10/11/12 01:26:42 aOQ0JMBl
ぼくには毎朝の日課が有った
毎朝ぼくの家の近くを通る、控えめだけど綺麗で優しそうな女の子
何故だか知らないけど、名前も知らないその女の子を見てるだけで幸せだった
―ある朝、ふと思った
「ぼくが人間だったら―」
ぼくに人間の口が有ったら、彼女とお話できるのに
ぼくのそれは、彼女の唇をこじあけ口内へ媚薬を流し込み、
先から枝分かれする触手で彼女の舌を刺激し強引に飲み込ませる事しか知らなかった
ぼくに両手があったら、彼女を優しく抱きしめて、彼女の柔らかさを確かめられるのに
ぼくの何本ものそれは、彼女の四肢を締め上げ、乳房や肛門を刺激して
彼女の体を蹂躙するように「行為」に最適な状態へ誘うことしか知らなかった
ぼくに人間らしい性器が有ったら、彼女と愛を確かめ合えるのに
ぼくの禍々しいそれは、もう抵抗の気が無くなった彼女の奥深くへと押し入り
欲望を吐き出す事しか知らなかった。ただ、激しく、繰り返し、一方的に、彼女を―
「はぁ…んぐ…!」
何かが聞こえて、現実に引き戻される。何か、そう、まるで―
壊れた女の、声。
必死に否定したかったけど、どうしようも無く「それ」がそこに有った
もう認めるしかなかった
…やたら長い上に断面が関係無い事を。