07/07/19 21:27:07 EzfV12al
夏になり、着々と圧縮までの時間が短くなっている今日この頃。
最終レス時刻を少しでも伸ばすために保守。
354:名無しさん@ピンキー
07/07/20 20:38:10 dhpDaX9k
>>353
じゃあ今日は俺の番。
355:名無しさん@ピンキー
07/07/22 00:37:59 w3x37Zxf
☆
356:名無しさん@ピンキー
07/07/22 23:07:46 1n5N6uW4
保守
白い服装の炉死神、という電波が来た
357:名無しさん@ピンキー
07/07/22 23:31:50 zqD9RIlY
二巻以降駄作になったアレか……。
358:名無しさん@ピンキー
07/07/22 23:31:59 QzTKmXYm
>>356
そのイメージをテキストにアップするんだ
359:356
07/07/23 02:19:39 vbYJ3jps
>>358
ある程度SSを書いてみた。だが、普通のSSすら書いたことの無いような俺は
エロシーンなんて無理だorz
エロシーン無しのSSでも良いだろうか。
360:名無しさん@ピンキー
07/07/23 09:04:41 qoEIRTjg
イインダヨー
361:名無しさん@ピンキー
07/07/23 12:43:15 cCwBpRk4
グリーン(ry
362:356
07/07/23 18:27:04 vbYJ3jps
エロ無、なんか微妙にズレていったが投下させてもらう。
1レスにおける行制限がよく分からんから30行ずつで詰めて11レス分。
363:狭間の白き渡し主
07/07/23 18:33:59 vbYJ3jps
ふと気がつくとド○え○んの四次元空間のような場所に浮かんでいた。しかも裸で。股間のものが何気に立っていた。
でも勘違いするな。俺は決して露出狂じゃないよ。
慌てて服を着ようとするが、辺り一面紫と赤と黒が混じったような景色ばかり。服ばかりか身を隠すものすらない。
とりあえず落ち着いて考えてみる。5分間くらい無駄に暴れた後。
(えっと・・・最後に覚えていることといえば・・・)
――赤。それも血のような鮮やかな赤。
それが目の前にいる18程度の女の子に握られた銀色の物から雫のようなものが垂れ落ち、俺の赤くなった腹あたりに落ちていく。
その雫とは関係なしに俺の腹についている赤はどんどん広がっていた。
――銀色の物を目を凝らして見た。
・・・ナイフだ。
――あぁ、また血のような赤色が俺の腹の上に垂れ落ちてくる。
いや、「血のような赤色」なんかじゃない。「血」だ。
「――!?」
記憶となった恐怖と痛みが、今一度戻ってきたように感じた。
ついつい腹を見てみると―傷や血の跡なんてなかった。
(・・・傷がない?)
おかしい。記憶では腹の赤はどんどん広がっていた。ということはアレだ、動脈が切れていたんだろう。
だが、動脈が切れるほど深くまで刺されたのならば、後遺症・・・とまでは言わないが、傷くらいは残るんじゃないか?
思考・・・とはいっても記憶からあの出来事の前後、数週間にあったことを思い出そうとするが、思い出せない。
それどころか、更に重大な事実が判明する。
「・・・俺、なんて名前だっけ?」
364:狭間の白き渡し主
07/07/23 18:40:06 vbYJ3jps
そう、自分の名前が思い出せない。記憶にある友人の名前は思い出せる。山田くんとか佐藤さんとか。
自分の名前を呼ばれた記憶を思い出そうとするが、その俺の名前が聞こえない。
いや、「聞こえて」はいるんだが、そこだけ小声で「ゴニョゴニョ」言ったように聞こえる。
耳をすまして(?)聞こうとするが、どうしても聞こえない。というかなんか目の前がとっても白くなってきたよ、
ああもう疲れたよ○ト○ッ○ュ・・・お花畑が見えてきた・・・
・・・危ない危ない、トリップしていたようだ。
再び試行錯誤。手を動かす。もちろん動く。顔や足も試す。動いた。どうやら関節はすべて動くようだ。
次は体をひねってみる。体全体を右に向かせる。
・・・向かせようとした。だが下半身が後ろを向くだけで、上半身は前を向いたまま。俺の首は硬いので真後ろを見れない。
足をジタバタして触れるものがないか試してみる。透明な物なんぞ普通ないから成果なし。いや、この場所は普通じゃないけどさ。
「やることがない」
試行錯誤開始後約5分。
周りの景色も何も変わらず、ただここは重力が無く宇宙空間のような場所だと分かった程度。
空気はあるのかどうか分からない。でも生きているから酸素はあるんじゃないか?
さて、男性は一人&暇というコンボが成立すると妄想する奴がいるもんですよ、よく。こいつも同類です。
(ハッ、まさか刺されたあの後、悪の秘密結社に拾われてついでに兵士にするため改造中、性格や記憶を消されている途中なのか!?
それとも神か宇宙人かが俺の目の前に光臨して、力を授けてくれるのか!?
いや、もしかするとこのまま謎の空間に永遠に漂ったままなのか!?
ああっ、早く真実を教えてくれーッ!!)
コイツはその中でも厨っぽい妄想をするタイプです。誰でも夢を見るものです。
「遅れたわ。手続きが時間食ってね」
―!?
365:狭間の白き渡し主
07/07/23 18:44:36 vbYJ3jps
うん、声から予想したとおりガキ。女の子。多分10歳弱くらい。でも姿勢がなんか大人っぽいぞこいつめ。俺より小さいくせに。
目の色は赤だが、髪の毛は白。さすがにお肌の毛は黒の模様。あれ、体毛って髪の毛の色と同じじゃなかったっけ?
俗説的な死神のつける裾の切れたローブを付けているんだが、その色は髪の毛と同じく白い。普通黒じゃないのかよ、死神は。
あれ、似た奴をどっかのゲームで見かけた気がする。確か某同じn「ほら、もう行くわよ」版権ものの思考は見事にカットされた。
死神―見た目は少女、中身は死神♪―は俺の腕を引っ張ってまさに引きずりながら(摩擦無いけど)どこかへ連れて行く。
「こら、どこへ連れて行く」
「狭間」
・・・どっちかっていうと無口な部類に入る奴のようだ。ということは、こいつは会話する気ないのか?
「会った直後にまともな雑談やら会話やらせずにするということは、もしかして俺のコト嫌いなの?」
「うん嫌い」
うわ本気で会話する気ねえなコイツ。なんか逆に話をしたくなったぜ!!
「あのさあ、もしかして狭間を渡るって、いわゆる"転生"するってこと?」
少女はため息をつきながら振り返る。だが引っ張って連れて行くのはやめない。後ろ向きながら進む、つまり後ろ歩き。
「もちろん。輪廻転生させるって言ったでしょ?頭悪い奴ね」
心底から嫌そうに話す。マジで嫌いみたいだ、コイツ。
「・・・ってことは、もう俺はある意味終わりってコト?」
「魂の本質は変わらない。だから終わりではない。宗教でもやって悟ったら終わりに行くことは可能ではあるけどね」
・・・
「・・・あのさぁ・・・」
「黙りなさい」
「嫌だ。お前に命令する権利などないだろうが」
「そんなこと言っちゃって、あんたにも無いでしょ?」
「俺は命令などしてないが?」
「・・・」
よし、頭悪いとか言ってきやがったが、コイツもあまりいいとはいえないようだ。少女は黙って俺を引っ張る。
366:狭間の白き渡し主
07/07/23 18:49:10 vbYJ3jps
「頼みがある」「嫌だ」
うわ即答。というかフライングだよ、二回目にしたやつは失格だよ。
「まだ死にたくない。無念がある。大有りだ」
「とは言っても、あんたは死んでいる。肉体も生体エネルギー切れで完全に死んでたし、もう火葬されている」
「・・・」
会話中でも問答無用に引っ張ってゆく少女。死神とはいえ、もっとガキっぽくしろよ。
「・・・まだ死にたくない。未練がある」
「同じことを二度も言わせないで。だからあんたは死んで――」
「それは聞いた。でも俺は生きることに未練があるんだ。
愛やら家族やらとは言わないが、なにかやり残したことが、な」
俺としては名言、会話の鍵になりそうな事を言ってみたにもかかわらず少女は振り向かずに答える。多分さっきの事根に持ってる。
「if――もしあんたが生き返っても――あんたを刺した彼女を見かけた瞬間、憎悪が湧き上がって、首を絞め殺したりするんじゃないの?」
―――!?
「あー・・・失言だったわ。記憶班の仕事増やしちゃったじゃないの。こりゃどやされるかな・・・」
367:狭間の白き渡し主
07/07/23 18:53:06 vbYJ3jps
―ああ、思い出した。
俺はおとなしく、図書館の本を読んでいるような彼女を学校帰りに見かけ、一目惚れ、
積極的にアピールし、デートに誘うことはできたが、俺の欲望が早急すぎて
彼女を強引に人のいないところに連行。彼女が嫌がっているのにもかかわらず、
俺は彼女を犯した。
―それはもう性交は性交でも強姦だった。
しかも俺は終わったあとに後悔なんてせず、むしろ快感の余韻を楽しんでいた。
気絶した彼女が起きたあとも、一言もしゃべらずに―まあ話しづらくて当然だが―俺は謝らなかった。
余韻におぼれ、次は彼女をどうしようか、なんてことまで考えていた。
懲りずに、俺は彼女を二回目のデートに呼んだ。
驚いたことに―そのときは俺はほとんど罪悪感なんて感じてなかったから驚いていないが―彼女は来た。
昼はデートを単純に楽しんだ。彼女も楽しそうだった。楽しそうに見えた。
しかし――日落ち夜訪れ、彼女をまた人のいない場所へ連れて行った。彼女は今回は抵抗せず引っ張られるままだった。
そこで気づくべきだった。
俺は彼女がやりたいと思って、抵抗しなかったのだと思った。
そんなわけがあるか。
そして犯そうと彼女に近づき――グサリ。
368:狭間の白き渡し主
07/07/23 18:54:44 vbYJ3jps
俺は急に体を締め付けられたように感じた。それも、とても強く。
俺はなんてことを あんなことして刺されるのはあたりまえだ 俺は馬鹿だお前は畜生だ 死神が 何か言っている
うらんで いるああ確かに未練は うらみかも な生き返る 資格なんてな いそんなの当然
だって人が望ま ぬことをしたのだ からああなんて ことをした んだ でも生 き返り たい
生き返っ てどうす るんだ彼 女を殺 す痛 みを返 すああ畜 生
殺され た殺してた殺 される殺してる殺してやる殺す殺す殺す殺す殺ス殺ス殺ス殺ス「殺ス!!」
「ほら、ね」
俺は少女の一言で正気に戻る。少女は微笑を浮かべながらこちらを向いていた。引っ張るのはとめている。
「笑ってたわよ、最後。これから何して遊ぶか決めた時のような顔をしてね。"殺ス"なんて言いながら笑ってた」
確かに、頬が引きつっていた。きっと少女の言うとおり、俺は笑っているのだろう。
「ああ―確かに、俺は生きる必要なんてなさそうだ。いや、きっと生きちゃだめなんだ、もう。
俺は壊れている。映画でよくある人型機械のように壊れて、殺人マシーンとなっている」
俺は、何かを超えた気がした。多分、"生きる"欲望を超えた。
その欲望を超えた今、転生することで"俺"がいなくなることへの恐怖なんてなくなった。
「・・・もう話すことは無い」
「ええ」
また引っ張られ始める。
369:狭間の白き渡し主
07/07/23 18:58:56 vbYJ3jps
「ほら、狭間の穴―というか門が見えてきたわよ」
少女の言うとおり、門が見えてきた。
門というか、正方形のでっかい窓。というか扉とかない。
少女の引っ張るのがとまる。
「もう、未練なんてないんだったわよね?」
「ああ・・・どうせ生き返れないんだろう」
「ん、本当は生き返れる。」
なんか嘘ついたこと告白してますよ、コイツ。嘘ついてんじゃねえよ。
「いや、同じ体には戻れないけどさ。燃え尽きて灰になってるし。
似たような体を無理やり作って、記憶を消さないままその体に転生させることはできた」
「・・・もう、話はいい。覚悟も何もとっくに決めたよ」
門の前。約5m。
「んじゃ・・・覚悟はいい?」
「覚悟なんざとっくに決めたと言っただろうが」
更に門の近くへ引っ張られる。
―ふと、2mほど進んだところ(残り約3m)で少女―死神―が止まった。
「・・・ねぇ、本当は彼女とちゃんと愛しあいたかった?」
「何故そんなことをいまさら聞く」
「別に~」
珍しく、少女から問いたずねてきた。
「んで、どっちなの?」
「どっちかっていうと・・・愛したかった。
人目惚れしたとき、性交したいなんて気持ちは全ッ然無かった」
370:狭間の白き渡し主
07/07/23 19:01:02 vbYJ3jps
「ただ、純粋に愛していた。
ちょうど少年マンガのようなとこかな、よくあるだろ、最後は彼女と付き合って終わり、っての。
あんな感じで付き合いたかった。ただ、純粋に愛しあって。」
少女は黙って聞いている。赤い目がこちらの目をのぞいてくる。
「エロいことなんてしなくていい。子供や家族なんざいらない。
ましてや性交なんざしないでいい。ただ純粋に、彼女を、愛したかった」
「・・・」
少女は沈黙を保ったまま。
「さて・・・この門に入ると、俺――
――というか"俺"という人格やら性格やら記憶やらは消えちまうのか」
「ええ」
「門に入れろ。もう未練は無いって言ったろ」
俺は笑う。微笑。その行為に意味するものはなかった。ただ、なんとなく微笑んだだけ。
「んじゃ・・・最後に一つ」
「しつこいな。まだあるのか」
会話をし始めた最初のころとは逆になった。少女が質問を投げかけてくる。
「また"彼女"と会ったら、どうする?」
「俺は消えるんだろう。ならどうもしないさ、きっと」
「へぇ・・・なら、もし消えなかったら?」
「もし、か・・・ああ、幸せにしてやるさ、きっと」
「フフ・・・幸せにできるといいね」
彼女もただ笑う。微笑みをうかべながら会話をする。会話が弾んでいる。
「あなたは転生しなければならない。
彼女と再びめぐり合える確率も低いし、
"あなた"が記憶消滅せずに生きている確率もほぼゼロ。
でも・・・奇跡が起こる確率はゼロじゃない。
そのことは覚えていてね♪」
少女は笑う。覚えていることが消えるのに覚えていろだなんて無理な話だ。
「それでは、良い生涯を♪」
門まで約1m。近い。ちなみに俺は動けないまま。
「んじゃ・・・またな」
「会えることは無いと思うけど・・・またね」
少女は何もしていないが、俺の体は少しづつ門へと近づいていく。というか吸い込まれている?
