08/03/19 22:26:41 c/NfoYdP
「もうこの島が高波に飲み込まれるのも時間の問題だわ。・・・行ってくる。」
「やめてよ、無茶だよ!」
「ここに私達がいることは誰も知らないのよ?待っていても助けはこないわ。」
「でも他に何か方法があるかもしれないじゃないか!こんな海を泳ぐなんて無理だよ!」
「あの小島に置いてきた無線機で助けを呼ぶ以外に、私達が助かる道はないのよ。」
「・・・なら僕が!僕が行・・・ムグッ!」
「・・・大人のキスよ・・・帰ってきたら続きをしましょ?」
「美紗堵さん・・・僕・・・僕・・・」
「大丈夫、今はカナズチでもすぐに泳げるようになるわ。私が保証する。じゃ、行ってくるね!」
そう言って彼女は荒れ狂う海に飛び込み、200m程離れた小島へと泳ぎ始めた。
長い沈黙の後、島の丘で手を振る彼女が見え手を振り返そうとした瞬間、
彼女は小島ごと高波に飲み込まれ、二度と浮いてはこなかった。