【異能】黄昏の学園28【異端】at EROCHARA2
【異能】黄昏の学園28【異端】 - 暇つぶし2ch500:名無しさん@ピンキー
10/07/18 01:56:05 94C3lAzO
500

501:竜胆 凍 ◆5komEqYA0I
10/07/18 10:03:16 y9qc0frZ
【待機…………プロフは>332】

502:竜胆 凍 ◆5komEqYA0I
10/07/18 11:06:05 y9qc0frZ
【待機解除】

503:水鏡恭弥 ◆kyo/P7P7mo
10/07/18 13:08:27 aLBzh/aj
【待機です。プロフは>>112になります。規制中の方は避難所も見てますので一声掛けて下さい】

504:水鏡恭弥 ◆kyo/P7P7mo
10/07/18 13:58:17 aLBzh/aj
【待機を解除します】

505:竜胆 凍 ◆5komEqYA0I
10/07/18 14:10:23 y9qc0frZ
【十分前……遅かった】
【まだ見ているようなら立候補したい】

【見てないようなら待機……】

506:竜胆 凍 ◆5komEqYA0I
10/07/18 15:32:57 y9qc0frZ
【待機解除…】

507:あおい ◆YJKujNK4t6
10/07/18 20:30:01 m6rV4NEF
【ロールの再開に、失礼して場所をお借りいたします】

508:紅裂拓兎 ◆upSAKE287c
10/07/18 20:31:49 pj9xxre3
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)の続きから

(跳ねるようにして走って、けれど少しも危機感が去らない。)
(一度足を止めて、あおいを地面に下ろす。)
(同じ逃げるにしても、考えなし走るだけでは体力の無駄遣いだ。)

…だよね。もしかして、閉じ込められたかな。
この桜並木、よっぽど人恋しいのかな。
(不思議そうなあおいの言葉に同意を示しながら、息を整える。)
(走っても走っても出口に辿りつけない。この場合考えられるのは……。)
(ひとつ。桜が人間に幻覚を見せており、走っているつもりになっているだけ。)
(ふたつ。桜の力によって空間が捩じられており、始点と終点が同じ場所にある。)
(みっつ。それ以外の事態。これは今考えても仕方ない―が。)

死んだ母親に会った。地面から手が伸びてきた。昔の街の光景を見た。
誰かが殺されたとか死んでいたとか、そんな話は無かったが、行方不明者はいた。
行方不明……神隠しとかかな。今、正に俺たちがそんな状態なんだろうが。
(屍たちが追走してくる気配もないので、改めて状況を整理整頓する。)
(この状態がずっと続けば、外の世界では行方不明になったも同然だ。)
(何も妖魔に食い殺されたとか、襲われたとか、そんな事は無くてもずっとこの場所に閉じ込めら)
(れれば、いずれ衰弱死するのは間違いない。飲まず食わずで耐えられるほど人間は頑丈ではない。)

―噂の桜の樹を探すしかないか。
こういう時は原点に立ち返るしかない…けど。
(そもそも枯れない桜の樹は一本だという話だ。一番古い巨木だ言う。なのに敷地に)
(踏み込んだ時には桜並木になっていた。そしてこのあおいが立っていた場所は……)
あおいちゃん、キミが立っていたあの場所、覚えているか?
悪いんだが、もう一度戻るよ。どうにも、厄介な事になってるみたいだ。
キミは、枯れない桜の樹の噂を聞きつけてここにきたんだよね。違う?
(噂を聞いた時点では、危険か安全か判定できなかったが、これは危険判定を下すしかない。)
(この空間から抜け出す為には、あの巨木を壊すなり封印するなりするしかないようだ。)

【ロールにお借りします。】
【容量がヤバイ、かな?480KBになったらスレ立て挑戦してみるってことで。】


509:あおい ◆YJKujNK4t6
10/07/18 20:41:34 m6rV4NEF
>>508
(地面に下ろされ、反射的に足元に注意を向ける。現状、何かが襲ってくる気配はない)
(彼のいうように、どうにも彼らは「人恋しい」らしい。恋しいから結果、引きずり込む―とでもいうの、か)
……ひとこいしいから、返したくないのかもしれない。
だから、その人が願うものをみせて、そこにとどめようとする。
もしくは、無理やり引きずり込もうとする―いま、私たちのばあいは、無理やりのほう……。
(と、そこまで呟いてからハッとした。今はちいさい子の皮を被っている状態だと思い出して、
 とりつくろうように、すぐに怖々という様子で彼を見上げて、不安そうに近くに寄ってみせる)
――まえ、そういう怖い話のほん、読んだよ?
(……ひじょうに、やりにくい)

