女の子が女の子をいじめるお話 その3at EROPARO
女の子が女の子をいじめるお話 その3 - 暇つぶし2ch250:名無しさん@ピンキー
07/10/08 16:55:13 33jkubT9
小説媒体であればノーマル百合SMグロ何でもあり。
ただ801は荒れやすいから専用板でどうぞ、という感じ

251:249
07/10/08 22:18:55 ALhWfC7/
>>250
そっか、マリガ㌧

252:名無しさん@ピンキー
07/10/10 23:35:03 yOuxITlS
もう何でもいいからネタをくだしあ
できれば甘目がいい

253:名無しさん@ピンキー
07/10/16 22:58:44 FkNppOe0
もうここには誰もいないのか…

254:名無しさん@ピンキー
07/10/16 23:08:40 cU0VkeWN
私は恐懼してお答えした エロ書きを全力を投入します。

255:名無しさん@ピンキー
07/10/18 01:18:11 HUO+6GdW
>>252
ちゅっ
A「うわっ!何するのよ!」
B「よくもいつもいきなり脱がせたり変な事したりといじめてくれたわね!仕返しよ!」
A「はぁ?何でいきなりキスすんのよ、最低!ていうかあんたなんかに何が出来るのよ!」
B「貴方を愛するわ!」
A「…は?」
B「どう、悔しいでしょう!いじめの対象の私なんかに愛されるだなんて、屈辱でしょう!」
A「……」
B「私は貴方を全力で愛し続ける!それが私が考えた貴方へのいじめ!どう、言葉も出ないでしょう?」
A「…あほらし」
B「な、何ですって?」
A「貴方の事嫌いだったら、貴方の事なんか気にかけないわよ」
B「え…?」
A「私だって人くらい愛せるわ。その…貴方の事が好きなのよ」
B「そ、そんな…!私が…2ヶ月もかけて考えた作戦が…お、覚えてろよー!」
A「あ、ちょっと」
ガラガラ、ピシャン


A「せっかく勇気出して告白したのに…」

こうですか?分かりません(><)微妙にずれてる気がするけど
文章思い浮かばねー。ss書きって凄いね

256:名無しさん@ピンキー
07/10/18 02:16:36 7HJWOS5E
そこに少しの状況説明と心理描写を加えれば立派なSSさ

257:名無しさん@ピンキー
07/10/22 17:21:29 Rhwm9pAM
好きだからいじめちゃう
自分もいじめてほしいからいじめちゃう

258:名無しさん@ピンキー
07/11/03 05:22:57 KrnBKbaq
誰か書き手はおらんのかー

259:名無しさん@ピンキー
07/11/07 17:18:40 AwN5BsV4
いないようですネ

260:名無しさん@ピンキー
07/11/07 19:07:49 Frav23IW
うわーんそんなの嫌だー

261:名無しさん@ピンキー
07/11/08 00:37:14 Rz5Z3OaU
そんな ことは い や だ
だから きみは かくんだ SSをー♪
アッー!アッー!アンパンマn

262:名無しさん@ピンキー
07/11/13 01:26:42 Jay1oBwK
>>261
>>261

263:名無しさん@ピンキー
07/11/13 03:02:52 S+Bl+MS+
>>262
シッ! 目を合わせちゃいけません!
ほら、指もささない!

264:名無しさん@ピンキー
07/11/14 00:15:34 VKiaEkrF
すごいどうでもいいけど、バンブーブレード見てるとなんか楽艶祭を思い出してまう。
タマちゃんは結花っぽいし、ミヤミヤは灯っぽいし、メンチカツネタ出てきたし

265:小説に挑戦者
07/11/15 00:35:16 t6K1I6ny
柳 佐奈にとって、学校というものは辛いもの以外何者でもなかった。
それは幼馴染であり親友でもあった、佐野里香による執拗なイジメが原因だった。

柳佐奈と佐野里香は以前は親友同士だったが、中学生の頃、『ある事件』が原因で里香と溝が出来始め、大人しかった佐奈の性格が災いして、いつの間にかいじめっ子といじめられっ子という構図が出来上がってしまった。

その日も佐奈にとって憂鬱な一日だった。
「おはよう。柳さん。」
佐奈が玄関で上履きに履き替えているところで声をかけられた。
「お、おはよう。佐野さん。」
声の主が里香であることを悟ると、語尾がかすれて聞こえなくなるような声で挨拶を返した。

「この間はごめんね。掃除当番を押し付けちゃって。彼氏と約束があったから。」
言い訳になってない言い訳をしながら、佐奈に歩調を合わせながら、教室へ向かっていった。
「うん、いいよ。気にしないで。」
佐奈は里香の言い分を気にしないそぶりを見せながらフォローした。
これは佐奈にとって本音でもあった。
“掃除当番の代わりをする。”この程度、中学時代から2週間前までのいじめないように比べるとなんでもなかった。
むしろ、この程度の代償で、里香の機嫌が保たれるのであれば、安い代償だと思えた。

そんな佐奈の内心を知ってか知らずか、里香は調子に乗って軽く言った。
「そっ?良かった。それで悪いんだけど、今日の掃除番も変わってくれないかな?」
「理由は?」
肯定の返事のみを期待し、それ以外の返答はないものと決め付けて言葉を発した里香は、思わぬ方向から声のしたので視線を向けた。
佐奈も里香同様、声の主のほうを見た。

「委員長。」
先に声を発したのは里香だった。
「佐野さん。昨日も柳さんに掃除当番を押し付けてたでしょ。今日も柳さんに変わってもらう理由はなに?」
背筋をピンとのばし、鋭い詰問口調でそう里香に迫った。
里香は内心のおびえを隠すように、さやかに切り替えした。
「委員長、それは誤解よ。」
「私の名前は仲井さやかだっ!委員長なんて名前じゃない。」

さやかは、委員長と呼ばれるのを嫌っていた。
それは仲井という苗字と、さやかという名前に対する誇りが人一倍あったからだ。
そのことを知る者達は基本的に仲井さん、さやかさん。と呼ぶが、一部、仲井さやかのことを快く思わない生徒達は揶揄した意味で委員長と言った呼び方を本人のいないところでしていた。
里香もそのクチで、影でいつもさやかのことを委員長と呼んでいた。

「ごめんなさい。」
習慣で思わず本人の前で、さやかのことを委員長と呼んでしまったことを後悔した。


「でも、仲井さん。誤解なんです。べつに私は佐奈さんに掃除当番を押し付けるような真似はしていません。」
言葉に気をつけながら里香はさやかに弁解を進めると、
「そうなの?」
疑いをこめた口調で、佐奈にそう確認した。
さやかの後で鋭い視線を送っている里香に内心の怯えを交えながら、小さくうなづいた。

「そうか・・・悪かった。でも、今日の掃除当は大野さんが自分でやれよ?」
佐奈は里香の報復に怯えて、真実とはことなることを口にしたことを一瞬で見抜いたが、それ以上は追求しなかった。
それは事実を言うことの出来ない、佐奈への非難も少なからずこめてそう言った。
そして、さやかは踵を返し、自分の教室へと戻っていった。

さやかの姿見えなくなると、里香は態度を一変させた。
どうしてくれるんだ?お前のせいでアイツに怒られただろ?
さやかの姿が見えなくなるなり、憎しみをこめた視線を佐奈に送りつけ、どすの利いた声でそうつぶやいたのだった。


266:名無しさん@ピンキー
07/11/15 16:31:36 B0NE5rnM
お、投下キテルー!
期待期待

267:名無しさん@ピンキー
07/11/15 23:54:46 Qv2gwhjC
これは期待せざるを得ない

268:名無しさん@ピンキー
07/11/16 00:12:53 Usser50v
勇気を振り絞ってAGE

269:名無しさん@ピンキー
07/11/17 03:28:31 m38pMVmQ
続き待ってる~

270:小説に挑戦者(第2話)
07/11/17 22:25:23 XaWh9+nY
「あ~っ!!、委員長のヤツ邪魔ぁっ!」
放課後、里香を中心とした3人組に里香は机の上に座りながら愚痴をこぼしていた。
当然教室の掃除など全く行っていない。

もともと掃除を押し付けられる役目だった佐奈は、放課後さやかと共に帰宅してしまった。
今朝の一件から、授業中できる限りさやかの目のつかないよう佐奈に対する嫌がらせを続けていたが、さやかは目を光らせ、ことあるごとに介入してきた。
今年の春に高校生になってから知り合ったさやかは里香たちが佐奈をいじめているのを全く知らなかったようだ。
しかし、その事実を知るようになった最近は今朝のように気づかぬところから現場に現れ、佐奈たちに釘をさしていくのだ。

そんなことを考えていると里香と仲良くしている3人組の一人、金城が里香の表情を伺いながら言った。
「あいつ、委員長に守ってもらえると思って調子に乗り出してんじゃない?」
里香は、つと金城を見ると脱色した長い髪をかきあげながら鋭い目つきをしていた。
一応手に箒を手にしているが、掃除をする気はさらさらないようだ。

その言葉を受けて、一人で掃除らしきものをしていた大衛も調子を合わせるように言った。
「そうですよっ。帰り際もなんかもう、、、口元に笑みとか浮かべてましたよ。」
里香は大衛の言葉は聞こえないフリをした。
あまりにもばかばかしい発言内容で里香の機嫌を取ろうとしているのが見え見えで不愉快だったからだ。
自分の発言が無視され、里香の機嫌を取ることが出来なかった大衛は雑に目立つゴミを箒で掃きながら、ごまかすよう掃除を続けた。

大衛の発言を無視してから、一拍置いて
「おもっっしろくないなぁっ!」
そう里香が叫んだ。
大衛は自分の発言が原因で里香を起こらせたのかと一瞬びくっとしたが、金城は一呼吸置いてから言った。
「仲井のこと私の知り合いの男達に襲わせようか?」
とんでもないことを平然と言う金城を驚いたように里香と大衛は見て冗談っぽく言った。
「無理無理。委員長は合気道で全国大会ベスト8に入ってるし、」
「うん、それで有名で、知り合いの馬鹿共があーいう女を凹ましたいとかよく言ってるよ。」
金城は付き合っている友人の悪さが原因か、生まれの悪さが原因か、こういうことを平然と口にするのだ。
里香は一瞬唖然としたが、すぐに自分もそのうちの一人か・・・。と含み笑いした。
「でも委員長は絶対に泣き寝入りしないよ。」
「それに、私は別に犯罪者になりたいわけじゃないの。沙那の仲間に襲わせたところで私達に火の粉が負う可能性もあるでしょ。」
「なんでよ。」
「男達に襲わせたところで段取りした段階でかかわるわけだから、事件になったら絶対に警察にばれるよ。」
「日本の警察は無能だって聞いてるけど?」
金城は里香の被害妄想が過ぎているというような目つきで返すと
「日本の警察が無能だといえるのは犯罪を犯そうと思わない一般人がそう思ってるだけ。犯罪を犯そうとするものが警察を舐めたら一発でつかまるよ。」
里香はすぐさま切り替えした。
ばかばかしいと、言うように金城は軽くため息をついてから
「じゃぁ、佐奈にその段取りを組む犯人に仕立てるのは?」
と言った。
「へ?」
「例の彼氏に薬貰ってきてよ。」
だんだんと金城は目を光らせてきた。
「委員長は男共の慰み者に。そして佐奈は中学のときみたいにクラス全員のイジメられるようしむける良い案があるんだ。」
金城は、そのとき悪魔のような笑みを浮かべていた。



イジメの話になかなか入っていけないっす・・・

271:名無しさん@ピンキー
07/11/17 22:43:47 2vn4V/hA
イイヨイイヨー

272:名無しさん@ピンキー
07/11/18 14:47:05 FUlVTShq
激しくwktkッ!!

273:小説に挑戦者(第3話)
07/11/19 01:07:29 3Sarq872
~翌日~
「佐っ奈ちゃん。」
翌日登校すると再び下駄箱で声をかけられた。
反射的に佐奈は体を震わせた。
そして後を振り向くと上機嫌そうな表情の金城が立っていた。
「ちょっと、こっち来てくれる?」
疑問形だったが、口調は命令形だった。
金城を目の前にした怯える佐奈に断ることは当然出来るはずもなく、目を伏せ、おそるおそる金城の後ろに従ってついて行った。
金城は佐奈のほうを振り向きもせず、当然ついてくるといったように、旧校舎のほうへ向かって歩を進めていった。
目の前が暗くなるような嫌な予感に襲われつつも、金城のあとを歩く佐奈は突然昔の記憶が蘇ってきた。
中学の頃、散々いじめられた記憶だ。

『今日は佐奈ちゃんに告白したいと頼まれたのぉ。』
中学時代の金城が意地悪そうに笑いながら言った。
『こっちこっち。』
大衛が個室のドアを開けて手招きをする。
何かあるかと恐れながら、足を震わせている佐奈の背中を突き飛ばすように里香が押した。
『ほらっ照れてんじゃねえよっ!』
『ぐっ』
背中を押されてうめいた佐奈に金城は嬉々としていった。
『じゃーんっ!便器君です。』
金城がオーバーアクションで言うと、里香と大衛が馬鹿みたいに大きな声で笑いたてた。
佐奈はまだ状況が飲み込めず、呆けていると里香が佐奈の髪を掴んだ。
『せっかく私達がお前に彼氏を紹介してんのに感謝の言葉もないのかよっ!?』
『痛っ』
急に髪を引っつかまれて声を上げると、金城が顔を近づけてきて「嬉しくないのぉ?」とわざとらしく聞いた。
体が恐怖を覚えてしまっている。金城と里香に逆らうことは出来ない。
髪を引っ張られながら、佐奈は徐々に状況が理解できてきた。そして蚊の鳴くような声で呟いた。
『嬉しいです。』
そういうと、里香は佐奈の髪から手を放し、機嫌良さそうに笑った。
『よかったぁ』
『私達も引き受けた手前、断られたら立場ないもん。』
里香がそういうと、金城は言葉を引き継いだ。
『それじゃ、せっかくのカップル誕生を祝ってキスしてもらいましょうか』
佐奈が絶句していると、大衛が鞄からカメラを取り出した。
『よかったね。大衛サンがちゃんと愛の記録を残してくれるって。』
『そ、それと、素敵なクリスマスソングをかけてあげる。』
そういってテープレコーダーを流した。クリスマスシーズンになると必ず流れる曲だ。
『良かったねぇ。これからこの音楽が流れるとたぶん絶対このファーストキスのことが思い出として蘇るよ。』
金城の悪魔のような笑み。
事実、テレビを通してこの音楽を聴くたびに、この記憶が佐奈には蘇ってきた。
『早くキスしてくれないと待ちくたびれるわ。』
金城と里香にこびへつらい、佐奈をいじめることで優越感に浸った大衛の笑み。
『ギャラリーをあまり待たせるもんじゃないよ。』
佐奈をいじめることを至上の喜びとしている里香の笑み。
『さぁっ!やりなっっっ!』
金城と、里香の命令が下った。
逃げ場はない。この場を治めるために出来ることはひとつしかない。
中学時代の佐奈は諦めて、徐々に唇を、便器に近づけていった・・・



274:小説に挑戦者(第3話つづき)
07/11/19 01:08:11 3Sarq872
一瞬フラッシュバックして流れてきた中学時代の事件から、現実に戻したのは金城の言葉だった。
「無視するとはずいぶん偉くなったなっ!」
目の前には鋭い目つきで睨んでいる金城が立っている。
「えっ?」
辛い記憶が蘇り、その記憶の渦に飲み込まれていた佐奈は青ざめた顔で目の前の人間の皮をかぶったモノを見た。
呆けた返事から金城の機嫌はいっそう悪くなったようにみえた。
「昨日は委員長と、どんな話をしたのか聞いてるんだよ。」
旧校舎の中で、階段を上がりながら見下ろしている金城に対し、あわてて佐奈は手を振り、弁解した。
「何もっ、何も話してない。」
そういうと金城は佐奈の首下を掴みかかろうとした。しかしすぐに思い直し、侮蔑したような視線だけを投げかけた。

「ほらっ。ここだよ入りな。」
金城が立ち止まり、案内された場所は、旧校舎の女子トイレだった。
来年取り壊すことで殆どの人は寄り付かない。しかも掃除は全くされていない場所だ。
急激に膨らみ一瞬で爆発した中学時代の恐怖と屈辱から佐奈は叫び声をあげた。
「いやああああああああああああああ」
しかし、金城はその反応を楽しむように佐奈の背中を強く押した。



275:名無しさん@ピンキー
07/11/20 06:58:52 JbAPzApS
わくわくが止まらない!

