08/03/30 22:29:19 yc+SgVlu
天に届く程の大樹が座する一つの国、名はハイ・ラガード公国。
その大樹は、古来より神木として崇められ、天空の城へと続く道とも云われる伝説もあった。
そして、彼の大樹の内部にて発見された迷宮──物語はこの迷宮に挑む者達の日々を描く。
「嫌っ!絶対に、いやぁっ!」
薄暗い部屋に響く、悲鳴じみた声。
その声の主は、明るい桃色の髪を二つ束ね、吟遊詩人たる様相をした幼い少女。
バードと呼ばれる、歌や踊りを得意とした職業である。
「だ…だから、な…お前さんのTPを回復する為だけであって疚しい気持ちはなかったのだが…」
「それでも嫌なものは嫌っ!」
ベッドでうずくまるバードの少女の前で、あわあわと手を振る男。
彼はドクトルマグス、巫術や巫剣といった一風変わった術や剣技を得意とする。
民族衣装のようにも見える独特の衣装に身を包み、若干ぼさついた黒髪と日焼けした薄茶の肌が特徴的だった。