08/06/30 21:22:44 Zn/CkQIS
「グリーンだよ……」
心の奥底を揺さぶるような低い響きであの男にそう告げられると、
なぜか体の一部を焦燥感、甘い疼きが襲ってくる。
どうにかしてそこに触れようとするも、後ろ手に縛られた状態ではかなう筈も無い。
ましてや、今の自分は非力な少女である。しばらくすると疼きは収まり、
意識が徐々にぼんやりとしてくる。そして焦点の定まらない目が、
あの男の本体を捕捉する。途端に疼きが再び襲い、まるで砂漠でさまよう者が水を求めるかのように
それを自身のもっとも熱い所へ突きこみたい衝動にかられる。
刷り込まれた条件反射だとわかっていても、やはり無視することはできそうにない。ああ……
―疲弊しきった我が理性は静かに、体の主導権を本能へ譲り渡してしまった。