276:名無しさん@ピンキー
07/11/20 19:22:07 3NVEd46s
wktkwktk!

277:名無しさん@ピンキー
07/11/20 19:57:30 C3sCngZ6
wkkr!wkkr!

278:小説に挑戦者(第4話)
07/11/22 23:25:16 Xur9ArAW
ピシャッ、ピシャッ
金城に押され、つんのめる様にトイレの中に入れられると、中は不自然なほど水浸しだった。
「柳さん。私とても残念だわ。」
頭越しにそう聞こえ顔を上げると、いやらしい笑みを浮かべている佐野里香と大衛千裕が立っていた。
「私達お友達だと思っていたのに。」
妙に猫なで声で話しかける里香の言葉の意味を佐奈は分からなかった。
(友達・・・?)
「ねえ?どんな'デタラメ'を委員長にチクったりしたの?」
猫なで声から、低いどすの利いた声にビクッと体を震わせ佐奈は手を振りながら
「わたっ私何も悪いことなんて言ってない」
と弁解した。
「そうよね?私、"裏切り者"の柳さんにひどいことしていないもの。そうよね?」
佐奈の慌てる様をいたぶり楽しむように、里香は笑顔でそう言った。
その台詞は佐奈の自尊心をひどく傷つけた。
ここで反論する勇気がないことを自分で認めることに直面させられたからだ。
里香の横に立っている大衛が"はい"と言えという感じで問いかける。
「そうよね?」」
佐奈は叫びだしたい気分だった。
頷いたら、何度も砕かれた自尊心を、自分でさらに壊すことになる。
過去に何度も経験したが、それが他人に打ちのめされるよりも自分で自分を打ちのめすのが一番つらかった。
そう葛藤していると
ガシッ
背中越しに力強く両肩をつかまれ、金城がさらに問いかける。
「そ・う・よ・ねっ?」
「うぅっっっ」
一度金城の顔を見たがその鋭い視線に押され、一瞬で視線を下に落とし、かすかに頷いた。
満足そうな顔を浮かべる金城と、優越感に浸るような笑みを浮かべる大衛が目を合わせると、里香が明るく言葉を続けた。
「あ~っ。良かった。それでプレゼントがあるんだけど、友情の思い出って言うのかな。」
里香のその台詞と仕草だけを見ると雑誌のモデルをしていた容姿からとても可愛いものに見えたが、佐奈にはその仕草からいやな予感しか浮かんでこなかった。
そういうと、大衛に視線を向け、大衛がかばんの中を探りだした。
悔しさと情けなさで一杯になりながら必死に涙をこらえながら、これから何が起きるのか不安になった。
「あ、あった。」
大衛が一冊の手帳サイズのノートを取り出し、里香に渡す。
里香は、中をパラパラめくり、苦笑しながら、それを佐奈に手渡す。
見下すような笑い方を浮かべる里香からそのノートらしきものを受け取ると、佐奈は絶句した。
それは携帯サイズのアルバムだった。
中には先ほど突然思い出した「トイレでいじめ」の記録だった。
タイトルには“私の彼氏♪by柳佐奈♪”と書かれている。
「どうしたの?せっかくのプレゼントなのに。」金城が不思議だ。といった表情を作って問いかける。
「う、う、ウレシイで、、、す」
「あ、そっっか。うれしくて固まっちゃったんだ」
馬鹿にしたように金城が言葉を続け、ボロボロに打ちのめされたように佐奈はまた小さく頷いた。
「いいわよ。ゆっくり見ていて。彼氏の便器君とのお・も・い・で♪」
大衛が、そういうと
「だからゆっくり見てなってっ」
里香がいらだつ様な口調で言った。佐奈は泣き出したく正常な判断が出来なかった。そして里香が苛立つ意味が分からなかった。
「立ってちゃゆっくり出来ないでしょ?座りなよ。」
金城がそういうと、ごみが水の上に浮き、茶色く濁った床を指差してそう言った。
出入りのない旧校舎の女子トイレが水浸しになっていたのは、そのためだったのだ。



次は11月24日の予定です。

279:名無しさん@ピンキー
07/11/23 03:20:30 mEZuvve5
お!来てた!
楽しみにしてるぜー

280:名無しさん@ピンキー
07/11/23 13:03:48 sQf1M2I2
同じく。半裸で待ってる

281:小説に挑戦者(第5話)
07/11/24 16:15:22 5JeymmIW
スカートと靴下、そして上履きに床のにごった水が染みこんでくる不快感が襲ってくる。
5月下旬で平年と比べ気温は暖かかったが、それでも佐奈の中では酷く寒く感じた。
それに加え、例のアルバムを最後まで見なければならない。
さらにその写真の横には佐奈の神経を逆なでするようなコメントがご丁寧に乗せてあげる。

便器を抱させられ、無理やり作らされた笑顔の写真の横には「これが私の自慢の彼氏ヾ(*'-('-'*)ノピトッ 」、
便器に口をつけさせられた写真の横には「初めてのファーストキス(〃д〃)きゃ~♪ 」

悔しさと屈辱で気が遠くなりそうになりながら、涙で震えた。
正座をする佐奈が悔しさを十分に噛み締めるだけの間を十分においてから、里香を中心とする3人は例のニヤニヤ笑いを浮かべながら口々に言い出した。
「どう感想は?」
「懐かしくない?」
佐奈にはどうにも答えられなかった。
口を開けば、涙を堪えきる自信がなかったからだ。
そんな内心を知ってかしらずか、里香が追い討ちをかけるようなことを言い出した。
「でも私、付き合いが長い佐奈さん達はそろそろ次の段階に進んでもいいと思うんだよなぁ~」
佐奈は里香のその妙な台詞にビクっと顔を上げた。
すると金城も大衛も言葉を続けた。
「そうそう、私も思ってた。」
「いまどきの高校生にしては遅すぎるくらいよね。」
うんうん、と、そう頷きながら満足そうに聞いている里香は佐奈に視線を向けかわいらしい笑顔を向け命令した。
「ってことで柳さん脱いで」
いったい何を言っているのか分からなかった。ただ絶句して呆けた顔をしながら里香の顔を見た。
「呆けた顔してないで、ほらほら脱ぎなって」
そういうと後から正座している佐奈を引っ張り床に倒してから、スカートをグイっと引っ張り上げ、強引にスカートを引き抜いた。
「きゃぁっ、やだっやだっ」ブレザーにも床の水を染みこませながら必死に抵抗するもいとも簡単に脱がされた。
「ぷっ、色気ない下着。小学生かよ」そう笑いながら、大衛は佐奈の姿を写真に収める。
「こいつもう塗れてるじゃん」金城が佐奈の下着を指差しながら嘲る。
当然塗れているのは床の水が染みこんだからに過ぎない。
けれど彼女達にとってそれは侮蔑する言葉を投げかけることが出来ればどんなものでも良かった。
「や~らしぃ。興奮するの早過ぎっ」大笑いしながら金城は続いて佐奈のブレザーに手をかける。
佐奈は金城から這うように逃げながら「やめてっ許してっやだっ」と叫び許しを乞うが金城はその様を楽しむように佐奈を追い回し
ブレザー、ベスト、YシャツにTシャツと次々と佐奈を剥いていく。
むろん大衛もそのつどパシャっパシャっと必要もないフラッシュを炊きながら写真に取られているということを認識させていた。


282:小説に挑戦者(第5話)つづき
07/11/24 16:15:55 5JeymmIW
佐奈はそれでも逃げながら必死に抵抗し、写真を回避しようとするが、逃げ道を絶妙に里香に抑えられ、結局は無駄な抵抗に終わり、とうとう下着も剥ぎ取られ全裸にさせられた。
「うぅっあぁぁっあああああああああっっっ」
佐奈は恥ずかしさにどうすることも出来ず、顔を両手で必死に押さえながらとうとう号泣をした。
しかしその行為は、里香も金城も大衛も何一つ罪悪感も感じず、かえって加虐心が一層あおられるだけだった。
その間、里香ほど大人びてはいないが、普通の高校生並みの発育をしている佐奈の裸体を大衛は写真に収め続けた。
それから、ひとしきり佐奈に屈辱感と恥辱感を味あわせた後で金城は、泣き崩れる佐奈の髪を引っ張り上げた。
「おらっ」
「うぅっぅっぅ、もうっもうやだぁぁあぁ、やめて下さいぃ」
涙で顔をゆがめ哀願する佐奈の顔を満足そうにしながら満面の笑みを浮かべた。
「それじゃ入って」里香がトイレの個室を開けると、駄々っ子のように泣き叫んだ
「やぁーーっいやぁぁぁっ、やーーーーーーーっっっ」
金城と里香は泣き叫ぶ佐奈を完全に無視して、トイレの個室に押し込み、ドアを強引に閉めるとすかさず大衛がドアを釘で打ちつけた。
「いつまでも泣いてたら"彼氏"が引いちゃうよぉ」
「それに私達も他人のセックスシーンに立ち会うほど野暮じゃないから安心して」
「そうそう、個室で存分に・・・ね♪」
「お願い返してっ許して、許してぇっ」
里香は、トイレの個室の中に閉じ込められた後もドアを叩き必死に許しを請い続ける佐奈にさらに追い討ちをかけた。
「あ、そうそう、あまり叫ぶとそのうち用務員のオッサンが見回りにくるよ。」
その言葉を聴いた瞬間、佐奈が息を呑むのが顔を見ずともわかった。
「誰も来ない旧校舎で全裸の女子高生がトイレにいるシーンか・・・」
そういいながら里香は蛇口でバケツ一杯に入れ始めた。
「何かAVに出てきそうなシチュエーションね」
金城と大衛は、佐奈が現実から目をそらすことが出来ないように丁寧に説明を加える。
里香はバケツに一杯にたまった水を金城と大衛に手渡すと二人は反動をつけ中の水を佐奈の入っている個室の中へ浴びせかけた。
バシャーーーンッ
勢いよく落ちる大量の水音と佐奈の悲鳴が響いたのを聞くと金城は「はいっ!おまけっ。それじゃ、ごゆっくりい♪」とバケツを中に放り投げ入れた。
バケツの音が響き渡るのを後に、もはや許しを請うための叫ぶことも出来ずに全裸で個室に閉じ込められた佐奈をそのまま残し、3人は佐奈の制服を紙袋に入れ旧校舎から持ち去っていった。


283:名無しさん@ピンキー
07/11/24 23:52:40 bqKBJWe5
エレクトしてしまう!

284:名無しさん@ピンキー
07/11/26 00:33:19 fNGKjXqJ
仲井さやかは2時間目の授業終了間際、ふと窓の外を見ると、
佐野 里香、金城 沙那、大衛 千裕の3人組が、大きな紙袋を
抱えながら焼却炉のほうへ向かっていくのが目に入った。
(なんであの3人が?)
ハッとしてさやかは授業中であることも忘れ、窓の外を食い入るように見た。
今朝、佐奈と別れてから、柳佐奈の姿が消えたその日に、里香たち3人も教室に居らず、
しかも3人が群れて歩いている。
さやかは、一瞬物凄く嫌な予感がした。
もし、今が授業中でなければ、真っ直ぐ3人のところに飛んで行き問い詰めるところだ。
しかし、今は授業中なのでそうするわけも行かない。黒板のほうへ視線を戻すと、
担任の大野が面白そうに、さやかを眺めていた。
「仲井。窓の外に面白いものでもあるのか?」
優等生のさやかが、授業中に放心して窓の外を眺めているのが珍しかったのだろう。
他の生徒達も注目していた。
「あっ、すみません。」
さやかは授業中だということを思い出し、恥ずかしそうに謝った。

そっか、「仲井が余所見するのは珍しいからな。何かあるのかと思ったよ。」
そう言ってわざとらしく大野も窓の外を眺めた。

おそらく3人の姿は見えただろう。
「佐野達か?」

もともとは、さやかに対する皮肉のつもりで外を眺めたのだけろう。
しかし、素行の悪いグループ3人が目に入ったためか、大野の顔色が変わった。
「あいつら・・・」
さやかは、大野の反応を訝しげに見ながら、罰の悪そうに大野に声をかけようとした。

「お前ら、2時間目の残りの時間は自習だ」
そう言って、大野は教室から走って出て行った。

さやかは、すかさず大野について行こうとしたが、教室から出た瞬間、
「仲井、委員長として静かに自習するように注意しておいてくれ」
と大野に釘を刺された。
教室内は急な自習に驚き一瞬静寂が訪れたが、すぐに騒々しくなった。

「え?なになに?何が見えたの?」
「佐野さんたちがいたんだって」
「まじでー?」
「高校になって授業エスケープって、、、」

確かに、さやかは自分がいなければ教室内の喧騒が酷くなるだけだと諦め、
騒々しいクラスメート達のまとめを行うことにした。



焼却炉前にて、そんな教室内の小事件など知らぬ里香たちが佐奈の制服や
鞄を色々漁り、不要なものはどんどん焼却炉の中に捨てていた。

金城は佐奈の携帯をいじっていた。
「里香、面白いものあるよ。」
金城は心底楽しそうに里香に声をかけた。
「なになに?」
佐奈の鞄を漁っていた里香は金城の方を向き、興味を示した
「委員長の携帯の番号」
「え、まじで?」
大衛と里香は、金城のほうへ近づき、佐奈の携帯を覗き込んだ。
そして、心底楽しそうに笑みを浮かべ顔を見合わせた。
「委員長にも面白い経験プレゼント出来そうじゃん」
金城はそう言って底意地の悪そうな目つきで笑みを浮かべ里香と大衛の顔を交互に見た。

285:小説に挑戦者
07/11/26 00:36:09 fNGKjXqJ
うが、焦って投稿してしまった。
上の話は第6話です。

一応、かなり長い小説にする予定ですが、読者いるかな?

