かわいそうな女の子のエロ小説at EROPARO
かわいそうな女の子のエロ小説 - 暇つぶし2ch138:名無しさん@ピンキー
07/05/29 01:17:10 hFIQzSWV
このスレには
「可哀想だけど自業自得だから犯されても仕方ない」女より
「何も悪い事してないのに理不尽にも犯されて可哀想」な女の方が向いてるかな。

欲求不満の主婦が出会い系で知り合った男の子カラダの関係を持つんだけど
それをネタに男の子にたかられて(「ダンナさんにばらす」とか言われて)
家計を男の子の遊ぶ金に搾り取られ、誰に相談することもできないまま
夫と子供を残して訳も話さず離婚。そのまま男の子達の肉奴隷に・・・
って感じの話は前者に当たるかな・・・あ、可哀想なのはあの豚主婦の家族の方か

139:名無しさん@ピンキー
07/05/29 16:41:23 vWePzSnr
>>138
主婦だとスレタイから離れるしな。
その子供がとばっちりを受けて男の子達の毒牙にかかるとか・・・(´・ω・)カワイソス

140:名無しさん@ピンキー
07/05/29 17:04:08 ttHcWPds
女は16歳で結婚できるんだぜ?

141:名無しさん@ピンキー
07/05/31 16:16:03 ob9+MkC0
レイプだけじゃなくて、物乞いをしているような女の子が救われるような話はダメなのかな・・・。

142:名無しさん@ピンキー
07/05/31 20:10:57 YsBG7KM4
救われたらかわいそうじゃなくなるじゃん

143:名無しさん@ピンキー
07/06/01 11:04:29 ATFomK13
超かわいそう

猟奇警察--------- 都内のマックで男がろう城。ガラス張りの店内から人質の女性は全裸にされ・・
URLリンク(ana.vis.ne.jp)

ママのけじめ------事故で奇跡的に一命をとりとめた兄。喜ぶ母・姉・妹。しかし兄の部屋からは下着が・・
URLリンク(ana.vis.ne.jp)

ハケンの性癖--------派遣されてきた美人の彼女は女子トイレや更衣室にカメラを仕掛けていた...
URLリンク(ana.vis.ne.jp)

それを見ないで-----知人の美人が電車内で突然しゃがみこんパンツをさげ大量の便を・・
URLリンク(ana.vis.ne.jp)

パンツ盗んですいません----俺はついに現行犯で捕まった。それもパンツの持ち主本人に・・
URLリンク(ana.vis.ne.jp)


乳食鬼-----女子高生32人を乗せたバスが忽然と消えた。ある日、被害者の全家族にDVDが送付されてきた・・ 
URLリンク(ana.vis.ne.jp)


144:名無しさん@ピンキー
07/06/06 23:32:21 UxnzsLtg


145:名無しさん@ピンキー
07/06/07 10:51:45 GK2PzkCT


146:名無しさん@ピンキー
07/06/07 11:07:45 mBF6Q9YR


147:名無しさん@ピンキー
07/06/07 21:48:24 UmtdlgDY


148:名無しさん@ピンキー
07/06/07 22:04:42 h8LKgIbp


149:名無しさん@ピンキー
07/06/09 23:34:11 n+FhFbYW
わたしは父が転勤族だったため、幼い頃から引越しを繰り返していました。
内気な性格でクラスに馴染めず、一人でいることの多い子供でした。
そんなわたしに初めて友達と呼べるものができたのは、中学二年の時です。

「松田さんて、他の子と違うよね。一匹狼って感じ?」
可愛らしく首を傾げて見つめてくるのは、同じクラスの三崎優子さんでした。
”他の子と違う”というのはイジメの対象になり得ます。わたしは身構えました。
けれど三崎さんの茶色い大きな目に、悪意は浮かんでいませんでした。
むしろ羨望らしきものが。わたしはびっくりしました。転校してまだ日が浅かったのですが、
彼女が校内でも一、二を争うほどの美少女で、一目置かれているのを知っていましたから。
勉強もスポーツもできる明るい女の子です。各地を転々としてきましたが、
彼女ほど完璧な人はいませんでした。そんな人が他人をうらやむ? しかもわたしに? 
なにかの冗談かと思いました。訝しげなわたしをよそに、三崎さんはニコニコと話しかけてきます。

「見た時からクールでかっこいいな~って思ってたの。一緒のクラスになれて嬉しかった。仲良くしてくれる?」
「……う、うん」
勢いに飲まれてオッケーしましたが、半信半疑です。クールとはものは言いようで暗いと言いたかったのかな、と。
それに彼女は委員長でしたので、なかなかクラスに馴染まない転校生に対する気遣いなんだろう、
くらいに思っていました。ところが予想に反し、その日を境にわたし達は急速に親しくなっていきました。

150:名無しさん@ピンキー
07/06/09 23:35:00 n+FhFbYW
「松田さ~ん、一緒に帰ろ?」
「うん……いいよ」

「え~、和美ちゃんなんでそんなに細いのォ。脚とかすらっとして、うらやましいッ」
「わたしはただガリってだけだから。それより、優子ちゃんのメリハリのある体のほうがうらやましいんだけど」

「ねぇ、気づいてた? C組の田中君。最近、和美のことよく見てるんだよ。わたしのカンだと告白してくるよ、絶対!」
「わたし彼氏作る気なんかないし、興味ないよ。だいたい、優子のカンはアテにならないからなぁ……」

わたしは初めてできた友達に夢中でした。名前を呼び捨て合い、他愛のない話をするのが楽しかった。
ふふ、さっき会話に出た田中君。結局、告白されたのは優子でした。自分のカンがはずれて、
バツの悪い顔で断ってましたね。ええ、優子はとてもモテましたよ。彼氏? ……は、聞いたことがなかったから、
いないと思ってました。でも、いたんですよね、彼女。それを知った時、ショックでした。
わたし、信用されてなかったんだ。友達、いいえ、親友だと思っていたのはわたしの勝手な思い込みだったんだな、って。
でもその時、わたしはそのことで傷つく資格なんかなかったんです。わたしは彼女を憎んで、
親友だったらしないようなことをしたんですから。だけど……その前にわたしは、彼女に裏切られていたんです。
だからアイツ等に頼んで……。ああ、ごめんなさい。支離滅裂で。こんなんじゃわからないですよね。
あの時の気持ちをどう言ったらいいのか、わたしにもよくわからないんです。普通じゃありません。
狂ってたとしか言いようがないです。突然なんの前触れもなく、悪夢が襲ってきたんです。

151:名無しさん@ピンキー
07/06/09 23:36:11 n+FhFbYW
わたし達は同じ高校に進学しました。歴史のある女子校で、グレーのセーラー服は上品でカワイイと
人気がありました。割と自由な校風で、まじめな生徒が多かったように思います。
わたしは親から『この土地にしばらく留まりそうだ』と聞き、落ち着いて充実した高校生活を送っていました。
新しい友達もできましたが、やはり一緒にいて一番楽しいのは優子でした。残念なことに一、二年と同じ
クラスにはなれませんでしたが、学校の行き帰りはいつも一緒です。あの時も……、一緒でした。

あれは二年の一学期。七月に入ってすぐ期末テストがあった週の、土曜日の午後のことです。
ちなみにわたしが通ってた時、まだ週休二日制にはなっていませんでした。あと、携帯電話やインターネットも
今ほど普及していない時代です。ええと……話を戻します。テストが終わった開放感から、
どちらからともなく部活をサボって海に行こうか、ってことになったんです。
わたしは美術部、優子はテニス部に所属していました。海は駅の反対側。学校から歩いて二十分くらいです。
わたし達はコンビニでおにぎりや飲み物を買い、秘密の場所に向かいました。

その場所は三ヶ月前、偶然発見しました。海岸沿いは雑木林が続いています。
その脇の歩道をわたし達が歩いていると、ガサガサと繁みを掻き分け釣り人が出てきたんです。
こんな所に海に通じる道が? わたし達は好奇心に顔を輝かせ、その細い道に分け入って行きました。
林の中を下って行くと徐々に視界が明るくなり、目の前には海が。そこはぐるりを岩壁で囲まれた空間で、
誰もいませんでした。それ以来、わたし達は時々秘密の場所で遊んでいました。

152:名無しさん@ピンキー
07/06/09 23:37:04 n+FhFbYW
その日。わたしと優子は木の根元に隠してあったレジャーシートを砂浜に広げて、
仰向けに寝転んでいました。この時、どんな会話を交わしたのかまったく思い出せません。
蘇ってくる映像はモノクロで、所々記憶が飛んでしまっています。でも、始まりははっきりと覚えています。

不意に、パキっと枝の折れる音と人の話し声が聴こえてきたんです。
わたし達は反射的に振り返りました。雑木林の中から一人二人と男が出てきます。
全部で四人。シャツの裾を出しただらしのない制服姿。ずり下げて穿いているズボンの色で、
西高の生徒だとすぐわかりました。この辺の地域で一番柄が悪いと評判の高校です。
いかにも悪そうな風体に、見た瞬間わたしと優子は顔を強ばらせました。

「なにしてんの~? ここ、いい場所だね~。俺らも中に入れてよ」
「うんうん。中に入れて入れて。いっしょにあそぼ」
「俺も中に入って、出したい」
どっ、と男達が笑いました。心臓がどくどくと危険を知らせます。わたし達はカバンを引き寄せ、
立ち上がりました。素足のままローファーを履きます。波打ち際で遊んでいたので裸足でした。
くつ下を穿いているヒマなんてありません。わたしと優子は硬い顔を見合わせました。
「和美……そろそろ、帰ろっか」
「そう、だね。雨降ってきそうだし……」
無理にでも普段どおりにしていないと、なにかが壊れてしまいそうでした。
急に動いたら飛びかかってきそうで、小動物になったような気分でゆっくりと歩き出しました。

153:名無しさん@ピンキー
07/06/09 23:38:17 n+FhFbYW
男達がイヤな目配せをしているのに気づきました。焦ったわたしは砂に足を取られ、よろけてしまいます。
にじり寄っていた男達の一人が、素早くわたしの腕を掴みました。
「だいじょうぶ~?」
「……だ、大丈夫です。あの……」
離してくれません。男はおどけた調子ですが目が笑っていません。
ギョロッとした鋭い視線に、わたしは動けなくなりました。

「そんな急いで帰らなくてもいいじゃん」
「そうそう。遅くなったら車で送ってあげるよん」
わたしを掴んだ男以外の三人が、声をかけながら優子を取り囲もうとした、その時です。
「こないでッ」
優子が大声で制して、腕を振り上げました。

「うわっ、なんだ」
「い、いでで……目が」
いつの間に握っていたのか、優子は迫る男達に砂を投げつけていました。
男達がひるんだスキに、優子は雑木林に向かって走り出します。
「……ゆ、優子?」
わたしのかすれた声に優子が振り向きました。
一瞬、笑っているのかと思いました。顔の筋肉がおかしな具合に歪んで、そう見えました。
この時の優子の顔を、わたしはいまでも忘れることができません。

154:名無しさん@ピンキー
07/06/09 23:39:20 n+FhFbYW
「てめえ……このやろう」
男達の中で一番大きな男が、まばたきをしながら優子に一歩踏み出しました。
優子の視線がわたしから男に移り、両目が大きく見開かれて……。
それから先はあっという間のことでした。さっとスカートの裾をひるがえして、
優子の背中がみるみる小さくなっていきます。

「ゆうこおおおッッ!?」
叫び声がむなしく響きます。再び優子が振り向くことはありませんでした。
「あーあ。オトモダチ、一人で逃げちゃったよ。見捨てられちゃったねぇ」
腕を掴んだ男がからかうように言いました。そんなはずない。
優子は人を呼びに行っただけ。助けてくれそうな大人を連れて、きっと戻ってくる。
わたしはそう信じて疑いませんでした。けれど、涙がにじんできます。
「かわいそ~。あれれ、泣いてる~? 俺らがなぐさめてあげよっか」
「ちょうどシートがあるしぃ」
意味がわかりませんでした。目の前の状況に思考が追いつきません。
そうですね……たとえると、衛星中継でものすごく反応が遅れる感じでしょうか。
男達にレジャーシートの上に押し倒されても、わたしはうんともすんとも言いませんでした。
優子は足が速いから、すぐここに戻ってくる。連れてきた人をせき立てながら現れる……きっと。わたしは祈っていました。

155:名無しさん@ピンキー
07/06/09 23:40:12 n+FhFbYW
あちこちから手が伸びてきて触られました。セーラー服もスカートもめくり上がった状態です。
ブラジャーをずらされ、乱暴に揉まれました。男達が口々になにかしゃべっていたはずですが、
記憶に残っていません。そして……突然ぬっと現れた物体に、わたしはひっと息を飲みました。
ギョロ目の男が下半身をむき出しにして、わたしを見下ろしていました。 
    
ヘビの頭のようでした。クネクネと気味の悪い動きをしています。わたしは初めて見る男性器から
目をそらすことができません。恐ろしい現実が迫っていることを実感させられました。
「……い、や……いやああっ」
やっと声が出ます。手足をバタつかせました。動けません。
男達に押さえつけられたわたしは身をよじっただけで終わります。ショーツをはぎ取られた時、
体から力が抜けていくのがわかりました。もうダメだとぎゅっと目をつぶる前に、男がにっと笑ったのが見えました。

わたしはあきらめるのが早いタイプです。度重なる転校が大きく関係していると思います。
好きだった習い事を途中であきらめ、別れがつらいので人と仲良くするのをあきらめ。
わたしは傷つかないために、あきらめることを身につけるようになっていました。

156:名無しさん@ピンキー
07/06/09 23:41:00 n+FhFbYW
ギョロッとした目の男。塚原と言いました。男達は名前を呼び合っていましたが、
この時のわたしに覚える余裕はありません。苗字なのか下の名前なのかわかりませんが、
名前と顔が一致するのはあとのことです。話の便宜上、名前を出して進めます。

観念したとはいえ、塚原がのしかかってきた時わたしはパニックになりました。
けれど、どこか冷静な部分も残っています。優子、どこまで行ったの? 間に合わなかったよ……。
心の中で話しかけていました。生温かく硬いものがあてがわれて、押し入ってきます。
めりめりと股が裂けるかと思うほどの激痛が走りました。優子、すごく痛い、怖い、助けて!
圧迫感が込み上げてきて苦しくなり、ぐわんぐわんと景色がまわりました。
何度か気を失いそうになりましたが、ひどい痛みによって現実に引き戻されます。
ふんふんと息を吐き出していた塚原が呻き声を上げ、腰の動きが止まりました。
体が離れると、股の間をどろりとした感触が流れていきました。
入れ代わりにバンドをやってそうな前髪の長い男が覆いかぶさってきます。
コウと呼ばれていました。順番はジャンケンで決めたようでした。

