07/05/29 21:37:49 FZxZIPHa
キスが深い。
どんなに苦しくても、彼は私を離すまいとするかのような深い口付けを止めない。
かふ、と、またひとつ。わずかに空いた、唇同士の隙間をぬって、私は息継ぎをする。
どれくらい、その息継ぎをしたか、もう解らない。
酸欠と、それ以外の感覚で意識が途切れかけた頃、やっとダラーは私の口の中を
舌でかき回すことを止めた。
ぬる、と。
ゆっくりと引き抜かれていく舌の感覚が、酷く生々しくて、私は悲鳴を上げそうに
なった。声なんて出ないのに、甘い悲鳴が。
「……っ!」
全身の感覚が混ざり合って爆ぜる。
びくっと引きつり、無意識に引こうとした身体をダラーは掴み留める。
「ごめん、もうちょっと」
同時に、再び身体の奥深くに熱が入り込む感覚。それは嫌いじゃないのに、
大好きな彼のする、優しい行為は嫌いじゃないのに、身体はぎくりと強張った。
彼の唇が動こうとする。また、「ごめん」と。それを見たくなくて、今度は彼の顔を
引き寄せて、私から口を塞ぐ。
キスが深い。溺れてしまいそうだと思う。
けれど、どんなに苦しくても、私は彼を離すまいと深い口づけを止めなかった。
彼が愛しい。彼が、愛しい。