もし読んでくれている人がいるなら聞きたいのですが、
大体どの程度で完結したほうが良いでしょうか?

↑ちょっとしたアンケートさせてください↑

286:名無しさん@ピンキー
07/11/26 00:48:59 3WRTC8D/
GJ!

自分はどんだけ長くてもいいけど、未完放置だけは勘弁・・・
聡美より速いペースで投下してもらえるならwktkしながら待ってる

287:名無しさん@ピンキー
07/11/26 01:24:49 GuIJ+pYU
終わるまで絶対生存しますから!

288:名無しさん@ピンキー
07/11/26 01:37:30 yWrV/UR0
グッジョブ、おもしろい!
1000までに完結くらいでいいんじゃない?
でも書きたい事を削ってまで短くする事はないと思うよ

289:名無しさん@ピンキー
07/11/26 16:35:28 qqvyBnFg
このスレを全て使い切っても何ら問題なし
いつまででも読みますよ

290:名無しさん@ピンキー
07/11/26 21:21:49 Jj7pcADK
GJだ!!!
マジで楽しみ
書きたいことを書いてくれればいい
そうすればあなたもおれもハッピー



291:名無しさん@ピンキー
07/11/26 23:36:48 fNGKjXqJ
お~5人もいたw
了解っす。
未完放置はしないんで、生暖かく見てやっててください。

一応週2~3本、最低2本で1本1000~1500字を目処に進めます。
ただ、年末年始は無理かもしれないけれど、それ以外はそのペースは守りますね。

292:小説に挑戦者(第7話)
07/11/28 00:05:04 eDKBF0rR
「どうするの?それ、出会い系のサイトにでも投稿する?」
大衛がそう尋ねると、金城は'ちっちっち'と大げさに振る舞い、一拍置いてから言った。
「もちろん、それ"も"するけど、他の用途もあるんだ♪」
金城の言葉に里香と大衛は顔を見合わせた。
「それと、"順"から面白い情報貰ってるから、まぁ、お楽しみ♪」
里香は金城がこの顔をするときは、何か泥沼のような策略を巡らしているときだと知っていたし、
下手に追求しても怒り出すことも知っていたので、何を企んでいるか追及をやめることにした。

里香たちが佐奈の所持品の物色し終え、手帳と財布、携帯を除きすべて焼却炉に放り込み終わると、
ひと仕事終えたように手を叩き、これからどうしようかと相談始めた。

「私は授業に出るわ。」
金城が宙を見ながらつまらなさそうに言うと、
「そ?」
と気のなさそうに里香が相槌を打った
大衛は里香と金城の、どちらかの意見に従うだけだったので待ち
順の顔を立ててあげないと。サボってばかりじゃね。
金城がそう言うと、“お前らぁっ。”と声が飛んできた。

その声3人は、一瞬タバコを見つかった学生のようにビクッとして声のしたほうを同時に顔を向ける。
しかし、そこに立っている人物を金城が見止め、
「あっ、順っ。」
と、先ほどの陰湿な表情から、年頃の少女らしい可愛らしい笑顔に豹変した。
そこには担任の大野順也が立っていた。

大野は訝しげに金城達を眺めてから、蓋の開いている、焼却炉の中身を覗いた。
里香たちは、そろってばつの悪そうな笑いを浮かべたが、反省している様子は見せなかった。

「また、柳にちょっかい出してたのか?」
大野は焼却炉に捨てられている、制服を見て仕方なさそうに言った。

「まぁまぁ、気にしなさんな。」
金城は軽いノリで恋人の大野の肩をたたきながら、
「順には迷惑かけないって♪」
と世間話のように言った。
まったく悪びれた様子はない。
仕方のなさそうに、大野はため息をついてから、金城の頭に手を置き、「頼むぜホントに」と言った。

「まったく、仲居がお前らを見つけて、今にも飛び出しそうだったから抑えて俺が先に来たんだけど
良かったよ。」
独り言のようにそうつぶやくと
「委員長が?」
里香が耳ざとく聞き返した。
「ああ、処分するなら燃やしておかないと、次の休み時間にでも探しに来るぜ」
大野は目を焼却炉の中に向けてそう言った。
「んじゃ順也は焼却炉の中身が燃え終わるまで適当に理由つけて委員長の足止めしててよ。」
甘えるように大野の腕の中に納まりながら金城は上目遣いにそういっている。
大野は肯定も否定もしなかったが、委員長の足止めは確実にやるだろうと思えていた。

里香は、このとき、仲居さやかという存在を今までとは比較にならないほど、邪魔に思った。
そしてそれと同時に、この鬱陶しさから来るストレスのはけ口として、佐奈に対するイジメを
一層エスカレートさせてやろうと理不尽な憎悪を膨らませていった。

293:小説に挑戦者(第8話)
07/11/28 20:59:30 eDKBF0rR
柳 佐奈が旧校舎の女子トイレに閉じ込められてから、2時間近くが経過していた。
学校という環境の中で一糸纏わぬ姿で閉じ込められ、酷く無防備で得たいの知れぬ不安感に襲われる。
あれも見ているものはいないのに、何百人もの瞳に見られ晒されているような無防備感に加え、
この2時間の間、佐奈は一人で絶望のループを何度も繰り返して過ごしていた。
(もしこのまま里香たちが戻ってこなかったら、このまま朽ち果ててしまうのかな。)
(まさか、そんなことはない)
(でも、こんな格好じゃ助けを呼ぶことも出来ない)
(万一、男子が来たら何されるか分からないし、女子はもっとヤダ。怖い)
不幸にも佐奈にとって女子の知り合いで、一番付き合いが長いのが里香であった。
そして、里香を基準とした判断材料しかないから男子に見つかる以上に女子に見つかることを佐奈は恐れていた。
(先生だって信用できない。誰かに助けてほしいけど、誰にも来てもらいたくない)
どうしようもない絶望感に襲われ、葛藤を続ける。
(それにしても、里香たちなら本当に戻ってこない可能性もある。)
(里香たちに制服を持っていかれたのは知っている。どこかに隠したのかもしれない。自分が慌てふためくのを見るために)
(深夜になって学校から誰もいなくなったら。教室にジャージを取りに行こう)
(ジャージ姿で帰ったら叔母さんになんて言われるだろう。)
(それより、深夜に見回りの先生とかに見つかったらどうなるんだろうか。)
(万一事件になっても警察にも深夜で全裸でいた自分が悪く佐奈が悪いことにされる可能性もある。)
(それに何よりこんなことが世間に知られてしまったら生きていけない。)
誰もいない旧校舎、女子トイレの個室の中で孤独に押しつぶされそうになりながら佐奈はそうした無意味な
自問自答を繰り返していた。
「なんで、なんでぇ、、、っうっぅ」
佐奈はそんな言葉が口から漏れる。涙があふれて止まらない。悔しい。
泣き叫びたくて仕方がなかった。けど声を出して泣くことも出来ない。
『あまり大きい音出すと用務員のオジサンが見回りに来るよ~』
去り際にそう吐いた金城の呪いの台詞が、佐奈の絶叫を封じ込めていた。
そんな救いのない葛藤は高校になったばかりの少女にはあまりにも辛い拷問だった。
当然のごとく、佐奈の孤独と不安感と戦い続けていた緊張感も限界に近づいて来ていた。
(マサル君が助けてくれたらなぁ))
佐奈はもう何度も自問自答を繰り返し続け、神経がすり減らし尽くした佐奈が、中学時代恋めぐらせていた男子が
颯爽と助けてくれるような支離滅裂な夢のような想像をした直後には
(駄目だ。もう駄目だよ。どうせ、どうせなら反撃しよう。そうだ。次に里香たちが来たら毅然とした態度で接してやる)
(そう、そうよ、どうせ抵抗しなくたって酷いことされるんだもの。だったら、思い切り抵抗してやる。そうしよう!)
まとまらない思考をぐるぐる思考を巡らせていると、トイレのドアから地獄の門が開く絶望の音が聞こえてきた。
"コンコン"
「佐ぁ~奈ぁ~っちゃん」
便座の蓋の上で体育すわりをしながら丸まるよ格好で新たな決意と葛藤を続けていた佐奈は数秒前の強気が一瞬で消え失せ
心臓が口から飛び出てくるほど驚いた。
里香の声だ。佐奈の意識とは裏腹に足が震え出した。
"コンッ、コンッ、、、ドンッッッ"
「シカトこいてんじゃねえよっっぅt」
ドカッドカッとトイレのドアを思い切り蹴りつける音と金城の怒声が響き、佐奈は体全体をビクッと震わせた
「は、はいっ!」
せめて、気丈に構えようとしながら、脅えを隠し切れない泣き声が混ざり合った発音でで返事をすると
「どう?お楽しみは終わったぁ?」
と金城は猫なで声で聞いてきた。
その口調での聞き方が一番佐奈の心を傷つけると知っていたからだろう。
佐奈に答えられるわけがない。
「ちょっとぉ質問してるんだけどぉ」
語尾のイントネーションを上げ、苛立ちを表現しながら金城が繰り返し聞いてきた。
「終わり、ました」
先ほど芽生えた気丈さは金城の声、現在の立場を認識すると泡のように消え去っていき、消え入るような声でそう答えた。
瞬間、ドアの外側がドッと湧き上がった。
「聞いた聞いた~?」
「佐奈ちゃん、便器とヤったんだってっ」
「やっだぁマジでサイテ~♪でもお似合いだね♪」
金城と大衛が次々と嘲笑の言葉を浴びせる。
佐奈はギュッと膝を抱きかかえ、ひたすら今が過ぎていくのを待ち続けた。

しかし、さやかの介入によって高まったストレスを解消すべく現れた里香は、佐奈をさらに貶めるつもりでいた。

294:名無しさん@ピンキー
07/11/28 22:23:34 i/ul73Wd
期待

295:小説に挑戦者(第9話)
07/11/29 23:57:14 ZeeObsjB
3人は柳佐奈を囲み大声でひとしきり笑った後、金城沙那は楽しそうに言った。
「そっかそっか、佐奈ちゃんも漸くヴァージン卒業したんだ」
「それじゃ、出てこようか。どんな風に大人の表情になったのか見せてぇん」
金城がそういうと、大衛千裕は個室のドアに打ちつけた釘を引き抜き、乱暴に個室のドアを開けた。
「ごたーいめーん☆」
佐野里香と金城沙那がわざとらし過ぎるほど明るくそう言った。
便座の蓋の上で体育座りで脅えるように震えている佐奈の姿があった。
佐奈のその姿を見て里香は満足そうに微笑んだ。
先ほど委員長に溜めさせられたストレスがスーッと消えていく心地だった。
「あ~れぇ~?佐奈ちゃんヴァージン捨てたのに全然変わってないじゃん。」
大げさに不思議だとか言わんばかりに金城が大声でそういう。
(なにが、何が"変わってないじゃん"よ。ふざけないで制服返してっ!)
と佐奈は震えながらも先ほど決心した気持ちに従い、強く返そうとした。
しかし今までに受けた恐怖と屈辱で佐奈の心は里香と金城に対して刷り込みを植え付けられていため
言葉にならず。結局「なっ、、ぁ、、ゃ・・・」と蚊の泣くような声が漏れるだけだった。

金城は、そんな佐奈の言葉を完全に無視し、侮蔑に満ちた目つきで佐奈を睨みつけた。
「まさか、あんた"恋人"と裸で密室に二人でいて、何もさせなかったんじゃないでしょうね?」
里香は金城の話の持っていこうとする方向を敏感に察知し、すかさず話を合わせた。
「沙那。柳さんがいくら奥手で純情でも、それはないよ。」
金城は里香が、話を合わせてきたのを幸いと、わざとらしい小芝居を演じ始めた。
「あ、そっかぁ~。わたしてっきりウブでカマトトぶって焦らしてんだと思ってた」
「まっさかぁ、中学時代は私と一緒にモデルにスカウトされたのにさ。落ちたけど。」
そう言って自分は合格したけど、と侮蔑するような目つきで佐奈を見下ろす。
佐奈はこの言葉に過剰反応した。里香と決別した原因、いや里香が佐奈をいじめるようになった原因だからだ。
けれど、そのこと以上に佐奈には里香たちの話の方向性が見えず、いやな予感が増すばかりだった。
「だよね。控えめだけど顔とスタイルそのものは結構いいし、男好きそうだものね」
金城は佐奈のそんな心理など関係ないと言ったようにそう言ってから舐めるように佐奈を眺め回した。
「でも可能性は捨てきれないじゃない?」
「なんの?」
「オトコの喜ばせ方を知らないって可能性」
「まっさかぁ~でもそれだったら"彼氏"が可愛そう過ぎるよ」
里香は笑いをこらえながらそう言った。
「だったら、後学と彼氏君の為に私たちが教えてあげよっか。」
金城と里香のやり取りから、佐奈に何をさせようとする意図が明確になると佐奈は顔を真っ青にした。
二人の腰巾着役の大衛は、今までぼーっとしていたが、里香たちの行動に移る気配になると
鞄からデジタルビデオカメラを取り出した。
「千裕、今回は写真じゃなくて動画の方で録画してね。」
金城は、大衛にそう指示をした。

296:小説に挑戦者(第10話)
07/11/30 23:50:32 pxQ4XwhH
「っっっ!や、やだぁぁああっっっ」
佐奈は裸であることも忘れ、必死に逃げようと出口へ走り出したが、金城がすばやく足を掛けた。
びしょ濡れになっている床の水がとび散り、佐奈は汚れで茶色くなった水床の上に豪快に転がった。
「そんな色っぽい格好でどこ行くの?わいせつ罪でつかまっちゃうぞぉ」
金城が佐奈に自分自身の現状を認識させるべくそういうと、一瞬佐奈は羞恥の表情を浮かべたが、それでも
目先の恐怖に脅え、隠すところも隠さず、今は必死に逃げようと這って出口に向かおうとした。
「もう、佐奈ちゃんたら、女の子がはしたない。丸見えじゃん♪こっちに来ましょうねぇ」
芋虫のように這って逃げようとする佐奈は、両足を金城に掴まれ先ほどまで閉じ込められた個室トイレの
ところまで引きずり戻された。
「あああああ、っあっあわああああ、誰かぁっ誰かぁああっっ」
佐奈はがむしゃらに叫び、必死に助けを求めたが、もちろん誰も来ない。
「素っ裸で引きずられながら、叫び声あげて、間抜けもいいとこ」
里香は笑いを必死にこらえようと耐えながら、そう呟いた。もちろん佐奈の耳に入るような大きさの声で。
「もう♪佐奈ちゃんったら、いま人に来られたら一番困るの佐奈ちゃんでしょ?」
そういって、ペシッと佐奈の尻を叩くと、その間抜けな音に3人が噴出した。
「ああああ、ああああっっうあああああっっっ」
惨めで、情けなくて、絶望的でどうしようもない感情に飲まれとうとう佐奈は駄々っ子のように泣き出した。
それでも泣き暴れる佐奈に同情を示さずトイレの個室の中まで引きずり戻していった金城は、トイレの個室に
押し詰めるように佐奈の足首を持って投げ飛ばした。
その乱暴な扱いに佐奈はバランスを崩し、悲鳴をあげ便器を抱きかかえるように倒れこんだ。
「やっぱり彼氏にすぐ抱きついちゃうんだね」
珍しく、一番初めに大衛が口を開いた。
悔しそうに佐奈が大衛の方を見ると、まだ起動し終わっていない大衛の持っているビデオカメラが視界に入り、
さらに惨めな感覚が増した。
金城は佐奈を引き起こし、再び髪を引っぱり顔を上げた優越感に浸りきった目つきで佐奈の目を覗き込む。
「うぅ、、、うううぅっ、。いっ痛ぃっ」
痛みと恐怖に襲われている佐奈は先ほどとは異なり全力で金城の手を振りほどこうとしたが、女子の中でも
非力な佐奈の力では、一般男子並みの腕力の金城の手はビクともしなかった。
大衛がビデオのスタンバイが整い終わったという合図を出すと、金城は。
「それじゃレッスン始めるねぇ。まず!」
そう掛け声を掛け、必死に叫び助けをあげ続ける佐奈の髪を強く引き上げてから
「体の汚れを落とします。」
そう言って、便器の中に佐奈の顔を便器の中に沈めた。
「やぁあああっやめっがぐぼぼヴぉぶぉぶぉぼ・・」
必死に叫ぶ佐奈に金城達は余計に攻め甲斐を感じたのか、金城は心底楽しそうに便器の水槽の中で
もだえ声をあげる佐奈を見下ろしていた。

