(けらく)がはい上がってきて、洋の頭はパニックに陥っ
てしまう。
「男の子、ここ気持ちえぇんやろ? ひー君に気持ちよぅなって欲しいもん。んっ」
 美鳥がアナルをほじるたびに趨る快感に、限界が見えて。
 洋は美鳥のクリトリスに吸い付いた。
 唇で何度も甘噛みしながら、右手の中指を膣内に突き込み、仕返しするように美鳥のア
ナルに左手の中指を突き込んだ。
「んぶっ!? ん~~! っっ!!」
 美鳥の指の動きに合わせて、洋も美鳥の中をかき回していく。
 中がぴくぴくと痙攣して、美鳥も達しそうになっている。
 けれど、ソレは洋も同じで。
 最後に美鳥がじゅるっと洋のモノを吸い上げるのと同時に、洋は両手の中指を根本まで
突き込みながら、クリトリスにこりっと歯を立てた。
「っっっっ!!」
「~~~~!!」
 美鳥の中が強く締め付けてくる感触を指で味わいながら。
 どくんっと美鳥の口中に思い切り精を放った。
 オナニーの時よりも長く続く射精に、ゾクゾクと腰が痺れる。
 美鳥も全身を痙攣させながら、余韻を味わっているのが理解できた。
 ちゅぽんと音を立てて美鳥の中から指を引き抜く。
 美鳥も洋の後ろから指を抜いた。
「っは! はぁ……、はぁはぁ」
「ん~~~~、んくっ……んくっんくっ」
 息を整える洋と同時に、美鳥が嚥下する音が響いて。
「……ぁ、そんなの、飲まなくていいのに」
 どこか惚けた頭でそれでもそう声をかける。
 美鳥が、ゆっくりと振り返ってきた。
「ひー君の出したもんやもん、吐き出すなんて、勿体ないこと出来へんもん」
 体を起こして、前後を入れ替えた美鳥が、ぽすんっと洋の隣に寝そべった。
「けど、不味いだろ? 美鳥にそんなことさせたくないよ」
 そう言いながら、美鳥の唇にキスを落とす。
 ただ重ねるだけではなく、深い口づけを。
 口の中に生臭い匂いが入ってきて、美鳥がそんなものを飲み込んでくれたことへの愛し
さが膨れあがってくる。
 ちゅぷちゅくと言うイヤラシい音と奇妙な生臭さとが広がって。
「…………ふぅ」
「はぁ……、ひー君こそ、これでキスするなんて、イヤなんちゃうん?」
 美鳥がじっと見詰めてくる。
「……そんなことないよ」
 美鳥の目を見詰め返しながら、笑いかける洋。
 何となく和んだ空気が流れて、けれど、まだ少し物足りなくて。
「美鳥」
「ひー君」
 ぽすんっと美鳥が寝そべって、洋が上に乗る。
「それじゃ、続けるよ」
「うん」
 互いに笑顔を交わし合って、互いに頷いた。

135:暗愚丸
07/10/20 09:34:27 n8xtVMgz
ってことで、今回はここまでです。
このままのペースだとエロシーンだけで60Kいきそうだったんで寸止め状態になってしまいました。
えと、色々御免なさい。
てか、エロだけでどんだけ書いてんだろ……orz
何はともあれ、次回も今回並かそれ以上に甘ラブなエロ目指して頑張ります。
今回もお付き合い下さった皆様、有り難うございました。

136:暗愚丸
07/10/20 10:06:15 n8xtVMgz
前回レス下さった皆様、ありがとうございました。
いつも励みになっています。
それでは、また一ヶ月後くらいにお会いできればいいなと思ってます。
それでは失礼

137:名無しさん@ピンキー
07/10/20 21:34:30 ZYc71dod
おお、新作きてる、GJGJ!!

しかし、こんなところで一月待つのか……。
いや、焦らされプレイは得意ですよ?

138:名無しさん@ピンキー
07/10/23 18:50:21 OxliLFj2
>>134
GJ!!!!

139:名無しさん@ピンキー
07/10/29 07:46:01 3p/K05kp
ほしゅ

140:名無しさん@ピンキー
07/11/01 13:13:07 XH5KhT1g
オレ、このスレのタイトルだけ見てずっと誤解してたんだけど…

立派な塀に囲まれた広い庭に、春の日差しが降り注いでいる。
開け放しの障子から流れ込む暖かな風を愛でながら、この広い京でも5本の指に入る豪商、
加賀屋宗右衛門は、向かいに座る愛娘、凛の、母親譲りの楚々とした美貌に目を細める。

「ところで、凛。お前、最近かなり顔の色ツヤが良くなってきたなあ」
「そうですか。自分では気がつきませんが…」
確かに、凛は子供の頃からどちらかというと体が弱く、いつもどことなく青白い顔をしていた。
だが、最近彼女の容色や立ち振る舞いは富みに生き生きとしてきており、今もわずかに頬が
桃色に染まってさえいた。
「この間拾ってきたあのおもちゃで、大分気が紛れている様じゃないか」
「お、お父様!おもちゃだなんて、彼が聞いたら何て…ンッ!」
突然、凛が細い体をビクリとさせて姿勢を乱し、畳に片手をついてしまう。
見ると、その顔は赤く火照り、息もわずかだが荒くなっているようだ。
「ど、どうしたんだい凛!どこか具合でも…」
「な、なんでもありません…少し、部屋で休みます」
一礼をしてすっと立ち上がり、早足で部屋を去る彼女の表情は切なげで、顔色はさらに赤みを
増していた。その様子はまるで…。宗右衛門は、我知らずゴクリとツバを飲み込んでいた。

自室に逃げ込むように戻った凛は、そのまま畳に突っ伏してしまう。
そして、思わず口をついて出る悲鳴のような喘ぎを座布団で必死で抑えながら、腰をビクリ、
ビクリと痙攣させている。やがて彼女はブルッと体を大きく震わせたかと思うと、最後には
畳に倒れ伏せるようにして、グッタリと動かなくなってしまった。
程なく、凛の乱れ切った裾から、真っ裸の、手の平に乗ってしまうほど小さな男性が這い出し
てきた。その全身は、凛のはしたない汁でヌメヌメと妖しく光っていた。
凛がその男を甘く睨み、濡れたような声で彼に恨み言を言う。
「もう、一寸法師さまのイジワル…凛は、凛は、大変恥ずかしゅうございました…」
「ハハハ、すいません。私も全然人間が出来てなかったってことですね。反省しています」
実は、先ほどの部屋で、凛は股間に彼を潜ませ、密かな戯れを楽しんでいたのだが、突然
宗右衛門が部屋に入って為、あわてて居住まいを正す羽目になったという訳であった。
だが、宗右衛門の心無い一言にカチンと来てしまった一寸法師が、その腰から下を、既に
かなり潤んでいた彼女の秘裂にズブリと捻じ込み、その柔肉をかき回す様に体を激しく捻った。
さらに、その小さくも逞しい両手で、凛の敏感な肉豆を剥き上げ、ガブリと噛み付くに至っては、
彼女も喘ぎを必死で抑えながら、必死で父親の前から逃げ出すしか無かったろう。

凛は、手に乗せた法師の体のヌルツキを、桜の花びらのような舌で優しく舐め取りながら話す。
「…それにしても、この間は惜しかったですね。私たちの行った、その隣の神社でしたものね」
最近彼女たちは、気晴らしと称して神社を巡っていた。だがその真の目的は、市内を警備する
武士をあっさり蹴散らし、堂々と狼藉を働いている鬼を退治し、その鬼の持つ、何でも望むを
振り出すと言われる秘宝、打出の小槌を手に入れることであった。
警護隊を舐めきっているらしく、鬼の活動周期、場所は概ね決まっており、先だっても、二人
の予想はかなり惜しいところまでいっていたのだ。

「…しかし凛さま。もうこれ以上あなたを危ない場所に近づけるわけには…」
「法師さま」
凛が、優しく微笑みながら彼の言葉をさえぎる。
「それは言わない約束です。二人の道は二人で切り開く。凛の気持ちは変わりません」
「凛さま…」
法師は、彼女への愛しさで胸が一杯になる。そして、大願成就を改めて心に誓うのであった。