…………さっきの、ばしょ?
覚えているけれど、この状況じゃただしい道をもどってもたどりつくか分からない。
でも、道はわかる……おぼえてるから。うん、今も咲いてる桜の木のはなし、聞いてここに来たの。
(覚えているか?と聞かれて、こくりと頷く)
(顔をきた道のほうにむけ、彼に見えないように自分の目を鋭くさせ―記憶をたどってみた。
 問題ない、この土地がそこに辿りつかせないつもりなら分からないが、道自体は、分かる)
あそこにもどって、どうするの……?
(走る準備はできている。さっき来た道の方に体をむけながら、上に首をむけて尋ねかける)


【本当に、であります。了解、480過ぎたレスを書いたほうがスレ立てを挑戦してくるということで】
【これでなる―でしょうか、どうでしょう。それでは、宜しくお願いします】

510:あおい ◆YJKujNK4t6
10/07/18 20:53:33 m6rV4NEF
次スレ立ちましたので、途中ですが簡単に誘導を、です。

【異能】黄昏の学園29【異端】
スレリンク(erochara2板)


511:紅裂拓兎 ◆upSAKE287c
10/07/18 20:56:38 pj9xxre3
―願うもの、ね。
(生首や屍の群れを、彼は望んだりはしないけれど。)
(だから、無理矢理引き止める為に―あんな事をされれば逃げたくなるのが筋だろうに。)
(彼女の言っている事以外にも、更に要因があるのかも知れない。)
まーあ、そう表現した方が詩的で情緒的ではあるかね。
(実際はそんな悲しい浪漫のある理由ではなく、人食いの桜の樹かも知れない。)
(人を誘い込み、衰弱死させて―けれどそれだと逃げられた人の事が説明できない。)
(―ああ、この陽気では思考も纏まらない。動機の追求より現状の打破を優先しよう。)
(不安そうに寄って来たあおいの頭を軽く撫でて、安心させるように笑う。)

うん、多分そうだろうね。
それでも、キミを置いて行くわけにはいかないし、ね。
(道を逆に辿っても、戻れる保証はない。あの桜が何かを仕掛けてくる可能性もある。)
(その場合、正直この子は足手まといでしかない。本当の悪人ならさっさと捨て置くのだろうが…)
桜に頼んで―まーあ、望み薄だけど、出してもらえるようにしてみるとか。
最悪、力づくになるかも知れないな。
俺の記憶力は全然当てにならないから、協力してくれるかな?
キミの事は、ちゃんと俺が送り届けるからさ。
(この少女を助ける理由も、義務も、意味もない。けれど、だからと言ってそれがあおいを)
(捨て置く理由にはならない。紅裂拓兎が悪人でも、彼女を見捨てていい理由にはならない。)


【スレ立て乙。ありがとう。】

512:あおい ◆YJKujNK4t6
10/07/18 21:06:43 m6rV4NEF
…………。
(こちらを気遣うような笑みと共に頭を撫でられ、失礼ながら唖然としそうになった)
(いっそ、この場でバラしてやろうか。そんな考えがよぎるが自殺行為な気がしてやめておいた。
 ……本当に、彼は年下には優しいらしい。だから、だろうか―と数人の女性の顔を思い浮かべた)

……さくらに、たのむ?
(それが通じるのだろうか、という気持ちは子供を演じている今は表には出せない)
(だから、不思議そうな表情をつくりだした。今日一日でいらない表情筋をいっぱい使っていると思う)
―――。
(逡巡する。それが得策かどうかは分からない)
(だが、この格好でここに捨て置かれるより、一人ここから逃げ出そうと試みるよりも、
 現状ではそれの方が良いだろう―そう判断して、彼の方を見上げる)
わかった。
こっち……ほとんど一本道だけれど、――本来の道のままなら、
途中の分かれみちを、みぎがわ……、そのまままっすぐ―いってから、……。
(がさ、と何か音がした気がして途中で口をつぐむ。じっと茂みの方をみつめてから)

とりあえず、いそいだほうが……いい?
(あらためて彼の方に視線をもどす。こっちだ、というように服の裾をひっぱって先を指さした)

