10/04/11 15:13:44
作者があとがきで述べるように、『ゴールデンスランバー』~『SOSの猿』とは何処か雰囲気が違った。バイオレンス描写が少ない。
最近の伊坂作品は作者自身が未知の領域へ足を進める過程だっただけに、本作のような昔を懐かしめる作品は非常に嬉しい。
作者自身が苦悩し、成長していくなかで、1ファンとしては、『オーデュボン』等前期の良さと後期の切れ味を生かした折衷案を望む限りです。
父親が四人なら、失ったときの悲しみも四倍。
アブノーマルな家庭愛を描いた、良い作品だと思います。楽しい作品でした(この著者の、前・前々作がどうも不完全燃焼だったので余計です)。
作中に出てくる男性たちがとても素敵。
主人公、そしてどのファーザーもカッコよく、動作にセリフに惚れてしまいます。
伊坂さんは本当に魅力的なキャラクターを描かれます。
続編、出てこないかなあ。母親と父親と俺の、6人暮らし
「もし、俺が部屋に閉じこもったら、勲さんはどうする?」
「お前の閉じこもっている部屋の外壁を、工事車両でぶち壊す。いくら部屋に閉じこもったところで、外の壁を壊してしまえば、そこはもう部屋じゃなくて、外だろ。」
「苛めってものは絶対になくならない」
「どういうこと」