297:小説に挑戦者(第11話)
07/12/01 23:13:50 SY7UXtYh
「げほっっげほっっぅええっっっごぼっ」
金城沙那が便器の中から髪を引っ張り上げ柳佐奈の顔を上にあげると佐奈は激しくむせこんだ。
「うぅぅうっぅうううう、ごほっごほっ」
顔中が塗れているが、涙と鼻水のあとははっきりと分かる。
「どう?綺麗になった気がする?」
金城が佐奈の顔を佐野里香のほうに向け、確認すると里香は悩ましそうな顔をした。
「そうよね。もう一回位洗わないと汚いよね?」
里香の表情を勝手にそう解釈し、もう一度沈めようと手に力をこめる。
「もっ、やぁっ、やなのぉぉっ、ゅるして」
顔を涙でクシャクシャにしながら哀願し、髪を引き上げる金城の腕を必死に離そうとする。
しかし、力勝負ではまったくかなうはずもなく金城は容赦なく再び便器の中に佐奈の顔を沈める。
「や゛め゛っぶぁぁぼぼぼぼぼぼっ」
またも便器の水の中に溺れるように咽び声を上げながら、便器の両淵を両手で支え何とか顔を出そうと抵抗した。
金城は、頭を何とか便器から顔を上げようと力をこめる佐奈をものともせず片手で押さえつけ、空いたほうの手で
トイレの水を流した、

ジャァーーーーーーー

ただでさえ溺れて水に溺れて辛いのにさらに強い水流があふれ出て来たため佐奈は大量の水を飲み今まで以上に
大きく咽び声を上げた。
「ん゛っーーーーーーがぼぼbヴぉおヴぉあqgqふえqぴq」
トイレの水流に流され、声にならない叫びを上げる佐奈を強く抑えながら加虐的に金城は喜びの声を上げた。
「あはははははは、髪が、髪が流されてる~~~気持ちわりぃぃぃワカメみてぇ」
佐奈の長い髪がトイレの奥のほうへ吸い込まれるように漂っていく。
その様を目に涙を浮かべ爆笑しながら、里香と大衛の表情を伺い見る。
大衛はその様を金城同様に笑いながらビデオに収めていた。
しかし、里香の表情からは外見的には笑っていたが、それでも数瞬前と異なり別の気配が浮かんでいたのを金城は読み取った。

事実、里香は例えようのない感覚に襲われていた。
里香は今まで積極的に佐奈のいじめに参加していた、いや、率先的に主犯として佐奈いじめていた。
そして、今回初めて従犯として佐奈のいじめに加担している。
確かに少し前までは金城が佐奈を貶めていくことでストレスが解消されていく爽快感があった。

今回は、仲井さやかに対するストレスのはけ口として佐奈を選び、酷い行為を平気ですることが出来る金城に全てを任せたのだ。
しかしその結果、金城が今やっている行為をだんだんと客観的に見てしまえ、不意に魔が差したように冷静になってしまった。

それでも今回さやかに邪魔をされ、ストレスが溜まって金城に"容赦なくやろう"と持ちかけたのも里香だ。
だから、里香は佐奈の惨めな姿を見て優越感に浸ろうと内から沸きあがるわけの分からないそんなモヤモヤを強引に押さえつけた。

298:名無しさん@ピンキー
07/12/02 00:06:27 x0BAKT/t
まさかこんな良作が投下されてたとは・・・
超GJです!

299:名無しさん@ピンキー
07/12/02 04:42:50 0FFoUaH2
汚辱に期待せざるを得ない!!!

300:小説に挑戦者(第12話)
07/12/03 00:39:33 Qh7Viy/x
金城は佐奈を便器の水槽の中から引っ張り出し、乱暴に髪から手を離した。
「げほぉっ、ぜぇっぜぇっ、げほっごほっ、、、、はぁっはぁっ、うぅっおぇぇぇぇ」
便器の水槽の中に溺れていた時間は15秒ほどだったが、大量の水を飲まされた佐奈は便器にもたれながら飲んだ水を
吐き戻した。
佐奈の口から吐き戻された液体は佐奈の体を汚し、床を汚し、便器周りを汚した。
「きたねぇぇぇ」
金城は侮蔑の念をこめた口調で佐奈の耳元でそう呟き、屈辱に満ち溢れしゃくり泣き、金城を睨み返す気力も失せた
佐奈を突き飛ばして里香のほうに向き直った。

「里香」
「ん?」
「どうしたの?つまらない?」
「そんなことないよ」

里香は心外だという表情を大げさにつくり返事をするが、金城は訝しげに里香の顔を見つめた。
「そうよね。もともと先行して始めたのは里香だもの。」
里香は頭の中で分かりきった事実を指摘され、いらだちを感じたが、あえて黙ってうなずいた。
「まだまだ、これからが楽しみの始まりなんだから、もっと楽しそうにしてよ」
金城は里香に釘を刺してから、言葉を続けた。
「どうせ、こいつは私たちのストレス解消のための玩具であって暇つぶしのペットなんだよ?」
金城は里香の顔を見据えて、まだ便器に寄りかかり、むせ続けている佐奈を指差しながら
「里香がストレス溜めたのなら、そのストレスを解消させるのは、こいつの当然の義務なんだから」
と平然と言い切った。

そして今度は佐奈の耳元に口を近づけ金城は猫なで声で言った。
「佐奈ちゃんが今、こんな目にあってるのは全部委員長のせいなんだよ。」
佐奈は咽びながら(なに?)と視線だけを金城に向けた
「思い出してごらんよ。もともとは私たち掃除当番の交代を頼んだだけなのに委員長が絡んできたのが始まりなんだから」
委員長こと仲井さやかを貶める算段をつけている金城は、佐奈にもさやかに対するマイナス感情を育てようと
佐奈の心の隙間に呪いの言葉を吹き込んでいく。
「恨むんなら、"委員長"を恨みな♪」

金城が楽しそうに佐奈を洗脳している姿を見ながら里香はなんとも言えない感覚が沸き続けた。
里香も金城の言うことはその通りだと思い続けていていた。何の疑いもなく。

「それじゃ、掃除用具の中から雑巾持ってきて。あとバケツに水入れて、とホースも持ってきて。」
金城は佐奈に引き続き、里香の葛藤を押し込めるよう里香にそう指示した。
それに従い、ボロボロになった雑巾とさび付いたバケツ、黒い汚れがこびり付いたホースをを用具箱から取り出し、
金城に手渡し、金城は受け取った雑巾で塗れた床を拭き、雑巾をさらに汚し湿らせてから
「それじゃ、洗った体を拭き拭きしましょうね♪」
と言って佐奈の顔に近づけていった。
水にぬれたため、雑巾特有のいやな臭いがツンと佐奈の鼻をかすめ、涙でクシャクシャになった顔をさらに歪ませて
何度も叫び、全てを無視され続けた絶叫を再び繰り返した。
「っっッっい"やあああああああああああああ」



追伸
長くても構わないということなので、溜めてた分を圧縮せず毎日投げ込みましたが
今後このペースは多分ないと思います。
一応私も仕事があるんで…
今後、週2くらいを目処に更新していけたらなぁと思ってます。
といっても、調子良いときは一気に書けるんで、書き溜め出来たら、コンスタントに投稿しますけどね

301:名無しさん@ピンキー
07/12/04 06:39:18 lPJf1APx
3行目あたりでパンツをおろした俺

302:名無しさん@ピンキー
07/12/06 14:30:49 U/bA2c2w
久しぶりだもんでチンポ扱きつかれた

303:小説に挑戦者(第13話)
07/12/06 23:12:56 Z589NWBR
金城は、嫌がる佐奈を強引に押さえつけ、汚臭のする雑巾で佐奈の体中を拭き終わると汚そうにその雑巾を床の上に捨てて言った。
「うっ、ぐっ、あぁぁ、ああああああああああん」
佐奈は肩を震わせ、両手で目頭を押さえ、声を抑えることも出来ず駄々っ子のように泣き崩れた。
言葉による哀願も抵抗も全てを無視された佐奈にとって泣くことは自分の感情を表現する唯一の手段だった。

どんなに頼んでも決して責める手を緩めない金城達に
抵抗する術も力も勇気も持っていない自分自身に対して
雑巾に染み付いていた嫌な臭いが自分の体から漂ってくることに
全てが佐奈にとって悔しくて、情けなくて、惨めで、悲しくて、絶望的だった。
その様を金城はどこ吹く風といったように楽しそうに見下ろし、
里香は自分の葛藤を押さえつけるために、こうなった原因は佐奈にあるのだと思考を強引に押さえつけ、
大衛は、ただ自分より惨めな佐奈の様を優越感に浸りきった満足そうな笑みを浮かべ、ビデオをまわし続けていた。

佐奈の号泣が始まってから、佐奈の嗚咽以外は誰も声を発しなかったが金城がポツリと吐き捨てた。
「もう、うるっさいなぁ」
そして、佐奈のほうへ歩み寄りドス聞かせて言った。「なに嘘泣きで被害者ぶってんだテメーはぁっ!?」
「うぐっぅっうぅっ」佐奈はしゃくり上げながら、もの凄い目つきで睨みつける金城の顔を見た。
そして今の自分が被害者でなければ、何だというのかといった目つきで睨み返したが、言葉に出すことは出来なかった。
「あっ?何その目つき。ガン飛ばしてんだ…」
言葉のトーンを下げながら、黙って佐奈の目に睨み返し続ける。数秒後、視線をはずしたのは佐奈だった。
すると金城は佐奈の髪を引っ掴み、大きく振り回しながら怒鳴った。
「も・と・は・と・い・え・ば、お前が里香を裏切ったのが原因だろうがっっっ」

そう、中学2年のとき、佐奈は里香に対して大きな裏切りを働いた。
中学入学の頃から、スタイルもよく顔もよく目立っていた里香と佐奈は意気投合し親友同士だった。
そして、この年代の女子によくある例に漏れず里香も佐奈も芸能界という華やかな舞台で活躍したいと夢見ていた。
互いに夢に向かい努力し、芸能プロダクションのオーディションで二人は順調に審査を通過し、最終選考まで勝ち抜いた日のことだ。

佐奈の自宅に一通の封筒が届いた。
中には数枚の写真が入っていて、そこに写っているものを見て佐奈は息を呑んだ。里香の喫煙シーンが克明に写っている。
これを選考会の審査員たちが知れば、里香が合格することは、まずない。
芸能人の未成年喫煙飲酒は珍しいことではないが、それは選考オーディションに通り、事務所に金を運ぶことの出来る人間である。
合格する前、ましてオーデションの途中にもかかわらず不祥事を抱えている人間など特別なコネがない限り、大抵の審査員にとって
世間知らずな田舎者以外何ものでもない。
(里香だったら、里香だったら今回駄目でも次回絶対通る。)
(それに引き換えスタイルで里香に劣る佐奈は次回最終選考に残ることすら厳しいかもしれない。)
精神的に幼かった佐奈は、何かに取り付かれたようにその悪魔の囁きに耳を貸してしまった。
将来に対する夢があまりにも強すぎたことと、年相応の浅はかさが働きかけていたのだ。
当然佐奈はその行為に対し、激しい後悔に襲われ続けた。
最終オーディションを棄権し、芸能界での夢も捨て、里香に謝罪しようと思いながら月日が流れていった。
しかし結果的に、里香はオーディションに通過した。
実際に通過した里香以上に佐奈は喜び、里香に心からの賛辞を送った。

304:小説に挑戦者(第13話)
07/12/06 23:14:01 Z589NWBR
芸能プロダクションに入りモデル活動をしながら、学校生活と両立している里香と佐奈は親友同士のままだったが、
そんな中、佐奈は里香に対して常に罪悪感を持ち続け、自分の罪を告白し、里香に許しを乞おうと思っていた。
しかし、その日は来なかった。
芸能活動を続ける里香は、当時審査員をしていたという人間と知り合い、密告文書のことを聞かされたからだ。
『最終オーディションのときさ、里香ちゃんの'酷い'写真が密告文として送って来たんだよ。』
そういってタバコを口にくわえた元審査員から渡された写真を里香は見た。
佐奈のような素人には見抜くことが出来なかったが、プロから見れば簡単に見破れる合成写真だったのだ。そしてその関係者は言った。
『最終選考会、ドタキャンした娘がいたでしょ。あの娘が怪しいって話なんだ。やった後、罪滅ぼしで棄権するのはある話だからね。』

その事実を信じたくなかった里香は後日佐奈を中学の屋上に呼び、問い詰めると佐奈は白状した。
それを聞いた里香は愕然として『裏切り者…私、絶対に許さないから』とだけ言った。
このとき佐奈と里香は完全に決別し、2人の間に決して埋めることが出来ないほどの深い溝が出来た。
その後しばらくして、里香は金城と付き合うようになり、それから佐奈にちょっかいを出すようになったのだった。
里香と金城を中心とした、佐奈に対する嫌がらせ行為はクラス中からすんなり受け入れられ、積極的に参加する者も多くいた。
生まれ持った容姿と、控えめななため人気があり、嫉妬の対象であった佐奈は、転落することを祈っているクラスメート達から見て
格好の餌食だったからだ。



んじゃ、こっから10日ほど連続投稿で行きますね
話を進めないとまとまりがつかないんで。

305:名無しさん@ピンキー
07/12/07 04:16:14 gUqXefkQ
楽しみに拝読しますです

306:小説に挑戦者(第14話)
07/12/07 23:32:40 67a5FmpJ
金城が口にした、「こんな目にあうのは佐奈に原因がある」という言葉より、佐奈と里香は同時にその記憶が鮮明に蘇った。

