08/09/07 19:18:12 yJSgD8rT
「そぉい!」
玄関のドアを開けた瞬間、俺は殴られた。
腰の入ったいいストレートだった。
部屋の端まで吹き飛んだが、口元の血を拭って立ち上がる。
俺は殴ったのは、先程の女だった。
「いいぜ、屋上へ来いよ。久々にキレちまったぜ……」
上着を脱ぐと、女を連れて自室を出た。
何故か飼い猫の小次郎も後を追いかけてくる。
俺を応援してくれているのだろうか。
「一撃で決めてやる……」
決意も新たに、屋上へと向かう。
だが、途中で気が付いてしまった。
ここのアパートには屋上がなかったのだ!
「しまった、何て事だ……」
「あなたの負けですね」
俺は生まれて初めて敗北の味を知った。