後日、二人は見事鬼に邂逅し、法師は死闘の末これを討伐する。
凛が「背ぇ出ろ背ぇ出ろ」と振る小槌の力でみるみる一寸法師は大丈夫となる。だが、喜びの
余り凛の手がすべり、すっぽ抜けた小槌が法師の股間を直撃して悶絶させてしまうという一幕
もあった。
ところが、その一撃のせいで法師の一物は体の他の部分に比べワンサイズ逞しいものとなり、
それが、それからのほぼ毎夜、凛に息も絶え絶えの喘ぎ声を絞り出させ、家人の眠りを大いに
妨げる事になるのだから、人生何が幸いするか分からないものである。

…って事かと思ってたよorz。

141:名無しさん@ピンキー
07/11/01 13:18:59 XH5KhT1g
あげてもたスマン

142:名無しさん@ピンキー
07/11/01 17:47:15 QCvYw9lk
>>141
お前天才。

143:名無しさん@ピンキー
07/11/01 21:20:47 p8buStwP
GJ

144:名無しさん@ピンキー
07/11/04 13:00:39 7kuh07dC
ハーレムスレで良いのが来てたってことで報告


145:名無しさん@ピンキー
07/11/04 21:23:59 uePx0s/l
>>144
うわ、いいの紹介してくれたなぁ、サンクス。
続きが楽しみだ。

実は自分が考えてたネタともろかぶりだったんだけど…

146:名無しさん@ピンキー
07/11/13 00:59:34 Wf1QB5Xt
保守

147:名無しさん@ピンキー
07/11/17 05:01:27 2hR/qiAe
あげ

148:名無しさん@ピンキー
07/11/20 07:54:19 v/pMv+/w
保守

149:名無しさん@ピンキー
07/11/23 09:58:04 5NzG1E8p
保守しておく。

150:名無しさん@ピンキー
07/11/25 16:22:52 nuX/Tauh
保守

151:名無しさん@ピンキー
07/11/27 08:08:11 NCvAjcjN
保守

152:名無しさん@ピンキー
07/11/28 01:34:08 G2gya/9Q
圧縮回避保守

153:名無しさん@ピンキー
07/12/19 01:37:10 pk28QGNz
暗愚丸氏の降臨を待ちつつ保守

154:名無しさん@ピンキー
07/12/26 14:34:32 IU1fvYFZ


155:名無しさん@ピンキー
07/12/26 17:21:51 LE4/sZ2U
緊急保守

156:名無しさん@ピンキー
07/12/26 22:58:14 IU1fvYFZ
緊急保守age

157:名無しさん@ピンキー
07/12/27 07:59:07 3Uuyslqc
南海キャンディーズの女の方は確か180㎝あるんだっけ……
日本人女性は長身があまり好まれないし、活躍の場が限られているからつい内気になってしまうのかな。
俺のおかんは174㎝もあって、高校までいじめられていたそうな。
俺はそんな遺伝子を継いでいるのか184㎝あって自衛隊に勧誘されるくらいだった。
ある古着屋のお姉さんが好きになって、それまで全然もてないのにがんばって店に通ってたら、遂にメアドを教えてくれた。
浮かれた俺は友達にそのことを言うと「それじゃあ俺もその人を見てみよう」って友達も一緒に店に行くことになった。
そしたら、そのとき友達が「なんだよあのデカ女!」って驚いたんでふと見ると、その人、175㎝くらいあったんな。
もしかしたら、さえない俺にメアド教えてくれたのって、自分より背の低い男があんまりいないからだったのかもなあ、

……なんて今になって思いました。



158:名無しさん@ピンキー
07/12/27 08:09:47 3Uuyslqc
そういえば映画の「エイリアン」で有名なシガニー・ウィーバーも180㎝か……
若い頃のシガニーはスタイル良くて好きだったなぁ。

今カーチャンと同身長の芸能人でもいないものかと探してたら、
漫画の「ラブひな」の青山素子と同一だった……
若い頃の写真も黒髪ポニーで面長と、どこか似ていてびっくり。
素子と一緒で男たるもの強くあるべし、な性格だったしね。
だからって自衛隊は勘弁なカーチャン!

159:名無しさん@ピンキー
08/01/05 04:24:41 xZeNYbzd
>>157
で、その古着屋のお姉さんとは上手くイってるか?

160:名無しさん@ピンキー
08/01/05 05:43:08 INX77DrQ
>>159
あー、自分が転勤することになってそれきりです……

今でもあの店はあるんだろうな。
古着屋さんの日常みたいなのを知ることもできて楽しかったなぁ。

161:名無しさん@ピンキー
08/01/11 14:08:09 Yw059DdE
>>160
どんな手段を使ってもすぐに連絡をとるべきだ。
見え透いた嘘でも構わないから、「こっちに来る用事があった」とか適当に口実作って直接会いに行け。
長身な女性はほとんどが背が高いことにコンプレックスを抱いているんだ。
そしてそのコンプレックスを和らげる為に自分より背の高い男性を求める。
お前はそのお姉さんの唯一の支えになれたはずなのに、それを裏切ってお姉さんを独りにしてしまったんだよ。
早く連絡とれ。無理矢理仕事休んででも会いに行け。
そのお姉さんを支えてやれ。

162:名無しさん@ピンキー
08/01/15 01:58:38 j9S8Zcsr
神の再臨を信じて保守


全裸で

163:160
08/01/15 17:13:11 YSZIfoKb
>>161
久しぶりに来てみたらレスが……
ありがとうございます。
たぶん161氏が言う通りなのだと思います。
でも、もう五年も前の話なのですよ……

その人が当時25歳でしたから、今はもう三十路ですし、結婚されているかもしれません。
性格的には非常に明るい人でしたし、心配はないでしょう。
それに、距離的には東北と九州くらい距離が離れていますし。