コウがわたしの上で動いていた時間は短かったです。
パサッと音がして目を向けると、血で汚れた白いくつ下が二つ、シートに落ちていました。
塚原とコウが性器を拭いたあとでした。蘇ってくる映像はモノクロと言いましたが、
この時の鮮烈な赤い色は脳裏に焼きついています。

157:名無しさん@ピンキー
07/06/09 23:44:52 n+FhFbYW
わたしはレイプで処女を失ったんだ……。わたしは外見から大人びた子と思われがちでしたが、
実際の中身はなにも知らないお子様でした。恋も知りませんでした。
彼氏や好きな人がいたら、もっと激しい喪失感に襲われていたかもしれません。
わたしの頭の中はからっぽで、ぼんやりと横たわっていました。

コウの次が高校生にはとても見えない体格のいいタケでした。野太い声が飛んできます。
「首に腕をまわせ」
正面で貫いたまま、タケがわたしの体をひょいと抱えて立ち上がりました。
不安定な体勢に、とっさに言われたとおり首にしがみつきます。タケがお尻を掴み、
砂浜をぐるぐると歩き始めました。ずんずんと支点に衝撃が伝わり、目の前がチカチカしました。
「あっ、あっ、あっ」
わたしの口から断続的な声がこぼれます。他の男達はゲラゲラと笑っていました。
スカートは脱がされていたので繋がっている部分が見えました。ぐちゃぐちゃです。
男に軽々と持ち上げられて揺さぶられるたびに、突き立てられた肉の棒が見え隠れします。
間から精液が溢れていました。上はセーラー服、下は丸出しというみっともない格好で串刺しでした。  

こんな姿、優子に見られたくない。恥ずかしくて生きていけないと思いました。
もう戻ってこなくていいよ、優子……。戻って……、こないんじゃない……?
初めて疑う気持ちが起こりました。ぽとんと胸に落ちて、じわじわと広がっていきます。
『一人で逃げた―見捨てられた―』。塚原の放った言葉が今頃になって突き刺さります。

158:名無しさん@ピンキー
07/06/09 23:47:04 n+FhFbYW
わたしに呼び止められて、振り向いた優子の姿が浮かびます。青ざめて引きつった顔。
その中に、裏切る後ろめたさを見たような気がしてきます。思ったが最後、疑惑はどんどん膨らんできました。
それと同時に、背筋をぞわぞわと這い上がってくるものがあります。体の震えが止まりませんでした。
寒くはありません、むしろ熱いです。尿意に近い切迫したものを感じて、わたしは焦りました。
ここでオモラシなんかしたら男が怒って、殴られるかも……と怯えました。
「あー、すげぇキモチイー」
とタケが激しく揺さぶります。深々と突き刺さったペニスがこすれて、
痛くて熱くてなんだかたまらなくて、わたしはのけぞって高い声を張り上げていました。

最後は狐を思わせるような顔も目も細い、陰険な感じのするヒロという男でした。
わたしは命じられるまま、あやつり人形のように従いました。四つん這いにさせられ、
後ろから挿入されました。グチュグチュ、パンパンという音にあんあんという声が混じります。
「こいつ、いい声出すな」
「あはは、犯されて感じてるよ」
他にも屈辱的ことを言われたような気がしますが、わたしは上の空でした。
腕で体を支えているのがつらくなってきて、上体を伏せお尻を突き出すような
格好になっていました。ヒロの抜き差しするスピードが上がります。四人目ともなると、
終わりの兆しがなんとなくわかりました。いつの間にか肉体に感じる痛みが消えていました。
そのかわり、たまらない気分はずっと続いていて、次第に時間の感覚も失っていきました。

159:名無しさん@ピンキー
07/06/09 23:49:58 n+FhFbYW
放心状態のわたしに意識が戻ってくるのは、2巡目入ってしばらくした頃です。優子に裏切られた―。
もう助けにくる気がないのは明らかです。苦しくて胸が張り裂けそうでした。初めての友達。
深い信頼を寄せていた分、打ちのめされました。仰向けに転がっているわたしの目に、
どんよりとした梅雨空が映ります。突然、どすぐろい感情が渦巻きました。
それは自分でも戸惑うほどの”怒り”でした。優子のせいでこんな目に遭っている―。

その怒りは男達ではなく優子に向けられました。あの時、『こないでッ』なんて優子が
叫ばなければ、ただからかわれただけで済んだんじゃないか。優子が砂なんか投げつけるから、
男達の怒りを買いこんなハメに陥ることに。優子の過剰な反応が集団レイプの引き金になった。
考えれば考えるほど、そう思われてなりませんでした。なのに本人はさっさと逃げて知らん顔。

本当は……わかっていました。男達は最初からレイプする気満々でした。
怖くなって逃げ出すのは当たり前です。逆の立場だったら、わたしも同じように優子を
置き去りにしたかもしれません。オロオロするだけでなにもできないでしょう。事故みたいな
ものだと思うしかない。わかってはいても許せませんでした。なぜかこの時ばかりは仕方がないと、
あきらめることができませんでした。後にも先にもあんなに強い感情を持ったのは初めてです。
怒りや悲しみ、憎しみ……色々な思いがごちゃまぜになって、頭がおかしくなりそうでした。
いま思うと、そういう負の感情を優子にぶつけることで、わたしは正気を保っていたのかもしれません。



(つづく)

160:名無しさん@ピンキー
07/06/10 04:17:08 FVPpT5aX
wktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktk

161:名無しさん@ピンキー
07/06/10 07:18:56 M79ntJmr
うまいなぁ。GJ!

162:名無しさん@ピンキー
07/06/10 08:55:02 Fc8IaJ/P
うますぎる…レイプ経験者?って位リアルやなぁ

163:名無しさん@ピンキー
07/06/10 10:36:37 FVPpT5aX
>>162
いや、エロマンガによくあるだろw

164:名無しさん@ピンキー
07/06/12 00:19:03 51YHrd+l
>>159の続き

気がつくと雨が降っていました。男達の立ち去る気配に、やっと解放されると脱力しました。
わたしは抜けガラ状態で雨に打たれていました。誰かが無理矢理立たせます。
腕を引っ張ります。雑木林の中を歩かされて車に乗せられました。
わたしは山に連れて行かれて埋められる、と思いました。あとで起こったことを考えると、
いっそその方がよかったです。けれどそんなB級サスペンスドラマのようなことはなく、
わたしは家まで送られただけです。学生証から名前と住所を知られてしまいました。
「じゃあ、またね~」
コウが運転する黒い車が走り去るのを、わたしは茫然と立ち尽くして見ていました。
そのまま地面にずぶずぶと沈み込んでいきそうでした。
どのくらいそうしていたのか、隣の車が帰宅してきた音でやっと我に返ります。

玄関を開けると、たまたま近くに母が立っていました。
「びしょ濡れじゃないのっ。そこで待ってなさい、タオル持ってくるから」
母の叱る声や漂ってくる夕飯の匂いに、どっと涙が溢れました。
タオルをかぶってお風呂場に直行したので、わたしの異変に母は気づかなかったと思います。
絶対、気づかれるわけにはいきません。もちろん相談するなんて論外です。
今日あったことは、どんなことがあってもひた隠す。わたしは何度も体を洗いながら、
そう決心しました。泣き声を押し殺して、精液を指で掻き出しました。こんなことになって、
わたしは初めて自分の性器に指を入れました。わたしは”なにも知らないお子様”
だったと言いましたが、誇張ではありません。本当になにも知りませんでした。

165:名無しさん@ピンキー
07/06/12 00:20:28 51YHrd+l
そんなところを触るのは汚いと思っていましたし、怖くてタンポンも使えませんでした。
当然、鏡で見たこともありません。だからというか、わたしは入り口の位置がよくわかっていませんでした。
信じられませんか? でも意外と自分の体のことなのに、なにも知らないという子は他にも
いそうな気がするんですが。まあ、滅多にいないでしょうけど。わたし、クリトリスというのは
女性器全体を指すのかと思っていました。ふふ、呆れて笑ってしまいますよね。
快感を得るためだけの器官だと知った時、どうしてそんなものが! と恨みました。

その夜、わたしはひどい熱を出しました。砂浜での出来事がフラッシュバックします。
体の中に残る異物感にもだえ苦しみました。熱くて熱くてたまりません。ヘンな気分でした。
うまく言えませんが、どうにも収まりがつかないといった感じ。じりじりと炙られているような気持ちでした。
体の奥がじんじんと脈打ち、なんだか落ち着きません。わたしは込み上げてくる感覚にうなされました。
熱に浮かされた頭はまともに働きません。そのうち、だんだんと深い眠りに落ちていきました。

166:名無しさん@ピンキー
07/06/12 00:21:28 51YHrd+l
わたしはまるまる一週間、寝込みました。このまま一生部屋から出たくありませんでしたが、
引き伸ばしはもう限界でした。風邪を引いただけだと思っている両親に、不審がられてしまいます。
なにか勘付かれたら大変なことになります。自殺も考えましたが、ムリです。自分にそんな
度胸がないのはわかっていました。あきらめて登校を決心したわたしを支えていたのは、
またしても優子への怒りでした。休んでいる間に、優子からなにか連絡があるんじゃないかと
思いましたがなにもありません。いまさらまだ期待していたのかと呆れ、傷つく自分に
腹が立ちました。その苛立ちはそっくりそのまま優子に向かいました。

高校へはバスで一緒に通っていました。毎朝待ち合わせをしていたバス停に、優子の姿は
ありません。乗客の中に西高の生徒がいるのを目撃して、わたしは激しく動揺しました。
こめかみから脂汗が流れます。あの男達ではないとわかっていても胸の動悸は治まりませんでした。
わたしはこんなに苦しんでいるのに、優子は……優子は……っ!

いま思い返しても、たった一週間休んだけでよく学校へ行けたな、と自分でも驚きです。
よく病気にならなかったな、と。この時のわたしは優子への憎しみがエネルギー源になっていました。
それなのに……学校に着き、いざ優子を目にしたとたん、わたしはあわてて柱の陰に
隠れてしまったんです。みじめでした。なにか一言、いいえ、なにか仕返しをしなければ
気がすまない。そう憎悪をたぎらせていたはずなのに、なにもできませんでした。
人と争うことの苦手なわたしは、どう怒りをぶつければいいのかわかりませんでした。

167:名無しさん@ピンキー
07/06/12 00:23:20 51YHrd+l
休み時間、トイレでばったり優子に会います。向こうはクラスの子と一緒でした。
先に顔をそらしたのはわたしでした。一瞬、表情を強ばらせた優子でしたが、明るい声をかけながら
友達と連れ立って出ていきます。全身がカアッとなりました。追いかけて揺さぶってやりたかった。

あんたのせいで……あんたのせいで、わたしがどんな思いをしたかっ! 
そんな風に笑っていられるのも、わたしがあんたの代わりに男達の犠牲になったからでしょ!? 
許せない、ぜったい。あんたもわたしと同じようなひどい目に遭わせてやるっ!!

凶暴な感情が生まれました。黒く長い髪をたらして、顔面蒼白でブツブツと
呟きながら歩く女子高生。はたから見たらさぞ不気味だったと思います。
そんなわたしでしたから、周りに注意を払っていません。
「よお、元気ぃ?」
学校からの帰り道。声をかけられても気がつきませんでした。
たしか、明るいうちに家に帰りたかったので時間は四時頃だったと思います。
プッ、プーとクラクションが耳をつんざき、わたしはやっと足を止めました。
横付けされた黒い車に、今度は足がすくんで動けません。コウと助手席にタケが乗っていました。
乗れよ、とタケが後部座席をアゴで示します。家は目と鼻の先でした。
「この間のこと、近所中にバラすぞ」
つづけざまに脅されたわたしは、あきらめて車のドアに手をかけました。

168:名無しさん@ピンキー
07/06/12 00:25:49 51YHrd+l
「和美ちゃんだっけ、ちょっと痩せた?」
コウは黙り込んでいるわたしをチラリと見たあと、車内に流れる曲を口ずさみながら運転をしていました。
また犯されるのは百パーセント確実です。わたしの気持ちはどんどん沈んでいきました。
十分ほど走って着いた場所は、広い庭のある二階建ての大きな家です。
立派な門柱には塚原と記された表札がかかっていました。
二階のテラスに続く外階段が設けてあり、そこに引っ張っていかれます。
「お待たせ~」
コウが陽気な声を上げながら、わたしの背中を押します。
やっぱりというか、テラスから部屋に入れられると、そこには塚原とヒロが待ち受けていました。
そして当然のようにわたしは輪姦されました。同じことの繰り返しになるので話を端折ります。
前回と違うのは、全裸にされてビデオに撮られたことです。
なにも身にまとっていない状態というのは、とても恥ずかしくて頼りなくて、恐ろしかったです。
自分の弱さや無力を思い知らされます。撮影したビデオを見せられました。
ペニスを咥えているわたしの横顔。抜き差しされるごとに絡みつくピンク色の襞。
ズチャズチャと不快な音がばっちり入っています。精液が流れる局部のアップ。
むごたらしい映像に、わたしは顔を背けました。ショックが大き過ぎて涙も出てきません。

どうして、こんな……わたし、ばっかり……どうして、どうしてっ! わたし……なにか、悪いことした? 
してない……したのは、あの女。あの女が悪い。あの女のせいで、こんな……もう、いや。
いやいやいやああああっ! あの女が憎い。憎い憎い憎い。

169:名無しさん@ピンキー
07/06/12 00:38:03 51YHrd+l
「明日もここに来いよ。ガッコ終わったらそっこーでな」
塚原の命令に、なにかがぶちんと切れました。唇が勝手に動きます。
「……なんでも、言うこと聞くから。あの女を……ズタズタにして。同じ目に、ううん、
死んだほうがマシって思えるくらい、もっとひどい目に遭わせてやって、お願い……」
積もりに積もったうっぷんが爆発しました。急にしゃべり出したわたしに驚きながらも、
男達は”あの女”が誰なのかすぐにわかりました。というか、わたしがいつそれを言い出すのか、
待っていたようなフシがありました。女ってこえー、とニヤニヤしながら全員話に乗ってきました。

わたしは学校や家にバレないようにして欲しいと頼みました。具体的にいうと、
体の見える部分に傷をつけたり、帰宅時間が遅くならないようにです。
「せっかくのオモチャを取り上げられたらつまんないしな」
ヒロがずるそうに笑いかけてきます。わたしの要求に他の男達も異存はないようでした。
”オモチャ”の中にわたしも含まれているのはわかっていましたが、もうどうでもよくなっていました。
わたしは復讐に燃えました。それまでのウツウツとした気分が吹き飛び、心はウキウキと
弾みました。すごいですね。人間、開き直ったらいくらでも残酷になれるんですね。
これで後戻りはできないと思った時、後悔は微塵もありませんでした。

