10/07/07 19:18:34 izKwmZ8X
(あれだけ高いヒールを履いているくせに、彼女はその音ひとつ立てなかった)
(ゆるくまいてある亜麻色はそれなりの長さ)
(唇に紅のルージュがひいてあるのは相変わらずで――、
今日の格好といえば、赤にちかいオレンジのティアードフリルキャミチュニック。
下には短いパンツをはいてはいるものの、健康的な足はかなりのところまで見えている)
(実年齢は置いておくとしても、見た目が若々しい彼女にはそれなりに似合っていた)
――こぉー、おーり、くぅーんっ!!
(そして彼女は獲物に狙いを定めると、高いヒールで器用に地面を蹴るのだ)
(ふわりとその亜麻色の髪をなびかせて、声以外の気配もなく音も無く、
それでも目立つ格好はまるで「音も無く飛ぶ蝶のように」―その背中に、とびつこうとした)
(彼が悪い予感がしたというのなら、その根源はこの女に違いない)
【じゃあ、こちらこそよろしくねぇ?】
【あたしっていうか剣糸ちゃんのワガママ聞いてくれて感謝してるわぁ。なにかあったら言って頂戴ね?】