「そうだ・・・
彼女にまだ謝ってなかったな。
・・・ごめん」
「・・・バイバイ」
最後に少女は微笑んだ。
371:狭間の白き渡し主
07/07/23 19:03:08 vbYJ3jps
「あなたが反省してくれてよかった」
少女は独り言をつぶやく。
「手続き、大変だったんだからね。
悪魔召喚して罠にはめて無理やり代償無しで力を貰ったり、
その力で天使を片っ端から捕まえて神を怒らせたり、
異世界の人々の力で神を無力化してこれまた捕まえて創造主を呼び出したり、
創造主に頼んで死神にしてもらったり。
でも、その苦労も報われた。
あなたの気持ちが聞けたし、
何より謝罪もちゃんとしてくれた。
私にそれで十分」
少女、いや"彼女"は笑う。
「私も、あなたのこと好きだった。
ただいくらなんでも早すぎて、私の怨みが収まらなかった。
それであなたをあのナイフでやっちゃった。
ごめんね」
彼女は何処かへ歩き始める。
「さて、今度は転生システムをいじって、彼を記憶そのままで復活させなきゃ、ね」
最後に"彼女"は微笑んだ。
372:名無しさん@ピンキー
07/07/23 19:04:45 vbYJ3jps
滅茶苦茶になった。
エロシーン書いてみたが、力量不足でひどかったため消去。
というか、死神ほとんど関係ねえ('A`)
ちょっと命刈られてきます。
373:372
07/07/23 19:06:05 vbYJ3jps
最後の最後にageてしまった。スマンorz
374:名無しさん@ピンキー
07/07/23 22:24:54 tlzO8J05
スレタイ見たときにリューク思い出した俺は負け組
375:名無しさん@ピンキー
07/07/23 23:28:14 oDFQF4XZ
>>372
乙!!これからも精進してくれ
待ってるぜ!!
>>374
死神と言えば
オサレな奴と新世界と
世界の敵の敵とか白死神ぐらいしか思いつかん
376:名無しさん@ピンキー
07/07/24 06:50:35 wqK3BuEj
死神博士
377:名無しさん@ピンキー
07/07/24 23:57:44 aBboPpjd
>>372
いや、面白かったです。こういう短編も好きですわ。
378:名無しさん@ピンキー
07/07/25 04:12:45 mlAFSDVs
>>376
懐かしいなおいww
>>373
GJ!
短編はなんだか随分久しぶりな気がする。
379:名無しさん@ピンキー
07/07/28 01:00:49 4N+AX9kO
圧縮回避保守
380:372
07/07/28 13:46:59 Lug48fCS
最後の保守時間を延ばすことも保守であるといえる。
要は保守。
>>375>>377-378
ありがとう。
機会とネタがあったら1レス短編で保守しておくぜ!!1111
381:名無しさん@ピンキー
07/07/28 22:23:32 H1o/blrY
保守保守
保守保守
382:名無しさん@ピンキー
07/07/28 23:54:47 McXou9ea
ほしゅ
383:名無しさん@ピンキー
07/07/29 21:56:41 8dOTyM+0
捕手
ところで、昼寝中に夢で男を(アレな意味で)喰っている死神を見たんだが、
それを文章化しようと思ったが考えたら他の人が書いているのと同じだな、と。
384:名無しさん@ピンキー
07/08/02 19:43:06 GyNsyFxE
>>383に期待
385:名無しさん@ピンキー
07/08/03 20:46:13 JRE7rQdI
>>384
ごめん、文章力(注:文章を書く能力。才能や努力、真似によって向上する)が足りないから、
今は書けない。今は。
保守
386:名無しさん@ピンキー
07/08/04 22:26:07 ll3hmtwN
ほっしゅっしゅ
387:名無しさん@ピンキー
07/08/06 00:21:47 5XNqvx8k
保守。
ところで眠気が不意打ち食らわしてくる前にSS書けたら投稿してみる。
388:名無しさん@ピンキー
07/08/06 02:49:58 IoPwituH
奇態
389:名無しさん@ピンキー
07/08/07 14:52:59 yZmDNs7D
>>388
コーヒー気管に入って噎せたwww
390:名無しさん@ピンキー
07/08/07 21:12:03 1TDWbiQL
えぇいSSはまだか
391:名無しさん@ピンキー
07/08/09 13:32:46 8jOCXHDo
構成が狂ったよ!
スマン。多分夜には(エロ寸前までかもしれんが)投下できるかも。
392:名無しさん@ピンキー
07/08/09 16:14:06 a8XNg8k5
楽しみにしてるぜ
393:名無しさん@ピンキー
07/08/09 17:55:23 KBqrDL7Q
wktk
394:名無しさん@ピンキー
07/08/09 20:29:43 8jOCXHDo
エロ見えてない上先もまだ不安定な状態だけど・・・
飯食ってから投下する。
395:名無しさん@ピンキー
07/08/09 20:55:28 8jOCXHDo
| \
|Д`) ダレモイナイ・・投下スルナラ イマノウチ
|⊂
|
#################################################
近くのビルの壁が壊れる。霊体に瓦礫なんてぶつけられるのか?とか思ったが、それはただの目くらましだったようだ。あたり一面に砂埃が立つ。
―くそっ、どこから近づいてくるか分からねえ。
俺はさっき逃げてきた方向からできるだけ―そう、できるだけ遠くに離れるように走った。しかしそれは間違いだった。
俺ができるだけ逃げた距離は5mほど。砂埃を抜けたそこにアイツは立っていた。
「あきらめろ。貴様如きのような下級の上程度の怨念の霊が逃げる術はない。」
全てを吸い込むかのような漆黒のローブに鏡のようにきれいな銀色の長髪。
一般的な東洋人と変わらない黄色の肌にまるでどこまでも透ける蒼い目。
その華麗なる姿をした女性の左手には純白な光、右手には命刈り取る死神の鎌。
そう、彼女は死神の鎌を持つ。すなわち、死神なのである。
「現世に在るままの霊は破壊衝動を持ち、放置しておけば現世の人にとって危険極まりない。よって我らは貴様らを黄泉へと送る。
黄泉で自らの犯した罪をつぐない、転生せよ。そして新たな運命を持つが良い。」
彼女は俺を黄泉へ送る、つまり地獄へ直行させようとしている。
「地獄なんかに行っていられるかぁっ!」
俺は彼女の頭を狙い、回し蹴りを放つ。彼女はそれを見切り、後ろへ体を反る。俺の脚は空を切る。
一発目の蹴りの勢いを利用したまま、二発目を放つ。しかし、
「狙いが甘すぎだ。そんな程度ではかすり傷もつけれんぞ。」
彼女は余裕もって蹴りをかわし、俺の手をとる。そのまま背中側に回り込まれ、うつぶせに蹴り倒される。
腕は背中に押し付けられ、上から体重をかけられる。しまった、この体制じゃあもう逃げられない。
「手間を取らせるな。ほら、終わるぞ。」
何か光るものが押し付けられる。
――熱い。光るものに押し付けられた部分が焼けるように痛む。
「黄泉へ送られることを拒否するからだ。受け入れよ。すれば痛みはないだろう。」
「・・・だっっからぁ、死んでたまるかっての!」
俺が地獄行きを断るのはただ完全に死ぬのが怖いわけじゃない。
アイツ――俺の友人との約束があるからだ。
396:タイトル付け忘れた・・・
07/08/09 20:57:25 8jOCXHDo
■眼鏡をかけ、適当に生やしたせいで"ボサボサ"した黒髪の貧相な格好のアイツのことを思い出す。
■『やあ七瀬。あいかわらずお元気そうでなにより。』
■『お前こそあいかわらず頭が回るようだな、夜月。』
■七瀬は俺の名前、だ。夜月が俺の友達の名前。
■『僕、別にそんなに頭使ったりしないけど?』
■『聞いたぞ。あの黄也に一泡吹かせてたじゃないか。確か・・・
■ "お金はあげられないけどこのナイフの刃ならあげるよ?"だったかな』
■ちなみに黄也とは俺の学校の不良っぽい奴だ。
■『ありゃ、知ってたんだ。まあそんなことは別にいいじゃないか。』
■『それもそうだな。ところで今日はなんか予定あるか?』
■『いんや、今日は予定無し。また遊びにでも行く?』
■『んじゃいつもどおり裏路地に不良どもシバキに行こうか。』
■眼鏡をかけた貧相な男のイメージを覆すかのように夜月は強かった。空手をある程度触って強くなった俺と違って、アイツは天性の強さ、という感じだった。
■もちろん、眼鏡をかけている男の例にもれず(?)勉強やらボードゲームやらの頭を使うことにかけてもすばらしかった。
「熱ッ!? 痛いっての!」
熱さと痛さで回想から現実に戻る。あいかわらず光るものを押し付けられたままでめちゃくちゃ痛い。
「さっさと黄泉に行け。私も面倒なんだ。拒否するな。黄泉は楽だぞー」
なにが楽だ。そりゃ全てなくなったら楽も苦もないだろうけどな。
俺はいきなり暴れてみた。予想通り、彼女は急に俺が暴れだしたせいで体重をずらしてしまい、結果俺を逃がしてしまう。
「捕まってたまるかっての!」
俺は彼女を撒こうと再びとんずらする。彼女も慌てて俺を追おうとする。
■『ところで七瀬。魔法ってあると思う?』
■『いきなり何を言い出す。
■ ・・・人間のただの妄想の産物じゃないか?魔法なんざ使えたら、物を無から作り出すなんてことができたら危険な兵器だって作れただろうしな。
■ もし巨人なんざ大量に作ってたら大変なことになる。それに、現代で魔法だなんてゲームや小説程度でしか聞かないだろう?
■ 現実で魔法を使って大災害とか起こしたらさすがに世界の誰かの噂にはなるんじゃないか?』
■『ん~・・・君が否定派ならそうなるだろうね。』
■『じゃあお前はどう思ってるんだ?』
■『僕はね・・・多分、存在すると思えば存在するんじゃないかって思う。』
397:とりあえず「デキスギくんの暴走」で
07/08/09 20:58:28 8jOCXHDo
ビル郡の間、裏路地を走りぬける。太陽は西の地面から30゚程度にある。人はそれを別名、"夕日"、"夕暮れ"という。
死神の姿はない。けれど、気配はある。追ってきている。それも少しづつ近づいている。来んな。
ビルとビルの間の狭い十字路を横切ろうとしたとき、突如気配が消えた。
いや、違う。気配はある。横や後ろに感じられないだけだ。つまり――
俺は十字路をやっぱり曲がる。はい、見事十字路の行こうとした方向が陥没しました。やりすぎじゃないか?
「いい加減逃げるのをやめなさい。疲れてきました。」
「なら勝手にやめればいいだろうが!」
全速力で逃げる。とんずらとんぬら。
■『そんな曖昧な答えがあるか!』
■『エ~、理屈は通ってるんじゃない?』
■『確かに考えれば・・・・・・なんて思うわけねえだろ、通ってねえよ。
■ 人の答え聞いておいて自分だけ逃げるんじゃねえって。』
■『ん~、仕方ないなぁ・・・
■ でもね、存在すると思えば存在する、ってのは間違ってはいないと思うよ?
■ ただ、魔法とかを使うには条件があると思うんだ。呪文、とかも条件だと思うけど・・・』
背中の気配が殺気に代わる。ちょうどいい路地が左にあったから飛び込む。
―ちゅごごごごごごごごごごぉん。
たった今いた路地の横のビルの壁が砕け散ってゆく。ああ、不良のスプレーアートも砕け散る。アレは目に悪いからその点で感謝する。
ところで・・・幽霊は疲れないようだ。ひたすら逃げても筋肉の疲労を感じることや息切れをすることが全くない。さすが肉体がないだけある。
■『ちょっと待て。オカルト話に付き合う気はないぞ。』
■『君の要望に答えているだけだ。んで話進めるけど、代償か契約がいる悪魔召喚をして悪魔に魔法を使ってもらう方法と、
■ ルーンとかを使いながら呪文を唱えたりする決められた法則により魔法を使う方法の2つに分かれていると思うんだ。』
■『話が進みすぎてワケワカラン。これ以上話を進めると俺の脳内が炸裂するぞ?』
■『大丈夫。これで終わる。つまり、魔法を使うための呪文を知っていたか、魔法を使える誰か・何かを知っていたから、
■ 前者の場合はそのままやりたいことに使って、後者の場合は自分のためになんたらしてくれるように頼んだ、とか。』
■『フーン。まあ途中から聞いてねえからな。いくらなんでも入り込みすぎだ、アレの路線に。』
■『ま、別に聞いてなくても要望に答えていただけだし。今は知っておく必要はないと思うし。』
――今は、ね。
398:「デキスギくんの暴走」
07/08/09 20:59:46 8jOCXHDo
しまった。さっき、うかつに曲がるべきではなかった。
見事に袋小路にぶつかってしまった。周りは完全にビルに囲まれている。塀だったら登って進むこともできたが。
幽霊だからといって壁を透けることもできなさそうだ。アイツが言っていた魔法を使うための呪文を知らないように、俺も幽霊のように透ける方法を知らない。
「やっと追い詰めましたよ。もうさっさと終わらして帰りたいです。」
俺は後ろに立っているだろう彼女、死神を迎え撃つことにした。
彼女が跳躍し、一気に距離を詰めてくる。普通の人間には到底できないような速度で打ち出される左手の突きを全力で見切って左に避け、鳩尾に左拳を打ち込む。
しかし空いていた右手でつかまれ、突きの勢いを利用しつつ密着して膝蹴りを放ってきた。
このままだと踏み倒されてしまう。さっきの二の舞にならないように右手で膝をつかみ、勢いを殺す。俺と彼女の距離はほぼ零距離。さあどうする。
―ガァァンッ!!
額に衝撃が走る。彼女が頭突きしてきた。視界が一瞬くらむ。その隙を逃すわけはなく、足払いを放たれ、なす術もなく転がされる。
「時間を無駄にかけすぎましたよ。もう強制執行を行うことに決めましたよ。覚悟なさい。」
彼女は光るものを押し付けようとしてくる。その光は前のものより強く白く光っていた。
死ぬ覚悟なんてするもんか。まだ死んじゃアイツとの約束を守れないだろうが。いや死んでるけどさ。
アイツを・・・みすみす死なせてたまるか。
彼女はガシッと死神の肩を掴む。
「ごめんごめん、ちょっと痕跡を誤魔化すのに手間取っちゃって。ま、もう大丈夫だよ。」
死神は驚いて振り向く。そこには、死神と同じような漆黒のローブを着た桃色のツインテールの少女がいた。
その手には大きな大きな大鎌。それは黒く、どす黒く、鈍い光を放っていた。
■今日はアイツは学校にも来ず、休みだった。珍しい。皆勤賞を狙っていると言っていたのに。
■アイツのいないまま今日一日の授業が全部終了する。
■放課後、帰ろうとして玄関で靴を履こうとするとアイツからメールが届いた。いきなりなんなんだろうか?
■―"今日の8時ごろにいつもの路地で"―
■何の用だろうか?俺は断る理由もなかったし、遅く帰るのもいつものことだったから、そこらの喫茶店で時間をつぶしてから路地へと行った。
399:「デキスギくんの暴走」
07/08/09 21:00:37 8jOCXHDo
死神は驚く。
「あなたは――まさか・・・ルナ様?」
ルナと呼ばれた少女は何も言わずに、にっこりと笑みを浮かべながら鎌を振り上げる。
「な、何故あなたのような、いえ、あなた様のような方がこのような下級霊を庇うのですか!?
