10/11/29 04:51:36 y75TyROw
>>816
「表現の自由の重要性の根拠としてとりあげられる民主主義的プロセス論からのみ、
表現内容による価値の秩序を認め得るが、
この理論をそのような価値の序列を認めるものとして理解することは不当であろう。」
―加藤隆之『性表現規制の限界』(表現の自由の適用範囲に差があるという二段階理論に反論して)
「憲法二十一条一項は、『言論、出版その他一切の表現の自由』を保障しているが、
本条項は、表現の形式・内容に限定を付していないから、表現の中に政治的表現等とともに、
『性表現』が含まれることは明らかである。
しかも、精神的自由権の一として、表現の自由に経済的自由に優越した地位が与えられている以上、
性表現の自由にも優越的地位が与えられてしかるべきであろう。」
―曽根威彦『表現の自由と刑事規制』
「憲法の条文や憲法全体の構造から見れば、『社会的無価値論』とは逆に、
憲法上の表現の自由は、その内容が『社会的な価値』を有するか有しないかとまったく無関係に、
あらゆる表現物に保障される、というべきだと思う。
もしそうでないとすると、ひとしく表現物であるにもかかわらず、ある『価値』判断によって
それは『社会的な価値』がないと判定されることによって、伝達の機会(自由)を奪われ、
そのことによって、『価値』をめぐる自由競争に参加できないことになってしまう。
ある表現物に競争の機会を与えないということは、表現の自由に取っては自己否定に他ならない。」
―奥平康弘「なぜ性表現の自由にこだわるか」