08/08/14 11:00:09 YdabrbCU
「希望は戦争」と言わせる社会
あの戦争が終わってから六十三年がたつ。艱難辛苦、猛烈な努力で復興を遂げ今や
押しも押されもせぬ経済大国。「戦後」などという言葉はほとんど死語と思っていたが、
突如としてよみがえった▼評論家の吉本隆明さんは「この四、五年で『第二の敗戦期』とも
呼ぶべき段階に入った」と言う。プロレタリアート作家小林多喜二の「蟹工船」が読まれている
背景を分析し、敗戦直後のような貧しい社会に近づいた、と指摘する▼蟹工船に描かれた
労働者は周旋屋に引っ張り回されて文無しになる。日雇い派遣で食いつなぐ若者の姿と
オーバーラップし、病に侵されるところまで重なり合う。その昔、労働者の病気は肺結核だったが、
現代は心の病がはびこる▼どうも銃弾が飛び交うだけが戦争ではないらしい。心の内戦とでも
いうのか、フリーライターの赤木智弘さんが新聞紙上に「希望は戦争」と書いているのを見て驚いた。