確かにここ数日の間、何処かへお出かけになっていたようですが、何があったのですか!?」
死神――さっきからいた銀髪の死神が、桃色の髪の死神――ルナに問いかける。
ルナは鎌を大上段に保ったまま答える。
「私は契約をした・・・これが答え。十分でしょう?」
「ル、ルナ様、もしや――」
銀髪の死神がものを言おうとする、刹那。ルナは鎌を振り切る。
一瞬、空間が"ズレた"。まるで眼鏡のレンズが割れたかのように。
銀髪の死神はその空間のズレによって切り離される。そして銀髪の死神のいた空間に浮かぶ一つのモノ以外、消滅した。
「死神は幽霊と同じように肉体を持たないから、死んでも死体とかは残らないんだよ。
でも、死神の残滓―魂やら霊力っていうのかな?それに似たものだけ残っちゃう。」
ルナ―死神の少女は解説しながら微笑み、その残った死神の残滓を手にとる。
■『やあ七瀬。久しぶりだね。』
■『ああ。お前が一日学校に来ないだけで久しぶりと感じられるよ。』
■今日は六月二十日。夏に近いではあるが、八時にもなると夕暮れは早い。
■『ところで、こんなところに呼び出してなんのようだ?また不良どもをしばくのか?』
■俺は予想できることを聞いてみる。だがアイツは予想外の返答をする。
■『いや、ちょっと死神か悪魔たちと契約をしようと思って。』
■『・・・・・・・・・は?』
■意味分からんと思うのは普通のことだろう。
■『最近話しただろう?代償か契約と呪文かなんかがあれば悪魔を召喚できると思う、みたいなこと。』
■言ってたな、確かに。だが・・・
■『なんでいちいち俺を呼ぶ?馬鹿の真似事をしたいようだったら一人でやればよかっただろ。』
■『いや、ちょいとばかし君の助力も必要だったんだ。僕の話を半信半疑に聞いてくれそうな友人が。』
■『・・・説明してもらおうか、色々と。』
■俺はアイツへ近寄ろうとする。
■『説明するより――見て体験してもらったほうが早いよ。』
■突如、アイツの足元から植物が生え出るように急速に五芒星が浮き出る。アイツは唱える。召喚するための呪文を。
400:名無しさん@ピンキー
07/08/09 21:30:36 8jOCXHDo
_, ,_
(`Д´ ∩ 時間はあったけどあんま書く気になれなくて
⊂ ( 書きだめしてた奴だけ投下した。
ヽ∩ つ エロは今回初になるだろうががんばって後編?と一緒に書いてみる。
〃〃
401:名無しさん@ピンキー
07/08/09 21:31:29 8jOCXHDo
つ[何気に400 あと、後編は結構遅くなるはずだ]
402:名無しさん@ピンキー
07/08/10 23:42:24 RaoYXyz7
GJ!
後編期待してるよ
403:名無しさん@ピンキー
07/08/19 13:33:26 bImBxc7g
保守
404:死神IN学園
07/08/24 02:42:23 UAFd2eaP
「すいませ~ん」
「!」
俺の授業中、教室に一人の若い女が入ってきた
「伊藤先生、約束の一週間ですよ!」
「そ・・・それは・・・」
(誰だよ、あれ・・・)
(何か可愛いじゃん、先生の彼女?)
「もうこれ以上引き伸ばせませんからね!覚悟を決めてください!」
「う・・・」
俺は恐怖で言葉を失った
何故なら・・・
「先生、その人誰?」
「そ・・・それは・・・」
「死神の冥夜(めいや)です、よろしく!」
彼女は笑顔で答えた
「え・・・?」
言った通り彼女は死神だ。黒いワンピースも言われてみればそれっぽいかもしれない
405:死神IN学園
07/08/24 02:45:28 UAFd2eaP
俺は一週間前、冥夜に死を宣告されその場で連れてかれそうになったがその時は適当な苦し紛れの嘘をつき一週間、つまり今日まで待ってもらった
「い、嫌だぁ・・・!」
俺は当然逃げようとするが
「首を切断するのともう一つの方法どっちがいいですか!?」
冥夜はいつのまにか取り出した鎌の柄で俺の首を押さえた
(あのデカい鎌・・・もしかして本当に・・・)
(っていうか、もう一つの方法って何だ?)
「も・・・もう一つの方法で・・・」
「じゃあ、始めますよ」
冥夜は俺のズボンのチャックを下ろした
死神が俺の魂を連れていくもう一つの方法それはSEXによって精力と一緒に魂を吸い取るという方法だった
「・・・ま、待った!生徒が見てるからせめてトイレか体育倉庫で・・・」
「ダメです!もう期限ギリギリなんですから!大体、何なんですか体育倉庫って!」
冥夜はそう言うと急ぐように俺のモノをくわえた
「ん・・・」
「あ・・・!」
(うわ・・・なんか知らないけどすげぇ・・・)
(いいのかよ~・・・こんなところで)
406:死神IN学園
07/08/24 02:49:49 UAFd2eaP
「う・・・!うわ・・・!」
俺は一度目の射精をした
しかしただの射精じゃなくまるで意識が少し遠退くような感覚がした
これが魂を吸われることのようだ
(先生、早くね?)
(しかもチンチン皮かむってるしさぁ~)
「じゃ先生、本番行きますよ」
それが「死」の本番と分かりながらも俺のモノは再び立った
冥夜もどこか嬉しそう・・・というより少女のように楽しげな笑顔そのものだった
「それじゃ・・・」
冥夜が俺の身体にまたがり挿入しようと腰を下ろそうとしたその時だった
「えっ?」
「お姉さん、俺達とさ・・・」
生徒数人が冥夜の身体を押さえ挿入を阻んだ
「ち・・・ちょっと。今からこの先生の魂を・・・」「お姉さんがこんなとこでするからいけないんだろ・・・責任とってよ・・・」生徒達は膨張したモノを冥夜に近付けた
407:死神IN学園
07/08/24 23:21:07 UAFd2eaP
「えぇ・・・!?」
冥夜は戸惑った
気が付くと二十数人の中学生達がパンツを脱ぎ捨て立っていた
「だ・・・駄目です!人間の男性が死神とすると魂を吸われて死んでしまうんです・・・この先生はこの世を去ることが決められたから私と・・・」
「・・・でも手とか口なら大丈夫みたいだし、ちょっと顔色が青いから魂吸われるってのは本当みたいだけどね」
「いいじゃん、死神のお姉さん。せっかく地獄から来たのに早漏の先生とだけやって帰るなんてさぁ~」
生徒の内、サイズのデカイ者は振りながら冥夜の鼻先に近付けた
「ん・・・それじゃ口だけ・・・」
「やった!」「おー!」
男子生徒達から歓声が上がる
「それじゃ先生・・・ちょっと待っててくださいね」
困った様な嬉しそうな表情で冥夜は言った
「さ・・・さっきは時間が無いって・・・」
魂を一部吸われ声を出すのも一苦労だ
408:死神IN学園
07/08/24 23:47:32 UAFd2eaP
「あ~・・・凄いよ~」
「ん・・・」
「はぁはぁ・・・」
冥夜に抜かれた生徒がふらつきながら離れた
「次はアナタ・・・初めてですか?」
「は、はい・・・!」
中三にしては童顔の生徒が答える
確かに経験は無さそうだ
「ん・・・」
「うあっ・・・!」
「気持ち・・・いいですか?」
「は、はい・・・あ・・・!もう出る!」
「ふふ・・・ふぁい・・・」
快楽に震える生徒のモノを冥夜は微笑みながらくわえている
「あぁ!!」
射精すると生徒は床に倒れた
「あ!しまった・・・」
「ど・・・どうした・・・」
「ちょっと精子を吸い取り過ぎたみたいです・・・」
出した精液の量に比例して魂の負担も増えるということだろうか
(どうしよ・・・好みのタイプの子だからって張り切っちゃった・・・吸い過ぎで死んじゃったら・・・)
冥夜は心配そうに生徒の胸に手を当てる
「はぁ・・・大丈夫です。良かったぁ・・・」
冥夜は胸を撫で下ろす
409:名無しさん@ピンキー
07/08/25 00:06:29 UdMcHYGu
できればsageて、書き溜めてからコピペで投下してくれるとありがたい。
スレで書きながら投下だと、どのタイミングで感想レスを入れれば良いかわからない。
sageのやり方はメール欄に「sage」ね。
410:名無しさん@ピンキー
07/08/27 17:02:19 7g5Qk9fb
岩瀬のスレはここですか?
411:401くらいの輩
07/09/01 19:11:24 xnRCGEj5
ごめん、じっくりと見直していたら矛盾点というかなんというか
ストーリーがすさまじいことになってもういろいろとだめだ汗drftgyふじこlp;@:[」
↓保守ネタでもいいからがんばって書いてね
412:名無しさん@ピンキー
07/09/04 04:48:17 gQ/q+EN+
>>410
よう、俺。
413:名無しさん@ピンキー
07/09/04 09:34:26 zvpgW21C
岩瀬ってどんな死神だろうと思って調べたら吹いたww
414:名無しさん@ピンキー
07/09/15 00:59:55 g+mrKCfE
背番号13のスゴイヤツが相手~♪
415:名無しさん@ピンキー
07/09/17 00:22:56 ZrQysYhs
死ぬぜぇ、俺を見た奴はみんな死ぬぜぇ!
416:名無しさん@ピンキー
07/09/22 01:27:17 f38r9CDI
なんか書けよ
417:名無しさん@ピンキー
07/09/22 08:07:17 mhdFw65d
巨乳メガネスーツ死神萌え
418:名無しさん@ピンキー
07/09/27 13:42:17 z70L1m1n
保守
419:名無しさん@ピンキー
07/10/03 20:58:47 A1eLRujm
もう一ヶ月も投下無い・・・誰かいるか・・・
420:名無しさん@ピンキー
07/10/03 21:08:44 L6I7EdNQ
呼んだか?
421:名無しさん@ピンキー
07/10/03 21:45:13 XRjyOZBK
漏れもいる
422:名無しさん@ピンキー
07/10/04 12:14:57 xZWQEcRb
残念ながら、まだここには死神の鎌は向いていないようだ。
423:名無しさん@ピンキー
07/10/06 12:15:00 e2eVmrcL
(´・ω・`)
424:名無しさん@ピンキー
07/10/07 19:42:09 TR7oO4+m
デスサイズの中の人を捜しにきました。
425:名無しさん@ピンキー
07/10/16 14:00:37 j2uHMuEp
保守
426:名無しさん@ピンキー
07/10/16 21:29:58 HyEGc0tO
(´・ω・`)
427:名無しさん@ピンキー
07/10/22 12:08:39 SMFuCRg0
死神13!
428:名無しさん@ピンキー
07/10/22 20:37:59 vfBGhT0o
(´・ω・`)
429:名無しさん@ピンキー
07/10/25 21:55:40 BGozDQiu
ほしゅ
430:名無しさん@ピンキー
07/11/04 12:48:35 nGA5Qiio
死神・堕悪零
431:名無しさん@ピンキー
07/11/12 14:51:56 KHKggom7
保守
432:ACTER ◆irhNK99GCI
07/11/14 03:50:49 IDWdNZL4
いきおいだけで書いたwこれから後悔するw
保守ネタのつもりだったんだが……まぁw
三部構成予定だがw未完で投稿は初めてなので放置になったら……
いやwしないようがんがるwたぶんwww
注意・内容等。
すこし死神 エロなさげむしろ下品系
妹ロリ属性 やや417
芝多めwwwwwwwwww
なので文体とか苦手な人はNG等要自衛。
Kiss☆Death ~日々登校のススメ~ 10/10
かわいくけなげな女の子がアナタに死をお届けします。
433:Kiss☆Death ~日々登校のススメ~ 1/10 ◆irhNK99GCI
07/11/14 03:51:55 IDWdNZL4
死月二日
「なぁにーちゃん死なねぇ?」
「死なねぇよwなんだよおまえw」
「なぁなぁしんでくれよぉ」
「物騒なこというなよ乳臭ェガキがw帰ってママンのおっぱいでも吸ってろw」
「いや、もうおなかいっぱいだしw」
「吸ってきたのかよw」
「てゆーかガキじゃないもんw」
「どっからどうみてもガキだろうがw」
「少なくともにーちゃんよか年上ってかんじ? えーっと一万二千十歳くらい♪」
「どこの合法ロリータだよテメェww八千年たってからまたきやがれw」
「そしたら死んでくれる?」
「ああw死ぬ死ぬwマジ死ぬw愛してるわw」
「おっけーんwじゃそんとき迎えにくるねw」
「気長にまってやんよwそれまでにおねしょ直しとけよw」
「!!!」
「してんのかよ!」
死月三日
「なぁにーちゃんしなねぇ?」
「しなねーよwってか来るのはええよw一日しかたってねーだろw」
「あたしのなかじゃ八千年たってんだよもんw」
「言葉遣いおかしーよwつか寄るなw触るなw」
「死んでくれたらやめるってばよww」
「だからしなねーってばよwww」
「お兄様、こんなにお頼み申し上げているのに死んでは頂けないのですか?」
「誰だよww俺にはまだやりたいこといっぱいあんのww
未来永劫前途有望な若者様なのwwガキに頼まれたくらいで死ねるかよw」
「えいっ!」
「いてっ! 痛っッツツ!いたたたたッ! いてえよwつかいたいしwおいィw
血ィでてんじゃねーかガキがwまじいたいってばwやーめーてっwwww」
「ふっふっふwこの死神の鎌からは逃れられないのだっwそぉ~い!」
「どう見ても三角定規だろw小学生はもっと手のひらサイズの使えよwww
製図用とかありえねぇだろww痛ッ! さすなwwwwwww」
「どうりで使いにくいとおもったよぉw」
「いまさらかよwwwww」
434:Kiss☆Death ~日々登校のススメ~ 2/10 ◆irhNK99GCI
07/11/14 03:53:18 IDWdNZL4
死月四日
「なぁにーちゃんしなねぇ?」
「ぜってーしなねぇww」
「どうしたらしんでくれるのよさw」
「どうもこうもしなねぇよwこれだから最近のクソガキはwww」
「じゃあさwじゃあさwイッパツやったらしんでもいいとか? どうよ?」
「……ねぇよw」
「あw何? 何? 今の間ww」
「ガキの口からそんな事聞くとはおもってなかったんだにょw」
「かんでるwwwじゃあさwあたしがやらしたげるからしんでよwwww」
「しなねぇよwつかガキに興味ねぇよw帰れよww」
「そんなこといって……今日、あたしはいてないんだwほれw」
「ばっwwwちょwwえ? ってスク水かよwwwブルマですらねぇwww」
「期待したw? したw? たったw?」
「してねぇwぜってーたたねぇwつかパンツどうしたよww」
「ふっふーwパンツは鞄の中に……あwないwww」
「バカめwwwwwwwwww」
「うえーんwこれじゃ帰りはのーぱんだよぉww」
「おまwはやくとってこいよwww」
「萌えた?」
「萌えねえよwwwいいからいけよw遅刻すんぞwww」
「あうあうあwwww」
死月五日
「なぁにーちゃんしなねぇ?」
「しなねぇwぜってーしなねぇw意地でもしなねぇw」
「そんなにわたしとやりたかったw?」
「おまえじゃぜってー勃たねぇから安心しろwつかガキがそんなこというなw」
「ぶーぶーwんじゃ……あのねーちゃん犯っていいよwww」
「うほwいい女wってどうみてもただの通行人だろうがwwww」
「あのねーちゃん処女だぜww? しかもレイプ願望アリアリww犯れww」
「しるかよwwつかいいかげんにしろよwwww俺の平穏な日常返せよww」
「しかもあのねーちゃん今夜しぬのよwwww」
「死ぬとか軽々しくいうんじゃねーよwww
つかやったらレイプ>死亡コンボで俺よけいやばいんじゃねーかwwww」
「これだから童貞卒業できねーんだよw粗チンww」
「っうっせーよwいいからどっかいけよwwもうくんなよwww」
「死にゆく乙女の願いもかなえられねーんじゃwいい男になれねーんだぞww」
「ったくw最近のガキはwww」
435:Kiss☆Death ~日々登校のススメ~ 3/10 ◆irhNK99GCI
07/11/14 03:54:18 IDWdNZL4
死月六日
「なぁにーちゃんしなねぇ?」
「…………」
「おwしぬきになった?w」
「なぁ、ニュースみたか? あの女なんで死んだんだ?」
「そういう運命だったんでしょ?」
「……なんで死ぬとか解んだよ」
「んーwwこうねww声ががズビシとひびくのよさw
あたしの死神の目に狂いは無いってかんじw?」
「イミフwwwそんなんでわかったら苦労しねーよw」
「わかってても苦労するものなのよん」
「……なぁ?お前誰だ? なんで俺に死んでほしいんだ?」
「…………あーw」
「今日、日直だったかもんwwwばいびーww」
「お、おいww」
死月七日
「今日はあのガキこないみたいだなw」
「…………wwww」
「五月蝿いのが居ない朝のなんと快適な事かwww」
「…………wwwwwwww」
「wwwwwwwww」
死月八日
「今日も……快適だぜwwwwwww」
「国崎最高www!」
死月九日
「今日も……かゆ…うま………なんちてwww」
「……w」
436:Kiss☆Death ~日々登校のススメ~ 4/10 ◆irhNK99GCI
07/11/14 03:55:20 IDWdNZL4
死月十日
「なぁにーちゃんw」
「うおwww」
「何びびってんのよwちびったw? 寿命縮まった?wwwwむしろチンk」
「このくそがきがwww学校でナニおそわってんだよwwww」
「ガキじゃないもんwにーちゃんより大人だしwwキスすらした事無いんだろw
『春日菜みこと』ってちゃんと名前だってあるんだからね!