ですが今度五年ぶりに旅行がてら顔を出してみようかなと思いました。

164:暗愚丸
08/01/19 09:19:06 Rla6gWYD
えー、非常に長らくぶりですが、続きを投下します。


165:『僕らのルール』
08/01/19 09:22:40 Rla6gWYD
「美鳥、足開いて」
 上半身を重ねる体勢で呟いたこちらの言葉に、美鳥の肩が小さく震えて。
 ゆっくりと足の間を広げていく。
 何とか割り込める隙間が出来ると同時に、洋はその間に体を入れた。
「ひー君、ウチ、うちぃ……」
 顔を赤くしながらじっと見詰めてくる美鳥。
 そんな表情を浮かべる美鳥を見れるのは自分だけ。
 そう思うと洋の心に叫びたくなるほどの気持ちよさが生まれてくる。
「美鳥、可愛い」
「ひー君の、意地悪……」
 ぷいっと目をそらす美鳥の仕草に、苦笑しながら前に腰を進めて。
 美鳥の両足を更に大きく開かせた。
 ぴくっと肩を震わせて、それでも抵抗を見せない美鳥。
 愛おしい、そんな言葉で片づけるには大きすぎる愛しさが心を占める。
「美鳥」
 ただ呼びかけて、美鳥の秘処に自身の先端が触れる。
 ぞくっと、想像以上の気持ちよさが、一気に腰から背筋を伝って脳裏に上がってくる。
「んっ、ひー君、当たっとぅ」
 美鳥が潤んだ瞳をこちらに向けて、恥ずかしげに微笑んでくれた。
 その表情に堪えきれなくて、更に腰を前に出そうとした洋は、不意にそのことに気付い
た。
 慌てて美鳥から離れる。
「ひー君、どない、したん?」
 とろんとした表情で見詰めてくる美鳥に、洋は頭をかきながら顔をしかめる。
「ゴメン、美鳥」
「だから、どないしたん?」
 美鳥が訝る表情を浮かべて見詰めてきて。
 洋は小さな溜息を吐いた。
「ゴメン、ゴム持ってきてないんだ。すぐ持ってくる」
 正直、ここまで盛り上がった所でこんなミスをする自分が情け無くなりながら、洋は美
鳥から離れようとした。
「ひー君、なんでゴムなんか持っとぅの?」
 だけど、美鳥の少し怒ったような声に、動きを止めてしまう。
 じっと美鳥がこちらを睨んでいた。
「えと、前に建昭に押しつけられたんだ。捨てるわけにも行かないからしょうがなく持っ
てたんだけど」
「ふ~ん、ま、べつにえぇけど」
 どこか不機嫌そうな表情のママ、美鳥が不意に腰に足を絡めてきた。
「美鳥?」
 こちらの問いかけに、顔を赤くしたまま美鳥がふわりとした笑みを浮かべた。
 そのまま両腕を伸ばして、洋の体を抱きしめてきて。
 抵抗できないまま洋は美鳥の乳房に顔を埋める体勢になる。
「わっ……、美鳥?」
 その柔らかで温かな感触に意識が飲まれそうになる。
 けれど、今はそう言うわけにも行かなくて、美鳥の抱擁から自由になって、洋は何とか
顔を上げた。
 すぐ側にある美鳥の濡れたような瞳が、やけに心に残る。
「その、やね。生で中出しして、えぇよ。男の夢なんやろ?」
「バカ、そんなこと出来るわけないだろ」
 羞じらいながら笑う美鳥の言葉に、間髪入れず答えを返して洋はじっと美鳥を見詰め返
した。
 一瞬だけ、美鳥がなにか言いたげに口を開こうとして。
 それを止めるために言葉を吐き出す。
「僕は美鳥のこと好きだ。大切に思ってる」
 赤い顔のまま、こくんと頷く美鳥に照れくささを覚えて、それでも洋は後を繋いでいく。
「だから、生でなんてできない。男の方は出すだけだけどさ、女の子はそれを受けてはぐ
くんでいかなきゃならないだろ。僕らはまだ学生なんだから、そんなことになったら、美
鳥の人生が、めちゃくちゃになっちゃうんだから」
「そやけど……」

166:『僕らのルール』
08/01/19 09:23:55 Rla6gWYD
「それに、さ。もし、子供が出来てもきちんとした生活が出来ない僕らじゃ、きちんと子
供を育てられないだろ。そんなことになったら子供も辛いじゃないか」
 その言葉に、洋は自分のことを含めたりしない。
 否、もしそうなれば自分はどうなってもいいと、洋は思っていた。
 美鳥と子供のことを守るためなら、どんなことでもするつもりだった。
 それでも、美鳥が辛い目に遭うはずで、そんな目に遭わせたくなんかなかったから。
「ひー君」
 ぎゅっと、また抱きしめられた。
「ひー君が、ウチ気遣ってくれるん、めっちゃ嬉しい。けど、やね? ウチもひー君のこ
とちゃんと考えとぅよ? それに、ほんまにアブナいんやったら、ウチが持っとぅゴム出
すで?」
「美鳥も、なんでゴムなんか?」
「冬子に貰(もろ)たんよ。ひー君とヤる時はもっとけ言ぅて。それでやね、今日は絶対
大丈夫な日なんよ」
 自信満々と言った様子の美鳥に、小首を傾げながら視線を向ける。
 訝るようなこちらの視線に、美鳥がむーっと頬を膨らませた。
「ウチ、毎日基礎体温計って排卵周期調べとぅもん。そやから絶対大丈夫やねん。そりゃ、
けっこう抜けとぅみたいに見えるかも知れんけど、ちゃんと調べとぅもん」
 それでも絶対はないと分かっていたけど。
 美鳥の真摯な表情にそれ以上耐えることが出来なくて。
「ひー君、ウチの言ぅこと信じてくれへんの? ウチ、そんなに信用出来へん?」
「……分かったよ」
 涙目で見詰めてくる美鳥に苦笑を返して、洋は少し背伸びしながら唇を触れ合わせた。
 美鳥がぱちくりと瞬きする。
「ん、美鳥の言うこと信じるよ」
 もし、なにかあっても責任は全て自分が取るから。
 その想いを表に出さず、洋はまた腰を前に進める。
「ひー君……」
 嬉しそうな笑顔を浮かべる美鳥の濡れそぼったそこに、自身の先端をもう一度触れさせ
る。
 ぴくんっと肩を震えさせた美鳥が、少しだけ不安そうにけれどどこか嬉しそうにこちら
を見詰めてきた。
「んっ……くっ……ふぅ」
 腰を進めるたび、美鳥が息を詰めて少しだけ辛そうな表情を浮かべる。
 なのに、先端が温かくぬめった感触に包まれていくのは、ゾクゾクするほど気持ちよく
て。
 それが心苦しいけれど、だけどどうしようもないことだけは分かっていた。
「美鳥」
「んくっ……ひー君?」
 先端が埋まったところで、洋は動きを止めた。
 辛さを堪えるように眉をひそめていた美鳥が、不思議そうに洋を見詰めてくる。
「ひーくん?」
「美鳥……、一気に行くよ」
 美鳥の目をじっと見返しながら、ただ声を届ける。
 ゆっくりやっても一気にやっても、美鳥が辛いことは分かっているから。
 出来るだけ辛さを感じさせたくないから、一気に最後まで進めるつもりだった。
 美鳥がぎゅっとしがみついてきて、目を閉じる。
 そのまま、何も言わずに頷いてくれたから、洋も美鳥の体をぎゅっと抱きしめて。
 顔が美鳥の棟の谷間に埋まるのが、少し気恥ずかしいけれど、もう止めることなんて出
来なかった。
 美鳥の鼓動が、伝わってくる。
「ひー君……、好き」
 美鳥の呟きを聞いた瞬間、洋は思いきり腰を前に突き出した。


 美鳥が一瞬だけ身を強張らせて、けれどそのことに洋は気付けなかった。
 美鳥の中に包み込まれる感触があまりにも気持ちよすぎたから。
「ひー君?」
 美鳥が不思議そうな声をかけてきて、慌てて顔を上げた。