復讐の方法は男達に任せました。わたしは呼び出し役です。サボって海に行って以来
わたしは部活を休んでいましたが、優子は何事もなかったかのように出ていたので、平日は難しそうでした。
部活を理由に断られそうです。部活後だと警戒されそうだったし、帰りが遅くなるのでダメです。
その結果、部活が休みになる日曜日の昼過ぎに実行することが決まりました。

170:名無しさん@ピンキー
07/06/12 00:40:33 51YHrd+l
当日は梅雨明け宣言がされたばかりで、いい天気でした。
「話がある……公園で待ってる」
わたしは強い口調で用件だけ伝えて電話を切りました。心臓がバクバクしました。来る、来ない―。
あのことがあってから、優子とは一言も口を利いていません。お互い避けていました。
わたしに負い目を感じているだろう優子は迷いながらも、来る、と思いました。
一番暑い時間帯で、公園に人影はほとんどありませんでした。ここはお互いの家の
中間地点にあり、散歩を楽しんだり待ち合わせの場所にとたびたび利用していました。
わたしは木陰のベンチに座って待ちます。ジージーとセミの鳴き声がやたらうるさく感じたのを覚えています。

ハアハアと荒い息遣いがして、顔を上げるとクロ丸がしっぽを振っていました。一人で来るのは不安だったのか、
優子は飼っている犬と一緒に現れました。ノースリーブの花柄ブラウスにデニムのスカート姿でした。
クロ丸は名前からわかるとおり、色が黒くてしっぽが丸まったオスの中型犬です。
二年前、クロ丸はこの公園に捨てられていました。わたしの家は引越しが多いのでペット禁止です。
優子はひと目で気に入り、抱いて帰りました。母親に反対されたそうですが、三つ上のお兄さんが
味方についてくれて、飼えるようになったと嬉しそうに次の日報告していました。

171:名無しさん@ピンキー
07/06/12 00:43:27 51YHrd+l
「和美……髪……」
小さい声でそう呼んだきり、優子はうつむいていました。アップにした髪のほつれ毛が、
ふわふわと揺れていました。わたしは前日に、背中の中ほどまであった髪をばっさりと切っていました。
ぶかぶかの半袖シャツにハーフパンツを穿いて、少年のような格好です。
男達の関心を失わせるためにしたことでしたが、浅知恵でした。たいした効果もなく、
わたしは夏の間性欲処理に利用されました。とにかくヤレればいいんですね、この年頃の男は。
男達の性欲は底なしで、サル並でした。ふふ、サルとしたことはないのでよくわかりませんが。

話が前後してしまいました。戻します。
うなじに太陽があたるのは久しぶりでした。チリチリと熱かったです。
クロ丸がわたしの膝に前アシを乗せて、ハアハアと嬉しそうに見上げてきます。
わたしは頭を撫でてやりました。ザザッと音が聞こえて、木の影に隠れていた男達が飛び出してきます。
優子がはっとあたりを見回した頃には完全に囲まれていました。二週間前の土曜日の再現を見ているようでした。
青ざめて引きつった顔。両目を大きく見開いて、わたしと男達に視線をさまよわせています。
わたしはその様子を冷ややかな気持ちで眺めていました。

優子の反応は、想像していたものとは少し違いました。男四人が相手で勝ち目はないとわかっていても、
最後の最後まであきらめないと思っていました。必死に抵抗して、大声で助けを呼ぶと思っていました。
ところが目の前の優子は、じりじりと詰め寄る男達に対して、やめて、と弱々しく言うだけです。
塚原とヒロに両脇から腕を掴まれた優子の顔は、恐怖と絶望に覆われていました。
それは、わたしの望んでいたとおりです。でも、かすかに安堵の色を浮かべたのは予想外でした。

172:名無しさん@ピンキー
07/06/12 00:47:28 51YHrd+l
わたしが見たかったのは、そんなんじゃない。泣き叫んで、暴れなさいよ。
わたしにハメられたと知って、くやしがる顔を見せなさいよ。そうしたら、せせら笑ってあげるから……。
優子の態度は、まるで逃げるのに疲れた犯罪者が警察に捕まってほっとしている。
そんな風に見えました。なに、なんでもわかったような顔してるの!? イラつきました。
優子は素直に車の中に入っていきます。拉致が成功しても、わたしの気分は晴れません。
クロ丸はきょとんとした顔をしていました。少しもめましたが、犬も一緒に連れて行くことになりました。
助手席に座ったわたしの足の間でクロ丸はおとなしくしていました。後ろに乗った優子も
塚原とヒロに挟まれて静かにしています。タケは原付で車のあとを追ってきていました。

行き先は、あの外から部屋に自由に出入りできる塚原の家です。
ええと、言い忘れてましたが、男達は高三で誕生日が早いコウだけが車の免許を持っていました。
車は塚原の家の持ち物で、何台かあるうちの一台でした。やや厳しい家で育ったわたしからすると、
やりたい放題の塚原の家は異常でした。不動産会社を営む父親は愛人宅に入り浸っていて、
ほとんど帰ってこない状態らしく、広い家には母親と一人息子の塚原だけが住んでいました。
その母親もおかしな宗教にハマっていたようで、奇声を発しながらポクポクと太鼓を叩く音が階下から
しょっちゅう聴こえていました。通いの家政婦さんがいたようですが、わたしは姿を見たことはありません。
そういうことは何度も呼び出されているうちに、おしゃべりなコウから知りました。

173:名無しさん@ピンキー
07/06/12 00:49:55 51YHrd+l
とんとん拍子にコトが進んで男達は上機嫌でした。ましてや、優子は可愛くてスタイル抜群です。
男達のテンションは否が応でも上がります。すごいスピードで塚原の家に到着しました。
お神輿を担ぐような勢いで優子を部屋に連れていきます。わたしはリードを外階段の
手すりにくくりつけ、しゃがみました。くりくりした目でクロ丸が無邪気にしっぽを振っています。
わたしはむしょうにやるせなくなってきて、クロ丸の背中を撫でながら独り言を呟いていました。

「オマエ、飼い主守る気ぜんぜんないね。ふふ……役立たず。あとで叱られるよ、たぶん。なんで吠えな
かったんだって、なんで噛みつかなかったんだって。オマエのせいだって……恨まれるかもね。ふふ、ふ……」

部屋の窓ガラスを開けると、優子の声が聞こえてきました。
「引っ張らないで。―自分で脱ぐから」
わたしは不思議でした。これから犯されるというのに、どうしてそんなに気丈でいられるのかと。
優子は部屋の中央に立ち、震えながらも男達を睨みつけていました。
わたしとは視線を合わせようとしません。男達は円になって座り、はやし立てました。
「ストリップ! ストリップ!」
「ヒューヒュー、いいぞぉ」
「おっぱい早く見せろー」
すとんと足元にスカートが落ちました。ブラウスのボタンを上からはずしていきます。
あまりにも淡々と脱いでいく優子に、わたしのほうがかえって緊張しました。

174:名無しさん@ピンキー
07/06/12 00:54:31 51YHrd+l
男達の前で下着姿を晒している優子―。白地に水色のレースをあしらったブラジャーと
ショーツでした。本当は相当恥ずかしかったと思います。なのに顔には出さずに、
というか怒ったような顔つきで優子は背中に手をまわしました。そして、ぐっとアゴに力を込めたのと
同時にブラジャーが緩みます。大きな乳房がこぼれました。手足は小麦色に焼けて健康的なのに、
胸元や内股がまぶしいほど白くてなまめかしくて、どきりとしました。中三の修学旅行でのお風呂や、
高校生になってからも一緒にプールで泳いだりと見る機会はありましたが、こんなにじっくり優子の
裸を見たのは初めてです。女のわたしでも触ってみたいと思うくらい柔らかそうできれいな体でした。
最後の布きれが足元に落ちます。視線が一点に集中しました。男達はよだれを垂らさんばかりです。
クーラーはかかっているのに、部屋の温度が一気に上がったような気がしましました。

「……ちゃんと、避妊をして……」
「ハア? なに寝ぼけたことぬかしてんだ。んなことするわけねーだろ。オラッ」
塚原は優子の頼みを退け、乱暴にベッドに押し倒しました。目の前にあるきれいな体がズタズタにされる―。
そう思ったとたん、ぞくっと鳥肌が立ちました。ぞっとしたんじゃなくて、ぞくです。ぞく。わたしは興奮していました。
優子がけがされることに。わたし、内心いざとなったら自分は後悔するんじゃないかと思っていました。
それが……いえ、たしかに後悔はしていました。足を大きく開かされている優子を見て、
ああカワイソウ……悪いコトした……と思いますが、どこか他人事です。
痛ましいニュースを聞いて、反射的にカワイソウと感じる気持ちに近いものでした。

175:名無しさん@ピンキー
07/06/12 00:56:37 51YHrd+l
塚原が腰を沈めて、優子の整った顔が歪みました。わたしの胸に暗い喜びが広がります。
白いものをまっ黒に、まっすぐなものをねじ曲げたい衝動に駆られます。
サイテーだ、わたし……そう思うこと自体にも興奮していました。
まさか自分に、こんなドロドロした感情が潜んでいるとは思いもしませんでした。
なんだか呆然としてしまって、わたしは力が抜けてずるずるとその場に座り込んでしまいました。

「ちぇっ、こいつ処女じゃねーじゃん」
腰を振りながら、不満そうに吐いた塚原の言葉にわたしは驚きました。
「マジで? 清純な顔してヤリまくりかよ」
「どうりでスケベな体してると思った」
がっかりした空気が流れたあと、男達はにやつき、たちまち危険な感じに変わっていきました。
そういうことなら遠慮はしない、思う存分ヤっちゃうよ、そんな雰囲気でした。

わたしはというと、最初にチラッと言いましたが、”裏切られた”と思っていました。
まるで恋人に浮気をされたかのようなショックです。ヘンですよね、そんな風に感じるのは。
それに、塚原の言葉を簡単に信じたのもヘンでした。いったいどうしてなのか……。
優子は出血しませんでした。でも、それが理由ではありません。いくら無知なわたしでも、
血が出なかったからといって非処女だとは思いません。優子の裸を見た時、アレって思ったんです。

176:名無しさん@ピンキー
07/06/12 01:03:29 51YHrd+l
女性のたしなみだと言われればそれまでですが、優子の……下の毛は、きれいに整えられていました。
わたしはそれを見た瞬間、自分のと比べて恥ずかしくなりました。それまで他人の股間をまじまじと
見たことはありませんでしたし、女同士でもその手の話をオープンにできないわたしは、
ヘアを短くカットする発想がなかったんです。ボーボーでした。優子の処理された股間に、
わたしは成熟したものを感じました。ヘアだけじゃないですね。優子の体から発散される色気に
圧倒されました。だから、塚原が処女じゃないと言った時、直感的に信じたような気がします。

いまでこそ思ったことを言葉にできていますが、この時は状況についていくのが精一杯で
考えるどころの騒ぎではありませんでした。塚原は上気した顔で体を動かしています。
優子の腰を掴んで、何度も何度も打ち込んでいました。反動で優子の張りのある胸が揺れます。
他の三人はいまかいまかと待っていました。ヤル順番に不服そうでしたが、リーダーであり
スポンサーでもある塚原には逆らえないといった様子でした。

当たり前のように中出しした塚原がトランクスを穿いて部屋を出て行きます。
ベッドではタケが優子の体を二つ折りにして挿入しているところでした。お尻の穴まで見える、
無残な光景でした。タケが目茶苦茶に突きまくります。チャッ、チャッ、チャッとまるで卵白を
泡立てるかのように掻き回していました。あぶくとなった精液が、優子のお尻を伝っていきました。



(つづく)

177:名無しさん@ピンキー
07/06/12 01:13:51 U1jKiSay
素晴らしい。

178:名無しさん@ピンキー
07/06/12 01:41:56 dtJH03JR
(*´д`*)ハァハァ

179:名無しさん@ピンキー
07/06/12 22:40:07 fKAdB/R7
本当にGJ!!
続きが気になって気になって眠れない!

180:名無しさん@ピンキー
07/06/14 21:56:39 bbJBcMWV
>>176の続き

服を脱ぐところから全部、わたしと同じように撮影されていました。
レンズをのぞくヒロの目が据わっていて、とても不気味でした。バタンとドアの音がして振り向くと、
手にT字かみそりとシェービングフォームを持った塚原が立っていました。

「あはははは、ツルツル~」
「なんかすげーやらしくね?」
「マンコまる見え!」
男達は手をたたいて喜んでいます。優子の股間は見事に剃られ、
生々しい一本の筋があらわになっていました。わたしは自分が剃られたわけでもないのに、
股間がヒリヒリして落ち着きませんでした。ガタガタと机の引き出しを探っていた塚原が、
あったあったと嬉しそうに言いながら優子の足の間に座り、太いマジックインキでなにかを書き始めました。
「ハハ……こんなんじゃもう彼氏とセックスできねーな。代わりに俺らがヤってやるからよ」
塚原のギョロッとした目が満足そうに光りました。おヘソのすぐ下から割れ目に向かい、
”肉べんき”と汚い字で黒々と書かれていました。優子はその落書きを泣きそうな顔で見ていましたが、
涙はこぼしません。キッと唇を噛んで、声も洩らしませんでした。そういう強情な態度に男達はカチンときたようでした。

「コウ、おまえ仰向けでオマンコに入れろよ。俺はケツの穴をいただくから」
ひゃっひゃっひゃっ、とヒロは楽しそうです。この男は四人の中で一番残忍でした。
いたぶって喜ぶ性癖があったんだと思います。コウがイヤイヤと首を振る優子を捕まえて、対面座位で貫きました。
そして、がっちりと背中に腕をまわしたまま後ろに倒れます。優子のお尻の穴が晒け出されました。

181:名無しさん@ピンキー
07/06/14 21:59:05 bbJBcMWV
スミレ色をした窄まりに、ヒロがダラーと唾液を垂らしました。それを指で塗りたくります。
ずぶっと指先が埋まり、優子の肩がびくんと跳ねました。悪魔のような顔とはこのことでしょうか、
ヒロは薄い口や目を三日月のように曲げて、指を出し入れしだしました。優子の背中がひくひくと波打ちます。
下にいるコウはやべえ、やべえと騒いでいました。わたしは喉がカラカラで、瞬きもせずに見入っていました。
ヒロがおもむろにペニスを握り、唾液でベトベトに光る窄まりに亀頭を押し当てました。

