10/07/04 15:47:09 nZ8nO3MN
>>191
あぁ、そうさせてもらう。
……まぁ、飽くまでもしもの話だからな。IFはIFのままにしておくのが一番だな。
――お?
(剣撃も蹴撃もどちらも、防がれると思わずバランスを崩されてしまう)
(何度か攻撃を繰り出すも、どれもが受け止められるか、いなされるかで、まともに有効な一打が決まらない)
(彼からのアドバイスを受けながらも、少しずつ彼の動きを把握しようと努めて、攻撃を繰り返す)
(だが、そうしている間にも時間は過ぎ、残り10秒を知らせるアラーム音が鳴り響く――)
ったく、やりにくいったらありゃしねえ。
ま、此処まで防御されるなら逆に、思い切りやりやすいってもんだ。
じゃあ、約束通り、行くぜ――……… … … 。
(無呼吸の瞬き。ある日を境にして偶然覚醒し、自身がそう名づけた力。
何度となく使ってきた力だ。)
(この力の本質は『集中力』であり、それに伴う『感覚の鋭敏化』である。加速はその結果の副産物に過ぎない)
(故に、彼へ一撃を与えられるほどの加速が得られるかどうかは分からない、だが――息を止めて、
息をすることを忘れるほど、集中力を高めて行動した)
(――1秒)
(もちろん、突撃だ。この力を使っている間は0.1秒たりとて無駄には出来ない。
下手に距離を図っていれば、それこそ彼のいう『中途半端』になってしまう)
(――2秒)
(木刀を握り勢いよく、突きを放つ――が、それは彼まで届かない。牽制だ。
もし、彼がこの『加速』している動きを把握できるとするなら、敢えてそれを利用するのも手だ)
(おそらく、視界ではなく、気配あるいは聴力などその他の感覚を用いて、こちらの動きを捉えようとするだろう。
その研ぎ澄まされた感覚を逆手にとって、惑わそうとする)
(――3秒)
(突きを放った木刀をそのまま下方に振り払いながら、不知火の側面へ跳び抜ける)
(どこで、一撃を放つか。そう時間制限は長くは無い。だが迂闊に踏み込めば、防がれるのは目に見えている)
(そのまま、再度飛び抜け、彼の後方へと跳躍する)
(――4秒)
(息苦しくなってきた。肺が膨張し、焼けてしまいそうだった)
(だが、それでもなお、集中力を途切れさせない。ぐっっと大きく踏み出し)
(――5秒)
(木刀の鋭い突きを、彼へと放った)