アンタのために教えてあげたんじゃないんだから! 勘違いしないでよね!」
「勘違いも何も俺の脳みその容量勝手に圧迫すんじゃねーよww電波ww」
「あwそれって覚えてくれたって事でいいのかな?ww」
「バカめw即デリにきまってるだろがwww」
「いや……いくら童貞がくやしいからって今からデリヘルとか……」
「どこをどう勘違いできるんだよwつかホントに小学生なのかよwww」
「バーローwwwこの赤ランドセルが目に入らぬかっwww」
「うはwwwwなにこの命探偵www」
「このコンパス型針でにーちゃんぬっころww」
「おまwwwなんの仕掛けもねーだろそれwwwつか痛っいたいって
いてぇよwwwwバカwww血でてるwwやーめーろwwwwいてぇwww」
「ふんwこの社会のクズがwゴミ虫がw童貞野郎ww非国民www」
「ぐはwwwてめぇwwうぅwwいてぇwwいてぇよぉww」
「にーちゃんないちゃったww?」
「全俺が…泣いてねぇwwこれは……これはただの漢汁だww」
「きめぇwwwwwww死ねよwwww」
「しなねぇwwwwwwつかこのままじゃしねねぇwwwwwwwwwww」
「マジうけるんですけどwww」
「あっちいけよぉwww俺にかまうなよぉwwwうぅwうぇ」
437:Kiss☆Death ~日々登校のススメ~ 5/10 ◆irhNK99GCI
07/11/14 03:56:09 IDWdNZL4
死月十一日
「なぁにーちゃんしなねぇ?」
「しなねぇwwむしろお前がしねww」
「え…………」
「あ………」
「……」
「…あーなんだ、そのスマンw」
「そう、だよね」
「いや、その、あれだw売り言葉に買い言葉っつかw
散々お前だって俺に死ねっつったろw」
「うん……ごめんね」
「あ、うん」
「ガキィ」
「んに?」
「なんで俺なんだ?」
「なんとなく、かな」
「なんとなくかよwwww」
「うん、にーちゃんやさしそうだったから
にーちゃんならあたしの為にしんでくれるかもって」
「お前のため?」
「でも、もういいんだ」
「なんかにーちゃんとはなしてたら元気でてきたもんwwwでたんだもんwww」
「……バカガキがwww泣きながら言う事じゃねーだろうがwww」
「その、なんだw俺とお前の仲だろ? 話してみろよw」
「あたしにーちゃんの名前まだ知らないのに?」
「あ? そういや……そうだったか?」
「そうだよ、このポンコツwwwwインテルほんとはいってんの?w
そのラベルよく見たらインポルとかなんじゃね?w」
「んなわけあるかよwwたつよwビンビンだよw」
「いきなりセクハラかよwその変態ロリコンに職務質問だわよwwww
おっきいおにいたんwお名前はなんていうんでちゅか~?」
「っくwww『内須 誠』だよwクソガキwwww」
「まことたんえらいでちゅね~wよくいえまちたぁ~www」
「ウザッwwこのガキウザッwwww心配した俺激しくバカスwwww」
「あはっw心配してくれてありがとっww」
「っ! してねぇww」
「ん? w萌えたw? 惚れたw? たったwww?」
「あーくそwwwwwてめぇは俺を怒らせたwwwwちょっとこいww」
「あ、ちょwや~んwおーかーさーれーるーwwww」
「バカwww叫ぶなwwww」
438:Kiss☆Death ~日々登校のススメ~ 6/10 ◆irhNK99GCI
07/11/14 03:56:49 IDWdNZL4
「なぁにーちゃん?」
「あw?」
「これって登校中の児童誘拐? さらに監禁? 婦女暴行の予感!」
「しねぇよwwwwwwお前があんまり話ごまかすからなw
俺ん家でじっくり事情聴取決定ww」
「言葉攻めもたまらんですたいww」
「ほら、そうやって話をそらす
いくぞw」
「…うん……あ」
「ん?」
「もしにーちゃんが捕まってもあたしは弁護してあげるからwwwwww」
「まじでかんべんしてくれwwwww」
「なぁにーちゃん、死神って信じてる?」
「あぁ? んなもんいねーよw」
「それがねーwいるんだなぁwここにw」
「なにィ!? どこだよwいてたまるかよwまだしなねぇっつてんだろww
ひっかかるわけねーだろwこのダラズww」
「目の前にいるのになぁw
こんなにかわいくてぷりちーなびゅーてほーデス様がw」
「ま、まさかw…そういえばあの女の死も……お前!」
「ふっふーwびびっとくるっていったでしょ?w」
「お前が死神かー!!」
「へw? あたしw? 違うよwほら目の前に…って見えてないのか」
「あぁw? この部屋には俺とお前だけだろうがw?」
「二人っきりとかーーちょ~ぴ~んちwwwwにんしんしちゃうーー!」
「しねぇよwwwwつかお前じゃなくて?」
「ちがうよぉwだってw私は命を狙われてる方だもんw」
「なに?」
439:Kiss☆Death ~日々登校のススメ~ 7/10 ◆irhNK99GCI
07/11/14 03:57:48 IDWdNZL4
「なんでよwwwこれ以上ないくらい条件いいんじゃん?」
みことが疑問に思うのも無理はない。
実際、俺としてもこんあ美人とヤれるなら死んでもいいかも、
なんて考えてしまったわけで。
「俺には……」
「俺には?」
「俺には腹違いで相性ぴったりの妹がどこかにいると信じてる!
まだ会う事のない兄を想って夜な夜な股間を濡らしている妹のためにも!
死ねない! 死ぬわけにはいかないんだぁああああ!」
「死ねよwwwwwwwwこのド変態wwwwwwwww」
『美しい兄妹愛ですねっ、私ならチョチョイって探す事もできますけど…』
「マジか!」
「ダメダメダメダメ!」
『あら? でもみこちゃんこうなるようにしたかったんじゃないの?』
「もういいの! あたしが死ねばすむことだから!」
さっぱり意味がわからない、会話においてけぼりだ。
「どういうことか説明してくれるか?」
「いや!」
『いいデスよ』
「んじゃよろしく」
「うわww無視かよwwww」
『ん~っとデスねぇ、まず私が死神だって事はわかってますか?』
「ああ、美人のいう事ならなんでも信じる」
『あら、嬉しい。それでデスね、当然お仕事ってのがまぁ人間に限らずデスが
ブッ殺して魂ぶんどってお持ち帰りする事なんデス☆』
「さいですか……」
『デスデス、まぁ具体的に刺したり叩いたりするわけではないんデスが、
ターゲットに着床して、死季を呼ぶんデス』
「死季?」
『はい、ん~ん~、梅雨どきの湿気みたいなものとお考え下さい、
じめじめからカビはえてあぼーんって感じかな?』
「すぐに死ぬわけじゃないんだな」
『その人のもつ死季のめぐり次第というとこデスね、長く一緒に過ごすのも
なかなか暇なもので、私の能力でちょっとだけ余生が楽しくなるように
お手伝いとかもしてるんデス』
「その能力があれば見つけられるって事か」
『はい、ただしそれは私が着床してる相手にだけデスけどね』
「みことっ!」
「ヤダ!」
440:ACTER ◆irhNK99GCI
07/11/14 04:02:57 IDWdNZL4
ごめんミスった上の8/10
次7/10 9/10でorz
441:Kiss☆Death ~日々登校のススメ~ 正7/10 ◆irhNK99GCI
07/11/14 04:04:20 IDWdNZL4
『はぁ~い☆』
頭にかかっていたもやが晴れるかのように、
目の前に巨乳もとい、真っ黒なスーツ姿の女性が湧き出した。
「うっはwwwでたw乳でたwwww」
『イキナリ乳扱いとかヒドイんじゃないかしらん?』
「男なんてこんなものねwはぁwww」
三者三様の台詞を言うと、その女性がぺこりとお辞儀をした。
『しいなデス☆ よろしくね!』
「こっこちらこそよりしくおにがいします!!!」
「なんであたしの時と対応ちがうのよwwww
せっかくしーなに色々教えてもらったのにっww!」
「教えてもらった?」
ぷんすかと怒るみことに視線を戻す。
「うぇwあwいやwなんでもないwww」
『みこりんがね、キミと話しやすいようにって頼むから
キミの部屋とか趣味とか嗜好とか長さとかイロイロ見させてもらったの』
「それで、この変態幼女がデキあがった…ってなにそれwww
俺変態www? つか長さってなに? うはwwww絶望したッ!」
「にーちゃん死にたくなったw?」
みことがニヤニヤしながら聞いてくる
「しにた……いやwまだだ、まだおわっ!!」
うつむいた俺の顔を、しいな覗き込む。
『死んだらイロイロサービスするのデスけども』
「マジスか!」
俺は視線は胸の谷間に釘付けのまま答えた。
「うわぁ~リアルにひくわぁ……にーちゃん…」
「何いきなり話かけて来てるわけ?」
ガキに興味は無い、今は目の前の真実とやらを知りたい、
是非ともそのサービスの内容について詳しく。
「あ、あの具体的には……」
『ん~、誠君がしたい事なんでもかなぁ~。
このオッパイ揉んだり舐めたりしてもいいし、髪の毛くるくるしてもいいし
中でも前でも後ろでも、時間も制限ないシネ』
「あ、あのっ! オプションに眼鏡は付きますか!?」
『つきま~す☆』
「イヤッッホォォウ!」
「じゃあにーちゃんしんでくれるねっ♪」
「だが断るwwwwwwww」
「ちょwwwおまwwwwww」
『あら残念』
442:Kiss☆Death ~日々登校のススメ~ 9/10 ◆irhNK99GCI
07/11/14 04:05:52 IDWdNZL4
「ヤダとかいうなよ、頼む! このとおりだ!」
生まれてこの方、本気で土下座なんてした事なかった俺だが、
練習を重ねていたせいかスムーズにジャンピング土下座を成功させる。
「うわwwキモwwwだめったらだめ!」
「頼む! つかアレだろ? このままじゃお前死ぬんだろ?」
「あ……そうだけど……はずかしいからヤダ!」
「はずかしいってなんだよ!? 意味わかんねーだろwww」
「あうーーーー! ってゆーかそしたらにーちゃんが死ぬことになるんだよ!?
