10/07/07 22:24:35 9bdyL3FC
>>282
先輩から話を聞く限りじゃ、深凪の当主様ってのは、
そこまで冷血な人間には聞こえないんだけどな。
……ま、あんたが心配していることは分かるさ。
(ふーと大きく体をリラックスさせるように、息を吐いて椅子の背もたれにかかる)
そうだな。
少なくとも、あんたよりはあの人との付き合いは短いしな。
あの人のすべてを知ってるなんて言わないし、言えないよ。
……でも、だからといって、それが先輩の為になる理由にはならない。
(あからさまな挑発。カチンと来ないわけでもなかったが、見え透いた挑発に流されるわけにいかず)
(つとめて冷静でいようと、自身に自制をかけながら)
決めてはないさ。俺の勝手な推測だけど―あながち外れでもないと思うぜ?
…そうだな。交渉決裂ってことで。
そもそも、本当にあんたに交渉するつもりがあったのなら、だけど。
(これが交渉だと目の前の彼女は本気で言っているわけではないだろう)
(まるで此方が断ると分かっていて、その結果さえ見越したような―そんな風に思えた)
そうだな。俺は、特別大きな不幸に巻き込まれたわけでもないし、
他の誰かに奪われた覚えもない……だから、知らないのかもしれない。
でも。
奪われたのなら、何度でも取り返してやるさ。
それこそ、死に物狂いでな。――もちろん、それは奪われるという前提だけど。
(そこで言葉を切り、再びジュースに口付ける。口腔内がからからに乾く。
少しでも油断すれば、そこにつけこまれそうなそんな危うさを感じつつ、ちらりと彼女の表情を覗き観察する)