これは、佐奈には2年たっても軽減されることのない自分自身の罪の意識を増大させ、
里香には自分には"こうする権利がある"という見当違いの正当性を主張させた。

もとより佐奈は気弱な性格も祟って何も言えなくなってしまった。
明らかにただの理不尽で陰湿ないじめであるにもかかわらず、罪の意識から"全ての原因は自分にある"という被害妄想と
クラス中から受けた、いじめの経験から何年もかけてそんな妄想が佐奈の意識化に根付いてしまったのだ。

「分かったら、とっとと彼氏の掃除しな。」
金城はそういって佐奈を恫喝した。
「テメーが吐いた薄汚いゲロでびしょ濡れだろ」
先ほど大量に飲まされた便器の水を吐き散らしたことをワザと侮辱的に思い出させた。
「それとも佐奈ちゃんは始めての相手とスカ吐露プレーでも楽しんじゃうの?」
大衛のあまりに下品な言い方に佐奈は屈辱感で一杯になり、顔をあげられなくなり、唇を噛んで下を向いた。
「うっっわ、マジ?可愛い顔してえげつねぇ~。」
大げさに演技しながらちくちくと口撃をする金城と大衛の言葉に、大衛が声を立てて笑い出した。

(死んじゃいたい・・・)

あまりの屈辱と恥ずかしさから、そう思いながら、おずおずと先ほど金城が床に捨てた雑巾に手を伸ばした。
「おいっ!」
その怒声にビクッと佐奈は手を引っ込めた。金城が馬鹿にしたように佐奈の頭の上から言った。

「おめー自分の彼氏をそんな、くっっっさい雑巾で拭こうっつうの?」
先ほど佐奈の体を拭いた雑巾が汚いことを強調するつもりで金城は言葉を続けた。
「どこの世界に自分の彼氏を雑巾で彼女がいるんだよ?」
金城の言わんとしているところを理解出来なかった佐奈は脅えた子犬のような目つきで震えた。

「里香ぁ。この頭の弱いペットにどうすりゃ良いか教えてやってよ。」
先ほどから、妙な倫理観で葛藤している里香を無理やり自分側に堕とすべく金城は里香を参加させた。
一瞬、妙な間を空けたが里香は頷いて今まで通りの醜悪な面に支配されて佐奈に指示した。
大股で佐奈に歩み寄ると、腕を取り、引き起こしてから便座の上に佐奈を押し倒し、
「こうやって、顔で拭くんだよ」と、便座に佐奈の顔を顔をこすりつけた。
「ぶっぐぅぅっ」
あまりに奇抜な方法だったので顔を押し付けられた佐奈は反射的に必死に顔を起こそうと力をこめるが、上からの圧力は増すばかりだった。


307:小説に挑戦者(第14話)
07/12/07 23:33:27 67a5FmpJ
「そうそう、あっはははは。でもぉもっとこう、体全体を使ったほうが良くない?」
金城はほころばせ、今度はこの場の支配権が自分にあることを強調すべく、引き継いだ。
急に里香の力が緩んだので危うく後ろに倒れそうになったかと思うと、今度は体が浮くような感覚がした。
「よっ」
金城はするっと佐奈の両膝の裏に手を滑り込ませ、赤ちゃんにおしっこさせるポーズで抱きかかえた。
そしてそのまま、ビデオを撮っている大衛の正面の方向に振り返り、静止して「ハイっちーず☆」と小馬鹿にした口調で言った。
「~~~~っ!?」
一瞬のことで言葉の出なかった佐奈の思考がまとまる前に金城は佐奈を抱きかかえたまま、再び方向転換すると力強く佐奈を突き落とした。
「ぎゃっ」突然の衝撃に佐奈がうめき声をあげるのを構わず金城はレッスンを再開した。
「そうそう。そうやって大切な彼氏にしっかりと抱きついてぇ」
佐奈の体全身で便器を抱き抱えさせるような体勢をとらせてから、手を離し、
「はい、ごっし、ごっし、ごっし」
と声を立てながら、佐奈の両肩を掴み、お尻の上を上履きを履いた靴で押さえつけながら、佐奈の体を上下に揺らすように動かした。
体全体に感じる不快な冷たさと、湿気に悪寒が走るのを感じ、
「いっがっ、うっいやっ、あ」混乱し意味不明な言葉を漏らしながら体を便器から剥がそうと力をこめて抵抗した。。
「ほらほら、もっと足開かないとタワシ(陰毛)があたらないでしょ?、もうっ鈍いなぁ!」
と佐奈の抵抗などモノともせず佐奈のお尻を上履きで強く踏みつけ両足を大きく開かせられる。
金城に押し付けられ、一瞬、股間を掠めた刺激に佐奈は短い悲鳴をあげ、ビクッと反射的に海老のように上半身をのけぞらせるが
「一人で猿みたいにさかってないで、ちゃんとその少ない胸も使ってぇ、はいっ!!」
すかさず金城に上半身を押さえつけられ便座に密着させられた。
カエルのような格好で便器にしがみつかされた佐奈に金城はすかさず
「はい、オイッチニィオイッチニィ」とリズムを取りながら佐奈の体を便器に密着させ、上下に揺らさせた。
それはまるでソープ嬢が客の体を全身を使って洗うサービスをそのまま便器相手に佐奈にさていた形だった。
佐奈は不快で気持ち悪い感覚が全身を駆け巡り、佐奈はもはや思考の混乱を超越した感覚に陥っていった。

308:名無しさん@ピンキー
07/12/08 01:10:41 E2qWomKV
佐奈の反撃キボン

309:名無しさん@ピンキー
07/12/08 10:28:41 WcqBVvF2
毎回乙であります!

今後里香の心がどう動いていくのか楽しみです。

310:小説に挑戦者(第15話)
07/12/09 01:05:13 NTHCt+lf
「はーい。佐奈ちゃんの彼氏さん気持ちいいでちゅかー?」
金城は佐奈が胸を便器から少しでも離そうとすると頭からバケツに入った水をかぶせ、足を閉じようとすると金城が上履きで踏身ながら言った。
また、里香と大衛もここぞとばかりに、
「蛙みたいな格好で便器相手にパイずりしてるなんて人間として終わってるぅ」
「佐奈ちゃん笑顔笑顔っ」
「ほらほら、ここ汚れてるよ。佐奈ちゃんのタワシでこすらないと落ちそうもないよ♪」
「これさっき佐奈ちゃんがはいたゲロじゃない?汚いから早く綺麗にしてよっ」
といった感じで、はやしたて佐奈の惨めさを増す演出を担っていた。
佐奈には、口から漏れた悔しさのうめき声と泣き声以外で応じることは出来なかった。

佐奈の便器に対する奉仕活動は1時間近くに及んで続いた。
ようやく解放された今は、無機質の陶器相手に馬鹿みたいな風俗行為を延々とさせられ、精魂も果てたといった感じで佐奈が
黒ずんだ汚れがこびり付いたホースで後ろ手に硬く縛り付けられた姿で息を切らせてもたれかかっている。
もはや佐奈にはプライドも、意地も、涙さえもボロボロに根こそぎ奪われていかれていた。

今は、佐奈の痴態がどのよう撮影されたか、佐奈の目の前で3人が大衛のビデオカメラを眺めている。
どっという笑い声が断続的に聞こえ、「やだ~」「さいてぇ」「蛙みてぇ」という単語がこれ見よがしに佐奈の耳に届き、佐奈の
神経を蝕んでいった。

なぶり続けた時間をそのままゆっくりビデオ再生して佐奈を十分に傷つけた後で金城は
「あ~っ笑った笑った。」
飲み屋の中年親父のような台詞を吐きながら、金城が立ち上がり佐奈の元へ歩いてきた。
「彼氏も満足してくれたかな?」
「はぁ、、、はぁ、、、」金城の馬鹿にした問いに答える気力もない佐奈は息をあえぎながら下を向いてただ、黙っているだけだった。
自分の質問を無視された金城は、特に気を悪くした様子もなく、精根尽き果てた佐奈を見下した目つきで微笑んで里香を見やった。
「佐奈ぁ、無視は良くないな」
里香が、金城の視線を受け、言葉を引き継ぐ。

つい先ほど、いじめられる佐奈を見て襲われた罪悪感は、過剰に佐奈をいじめることでまともな感覚が麻痺してしまい、完全になくなっていた。


311:小説に挑戦者(第15話)
07/12/09 01:07:32 NTHCt+lf
その瞬間何かにはじかれたように佐奈は涙目で、金城と里香を見やり、頭を地面に付けた。
「もうしわけありませんでした。もうしわけありませんでした。」
大屋敷に住み込みで働いている、下男下女が主人の宝物を壊してしまったかのような平謝りに、里香たちも一瞬呆けたが、
金城はすぐに我に返り、佐奈にやさしく言った。
「どう?楽しかったでしょ?」
「楽しかったです。」
言葉とは裏腹に佐奈の顔には涙がとめどなく流れ出ている。
もはや完全に佐奈の心は折れてしまい、里香たちに逆らうことが出来ないことを体に刻み込まれてしまっていた。

「そっか、それじゃ私達も佐奈ちゃんに男の人の喜ばせ方教えた甲斐があったね」
「いいことした後は気持ちいいね」
里香と金城は極上の笑みを浮かべて、自画自賛しながら佐奈の目の前でとぼけた会話を交し合った。
そして金城は、佐奈を見下ろしながら
「じゃ、私達は飽きたからもう帰るけど、風邪引かないうちに帰ったほうがいいよ。」と易しく言った。

「え?」
呆然と聞き返した佐奈に、金城と里香は今までの陵辱を行っていた女子トイレからでて行こうとしながら佐奈に言葉を投げかけた。
「一晩中彼氏と個室で過ごしたいというのも分かるけど、」
「旧校舎の4階の部屋全部に電気つけといたから。」
と金城と里香がひとつの文章を前半と後半に分けて、打ち合わせたように滑らかに言うと
「夜に電気が目立って絶対に見回り来るよ」
ビデオカメラを鞄にしまい終わった大衛がいやらしい顔で補足説明を加えた
絶望に打ちひしがれた佐奈は完全に腰が抜けてしまい立ち上がることが出来ないまま何とか声だけをひり出そうと努力した。
「あ、あ、あの」
消え入るような佐奈の声に本気でこの場から立ち去ろうとしている3人がゆっくり振り返った。
「ん?なに?」
金城がまるで友達同士の世間話に相槌をうつような軽い返事を返すと、佐奈は体をこわばらせながら言った。
「せ、制服っ、、、返して、、、ください」後ろ手に両手を縛られた格好のままどうにか頭を低く下げようと努力しながら佐奈が言うと
予想通りの台詞に里香と金城は顔を見合わせて笑い、大衛は何か言いたそうに口を動かしながら我慢したように耐えていた。
「佐奈ちゃんの制服?捨てて燃やしちゃった☆」金城がペロッと舌を出してウィンクしながら、とんでもないことを佐奈に言った。



>>308さん
佐奈の反撃はもう少し先・・・に行ければいいなぁなんて考えてます
>>309さん
里香はもう少し悪役を演じてもらうことにしてます。

312:名無しさん@ピンキー
07/12/09 07:31:09 ohDQRHQK
スレを開く前からパンツ脱いでました

313:小説に挑戦者(第16話)
07/12/10 00:13:20 dA+CnKOk
「も・・・燃やしたっ、、、て?」佐奈は予想していなかった金城の答えに唖然としながら聞き返した。
里香はもう悪びれなく金城の言葉を継いだ。
「だって裏切り者の菌がうようよしてる制服なんて触ってたくないし」
ついで金城も間を置かず、続ける。
「ちゃんと焼却炉の中で燃え尽きるのを確認したから安心して」
そう言って、佐奈が唖然としているのを尻目に、「じゃぁねん♪」と金城が指をピっと立てながら今度こそ本当に出て行ってしまった。

「あ、はっは、ははは、あはははは・・・」
3人が消え去ってから少し時間が経過して、佐奈がまともに考えられるようになると、笑いたいと思っていないにも自然と笑い声が漏れた
「どこまで、いったいどこまで人のことをいたぶれば気が済むのよぉぉぉ」
一糸纏わぬ姿で、ホースで後ろ手に縛られた状態で旧校舎の女子トイレに取り残された佐奈は心の底からそう叫び、先ほど散々陵辱行為を
させられた、その個室の中の便器に寄りかかって、空しく響く恨み言を吐いて途方にくれた。


金城達が旧校舎から出て行くと、担任で現在付き合っている大野の携帯に電話をかけると、午後は受け持っている授業がない大野は
3コールで電話に出た。
「終わったよぉ」
金城は何でもなさそうに言い、電話の向こう側からの声に2,3頷きながら笑って答えていた。
大衛は先ほどの佐奈の痴態を楽しそうに何度も繰り返し再生して見ている。
電話を切ると金城は安心しろとばかりに言った。
「とりあえず、委員長は順がずっと足止めしててくれたから、旧校舎には近づいてないって」
先ほど陵辱されている佐奈が唯一助けに来てくれる相手が仲井さやかだったのだが、そのさやかは、担任の大野に無理やり仕事を
押し付けられていたため、旧校舎に近づく機会がなかったのだそうだ。

「で、どうするの?」
里香が聞いたのは、全裸の佐奈をそのままにしておいて本当に大丈夫かという意味だった。
いくら気弱と言ってもあそこまで追い詰めてしまったら、窮鼠猫を噛むとまで言わぬがやけくそになる可能性もある。
「とりあえず、6時間目が終わる前に順也に助けさせるよ」
金城が不機嫌そうに言った。自分以外の裸を大野が見るのが気に入らないのかもしれない。
しかし、あの格好でいる姿を"男に見られることのほうが佐奈にとってショックだろう"という理由で我慢しているようだ。
何しろ、佐奈の姿は全裸で、黒ずんだホースで縛られ、佐奈の嘔吐物が撒き散らされそれが体中にこびり付いている。しかも先ほど便器相手に
陵辱させたときに、便器の蓋に愛液が蓋についていたりもする。
それらを掃除させることを許さないためにも佐奈をホースで縛ったのだ。
しかも万一、佐奈が大野に金城達にやられたと密告したところで、大野はその事実を知っていたので間違いなく不問にしてもみ消すだろう。
そう考えると大野以外にこの役を任せられた人間はいない。

「私達は6時間目の途中からは授業に出て、久しぶりに"あの"アルバイトしようか。」
後始末は大野順也に任せておき、自分達のこの日の予定を話し合い、上機嫌そうに笑いあった。