「こっちの穴は初めてか? おおっ、しまる~」
信じられませんでした。あんな小さいところに……。ヒロのペニスがぐにぐにと入っていきます。
優子はとても苦しそうでした。口をぱくぱくとさせ、声にならない悲鳴を上げていました。
「ひゃー、チンコやべっ。ヒロ、うごくな……って、んあ、でるっ!」
コウが女の子のようなあえぎ声を洩らし、足をピンと伸ばしていました。ヒロはお構いなしに抜き差しを
続けています。ついこの間まで処女だったわたしにとって、二穴レイプは想像を絶しました。
ヒドイ……そう思うのに怖いもの見たさの心境でしょうか、アクロバティックな体位に目が釘付けでした。
「あ、おまえデカくなってきたじゃん。すげー、中でチンポがこすれてたまんねー」
「いやだから、あんまうごくなって……マジ、やべぇ」
男二人は怒っているのか笑っているのかわからない、必死な形相です。絡み合う肉体は
汗まみれでした。はあはあと乱れた呼吸が聞こえています。それはわたしのものでした。

182:名無しさん@ピンキー
07/06/14 22:01:38 bbJBcMWV
「おまえ、ムラムラしてんだろ。見てたらしたくなったんだろ」
気がつくと塚原がすぐ横にいて、どうよと言いながらハーフパンツの中に手を突っ込んできます。
下着の上からまさぐられました。ぐっしょりだな、というバカにした口調に、わたしは恥ずかしさと
情けなさに震えました。盛り上がった男の股間が飛び込んできて、目の前が熱くぼやけました。

細い指が、そろそろと動き出します。わたしは信じられない思いで見ていました。
ぱんぱんに膨らんだペニスをトランクスの中から引っ張り出しています。わたしの手が、です。
こんなのウソだ、イヤだと嫌悪しますがどうにもなりません。思わず、すがるような眼差しを塚原に
向けてしまいました。自分でも媚びた仕種になっているのがわかりました。最悪です。
「欲しいのかよ」
ヤメナサイ、という頭の中の声を無視して、わたしはガクガクとうなずいていました。
なにが、と塚原が訊いてきます。ぐっと言葉につまりました。それを言ったらおしまいだと思いました。
それなのに―、塚原の指がショーツの脇から侵入してきて、軽く撫でられただけでわたしはあっけなく叫んでいました。

「ほ、ほしいの……おねがい……チンポ……ちょうだい……はやくッ、チンポォォーーッ!」

あははサイコー、と塚原はひとしきり笑い転げたあと、
無言でわたしを四つん這いにさせて、穿いている衣服を一気にずり下ろしました。

183:名無しさん@ピンキー
07/06/14 22:05:17 bbJBcMWV
寒い―。ぶるっと震えて、わたしは目を覚ましました。
頭がズキズキと痛み、一瞬ここがどこなのか忘れそうになりましたが、
なにも身に着けていない体にクーラーの冷たい風がまともにあたり、イヤでも思い出しました。
わたしは自分から挿入をせがみ、狂ったように腰を振り、よだれを垂らしながら失神したんです。
それほど長い時間ではなかったと思いますが、火照った体はすっかり冷え切っていました。
またぶるっと身震いしたわたしは、シャツを羽織ろうと頭の痛みに我慢しながら上体を起こそうとして―、
はっとしました。股間がツルツルになっていました。妙にスースーするなと思ったら、
気を失っているうちにヘアをきれいさっぱり剃り落とされていました。当然、そればかりではありません。
幼女のように無防備になった下腹部には、”性どれい”と書き殴ってありました。
男達の爆笑が耳に入りましたが、なんの感情も湧いてきません。
わたしはただただ文字を眺めていました。ふと視線を感じて見上げると、優子と視線がぶつかりました。
暗い穴のような目です。見ているけれど見ていない。心ここにあらずというか、
砕けてしまったというか。わたしも同じような目をしているのかな……。
急に虚しさに襲われました。なにかツキモノが落ちたように、優子への復讐心が消えていました。

これからどうなるんだろう……。考えてもわからないことは考えないようにしました。
思考停止と自暴自棄のセットは夏休みに入るとさらに拍車がかかりました。
七月の終わり頃生理がやってきて、ほっとすると同時に暗澹たる思いに囚われます。
ですが、なんとなく自分は妊娠しないような気がする……などと、根拠のない自信にしがみつき、
無理矢理不安を押し込めました。無茶苦茶もいいところです。幸い妊娠はしなかったので
それだけが救いでした。余談ですが、去年婦人科系の病気にかかった際、妊娠しにくい
体質だと告げられ、まったく根拠がないわけでもなかったんだなと思ったものです。

184:名無しさん@ピンキー
07/06/14 22:07:48 bbJBcMWV
ほぼ毎日セックスをしていました。場所は塚原の家がほとんどでしたが、
最初にレイプされた海岸に連れ出されたり、大型スーパーの駐車場の片隅に停めた
車の中でされたりもしました。わたしは男達に言われるがまま、体を提供していました。
悲しいことに、男達の要求に応えるのはさほど難しいことではありませんでした。
プライドなんてカケラも残っていません。完全に屈服、服従。まさに”性どれい”です。
自転車の乗り方を一度覚えると忘れないように、わたしの体はどうすれば快感を得られるのか
覚えていました。勃起したペニスを見るとうずきます。パブロフの犬状態で濡れてきます。
膣の中がいっぱいになると、意識しなくても体が自然と動きました。わたしはひたすら快楽を貪りました。

優子は一見従っているようで、芯の部分では屈しない強さを秘めていました。
ふとした時、暗い目の奥が怒りで燃え上がります。男達も敏感に敵意を嗅ぎ取るのでしょう。
優子への仕打ちは徐々にきつくなっていきました。反対にわたしに接する態度はゆるくなってきます。
ちょっと違うかもしれませんが、釣った魚にエサはやらない、といった感じでしょうか。
現に、呼び出される回数も減っていました。願ったり叶ったり。このまま飽きて放っておいて欲しい。
そう思う一方で、胸にぽっかり穴が空いたような気分でした。何事もなく二日、三日過ぎていくうちに
落ち着きがなくなってきました。イライラソワソワと明らかに情緒不安定です。もしかして……、セックス中毒? 
愕然としました。すぐさまその考えを蹴散らします。現実逃避ならお手のものでした。

185:名無しさん@ピンキー
07/06/14 22:13:41 bbJBcMWV
お盆休みに入った頃、唐突に終止符が打たれます。父の転勤が決まったんです。
よほど気の抜けた顔をしていたのか、母が心配そうな声をかけてきました。
「せっかく良い高校に入ったしねぇ。どうしても転校が嫌だったら単身赴任という手もあるけど……」
「え……あ、ううん。大丈夫。もちろん一緒について行くよ」
わたしの力強い返事に両親は安心した様子で、さっそく九月の新学期に合わせて
引越しの準備が急ピッチで進められました。その間にもちょこちょこ男達に抱かれていました。

わたしはこの悪夢から抜け出せるけど優子はこれからも生き地獄が続くんだなと思うと、
申し訳なさでいっぱいになりました。そうはいっても、もうじきいなくなることを誰にも話すつもりは
ありません。わたしはどこまでもずるい人間でした。本当に気がかりだったのはただ一つ、
ビデオテープに収められた猥褻な映像です。アレをなんとかしなくてはいけない。
初めこそ哀れな被害者として映っていますが、最近撮られたものはセックスに溺れる姿を
晒していました。淫乱娘の性的ビフォーアフターとタイトルがつけられそうなシロモノです。
その二本のテープを奪うチャンスはなかなか訪れず、焦りと不安で押しつぶされそうでした。
あんな……自分の淫乱ぶりを赤裸々に証明するようなモノを残してなんていけない。
アレがなくなれば……アレさえなければ……、わたしは新しく生まれ変われる―。
いつしかわたしはビデオを処分すればなにもかもなかったことにできる、と思い込むまでになっていました。

186:名無しさん@ピンキー
07/06/14 22:18:14 bbJBcMWV
そしてチャンスはやってきます。引越しを明日にひかえた夕方のことです。
いまだテープを手に入れることができず、こうなったらもう強奪するしかないと破れかぶれになったわたしは、
自転車に乗って家を出ました。真っ赤な太陽は半分ほど沈み、あたりをオレンジ色に染めています。
その中をひたいに汗をにじませて塚原の家に向かいます。公園に差しかかった時、
前方に見覚えのある後姿が目にとまりました。クロ丸を連れた優子です。間違いありません。
その前後を挟むように塚原とヒロが歩いていました。優子は男達に呼び出されると、
犬の散歩と偽り家を出てくることがありました。三人はわたしに気づかず公園に入っていきます。
わたしも経験があるのでピンときました。たぶん公園のトイレに連れ込まれるんだな、と。
コウとタケの姿が見当たりませんが塚原の部屋にいるとも思えません。
テープを盗み出すチャンス……一時間は大丈夫だろう。わたしは冷静に計算していました。

猛スピードで自転車を漕ぎ塚原の家に着くと、何食わぬ顔で敷地内に侵入しました。
外階段をすばやく駆け上り、カギのかかっていない部屋の中へ体を滑り込ませます。
知らない間に息を止めていたようで、深呼吸をすると悪臭が胸に広がりました。
閉め切った室内は蒸し暑く、よどんだ空気が充満していました。男達の汗や精液の臭いが
まとわりつき、クラクラしました。目眩とともに体の奥がじんと痺れます。
わたしは頭を振り、問題のテープを探しました。ビデオを管理していたヒロは几帳面な男で、
カズと印刷されたラベルが貼ってあるテープは簡単に見つかりました。念のため中身を確認します。
一本は虚ろな表情で悲壮感が漂うモノ。もう一本は我を忘れて肉欲にふける少女が映っていました。
背中は汗でびっしょりです。Tシャツが張り付いていました。本当に……これを処分すれば
生まれ変われるのかと、一抹の不安がよぎりましたがグズグズしてはいられません。
わたしはビデオテープをしっかりと抱えて、一目散にその場から立ち去りました。

187:名無しさん@ピンキー
07/06/14 22:22:30 bbJBcMWV
帰りのペダルは途方もなく重く、ちょっと休むだけ、と自分に言い聞かせて公園に立ち寄りました。
本心はあのあとの優子が気になっていたからです。明日からは無関係。見納めみたいな
気持ちがありました。寂しいような愉快なような……どう考えても悪趣味ですね。

導かれるように自然と足は公衆トイレに向かいます。陽は完全に落ちていましたが、
まだ暗くなりきっていません。ワオオォーン。紺色の空に吸い込まれていくような犬の遠吠えが
耳に届きました。クロ丸? あんなおとなしい犬が珍しい……。もの悲しい響きに胸騒ぎがしました。
ワォォン。また一吠え、トイレの裏の繁みから聞こえてきます。わたしは早足で近づき、
枝の隙間から向こう側をのぞき込みました。あっと声を出さなかったのが不思議なくらいです。
優子が下半身を脱いだ状態でうつ伏せに寝ていました。その上にクロ丸が乗っかっています。
じゃれているわけでないのは、緊迫した空気でわかりました。人と……、犬が、交わっていました。
もうなにが起きても驚かないと思っていましたが、フルスイングで殴られたような衝撃です。
ハァハァと人間の男と同じように荒い息を吐いて、クロ丸が腰を小刻みに揺らしています。
あ、ありえない……自分の目を疑いました。飼い犬に手を噛まれるどころか、ヤラれてしまうなんて!
し、信じられない……ヨロヨロと後ずさりします。もしかしたら悲鳴を上げていたかもしれません。
どこをどう走って家にたどり着いたのか、わたしは真っ暗な部屋でうずくまり、ぶるぶると震えていました。

一睡もせず朝を迎えました。引越し作業は慣れたもので、予定より早く新しい家に落ち着きました。
わたしは現実感がありません。昨日のことは、夢じゃないよね……。白い肌に重なる黒い獣毛。
獣姦―。驚愕の光景がこびりついて離れません。荷解きする手がたびたび止まりました。
そのうちひどい疲労感が全身を覆い、夕飯もそこそこに眠ってしましました。

188:名無しさん@ピンキー
07/06/14 22:26:59 bbJBcMWV
夜中、電話のベルで起こされます。優子の母親からでした。
優子が昨日から、正確には一昨日ということになりますが、犬の散歩に出たきり帰ってこない。
「か、和美ちゃん、優子からなにか聞いてないかしら? あの子の行きそうな場所、わかるかしら?」
と、取り乱した様子で矢継ぎ早に尋ねられました。新しい家の電話番号は、事情を説明して学校から
教えて貰ったと言っていました。仲がいいはずのわたしが転校することを、なぜ優子から知らされていないのかと
不審に思う余裕はないようでした。わたしも気が動転していたんでしょうね。とっさに浮かんだ秘密の場所を
ぽろりと洩らしていました。放課後、二人きりで過ごした砂浜。楽しかった場所から急転直下、
忌まわしい思い出がつまる最も行きたくない場所の一つ。あんなところに行くわけないと思いつつ、
イヤな予感を覚えながら道順を説明して電話を切りました。

昼前にまた電話がありました。依然として優子の姿は消えたままだけれど、
砂浜でクロ丸が死んでいるのを見つけた、と沈痛な声でした。頭部がぐちゃぐちゃで、
そばには血と動物の毛で汚れた大きな石が転がっていたそうです。
やったのは優子だ、と思いましたがそんなこと言えるはずありません。押し黙っていました。
あの日、同じ年頃の男の子と公園を歩いていたという近所の人の目撃情報があったらしく、
「優子は誰かと付き合っていたのかしら? 思い当たることがあったらなんでもいいから教えてちょうだい」
「わたし……知りません。見たことも聞いたこともありません」
懇願する優子の母親に、わたしは言葉少なに答えるのみです。嘘はついていません。
本当に彼氏のことは知りませんでしたから。でも考えて考えて。実は、思い当たることがないでもありませんでした。
あれほどいつも一緒にいたんだからなにかヘンだと思うことがあったはず、と慎重に記憶の糸をたどってみたんです。

189:名無しさん@ピンキー
07/06/14 22:32:56 bbJBcMWV
そして、優子がよく口にしていた異性の名前を思い出しました。
タカちゃん―。隆という名の実のお兄さんでした。灯台下暗しです。家に遊びに行った時、
一度だけ見たことがあります。背が高くて、やさしそうな感じの人でした。
正直言って、優子のお兄さんにしては普通だなと拍子抜けした覚えがあります。
『タカちゃんがね―』が口癖で、言い寄ってくる男の子には見向きもしない、優子は絵に描いたような
お兄ちゃん子でした。そんな優子がお兄さんのことを話さなくなったのに気づいたのは、中三の冬。
暮れも押し迫った頃です。でも、当時のわたしはそれを別段不思議には思っていませんでした。
優子に限らず、まわりの生徒も受験をひかえて口数が減っていましたから。
とりわけ優子の家は高校と大学のダブル受験だったので、大変なんだろうなと思っていました。
それにお兄さんは合格したら家を出て行ってしまうと聞いていたので複雑な心境なんだろうな、とも。
優子から話があるまではそっとしておくのが一番、とわたしは黙って見守っていました。
あの頃、二人の間になにかあったんでしょうか? もし仮に優子がお兄さんと関係を持っていたとしたら、
そう簡単に打ち明けられるものではないですよね。わたしが知らなかったのも腑に落ちます。