513:紅裂拓兎 ◆upSAKE287c
10/07/18 21:25:37 pj9xxre3
はいはい、ナビゲートよろしくね。
無事に出られたら、アイス買ってあげるからね。
(あおいに導かれるようにして、歩き出す。そして労働には報酬を約束する。)
(子供の手前穏やかな表現を使った物の、実際は頼んでも無駄な公算が高い。)
(やはり壊すしかないか…なんて胸中で考える。具体的には水晶漬けにするという意味だ。)

ああ、急ごうか。
あおいちゃん。何が起こっても俺の傍離れないようにね。
泣いたり驚いたり喚いたりしないように。
(何が起こっても不思議ではないくらいの気構えで、事態に備える。)
(最も、この子は見た目以上に利口な子供らしく、パニックになって無用の事態を引き起こす)
(事はなさそうだった。親の躾がよいのだろうか。落ち付きのある良い子、というイメージだ。)

そう言えば植物って動けないから、外敵から身を守る為に生き物に有害な毒素を放出するとか。
それが原因で人間がバタバタ自殺を誘発されるって作品があったな。タイトル忘れたけれど。
―ごめん。今の無し。歌でも歌うか?
(緊張を解きほぐす為、歩きながら話題を探ってみるのだが、どうにも物騒な事しか浮かばない。)
(ユーモアを忘れた国は戦争に勝てない。ユーモアはリラックスを呼び、リラックスは柔軟性を生む。)

あっるっこー♪あっるっこー♪わたっしはげんきー♪
(歌いながら一本道を歩き、樹の根を避けつつ、分かれ道を右に曲がって……)
(手に剣や槍を持った戦士たちがそこに待ち受けていた。その数、5人。)
(屈強なる戦士たちの匂いを、紅裂拓兎には感じ取れた。桜の送り込んだ刺客らしいが…)

ああ、覚えてる。昔、俺が。
…あおいちゃん。ちょっと、我慢してるんだ。
(昔殺した退魔士だとは子供の手前、言えなかった。覚えている。昔戦った戦士たちなのだと。)
(記憶から再現しているのだろうか、それとも…考えている間に、突進してきた。)
(彼はあおいを抱え上げて、ひらりひらりと突きと斬撃を避けて、隙間を縫うようにして突破しようとする。)


514:あおい ◆YJKujNK4t6
10/07/18 21:37:35 m6rV4NEF
(―とりあえず、アイスは貰っておこう)
(そんな現金な考えをしながら、彼の注意に素直に頷いておいた。聞きわけのいい素直な子が、
 いまの自分なのだ。普段ならば適当に軽口の二つ一つ返していただろうが、そんなことをしてみろ。バレる)
……それ、えいが?
だったら、しってるかも―、しょくぶつにはまわりにあわせて生態をかえるちからがあるっていうなら、
さくらもおなじって、おにいちゃんはいいたいの……?
(12歳ってどこらへんの知識までもっていていいのだろうか)
(そんなことを考えつつ、―……物凄く子供向けな気がする歌をうたいだした彼をぎょっとして見つめる。
 こ、ここは一緒に歌うべきなのか?歌うべきだろいうのか?
 そんなことをぐるぐる悩みながら、道を進んでいたところで―気配に顔をあげた)

(禍々しい雰囲気)
(見覚えのない人間だが―いでたちからして、あきらかに物騒極まりないのは分かる)

――。
(殺したか、戦ったか、何か)
(「俺が」―という続きを頭の中で想像してから、口には出さずに頷いただけ。
 それから、浮遊感。再び抱きあげられたのを確認すると、なるべく邪魔にならないように、と
 抵抗もせずにいた。だが、片手はこっそりと隠し持っていたスローイングダガーを一本だけ握りしめている)
(こちらに手が伸びてくれば、裂いてやろうという気持ちで)


515:紅裂拓兎 ◆upSAKE287c
10/07/18 21:51:10 pj9xxre3
(剣風が肩を掠める。髪が千切れて舞う。)
(小柄とは言え、人一人抱えて動きつづけるのは困難だ。)
(殺意を持った攻撃を避け続けながら戦うのは、不可能だ。)
(だから逃げる。あおいを庇いつつ、肩で押し退けながら、強引に突破する。)
(斬!避ける。閃!避ける。突!避ける。打!避ける。)
(裂けた肌から血が零れおちる。だが薄皮一枚の傷だ。)