314:小説に挑戦者(第16話)
07/12/10 00:14:06 dA+CnKOk
 6時間目の授業終了ベルが鳴ると同時に、仲井さやかがまっすぐに里香の下へやってきた。
「5時間目、どこ行ってたの?」
そういうさやかの顔は明らかに怒気を含んでいる。
その高圧的な詰問調に里香は不愉快さをあらわにしたが、後ろから金城と大衛が近づいてくるのを見て平常心を取り戻した。
「ちょっとした用事」
里香はそっけなくそういうと、さやかを無視して金城達に声をかけて帰ろうとした。
「待ちなさいっ。まだホームルームがあります。それにっ!」
そう区切って言うと、さやかは逃げようとする里香の肩を掴んで厳しい目つきで言った。
里香もにらみ返し、金城は今にも飛び掛ろうと言う雰囲気だった。
しかし、さやかは合気道で全国大会ベスト8に入っている実力者でもある。そんな二人の雰囲気をものともせず質問を続けた。
「今朝から佐奈がいないんだけど知らない?」
予想外にストレートな聞き方に里香は驚いたが、そんなそぶりを見せまいと気を取り直し無視を決め込もうとした。
遠巻きにクラスメート達も里香たちの様子を伺っている。
「どうした?」
さやかが口を開こうとした瞬間後ろから大野の訝しげな声が飛んできた。
さやかは口惜しそうな顔をしてから、「佐野さんたちが5時間目どこにいたのか質問してました。」と端折って答えた。
すると、大野は機転を利かせて「俺と一緒にいたぞ。」と言った
「授業態度が酷いから3人まとめて生徒指導室で指導してたんだ。」
そのもっともらしく、さやかの望みそうな言葉にさやかは毒を抜かれたようになり、「そうですか。」と小さく答えた。
里香と金城、大衛の3人は憎々しげに、さやかを睨み、「この女は情状酌量の余地なしね」と無言の会話を行って頷きあった。

315:小説に挑戦者(第17話)
07/12/11 00:30:29 j/wK+Iww
教室ではそんな小さな揉め事があったとき、佐奈は旧校舎の家庭科室にいた。
佐奈は目をつぶるたびに先ほどのショックな光景を思い出してしまう。
便器相手に、面白半分に陵辱されたこと、そして男、それも自分のクラスの担任に醜態を見られたこと。
佐奈は家庭科室で毛布に包まり身を固くしながら思い出していた。
『おいっ誰かいるのか?』
(先生!?)佐奈は女子トイレの入り口から担任の声がするのを聞き心臓が飛び出そうになった。
(なんで、先生が)金城と大野の関係を知らないので旧校舎に現れたのが酷く驚いた。
(今、今見つかったら私。)佐奈は慌てて隠れたが、きつく縛られた両手でうまく隠れることも出来ない。
『来ないで下さいっ』
佐奈はこの担任が自分の姿を見ずに助けてくれることを祈りながら、勇気を振り絞って頼んだ。
『、、、柳、、、か?』
心臓が口から飛び出そうなほど大きな音で鼓動し、「いやぁっ来ないでっ!」と叫んだ。
佐奈は不自由に慌てて隠れようとしたが、あえなく大野に見つかってしまった。
(いや、いや、っっっ)あまりの恥ずかしさに固く目をつぶり現実から意識を切り離そうとした。
佐奈を見た大野は唖然とした表情をした、その間ショックのあまり佐奈は声が出てこなかった。
数秒大野は唖然として佐奈を凝視ししたが、すぐに意識が戻ったらしく大野は目を逸らし、自分のコートを脱いで佐奈に羽織らせた。
佐奈はボロボロの姿で、しかも全身から雑巾の酷い臭いを発しながらぺたりとトイレの床にしゃがみこんだ。
(こんな、こんなぁぁああ)

里香たちにいじめられていたとき以上の惨めさと恥ずかしさが内側から膨れ上がり爆発するかのごとく襲い掛かってきた。
金城が予想した以上に佐奈はショックを受けていた。
これから先、教室で大野と顔を合わすたびにやりきれない思いに駆られるだろうと。



先ほどのさやかと里香たちの小さないさかいは大野によって治められたが、当人達の間の火種は燻っていた。
ホームルームが終わると、仲井さやかが先ほど因縁つけたことに対し謝ろうとしてきたが、里香たちはそれを完全に無視して帰宅した。

「仲井」
背中越しに声をかけられ、振り返ると大野が立っていた。
「あいつらの生活態度に腹が立つのは分かるが、お前はあまり立ち入るべきじゃないよ」
仲井は何か言いたそうにしたがそれを制して言葉を続けた。
「お前の言い分は十分に分かるが、あいつらはまだ子供なんだ。指導は俺に任せておけ」
さやかは、担任にそういわれると、それ以上何も言えなかった。
確かに今日の昼、サボっているのを見たとき真っ先に注意しに言ったのはこの大野だし、5時間目に指導室で注意していたのもこの教師だ。
教育熱心な印象を大野に抱いていたさやかは、素直に応じた。
若いさやかには、この教育熱心を演じている大野の裏を見抜くだけの経験はこの時はまだ持ち合わせていなかったのだ。



3人組は学校から出ると、ファストフードショップに立ち寄り、仲井さやかへの不平不満を散らしていた。
そして、その不満も一段落したところで里香は金城に問いかけた。
「そろそろ、委員長を嵌める作戦教えてくれても良いんじゃない?」
里香が聞くと、大衛も待ってましたと口を添えて質問する。
「佐奈と違って思い切り抵抗するだろうし、クラス中にも信頼されてるから、、、」
不安を隠せない様子でいる大衛は語尾をしっかり言い切れずに口ごもった。
金城はファストフードショップで頼んだジュースをかき回しながらもったいぶりながら笑った。
「そうね。ここだけの話よ」
そういって身を乗り出すと、里香と大衛も秘密を聞く体勢のように身を乗り出した。
「アイツは長期間作戦で可愛がってあげるんだけど、、、」
と言って作戦を語った。
里香と大衛もニターっと笑い、顔を見合わせた。
「いいね、それ。」
「でしょ、あぁいう性格ってのは案外陰のほうで妬まれてるからね。」
金城はジュースを飲みながらそう言った。
「中学校の頃の佐奈みたいにね」
妬まれた人間が決定的なスキャンダルを露呈したときに攻撃されて堕ちること以上の喜びは無いといったような表情で大衛は言葉を継いだ。
「ま、1ヶ月もしないうちに味方はいなくなってるだろうさ。」
昔の佐奈の話をすると、一瞬だけ迷ったような表情をする里香はの癖を、先ほどトイレで佐奈を陵辱したときに知った金城は見つけていたので
金城は、里香の表情を探りそこから何かを読み取ろうとしていた。

316:小説に挑戦者(第18話)
07/12/12 00:06:41 ngADXrBJ
金城は里香の目に迷いの色が見えなくなっていることに気分を良くしたのか、この後いつも以上によく喋るようになった。
昼間の佐奈の惨めな姿を嘲笑しあい、委員長こと仲井さやかへの不平不満から始まり、里香の活動についての相談、
金城と大野ののろけ話など学生の帰宅時間が過ぎ行き、サラリーマンの帰宅時間に差し掛かる頃になるまで3人はフ
ァストフード店で雑談をし続けた。

大衛が会話の区切りを見計らって外を見やり、鞄から携帯を取り出して時刻を読み上げると金城と里香は外を見やった。
駅からは大量のサラリーマン達が広がり現れ始めた。それを見やった金城は大きく伸びをして
「んじゃ、そろそろバイトに行きますか。」
と言いながら立ち上がると、里香と大衛も立ち上がった。

混み合う駅のホームで3人はターゲットを物色していた。
大衛は一人のサラリーマンを見つけ、里香と金城に伝えると2人はその男を見た。
お腹が脂肪で膨らんでおり体力のなさそうな男でまだ春先だというのに額には汗がビッショリかいている。
しかし着込んでいるスーツは安物ではなく、身に着けているものも高級そうだった。
それに用意している写真によく似た腕の太さをしていることで、まさにうってつけの相手だと二人は顔を見合い笑って
「あっいいねぇ。最高っ。アイツにしよう」
「それじゃ準備は良い?」
と打ち合わせて、電車に乗った。
帰宅ラッシュでギュゥッギュゥッに混雑した電車の中に揺られること十数分、ターゲットの男が降りるのを見計うと金城がその男の後ろから腕を掴んだ。
「ちょっとっ!」
腕を急に掴まれた男は驚いたように金城の顔を見た。
「なっ?」
相手が悪そうならここでやめる事にしているが、いきなり女子高生に腕をつかまれたことに口ごもりっている男を見て金城はますますほくそ笑んだ。
しかしその胸の内を悟られないように鋭い目つきを男に向けて言葉を継いだ。
「さっき痴漢してたでしょっ」
「なっ!?」男は死刑でも宣告されたような顔をして周囲をキョロつかせてから再び金城の顔を見た。
顔色は悪くなってるが、顔中の汗は滝のように流れ出している。
「なにをっ」
「ねぇ?この人で間違いないんだよね?」金城は振り向いてしおらしく泣いている里香に尋ねた。
芸能プロダクションでトレーニングを積みある程度の演技力を身につけている里香は痴漢に脅えた気弱な女子高生を演じ、小さく頷いた。
「な、なっなな」
男はまったく身に覚えのない事実を突きつけられ酷く動転し、言葉に詰まったようにただオロオロとしている。
ここぞとばかりに金城がダメ押しをするように「私見てたんだからね」といった。
すると後ろのほうから大衛が現れ「私、現場を写真で撮って増した。あとで警察に出そうと思って」と勇気を出して申告する女子高生を演じて現れた。
そういって出された写真は男の腕から下のみが撮影されて、里香の下半身を弄っている。
もちろんこれはインチキの写真で、腕から下は別人のものを用意しておき、スーツの柄と腕の太さが似ている被害者の方を選んでいるだけなのだ。
しかし、その写真を見た金城が嬉しそうに大衛に声をかけ「どうするのっ?証拠まで出てきたよ!」
すこし冷静になれば、あまりにタイミングの良さにこの3人はグルだと気付けるのだが、男はもう思考がまわらずただうわ言だけを繰り返した。
美少女と呼んでも良い二人組と冴えない女気のない男に周囲の思惑は用意に想像できる。
男はしどろもどろになって自分の置かれた立場に青くなり始めた。
「ちょっとこっち来てくれる?」男の頭が完全にまわらなくなったとき金城がそう声をかけ奥へ人気のない方向へ誘い込んだ。
一刻も早く人目のない方向へ行きたかった男は、見当違いにも救われた思いで金城の誘導に従い駅のホームの階段を降りて行った。

317:小説に挑戦者(第18話)
07/12/12 00:07:12 ngADXrBJ
「な、俺は痴漢なんてしてないぞ。人違いじゃないのか?そ、その写真だってインチキだ」
人目がなくなり、少し頭が回転し始めてから、金城、大衛と泣いている里香に文句を言い始めた。
しかし金城はその反論はなんどもされてきたもので、親切を気取って里香に大丈夫?などと労わる振りをしながら男のほうに鋭い視線を投げた。
「おっさん。証拠まであるのに、警察にそういって言い訳すんのかよ?」
警察という単語で男の頭は真っ白になった。
「わたしずっと見てたんだよ。この娘のスカートの中に手を入れてるの、そしてこの写真っ!」
「俺はしてない。俺じゃない。」男はもうそれしか言うことが出来なくなっていた。
「名刺出して。」金城は男のうわ言など完全に無視してそういうと、にじり寄った。
この時点で男が冷静になれれば、金城が恐喝していると分かったのだが、混乱を極めていたため助かりたい一心で金城に懇願した。
「たのむ。それだけは勘弁してくれ。」
「いいから、早く出せよ!」金城が懇願する男をよそに宣告どおり大声を上げると、男は一か八かの賭けに出るといった思いで財布から1万円札を3枚き出して示談を持ちかけてきた。
ここまで予想通り事が運んだことに里香たちは爆笑したかったが堪え、金城の話術と大衛の言いがかりで結局この男から5万円を強奪することに成功した。
このアルバイトは元々大衛が考案したもので金城が実行に移し、金城以上に演技力のある里香が成功率を飛躍させていったものだ。
被害者達はそれぞれ対応の仕方に違いがあるものの里香の演技力が使えるようになってからこの方、このアルバイトに失敗したことはなかった。

月に二度三度行っているこの"アルバイト"によって1時間にも満たない時間で大金をせしめた3人は祝勝会と称し、それで豪遊し、繁華街へ溶け込んでいった。

318:小説に挑戦者(第19話)
07/12/13 00:13:24 qWM3WvWW
一方、里香たち3人が詐欺まがいの犯罪行為でせしめたお金で豪遊している時刻、佐奈は夢から覚めた。
精神的に疲労していたこともあり、いつの間にか寝入っていたらしい。
「目、覚めたか?」
頭の上から声が飛んできた。
佐奈は、ビクッと脅えて体を震わせてから声の主の顔を見た。
「せんせぇ…」
担任の大野が立っていた。
瞬間、大野に助けられたときのことが頭の中にフラッシュバックして佐奈は顔から火が出そうな思いがした。
そして佐奈は大野に見つかったときの姿を思い出し、まともに大野の顔が見れず、下を見て俯いた。

大野は子犬のように脅える佐奈の前まで歩いてきて、家庭科室の冷蔵庫からジュースを取り出し佐奈に進めてから静かに尋ねた。
「何があったんだ?」
佐奈は思い出すことが辛すぎて、涙を堪えるので精一杯だった。
大野は佐奈の感情の変化をすぐに捉え、今は質問に答えられる段階ではないと判断したのか話題を変えた。
「本当は保健室で休ませたかったんだがな。」
大野はそう言い淀むと、佐奈は保健室では原因追求をされるだろうし、ことが大きくなるだろうと大野なりに気を利かせたのだと分かった。
「いえ、一人でいたほうが楽でしたから」
本当は誰かのぬくもりに埋もれていた方が良かったと思うが、残念ながらそんな相手が佐奈にはいなかった。
知らない人間と比べるなら一人のほうが有難かったのは本心だった。
大野は極上の爽やかさと、演じ続けていた熱血教師という皮をかぶりながら、佐奈に気遣う振りをした。

だが、さやかと比べ感の鋭い佐奈は、この大野という新人教師に対しどうしても好意的な印象を持つことが出来なかった。
もちろん、佐奈は大野と金城が付き当ていることは知らない。
しかし3年以上もいじめにあい続け、周囲に脅えることで危機察知能力が上がったのか、いじめの主犯格の一人である金城と付き合っている
ことによって大野が無意識に行う動作が金城と似ていることが原因か、その気配の正体は不明だったが、どんなに親切にされても大野に心を
開こうとは思えなかった。

319:小説に挑戦者(第19話)
07/12/13 00:13:54 qWM3WvWW
だから、送っていこうかという大野の誘いには佐奈は乗らず、大野が教室からとって家庭科室に置いておいてくれたジャージに着替えそのまま
大野に礼を行って帰ろうとした。
(制服を燃やされたくらいだ。どうせ鞄を含む自分の所持品全ても処分されたのだろう。)
教室に戻っても日常生活の残り香が残っているのを感じ辛いだけだから、そのまま帰ろうと思っていたその矢先、大野に呼び止められた。
「そういや、放課後佐野と金城がお前の携帯を持ってきたぞ。」
忌わしい二人の名前を聞き、身に刻まれた屈辱に足元から寒気が襲ってきたが、なんとか平静を保ち大野のほうを振り向いた
(何で携帯だけ…)
いい予感なんてしないが、中身を見ていないことを証明するためか封をした袋の中に入れられている携帯を受け取り、再度礼を行って今度こそ
旧校舎の家庭科室から出て行った。

時刻は18:00前だった。部活動を行う生徒や委員会を行っている生徒を除き、一般生徒は学校に残っていない。
忌わしい思い出を刻まれた旧校舎から出ると佐奈は振り返らずに自校舎の下駄箱へ向かい誰にも会うまいという意識で家まで走って帰っていった。



佐奈は家に帰ると、両親がまだ帰宅していないことにホッとした。
もしいたらなんて言い訳をしようか良い案が浮かばなかったからだ。
その後、体に染み込んだ嫌な臭いを落とすべく風呂に入ろうとしたが、手洗いが目に入った。
日常生活で誰でも使うその場所を見るたびに昼間の陵辱劇が佐奈の望む望まないに関わらず思い出されて目の前が暗くなるのを感じていた。



一方仲井さやかは夕方部活動の練習が終わると本日7回目になるが佐奈の携帯に電話をかけた。
しかし、やはり呼び出し音が流れるだけで応答はない。
さやかは、ため息をつきながら携帯を鞄にしまった。
今朝、佐奈と途中で待ち合わせ一緒に登校したにもかかわらず姿を消したまま、行方不明だ。
自宅にいって確かめたいと思っていたが、あいにく佐奈の家は知らない。
(明日学校に来なかったら先生に佐奈の家を教えて貰って事情を聞いておこう)
さやかはそう思い、律儀に自分を待ってくれている部活動の後輩達と共に帰路に着いた。

320:名無しさん@ピンキー
07/12/13 15:36:46 W5Z8lqWn
盛り上がってまいりました

321:神無月
07/12/13 15:41:30 QzFVQYRh
こんにちは。悩み解決診療所の神無月です。私のサイトの主旨は貴方の抱えてる悩み事を解決します!恋愛からいじめや学校の悩み、友達関係の悩み、心の悩みも責任も持って、最後まで神無月が解決します!悩んでいる人はぜひ、神無月に相談してください。待ってます
URLリンク(www.freepe.com)

322:名無しさん@ピンキー
07/12/13 23:12:52 pvOoFFFy
佐奈ちゃんガンバレ!ティッシュ片手に見守ってるよ!!