167:『僕らのルール』
08/01/19 09:25:52 Rla6gWYD
 苦痛を堪える美鳥を見るのは心苦しいけれど、それはしょうがないことだと思っていた。
 だから、目に映った表情が理解できなかった。
「ひー君、入っとぅ。ウチのお腹の奥に、ひー君の先っぽ当たっとぅのに」
 少し頬を紅潮させて、けれど痛みや辛さの感じられない不思議そうな表情を浮かべてい
る美鳥。
 その言葉どおり、洋のものは美鳥の奥に届いていた。
 そして、付け根もぴったりと美鳥のそこと触れ合っている。
「なんで、やろ」
 すこしづつ、美鳥の表情が焦りへと変わっていく。
 その理由が理解できないまま、股間からはい上がってくる感触に洋は息を呑む。
 美鳥のソコは洋のモノを余す処無く包み込んでいて、中のひだが幾重にからみついてく
る感覚も、入り口と半ばあたりに感じる締め付けとともに気持ちよさを与えてくれた。
「ウチ、全然、痛ない」
 そこまで呟いた美鳥の顔から、血の気が引くのが見えた。
 いきなりこちらを抱きしめていた腕の力を強めてきた。
「美鳥?」
「ウチ、ホンマにハジメテなんよ! 絶対ひー君の他に誰にもさわらせてないんよ! ハ
ジメテやのに、ホンマにひー君以外の誰にもさわらせてないのに! なんで痛ないん!?
 ハジメテやのに、ホンマはじめてやのに! ひー君信じて、ウチ、ウチ!」
 こちらの問いかけに、焦った声音と表情でマシンガンのように喋りまくる美鳥。
 その理由がなんなのか分かっているから、洋は無言で美鳥の背中に回していた両腕をほ
どいた。
 美鳥がそのことでなにか言うよりも早く、伸ばした右手を美鳥の後頭部に添えてくっと
引き寄せる。
 そのまま、少し顔を上げて美鳥と唇を重ねた。
 そのまま、唇の間を割って舌を差し込む。
 美鳥の口の中はどこか甘くて、少しざらついた舌を絡め合えるのが嬉しくて、ただ無心
に美鳥の口の中をかき回した。
 最初は戸惑っていた美鳥だけど、徐々にその体から力が抜けていく。
 美鳥がパニックから抜けたことに、ほっと胸をなで下ろす洋。
 だから、唇を離して美鳥をじっと見詰めた。
「美鳥」
 出来るだけ優しい声で美鳥に話しかける。
 とろんとした瞳でこちらを見詰めてくる美鳥。
 その少し落ち着きを取り戻した表情に、もう一度ほっとする。
「大丈夫だよ、美鳥。僕は美鳥のこと信じてるから。そんなに心配しなくても、大丈夫だ
よ」
 囁きながら、唇に触れるだけのキスをしてすぐに離す。
 ほろりと涙をこぼして、けれど美鳥が嬉しそうに笑った。
「ひー君」
「それに、さ。僕は正直、ほっとしたんだ」
 こちらの言葉に、不思議そうに首を傾げる美鳥。
 その仕草が可愛らしくて、思わず口元に笑みを浮かべたまま、洋は口を開く。
「美鳥に、辛い思いをさせなくて済んだから」
「……でも、女の子には、大事な事なんよ? そりゃ、痛ないって言うんはえぇことかも
知れへんけど」
 どことなく不満げな美鳥にもう一度笑いかける。
「でも、やっぱり美鳥が辛くないって言うのは、僕は嬉しいんだよ」
「ん~、ひー君がそない言ぅてくれるんは嬉しいんやけど……」
 まだ納得いかない様子の美鳥に、もう一度キスする。
 それだけで笑ってくれる美鳥が愛おしくて、そう思っただけで体が震えた。
「美鳥」
 だから、少し切羽詰まった声で呼びかける。
 ん? と首を傾げる美鳥を見詰めて、はぁっと胸に溜まった熱を吐き出した。
「動いて、いい?」
 本当はもう我慢できなかった。
 美鳥が痛がっていないから、何も考えず動かしたかった。
 美鳥の中を思う存分貫きたかった。

168:『僕らのルール』
08/01/19 09:27:11 Rla6gWYD
 けど、だからと言って美鳥のことを考えずに動かすことだけはしたくなくて。
「うん、ひー君の好きなように動いてえぇよ」
 にこりと笑ってくれた美鳥に、こくんと頷いた。


 くっと腰を引いて、雁首のあたりまで引き抜く。
 ぴくりと美鳥の肩が動いて、唇を噛みしめる美鳥の蠱惑的な表情に鼓動が激しくなる。
 我を忘れてしまいそうな美鳥の姿に、歯を食いしばって堪える洋。
 そのまま、今度はゆっくりと最奥まで突き込んでいく。
「ふぁっ!」
 同時に美鳥の口から漏れた声の甘さに、どくんっと心臓が震えた。
 けれど、恥ずかしげに口元に添えた指で声を抑えようとする仕草に、すこしだけ悲しく
なる。
 もっと美鳥の甘い声を聞きたい。
 自分の動きで、美鳥の声を紡ぎたい。
 そんな想いに駆られたから。
「ひ、ひー君っ!? ひゃんっ!」
 美鳥の柔らかな胸にそっと唇を押しつけた。
「ちょっ! ひー君、いきなり何するん!?」
 美鳥の問に答えず、何度も左右の胸にキスの雨を降らせていく。
 そのまま、両手を美鳥の胸に乗せた。
「あっ! ひー君!? きゃんっ!」
 つきたての餅よりも柔らかで、なのに、マシュマロのような張りのある美鳥の胸の感触。
 掌が幸せの固まりを掴んで自由にしている、そんな感慨を覚えるほどに、美鳥の胸の感
触は心地よかった。
「あんっっ! ふあっっ、あああっ!」
 ぎゅっと力を入れるたびに、美鳥の体が震えて甘い啼き声が上がる。
 それが気持ちよくて、ゆっくりと腰を動かす。
 ただ愚直に前後させるだけの、出来るだけ美鳥が辛くないような動き。
 それでも、雁首の裏側にさえ触れるほど、ぴったりと吸い付いてくる美鳥の膣内は気持
ちよくて。
 すぐに終わったりしないよう、ベビーピンクの先端にちゅっとキスした。
「ひくっっ! ひゃんっ! それダメ、ダメやっ! ひー君!」
 怯えるような声音で叫びながら、けれども美鳥が伸ばしてきた手は、洋の頭を自身の胸
に押さえ付ける形だった。
 それはもっとして欲しいという美鳥の思いの現れ。
 だから、あむっと甘噛みしながら、舌で先端をくすぐる。
「ひぁぁっっっ! あふっ! ひんっっ! あ、ふぁぁっっ!」
 美鳥の涕泣が響き、全身にゾクゾクと痺れが走る。
 ふにゅふわな美鳥の乳房を揉みしだき、その先端をかわるがわる愛撫する。
「美鳥、気持ちいい?」
 一度美鳥の胸から顔を上げて問いかける。
 途端に美鳥が頬を赤らめた。
 その顔が答えだと分かったから、ゆっくりと腰を動かし続ける。
「やんっっ……んんっ…………くぁっ! ひんっっ! やっ、やぁ、ひー君、ひー君」
 甘い声を上げて見詰めてくる美鳥に、鼓動がドンドン早まっていく。
 ぎゅっと、今までよりも強く胸を揉んだ瞬間、美鳥のソコがまるで噛み付いたかのよう
に強く締め付けてきた。
「ふぁぁっっ!」
 思わず唇を噛みしめて堪える洋の耳に、何処までも甘い泣き声が届く。
 顔を僅かに上げてみれば、目を見開いて開けた口から舌を突き出している美鳥の顔が見
えた。
 美鳥が感じている。
 それが実感できただけで言葉も出せないほどの、幸福感を覚えて。
「美鳥……、ゴメン、我慢できない」
 もっと美鳥の中をかき回したい。
 そんなことを思ってしまった。
 美鳥がとろんとした目でこちらを見詰めてくる。
 口元からヨダレを零しながら、それでも嬉しげな笑みを浮かべてくれたから。