本当のところはどうだったのか、わたしにはわかりません。あくまで想像です。
安易に口にすべきことではなく、優子の母親から時々思い出したように電話がかかってきましたが、
話せませんでした。むろん、男達に陵辱されていたことも口が裂けても言うつもりはありません。
わたしは最後まで”知りません”を貫き通しました。母親からの電話は、わたしが高校を卒業する頃
ぱたりとなくなりました。家出する理由に心当たりはなく、警察に捜索願を出しているけれど梨のつぶて。
もし優子から連絡があったらすぐに知らせて欲しい、と疲れた声を聞いたのが最後です。

190:名無しさん@ピンキー
07/06/14 22:39:55 bbJBcMWV
ええ、そうですね。優子の失踪やクロ丸が惨殺されたことは男達の耳にすぐ入ったと思います。
原因が自分達にあることもすぐにわかったでしょう。わたしは男達の口からバレるんじゃないかと
恐れていました。特に口の軽いコウは、武勇伝のごとく自慢げに吹聴しまわりそうでしたから。
しばらくびくびくした毎日を過ごしていましたが、一年経ってもなにも起こりません。
余計なことをしゃべり警察沙汰になったらヤバイと考え、塚原あたりが口止めしたのかもしれない。
そうこうしているうちに男達の記憶も薄れ、どうでもよくなったのかも……。
わたしはそう思うことで、やっと少しだけ安心することができました。

優子ですか? わたしはどこかで生きていると思っています。どうして、と訊かれても困るんですが……。
可愛がっていた飼い犬を殺すほどの激しい感情、強いエネルギーを持っているのなら、
”生”に対する執着心も強いような気がするんです。もっとも、クロ丸を殺したのは優子だと
決めつけているのは間違いで、優子の両親が考えているように、なんらかの事件に巻き込まれた
可能性もあるでしょう。それでもやっぱり、優子が死んだというイメージはどうしても浮かびません。

191:名無しさん@ピンキー
07/06/14 22:45:52 bbJBcMWV
―これですべて、お話ししました。そろそろ帰らせてもらってもいいですか? わたし? 
ああ……ビデオテープ。処分すれば生まれ変われるだなんて、わたしも随分虫がいいこと考えてましたね。
なにもなかったことにするなんて、できるわけありません。あの夏、突然降りかかった悪夢の反動は、
じくじくとわたしを蝕んでいきました。何度も言うようですが、わたしは処女だったんです。
超がつくほど奥手の少女に、男達の行為は晴天の霹靂の連続でした。
中でも強烈な印象を残したのは、人間と動物の性交です。心に深い影を落としました。
わたしはいつの間にか人を見ると、モグラみたいな顔とか声まで豚そっくり、と動物にたとえるクセが
つくようになっていました。これだけ聞くと、別にどうってことのないお遊びみたいなものだと思うかもしれませんが、
切実でした。牛、馬、ヤギ……動物が頭に住み着いてわたしを悩ませます。どんな感じ? 犬のペニスって、と。

一度意識するともうダメでした。してはいけないことをするのって、どうしてあんなに魅力的なんでしょうね。
レイプによって男性恐怖症なり同性に走る場合があるようですが、わたしは対人恐怖症から動物に走りました。
知ってますか? 犬のペニスには亀頭球というコブみたいなものが根元にあるんです。
射精が始まると、そのコブが膨らんできて終わるまで抜けません。犬の射精は三十分以上は続きます。
至福の時です。大きさや長さは人間のものと比べても引けを取りません。大型犬なら、むしろ立派。
うっとりするほどきれいなルビー色……。ふふ、こんなことまで話すつもりはなかったんですけどね。
昔に比べると、強くなったというか図太くなったというか……。
ある意味、わたしは生まれ変わったと言えるのかもしれません。



(おわり)

192:名無しさん@ピンキー
07/06/14 22:47:47 bbJBcMWV
こんなに長いのを書いたのは初めてです。
ついでに言うとエロパロ板デビュー作。完結できてよかった。
最後までお付き合い、ありがとうございました。

193:名無しさん@ピンキー
07/06/14 22:52:57 K9SD3ZSl
リアルタイムキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
お疲れ様です
とても初めてとは思えないです(*´д`*)ハァハァゴチソウサマ

194:名無しさん@ピンキー
07/06/15 09:50:08 IR5xgbu2
長編書手からの続き・・・

195:名無しさん@ピンキー
07/06/15 17:37:36 kzFoS8+k
GJ!!長編お疲れさまでした
陰惨な最後だけど、エロさが失われてなくて読んでてゾクソクしました
しかし、優子…どうなっちゃったんでしょうか。気になります。


196:名無しさん@ピンキー
07/06/15 23:12:27 gJqWw6mD
GJGJ!!優子カムバァァックー!!!

優子のその後を期待してる!

197:名無しさん@ピンキー
07/06/29 15:27:45 uZBwx9ZJ
2週間ぶりカキコ・・・・・誰か書いて(´・ω・`)

198:名無しさん@ピンキー
07/07/01 03:52:27 e0uNlpqT
レナがあの義父との一発だけであんなにやさぐれるとは思えないんだ(´・ω・)
堕ちて行く様が見たいです(´・ω・)

199:名無しさん@ピンキー
07/07/04 01:40:29 H04bHYo6
ポケモンからです。
ヒカリが妊娠した。
「‥ごめん、ヒカリには酷い事をしたけど、ここまでする気は無かった」
「……今さら」
「流石に赤ちゃんいるのに酷い事は出来ないな。どうする?堕すか?」
「しばらく考えさせて…」
長い沈黙の末、ヒカリの出した答えは「産む」だった。
自分が酷い仕打ちを受けたからとはいえ、胎児には罪は無い。
せめて汚された自分にできる唯一の未来ある行動として選び出したのだと思う。
その日から陵辱は止み、軟禁こそ続いたがある程度解放された。
荒みきった心身も腹の子の成長と共に、だんだんと立ち直りを見せ、少しづつ笑顔が戻ってきた。
そして数ヶ月が過ぎ、ついに分娩される時がきた。

200:名無しさん@ピンキー
07/07/04 01:41:15 H04bHYo6
経緯も経緯で、まさか他人を呼ぶわけもいかないので、この時の為に独学だったが出産方法を試み、予想以上に難儀したが無事に赤ちゃんを取り上げることに成功した。
その喜びは意識が朦朧としていたヒカリにすら伝わっているのだと感じた。
‥なんて愛おしいのだろうか。
産まれたばかりの赤ん坊の眩い姿、そして幼い体でありながらも必死の思いで「母」となったヒカリ…。
俺は、うっすらと目を開いてかすかな笑みを見せたヒカリに言ってあげた。
「おめでとう」


201:名無しさん@ピンキー
07/07/04 01:42:46 H04bHYo6
分娩の時すら泣かなかったヒカリからポロポロと涙がこぼれ始めた。
「‥もうひどい事しちゃ駄目よ」
「…ヒカリ」
全てを赦そうとしてくれた彼女に俺が出来ることは…ただひとつしかない!
「ヒカリ!これを見て欲しい」
ヒカリは目にしたのは、男の予想外の行動だった。

202:名無しさん@ピンキー
07/07/04 01:43:31 H04bHYo6
今、産まれたばかりの赤ちゃん、新しく授かった生命の顔に、押し付けられたタバコが奇妙な匂いを醸し出していた。
そのまま、二本、三本と焼き付けられる赤子の声は甲高く泣け叫び、数十本の後はか細くなり、次第に止んだ。
衰弱して動けない体にも拘わらず、懸命に腕を伸ばし、絶叫するヒカリには、余りにも残酷な光景だった。
まさに命を振り絞らん限りの抵抗をした代償だったのだろう。痙攣を起こした。
口から泡を出し、ヒューヒューと全身で息をしているヒカリに声をかけてやる。
「この子のせいで、ヒカリちゃんと遊べなかったんだー」
「でも、これで邪魔者もいなくなったし、再開できるね」
ヒカリの衣服を剥ぎ取り、痛々しいままの子宮口に精子が再び注ぎ込まれた。
最早、泣き叫ぶことはおろか、指一本すら微動だにしない彼女の耳元でこう囁く。
「‥また赤ちゃんできても、ダイジョーブ!」
(完)

203:名無しさん@ピンキー
07/07/04 23:14:45 5uPmjzZ1
  _,._
(;゚ Д゚)?!

204:名無しさん@ピンキー
07/07/07 16:55:07 DMwL35I9
ほしゅ

205: ◆s1bInEwP0.
07/07/13 16:24:39 YNcs4bdS
テスト&保守

206:名無しさん@ピンキー
07/07/20 09:39:00 QUG7hF+V
(´・ω・`)

207:名無しさん@ピンキー
07/07/26 22:59:27 vuYVe0sW
かわいそう

208:名無しさん@ピンキー
07/07/28 22:43:42 H1o/blrY
ニャ━━ヽ(゚∀゚)ノ━━ン!!

209:名無しさん@ピンキー
07/07/31 17:50:45 W+3u2VGP
(つд⊂)エーン

210:名無しさん@ピンキー
07/08/02 16:08:58 N4kSXGUx
(つд・∩) チラッ

211:名無しさん@ピンキー
07/08/04 17:16:03 4s6LFPpW
過疎

212:消せない悲鳴Ⅱ  ◆CSwCzse3V2
07/08/05 13:03:01 EpwJFHV9
随分間が開きましたが、>>120-126の続きです。

213:消せない悲鳴Ⅱ  ◆CSwCzse3V2
07/08/05 13:03:45 EpwJFHV9

 胎内からゆっくりと汚らしいものが引き抜かれる。
 自分を汚した憎むべき生殖器官を、レナは呆然と見つめていた。股間には、まだ鈍い痛みが残っ
ている。
 純潔を奪われた、哀しい痛み。
 その痛みがこれは夢ではないのだと─悪夢のごとき現実なのだと知らせている。
(あたしは……汚された)
 虚脱感とともに義父の川瀬を見上げる。
 卑劣な男の口元には下卑た笑みが浮かんでいた。義理の娘を犯したという背徳感や罪悪感など全
くないのだろう。
 そこに浮かんでいるのは、下劣な征服感だけだった。
「じゃあな。美津子にもよろしく言っておけよ。一年間世話になったお礼に、てめえの娘を女にし
てやったんだ。感謝しろよ、ってな」
 カチャカチャとズボンを履きなおし、義父が去っていく。
 レナは服を着なおすこともできず、死んだように横たわっていた。青ざめた頬に、涙の跡が残っ
ている。
「あはははは……ははは……は……」
 レナは、虚ろな瞳で天井を見つめる。乾いた笑い声だけが、部屋の中にいつまでも響いていた。
 ショーツを履いていないため、スカートの下から外気が吹き込んでくる。押し開かれた膣孔に、
冷やりとした感触があった。
 どのくらいの時間、そうしていただろうか。
 レナは弱々しく立ち上がり、風呂場に向かった。
 あの男に汚された場所を洗い流したかった。
「うっ……」
 歩くたびに、股間に鈍い痛みが響く。未成熟な割れ目の奥にあの男の感触が残っているようで、
レナは激しく顔をしかめる。
 脱衣所で制服を脱ぎ捨てると、上着もスカートもシワができていることに気づき、ため息をつい
た。
 浴室に入り、熱いシャワーを体に浴びせた。白い裸身を温かい湯が伝っていく。
 震える手で乳房をさすり、股間に手を這わせる。
「くっ……」
 ふたたび鈍痛が走り、レナはきつく目を閉じた。
 太ももを血と精液が伝い落ちていく。
 見ると、体中に痣が残っていた。義父に犯されたとき、乱暴につかまれた跡が赤くなっていた。
赤黒く内出血した部分もある。
「あたしの、体……こんなに……」
 レナは、その場にうずくまって嗚咽を漏らした。膝を曲げて、両腕で抱え込むようにする。全身
を丸め、声を殺して泣き続ける。
 勢いよく噴き出るシャワーの音を聞きながら、レナはいつまでもそうしていた。


214:消せない悲鳴Ⅱ  ◆CSwCzse3V2
07/08/05 13:04:45 EpwJFHV9

 義父が去っても、母は冷静だった。
 いずれこうなることを悟っていたのだろうか。
「今日から三枝の苗字に戻るからね」
 そう言われて、レナは小さくうなずくだけだった。
『川瀬』というあの男と同じ姓は名乗りたくなかった。
 両親が離婚した後も、当然ながら学校生活は続く。
 次の日、教室に行くと、クラスメートが遠巻きにレナを見つめていた。
 まるで腫れ物にでも触れるかのような視線。
 レナを哀れむ視線。
 たまらなく居心地が悪かった。
 そんな中で、美紅だけが普通に接してくれた。
「おはよう、レナ」
 いつもどおりに挨拶をしてくれた美紅に、しかし、レナは静かに背を向けてしまう。
 美紅とは親友といっていい間柄だ。それでも今は、とても朗らかに話せる気分ではなかった。
「どうかしたの?」
 美紅が訝しげにたずねる。
 レナはそっけなく顔を背けた、
 視線を合わせることすら苦痛だった。
「……べつに」
「色々大変だとは思うけど」
 美紅が同情的なまなざしを向ける。
 母と義父の離婚のことを指しているのだろうが、レナにとって離婚のことなどどうでもよかった。
 ただ義父に犯され、処女を汚された悪夢だけが心を苛んでいた。
「ごめん、今は……話したくないの」
 レナが小さく呻いた。
 さすがに彼女の心境を察したのか、美紅が背を向ける。
(どうして、あたしだけがこんな目に……)
 レナは唇をかみ締めた。
 楽しかった学校生活さえも、灰色に染まって見える。
 たった一夜の悪夢が、レナの心を壊してしまった。
(どうして─)