死にたくないっていってたじゃん!」
「妹の為なら死ねる」
「あぅ……でも…あたしはもうにーちゃんに死んでほしくないの!」
「あーくそ、しいなさん? どうしたら、そのアンタを俺に着床させられるんだ?」
「ば、馬鹿っ!」
『ん~とデスね、保有者から私を吸い出してくれればいいんデス。
よっぽどの事がないとそんな事したがる人はいませんけどね、
命を賭けてまでする事なんてそうそうありませんから』
「吸い出すって、どうするんだ?」
「WAWAWAWA~わーわーわー!」
「うっさい!」
『キス☆デス』
「わかった!」
「わかるなっwwwwwwwwwwww」
「ガキが男の力に勝てると想うなよ!」
「ちょww冗談だよねw? なにマジになってんのwwwww」
「安心しろ、お前を死なせたりなんかしない」
「台詞だけみればかっこいいけどwww絶対なんかちがうwwww」
「悪く思うなよ!」
「あっ! ちょ! だめだってっむぐっ!!」
抵抗するみことを取り押さえ強引に唇を奪う。
んむ、乳臭い。牛乳だと信じたい。
じたばたもがく腕ごと抱きしめながらやわらかい口元を貪る。
「はぅ…ん…んみゅぅう…っ!!」
つぐんだ唇を舌でこじあけ奥へ奥へと舌をしのばせる。
『あらあら、うらやましいこと♪』
しばらく暴れていたみことも抵抗をやめ、されるがままにからだを預けてきた。
みことの小さな口の中をかき回し、舐めまわす。
暖かい唾液と共に背筋の凍る感覚が俺に流れ込んできた。
『あ、はじまったのね』
「っふぁ…ぁ…んふ……ちゅ」
例えるならば恐怖。
この口を離せば救われるのが本能的に解る。
だが、離さない、ひたすら無心に、離れないように、唇を合わせることだけ。
ただそれだけを考え、その恐怖に耐える。
「…………」
口の中をちろちろと動く感触が、俺を現実に引き戻す。
いつのまにか仰向けに転がっている俺の上にみことが乗っていた。
汗が冷えて背中が冷たかった。
ただそれ以上に、稚拙ながらも必死に唇を合わせているみことの体温が
俺を安心させ、暖めてくれていた。
「んむ…ちゅは…ふぁ?」
あ、目が合った。
「うにゃぁああ!!!!!!!!ヴァカァァァア!!!!!!!!」
「痛ッ! 痛いってw」
顔を真っ赤にさせるみことの横でしいなが笑っていた。
『よろしくね、まこちゃん♪』
443:Kiss☆Death ~日々登校のススメ~ 10/10
07/11/14 04:06:53 IDWdNZL4
「悪いな……みこと」
「……」
「んじゃ、まぁさっそくでわるいが、頼むよ、しいな」
「…っ!」
『いいわよぉ、ってゆうか、そんなの調べるまでもないんだけどね』
「なぬぅwwwwwwまさかwwwここまでして妹がいないとか!?」
『うふふふふ♪』
「あああああああああああwwwww知らなければ幸せでいられたのかぁww」
「……」
『妹さんなら目の前にいるわよ?』
「なんと! 貴女が俺のふぐぅッ!!!!!!!!」
「馬鹿っ! あたしよあたし! って何いわせんのよ!」
「おまえ…が?」
「あっ」
『けなげな妹さんよねぇ、キミの事探すために私を取り入れたのよ?』
「みことが……俺を?」
「……」
「そう……だったのか、ありがとな、みこと」
「うっ……でも…だって…ふぇ……うわぁぁあああああんん」
『あらら、泣かしちゃったっ』
「いやwこれはwちょwwな、みこと泣くなってwな?」
「うわぁあああん、ひぐっ、んぐっ」
『感動の再会ってやつよねぇ~、会う前から死ぬ事はきまったたけど。
あ、でも死ぬ対象は代ったのかな』
「…しいなっ!」
『改めてよろしくね、まこちゃん♪死んでね』
死月某日
俺の元に死神がやってきた。
本物の死神。
それと、俺に『死』を運んできた妹。
確かに受け取った。
「どうしよwwwwwwwwwww」
444:名無しさん@ピンキー
07/11/17 00:41:43 PBkp3JGO
>>432
GJ!
俺みたいなのがこんな事言うのは失礼かもしれないが言わせてくれ。
文体だけみたらかなりウザイ感じなんだけど、ストーリーがそれを相殺していい味
出してた。次があるなら期待してる。
445:名無しさん@ピンキー
07/11/17 12:30:03 WdvxXPuP
その、悪い。全部スッ飛ばした…
中身良いのなら頑張って読んで見るべきかなー…
446:名無しさん@ピンキー
07/11/17 13:43:15 c71xwV3L
芝生やしすぎwwwww
でもテンポがよくやり取りが面白かった。
もうちょっと地の文を入れるとイメージしやすい
447:名無しさん@ピンキー
07/11/18 00:51:56 zU0uRS31
芝刈りして地の文を増やすと
クオリティが跳ね上がると見た
超ガンガレ!!
448:名無しさん@ピンキー
07/11/19 02:02:47 VveFInw6
残念ながら草と文体が合わない
次回作に期待
449:ACTER ◆irhNK99GCI
07/11/19 22:52:44 IrjcWkJk
レス&読んでいただきありがとうございます。
頂いた意見は参考に、語りたい事は自重させていただきます。
で、本題。
ぼちぼち続きができるのですが、このスレに落としてよいでしょうか?
というのもまだ若干芝パートが残っているわけで、前半は投下済の物と同様のリズムです。
不人気の芝を修正すればいいのでしょうが、これはこういう作品として~という面もあるわけなので。
特に問題無さそうならここへ、そうでなければ他投下後、アドレス張らせてもらいますがどうでしょうか?
450:名無しさん@ピンキー
07/11/20 23:40:14 +JfZM1Zb
イイヨイイヨー
俺的には芝好きなんだがwwww
451:ACTER ◆irhNK99GCI
07/11/21 19:11:19 XLUM+Nu5
それではまたしばらくよろしくお願いします。
注意・内容等。
芝有 エロ無し あくまで想像上の事象です。
徐々に死神パートへ移行中
次あたりエロに入れると思うます。
Kiss☆Death ~悪魔が叫ぶ季節~ 11/11
死亡フラグは微笑まないwwww
452:Kiss☆Death ~悪魔が叫ぶ季節~ 1/11 ◆irhNK99GCI
07/11/21 19:12:18 XLUM+Nu5
誤月一日
「なぁにーちゃん、あたしを死なせたりしないって言ったよね?」
「で、なんでまだコイツが死ぬんだ? しいなは俺のとこにきたんだろ?」
『私が巡らせた死季が残ってるからね、まぁそのうち晴れるから☆』
誤月二日
「腹減ったな、出前でもとるか」
「いぇーい! あたしおそば食べてみたい!」
『私は天麩羅がいいなぁ♪魂とかキョンシーとか』
「そんなもんねーよwwwwつうかおまえも食うのかよwwww」
『うー、だって仲間はずれみたいで寂しいのデスよぉ~』
「ったくwwwとぅるるうるるるるるるるる
あ、出前お願いします。ええ、キツネそばとてんぷらうどん、
それと山菜そばで、はい、んじゃお願いします」
「wwwwwwwwwwww」
「うわwマジで届いたよww」
「そりゃ来るだろw普通w」
『あ♪ちゃんと天麩羅が希望どーりだ!』
「「嘘だッ!!!!」」
「あうっぅ…うぐっ…!」
「ぬぅwwwww! やべぇwwww!」
『おいち~♪』
誤月三日
「……はぁ、あたしそばアレルギーだなんて知らなかったよぉ…死ぬかと思った」
「……毒草は山菜とはいわネェwwwあーくそwまだ腹イテェww」
『今日は出前とらないんデスか?』
「なんでゲテモノ食ったお前だけピンピンしてんだよwwwww」
誤月四日
「なぁにーちゃん、そろそろ世間では黄金経験週間じゃないかな?」
「そうだがw?」
「ネズミーランドとか後楽怨とかどっかいきた~い!」
『逝きましょう☆』
「逝かねーよwwwんな金ねーよww貧乏なめんな!」
「え~wwwこの甲斐性なしwwヒモww引きこもりwww!」
『場所の問題じゃないんデスよ? みこちゃんの気持ちがわからないようじゃ
お兄さん失格デスね、生きてる価値なし、死んだ方がいいわね、むしろ死ね☆』
「兄失格は困るwwwwwじゃぁ………電力館…とか」
「地元かよwwwwwwww連休にいくとこじゃねーwwwww」
「嫌ならくんなよwww俺一人でいくよwwww」
「あ、う、にーちゃん一人じゃ迷子になるでしょwww
保護者としてついてったげるわよっ!!」
『うふふふふふ♪』
453:Kiss☆Death ~悪魔が叫ぶ季節~ 2/11 ◆irhNK99GCI
07/11/21 19:13:20 XLUM+Nu5
誤月五日
「なぁにーちゃん、あたしもうわがままいわない……」
「ああ……」
『楽しくなかったデスか? 私はまたあのアトラクション逝ってみたいのデスが』
「勢いの乗った鉄球が追尾してくるとか冗談じゃないわよwwwww」
「発電機かと思ったら、普通の自転車だったとかありえねぇよwww
しかも窓ぶちやぶって落ちそうになるとかどう考えてもねえだろがwww」
『チッ』
「あ、しーな今舌打ちしたでしょ!」
「くそwww漏電した電気にあてられてまだ身体しびれてるしwww
ミニチュア発電所模型は火災した上に放射能漏らすしwww」
『一生忘れられない思い出になりましたね☆残り短いデスけど』
「忘れちまうぐらい長生きするぜwwwwwwwww」
『あら、若い体の方が私の好みなんデスが……』
「むぅwww」
「にーちゃんwwwwwwww」
誤月六日
「出前はもう懲りたw」
「でもオナカすいたぁ~」
『どこぞの料理人は自らの足を食べて……』
「「却下!!」」
「コンビニいくかwww」
「都会のオアシスへれっつごー!」
「お前w御菓子ばっかえらんでるんじゃねぇよwww」
「スイーツ(笑)」
『そういう割にはハバレロとかカラムッチョとかばっかデスね』
「…とりあえずカゴもってこい、前みえてないだろ」
「うんっ」
454:Kiss☆Death ~悪魔が叫ぶ季節~ 3/11 ◆irhNK99GCI
07/11/21 19:15:14 XLUM+Nu5
「あうっ! ごめんなさい」
入り口の方に積んであるカゴを取りに行ったみことが、
丁度入店してきた客にぶつかっていた。
「おまwww気をつけろよwwすいません、うちのバカが…」
「なに、気にしなくていい。その代わり少しだけ……協力してもらう!」
「はい?」
「あぅ?」
「お前ら全員財布をこっちに投げて床に伏せろ!
そこのバイト! レジの金全部だしやがれ!」
客だった男は一瞬にして強盗に成り代わり、みことを腕の中に捕まえていた。
「にーちゃん!!」
「みことっ!」
「うるせぇ! お前もさっさと金だしやがれ!」
「……っく!」
店内に居た残りの二人の客は財布を投げて伏せていた。
バイトと呼ばれた店員はガクガクに震えながらビニール袋に金を詰めていた。
俺は……。
強盗の体格は俺と似たようなもの、武器はみことの首元に添えられた文化包丁。
サングラスとマスクのせいで表情は見えないが、おそらく初犯なのだろう。
忙しなく振り向いたり怒鳴ったりと落ち着きの欠片もない。
動くべきか否か……。
『あらあら、大変な事になっちゃいまシたねぇ~』
(しいな、なんとかならないのか?)
『コッチの世界の物質はあんまり干渉できないのデスよ~』
(役たたねぇーー!)
『まこちゃんなんて立っても相手がいないですものね☆』
(冗談言ってる場合じゃねえっての!)
「おい! てめぇブツブツ言ってねぇでさっさと金出しやがれ!
妹の命より金が大事なのか!?」
「わ、わかった! 今出す! すぐ出す!」
『あら、早漏さん♪』
(しいなっ!!)
「へへっ、それでいいんだ。お前らそのまま動くなよ!」
男はそう言うと店員から金の入ったビニール袋を奪い取り店を出て行った。
みことを連れて。
「みことぉッッツ!!」
455:Kiss☆Death ~悪魔が叫ぶ季節~ 4/11 ◆irhNK99GCI
07/11/21 19:16:47 XLUM+Nu5
-*-*-*-*-* 死月三十日 *-*-*-*-*-
「みこと、何か言う事あるんじゃないか?」
「……」
「黙ってちゃ解らない!」
「あぅ……あの、あのね。
お父さんが死ぬ前に教えてくれたの、私にはお兄ちゃんが居るって」
「親父……そうか、親父はもう…」
「最初聞いたとき、なんで一緒に居てくれないんだろうって思った」
「悪かったな…その」
「その時しーなが見えたの。お父さんの横で笑ってた。
そして言ってくれたの、お兄ちゃんに会わせてくれるって」
『モチロン命と引き換えになるって言いまシたよ?』
「そこまでして俺のことを……」
「どんな人だろうって楽しみだった、きっとステキな人なんだろうって。
一緒に暮らせたらきっと幸せになれるって思って、お父さんからしーな貰ったの」
「……すまん」
「そしたら、しーなに教えてもらったにーちゃんは理想の正反対で、
あたしはこんな奴の為に命賭けたんだって……」
「…」
「だから最初はにーちゃんにしーな憑かせて殺しちゃおうって思った。
馬鹿面さげてのほほんと暮らしてるのが憎く思えてた。だから、
あたしは助かろうって、そう思って…恥ずかしいコトも馬鹿な言って……」
『私、奪われてしまいましたわ☆作戦成功デスね』
「…」
「でも、今は…なんだろう。どうしてかわかんないけど、死んでほしくないなって、
一緒にいたくて、どうしようもない馬鹿でキモイ奴だけど、それでも大切な…」
『社会のゴミは私におまかせあれ~♪』
「それでも大切な私のおにいちゃんだからっ……その、ごめんなさいっ!」
『みこちゃんもこう言ってるわよん? 許して上げたら?』
「ああ、話はわかった。だがそんな事関係ないだろ?」
「にーちゃん……どうしてっ!?
理想の妹じゃないっ! にーちゃんの為に毎晩こんなに……ぐっしょりと…」
「許さん、今まで耐えてきたがガマンの限界だ!
お前は都道府県制覇で満足できないのか!? 世界征服まで狙うのか!?」
「だって、にーちゃんみるくいっぱい飲ませるから……」
「ほぉうwつまりミルクを買ってこなきゃオネショはやむんだなww?」
「いやぁあ! にーちゃんみるくほしいのぉお! おあずけしないでぇ~!」
「だーwww近所に聞こえたら危ない事いうんじゃねぇえwwwwww!
俺、一人暮らしのハズなのww毎日のようにオネショ布団干す俺の身にもなれw
昨日なんか隣の爺さんに大人用紙おむつ渡されたんだぞwwwwww」
『そういうプレイもオッケーデスよ☆』
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
俺だって知ってた、お前が俺と同じ空の下のどこかで暮らしてるって。
お前に会える日をどれだけ楽しみにしていただろうか。
それなのに……恥ずかしくて誤魔化していた俺の気持ちを、
大切な妹にまだ伝えてすらいない。
それなのに……。
456:Kiss☆Death ~悪魔が叫ぶ季節~ 5/11 ◆irhNK99GCI
07/11/21 19:18:02 XLUM+Nu5
俺はッ! 俺は何も出来ないのかッ!?
『……出て右に…1500m…の駐車場……』
「わかるのか!?」
『…白の…スバル。これくらいなら余裕デス☆
黙っててまこちゃんに嫌われたくないデスシ』
「助かる! みこと、今行くぞっ!」
『なんの準備もしないのデスか? それは勇敢じゃなくて無謀というんデスよ?』
「急がないとみことがっ!!」
『ホラホラ落ち着いてください、確かに急がなければイケマセンが、
このまま無策で行けば二人とも死んでしまいますよ?