323:小説に挑戦者(第20話)
07/12/14 00:04:14 qWM3WvWW
「おはよっ」
翌朝、仲井さやかは柳佐奈の通学路の途中で、待っていたらしく佐奈が現れるとすぐに声をかけてきた。
その生命力に溢れているさやかを見て佐奈は昨夜からの重い気持ちがさらに重くなるように感じた。
「おはよう」
それでも佐奈はさやかに悪意は欠片もなく、純粋に自分を心配してくれていることが分かったので精一杯の笑顔で挨拶を返した。
さやかの感の鈍さは多忙のため、周囲に気を配る余裕のなさから来るもので、頭の悪さからではない。
そのため、佐奈を気にかけているさやかは佐奈の気持ちの沈んでいる様子をすぐに悟り、「昨日はどこに行っていたのか」
という言葉を飲み込んで別の言葉を口にした。
「風邪ひいたの?」
佐奈は、力のない笑顔を浮かべ「ちょっとね。」と返した。
昨日、金城達に制服を燃やされたため、一回り厚い冬服と膝下までの長いスカートで登校しているので、さやかは佐奈が風邪をひいた
と勘違いしたようだ。
重い空気のまま、2人は会話もなく登校していたが、さやかは佐奈の異変が尋常でないことに不安を感じ、里香たちに対する警戒を
一層強めようと思っていた。

二人にしては珍しく、授業開始直前に学校に着き、教室はその時間特有の喧騒に包まれていた。
特にこの日は、2年生の不良生徒達が羽目をはずして、居酒屋に寄ったところを教師陣に見つかって、両親ともども学校に呼び出しを
されたという噂が流れていて話題に欠いていなかったようだ。
こんな噂で幸せそうに話が出来るなんて幸せだなと佐奈は静かに思った。
さやかは、クラスメート達とも親しげに挨拶をしており、佐奈は一層寂しくなった。
(自分も何年か前までは友達に囲まれていたんだ)
教室に入ると、佐奈のその日常を壊した主犯格の金城と大衛がニヤニヤしながら佐奈のほうを見ているのに気がついた。

2人でこれ見よがしに井戸端話をして、大声を立てて笑いたててから、大衛が佐奈に近づいてきた。
「おはよう、柳さん。」
「・・・・・おはよう。」
佐奈とは対照的に嬉しそうな顔をしている大衛は、手に持っているDVD-ROMを佐奈に渡した。
「はい、柳さんが欲しがってた動画。"バックアップ"で"何枚でも焼ける"から自由に使っていいよ」
もちろん、昨日の佐奈の醜態を記録した動画のことだろう。
タイトルは、"お笑い劇場"と印刷されている。
「あ、あ、ありがとう」
大衛の言葉の節々から感じる優越感と侮蔑に佐奈は打ちのめされる思いでそう言った。
「絶対観ないと駄目だよ。明日観た感想を聞かせて欲しいし。」
そういうと、大衛は鼻で笑うようにチラッと、さやかを一瞥してから金城達のほうへ戻っていった。
佐奈はこんなもの今すぐ叩き割りたかったが、マスターデータが金城達の手元にある限り、逆らうことは出来なかった。
さやかは佐奈から感じられる気配から、大衛たちと何かがあったかということは悟ったが、今はDVDを渡す以外別段おかしい様子も
なかったので警戒態勢を解いた。
ただ顔面蒼白になっている佐奈を見て、今、渡されたDVDが何なのか疑問に感じたが、佐奈は全てを拒否するような固いオーラを出して
いるのを感じ、そっとしておくことにした。
佐奈は蒼白になったまま自分の席に向かっていき鞄をかけて泣き沈んだように机に伏した。
(もう、もう止めてよ。なんで私ばかり、私ばかりがこんな目に合わせられなくちゃいけないのよっ)
佐奈は頭の中でそう必死に何度も繰り返し大声で泣き叫びたい気持ちだったが、金城達のいじめはエスカレートするばかりだった。

324:小説に挑戦者(第20話)
07/12/14 00:04:53 qWM3WvWW
昨日佐奈が帰った後、途方にくれたまま寝入った後のことだ。
深夜目が覚めたときに何故か無事だった携帯電話を思い出したように見てみた。
(もしかしたら、さやかが心配して電話でもしてきているかも知れない)
佐奈が何気なく二つ折りの携帯を開き、着信履歴をたどると案の定さやかから何通も着信履歴が残っている。
自分にも心配してくれている人がいる。そう感じただけで佐奈は満たされる思いがしていた。
しかし、そんな気持ちを一蹴したのが一通のメールだった。

件名:飼い主より
明日学校休んだら今日の動画を一堂昌とインターネットに流出させるから
あ、ついでに今後私達に逆らっても同じことするんでよろしく
だけど明日限定で次のゲームのどれかひとつにでも勝ったら、マスターデータを返して自由にしてあげる。
ゲームの内容は…

どこまでも人のことを馬鹿にしている内容に普通の状態であれば、相手の精神を哀れみ悲しくなるのだろうが、今まで辱められてきた
記録という鎖で雁字搦めにされていることや、抵抗するだけの力を持てずにいるものに対して絶対的優位に立っている立場の人間へは
自分の無力感に打ちひしがれるしか術がないことに佐奈は吐き気と眩暈を起こして夜が明けるのをひたすら待っていた。

325:名無しさん@ピンキー
07/12/14 02:28:15 ZD6mN41w
超期待!

326:小説に挑戦者(第21話)
07/12/15 00:02:57 HvV4xBfK
佐奈が指定されたゲームのうち一つを決行する決心がついたのは4時間目、大野の授業の時間だった。
「今日、佐野は欠席は休みなのは知ってるが、金城と大衛はどうした?」
里香は芸能プロダクションでの仕事があるときは学校を休むことにしているのだが、大野は担任なので、里香が休みと
いうことは事前に連絡を受けている。
学校側も、有名人が生まれれば知名度に貢献されるという計算もあり、出席数に問題がない限り大目にみるスタンスを
取っていのだが実のところ大野はあまり快く思ってはいない。
「佐野さんは今日仕事があるとかで休みです、金城さんと大衛さんは2時間目以降見てません。」
大野がクラスの誰ともなく、質問すると仲井さやかがクラス代表といった感じで返事をした。
「ったくしょうがねえなぁ」
大野はあからさまに参ったというポーズを大袈裟にとってから「じゃ、ほっとくか」と呟き授業に入ることにした。
「じゃぁ、みんな国語の教科書だせ。51ページから始めるぞ。」
その声をかけられると同時に鞄から教科書を出し始める生徒達もまばらにいたが、大野はその生徒達を無視して、黒板への
板書をはじめ黒板に授業のテーマを書き、
「それじゃ、誰か51ページ目から読んでくれ。」
(来たっ!)佐奈は昨日のメールにあった"ゲーム"を実行すべく意を決して"指示通り"目を固く閉じ、震えながら手を上げた。
昨日醜態をさらけ出した大野の前で、さらに積極的に参加するのは身を引き裂く思いであった。
大野は一瞬驚いたような顔を見せあと、佐奈を指名した。
佐奈は緊張した面持ちでおずおずと立ち上がり
「す~~~~~~っ」
カバーのついた教科書サイズの本を持ち、佐奈が緊張気味に大きく息を吸うと、クラス中が予想していなかった文章の朗読を始めた。
「あ、あ、あっ、厚かましいお願いでございますが、この卑しいメイドの'サヤカ'に旦那様の○○○を頂けないでしょうか。」
と一気に読んだ。
クラスメート達は唖然として、耳を疑ったような顔をして顔を見合わせ、沈黙が覆っている間佐奈は顔を真っ赤にしながら
続きを朗読し始める。
「漆黒の森に囲まれている屋敷に屋敷に住み込みで働いているメイドは、その屋敷の主人の下を誰もが寝静まった深夜訪れた」
佐奈はこれ以上ないというほど、顔も目も真っ赤にして、何も考えるなっ何も考えるなっと念じながら続きを読み続けた。
「ち、っちん○!ちん○!旦那様のおいしゅうございますっ!むほぉぉぉ」
佐奈の朗読の仕方が余りに気持ちが入っていることと、佐奈の容姿からはあまりにかけ離れた下品な言葉の連発から、クラスメート
達は爆笑するでもなく、ただただどうリアクションをすればいいのか判断に困り、固まって佐奈に視線を釘付けになっていた。。

327:小説に挑戦者(第21話)
07/12/15 00:05:19 HvV4xBfK
そのゲームを立案した金城と大衛は、指示通り佐奈の携帯を通して外から教室の様子を聞いており、芝生の上でのた打ち回るように
大笑いをしていた。
「ぶっっぎゃははははははは」
「しっっ死ぬ、死んでしまうぅ」涙目を浮かべながら大衛が笑い転げ、
「み、みんな、皆、ノーリアクションかよっ!だ、だれか笑ってや、わらっ、ひぃっ、笑ってやれよ」
芝生の上から床を何度も叩き、金城が笑いを押さえ切れずに発散させ、教室の様子を思い浮かべて1年分の笑いを繰り出すが
ごとく笑い続けていた。
「ひっひーーーーっあ~~~っはははははははは」

そんな金城達の爆笑をよそ一瞬の恥ずかしさに耐えさえすれば、首枷が外れるという自由を信じている佐奈は羞恥心を麻痺させようと
必死になって朗読を続けるが、それにも限界が来ることに多くの時間は必要なかった。
「だ、旦那様の、、ふ、太、くて固くて大きいおちん○が、私の・・・・ぐっ、くっっわ、わたしの…」
クラス中が水を打ったように静まり返る中、一人孤独に馬鹿な真似をさせられているという現実の中で惨めで情けなくて馬鹿みたいな
ことをしている自分の姿が頭の中で鮮明に写ってしまった佐奈は、押し寄せる羞恥心にとうとう耐え切れず言葉につまり、涙を流して
立ち尽くした。
もし、電話を通して爆笑している金城達のように誰かが爆笑でもしてくれていれば、屈辱感や惨めさは変わらないだろうが、今感じて
いるような孤独な気持ちにはならなかっただろう。
現在の佐奈の心境を表すのに適切ではないが、佐奈の頭の中には何故か
「お笑い芸人が芸を行ったとき、野次を飛ばされるよりもノーリアクションが一番辛い」とコメントしていた言葉を思い出した。
「ぐぅっぅっぅっ、わ、わたしの、、、、、」
クラスメート達の大半は、
中学の頃からクラスが同じで事情を知っているものたちがパラパラと金城達が裏で糸を引いているのに気付き始めたようだ。
“ぷっ”
誰かがついに噴出したのをキッカケに、男女を問わずドッと雪崩のような勢いで爆笑の渦が教室内を襲った。

里香や金城がいない教室で、佐奈がこんなわけの分からない行動をとるとは予想していなかったさやかは呆気にとられていたが、
大野が騒動を治めようとしているのを見て、我に返り、顔を真っ赤にして蹲っている佐奈の元へ駆け寄った。

事情を知っているもの、何かのギャグもしくは罰ゲームだと勘違いしているもの、騒ぎたいものを含め教室中の騒動全てが佐奈の耳から
直接心臓をえぐるような鋭い刃となって襲い続けていた。




書き溜めてた分がなくなりかけてます。
20日~22日くらいまでは連日投稿する予定ですが、今年はそこらへんでストップしますね。
年末年始は用事があるので、投稿できないと思います。

328:名前:小説に挑戦者(第22話)
07/12/15 23:43:22 HvV4xBfK
高校入学して数ヶ月、そろそろクラスメート達と馴染んで気の合うもの同士がグループを作り始める時期。
佐奈の取った奇行は彼彼女らの話題を独占するだけのインパクトが十分にあった。
授業妨害ということで大野に呼び出され、生徒指導室で屈辱に圧されながら教師達の説教を続けられる佐奈をよそに
陰口、嘲笑、侮蔑教室内の全ての話題を独占していた。

そして、中学時代から佐奈がいじめに逢っていたということを知っている者たちの口から、佐奈が受けた仕打ちが
背びれ尾ひれをついて生徒達の耳に伝播して行った。
暇な学生達はその話題、特に佐奈は美少女に分類されるタイプだったので、嫉妬心をそのまま反感材料に変える女子生徒、
歪んだ欲望のはけ口にする男子生徒も少なくなかった。
もちろんクラス内でそうした馬鹿げた噂を鵜呑みにせず、佐奈に同情する者や、いじめを行っていたという連中に対して
怒りを覚える者もいたが、スキャンダルを楽しむ数のほうが圧倒的に多かった。