169:『僕らのルール』
08/01/19 09:28:08 Rla6gWYD
「美鳥っ!」
「ん、ふぁぁああっっっ!」
 思い切り美鳥の奥にまで突き込んでいた。
 先端が最奥に当たる感覚が、一気に背筋を駆け上がって脳天に突き刺さってくる。
 堪えられないほどの気持ちよさに、腰が勝手に動き始めた。
「ふにゃっ! ひー君、強、いっ! つよ、す、ひゃふっっ、ひぁぁぁぁっっっ!」
 ぎゅっと美鳥がしがみついてくる。
 美鳥の両足が腰にからみついてくる。
 美鳥が必死で自分を求めているのだと思えて。
 洋は声も出せないほどの想いに、総身を任せた。
「ひー君っひゃふっっ、あんっっあぁぁっ! ふやっはっ、あくぅっ、あんっあああああ
んっっ! ふみゃっっっ!!」
 甘過ぎる美鳥の声。
 美鳥の最奥をとんっとノックする。
「ひにゅっ!?」
 そのままのの字を描くように腰を揺する。
「んにゃっっ!?」
 腰を揺らしたまま雁首まで一気に引き抜く。
「ひぁぁぁっっっ!!」
 また一息に美鳥の最奥を貫く。
「ひぎっっ!? ひー君っ! ひー君っっ!」
 そのたびに上げる美鳥が啼泣を放って、それが洋の心を何処までも高ぶらせて。
 美鳥の胸に顔を埋めたまま、伸ばした手で美鳥の頭を優しくなで続ける。
「ひんっっ! ひゃふっっ! あひっ! ひぁあっっ! あぅっっ!」
 美鳥もこちらの背中に回していた手をずらして、洋の後頭部添えてきた。
 ぎゅっと胸元に押しつけられて、息苦しさを覚える。
 けれど、それよりも美鳥のナカが与えてくる感覚の方が、強く洋の心を捕らえていた。
 洋が突き込む度、引き抜く度、腰を揺らす度に、美鳥のナカは締め付けをドンドンきつ
くしてきて。
 あと数回腰を動かすだけで、洋も限界に達する。
「あふっっ……んくっ! ひー君! ウチ、ウチもっ! 白なる、アタマ真っ白になって
まうっっ!」
 そう思うのと全く同時に放たれた美鳥の言葉に、心が震えた。
 美鳥の高まりが、自分と全く同じ感覚で訪れるのだと。
 自分が達するときには美鳥も達するのだと、洋には訳もなく理解できた。
「美鳥、美鳥っ!」
 だから必死で呼びかける。
 ゾクリと、足の爪先から頭の天辺まで快感で埋め尽くされて。
 それは今自分の下で甘い声を上げている美鳥も同じ筈で。
「ひー君っ、ひー君っっ!!」
 美鳥のナカがそれまでで最高の締め付けを見せた。
 同時に思い切り深く突き込んで、恥骨の部分で美鳥の秘豆を圧迫して。
「んにゃぁぁあああああああああああっっっっっっっっっっっ!!」
「んっっ、くぅっっっ」
 びゅるっっと美鳥のナカに精を吐き出した。
 びゅるんっ、びゅくんっ、と、普段の一人遊びではあり得ないほどの速さと強さと量を、
美鳥の胎に吐き出していく。
 そのたびに、びくりびくりと、美鳥の体が大きく震えて。
「あふっっ……んくぅ……お腹……ようけでてるぅ……」
 美鳥が甘い吐息と共に言葉を漏らす。
「んっ」
 どくっと、最後にたまった液体を吐き出し終える。
 ふぅと吐息を漏らして、そのまま美鳥に体を預けた。
「……ひぃくぅん、好きぃ」
 蕩けた美鳥の言葉に顔を上げて、少し体を起こす。
 美鳥も心得たように少し体を起こして、そのまま背中をまげてくれて。
『ん……』
 唇を重ねた。

170:『僕らのルール』
08/01/19 09:29:27 Rla6gWYD
 ……それから、更にもう三度も求め合った事を思い出した洋は、自分のベッドに横にな
りながら、小さく溜息をついた。
「ん、どないしたん、ひー君?」
 傍らから何処までも嬉しそうな声を上げる美鳥。
 その朗らかな笑顔に、自分自身の浅ましさに対する情け無さなどあっけなく消え去って、
洋は苦笑を浮かべた。
「いや、そのゴメン。ハジメテなのに何度もしちゃって」
「別にえーよ、そんなん。……ひー君が優しぅしてくれたから、ウチきっとハジメテでも
痛なかったんやもん。それにハジメテでイク? やったっけ、アタマ真っ白になれたんや
もん」
 そう言ってとろんとした目つきを浮かべる美鳥。
 その表情だけでまた股間が熱くなった。
 けれど、既に風呂で汗を流してさっぱりしたのに、また求めるのも美鳥が大変だと思っ
たから。
 洋は気付かれないように笑顔を浮かべた。
「そうなんだ」
「ん、頭真っ白になって、全身ぽわ~ってなって、けど、ひー君がウチのナカおってくれ
るんも、ウチのお腹に熱いの注いでくれるんも全部伝わって…………って、あかん、メッ
チャはずい」
 頬を赤らめて顔を逸らす美鳥。
 もう、幾度目になるか分からないほどの想いが胸の奥にわき上がって、洋は美鳥の顔を
引き寄せてそっと触れるだけの口づけを交わした。
「僕も恥ずかしいけどさ、美鳥が気持ちよくなってくれて嬉しい」
「ん……」
 まるで猫のように目を細めて、美鳥が嬉しそうに笑う。
 それが嬉しくて、また触れるだけのキスを何度も続けた。
「ひー君……大好き」
「……僕も、だよ」
 ぎゅっと美鳥の体を抱きしめる。
 その柔らかな胸や体の感触が、無防備に自分に預けられている。
 それは言葉で言い表せないほどの幸福感を伝えて来て。
 いまはただその温もりに身を任せたまま、眠りに落ちたかった。
「ひー君……だっこして、寝るんは……、気持ちええね」
「うん……、美鳥、は、最高の、抱き枕だね」
「ひーくんも、やで」
 美鳥の声から力が抜けていく。
 美鳥ももう眠りそうなんだと、同じように眠気に身を任せながら洋はそんなことを思っ
て。
「おやすみ……ひーくん……」
「おやすみ、みーちゃん……」
 辛うじて言葉を放ち、洋はそのまま温かな眠りに身を任せた。

171:暗愚丸
08/01/19 09:31:41 Rla6gWYD
ってことで、エロパートは終わりました。
一応、あと一回だけ続きます。
前回レスくださった方々、ありがとうございました。
……出来るだけ早く投下できると良いなぁ。

172:名無しさん@ピンキー
08/01/19 22:09:50 vOAkZSiY
>>171
GJ!

膜って運動してると無くなったりするんだっけ?

173:名無しさん@ピンキー
08/01/20 02:51:29 L+z04pJO
GJGJ!
やっぱりこのシリーズ大好き。

174:名無しさん@ピンキー
08/01/22 23:32:00 pUKI/ZJF
>>171
GJ!!
もっともっと!!

175:名無しさん@ピンキー
08/01/24 20:35:15 eZwX6wBF
>>160の続きと同じぐらい、>>170の続きが気になるGJ

176:名無しさん@ピンキー
08/02/12 01:59:03 +OvFFC75
ほっしゅほっしゅ





裸エプロンで

177:名無しさん@ピンキー
08/02/12 09:24:59 Izse94dY
「ねえ、 なにか言ってよ」
「……なにかって、なに言えってんだよ?」
「キミが読んでた本に載ってたから、わざわざこんな格好したんだよ」
「あー、だから裸エプロンなんかしてんのかよ。寒くないかそれ?」
「む~何でそんな反応するんだよ! こう言うときはさ、可愛いとかムラムラ来るとか、襲っちゃうとかするんじゃないの!」
「昨夜もしたばっかりだろ。あんだけ甘ったるく啼きまくってたクセに、まだ足らないのかよ」
「あ、そう、そんなこと言うんだ? そう言うキミだってカワイイ顔であえいでたじゃない」
「……んだよ」
「何よ」
「ったく、しょうがない奴。ほら、こっち来いよ」
「んっ……、ふふっ。やっぱりキミとのキスって面白いよね」
「……ふんっ、悪かったな。背伸びしなきゃいけなくて」
「やんっ、そんなこと良いながら胸揉んじゃやだってば。ふふふっ、でもやっぱりなんだかんだ言ってヤサシーよね、キミ」
「誰が?」
「だって、ふぁっ! きゃんっ! いきなり、下、さわるの、卑怯っ!」
「んくっ! そ、そう言うお前も、ズボン、脱がすなっ!」
「やだ、ボクばっかりなんて、ずっこいよ。それにキミの事大好きなんだもん。キミにも気持ちよくなって欲しいよ」
「そ、そりゃ、俺だって、お前のこと、好きだけど、恥ずかしいだろ!」
「んくっ……星や月が雲に隠れてるときも、太陽が大地を照らすときも、命がつきるまでずっと、側にいてくれるなんて言葉の方が、ハズカシイと思うよ」
「快晴の青空より、紺碧の大海より、新緑の樹林より、広く愛してるなんて、言葉の方がハズカシイだろが」
「んふふっ、そう言いながらちゃんと覚えてくれるんだ?」
「……手前ぇもいつまでも恥ずかしい言葉おぼえてるんじゃねぇっ!」
「やんっ! ちょっ! いきなりそんな後ろまでなんてっ!?」
「こ、こらっっ! そう言う手前ぇこそ! 後ろに指はわすな! 俺はノーマルだっつってるだろ!」
「やだっ、キミが悪いんだから、ひゃんっ!」
「くっ! 手前ぇが悪いんだろうが!」
「だったら、早く入れてよぉ、切ないよぉ、お腹の奥に欲しいよぉ」
「あーもうっ! そんなそそる表情するんじゃねえ! すぐ入れてやるよっっ!」
「あははは、アリガトっっっ、ふぁぁぁっっっっ!」