――!!
(回避を続けている間に練り続けていた魔力を足元から放出し、水晶の槍と壁を地面から)
(生み出す。まるで墓標のような水晶の群れが戦士たちの動きを鈍らせた。)
(その隙に駈け出して、逃げる。一目散に逃げ出して、どうにか捲いた。)

ふー。ごめんねあおいちゃん。
振り回しちゃったね。大丈夫だった?
(急速な回避運動を続けていた為、腕の中のあおいを気遣う余裕が殆どなかった。)
(幸い、重力の変動でブラックアウトすることはなかったようだが。)
(―まさかこっそりダガーを忍ばせているくらいしたたかな女性だなんて思ってもいない。)

ああ、言うのが忘れてたんだけどね。
俺、超能力者なんだ。
(先ほどの水晶を生み出した事をつっこまれる前に、自分から暴露する。)
(相手が子供だという事も踏まえて、通りの良さそうな呼称である「超能力」を採用した。)
(もっとも、呼び方は違ってもどちらも本質を突いた言葉には違いない。)


516:あおい ◆YJKujNK4t6
10/07/18 22:02:20 m6rV4NEF
(戦いの中。自分に被害はないのだが、少し離れた自分の外界はめまぐるしくかわり、
 ―まるで、台風の真ん中にでもいる気分だった。彼と共にぐるぐる振りまわされて、
 少々酔いそうでもあったが、どうにかダガーを握りしめて戦況を伺うことはできた。取り落とさなくて良かった)

(それにしても―、本当にこの男は戦いに関しては長けている)
(ここまで間近に、そしてこんなにもじっくりと観察する余裕を持ってみられる事は無い。
 彼が肩を怪我したと言うのに不謹慎ではあったが、じっくりとその戦いぶりを観察させてもらった)
………――。
(そして、そっとまだダガーを衣服の中に忍び込ませ直す)
(本当に相変わらずと敵に回したくない戦いっぷり、と嘆息しながら―動きも、何も、闘う者のソレだった)

……大丈夫。
(はー、と大きく大きく溜息をついてから、首を振る)
(それから、少しだけ弱々しくそう返して―ふ、と彼の肩もとに視線をやったところで)
…………。
(超能力者だと暴露されて、一瞬「何を今さら」という表情をしそうになったが、
 そういえば今の状況は―、と思い出してから、懸命に表情にびっくりした顔をつくるように命令を出す)
おにいちゃん、すごいんだね。びっくりしちゃった。
………肩、だいじょうぶ?
(……ほんきで、やりづらい。そしてこの男、小さい子には本当に優しい。
 「自分」だったらこんなに優しくしないのに―いや、小さい子に優しいのは普通だけれど、でもなんというか、なんというか)


517:紅裂拓兎 ◆upSAKE287c
10/07/18 22:18:15 pj9xxre3
ああ、これくらい平気。慣れてるからね。
まーあ、あおいちゃんも平気でよかったよ。
(―意外とリアクションが薄い。「何を今更」とその眼が語っている気がした。)
(表情もやはり演技臭い。さっきから何度も思い出すのは、やはり媛名葵の面影である。)
さっさと進もう。あんなのは何度も出来る事じゃない。
誰か庇いながら戦うのは、本当は苦手なんだよね、俺。
(…まさかな、なんて思いつつ傷口は珪素繊維で強引に塞ぐ。)
(服の上からなので、あおいには何が起こったかわからないはずだ。)

それにしても、あおいちゃんは度胸があるねえ。
こんな事になってるのに、俺の事何も聞こうとさえしないし。
(それはそれなりに知っているからなのだが、紅裂拓兎がそれを知るはずもない。)
(桜並木を潜りぬけて、更に進んでゆくと―突然それは現れた。)
(みんなが、楽しそうに花見をしている。その光景の中に、一組の男女があった。)
(短い髪の、溌剌とした女性と、その弟と思わしき男の子が花見をしている。)
(ふざけ合いながら笑って、弁当を広げている。)
(それが誰と誰であって、何の記憶かなんて、わざわざ思い出すまでもない。)

……行こうか、あおいちゃん。
(じっと、物悲しげな眼でその光景を見つめ続けて。)
(それだけ言って、その光景から眼を逸らして歩き出す。)
(姉と、最後に花見をした時の光景を尻目に、何もかも切り捨てるように歩き続ける。)
(幻のように―実際幻だったのだが―その光景はあっと言う間に消えた。)

