10/09/12 23:56:49 IKSF+174
夢の中では、俺はその役を担う長老の息子だった。
ボロボロと涙を流しながら目の前で次第に光を失いゆく父親の目を見つめ顔を舐め上げてやるも、
返って来るのは虚ろな呻き声ばかり。
もういい、ワシは十分に生きた・・・・そう言うかのように一度俺の目を見つめ返した後、彼は静かに眼を閉じた。
悲しみが込み上げる。声にならない悲痛な咆哮を上げる。それに呼応して仲間が悲しみの咆哮で合唱する。
一頻り悲しみを叫び終わり、最愛の父親の最期の姿を目に焼き付けてその場に火を放った所で現実に引き戻された。
気が付いてみると、俺はどうやら夢を見ながら泣いていたらしく、頬は涙で濡れていた。
現実では疾うに幼い頃で涙は枯れ果てたと思っていたのに・・・・・