215:消せない悲鳴Ⅱ  ◆CSwCzse3V2
07/08/05 13:05:36 EpwJFHV9

 学校が終わり、レナはひとり帰宅の途についていた。うつむき加減に地面を見つめ、何を考える
でもなく虚ろに歩いている。
 と─
 前方にある電柱の影から、ずんぐりとしたシルエットが現れた。
「あなたは……」
 レナは思わず顔を上げた。
 体が、半ば無意識に震えだす。恐怖で膝が笑っていた。
「久しぶりだな」
 男─義父の川瀬が笑う。
 いや、正確にはもう義父ではない。母と川瀬はすでに離婚したのだから。
 今、目の前にいるのは赤の他人だ。
「な、何の用よ」
 レナの表情が険しく寄った。
「あたしたち家族とあなたは、もうなんの関係もないはずでしょう」
「おいおいおい、『何の関係もない』かよ。冷たい娘だな」
 川瀬が肩をすくめた。
 よれよれの衣服を着ているところを見ると、就職もせずにブラブラとしているのだろうか。
「離婚しようがしまいが、俺とお前は他人じゃねえだろ。お前を女にしてやったのは誰だと思って
るんだよ」
「っ……!」
 川瀬がレナの腕をつかむ。
 強引に近くの公園へ引っ張り込んだ。
「騒ぐなよ」
 ぎらついた眼光に囚われ、動けなくなる。
 心の中がドス黒く染まっていくようだった。
 蛇ににらまれたカエルのような気持ちだった。
 動けない。
 恐怖と絶望が体中を締め付ける。
「い、嫌よ、あたしはもう─」
 レナの言葉はそれ以上続かなかった。
 川瀬に肩を抱かれ、公園の中にある公衆トイレに連れ込まれる。
「嫌なの……これ以上は……」
 弱々しいつぶやき。
 ─抵抗することも、助けを叫ぶ気力も沸いてこなかった。
 トイレの中には誰もいない。公衆トイレ独特の、饐えた匂いが鼻をついた。
 男子トイレの個室に押し込まれると、川瀬がのしかかってきた。
「今さら『嫌』ってことはないだろ。お前はもう、俺に処女を奪われちまってるんだぜ」
 義父だった男の言葉に表情が凍りつく。
「守るものなんて何もないだろ」
「う……ぐっ」
 血がにじむほど強く、唇をかみ締める。


216:消せない悲鳴Ⅱ  ◆CSwCzse3V2
07/08/05 13:06:20 EpwJFHV9

 心の中に静かな諦念が広がっていく。
 レナが処女でなくなった事実は変わらない。純潔だったころには、もう二度と戻れない。
 以前とは違う体にされてしまった。
 この卑劣な男によって─
 川瀬がレナの体を持ち上げ、洋式便座の上におろす。太ももを掴まれ、大きく押し広げられた。
 制服のスカートがめくれて下着が丸見えになる。
「こんな邪魔なもの取っちまえよ」
 川瀬が息を荒げた。興奮で頬が紅潮している。ショーツの縁をつかみ、破り去るような勢いで脱
がせてしまう。
「やめて……お願い」
 レナは弱々しく懇願した。か細い肩が震えて止まらなかった。
 大声で悲鳴を上げれば、誰かが助けに来てくれるかもしれない。
 そう思いながらも、声が出なかった。
 声を出そうにも、唇から漏れるのは、しゅう、というかすかな呼気だけだ。
 やがて……ショーツが汚い床の上に落ちる。
 処女を失ったばかりの秘唇が、男の目の前であらわになった。初々しいピンク色の花びらがひっ
そりと閉じている。股間の辺りは、汗ばんでかすかに濡れ光っていた。
 恥毛もまだ生えそろっていない、未成熟な性器。
 川瀬はズボンと下着を下ろして、己の分身を引き出した。赤黒い切っ先が先走りの液でヌラヌラ
とぬめっている。
 堅いモノが中心部にあてがわれた。
 ぬちゃ、と粘膜同士が接触する湿った音がする。
「そうら、入るぞ」
 ぐい、と熱い感触が押し入ってきた。
「ああああっ!」
 レナは天を仰いで絶叫する。
 開通したばかりの膣孔を野太い屹立が通過していく。
 根元まで貫かれると、川瀬は性急に動き始めた。ぐちゅ、ぐちゅ、と湿った音が下腹部で鳴っている。
「まだキツキツじゃねえか、へへへ」
「うう……痛い」
 レナは顔をしかめて呻いた。力強いピストンに合わせて、セミロングの髪の毛が哀しげに揺れる。
 気持ちよくも何ともなかった。
 ただ不快感と、そして屈辱感だけが少女の心を支配していた。
 川瀬が制服の上着越しに乳房を鷲づかみにした。まだ硬い芯を残したバストを、五指全体で揉み
しだいていく。
「オッパイもまだこんなに小さいんだな」
 川瀬が興奮したように息を荒げた。上体を倒し、レナの首筋に舌を這わせた。
 ぞろり、とした感触が気持ち悪い。
(どうして、あたしだけが、こんな……)
 レナは堅く目を閉じた。
 おぞましい光景を視界に写さぬように。


217:消せない悲鳴Ⅱ  ◆CSwCzse3V2
07/08/05 13:07:06 EpwJFHV9

 全てが呪わしかった。
 自分を貪る義父の存在も。
 こんな男を選んだ母の存在も。
 そして、安穏と暮らしている全ての人間が─
「そろそろ、出そうだぜ」
 川瀬の呼吸が切迫したものへと変化する。同時に腰のピッチが早まってきた。
 未成熟な子宮ごと突き上げるように、奥まで叩き込んでくる。義父だった男はレナの細腰をつか
み、脈打つ肉茎を最奥まで埋め込んだ。
「うう、出るっ!」
 どく、どく、と少女の膣に熱いものを注ぎ込んだ。
「あ、中に……!」
 レナは、形の良い眉をかすかにしかめる。
 川瀬は腰の動きを制止させ、最後の一滴まで少女の胎内に射精していた。ザーメンを出し切ると、
それで満足したのか、ゆっくりと体を離す。
「へへへ、よかったぜ、レナ。さすが俺の娘だな」
「くっ……!」
 レナはうつむいたまま肩を震わせた。
 便座に座ったまま、立ち上がる気力もない。嬉しそうにトイレの個室から出ていく男と、視線を
合わせることもしなかった。
 やっと終わった……ただその事実に安堵し、同時に、何もできなかったという屈辱を噛み締める
だけだった。


 ─生理が止まったことに気づいたのは、それから二ヶ月近く経った後のことだった。



                   【消せない悲鳴Ⅱ/終わり】


218:名無しさん@ピンキー
07/08/06 17:42:15 dDijher7
投下されてから24時間たってもレスなしって…
続きってありますか?

219:名無しさん@ピンキー
07/08/06 22:51:33 QVsMDv2G
「節子はかわええなぁ」
「あっ」
「アカン!兄ちゃんもうイキそうや」
「アカン!アカン!にいちゃん、いかんといて!」
「節子~!節子~!うっ…!」
「ああああああ!」
「ハァハァ‥、節子が気持ちええから、兄ちゃん、イッてもうた」
「にいちゃん‥、おおきに…

220:名無しさん@ピンキー
07/08/09 12:09:42 igmTSSmi
もう素直にレイプスレと合流しようぜ
レベルも内容もあっちと大して変わらん

221:名無しさん@ピンキー
07/08/11 20:49:15 oRz85EVu
住人いねえな……

222:名無しさん@ピンキー
07/08/11 22:03:28 oXsVEywe
うわあああああ
レナ来てた━⊂⌒~⊃。Д。)⊃━⊂⌒O。Д。)⊃━O(。Д。)O━⊂(。Д。O⌒⊃━⊂(。Д。⊂~⌒⊃━!!!
ご馳走様です!

223:消せない悲鳴Ⅲ  ◆CSwCzse3V2
07/08/19 11:05:29 yVYWDpf6
>>213-217の続きを投下します。

224:消せない悲鳴Ⅲ  ◆CSwCzse3V2
07/08/19 11:06:10 yVYWDpf6

 初春─
 中学を卒業したレナは、名門女子高校・白天(はくてん)女学院に入学した。
(おかしい……生理が来てない)
 異変に気づいたのは、義父に犯されてから二ヶ月近く経ったころだった。
 レナが義父の川瀬にレイプされたのは二度。いずれも避妊せず、膣内に直接射精されていた。
(まさか、妊娠したんじゃ……)
 考えれば考えるほど、不安な気持ちが膨れ上がる。
 おかげで日々の授業にも集中できず、成績は下がる一方だった。中学では秀才だったレナだが、
名門の白天女学院は周囲も皆、秀才だ。
 少し気を抜けば、成績などすぐに下降していく。
 このままではいけない。
 確かめなければ─
 意を決して、レナは妊娠検査薬を薬局で購入したのだった。
 そして。
 検査結果がレナを絶望させる。
 検査用のスティックに現れた、真っ赤な印に。
 陽性反応。
 初めて義父に犯されたときか、その後トイレで犯されたときか、いずれかのレイプで身籠ってし
まったのだ。
 望まぬ子供を─高校生になったばかりの少女が。
 目の前が暗く染まっていくような感覚だった。
 足元がふらふらとして、落ち着かない。
 自分の身に起きたことが現実として認識できなかった。
「悪い夢よ」
 レナは虚ろな口調でつぶやいた。
 これは夢。
 夢の続きを見ているだけ。
 これは悪夢。
 悪い夢にうなされているだけ。
 目を覚ませば、きっと今までどおりの日常が現れる。
 高校に入って気分一新し、新しい友達もきっとできる。
 楽しい学園生活が、あたしを待っている。
 そう思い込もうとして─
 しかし、目の前にある妊娠検査薬が、その考えを否定した。自分の人生が取り返しの付かない横
道に逸れてしまったのだ、と悟らせる。


225:消せない悲鳴Ⅲ  ◆CSwCzse3V2
07/08/19 11:06:42 yVYWDpf6

「ど、どういうことよ、レナ」
 母親の反応は、レナの想像以上に激しいものだった。
「子供ができたって……あんた、一体何やってるの!」
 レナはうつむいたまま言葉を継げない。握り締めた拳を震わせ、肩を落とす。
「父親は誰?」
 母の美津子が詰め寄る。
「それは……その……」
「誰なの!? 答えなさい!」
 口ごもるレナをなおも追求する。
 レナは、鬼の形相の母から目をそらした。
「レナ!」
 頬に熱い衝撃が走る。
 呆然と美津子を見つめた。
 母に平手打ちされたのだ、と気づく。
 父と離婚したときでさえ表情を崩さなかった母が、泣いていた。
 目に涙を溜めて愛娘を見据えている。
 レナの胸に絶望が広がっていく。
「お腹の子供は……」
 ゆっくりと口を開いた。
 目の前の景色がぐらぐらと揺れている。
 吐きそうだった。
 気持ちが悪くて、胃の内容物をすべてぶちまけてしまいそうだ。
「あいつの……」
 声がかすれる。
 言葉が喉の奥に引っかかって、中々出てこない。
「川瀬の子供なの」
 瞬間、母の表情が凍りついた。
 静寂が部屋の中を支配した。
 母と娘の視線がぶつかり、絡み合う。
 美津子は呆然と瞳を見開いていた。口をだらしなく開けて、最愛の娘を見つめる。
 間抜けな表情だな、とレナは妙に場違いな感想を抱いた。
「今……なんて?」
「あいつにレイプされたんだよ、あたし」
 レナは、いつの間にか笑っていた。
 乾いた笑みだった。
 自分自身の運命に対して嘲笑していた。
「全部、お母さんのせいだよ! あんな男を連れてくるから、あたしは汚されたんだ」
 八つ当たりだと分かっていた。
 だが心の奥から迸る叫びを止められない。
 母の顔が苦痛を受けたように歪んだ。
 自分の言葉が母を傷つけている。
 分かっていても、レナは叫ぶことを止められなかった。
 あらん限りの言葉で母を罵倒し、母を罵倒し、母を罵倒した。


226:消せない悲鳴Ⅲ  ◆CSwCzse3V2
07/08/19 11:07:33 yVYWDpf6

 全ての責任は母にあるのだ、と罵り続けた。
「レナ、あんた─」
 美津子はそれ以上何も言わず、レナの罵詈雑言を受け止めている。
「返して! あたしの幸せを返してよ」
 後は言葉にならなかった。
 その場に崩れ落ち、慟哭する。
 母がレナを抱き締める。
 暖かな腕の中で、レナはいつまでも慟哭を続けた。
 いつまでも、いつまでも。


        *


 お腹の子供は堕胎することになった。さすがに高校一年生で未婚の母になるわけにはいかない。
 一週間後に手術を控え、レナは検査のため産婦人科に来院していた。
 この産婦人科に来るのは、今日で二度目だ。
 待合室は割合広く、数人の女性が待っていた。レナは、周囲の目が気になって仕方がなかった。
 他の患者はほとんどが二十代から三十代で、幸せそうな顔をしている。愛する夫との子供を授か
ったのだ、それは幸せだろう。
(それに比べてあたしは─)
 レナが沈んだ気持ちでうなだれる。
 愛してもいない……それどころか憎んでさえいる男の子供を身籠り、そして堕胎しなければなら
ない。
 なぜ自分だけがこんな目に遭うのだろう。
 何も悪いことをしていないのに。
 ただ八つ当たりのような理由で義父に犯され、性欲を満たすためだけに精液を注ぎ込まれ、そし
て望んでもいない子供を妊娠した。
 レナは顔を両手で覆った。
 気持ちの整理をつけたつもりでも、涙が後から後からあふれてくる。


227:消せない悲鳴Ⅲ  ◆CSwCzse3V2
07/08/19 11:08:08 yVYWDpf6

「三枝レナさん」
 受付で名前を呼ばれ、席を立つ。
 周囲の視線が肌に痛い。


 ─まだ高校生くらいよね。
 ─何があったのかしら。
 ─遊び歩いているんじゃない?
 ─避妊に失敗したってことかしら。


 好奇の視線がそう告げている気がした。
 違う、と叫びたかった。
 あたしは何も悪くない。
 あたしは被害者なのに、と。
 この場にいる全員に叫びたかった。
 レナは大きく息を吐き出すと、診察室に向かう。
 ─さらなる悲劇が、己の身に待ち受けていることも知らずに。




                   【消せない悲鳴Ⅲ/終わり】


228:名無しさん@ピンキー
07/08/19 22:21:34 2AB2QD9P
レナキタキタキタ━━━(゚∀゚≡゚∀゚)━━━!!!!
ヤンキー化あと一歩!
さらなる続きに期待します