…なるほど。大体わかってきた。あおいちゃんが言ってたように、楽しかった時の光景を再現して
引き留めようとしているのかな。ただ、敵として認識して、排除しようとする意識もあるみたいだね。
桜の意識ってのがどういうものかはわからないが……人間みたいだな。なんか。迷ってるのか?
んー、あおいちゃん。キミにとっての楽しい事とか怖い事がそろそろ出てきそうだけど…我慢できるか?
(現時点で判断できるのは、幻の再現度はかなり高いこと言う事だ。)
(現に、幻と戦って傷を負ったのだ。再現度の高い幻覚は、人の心と身体に影響を及ぼすと知っている。)
(それなりに修羅場をくぐった自分はともかく、あおいの方は大丈夫なのかと不安だった。)


518:あおい ◆YJKujNK4t6
10/07/18 22:29:15 m6rV4NEF
……泣いたり驚いたり喚いたりしないように、っておにいちゃんがいったから。
だから、黙ってるの―、……いろいろ、きいても、いいの?
(好奇心にみちた目をむける―フリをしながら、首を傾げる)
(が、そんなことをしているところで、目の前に人の気配、というよりも人影が見えた気がして、
 思わずそちらに目をむけた。……お花見をしている男女―、あれは、もしかして―)

うん。
(―そう勘繰ったところで、彼の声で現実に意識を戻す)
(まるで見たくないとでもいうように歩みを続けている彼の反応からして、自分の想像は正しいのだろうか。
 一度だけ振りかえり、あの光景をもう一度見ようとした。―だが、すぐにその光景はかき消えて)

たのしかったときの、こうけい。
……まよってるの?てきとしてみるか、ひきこむか、迷ってるっていうこと?
(彼の意見を促すように、そう言う。瞳に少しだけ思案の色を宿しながら、彼女も彼女なりに考えて)
――楽しいこととか、怖いこと……?
うん。大丈夫……でも、―あんまり、みないで、ね……わたしも、なるべく、見ないようにするから。
(というか、自分の姿が出てきた場合これをどう言い訳すればいいのだろう)
(むしろそういう意味でドキドキしながら、左右に首を振る。……何が出てくるかも、不安であったが)
…………ふたりで、目つぶってちゃ、だめ?
(そんなことを言いながら進んでいった先に―淡くみえる灯りは、……ぽつんとたつ、屋台のあかり。
 色々な小物が売ってあるそこの前に、ちいさなおんなのことおとこのこがいて―、
 男の子の方が、鈴を買って女の子に渡している。黒い瞳と髪の、表情の乏しい女の子に対して、
 どこか元気そうな印象をもたせる男の子がにっこりと笑っていた)


519:紅裂拓兎 ◆upSAKE287c
10/07/18 22:38:50 pj9xxre3
植物の意識の在り方は、人間と違うって話だけどね。
多分、まよってるんじゃないかなって…
真相は、神のみぞ知るって感じだけど。
(神さまだなんて言葉はあまり好きではないが、こんな時は便利だ。)
(次に待ち受けていた光景は、何処かのお祭りの光景だった。)

―夜のお祭りか。楽しそうだけど。見ちゃだめなのか?
まーあ、俺は別にいいんだけどね、どっちでも。
(色々な小物が売ってあるそこの前に、男の子と女の子がいる。)
(男の子の方が、鈴を買って女の子に渡している。表情の乏しい女の子は多分あおいだ。)
(愛らしくも、活発そうな印象の男の子が、にっこりと笑っていた。)
ボーイフレンドか何かかね?
…おっと、追求はしないでおこうか。ごめんね。
(出来るだけその光景を見ないようにして、目を逸らして歩き続ける。)
(何気ない光景だったけれど、とても大事な光景なんだろうと、漠然と感じたから。)

(歩き続けて、次に待ち受けていた光景は――首を傾げるしかなかった。)
(一組の男女が刃を向けあって対峙している。)
(黒いスーツの男性。右手首には銀色のブレスレット。小太刀を巧妙に操っている。)
(髪の長い女性。何処かで見覚えのある顔立ち。燐光を放つ剣で応戦している。)

