10/10/14 02:31:28 tY3XGcag0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
夢の中は常に赤く染まっていた。
片手にライフルを、もう片手には適当に拾った長物を持ち、ランディはいつも駆けていた。
胸の悪くなりそうな鉄錆の香り、人間や家畜の息のあるうちの焼かれる匂い。
付き従う外道たち、ならばその先頭に立つ自分は何なのだろう。
彼を苛むその疑問はだが『戦場の叫び』とともにいつしか消えていくのだ。
「……ディ…」
暖かい。
「…ンディ…」
それはランディの罪を象徴するような戦場で燃える炎とは違い、陽だまりの中にいるような、生きている暖かさだ。
無意識にそのぬくもりに擦り寄ってみれば、赤い夢は遥か彼方へと遠ざかった、そんな気分がした。
「ランディ」
穏やかで誠実そうな声が呼ぶのはあの呪われた名前ではない。それがうれしくて、ランディはへらりと笑った。
声に応えようとも思ったが、このぬくもりと声に包まれてまだ少しまどろんでいたかった。
「…仕方ないなあ」
閉じた視界の中、何かが近づくのを感じたが、避けようとは思わなかった。
これは、絶対に自分に危害を加えない、そんあ確信があったからだ。
「ん…」
汗で張り付いた前髪を少し皮膚の硬くなった手がかきあげ、あらわになった額にやわらかいものがそっと触れる。
「くすぐってえ…」
くすくすと笑い声をあげるランディにはかまわず、そのやわらかいものは額からゆっくりと下りていき、鼻の頭を軽く噛む。
嫌がって首を振ろうとしたが、先刻前髪をかきあげてくれた手がしっかりとランディの顔を押さえつけ、叶わない。
「なにすんだ…ん…う…」
くちびるをやわらかいものが覆い隠し、ぬめったものがランディのくちびる割って侵入してくる。
ランディが今までくちびるを重ねた相手と比べれば拙いにもほどがあるが、ぎこちなく舌を絡めて吸うだけの動きに不思議と体が昂ぶっている。
寝ぼけ半分、今のくちづけが半分、脱力しきったランディのくちびるを解放して、彼は笑った。