……裸エプロン保守小ネタを投下してみた

178:名無しさん@ピンキー
08/02/13 13:23:28 QqsE4lhd
これは?携帯だけだけど
URLリンク(courseagain.com)

179:名無しさん@ピンキー
08/02/13 16:26:20 MHxzkWr7
>>177
抱き締めても良いですね?(確認)

180:名無しさん@ピンキー
08/02/20 09:06:40 +AreoOyb
保守

181:名無しさん@ピンキー
08/02/22 03:41:28 qnCOnLMZ
【社会】 川口女性殺人 長時間の悲鳴…アパート住民4人が聞くも、誰も通報せず…埼玉
スレリンク(newsplus板)

                  ∩
                  ( ⌒)         ∩_ _ グッジョブーン!!
                 /,. ノ         i .,,E)
             / /"        //
  _n  グッジョブーン!! / /       / /
 ( l          / / ^ω^)/ /      グッジョブーン!!
  \ \ (^ω^ )(       / ( ^ω^)      n
   ヽ___ ̄ ̄ ノ二ヽ      |  ̄     二二二二( E)
     /    /    \    ヽ フ    /
     |   /     |    / |    /
     ( ヽノ     ( ヽノ  ( ヽノ
      ノ>ノ      ノ>ノ   ノ>ノ
  三  レレ   三  レレ三  レレ

女が困っても、放っておこうよ
スレリンク(gender板)推進委員会
賛同してくださる方は各所にコピペして下さい。

182:名無しさん@ピンキー
08/03/01 23:57:36 1jTbxZk8
ほしゅ

183:暗愚丸
08/03/09 01:05:14 flIC4HwS
お久しぶりです。
やっと、エピローグというか、最終話できましたので投下します。
とりあえず、大団円と言うことで。
では、『僕らのルール』にしばらくおつきあいください。

184:『僕らのルール』
08/03/09 01:05:50 flIC4HwS
 美鳥と心を交わし合ってから半月。
 今日は古関高校の学園祭だった。
 椅子に腰をかける洋の耳に、その喧噪が微かに届いてくる。
「てか、ココまで聞こえてくるくらいだから、相当盛り上がってるんだろうね」
「くくっ……ま、まあそう言う、っ、ことだね。くくくっ」
 こちらの呟きに、釆が答えを返してくる。
 なぜか神父のような格好をして、顔を背けて腹を押さえる釆。
 ふるふると震える肩が、笑いを堪えているのだと如実に伝えてきて、洋は拳をぎゅっと
握りしめた。
「釆、言いたいことがあるなら、はっきり言ったら?」
 じろりと睨み付けるが、等の釆はあさっての方向を向いたまま、こちらに注意を払おう
とはしない。
 確かに、釆の態度には一理あると理性では分かっていても、怒りを抑えられるほど洋は
人間が出来てない。
「い、いや、なんでもない。なんでもないさ」
 流石にこちらの様子に気付いたのだろう、釆が何とかまともに答えを返してくる。
 それでも、苛立ちを覚えるのは当然のこと。
 体育館の舞台袖、ベニヤ板で囲まれた即席の控え室の中、洋は深い溜息を吐いて見せた。
 さっきまで自分が来ていた制服は壁の衣紋掛けに掛けられていて、少し離れたところに
ある姿見から慌てて目を逸らす洋。
「大体、なんで僕なんだよ」
 文句を言いながら、びしっとドアの方を指さす。
 わら半紙には、古関高校学園祭伝統行事・模擬結婚式、新郎控え室と大書されていた。


 歴史だけは呆れるほど古い古関高校には、端から見れば呆れるような伝統行事がいくつ
も存在するが、学園祭・模擬結婚式はその最たる物だ。
 校内で最も仲がよいカップルを捕まえて、祝福―という名の元、晒して揶揄する、意
地の悪い行事だ。
「ベストカップルだったら、なんで若村会長と篠原副会長じゃないんだよ」
 去年同時に転校してきた若村雄一と篠原真雪のカップルは古関高校では知らぬ者がいな
い程で、今年入ってきたばかりの洋達ですらなま暖かい視線を向ける程だった。
 何故かと言えば、篠原真雪が女子なのに学生服を身につけていることと、にもかかわら
ず若村雄一にべったりくっついて甘えているからだ。
「会長、副会長は、去年挙げられてたんだよ」
 ……やっと、笑いの発作が収まったのだろう、釆がまともな言葉遣いで口を開く。
 それでも、顔を背けたままなのには、洋も苛立ちを覚えたが。
「去年って、若村会長と篠原副会長って、去年転校してきたばかりじゃなかったっけ?」
「ああ、去年の夏休み前だったからね。それに、君達をメインに据えようって言うのは、
風紀委員長からの提案だったらしいしね」
 風紀委員と言う言葉に、思い当たる節があった。
 洋は怒りを覚えながら、一人の顔を脳裏に浮かべる。
「ほい、失礼するぞ、洋どの」
 急ごしらえのドアを開けて、建昭が入ってきて。
 こちらを見た瞬間、ぴたりと動きを止めた。
「ぶっっ! どわっはっははっはっははははははははははははははは!!」
「……建昭」
 いきなり腹を抱えて笑い出す建昭に、こめかみがぴくりと動く。
 元凶の爆笑に、怒りを抑えることなど出来るわけがなかった。
 すっと間合いを詰めて。
「ににに似合ってるぞ、洋っ、あはははははははははははあう゛ぁっっっっ!?」
 問答無用で建昭の腹に正拳をたたき込んだ。
 腹を押さえてうずくまる建昭を、思い切り不機嫌な表情で睨み付ける洋。
 笑っていて腹筋を固めることも出来ない状態で、本気の一撃を放ったのだ。
 一般人なら吐き散らかすか、昏倒していてもおかしくない。
「い、いきなり殴ることは、なかでんわさ」
 だというのに、平然とした様子で立ち上がってくる建昭を見上げて、もう一度拳を握り
しめて、洋はじろりと睨み上げた。
「生憎、僕は聖人君子でもなんでもないからね。笑い者にした相手に笑われて我慢できる
ほど心は広くなんてないし」

185:『僕らのルール』
08/03/09 01:06:58 flIC4HwS
「い、いや、まぁ、冗談だっぺよ。まさかほんに洋殿が選ばれるたぁ、お釈迦様でもわか
るめえう゛ぇっっっ!!」
 ニヤニヤと笑いながら口を開いた建昭の腹に、右の膝蹴りをたたき込んだ。
 建昭ががくりと崩れて、膝立ちになる。
 瞬間、今度は左のミドルキックで側頭部を蹴り飛ばした。
「ごはっっ!」
 口から悲鳴を漏らしつつ、それでも殆ど体勢を崩さない建昭に、溜息を漏らす。
 流石に少々顔色を変えて建昭が膝立ちのまま見上げてきて。
 洋は口元に笑みを形作った。
「まだ、足りないみたいだけど、そんなに殴られたい?」
「い、いや、まてってばよ。てか、服破けたらどうするとね。替えはなかでんよ」
 建昭の呟きに、嫌々自分の服装に目をやる洋。
 純白のロングタキシード、しかも襟の縁や袖口に金糸や銀糸で刺繍された、目にも綾な
その服装に苛立ちを隠せない。
 古関高校服飾研究部員達の手になるその新郎衣装は、皮肉なまでに洋の体にぴったりフ
ィットしていて、動きを全く阻害しない。
「別に何ともないけど」
 呟きながらもう一度拳を固める洋。
 途端に、冷や汗を浮かべた建昭が、慌てて立ち上がり一気に後ずさった。
「あ、いや、まてまて。こっちが悪かった。すまん」
 慌てて頭を下げてくる建昭に、溜息を吐いてみせる。
 建昭が普通の言葉で喋るのは本気でそう思ってるからだと、分かっているから。
 渋々手を開いた。
「で、何の用?」
「あー、そろそろ、時間じゃけん、呼びに来たんじゃっど」
「まったく、どうしてそれを告げるだけでこれだけ時間が掛かるんだい? そんなことだ
から使い走りにしかされないんだよ」
 建昭の言葉になぜか釆が横から口を挟んでそのまま立ち上がる。
 ……その衣装から予想はしていたけれど、やはりというか、そのまま部屋の外に向かう
釆の背中をにらんだ。
「ったくもう、釆も建昭もそんなに僕からかって楽しいのかな」
 深いため息を吐きながら、洋も釆の後に続く。
 とりあえず、舞台袖に移動しなければいけないことだけはわかっていたから。
「いやまあ、洋殿は人気者じゃけえ、しょわなかでんわさ」
「うるさい」
 脇を通り過ぎようとした洋は、余計な言葉を口にした建昭の脇腹に拳をたたき込んだ。