なんだ、これは?
(紅裂拓兎の記憶に、こんな光景は無い。)
(必然としてこれもあおいの記憶から再現された光景であろうと察するのだが―)
(ふと、そこで、これは本当に単なる幻覚なのかという疑問が横切る。)
(男と女は何か言い争っている。冷たい殺意と、どろりとした感情の塊をぶつけあっている。)
(不思議な光景だった。二人は真剣に殺し合っているのに、誰よりもわかりあっているかのようだった。)

―未来、視?
(ぽつりと、そんな言葉が突いて出る。これはこれから起こる光景なのか?漠然と、そんな気がした。)

520:あおい ◆YJKujNK4t6
10/07/18 22:46:45 m6rV4NEF
…………―。
(少女はしばらく、その光景を見ていた)
(そこにいるのは確かに自分だった。あの浴衣も、覚えている。自分のものだと覚えている。
 ―だけれど、その光景は、記憶になかった。否、記憶にないというよりも、思い出せなかった。
 見たことがあるような気がする。懐かしい光景なような気がする……でも、あれは、―いつのはなしだ?)
(どんなに探っても、出てこない。あの時の、鈴は――なに……?)
―――うん、ついきゅう、しちゃ、だめ。
(頭がズキズキする。額を押さえながら……、彼には恥ずかしがっているように見えるといいけど、と
 そう思いながら目をつむった。楽しかった記憶のはず、だ。でも、どうしても、それが思い出せない)

(――きもちが、わるい)

(だが、それ以上に目を疑いたくなる光景が、自分の目の前にあった)
(ひとりは見たことの無い女性。だが、その女性の手にあるソレと、もう一方の男性は見たことがある―)
――ッ…。
(彼にバレないように、ちいさくちいさく息を呑んだ)
(おもわず彼の服をぎゅっとつかむ。つよく、つよく、握りしめる―だが、どうしても目をそらすことは出来ず。
 「未来」という紅裂の言葉で、余計に確信がふかまって……目の前の女性は、殺気を向けながらも微笑んでいて)
…………これは――、
(ゆっくりと顔をあげて)
―おにいちゃんの、こわいこと?わたし、……なんだかすごくこわい、けど、
……わたし、このひとたち、知らないよ?
(不思議そうな顔をできていたかは分からない。でも、頑張って表情をつくったつもりだった)

521:紅裂拓兎 ◆upSAKE287c
10/07/18 22:59:48 pj9xxre3
女の方には見覚えがある―んだが………
あの腐った蜜柑がどうなろうと、千年先の未来だろうと知ったことじゃないんだが。
(あおいの硬い言葉。硬い表情。それに釣られるように、こちらの言葉も硬くなる。)
(意図的にくだらない事を言って、次にあおいのほっぺたを両手で包む。)
あおいちゃん。キミはああいうことになったら駄目だよ?
多分、そういう意味なんじゃないかな。反面教師的な意味で。
(むにむにと頬を引っ張って、強張りを解きほぐそうとする。)
(当然、そんなはずはない。もっと違う意味が込められている。だが、今は追求する時ではない。)
さっさと行こう。
そろそろ我慢の限界だし、真相を追求しようか。
(媛名葵に似ているが、あの女はここまで冷たく笑っただろうか?)
(―だとしても、解せない。何もかも解せない。だから、真相が知りたくて前に進む。)

(そして辿りついた、樹齢千年を超えるであろう巨木の桜。)
(ザンザンと、桜が身震いするようにざわめいて花を散らす。)
がっ―なっ!くぅ……!これ……は……
あ、あおいちゃん!キミは何も考えるな!
(思わず膝を着く。脳味噌に直接たたきつけられる情報の渦。頭が軋む。)
(この重圧、子供の脳味噌で耐えられるはずもない。大人でも耐えられない。)
(それでも、彼は反射的に言語としてその情報を変換する。)

(―桜はずっと人間の笑顔を見ていた。春が来る度に人間の笑顔が向けられるのが)
(嬉しかった。だから終わらない春を望んでいた。その願いが生き物としての限界を突破させた。)
(桜の願いはこの周辺一帯の時間を循環させて、終わらない春を作り出した。)
(しかし、それはこの世界の法則からすれば、歪みでしかなかった。)
(世界の法則を打ち破るほどの力はなく、だが歪みは拡大を続けて―そして怪異が起きた。)
(循環する時の流れの中で、過去と現在と未来が交錯して―それは怪異を生み出し続けた。)
(人を幻覚で招き寄せて、時に過去や未来を見せて、時に贄として糧にして―桜は狂っていた。)
(ただ、みんなの笑顔が見たかっただけなのに、その願いは間違っていたのかと悲嘆し、狂ったのだ。)

