06/02/12 01:01:33 JA8TfKwq
ゲームゲッツしてがっつり進めて終わらせたけど、
宗矩の言動がいちいちエロ臭いわ矢文を五百も射込む素敵な阿呆だわ
幸村リスペクトのつもりだった肥前名護屋が
マジで出てきて本編じゃそこのボス張ってるわ。
やっぱゲームやってみないと分からないことだらけだった。
何より蒼鬼と十兵衛の掛け合いが一番良かった。
つーことで萌えの趣くまま、懲りずに書いてみた。
前々回の続き、蒼鬼×十兵衛編。本番まで行く予定。
暇な人はどうぞー。
あの夜、火勢に煽られ、火の粉を天高く舞い上げて轟音とともに瓦解する楼閣から
辛くも脱出した秀康と茜は、今は洛外の山寺に身を潜めていた。
片腕に茜を抱きかかえ、押し寄せる幻魔を薙ぎ払い、秀康は夜陰に乗じて
道なき道を駆け抜けた。
天海と浅からぬ縁があると聞く住職は、仄々と夜が明けだした頃に
総門を叩いた、焼け出されて煤と血に塗れた二人を拒むことなく招きいれてくれ、
離れの庫裏を仮初の宿にあてがった。
謀反人に等しい自分たちを匿うことが追っ手に知れれば、住職も
同じ罪に問われるというのに、それとなく必要なものを揃え、
黙って世話をしてくれる住職の態度が秀康にはありがたかった。
今、秀康にとって一番気がかりなのは、茜のことだった。
寺に来た当初の茜は自分を守るようにして身を丸め、床から起き上がることもなく、
食事も秀康が勧めねば一切口をつけなかった。
やっと体を起こすようになったと思えば、生き生きと輝いていた目には
力がなく、部屋の中で閉め切られた白い障子をぼんやりと日がな一日眺めている。
宗矩から受けた屈辱を思えば当然だと秀康は思った。女子として、
最も辛い痛手を負ったのだ。あの日、あのときの茜の姿を思い返すだけで、
体の芯が冷えるような怒りに囚われる。
だからこそ、秀康は茜の回復に心を傾けた。女手があれば
もっと親身に茜を世話することができるだろうが、せめて自分が
出来る限りのことはしてやろうと心に堅く決めた。
そんな秀康の真摯な介抱が報いたのか、もう体の傷はほぼ癒えて、この頃は
短い会話も交わすようになった。
もう暫らくすれば旅立つことが出来る。
しかし―――――と秀康は深く考え込む。
果たして再び幻魔との戦いの場に連れ戻すことが、十兵衛の為の最善だといえるのだろうか。