みこちゃんの死季はあと少しとはいえ抜けきっていませんシ、まこちゃんも……
下手に動けば二人とも…あ! それもいいデスね☆』
「俺、はどうなろうとかまわん。だが、みことは渡さん!」
『ん~、残念デス。まぁ二兎追うものはデスね、ではコレとソレと……』
しいなが指定した商品をコンビニの棚からかき集めて準備する。
鍋焼きうどん弁当、小麦粉、片栗粉、ビニール袋、ガムテープ、靴下、猫缶、
小さいペットボトルの暖かいお茶、カッターナイフ、紙パックのコーヒー。
「こんな物どうすんだ? こんな物より傘の一本でも…」
『犯人は人目に触れないように移動してるので、もう少し時間があります。
私の言うとおりにシたほうがいいデスよ? あ、おいし♪』
「食うなwwwなんだよwお前が食べたいだけかよ!」
しいなは鍋焼きうどんの玉子を頬張りながら、コーヒーで流し込んでいた。
「コッチの物には触れられないんじゃないのかw? 何でくってんだよww」
『好きこそ物のにゃんとやら? んぐっ、ホラ、手がとまってますよ♪』
「くそっ、みこと…無事でいてくれよ……」
まさか強盗に合うとは……ついてない。
犯人の逃げ去った自動ドアをポカンと眺めながら店員は思う。
目の前では、妹を人質に取られたショックのせいで男性客が狂っていた。
独り言を呟いたかと思えば、叫んだり店内の商品をかき回したりと、
気持ちは分らないでもないが、見ていて痛々しかった。
男性は「代金はあとで必ず払う!」と言い残し出て行き、店内に静寂が戻る。
代金の言葉に店員はふと思い出した。とりあえず警察に通報しよう。
面倒なことに巻き込まれたとは思ったが、焦りとかそういうものはなかった。
「あ、すいません警察ですか? 今強盗に襲われまして……」
店員の財布だけは無事だったから。
457:Kiss☆Death ~悪魔が叫ぶ季節~ 6/11 ◆irhNK99GCI
07/11/21 19:19:19 XLUM+Nu5
「くそっ、さっさと歩け!」
「ひぐっ…」
男の人はあたしをつれてはしりだした。
後ろでにーちゃんの声がきこえた。
「みことぉッッツ!!」
あたしもさけぼうとしたけど口をふさがれてしまった。
「騒いだらぶっ殺すからな」
あたしだってバカじゃない、人がいない道でさけんでもダメだ。
助けに来てくれる人がいるところじゃないと……。
そう思っておとなしくついていく。
それなのに男の人は曲がり角で立ち止まったり、
引き返したりしてだれにも見つからずにすすんでいく。
「ふぇ…っ…」
「泣いても殺す」
にぎられたうでがとてもいたい。
このままじゃあたし本当につれていかれちゃう。
「よし、ここまで来れば…っくそ、これだからしつけのなってないガキは…」
駐車場の白い車を見つけて男の人がぼやいてた。
車の屋根にはコンビニの袋が捨ててあって、
ボンネットの上は飲みかけのコーヒーがこぼれていた。
「おら、中でじっとしてろよ」
あたしは後ろの方の席におしこまれた。
どうしよう…車にのせられちゃったよぉ……。
「中には……よし、染み込んでないな」
男の人はボンネットをふいて、まだ中身のある紙パックを捨ててふみつけた。
「ぬおおっっつぅぐぁああああ!!」
ぽん、と車の屋根がふるえて男の人のさけび声がした。
窓の外はまっしろになってて何も見えなかったけど……
「この野郎っ!」
にーちゃんの声がきこえた。
458:Kiss☆Death ~悪魔が叫ぶ季節~ 7/11 ◆irhNK99GCI
07/11/21 19:20:32 XLUM+Nu5
走る、走る、走る。
犯人より先に車に着かなければ意味は無い。
『あんまり揺らさないで下さいね?』
「わかって、るって!」
しゃべると息継ぎが乱れる。
『ここまでお手伝いシてあげたのに台無しだと、救いようがないデスシネ☆』
「……」
俺の手には半分ほど残った紙パックのコーヒと、
コンビニの袋に詰め込まれた即席の仕掛けがある。
鍋焼きうどん弁当から抜き出した生石灰。これと片栗粉を混ぜたお茶のペット。
そのペットボトルには穴が開かない程度にカッターで切り込みを入れてある。
しいなの言うとおりならば、ベストタイミングで爆発するはずだ。
『あ、アソコっ! 白いのあるわよん♪』
「よし! 間に合った!」
車の上にコーヒーを投げ捨て、屋根の上に袋を置く。
袋の中で熱くなっているペットボトルを慎重に立ててから
小麦粉で埋めて袋の口をこちらに向け、触れば解けるほど軽く縛った。
『まこちゃ~ん、そろそろよぉ~』
「ああ」
すぐに強盗犯がやって来た。
俺は隣の車に身を隠してチャンスが来るのを待つ。
「おら、中でじっとしてろよ」
強盗犯に気付かれないようにゆっくりと移動する。
手には二重にして猫缶を詰め込んだ靴下。
小さな破裂音と共に辺りに小麦粉が飛び散った。
「ぬおおっっつぅぐぁああああ!!」
その瞬間を狙って車の陰から飛び出し、即席のブラックジャックで殴りつける。
「この野郎っ!」
鈍い音と、確かな手ごたえを感じ安堵する。
だが、気を抜いたのがまずかった。
まだ晴れない視界の奥から、無茶苦茶に振り回された包丁が俺の左腕に刺さった。
「うっがぁッ!」
慣れない感覚と、刺さったという事実に驚いて後ずさりする。
目の前の男も少しずつ現状を把握してきたのかこちらを睨みつけていた。
「うっっっっくぅうう、お前はさっきのっ!」
サングラスとマスクは外され、それらに覆われていなかった部分には
粘性をおびたお茶による火傷と、飛び散った小麦粉が張り付いていた。
「みことは返して貰うっ!」
無事だった右手に、ブラックジャックを持ち直し振り回す。
強盗も包丁を構えなおし、お互いの間合いを計り……仕掛けてきた!
だがかろうじてドアが開閉できる程度の隙間しかないここでは避けきれない。
突き出された包丁を再度左腕で受け止める。
「うぐっ!」
包丁が振り下ろされていたらなんて考えたくもないが、
腕を犠牲にしてまで得たチャンスを逃す手はない。
右手を振りかぶって接近している男の後頭部を狙った……ハズだった。
遠心力のついた自慢の武器はそのまますっぽ抜けてしまったのだ。
「しまっ……!」
男はそのまま勢いに乗って俺を押し倒して組み敷く。
利き腕の方はボロボロ、右腕は無事だが男を跳ね除けるだけの力は無かった。
包丁を持った手を押さえたものの、もう片方の手は俺の首にかかり……。
459:Kiss☆Death ~悪魔が叫ぶ季節~ 8/11 ◆irhNK99GCI
07/11/21 19:22:01 XLUM+Nu5
『みこちゃん、こっちデス』
「しーなっ」
反対側のドアから上半身をのぞかせたしーながいた。
『シー、気付かれないようにそっとデスよ?』
声のする方の窓はまっ白でこちらの様子は見えないみたい。
音を立てないようにしんちょうに車の外に出る。
すぐにでもにーちゃんの居る方に駆け寄っていきたかったけど、
しーながあたしの前に先回りして遠くをゆびさした。
『ホラ、アソコのブロック塀が崩れてるトコあるでしょ?
一番重そうのを大急ぎで持ってきてあげて』
あたしは頷いてそこを目指す。
駐車場の入り口の所、まえに車がぶつかってこわれたままところ。
ずっとほったらかしの壁のまわりに、目当てのブロック片を見つける。
「…っく、ちょっと重いかも」
『みこちゃんがんばって~♪』
車の上でしーながのほほんと手をふっている。
「あとで…はぁ…ぜったいっ…はぁ…文句…いってやるんだからっ」
腰を使って持ち上げたブロックを抱えて、全力でかけだす。
『そうそうその調子☆』
車の横まで来ると、にーちゃんが男の人に押さえつけられていた。
「っ!」
『ガツンとイッパツ! ヤっちゃいなさいっ!』
いわれなくたってっ!
抱えていたブロックを頭の上に持ち上げて、思いっきり投げ下ろす!
「っがああ!!」
「っっげほっげっはっっはぁはぁっげっふ!」
ブロック片は頭に当たって少しだけかけた。
男の人は血が出てて動かなくなっていた。
「ううぇっぷ、っはぁはぁ…っみ、こと?」
「…にーちゃん……うぐっ」
咳き込みながらにーちゃんはあたしを抱きしめて……
ちょっと痛いけどイヤじゃなかった。
抱きしめられた腕に、ぬめっとする感覚に気付いて視線を落とすと赤くぬれていた。
「あぅ! にーちゃんっ血が出てる!」
「…こんなの大した事……あっべ、意識したら痛くなってきたっ!」
『それじゃ、最後のフラグ回収デスね♪』
そういってしーながガムテープを指差してた。
「っっつぅう、ああ? ソレ犯人縛り上げるんじゃないのか?」
『ソレを縛る? 違いますよ? まこちゃん、とりあえず上着脱いでください♪』
うまく腕が動かせないにーちゃんを手伝って上着を脱がす。
「イタイ、いたっっもっとやさしくなっ! んでこれが何になるんだ?」
『みこちゃん、その上着で血を拭いてください。そしたら、
腋のほうからキッツークガムテープ巻いてあげてください♪』
「わかったっ」
「うっぎゃあああぁぁいってぇええ!!」
『男の子デショ? それくらい我慢デスよっ』
460:Kiss☆Death ~悪魔が叫ぶ季節~ 9/11 ◆irhNK99GCI
07/11/21 19:23:57 XLUM+Nu5
強引な止血を済ませ改めて犯人を見る。ピクリともしない。
「おい、これって……」
『大丈夫デスよ、残念デスがソレは死んでません。
それに、もうすぐ警察も来る頃ですから☆』
「それならっいいんだっがっ、いってぇえ!
くそぅ…怪我するの分ってたんだろ? 他に方法なかったのかよ!?」
『他の方法デスか? 私的にはベストだと思ったのデスが……
楽しくなかったデスか?』
「おまっ!!」
「たすかったからいーじゃん、それより病院っ!」
それもそうだ、けっこう血が流れたせいか頭もフラフラするし。
『楽しそうですね』
「だから、楽しくなんか……誰だお前?」
頭に響く声は、しいなのソレとは違って幼い感じがした。
声のするほうを見るとモノクロのゴシックロリータ風の服を着た少女がいた。
コイツも死神なのだろう。というのも、それらしい鎌を持ち地面から浮いていた。
しいなは馬鹿っぽい言動とか空気、そして鎌すら持ってなかったせいか、
死神というイメージには程遠かったが、コイツはヤバイと直感が示していた。
『クリュー…』
「なんだ? しいなの知り合いか?」
『……』
しいなの様子が何かおかしい。
いつものヘラヘラとした気配が消え、常に張り付いていた笑顔も失われていた。
「しーな?」
みことも心配そうに声をかける。
『あらごめんなさいっ。みこちゃん、まこちゃんを病院に連れて行ってくださいね。
私はこの方と少しお話があるのデスよ☆』
いつも通りの【笑顔】で俺達にそう言うしいな。
『みこちゃん? まこちゃん? デスよ☆? っぷ、あっははははははは
新しい冗談? しばらく見ない内に腑抜けたもんだね』
クリューと呼ばれた少女がしいなを馬鹿にして笑っている。
たしかに俺だってアホの子かと思ってはいたが、他人に言われるとなんか腹が立つ。
「お前いい加減に…」
『ホラ、病院、早く行かないと。死んじゃいますよ?』
『っくっははは、ひぃ、もうヤメテってば、死神が病院薦めるとか…っぷ』
「いこう、にーちゃん」
「でもっ!」
「しーなの気持ち無駄にしないであげて…」
みことも何かを察したのだろう、俺の手を引いて訴えかける。
「…そうだな、いってくる。またあとでな、しいな」
『いってらっしゃい☆
……クリュー、場所を変える』
『ボクはここでもいいんだけどなぁ~、まぁシーナがいうならそうするよ』
駐車場を出るときに振り返ると。
しいなとクリューがふわっと消えていったところだった。
「しいな……」
461:Kiss☆Death ~悪魔が叫ぶ季節~ 10/11 ◆irhNK99GCI
07/11/21 19:25:23 XLUM+Nu5
『ひさしぶりだね、シーナ』
風景は同じながらも時が止まった灰色の世界。そこに二人の死神が居た。
『何か用か?』
『人間には優しくしてたのに、ボクには冷たいんだね。』
つまらなそうに言葉を吐き捨てるしいなと、
笑顔からいじけた様にとコロコロと表情を変えるクリュー。
『せっかくここまで来たってのに。ちょっとガッカリだよ。
あの活躍以来さっぱり消えちゃうし、見つけるの苦労したんだよ』
『それは残念だったな。話はそれだけか?』
退屈だと直接言葉にはしないがそれを態度で示す。
『見てくれてたかな? 政界交易センタービル。あれ全部ボクが刈り取ったんだよ。
60年前のシーナにはまだ及ばないけど、150歳の実績としては最高の仕事でしょ?
これなら十分だよね? また一緒にヤろうよ!』
『それで?』
『それでって……何も思わないの!? ボクはあんなにがんばったのに、
凄いとか、悔しいとか、何も感じないっていうの?』
『凄いな、悔しいよ。これでいいか?』
『…ッ!!!』
一方は睨みつけ、もう一方は静観と、すれ違う睨み合いに空気が変り始める。
『ボクを、馬鹿にしてるのかッ……』
『そんな事はない、ただ、今の私にはどうでもいい事だ。
狩りにも興味は無い』
全てが死に絶えた世界の歪に、熱が、風が生まれる。
『ボクがどうでもいい……!?』
クリューの周りから生まれた熱風が、しいなの黒髪をなびかせ、あおってゆく。
『あぁそうだ。これならボクを認めてくれるかな?』
クリューが鎌を一振りすると、裂けた空間から血のついた服が落ちてくる。
『っ!』
『あはは、どう? 他人の獲物を狩る趣味はないんだけどね~。
ボクが使えるヤツだって、また組みたいって本心から認めさせて上げるよ』
『彼らに手を出す事は許さない』
再び周囲の空気が変る。しいなから広がってゆく死の気配が熱を奪い、風を殺す。
『ふぅ~ん、そんなにお気に入りなんだ?
ならさっさと殺っちゃえばいいのに。
そういえばあの優秀な鎌はどうしたの?』
『鎌は還した』
『もったいないなぁ、ああ、それであの男の子狙ってるのかな?
確かにいい鎌になりそう。ボクも欲しくなっちゃったなぁ~』
クリューが服から滴る血液を指に乗せ、ソレを舐め上げながら言う。
『警告を二度はしない』
黒いスーツが影に沈み、灰色の空間がしいなの死に覆われはじめる。
『何この記憶…着床?…死季?……なにそれ?
