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<正義のかたち>死刑・日米家族の選択/7止 塀の中生活21年の元少年
◇心に刺さった、母の言葉
岡山刑務所で迎える13度目の冬。
所内の工場で、旋盤でトラクターや自動車の部品を加工する日々。
指先のあかぎれから血がにじむ。
名古屋市内の公園で88年2月、少年ら6人が若い男女を襲い殺害したアベック殺人事件で、リーダー格とされ無期懲役が確定した当時19歳の元少年(40)。
「塀の中」での生活は21年になった。
元少年の母(62)は、接見禁止が解け、初めて名古屋少年鑑別所で対面した時の様子を「未成年だから、すぐ帰れるという態度で、アッケラカンとしていた」と振り返る。
そして、89年6月の名古屋地裁判決は死刑。「反省しているとは思えぬ態度が散見された」と、裁判長は厳しく批判した。
「もうダメだと思う。交通事故にでも遭ったと思って、おれのことはあきらめてくれ」。判決後、面会に来た母に、元少年は、投げやりな言葉をぶつけた。