 ざわざわと、舞台袖からも体育館内の様子が伝わってくる。
「……そんなに、おもしろい見せ物なんだろうか、これ」
 ぼそりとつぶやいて、洋は何度目になるかわからないため息を吐いた。
 正直、いい加減にしてほしいと本気で思う。
『あーあー、ただいまマイクのテスト中』
 いきなり聞こえてきた大音量に、がくりと肩を落とす洋。
 よりにもよってその声が、美鳥達仲良し三人組の一人・妹埜冬子のものだったからだ。
「そんなに、笑いものにしたいのかな」
 いくら放送部員だからといって、一年がやるべきことではないだろと思う洋の脳裏に、
にかっと少年のような笑みを浮かべた冬子の姿が浮かんだ。
『それでは、第四十回、古関高校学園祭模擬結婚式を開催します。皆さん、静粛にお願い
します』
 するすると、舞台の仕切りがあがっていくのを見ながら、もう一度ため息を吐く。
『まずは新郎の入場です。大きな拍手でお迎えください』
 冬子の声に促されて舞台上にあがった瞬間、黄色い悲鳴と盛大な拍手と楽しげなヤジが
一斉に飛んできた。
 さすがに絶句しながら、ちらりと館内に視線を向けて凍り付く洋。
 入学式の時の様に配置された椅子にはびっしりと観客が座り、左右に空いた空間などに
もびっしりと立ち見で人が入っているのだ。
 生徒会がこれで相当もうけただろうなと、思いながら向けた視線の先。

186:『僕らのルール』
08/03/09 01:07:59 flIC4HwS
 一際背の高い男子の肩に、小柄な女子が乗っているのが見えた。
 それが夕紀達だと言うことに気づいて、胸の奥にちくりと痛みが走った。
 けれど、同時に少しだけ温かな気持ちを覚える。
 二人が言い合ってる様子は、どこか子猫のじゃれ合いに似たものを感じたから。
 夕紀達にも良い未来があるかも、とそんなことを想って。
 静かに舞台の中央に設えられた祭壇に向かって歩いていく。
 無遠慮な視線に晒されるのは不愉快だったけれど、今更逃げだせるはずもない。
「お疲れ様」
 祭壇につくなりかけられた、笑いを含んだ声にいらだちを隠せず、そちらに視線を向け
て、ぎろりとにらみつけた。
「釆……、そんなにおもしろい?」
 いらだちを込めた問いかけに、一見祝福しているように朗らかな、けれどかなり腹黒い
笑みをこちらに見せてきた。
「それはもう、非常にね。……くくっ、怒るとせっかく着飾った意味がなくなると思うが
ね」
「後で覚えてろ」
 そんな捨て台詞を吐くしかできない自分が情けなくて。
『新婦の入場です。大きな拍手でお迎えください』
 背後でくすくす笑っている声が乗る体育館内に響く放送に、洋はあわてて視線を前に、
美鳥が出てくる方に向けた。


 ゆっくりと舞台に上がってくる美鳥。
 その姿に、洋は言葉を失った。
 まだ薄暗がりの中にいる美鳥は、肩どころか胸元の谷間が見えるほどに大胆なカットの
施された純白のドレスをまとっていた。
 人によっては貧相に見えかねないその衣装が、美鳥にはどこまでも似合っていて。
 いつもの愛らしい顔立ちにうっすらと施された化粧は、まるで別人のように思えるほど
綺麗すぎて胸がうるさいほどに高鳴ってくる。
 いつもは後ろに流してる髪をまとめてアップにしてることも、また別人のような印象を
与えてくるのに、美鳥であることに変わりないことだけはわかっていて、愛おしさがこみ
上げてくる。
 美鳥が一歩前に踏み出すのが見えて、はっと我に返る。
 さっきまで騒がしかったはずなのに、気づけばしわぶき一つ聞こえないほど静まりかえ
っていたから。
 きっと、あまりに綺麗な美鳥を、みんなが注視してるからだと思えた。
 その美鳥と一緒にいられることが嬉しい。
 嬉しいはずなのに、胸の奥にちくりとトゲが刺さった。
 あまりにも小さくてわかりづらい違和感。
 それがなんなのか考えている間にも歩いてきた美鳥が、洋の前でぴたりと立ち止まった。
 そのまましげしげとこちらを眺めてくる。
「……ひー君、かっこえぇよ」
 そして、紡がれた言葉に、じんっと心があつくなった。
 美鳥が本気でそう思ってくれていることが、たった一言で伝わってきたから。
「美鳥も……綺麗だ」
 同じように本気の思いを乗せて言葉を返す。
 けれど、なぜか胸の奥に刺さっているトゲが気になった。
「あー、二人とも私語は慎むように」
 いきなり釆に注意されて、あわてて洋は美鳥と同時に祭壇に体を向けた。
 背後でくすくすと失笑が漏れるのが聞こえてくる。
「あー、ごほん。……では、新婦、青間美鳥殿」
「はい」
 釆が先に美鳥に声をかけたことに、内心で思わず苦笑した。
 釆のことだから、美鳥のうれしがる反応を楽しみながら、こちらの困った様子をも愉し
もうとしていることが理解できたから。
「貴方は、古関高校生としての規範を超えることなく、、清く正しく慎ましやかに新郎滝
沢洋殿と男女交際を続けることを誓いますか?」
 その言葉を釆が口にした瞬間、さっき感じた痛みの理由が洋に理解できた。
「はい、誓います」
 普段とは違う落ち着いた声音で、返事をする美鳥。

187:『僕らのルール』
08/03/09 01:08:49 flIC4HwS
 その嬉しげな微笑みを見たからこそ、洋の気持ちは決まった。
 静まりかえった館内。
 釆がこちらに視線を向けてくる。
「では、新郎滝沢洋殿」
「はい」
 おもしろがるような表情の釆を無表情のまま見返す。
 言いたいことは山ほどあるけれど、今はそんなことより大事なことがあった。
「貴方は、古関高校生としての規範を超えることなく、、清く正しく慎ましやかに新婦青
間美鳥殿と男女交際を続けることを誓いますか?」
 その釆の問いかけに、
 躊躇することなく、
 洋は首を横に振った。