傍に居るだけで……触れるだけで殺せるのに……。
鎌だって使えば……なんで?……なんで……殺 さ な い の ?』
広がった闇の中、スポットライトが当たった様に灰色の空間に浮き立つクリュー。
『貴様には関係の無い事だ。そこまでにしてもらおう』
しいなが距離を詰めて歩き出す。
クリューはそれに構わずに、舌の上で舐め取った血を転がす。
『…血の……もっと古い…記憶……!』
ニヤリ。
しいなが拳を振り下ろし、クリューがそれを受け止めて笑う。
『それでこそ死神シーナだよ』
『その名はすでに捨てたッ!』
他者の侵入を許さない二つの死の結界。
黒く荒ぶる力と、灰色の虚ろな力が交戦を始めた。
462:Kiss☆Death ~悪魔が叫ぶ季節~ 11/11 ◆irhNK99GCI
07/11/21 19:27:05 XLUM+Nu5
太陽が沈みかけ、紅い光が街を照らす。
都立病院の屋上は地平線こそ見えないが、ほどよく街が見渡せる。
そこの給水塔の上が、たまに来る彼女のお気に入りの場所だった。
長くストレートに伸ばされた髪が風を受けて揺れ、
足元からは、着ているスーツのように黒く長い影が、背を追い越していた。
『命を奪う事を辞めた私は、一体何なのだろうな……』
ただの神にでもなるのだろうか?
それはそれでおもしろいかもしれない。
視線をおろした先に、病院から出てくる兄妹が見えた。
女の子は青年の腰ほどまでしか背が無く、
青年の方は左腕を包帯に巻かれ、首から吊り下げていた。
『椎名、どうやら……アイツとお前の血は…しっかり受け継がれているみたいだ』
兄妹に、ここには居ない二人の面影を重ね、
一人呟いて、
そっと身体を浮かせた。
『みこちゃ~ん、まこちゃ~ん、おまたせデス☆』
「しーなっ!」
「おまえどこいってたんだよw」
『知りたいのデスか? それはもう激しくっグチョグチョのっドロドロで……』
「いいwwwやっぱ聞きたくねぇww」
「あ、あたしはチョット聞きたいかも……」
『みこちゃんは大人デスものねぇ~♪ 女の子同士のお話シマショ』
「わ~い」
「おまえらなぁ……とっとと帰るぞ、外に出るとロクな事がねぇ……」
『私はドコカに寄って御休憩でも…』
「あたしもー」
「怪我人をもっと大事にしろよwww」
私が神だとしたらなんと不自由なものだろうか。
手に触れて抱き寄せる事も出来ず、傍に居続ける事も叶わず。
できる事といえば死を振りまく事だけ。
あぁ……やはり私は、ただの死神でしかないわけか。
463:名無しさん@ピンキー
07/11/22 23:45:32 EC8yEmEb
GJww クォリティが上がってるwww
電力館ワロタwwww
464:名無しさん@ピンキー
07/11/23 12:18:03 s9JdnUW8
芝減ってるwwwww
465:名無しさん@ピンキー
07/11/23 13:12:36 riTrqIIN
___@wwwwwwwwwww
/ヴーン\
. ガリガリ
こういうことか?
466:名無しさん@ピンキー
07/11/25 08:31:18 zRbR0hNd
そろそろあげておかないと、次回の圧縮直前にあげる事になりそうだからage
467:名無しさん@ピンキー
07/11/25 10:01:52 eo3ZtZZk
芝が邪魔だ
頼むから芝をむしれ
468:名無しさん@ピンキー
07/11/28 01:27:11 G2gya/9Q
俺の髪はやめてくれよ?
469:ACTER ◆irhNK99GCI
07/11/28 20:14:26 YHZtHeMT
枯れてしまった愛しい芝よ、ちゃんと種は植えておくからな(ノД`)ノ^。
www→スレリンク(eroparo板:457番)-459
当初の予定とは違ったけどここから第二部となります。
死神パート入ります。ようやくキチンとスレタイに追いついたと思う。
注意・内容等。
えちぃかもよ半端に
Kiss☆Death ~She Na私~ 10/10
いつでも貴方に笑顔をお届けいたします。
470:Kiss☆Death ~She Na私~ 1/10 ◆irhNK99GCI
07/11/28 20:15:18 YHZtHeMT
鎌の美しさ、切れ味は、素材となる魂の経験と想いの強さが根源になる。
常人では並程度がせいぜいだ。
それゆえ犯罪者や精神病患者の魂が重宝される傾向にある。
かつて私が持っていた獲物も、120年ほど前のイギリスの犯罪者の魂だった。
「おい、そんなに急かすなよっ」
「ほらほらはやくっ!」
「ったく。しいな、お前もぼけっとしてると置いてかれるぞ」
『はぅん、イク時は一緒デスよぉ~☆』
60年前、私は自分の持つそれ以上に良い素材を見つけた。
--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--
私は戦争が好きだ。
放っておいても勝手に人が死んでゆく楽な狩り場だ。
数回ほど経験した後、私は一部の人間を操るともっと楽だという事に気付いた。
それは王や政治家と呼ばれる者、占術師や記者と呼ばれる者。
戦争さえ始まれば、後は現場の指揮者に取り入って狩るだけだ。
先日、若い死神の指導が丁度終わったので、今回もそうする予定だった。
本格的に戦争が始まる前にと軍仕官学校で、適任者を探していた時だった。
『内須 英雄』と呼ばれる男が目に入った。
残忍性や精神疾患などは見受けられず、まだ生まれて間もない魂だったが、
とても美しい鎌になると確信があった。
しばらくその男を観察していると、女に声を掛けられた。
「死神さん……ですよね?」
『そうだが?』
隠れているわけではないが、この姿が人間の目に見える事は珍しい事でもない。
これまでもこういう事は度々あったのだ。
女が私の視線の先、男の姿を確認して告げた。
「お願いがありますっ、彼を、英雄君を殺さないでください!」
女の発した言葉は、聞き飽きた台詞だった。
『つまらんな、お前だって死にたくはないだろう?
邪魔をするな、さっさと離れる事がいい』
そうでなくともこの女の命は長くないだろう。
私が手を出さずとも死ぬのは時間の問題だ。身体のあちこちが弱りきっている。
五月蝿い女を置いて、別の場所から男を観察する事にしよう。
「私っ、なんでもしますからぁあっ! おねがいしますぅ……」
自分の命より他人が大事なものか。
いままで一度たりともそんなヤツは見たこと無い。
皆、最後には命乞いしかしなかったのだから。
471:Kiss☆Death ~She Na私~ 2/10 ◆irhNK99GCI
07/11/28 20:16:06 YHZtHeMT
しばらく男を観察していると、あの女と頻繁に会っているのを見かけた。
それだけなら問題無いのだが、特筆すべきは男の変化だった。
会うたびに強く、美しく魂が輝いていくのだ。
これは使えるのかもしれない。
一つ問題があるとすれば、男に気付かれないかどうかという点だけか。
『おい、女』
「っ!」
女が男と別れた後、人気の無いところで声をかけた。
ここで改めてこの女を目に留めた。
やや貧相だが目鼻立ちが悪いというわけでもない。
長い髪も瞳もこの国では見飽きた黒、なんと平凡なものか。
人ごみに紛れれば見失うようなこの女の一体どこに、
あの男は惹かれたと言うのだろうか。
『何でもするといったな』
「っは、はい!」
緊張しているのか声が少し上ずっていた。
『取り引きをしよう』
「取り引き、ですか?」
『ああ、私はあの男を殺さない、お前は私に全てをよこせ』
「私の命でよけれ…」
『命だけではない、身体も心も全てだ。
それに私は殺さないが、あの男が勝手に死ぬのは知らん』
「…そんな……」
『どうするかね? 条件が飲めないならこの話は無しだ』
そうは言ってみたものの、この女は重要な鍵だ。
断るようなら無理やりにでも……。
「……分りました、お願いします」
『うむ。それでは女、名前は?』
女は『天宮 椎名』と名乗った。
私の名前と音が似ているなと、おかしく思い。
椎名に口付けをした。
計画のまず一歩目は成功した。
あの男の魂を育てる為にはこの椎名の存在が不可欠なのだ。
死神が人を生かす為に同化など冗談にも聞いた事は無いが、
同化することにより弱りきった身体に力を与えてゆく。
「あ、あのっ死神さんっ!?」
(シーナだ。で、何かね?)
同化といっても、今の私は実体の無い胎児のような物だろうか、
体の支配権を奪うのはたやすいが、今はまだ得策ではない。
「これは? どうなっちゃったんでしょうか??」
(お前にはまだ働いてもらわねば困るのだよ。
こちらから指示がない限り、今まで通りにしていろ)
「…わかりました」
472:Kiss☆Death ~She Na私~ 3/10 ◆irhNK99GCI
07/11/28 20:16:51 YHZtHeMT
それからしばらくは退屈なものだった。
椎名を看護学校に通わせ、あの男と逢瀬を繰り返す毎日。
やがて、戦争が始まり共に戦地に赴くも、その先々では敵味方双方がほぼ全滅。
その中で毎度生きて帰る男は、皮肉にも死神などと呼ばれていた。
「ありがとう、シーナさん」
(何の事だ?)
「英雄さんを守ってくれてる事、私を生かしてくれている事」
(何もしてはいないし、感謝されるいわれなど無い)
「謙遜しなくていいんですよ。私そろそろだと思うんです」
(なにがだ?)
「私の命、もうすぐ消えちゃう気がするんです」
(馬鹿なことを、身体は私が維持しているだろう?)
「はい、その点は感謝してもしきれない程感謝しています。
でも、シーナさんと一緒になって、なんとなく分るようになったんです。
もうすぐなんだなって」
身体の寿命と魂の寿命は異なるものだ。
椎名の魂はまだ強く燃え盛っているというのに何が不安なのだろうか。
(人間の考える事はわからん)
「だから……だからその時には私の心も…」
(何かと思えばそんな事か、くだらん)
椎名の心を取り込む事は別に難しい事ではない。
ただ、あの男に気付かれてしまう危険が少しでもある内はまずいのだ。
心象が変れば恋人といえど別人でしかなくなる。
それではあの男の魂は育たないだろう。
つまり、それまでに椎名のパターンを覚えなくてはならない。
ただ一つ、気がかりなことは、椎名が私の存在を喋ってしまっていた事だ。
この姿では魂を狩る事も出来ないので、椎名の中で眠る事が多くなっていたが、
私の意識が無いうちに話していたらしい。
あの男が本気にしていない事を願うばかりだ。
警報がうるさく鳴り響き、基地内の緊張が高まる。
慌しく走り回る兵士の中から男を見つけ、椎名が呼び止めた。
「英雄さん、あの……今夜…その、時間ありますか?」
「え!? あっ、その……はい!」
(なんだ椎名? またなのか?)
また、と言うほどの頻度ではないが、
時折こいつ等は身体を重ねるまでの関係になっていた。
顔を真っ赤にして飛行機へと走って行く男を見送り、椎名が呟く。
「たぶん、今夜が最後なんです」
(そうか…)
最近になってようやくだが、なんとなく気付いてはいた。
以前にも増して燃え上がる椎名の魂は、全てを燃やし尽くす為のそれだったと。
「英雄さんのこと……よろしくお願いしますね」
(言われるまでも無い)
473:Kiss☆Death ~She Na私~ 4/10 ◆irhNK99GCI
07/11/28 20:17:36 YHZtHeMT
兵士達が帰還する。
戻らなかった者、負傷した者、戦果をあげた者。基地の外が慌しくなる。
この看護施設も例外ではない、次々と傷付いた兵士達が運び込まれてくる。
治療を終えた看護士達の次の仕事は、助からない者達を見取る事だった。
こんなにも多くの命が失われてゆくと言うのに、
手が出せないなどとは、なんとも歯がゆいものだ。
そんな中、休憩室のドアを叩く者が居た。
トントン、トン。
「シーナさん、今日は寝ないで下さいね」
(面倒だが仕方あるまい)
人間の生殖行為に興味は無い、むしろ無駄な行為が多いとすら感じる。
子を成すだけならもっとスマートに済ませられるだろうに。
「椎名、居ないのかい?」
ドアの外から不安そうに男が尋ねる。
「あ、今開けますね」
開いたドアの向こうで周囲を確認している男。
(誰も気付いては居ない、安心しろ)
「大丈夫ですよ、さ、入ってくださいな」
「ああ……その、なんていうか…」
「うん?」
「今日は積極的…だね」
そう思うのも当然か。
男が入ってくる前から椎名は下着姿に看護服を羽織るだけと、
普段恥ずかしがりな彼女からはかけ離れた行動を取っていた。
「ええ、今日はいっぱい愛して欲しいですからっ」
「椎名、世界で一番君を愛している」
男はそう言うと、少し硬い寝台に優しく椎名を押し倒した。
(やれやれ、約束した手前しばらく付き合うとするか)
唇を奪いながら、男は忙しなく衣服を脱ぐ捨ててゆく。
椎名も対抗せんとばかりに唇を求め、腕を男の首に絡める。
しかし退屈なものだ。
人の寿命より遥かに長く存在しているが、先程から口付けのまま進まない。
(椎名よ、もう十分態勢は整っているのだろう? さっさと済ませたらどうだ?)
「ぁむ…ふぁ…っちゅ(シーナにもきっと分るよっ、だから今は…ね)」
(……)
分りたくもないし、見ているだけの私の身にもなってみろ。
これは私への嫌がらせか?
お前が重要でなかったらすぐにでも狩ってやる所だ。
そんな私の気も知らずに息を乱し、椎名は喘ぎ声を上げる。
男の手が胸に触れ、やがて唇もその肌を濡らしてゆく。
そしてこれもまた長い。
よくもまぁ飽きないものだ。
おい。
ああ、椎名よ。
ソレは口にするモノではないだろう?
なんで今日に限ってそういう事をするんだ。
本当に私への嫌がらせなのか?
……ほらみろ、せっかくの生殖行為が無駄になったではないか。
待て、椎名よ。お前は一体何を学んできたのか?
子種を飲み込んだところで子は成せんのだぞ?
消化されたところで労力に見合うほどの価値は無いというのに。
不味い? 自らねだっておいて不味いとは、心底馬鹿な奴だな。
それにしても、男の方も大したものだ。
出し終えたばかりだと言うのに、もう準備ができているではないか。
生物の雄ならばそうでなくてはな。
だから雄らしくさっさと済ませてこの退屈な時を終わらせてくれ。
474:Kiss☆Death ~She Na私~ 5/10 ◆irhNK99GCI
07/11/28 20:18:19 YHZtHeMT
さすがに私の願いが通じた訳ではないだろうが、ようやく本番らしい。
まったく。二人ともなんと無防備な顔するのか。
「っはぁ、はぅっ、っはぁ、いい、いいのぉっ」
私は置いてけぼりか? 椎名。
「椎名、椎名っ、椎名ぁぁ!」
おいおい、あんまりデカイ声出すなよ。見つかったらマズイんだろう?
「んっはあぁあっ、きてっ、英雄さんっ、私にっ!」
「あぁ椎名っ、…俺もう、っぁあ!」
それぞれが絶頂に達したらしく、脱力し、男は椎名の上に倒れこんでいる。
「っはぁ……はぁ……(シーナ…)」
(ああ、分っている)
「英雄さん、愛してるわ」
「ああ、俺むんっ…っちゅ……」
男の言いかけた言葉を、椎名が唇で押しとどめる。
「っ…あの…ですね……その、一つだけど、お願いがあるんです」
「椎名がお願い? 珍しいね、それに今日は…そのいつもより……
あっああ、そうじゃなくて、椎名のお願いだったら何でも叶えてあげたい」
「ありがとう。…その、
これからも、ずっと、愛してくれますか?