229:名無しさん@ピンキー
07/08/22 11:23:08 AlvVFPz1
あうあう
この上まだ何かあるのか(*´д`*)ハァハァ

230:名無しさん@ピンキー
07/08/25 22:33:58 HPQ2ivY3
hosyu

231:名無しさん@ピンキー
07/08/25 23:21:03 vGGUC45F
良作が多くて見ごたえのあるスレだ

232:消せない悲鳴Ⅳ  ◆CSwCzse3V2
07/08/26 00:09:38 GbyCCcms
>>224-227の続きを投下します。

233:消せない悲鳴Ⅳ  ◆CSwCzse3V2
07/08/26 00:10:20 GbyCCcms

 堕胎手術は来週の金曜日に行わることになった。学校には、病気だということにしてしばらく休
学届けを出す予定だ。
 大股開きになり、性器を覗き込まれての診察は、年頃の少女にとって屈辱以外の何物でもない。
だが堕胎手術をしてくれるなら、どんなことにも耐えられた。レナのお腹の中にいる赤ん坊は、素
晴らしい愛の結晶などではないのだから。
 美少女の子宮に宿っているのは─忌まわしい『異物』に過ぎなかった。
「早く、これ……取り除いてください」
 診察前、レナは虚ろな顔で医師にそう告げ、医師は驚いた顔をしたものだ。
 診察を終え、産婦人科を出ると、ちょうど一人の少女が病院の前を通りかかるところだった。
 瞬間、レナの表情がこわばった。
「月白……さん」
 レナと同じ、漆黒の制服姿。明るい栗色の髪をミディアムヘアにまとめている。ぱっちりとした
瞳が特徴的な、可愛らしい少女だった。
「三枝さん?」
 同じクラスの月白瑞希(つきしろ・みずき)だ。
 レナや瑞希の通う白天女学院は、お嬢様学校だと言われている。が、実際にはレナのように中流
の家庭から通う女生徒も大勢いる。
 しかし瑞希は違った。彼女は正真正銘のお嬢様なのだ。クラスでは学級委員に選ばれ、教師から
の信頼も厚い。
 恵まれた生活に恵まれた容姿─
 全身から『汚れを知らない深窓の令嬢』の雰囲気を漂わせている。


 あたしとは、違う。


 レナは唇を噛み締めた。
 瑞希と向き合っているだけで、劣等感を激しく刺激される。まして、こんな場面で出会うとなお
さらのこと強く感じる。
 かたや、何一つ不自由せず幸せに暮らす令嬢。
 かたや、義父に犯され望まぬ子を妊娠した少女。
 どうして、こんなに差があるんだろう?
 レナは歯噛みする。
 なぜ自分だけがこんな目に遭い、なぜ彼女は全てにおいて恵まれているのだろう。
 別に瑞希がレナに何かをしたわけではない。瑞希に罪があるわけではない。
 理屈では分かっているのだ。だがこうして向き合うと、ドス黒い気持ちがマグマのように吹き上
がるのを感じる。
「どうして、産婦人科なんかに─」
 瑞希は言いかけて、ハッとした顔で言葉を飲み込む。
「ごめんなさい。聞いてはいけないことよね」
 その目に浮かぶのは、明らかな同情だった。


234:消せない悲鳴Ⅳ  ◆CSwCzse3V2
07/08/26 00:12:15 GbyCCcms

 瞬間、レナの中で何かが折れる。
 見下された。
 屈辱が、心の中にドス黒い衝動を沸き立たせる。
「大丈夫よ、あたし、誰にも言わないから」
 瑞希が言った。
「心配しないで」
 いたわるような彼女の顔には、やはり同情の色が浮かんでいる。
 レナを『可哀想な少女』として、一段下に見ているのだ。
「誰にも言わない、か」
 レナがつぶやく。
 ゾッとするほど暗く、低い声で。
「当たり前よ。言わせないんだから─」
(あたしを、見下すな)
 心の中にドス黒い思念が湧き上がる。
 凶暴な意志が。
 何もかもを踏みにじれ、とレナを急きたてる。
 理不尽に犯され、大切な純潔を汚されたあの日から─
 レナの中で闇が荒れ狂っていた。
 ムシャクシャしていた。
 相手は誰でもよかった。
 ただ何もかもをメチャクチャにしてやりたかった。
 理不尽な凌辱と、妊娠が、まっすぐだった心の中の何かを壊してしまっていた。
(あんたにも同じ思いを味わわせてやる)
 苦い想いを呻き、虚空を斜めに見据え、レナはゆっくりと歩き出す。
 次なる悲劇の、幕が上がる。


235:消せない悲鳴Ⅳ  ◆CSwCzse3V2
07/08/26 00:12:51 GbyCCcms

 薄暗い校舎裏で、レナは一人の少年と向かい合っていた。白天女学院からそのまま駆けつけたた
め、レナは黒い制服姿だ。
「ひさしぶり、竜崎」
 目の前の少年……竜崎豪(りゅうざき・ごう)は中学時代のクラスメートだった。
 とはいっても、実際に同じクラスで過ごしたのは半年ほどだった。彼は中学時代のある時期から
突然荒れ始め、不登校気味になった。荒れる前の彼と、レナはそれなりに仲がよかったが、不登校
になってからはほとんど交流がなかった。彼が更級中学に来なくなるまでは、最も仲の良かった女
子生徒がレナだと言えるかもしれない。
「なんだよ、こんなところまで来て」
 竜崎が不審げな視線を向けた。何人もの取り巻きを連れ、筋肉質な体を揺すっている。
「トーゼン、久しぶりに会いたくなった、なんて理由じゃねーだろ」
「メチャクチャにしてほしい子がいるの」
 レナは単刀直入に切り出した。
「あたしと同じ学校に通う、お嬢様よ。名前は月白瑞希」
 緊張のせいか、つい早口になってしまう。
 瑞希を襲ってほしい─無論、襲うというのは単なる暴行ではない。集団でのレイプを指し示し
ている。
 レナが味わったのと同じ苦しみを、あの少女にも味わわせてやりたい。レナが受けた理不尽な苦
痛をあの少女にも思い知らせてやりたい。
 自分に向けた同情の視線を、真っ黒に塗りつぶしてやりたい。
 わざわざ竜崎の通う高校までやって来たのは、それが理由だった。他にこんなことを頼めそうな
人間が思い浮かばなかったのだ。
「なに?」
 竜崎がレナをにらむ。
 鋭い眼光に気持ちがひるんだ。
 膝が、ガクガクと笑っている。自分にこんなことができるとは意外だった。
 だが一度噴き上がった怒りは、燃え盛るばかりだ。消すことはできなかった。
 瑞希を、自分と同じように汚し尽くすまでは。
「いきなり何言い出すんだ、こいつ」
「白天女学院っていや、名門のお嬢様学校だろ。それをなんで─」
「お嬢様には、お嬢様の事情があるってか?」
(あたしは、別にお嬢様じゃない)
 レナがうつむく。
「女は怖いねぇ」
 取り巻きが揶揄した。
 ─あんたたちに何が分かるの。
 レナは、叫びだしたい気持ちだった。
 無理やり犯され、妊娠してしまった体。もう元には戻れない体。
「まあ、面白そうだよな」
 竜崎がうなった。荒んだ目つきだった。
 レナの口元に笑みが浮かんだ。
 彼に期待したのは、まさにこの反応だ。


236:消せない悲鳴Ⅳ  ◆CSwCzse3V2
07/08/26 00:13:36 GbyCCcms

「けど、ただで働けなんていわないよな、三枝」
 竜崎がゆらり、と立ち上がった。
 立ち上がると、体格の良さがはっきりと分かる。身長はすでに百八十センチを優に超えているだ
ろう。一流の格闘家を思わせる太い腕に厚い胸板。
「ど、どういう意味よ……?」
「俺らにも見返りはあるんだよな、トーゼン」
「見返り……?」
 場を包む異様な雰囲気に圧され、レナは後退した。


 ─どん。


 背中が、誰かにぶつかった。視界に飛び込んできたのは、ニヤニヤと笑う取り巻きの顔、顔、顔
……いつの間にか取り囲まれている。
「ヤッちゃっていいんすか、竜崎さん」
 取り巻きたちが舌なめずりをした。
「中学のときから、一度ヤッてみたいと思ってたんだよ、三枝。お前のほうからノコノコ飛び込ん
できてくれるとはな」
 竜崎もまた涎を垂らさんばかりの顔でレナを見据えている。
「トーゼン、俺が最初だ。その後は、お前らにも味見させてやる」
 取り巻きたちに宣言し、太い腕を伸ばしてきた。
 レナは慌てて身を翻す。
「くっ……!」
 だが退路はすでに断たれていた。人垣に囲まれ、どこにも逃げ場がない。
「逃げられねーよ、三枝」
 笑いながら、元クラスメートの不良が近づいてくる。
 布の裂ける音が校舎裏に響き渡る。
 露出する白い肌。
 揺れる瑞々しい乳房。
 怯えたように震える赤い乳首。
 野太い体がのしかかってきた瞬間、レナは悲鳴を上げた。
「いい声で鳴くじゃねーか、三枝」
 竜崎が獰猛に吼えた。
 ゴツゴツとした手が、レナの体を這い回る。
 丸みを帯びたバストを鷲づかみにされ、乳首を強く吸われた。
「んっ……!」
 強引な愛撫に、レナは苦鳴を漏らした。
 気持ちよさなどまるで感じない。義父にレイプされたときと全く同じだ。
 ただ痛いだけの、貪るだけの愛撫。
 セックスとはこんなにも醜いものなのか、と吐きそうな気分だった。


237:消せない悲鳴Ⅳ  ◆CSwCzse3V2
07/08/26 00:15:12 GbyCCcms

 竜崎は上体を倒し、レナの両乳房を執拗に揉んでいた。白い双丘が少年の手の中で淫靡に形を変
え、ぐにゃりと変形する。乳首を指でコリコリと弄ばれると次第に尖ってきた。
「乳首が勃ってきたぜ。へへ、犯されながらヨガってんのかよ」
 竜崎が笑う。
「ち、違う……そんな風に弄られたら、勝手に堅くなっちゃうのよ……!」
 レナは思わず抗弁した。
「感じてなんか、いない」
 レイプされて快楽を覚えるなどありえない。
 レイプ以外のセックスを体験したことがないレナは、何度も何度も抗弁した。
 そうでなければ、自尊心が根底から崩れてしまいそうだ。
「へっ」
 竜崎はどうでもいい、という風に鼻を鳴らす。
「そろそろ、入れてやる。オラ、股開けよ」
 強引に脚を開かされた。
 竜崎の力は、まるで万力のようだった。力比べではどうにもならない。抵抗するだけ無駄だった。
 レナは諦めきって両脚の力を抜く。
 裸にされた上半身と違い、下半身の衣類には手をつけられていない。
 制服のスカートをたくし上げられ、ショーツも無理やり脱がされた。処女同然に、ひっそりと閉
じた性器が、竜崎の眼下に露出する。
「綺麗なピンク色だな。お前、処女なのか」
「……あたしは」
 レナの言葉が途切れた。
 その反応を勘違いしたのだろう、竜崎が嬉しそうに体を揺する。
「そうかよ、俺が初めての相手になるわけだ」
 少女の花弁を左右に割り開き、堅いモノが侵入してきた。膣内の粘膜をこそぎ落とすような、強
引なインサートだった。
「あああああああっ!」
 胎内の奥深くまで押し込まれると、レナの絶叫が校舎裏に響き渡った。


                   【消せない悲鳴Ⅳ/終わり】


238:名無しさん@ピンキー
07/08/26 09:49:24 YBo/nVxz
GJ!
いよいよ深みにはまってきましたな。続きに期待です

239:名無しさん@ピンキー
07/08/26 14:32:58 mFkOvPjl
>>237
超GJ!
瑞希の陵辱も楽しみにしています

240:名無しさん@ピンキー
07/08/29 23:27:59 5IhChbzG
ほしゅ

241:消せない悲鳴Ⅴ  ◆CSwCzse3V2
07/08/30 21:46:49 Xomxyuq9
>>233-237の続きを投下します。

242:消せない悲鳴Ⅴ  ◆CSwCzse3V2
07/08/30 21:48:44 Xomxyuq9

 好きでも何でもない少年の性器が、奥の奥まで挿入されている。
 大勢の取り巻きに環視された中でのレイプ。レナは押し倒されたまま、屈辱感で身を震わせてい
た。
「おいおい、奥まであっさり入っちまったぜ。お前、処女じゃなかったのか」
 竜崎ががっかりしたように顔をしかめた。
「清純そうに見えるけど、意外にヤリマンだな」
「なっ……違……!」
 屈辱的な言葉に、レナの頬が赤く染まった。
 好きでセックスを経験したわけではない。
 力ずくで犯されたのだ。そうでなければ、今でもレナは清らかなバージンのままでいられたはず
だった。
「まあ、いいか。とりあえず味見させてもらうぜ、そらっ」
 竜崎が腰をしならせ、抽送を始めた。叩きつけるようなピストンにレナの体が揺らされる。
「あっ……くっ!」
 ロクに濡れてもいない性器を激しく突かれ、苦痛の呻きを上げた。
「も、もっとゆっくり……あぐっ」
「なんだ、痛いのかよ」
 竜崎は舌打ち交じりにピストンを緩める。ゆっくりとした往復運動に切り替え、レナの乳房をふ
たたび鷲づかみにした。
 双丘をぐっと掴み、腰を前後に揺らす。
 ぐちゅ、ぐちゅ、と湿った音が響いた。間断なく刺激を受けているうちに、女体の防衛本能から
か、少しずつ内部が濡れてきたのだ。
 竜崎は自分勝手に腰を振り続け、やがて一人で達してしまった。
「うう、出るぞ!」
 顔をしかめて腰を小刻みに揺する。奥まで突き刺さったペニスが、レナの膣内に大量のスペルマ
を吐き出した。
 どく、どく、と熱いものが胎内を満たしていく。
「ああ……」
 レナは大きくため息をついた。
「ごちそうさん。よーし、お前ら、こいつを好きにしていいぞ」
 竜崎が体を離したとたん、取り巻き立ちがいっせいに近づいてきた。
(来ないで─)
 これ以上、犯されたくない。
 レナは必死で首を左右に振った。
 だが、犯された直後で体に力が入らない。いや、仮に逃げようとしても逃げ道を完全に遮断され
いる以上、どうしようもないが。
 最も手近にいた三人が、三方からレナを取り囲んだ。
「そ、そんな三人一度に?」
 レナがさすがに目をしばたかせる。