 隣に立つ美鳥が呆けた表情で見つめてくることがつらくて、その勘違いをただすために
も、洋は何もかも無視してただ美鳥の方に向き直る。
「美鳥」
「ひー君?」
 不思議そうに、こちらを見下ろしてくる美鳥。
 好きな相手を見上げなければいけない辛さも、相手の背に対する妬心も、もうどうでも
よくなっていた。
「僕は、僕は美鳥のことが好きだ。誰よりも大事にしたいって思ってる」
 唐突な言葉に、美鳥が不思議そうにうなずいてくれる。
 だから、呼吸を整えて言葉の続きを洋は口にする。
「美鳥と人生を重ねたいって思ってる。ずっと生涯そばにいたいって願ってる。だから、
こんな遊びみたいな形でその気持ちをごまかすなんてしたくない」
「ひー……君?」
 やっと、こちらの言いたいことが伝わったのだと、美鳥の表情を見ればわかった。
 恥ずかしげにほおを赤らめながら、けれど嬉しげに口元をゆるめている美鳥。
 その目元にはしずくが盛り上がっていて。
「僕は美鳥と結婚したいって思ってる。今はまだ早いけど、いつかはちゃんと美鳥のこと
を支えていきたいって思ってるんだ。だから」
「も、もう、ええよ」
 美鳥の声が嗚咽に震えていた。
「ウチ、ウチ幸せやから。ひー君がそう思てくれてるだけで幸せやから」
「美鳥」
 胸が熱くなる。
 大好きな少女が、自分の言葉に応えてくれた。
 それが何よりも嬉しかった。
 幼かった頃からの約束を忘れることもなくて、けれど、一度離れたことで素直になれな
くて。
 もう少しで壊れそうになったけれど、それでも想いを重ねることができた。
 二度と、その気持ちを忘れたくないから。
 その気持ちをけがされたくないから。
 こんな、ただの遊びみたいな形を取ることだけはできなかった。
「ひー君、好き。大好き、ウチ、ウチぃ……」
 感極まった表情で美鳥が涙をこぼす。
 それがうれし涙だとわかっていても、やっぱり美鳥には泣いてほしくなくて。
「美鳥……愛してる」
 ただ美鳥の目を見つめて言葉を紡いだ。
 瞬間。
「あー、二人の世界に入っているところ、悪いんだけどね」
 不意に脇から声をかけられて、洋は美鳥とともにそちらに体を向ける。
 釆がにやにやと笑っていた。
 同時に、すさまじいどよめきに体育館が揺れた。
 最も大きいのは黄色い悲鳴だ。
 こんなイベントを好んで見に来るのは女子が多いから、当然といえば当然のこと。
 重なって鳴り響くのは万雷の拍手。
 それは、一瞬耳を押さえそうになったほどの大きさだったから。
『あ゛』

188:『僕らのルール』
08/03/09 01:12:14 flIC4HwS
 自分達が衆人環視の中にいたことを、今になって洋はやっと思い出した。
 あまりの恥ずかしさに、この場から走って逃げ出したくなる。
「ふふっ、こんな大観衆の中で、しかも高校生でプロポーズなんてしたのは君たちくらい
だろうね」
 そのあまりにも楽しげな様子に、怒りと照れくささを覚えて。
 何かを言い出すよりも早く、釆が声を上げた。
「では、もう一度!」
『皆さん、静粛に、静粛に』
 釆の叫びと冬子のアナウンスが重なって、館内が静まりかえった。
 しんと、耳鳴りさえしそうなほどの静寂の中。
 釆がしっかりとこちらに視線を向けてきた。
 その表情は真剣そのもので。
「新婦、青間美鳥殿。健やかな刻も、病める刻も、喜びの刻も、悲しみの刻も、富める刻
も、貧しき刻も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命のかぎり、
堅く節操を守ることを誓いますか?」
「はい、誓います」
 美鳥が嗚咽を漏らしながらそれでもはっきりと言葉を放つ。
 そのことが嬉しくて、とくんっと胸の奥が弾む。
「新郎、滝沢洋殿。健やかな刻も、病める刻も、喜びの刻も、悲しみの刻も、富める刻も、
貧しき刻も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命のかぎり、堅く
節操を守ることを誓いますか?」
「誓います」
 万感の思いを込めて、うなずく洋。
 自分の思いは絶対に変わらない。
 きっと美鳥を幸せにして、ずっと最後まで美鳥とともにいる。
 今はまだ形だけだとしても、この式はその想いを美鳥に告げるのはきっと最高の機会だ
ったから。
「では、誓いのキスを」
 釆の声を聞き流しながら、洋は美鳥と向き合う。
 美鳥が涙で顔をくしゃくしゃにしながら、それでも笑っていた。
 もう、言葉はいらない。
 美鳥のことを誰よりも愛している。
 その想いを形にするためにするべきことは決まっていた。
「ひー君」
 美鳥が少しだけ腰をかがめてくる。
「美鳥」
 そっと背伸びをしながら美鳥を見つめる。
 その光景が、普通とは男女の位置が逆だとわかっていた。
 けれど、そんな周りからの見た目なんかは、どうでも良いこと。
 これまでの約束と、これからの未来と、今ここにある願いを重ねるために。


 洋と美鳥は、唇を重ねた。

189:暗愚丸
08/03/09 01:15:47 flIC4HwS
ってことで、なんだかんだで終わりました。
最後までつきあってくれた皆様に深い感謝を。

次回は、洋&美鳥の甘ラブHなだけのやまなしおちなしいみなしな短編か、
完全な新キャラによる話か、まだ決まっていませんが、またお会いできたら良いなと思ってます。
それでは、ありがとうございました。

190:名無しさん@ピンキー
08/03/09 12:22:07 V6FCMjj1
GJ!! 超GJ!!

次回作は前者をお願いします。

191:名無しさん@ピンキー
08/03/13 21:56:26 YQ7fbQYE
すばらしいっ! 
長い間お疲れ様でした。素敵な作品ありがとう。

新作ももちろん読みたいのですが、この二人の出てくる作品はまだまだ
読ませてほしいですね。

192:名無しさん@ピンキー
08/03/20 01:09:41 sXCqN7pD
いつもは威圧感しか湧かない見下ろすような目つき
ある日階段で呼び止められ、振り向くと階下にいるせいで上目遣いなった彼女にどきっとなる

いつもは小動物のように保護欲を駆り立てる小さな体
ある日倒れてしまい、目が覚めると保健室まで運んでくれたという彼の強さにきゅっと胸を締め付けられる

そんな保守

193:名無しさん@ピンキー
08/04/02 00:45:49 wVl/dyRK
age



194:名無しさん@ピンキー
08/04/24 11:40:50 8WtsF7HS
保守

195:名無しさん@ピンキー
08/04/24 20:09:16 2vO86Is0
r

196:名無しさん@ピンキー
08/05/01 11:21:57 dVtmsilH
p

197:名無しさん@ピンキー
08/05/05 13:11:40 4uclmJYl
g

198:名無しさん@ピンキー
08/05/05 22:05:26 ShkmzoW6
age

199:名無しさん@ピンキー
08/05/12 21:43:42 wjCdW1gL
保守

200:名無しさん@ピンキー
08/05/22 02:52:22 wi61V2wH
保守

201:ネタ投下
08/05/24 07:27:25 1mqPcQOP
<最近始まった長身ヒロイン漫画>
・ビジネスジャンプ誌『ソレイユ』
・ヤングアニマル誌『アルフー少年』

202:名無しさん@ピンキー
08/05/24 11:19:51 UX+24oOQ
何つかさ、長身ヒロインて萌えるんだよな
のみの夫婦がこんなに萌えるのは何故なんだろう
自分より大きい相手を支配(言い方悪くてスマソ)する征服感かな
大きくてちょっと怖い女の子が自分にデレるのがツボなのはツンデレに通じるものは有るけど

203:名無しさん@ピンキー
08/05/26 10:28:10 24YKEjcn
>>202
背が高くて大人びて見える、凛としてカッコ良く見えるのに、
実際は子供っぽい部分や甘えん坊な部分があったり、気が弱くて繊細だったり、そういうギャップじゃないか?
バンブレの町戸の西ちゃんとかがそんな感じだし
背が高い女性は背が高いことにコンプレックスを感じてることが多いし、そういうのもあるかもしれない

204:名無しさん@ピンキー
08/05/31 04:01:06 8iYFYMZN
        ,.- '´  ̄ ̄ `  - 、
        r'   _,. -―-- .、  ヽ
       l r '´        `ヽ  l
       l'.......-―.:::::: ̄ ̄:::::::::::‐.`L.._
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    ヽ:::::lヽ.、     ̄ノ :.'`-'ヽ`ir' )::::::::::;r'
     ` ヽニ:.      ,.   ::.`   'i:.r'::;;-'´
        l::.   ,,..--`-:く   /'-' ´
        イ :.  "'''''''"';;;;:ミ .!
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     ホッシュ [Sred Hossu]
     (1875~1934 イギリス)


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