私達を……」
今、何と言った?
「……ああ、勿論だとも。
少しだけ寂しくなるけど、それが、俺の愛した人だから。
これからも、ずっと、愛している
君達を……」
どういう事だ? 二人の間で通じる暗号のようなものなのか?
この国の言葉は完全に覚えたはずだが、それは複数人称ではないのか?
…っく、まさか!?
(椎名っ!)
「うん、おねがい。シーナ」
二人に、私と男の二人に聞こえるように口にすると、
椎名はもう一度、男の唇を求めた。
(おい! 椎名っ! コレはどういうことだ!? 返事を…!?)
私を無視して接吻を続ける椎名。
いや、無視せざるを得ないのか。
椎名から失われてゆく命の輝き。
(この馬鹿者めが……)
血管を巡り、流れゆくように身体の隅々までを犯し、
濡れた砂糖菓子を崩す様に侵食し我が物としよう。
深く、ゆっくりと沈んでゆく意識は、
遠ざかる海面の光を見通せなくなる所までいざなおう。
だから。
代りに私をくれてやろう。
触れたいのなら手を貸そう。
知りたいのなら見せてやろう。
これで、私と御前は一人なのだから。
一欠けらも失う事の無いように、椎名を取り込んでゆく。
肉体も、記憶も、感情も……。
全てを済ませ、意識を取り戻した時。
最初に見た物は、私を見つめながら涙を流す英雄の顔。
次に感じたのは、そこだけ冷たい私の頬の温度だった。
475:Kiss☆Death ~She Na私~ 6/10 ◆irhNK99GCI
07/11/28 20:18:56 YHZtHeMT
肉体に馴染むまでの数分、私達は互いを見詰め合っていた。
「どうして、泣いているの?」
問いの相手が目の前の人物へなのか、自分へなのか。
ふと言葉になって口から零れたものの、私にもよくわからなかった。
「たぶん、受け入れた分、溢れ出てしまったんだ」
ああ、そうなんだ。
問いも、答えもただの言葉のやり取りに過ぎないのだろうが、
なんだか相手と同じ想いを共有しているような感慨を感じて、
そういうものなんだと、妙に納得してしまった。
「はじめまして、なのかな? 改めてよろしくな」
「何を言ってるの、英雄さん?」
「……全部椎名から聞いてる」
「うふふ、ちょっとした冗談なのよ?
英雄さんは、私のいう事なんでも信じてくれるんだもん、だか…」
「俺の魂を狙ってる事も、椎名の体のことも全部だ」
私を抱きしめて叫ぶ言葉に、『記憶』を手繰って確認をする。
ああ、椎名のやつめ。私が眠っている間に余計な事を。
「…っふぅ。そこまで言うのなら、死ぬ覚悟位出来ているのだろうな、小僧?」
私を抱きしめる腕を解いて、英雄の眼を見つめる。
曇る事無く澄んで、私を映す瞳。
その奥でたぎる魂は十分に頃合いだろうか。
たいして人目を惹くでもない顔だが、この眼は評価してやってもいい。
その目の奥にあるのだ。
十分に熟れた至高の果実が。
ソレをもぎ取る為に茶番を演じてきたと言うのに……。
おそらくは椎名の感情のせいだろうが、この瞳から光が失われるのが惜しかった。
だから、この魂がさらに高みに上がり、輝きを増してゆく確信があるのも、
きっと椎名のせいだろう。
それにもう一つの……命…。
「とうに覚悟はできていたさ」
「はン、どうせ椎名が死んで生きる意味でも無くしたのだろう?」
「椎名は死んでいないよ」
英雄はそう私に微笑んで言う。
そんな顔を向けるんじゃない。まったく、気に障るヤツだ。
「私が何であるか聞いていたんだろう?
この身体はもうただの肉だ、そして私は死神のシーナだよ。理解したまえ小僧」
「小僧、小僧って……赤ん坊に言われたくはないね」
「私が乳臭いガきだとでも言うのか!?
貴様ら猿共が穴倉で震えていた頃から私は存在していたのだぞッ!」
「ああ。でも、今日生まれた」
「何だと?」
「椎名は消える事無くシーナの中で生きて、俺の中で生きて、君は生まれ変った。
そうだろう? しいな」
「ふん……中々言うではないか。
だが、説得力の欠片も感じられ無いな。
私の腹に当たっているモノはナニかね?」
「あ、いや、これは…その……」
「どうせこのままでは収まりがつかんのだろう?」
私は英雄を押し倒して馬乗りになり、
硬くなって自己を主張するペニスを握って腰を浮かせる。
「天国にいけるほど気持ちいいらしいじゃないか。
死ぬ前に連れて行って差し上げるよ、逝った後の事は知らんがね!」
ペニス握った手に伝わる熱と、力強く脈打つリズム。
それを、まだ精液の滴る膣口にあてがい、一気に腰を落とした。
476:Kiss☆Death ~She Na私~ 7/10 ◆irhNK99GCI
07/11/28 20:19:45 YHZtHeMT
「ぁあああ あぉうはぁあああ あぉんふみゅゅうんんっ!」
自信満々に始めたつもりが、
情けない声を上げ、一瞬で達してしまったのは私のほうだった。
「おっ、おい!? 大丈夫か!?」
「ぁぁっ……っは…」
全身を震わせながら、内側で少しペニスが撥ねるだけで快感に囚われ、
動く事も、返事をする事もままならない。
椎名はこんなものを耐えていたというのか!?
「っおい、とりあえず少し動かすぞ?」
なんという事を言い出すのだ!
「わっ…らみゅっっ、っはぅ!!」
止める間も無く腰が突き上げてくる。
「ふぁっ…っあ…んくはぁっ!…っはぅ…」
突き上げられるままに身体は揺れて、
波のように押し寄せてくる刺激に耐え切れず、意識が薄らいでゆく。
「あー、いや…その悪かった。
あんな事言うもんだからつい……すまない」
いつの間にか英雄の胸に倒れこんでいたのだろう、頭の上から声が聞こえた。
「はじめて……なんだよな? 出来るだけ優しくするよ」
まだ繋がったままの状態で抱き寄せられ、そのまま体勢の上下を入れ替えられた。
脱力しきった私には抗う事も出来ず、せいぜい睨みつけてやる位が関の山だった。
「んはぅ…」
濡れた唇が私の喉をかすめる。
唇は淡い触感を与えられながら吸い付き、時折イヤらしい音を立てながら離れる。
痒みにも似たむず痒さと、少しばかりの紅く染まった斑を肌に残し、
その行為は執拗なまでに繰り返される。
「ひっ…あっ…あぁ…」
荒い息が頬に掛かる頃には、少しながら我を取り戻し、
物足りないような丁度いいような、甘美な刺激に身を任せる事ができていた。
「っはんっ…んっ…んんっ…」
そして、やがて来るであろう感触を心待ちにしている自分に気付いた。
けれど、それはどうにも焦らされているであろう事にも。
「っくぅん…ねぇ…んっふ…しないの?…んっ…」
「っちゅ…何を…っ…かな?」
キスマークを付ける事に集中しているようで、
その瞳を私から逸らす事無く見つめ、楽しそうに笑っている。
まったく憎たらしい。
分っていてやっているだろう事も、その透き通すような眼で私を見つめる事も。
「くっ…唇にっ…はんっ…」
「キスして…っ…ほしいのかな?…」
「っくぅ…物足りないのだ…んっ…何なのだこの感情はっ…んんっ…」
零れそうで溢れないコップの水のように不安定で。
こんなにも近くに居て、触れられていると言うのに遠くに居る様で。
それなのにどうしても足りない感じがするのだ。
身体に触れる暖かさでも、快感でもない何かが……。
「しいな、どうして欲しい?」
顔を上げ真っ直ぐこちらを見据える英雄。
「…っ、わからない。たぶん、キス……して欲しいのだと思う。
でも、それだけでもない気もして……自分でも分らないのだっ。
何なのだ!? この気持ちを、感情を治める為には何が足りないと言うのか!?」
知る限りの知識を引きずり出し、めくり返しても辿り付けない。
過去に憑いた時にはこんな異常事態はなかったはずだ。
何かがおかしいのだ、一体何を求めているのだろうか。
正しい答えは、正しく問いたださねば得られないというが、
正しい問いなど、正しい答えを知らずに出来るものではない。
「英雄よ、私は…何を求めているのかすら分らないのだ……」
477:Kiss☆Death ~She Na私~ 8/10 ◆irhNK99GCI
07/11/28 20:20:47 YHZtHeMT
散々小僧と罵っておきながら、生きた年数が役に立たないとなれば、
笑われるのだろうと、そう思った。
「椎名が言っていたんだ」
子をあやす様な口調で英雄が語る。
「シーナはずっと一人で生きていて、一人だから寂しさも知らずに生きていて、
一番命に近いのに、それに触れられないから愛を知らないって」
「それはどういう事なのだ? ツガイを作る為の本能みたいなものだろう?」
「しいな、俺は君を失う事が怖い、そして一緒に居られる事が嬉しい。
シーナと一緒になれた椎名がちょっと羨ましいくらいに」
「言っている意味が分らないぞ?」
「そう…か、なら……」
英雄はそう言うとベッドから立ち上がり服を着だす。
「お、おい、何をしているのだ?」
「別に」
興奮も冷めていないだろうそれもズボンの奥に消え、
あろう事か、私に一瞥もくれないで部屋を去ろうとする。
「どうしたというのだ!? 私の理解できない事をするな! おい!」
軽い音を立てドアが閉まる。
去り際にこちらに向けられた瞳は、酷く冷たい視線で私を見つめ、
背筋が凍るような悪寒を感じさせた。
「何がまずかったのだ!? おいっ! 返事を……しろぉ…」
英雄の居なくなった部屋は酷く閑散とした雰囲気を際立たせ、
狭い部屋のはずなのに、一人取り残された私はその広さにすら負けてしまいそうで、
「ここは、ひどく冷たい……」
温度の問題ではなかった、適切な言葉を選び出そうとして口に出た言葉だった。
いや、これが寂しいというのだろうか。
「……一人は寂しい?」
口に出して感じ、はじめて理解する寂しいとういう感情
満たされない想いがよりいっそう強くなる。
体温とは別に体から温もりが失われていく感覚。
アイツが居ないせいだ。
他の誰でもない英雄という男。
そう思った時には駆け出していた。
ベッドを飛び出して、ドアを開いて、ぶつかった。
「ぐっふぅ!」
「ひゃぅ!」
ドアのすぐ外には英雄が立っていた。
「こ、この馬鹿者がっ!」
視界が滲む。つくづく人間とは不便なものだ。
「おまぇがどうして居なくなるのだっ!
私を殺すつもりにゃのかあっ!?
どぅして…なんれ……うっぅぅ」
こみ上げてくる嗚咽のせいで声が出せなくなる。
ただ、伝えたかったのは、純粋に目の前の男と一緒に居たかったという事。
「追いかけて来てくれて嬉しいよ、しいな」
「うぇぅぅ…この…んむっ!」
軽く合わせるだけのキスが私の口を塞ぐ。
じわりと触れた部分が濡れる。
「一緒に居たいという気持ち、相手の全てになりたいと思う気持ち。
言葉では上手く伝えきれないけど……そういうものが愛なんだとおもう」
そう言って私の頬を両手で包み込み、涙を拭い、唇を合わせる。
お互いを求め合うキス。
英雄の首に腕を回し、強く抱き寄せ、私は一つになろうとする。
あぁ、私が求めていたのはこれなんだろう。
身体はもとより、満たされる想いが心地よい。
今なら椎名が飽きる事無く唇を合わせていたのも納得できた。
このような感覚は、感情は、初めてで、寂しくて、愛しい。
だから言ってやった。
「もう二度と私から離れるんじゃないっ……この…馬鹿野郎」
478:Kiss☆Death ~She Na私~ 9/10 ◆irhNK99GCI
07/11/28 20:21:42 YHZtHeMT
「馬鹿はお前だ、しいな、こんなところ誰かに見られたら……」
周りを気にしながら裸の私に目配せをする英雄。
私は気にならないのだが、まぁ見つかったら事だ。
「ふん、なら、部屋に戻って続きだなっ。
貴様からはその愛とやらをめいいっぱいふんだくってやらんと気がすまん」
「ぁあああ あぉうはぁあああ あぉんふみゅゅうんんっ!」
再開した行為の中で、私はまたしても情け無く悲鳴をあげる事となった。
同じ失敗は繰り返さぬよう、すぐに挿入はしなかったのだが。
「しいなの感度はすごいな……」
背後から私の乳房を弄び、乳首に爪を立てて英雄は言う。
「やっ…だっ…てぇえええっ!」
背中に感じる広い胸板は温かく私を包んでくれていて、
胸を這う指先は私を優しく溶かしてゆく。
「んんんっ…ふぁぁう…」
執拗にこね回される胸に、指は深く沈み込んで弾力を持ってそれを弾き返す。
「らめぇぇぃいいっつ!…っはぁ…そんにゃにぃい…くはぁんっ……」
「しいな、俺もう……」
耳に掛かる熱く荒い息に、私は声を出せず頷く事で返事をする。
「じゃぁ…そう、そこに両手をついて」
言われたとおりに、ベッドに崩れ落ちるように前に倒れこみ、
両手をついて獣のように四つん這いになる。
「いくよ」
合図と共に、私の中へと英雄が入ってくる。
「みゃぅううっ!」
少しずつ焦らす様にゆっくりとだが、それだけの刺激にもかかわらず、
全身が硬直し、打ち震える。
「っく、そんなに締め上げると…ああっ、凄く気持ちいいよ、しいな」
完全にペニスを飲み込んだ私の膣の奥で、先端が身体の芯を突き上げる。
その振動だけで軽く達してしまった私は、自身の体重を維持できずに肘を崩し、
ベッドに縋り付く様な格好になってしまった。
呼吸が乱れた身体は、口をだらしなく開いたままシーツに唾液の染みを広げていき、
持ち上げられたままのお尻をさらに突き出す体勢になっていた。
「じゃあ動くからね」
「っ!」
こんな状態で動かれたりなんかしたらどうなってしまうのだろうか。
不安な気持ちがあるのと、それ以上に満たされるであろう事に期待をする私がいた。
「んっ…んっ…はっ…あうっ」
ゆっくりと膣壁を削りながら抜かれるペニスが、
狭く縮こまった穴を押し広げるように蹂躙し攻め立てる。
「おっくぅう…あたりゅんんっっはあ…はぁああっ!」
腰の動くペースが徐々に上がっていき、
連続的な奥への突き上げが加速し、その度に全身を巡る悦楽に取り込まれてゆく。
「あっあっんっはっあっんっはっ」
「…っく……しいなぁ」
打ち付ける腰は、卑猥な音をさせながら愛液で濡れ、
私の膣は精液を搾り取る為に収縮を繰り返し始めた。
「っくぅううぅんんんんんっつ!」
「っはぁ、はぁ……」