あっ…ああっ………なんてこと、だ……
(力なく呻いて、紅裂拓兎は滂沱と涙を流していた。)
(理解した。この空間で起こっていたことを。桜の悲しみを。肌で刻んだ。だから泣いた。)


522:あおい ◆YJKujNK4t6
10/07/18 23:11:51 m6rV4NEF
(頬をむにむにされて、思わずぎゅっと目をつむった)
(身内以外の人間にこんなことされたの初めてだ。太一朗さんはもっと優しくつつんでくれる。
 だが、なんとなく悪い気はしなかった。いまは、その手がありがたかった。
 あの光景は、キツい―キツすぎた。怖かった、……たぶん、自分がいま、一番見たくない光景だったから)
(あれだけは、駄目だ……嫌だ、嫌いだ)
――。
(だから、無言でうなずく。真相などみたくはないが、はやくここから抜けだしたくはあった)


――――ッ……!
(だが、進んだ先。わめくようにさけぶように揺れるその巨木が散らす花びらが頭にかかる。
 だが、その瞬間だった。
 彼の声もおぼろげにしか聞こえないほどに、酷い痛みのような感覚が頭を襲ったのは。
 脳が、破裂しそうな―まるで無理に、半端ないものを脳のなかに詰め込まれたような、感覚)

(――意識が吹き飛びそうになったしゅんかん)
(「さみしい」―と、そう聞こえた気がした。「ただ、彼らとともに在りたかっただけなのに」、と。
 そして、ようやくと頭にかかる重圧が退いたとき。
 そのときには自分の体が地面に横たわっていた。浅く呼吸する―意識は失わなかった、らしい)
……どう、したの?
(体を起して、痛んだ頭をおさえる。彼女には映像や言語は見えなかったし読み取れなかった)
(いつもならばできたかもしれない。だがこの小さな体では無理だったようで)
――さみしいの?
(ただ、聞こえた言葉だけ、を口にして)

523:紅裂拓兎 ◆upSAKE287c
10/07/18 23:24:50 pj9xxre3
(巨木が身を捩るようにして花を散らす。寂しかった、悲しかったと応じるように。)
(長い時間を掛けて意識を宿し、更に長い時間を掛けて力を得て―)
(けれど、出来たのは人を傷つける事だけだった。)
(それが何よりもかなしいのだと。)

……お前の願いは、別に間違ってたわけじゃない。
ああ、何も間違ってはいなかった。気持ちも、方法も、何もかも。
ただ、間違った事してなくても、どうしてか歪んでしまうんだ。
この世界では、人の祈りも願いも、どうしてか歪んでしまうんだ。色んな理由で。
(倒れたあおいを抱きかかえて、樹に向けて語りかける。)
(流した涙の後は隠せなかったが、もうどうでもいい。)
(同情とか憐憫とか、そんな言葉もどうでもいい。剥き出しの心がそこにある。)

俺だって、幸せになって欲しかったさ。
けど歪んでしまった。だから……だから…っ!
もういい……終われ。終わってしまえ。
俺が、終わらせてやる。お前の悲しみを。眠れ。終わらない春を想いながら。
(あおいを背後に押しやりつつ、魔力を出力最大限まで高めて、放出する。)
(珪素の粒子がきらきらと煌めいて渦巻いて逆巻き、舞い散る花弁と共に)
(巨木を覆ってゆく。水晶で出来た柩が、瞬く間に時間を凍結させて、命を停止させた。)
(もう花弁は舞わない。何もかも停止した水晶の中で永遠に凍りついている。)

(―ばりんとそれが解けた時、二人は枯れた桜の樹の前に立ち尽くしていた。)
(何もかもが、泡沫の夢のように溶けていた。ただ、地面に残った花弁と水晶の破片だけが真実を語る。)

ありがとう…か。
まったく。礼を言われる筋合いもないけど、な。
(―最後に二人に届いたのは、気持ちをわかってくれた少女に対する感謝と)
(終わらせてくれた青年に対する感謝。そして犠牲にした人々に対する謝罪の言葉だった。)


【そろそろ〆の段階かな。】
【後日談として、体育館裏で…という感じで大丈夫か?その頃には元に戻ってるから。】


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