243:消せない悲鳴Ⅴ  ◆CSwCzse3V2
07/08/30 21:49:25 Xomxyuq9

「お、俺、ケツもーらい」
 レナの尻をぺたぺたと触っていた少年が、歓声混じりに告げる。チューブからローションをひね
り出し、レナのアヌスに塗り始めた。
 他の少年たちは半ば呆れた顔で、その少年の行為を見守っている。
「このアナルマニアが」
 理性が麻痺した状態だったレナが、ようやく顔を上げた。
 少年はローションを丹念に、丹念にアナルと周辺部に塗りたくり、ほぐしていく。本気で肛門性
交に挑むつもりらしい。
「ち、ちょっと待って、そんなところ─」
 入るわけないでしょ!
 そう言おうとしたレナを、少年たちは寄ってたかって押さえつけた。
 一人がレナの脚を割り開き、腰を推し進める。抵抗する間もなく、秘孔に押し入ってきた。
「あ、はぁっ!」
 深々と貫かれ、レナは軽く悲鳴を上げる。無理やり挿入した少年は、そのままレナの上体を引っ
張りあげた。自らは地面に寝そべり、騎乗位の格好を取らせる。
 女性上位で交わったまま、少年が腰を突き上げた。
 体が上下に揺れ、薄い乳房がかすかに揺れる。正常位とは異なる角度で、膣に一撃を打ち込まれ、
レナの体が仰け反った。
「は、ああっ!」
 真下から連続ピストンを浴び、レナの体が上下に揺さぶられる。スカート一枚を身につけただけ
の裸身が、少年の腰の上で激しくバウンドする。
 その状態で、別の少年が背後から彼女を抱きすくめた。
「じゃあ、そろそろ貰うぜ」
 尻の合わい目に堅いモノがあてがわれる。アヌスの辺りに冷やりとした感触を覚え、肌が粟立っ
た。
 いよいよ菊花を犯すつもりなのだ。
「やめて……やめて!」
 レナは絶叫した。
 次の瞬間、尻穴に激しい痛みが走る。
「きゃぁぁぁぁっ!」
 直腸の粘膜をまくり、内臓を押し上げるような勢いで、少年のペニスが突き入れられる。菊肛の
奥まで肉塊を埋め込まれると、それだけで息も絶え絶えだった。
「はあ、はあ……」
 直腸がキチキチに拡張されているのが分かる。腹の奥に不快な異物感があった。
 本来排泄に使うはずの器官に、性器を押し込まれているのだ。アヌスを犯した少年はまだ動いて
いないが、すでに脂汗が浮かぶほど苦しかった。
「あれ、もしかしてこっちはバージンだった?」
「なんだよ、ヤリマンでもねーんじゃん」
 少年たちが嘲笑する。
「ううう……」
 レナは、歯を食いしばって痛みと屈辱に耐えていた。


244:消せない悲鳴Ⅴ  ◆CSwCzse3V2
07/08/30 21:50:06 Xomxyuq9

「変な感じだな、こいつの中でお前のと擦れて……」
「へへへ、気持ちわりー」
 レナのアナルバージンを奪った少年が、膣を犯している少年と顔を見合わせ、へらへらと笑う。
(こいつら……!)
 レナは火を噴くような視線で彼らを睨みつける。
 睨みつけることしか、できない。
 前後の穴を貫かれたまま、さらなる凌辱が始まった。ぐちゅ、ぐちゅ、と下からの突き上げに、
レナの性器が濡れた音を立てる。
「うっ……かはっ」
 レナは肺腑の空気全てを搾り出すように喘いだ。
 一方で背後からの肛虐は、拷問に近かった。一突きされるごとに、痛くて痛くてたまらない。尻
の穴が焼けるようだった。
「お願い……もう抜いて」
 耐え切れずに、瞳に涙をためて懇願する。
 ぐちゅ、ぐちゅ……
 二人の少年はペースを崩さず、膣とアヌスに激しい抽送をたたきつけていく。
「お願い……します」
 苦痛に声をかすれさせながら、懸命に頼み込んだ。
 だが─少年は聞く耳を持たない。
「あれ? ちょっとずつこなれてきたぞ。スムーズにピストンできる」
 それどころか嬉しげに笑い、ますます激しく肛門をえぐってくる。
「はぁぁっ、あああ!」
 初めての二穴挿入に、レナの体は前後左右に揺さぶられた。
 未成熟な裸身が汗にまみれ、紅潮する。
 と、さらに三人目の少年が口元にいきりたったモノを突きつけてくる。
「まだ口が空いてるだろ。俺のをしゃぶれよ」
 少女の体の、穴という穴を全て塞がないと気がすまないのだろうか。
 三人目の少年にフェラチオを要求されると、レナはもはや拒む気力もなかった。唯々諾々と従い、
饐えた匂いを放つペニスに口を近づける。
 可憐な唇が亀頭を飲み込んだ瞬間、胎内で二本のペニスが荒れ狂った。
 少年たちの怒張で、三つの穴を同時に責められ、力強く打ち込まれる。
「んっ! ぐぐうっ!」
 喉の辺りを突かれて、レナはくぐもった悲鳴を上げた。
 少年たちはバラバラのリズムで肉棒を打ち込んでくる。膣内の粘膜を擦りたてられ、直腸を深々
とえぐられ、口の中までを蹂躙された。
 下から侵されながら、なだらかな乳房を揉みしだかれ、さらに乳首をコリコリと扱かれる。
 新鮮な尻肉を鷲づかみにされ、バックから強烈なスラストを叩き込まれる。
 髪の毛を乱暴に引っ張られ、喉の奥に届く勢いでペニスを押し込まれる。


245:消せない悲鳴Ⅴ  ◆CSwCzse3V2
07/08/30 21:51:12 Xomxyuq9

 と─
 延々と貫かれているうちに、体内で次第に熱いものが湧き上がってきた。
(これは……?)
 レナは戸惑い気味にうめく。
 体の芯が痺れるような感覚。同時に、四肢に甘い電流が広がっていく。
(あたし……感じてるの?)
 瞳を潤ませ、呆然とつぶやいた。
 膣とアヌスを同時に擦り上げられるたびに、腰の芯がジンと熱くなる。唾液まみれのペニスを打
ち込まれるたびに、頬が紅潮する。
 一度快感を自覚すると、もはや止まらなかった。
 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ……
 三箇所の結合部で先走りの液や愛液、唾液などが混じりあい、淫らなハーモニーを奏でていく。
性に未成熟だった少女が、輪姦されながら、絶頂の階段を一気に駆け上がっていく。
「駄目、あたし、イッちゃう!」
 とうとう、レナの口から嬌声が上がった。


 犯されているのに─
 望みもしない性交を強制されているのに─


 どうしようもなく気持ちがよかった。
 一度生じた快感のさざ波は、あっという間に全身へと伝播する。痺れるような電流が四肢を襲い、
白い裸体を震わせた。
「ああっ、イク! あたし、もう駄目ぇぇっ!」
 肺にたまった空気全てを搾り出すような絶叫だった。
 レナは動物のような咆哮を上げて、びくん、と脱力した。
 直後、少年たちも次々と達した。
 口の中に、膣の奥に、そして直腸いっぱいに─若々しいスペルマが注ぎこまれていく。
「はあ、気持ちよかった」
 思わず、レナが本音を漏らした。
 体中が熱く、痺れている。
 セックスがこんなに気持ちがいいということを、今日初めて知った。
 舌の先に、わずかに残った精液をごくり、と飲み干す。ザーメンの苦味でさえも、今は心地よく
感じた。
「へ、レイプされたくせに、思いっきりイッてるぜ」
「インランだな、インラン」
 屈辱的な言葉に一瞬眉をしかめるが、それもすぐに気にならなくなった。生まれて初めて味わっ
たオルガスムスの余韻で、うっとりと頬を染める。
 少年たちはゆっくりとレナの体から離れた。三本の肉棒から開放され、レナが上体を起こす。


246:消せない悲鳴Ⅴ  ◆CSwCzse3V2
07/08/30 21:51:48 Xomxyuq9

 と、そのときだった。
「う、ぐっ……!」
 突然、腹部の辺りに激痛が走る。体の中心部から、爪先、脳天にまで突き抜けるような衝撃だっ
た。
 あまりの痛みに呼吸ができない。
「か、はっ……」
「おい、何やってんだよ。順番がつかえてんだぞ」
 次の凌辱者がレナの肩に手をかける。
 それに応えることもできず、その場にうずくまった。
「ん、なんか様子が変だぞ」
 少年たちもさすがに異変を悟ったらしい。おびえた顔で遠巻きにレナを見下ろしている。
 レナは両手で自分の体をかき抱き、その場でのたうちまわった。
 痛い。
 痛い。
 痛い。
 腹部の辺りに、凄まじい灼熱感が渦巻いている。
「あ、うううう……!」
 目の前の景色が上下左右に揺れた。
 意識が白く、ぼやけていく。


 ─あたし、このまま死ぬのかな……?


 薄れていく意識の中で、レナはぼんやりと考えていた。


                   【消せない悲鳴Ⅴ/終わり】


247:名無しさん@ピンキー
07/08/30 22:13:57 nNWV7fmU
ハァハァしてたらこの展開はもしや
やべ続きが気になるよGJ!

248:名無しさん@ピンキー
07/09/01 02:14:11 gPU8MyxS
超GJ!
相変わらず面白い

249:名無しさん@ピンキー
07/09/08 09:36:49 V90ivS63
あげ

250:名無しさん@ピンキー
07/09/08 19:56:30 2tHZoaxG
まだかまだか

251:名無しさん@ピンキー
07/09/09 09:26:48 z34U9ICQ
このスレ、他に書き手いないの?

252:消せない悲鳴Ⅵ  ◆CSwCzse3V2
07/09/10 23:49:37 mbqKAnUd
>>242-246の続きを投下します。


253:消せない悲鳴Ⅵ  ◆CSwCzse3V2
07/09/10 23:50:17 mbqKAnUd

 気がつくと、ベッドの上だった。
 少し黄ばみの目立つシーツと固めの枕、サイズの小さなベッド。
(病院……?)
 レナは訝しげに周囲を見渡した。
 部屋全体に、病院独特の硬質な香りが漂っている。
「気がついた?」
 声がして、視線を移す。
 母親がレナの顔を覗き込んでいた。
 頬がこけ、髪の毛もほつれている。見るからに憔悴しきった顔だ。もしかしたら、寝ずに看病し
てくれていたのだろうか。
「大丈夫なの、レナ」
 母親がふたたびたずねる。
 大丈夫、と言おうとしたが、喉が引きつり、うまく言葉がでてこなかった。
「レナ……レナ……!」
 母親は幼子のように、何度も何度も娘の名前をつぶやく。嗚咽まじりに、何度も何度も娘の安否
を確認する。
「大丈夫よ。だから泣かないで」
 レナは弱々しくうなずいた。
 腹部の痛みは、いつの間にか消えている。
(あれは、なんだったんだろう?)
 レナはゆっくりと上体を起こした。
 体が異様なほどだるい。手足が鉛のように重く感じた。
 ふと嫌な予感がして、腹の辺りに手を当てる。
「っ……!」
 レナは絶句した。
 圧倒的な喪失感を覚えて。
 体が、硬直した。


 ─何かを。
 ─大切な何かを失った感触。
 ─二度と取り戻せない何かを。
 ─喪った感覚。


「あたし─」
 レナが呻いた。
 腹に当てた手が震えて止まらない。
 あたしの身に何が起きたんだろうか。


254:消せない悲鳴Ⅵ  ◆CSwCzse3V2
07/09/10 23:52:03 mbqKAnUd

 ……お腹の赤ん坊について知らされたのは、それから一時間後だった。
「えっ……?」
 レナは目を丸く見開いて、担当医師の言葉を聞いていた。
「残念ですが─」
 中年の医師は悲痛な顔で告げる。
「流……産」
 その言葉を反芻し、意識が遠くなる。医師の説明では、激しいレイプを受けたショックで流産し
た、ということだった。
「死んじゃったんだ、あたしの赤ちゃん……」
 乾いた声でそれだけをつぶやいた。
 自分の子供が死んだ。
 その事実をどう受け止めていいのか分からなかった。
 新たな命が永遠に喪われたことを悲しんでいいのか。
 望んでもいない命が永遠に喪われたことに安堵すればいいのか。
 レナには分からない。
 分かったのは、義父と自分の間に宿った子供の顔を、もはや見ることはできないという事実だけ
だった。
 呆然と見開いた瞳を、ベッドの上に落とす。
 シーツの黄ばんだ染みがやけにはっきりと見える。
「それともうひとつ」
 白衣の医師が表情を苦渋に染めた。
 まだ何かあるんだろうか、とレナは眉をひそめる。
「その……落ち着いて聞くんだよ」
「はい?」
 首をかしげる。
「その流産が元で……その」
 医者は口ごもったまま、なかなか話を進めない。
 空気が妙に重苦しかった。
 レナは苛立って、先を促した。
「何だって言うんですか、先生」
「君はもう、子供が産めない」
 無機質な声が病室に響き渡る。
「……えっ?」
 一瞬、時間が止まったように感じた。
 いつか、暖かい家庭が欲しいと思っていた。
 いつか、愛する男性との間に子供を設けたいと思っていた。
 母が結婚で失敗したところを見ているからこそ、よけいに……いつか幸せな結婚をしたいと憧れ
ていた。
「……今回の流産が原因でね。二度と子供が産めない体になったんだ」
 レナにはもう、夢を見ることさえ許されない。


255:消せない悲鳴Ⅵ  ◆CSwCzse3V2
07/09/10 23:52:44 mbqKAnUd

 ─説明を終えて医者が去った後、レナは呆然と天井を見つめていた。
 怒りや悲しみよりも、圧倒的な虚無感だけが心の中を支配していた。
 何も考える気分になれない。自分はもう母親にはなれないのだ、という事実だけは理解できた。
「三枝さん」
 病室のドアが開き、一人の少女が入ってくる。
 修道服を連想させる、漆黒の制服姿だった。明るい栗色のミディアムヘアに、ぱっちりとした瞳。
萌え系アニメのヒロインやジュニアアイドルを連想させる、可愛らしい少女だった。
「月白─」
 レナが低く呻いた。
 同じクラスで学級委員をしている月白瑞希(つきしろ・みずき)。生粋の社長令嬢で、成績優秀な
上に品行方正。教師からは絶大な信頼を得ている。
 絵に描いたような勝ち組だった。
 恵まれた生活に恵まれた容姿─瑞希を見ていると、殺意にも似た炎が胸の奥で燃え上がる。
 無論、瑞希に罪がないことは分かっている。この感情はただの嫉妬であり、やっかみであり、負
け犬の遠吠えのようなものなのだろう。
 それでも憎まずにはいられなかった。
 先日から、この少女には見られたくない場面ばかりを見られている。
「何か、用なの」
 レナが暗い声で告げる。
「あたし、クラス委員だしね。お見舞いよ」
 対照的に、瑞希はにっこりと微笑んだ。人生が幸せでたまらない、と言わんばかりの笑顔だった。
「これ、クラスの皆でお金を出し合って買ったの」
 両手に抱えた花束を、嬉しそうに見せる。赤や黄色、紫など……色とりどりの美しい花が、妙に
まぶしかった。
「とりあえず、ここに活けておくね」
 ベッド脇の花瓶に、花を一本一本丁寧に活けていく。
 レナは冷めた瞳で瑞希の仕草を見つめていた。
「ねえ、あたしのこと……」
「急性の盲腸炎なんでしょう? 無理しないでね」
 瑞希が優しく告げる。
 彼女は、レナが妊娠していたことを知っている。
 いや、流産したことは知らないようだから、今でも妊娠していると思っているのだろう。



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