10/07/07 20:33:41 9bdyL3FC
>>274
その時はその時で。
先輩が怒るなら、それには理由がちゃんとあるだろうから。
――とはいえ、あんたを楽しませたくはないけどな。
(呆れた様子でひらひらと手を振って、適当に受け流しておく)
(どうも、この女性はやり難い。まるで、水のように形を持たないようであり、
すべての事象をその形を変えてやり過ごしてしまいそうな、そんな印象がある)
(黙って、彼女の後をついて、店内へと入る)
(確かに、冷房は効いており入った瞬間、すっと涼しい空気が火照った身体を冷やしてくれた)
(案内された席に、彼女と向かい合わせに座った)
…学生にたかるなよ。
まぁ、災難次いでだ。コーヒーにケーキひとつなら奢るさ。
その代わり、これっきりだからなっ。俺だって、貧乏学生なんだからっ!
(くっと歯噛みしながらも、財布を取り出して一応中身を確認し、ため息をつく)
じゃ、オレンジジュースで。
(適当に注文すると、店員は立ち去っていった)
(怒涛の勢いで、ここまで流されてしまったが、ここでようやく話を切り出すことができた)
…んで?
わざわざ、あんたが先輩にではなく、俺に話しかけてきたのには理由があるんだろ?
そうでなきゃ、こんなところに誘い込まないだろ。
(内容は分からないが、話があることぐらいは容易に予想がついた)
(フレンドリーな態度を取りながらも、何かしらこの女性の行動には意味がある)
(身内である『彼女』に対してはどうかは知らないが、赤の他人である自身に対しては――)
これでも、学生も忙しいんだぜ? もうそろそろテストが近いしな。
(赤点を取ったら、あんたのせいだからなとぶっきらぼうに呟いて、窓の外をぼんやりと眺める)
【あ、いや、急がせたのなら、ごめんっ。そちらも何かあれば遠慮なくっ】