「みんなっいい加減にしてよ。」
佐奈が教室から消え去った後で、暴徒と化したクラスメート達にさやかは怒り心頭といった感じで怒鳴った。
「小学生じゃないんだから、それに今は授業中でしょっ」
さやかは、そう叫んだが新鮮な話題で盛り上がっている生徒達には何の効力もなかった。
「だってぇ~」
「ねえ?」
「『情欲のメイド~ご主人様おち○ぽで汚してください~』だよ。」
調子に乗った男子生徒が、佐奈が先ほど朗読させられた本のカバーをとり、そのタイトルを読み上げると再びクラス内はドッと
笑いの渦が覆った。
「可愛い顔して、学校に持ってくるだけじゃなくてそれを朗読するなんて」
笑いを押し殺しながら一人の生徒がそう口にすると
「羞恥プレイって奴?露出狂なんじゃないの?」
と別の女子が続けた。
この2人の生徒はともに佐奈の中学時代を知っており、佐奈が華やかだった時代に特に妬んでいたので、金城達に便乗して佐奈を
貶めていたグループだった。
佐奈の高校時代金城達の影に隠れながら、佐奈の高校生活を壊していこうと同意を取るようにクラスメート達を見渡す。
その視線に何を感じたのか「柳って他にも面白いもの持ってきてるんじゃね?」
そういって先ほど、佐奈が読んでいた本のタイトルを読み上げた男子生徒が調子に乗って佐奈の机の中を漁ろうとした。


329:名前:小説に挑戦者(第22話)
07/12/15 23:43:53 HvV4xBfK
次の瞬間
ーーーーーーパァンッッッ
「いい加減しろ貴様ッ!」
さやかはその男子生徒を思い切り平手打ちした。
先ほどまでの教室内の喧騒は嘘のように静まり返って、さやかとその男子生徒に視線があつまった。
「人を貶めることの何が楽しいんだ!」
さやかが鬼のような形相で仁王立ちしながらその男子生徒の胸倉をつかみそう詰めると、殴られたことに我を忘れた男子生徒は、自分の
非を棚に挙げて、さやかに向けて怒鳴りながら思い切り拳を叩きつけようとした。
しかし、武道の心得のあるさやかは簡単に男の手首を捻って押さえつけるとクラス中を見渡し牽制した。

半ば強引に荒業でクラス中を押し込めたさやかだったが、それと同時にクラス中にある反感の情がさやかに集まっていった。
“せっかくクラスみんなで団結して楽しめる出来事があったのに空気の読めない女”と。
中学時代から、目立って真面目な優等生だったさやかはこうした反感には慣れていたが、高校生にもなってこうした感情を隠さず自分に
向けてくるクラスメート達の幼さにうんざりした。


一方佐奈は、生徒指導室で大野が見つめる下で生徒指導教諭たち3人に囲まれながら、
「何故あんなことをしたんだ?恥ずかしくないのか?」
「授業妨害をして何が楽しいんだ?」
「このことを家族に連絡されてもいいのか?」
など、佐奈にとっては拷問に等しい尋問をずっと続けられていた。
その都度佐奈は「ごめんなさい」「もうしません」「ふざけてました」と蚊の鳴くような涙声で耐え続けるだけだった。
どんな説明も惨めになるだけだし、金城達に強要されたといったらその原因になった動画にも手が伸びるのは明らかだったから、佐奈には
黙って耐える以外の道は残されていなかったのだ。
逆に佐奈を攻め続ける教師達は、ところどころで
「最近の女子高生は恥という感覚がなくなっているの?」
「大人しそうな顔して、最近の若いもののやることはわからんよ」
「先生達は黙って聞いててあげるから是非最後までここで読んでみてくらないか?」
などと、ステレオタイプの戯言とセクハラまがいの言葉で生徒に対して日頃から溜めさせられているストレスを素直でひたすら謝り続けるだけの
佐奈を相手にこき下ろして発散し続けていた。

330:名無しさん@ピンキー
07/12/16 03:59:15 D9l5k7dJ
なんというGJ

これには期待せざるを得ない

331:小説に挑戦者(第23話)
07/12/17 00:25:43 CP/T4ILW
結局昼休みを通り越して5時間目の途中まで、生徒指導室での佐奈の尋問は続いていた。
「【何故、国語の授業中に官能小説を朗読したのか】という主題でレポートを原稿用紙3枚以上書いて来い。」
その上で、授業担当の大野への謝罪と始末書提出。これが結局生活指導の教師陣が出した結論だった。
佐奈は昨日大野に晒した醜態に加え、今日の官能小説の朗読。
目の前の男が自分のことをどういう風に思っているのか。
それを考えただけでも佐奈は穴があったら入りたい気分で今すぐどこかに逃げたかった。
佐奈が生活指導の教師達に怒られている間、終始憮然とした大野の表情をまともに見ることが出来なかったが、
「ちゃんと目を見て謝れっ!」と教師の一人に怒鳴られ、
佐奈はどうしようもない気持ちで「すみませんでした。」と謝った。
昨日はこの罰ゲームに勝てれば、金城達の自分を縛っている鎖から開放され、何とかなると思っていたが、結局は
クラスメート全員に醜態を晒すだけの結果だった。
さらに教師陣にも恥知らずな淫乱女子高生と認識されているのだろうと、どうして良いか分からない気持ちで一杯に
なった。
そして自分の高校生活に明るい未来を、到底望めそうもないと諦めながら、憔悴した面持ちの佐奈はようやく
生活指導室から開放された。

「惜っしかったねぇ♪佐奈ちゃん♪」
ご丁寧に生活指導室の前で待っていたのか、意気消沈している佐奈の目の前に、佐奈がこの世で一番見たくない人間
金城沙那と大衛千裕が立っていた。
金城達は佐奈を人目のつかない屋上へ連れて行き、さっそく佐奈を馬鹿にしだした。
「携帯で聞いてたよ。佐奈ちゃんの朗読。もう迫真の演技♪」
笑いを堪えているということを強調するかのようなわざとらしい表情で大衛が佐奈の傷口に塩を塗った。
「いやぁ~、、、もう少し朗読できてたら合格だったのにねぇ」
そういって、携帯のメールを読みながら金城はルールの確認をした。
『ゲーム・壱
勝利条件:国語の授業中に教科書を朗読するチャンスがあったら、立候補し、私達が用意して佐奈ちゃんの机の中にいれた本を
「"先生が止めるまで"感情をこめて朗読し続ける。芸能人志望だったんだから演技力に自身あるよね?」
ただし、私達は教室にいないから携帯でその様子を流してね♪
相当大きい声で朗読しないと携帯を通して聞こえないし、感情がこもってないと判断したら無効だよ。』


332:小説に挑戦者(第23話)
07/12/17 00:26:13 CP/T4ILW
「ん~♪ざ、ん、ね、ん。どれだけ好意的にルールを解釈しても佐奈ちゃんの負けだね♪」
佐奈は悔しげな表情を浮かべて金城と大衛を睨みつけた。
しかし、2人はそんな佐奈の視線をどこ吹く風と流し、さらに佐奈に追い込みをかけようとする。
「でも、さっすが里香を裏切ってでも芸能界に入りたかった女っ!」
「朗読だけは上手だったよぉ。私達笑いが止まらなかったもの。読んでるとき"彼氏の便器君"のこと思い浮かべてた?」
「ぐぅっっっ・・・・・」
佐奈は屈辱に身を震わせ、震える足を必死に押さえつけるのに精一杯だった。
「どぉするぅ?まだ指定したゲーム二つ残ってるけど」
「チャンスは今日だけだよ♪」
佐奈はついに感情を耐えることが出来なくなった。
「・・・・だけ・・・ょ」
「んっ?なぁに?」
ぼそぼそと言った佐奈の台詞に大衛が興味深そうに耳をわざとらしく立てて感に触る口調で聞き返すと、佐奈はついに
感情が爆発したように叫んだ。
「どれだけ、私を馬鹿にすれば気が済むのよっ!」
「私が、あなた達に何をしたっていうの!?」
「なんでこれだけ人のことを侮辱できるのよ。」」
「私のことをいったい何だと思ってるのょ。。。」
「わたしが、わたし、、、を、わ、た、、」
「もう、、ゅ、、してよぉぉ!私に構わないでよおおおおっ!!!」
一気に感情を吐露した佐奈は叫んでいる間も屈辱の思い出が頭に流れ込んでいて最後はもう涙で言葉にならないほどだった。
佐奈が、大声で絶叫するのを今まで見たことがない大衛は衝撃だったようで少しだけひるんだ様子を見せていた。
しかし、金城はそんな佐奈を見ても何一つ感じず、満面の笑みを浮かべた表情で佐奈を見下ろして言った。
「い・や♪」
キっと顔を上げる佐奈を悠然と見下ろし、金城は整った顔を佐奈に近づけて静かに言った。
「別に私達はあなたのことをなんとも思ってないし、馬鹿になんかしていないわよ。もちろん人なんて思ってないわ」
「ただ、"あなたが恥をかく"のを見て楽しみたいだけ。」
「ペットが、"みっともない真似"をして、"皆から蔑まれて"生きているのを笑いながら楽しんでるだけ。」
「それ以上の理由なんてないから許すも許さないも何もないの。」
理由も何もない、やりたいからやる。まさにその通りだろう。
ただ、佐奈にとってこの宣告は抜け道は何もないという事実を突きつけられることによって目の前が真っ暗になった。


333:名無しさん@ピンキー
07/12/17 22:33:43 wJEy6gxT
うおー胃がキリキリしてくるぜ
ゆっくりでいいので続き期待してまつ

334:小説に挑戦者(第24話)
07/12/18 00:09:57 BPsMbHEr
「それより、どうする?一番簡単そうなゲーム負けちゃったけど、残りの奴にも挑戦してみる?」
と金城がわざとらしくゲームを指定したメールを見せながら、佐奈に問い詰めた。
「私達からしたらサービスみたいなゲームだったのにね。」
大衛も金城に続くよう、補足を加え佐奈を追い詰める。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
残り二つ。金城が手にした携帯にはゲームの説明が書かれている
●中野 耕也に教室で告白して、高校生活の間ずっと付き合い続ける。
別れたら負け。もちろん告白が受け入れられなくても負け。
その代わり、告白が受け入れられた時点でマスターデータを半分返してあげる。
●委員長の弱みの写真を10枚以上撮る。
着替えでも、トイレでもなんでも可。ただし、使えるものかどうか私達3人の判定する。
委員長と最近仲良くなってるから、簡単でしょ♪
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
金城達は残り二つのゲームと言ったが、佐奈には絶対に二つ目を選ぶことは絶対にないと決めていた。
たとえ自分のあの写真や動画が世界中に流されたとしても、一度友人を裏切った経験がある佐奈には同じことを繰り返す気はなかった。
特に、家族を除き、世界中でたった一人の友人であるさやかを売るような真似は絶対に出来ない。
となると、中野耕也に告白して高校生活中ずっと付き合い続けることしか残されていない。

佐奈はそれを考えただけで気が滅入った。
中野耕也というのは、先ほど調子に乗って、佐奈の机を漁ろうとして仲井さやかに叩かれた男子生徒である。
太っていて不潔なため女子生徒には人気がなく、お調子者で強いものには媚びへつらい、弱いものにはひたすら強くなれるタイプの
典型のような男だ。
中学時代、佐奈と中野は3年間ずっと同じクラスだったが、まだ里香と仲がよくクラスからも人気があった時期は、佐奈を恐れるかの
ように媚びへつらい、ニコニコと接して時々佐奈の機嫌取りをしてきたが、佐奈がクラス中から孤立しいじめの対象になった瞬間に、
佐奈を体を売ってオーディション最終審査まで漕ぎ着けた売春婦だと決め付け、侮辱し続けていた。
佐奈に対する接し方が大きく変わった生徒の中の一人だった。

335:小説に挑戦者(第24話)
07/12/18 00:10:28 BPsMbHEr
「佐奈ちゃんどうする?」
金城は、佐奈にゲームを続行して自由を手に入れるチャンスに賭けるか、もしくは金城達から開放され中野と高校生活を
過ごすか、それともさやかを売って自分が助かる道を選ぶか。
「私としては委員長の弱みを握ってくれるほうが助かるなぁ」
「ねっ。委員長最近うざ過ぎるし、アイツの凹んだ顔が見たいしね。」
「どうだろ。ねぇ佐奈ちゃん。委員長を売れば、佐奈ちゃんはもう自由の身よ。もちろん里香にも手出しさせない。」
「裏切りは佐奈ちゃんの十八番でしょ。」
大衛のその台詞に佐奈はカッとなり、睨みつけた。
「何よ。」
無力な佐奈に睨みつけられること自体が癇に障ったのか大衛は前に踏み出て佐奈に威嚇をしたが
「まぁまぁ千裕、佐奈ちゃんがゲームするんだから私達は楽しもうよ」
と金城は大衛をなだめるように諭すと、どうするの?と言った感じで佐奈に視線を送った
「さやかを売るような真似はしない。絶対に。」
佐奈はずっと折れていた心に強い精神を蘇らせ、そう言った。
「えっぇ~?」
「それじゃ、佐奈ちゃんのお宝データは返ってこないよぉ。」
金城は"中野に告白する"と言う選択は意識的に避けているという感じで佐奈を追い詰め、
「まさか・・・」
金城が佐奈を馬鹿にするさまを見て溜飲を下げたのか、大衛は金城の台詞に相乗りして大げさに言った。
「えっえっ?もしかして中野君に告白する方選んじゃうの?」
信じられないと言った表情で、笑いを抑え切れていない表情で聞き返す。
あまりにもわざとらしい小芝居に屈辱に耐えながら、その選択が正しいのかと自問し、そして小さく頷いた。
いっそのこと、この瞬間学校に隕石でも落ちてきてくれればと願いながら。
「えええええええええええええっ?私達が紹介してあげた便器くんを振っちゃうのぉ?」
「信じられない昨日あれだけサービスした相手を振って、あんなキモ男に告白したいなんて…」
金城と大衛は、それが楽しくて楽しくて仕方がないといった感じで大げさに驚き佐奈の傷口に塩を塗る台詞を言った。
「でも、まぁ佐奈ちゃんがそうしたいなら仕方ないか。」
金城はそう呟き、佐奈の肩に手を置いた。
佐奈は、その手を振り払うことで精一杯の抵抗の意を示した。
「あ~あ~、嫌われたものね。」
金城は払われた手をさすりながら挑発的に、佐奈を見据えると、佐奈は視線を逸らしながら拳を握り締めていた。
「告白の仕方は自由で良いと思ってたけど、さっきから佐奈ちゃん生意気な態度取ってるから"私達の決めた方法"で
告白してもうよ。大丈夫、100%上手くいく方法だからさ。」金城は残忍な表情でそう言った。

336:小説に挑戦者(第24話)
07/12/18 00:15:25 BPsMbHEr
>>333さん
とりあえず、22日までは毎日更新しますよ。
その後は来年1月中ごろ再開ですかね。
今年中に佐奈編からさやか・里香編に移る予定だったけど佐奈編すら終りそうもないです。

展開スピードアップ希望者いるのであれば気軽に言ってくださいね。
長くて良いということなので殆ど文章の圧縮してないので・・・

337:名無しさん@ピンキー
07/12/18 00:34:11 NYy3Ci8B
>>336
作者さんのペースでいいよ。


いつも素晴らしい作品ありがとうございます。

338:名無しさん@ピンキー
07/12/18 03:45:33 xzfyq6x0
高品質だ・・・・
しかも毎日投稿なんて神杉!

339:333
07/12/18 22:01:46 c+yRKCuK
毎日更新お疲れ様です。
337さんのお言葉お借りしますが作者さんのペースで全然OKですよ。
というか他キャラまであったんですか!これは裸ネクタイせざるを得ない…


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch