08/10/08 20:28:22 vRTQclgJ
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だんだんと秋めいてきた夕暮れ、僕はデュラ子さんと銀杏並木を歩いていた。
歩くたびに落ち葉で黄色に染まった足もとが、さくさくと音をたてる。
「夏の間は青々としていたのに、不思議ですね」
デュラ子さんが感心したように声を上げる。
デュラ子さんたちが住む世界である黄泉の国は、季節感に乏しい世界だと聞いた。
やっぱり紅葉とかないんだろうな、それだけに移り変わる現世の風景が興味深いみたいだ。
移りゆく季節、過ぎゆく時間、その時間をデュラ子さんと一緒に過ごせたことに、僕は幸せを感じていた。
彼女と過ごせる時間も残りわずかだけど、僕がデュラ子さんと過ごした時間は確実に存在する。
そう思うとしみじみと幸せになる。
……心底デュラ子さんに惚れてるんだなぁ、僕は苦笑せずにはいられなかった。