10/10/03 20:12:39 uv7p0i5u0
「あの……驍宗様。僕は、痛いのは、驍宗様のためなら、それは別に構わないのですけど。
でも、驍宗様は僕が痛がると、とてもすまなそうな顔をされますし……だから、
ちゃんと気持ちよくならないとと思って……」
言うなり、泰麒はガラガラと箱の中身を布団の上にひっくり返す。
「これは、電池といって、張り型の動力です。それで、この桃色の小さい張り型が、
ローターといって、入れたり当てたりすると振動で気持ち良くなるものだそうです。
それからこの太さが違うこの3つは、動く張り型で、細いのから順に使うと、
切れたりせずにうまく慣らすことが出来るみたいです。あと、これは効くかどうか
良く分からないのですけど、媚薬で、興奮して快感を高める薬だそうです」
機器のスイッチを入れつつ、泰麒は一息で説明して息を吐いた。
布団の上には、うねうねブルブルと踊る機器。
黙ったままの主を見上げると、驍宗はわなわなと震えていた。
「蒿里……こんなものをお前、向こうにいた時から使っていたのか?」
「まさか!……今回、初めてお店に行ったんです。それで、痛くないようにするには
どうしたら良いでしょうかと相談したら、これを選んでくれたんです」
どれだけ恥ずかしく、大変な思いをしたか思い出して、泰麒は遠い目をする。
当然のことながら、年齢は疑われるし、僕のご主人様へのプレゼントで、と言ったら、
何やら恐ろしい拷問器具をいっぱい並べられるしで、日本にはこんな恐ろしい世界が
あったのかと背筋が凍る思いをしたのだ。
―だが、これも主には言わない方が良いだろう。
無言のままじっと自分の顔を見ている主に、泰麒は恐る恐る訊いた。
「あの、驍宗様、ご不快でしたか?」
「……蒿里、本当にこれを使っていいのか?」
「勿論です。だって、驍宗さまに使って頂くために買ってきたんですから」
ぷっつん。
微笑した麒麟の顔に、驍宗は理性の糸が切れる音を聞いた。
「……どうなっても知らぬぞ」
351:風と木の名無しさん
10/10/03 20:13:05 Si+/SOWRO
>>341
続きwktk
352:戴国振興計画(戴国捏造物語外伝 6/8)
10/10/03 20:14:56 uv7p0i5u0
「驍宗様ッ…まだっ…まだ、ですか……ッ?」
泰麒は布団を強く掴み、身悶えしながら問う。
白い肌は全身すっかり桃色に染まり、快楽の涙にすっかり濡れた頬には、鋼の髪が張り付いている。
身体の中の卑猥な動きに合わせて震える身体は、もう限界に近いようだが、
機械にイかされるわけにはいかぬと思っているのか、必死に耐えている様がいじらしく、楽しい。
驍宗は圧でずり落ちてきたそれを、麒麟の秘所に再び深く押し込めた。
「ひッ……ぁあぁ―ッ!!」
強い刺激に目の前が白くなりかけた麒麟の雄を、驍宗は強く掴んで射精を止めてやる。
少し痛いだろうが、イってしまった方がこの麒麟には辛いことを、驍宗は知っていた。
麒麟はとろんとした目で驍宗を見上げて強請る。
「ぁあッ……早く…驍宗様っ……出ちゃう…出ちゃいます……!」
「まだ2本目だぞ蒿里。もう1本使って解さねば、また痛い思いをするのであろう?」
「でも……ッ!」
駄々をこねるように首を振る麒麟に、驍宗は笑む。
「お前がそんなに言うなら、次を入れてみよう」
驍宗は先刻押し込んだばかりのバイブを抜くと、1まわり太い3本目のスイッチを入れ、
一息に突き入れた。
353:戴国振興計画(戴国捏造物語外伝 7/8)
10/10/03 20:16:33 uv7p0i5u0
抵抗もなくするりと最奥まで納まったそれが、泰麒の中で暴れ回る。
「―!?ぁッ!…待…、驍、宗様っ、ス、イッチ…止め…っ!!」
最強状態でいきなり入れられたその刺激はあまりにも強くて、イキたくてもイケない
強い快楽に、泰麒は痙攣しながら身を捩るしかない。
「蒿里、すいっちとはなんだ?」
真顔で聞かれて、泰麒は気が遠くなるのを感じた。
―ああ、通じてない。電源、もだめ?どう言えば…
混乱した泰麒は叫んだ。もう機械はいい。主が欲しい。
「ッあ!も…驍、宗様ぁ…機械じゃなくて…様が……が欲しいです」
「蒿里、ちゃんといってくれぬと、どうすればよいか分からぬ」
うまく言えないのがもどかしい。泰麒は驍宗の雄を掴んで言った。
「いッ…入れて…ください!!」
驍宗は真っ赤に染まった泰麒の頬に、接吻をして笑った。
「良い子だ」
平静を装ってはいるが、己の麒麟の初めて見る痴態に、
すでに驍宗の雄ははち切れんばかりになっていた。
驍宗は泰麒の中で暴れ回っていた機械を抜くと、味わうようにゆっくりと、その身体に己を埋めた。
354:戴国振興計画(戴国捏造物語外伝 8/8)
10/10/03 20:17:55 uv7p0i5u0
一刻後。臥室の中には甘く気だるい空気が漂っていた。
泰麒は安堵していた。今日は痛くなかった。主の心配そうな顔を見ずに済んだ。
代わりに激しい快楽に翻弄されて、随分な痴態を演じてしまった気がするが、
それも大いに主を喜ばせたようなので、無論恥ずかしくはあるのだが、とてもホッとしていた。
充実した疲れに、そのまま眠りに落ちようとした時、驍宗が話しかけてきた。
「なあ、蒿里」
「……なんですか、驍宗様」
「この機械を戴の特産として輸出できれば、大きな利益が出ると思わんか?」
「……そうでしょうか?」
疑わしげに泰麒は返したが、主は確信を持っているようだった。力強く頷いて言う。
「……売れる。絶対に売れる。明日琅燦に訊いてみよう」
驍宗がそう言うなら、そうかもしれない。泰麒は微笑して言った。
「そうですね」
―驍宗の言葉通り、後にそれは戴の裏の特産品となったのだが、
それはまた別の話。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
琅燦なら作れる!
355:風と木の名無しさん
10/10/03 20:43:44 coZi8ryB0
>>341
戴話沢山ありがとうございました!
寒い国はそっち産業がいいよなっ!出来る!出来るよ!範に負けない産業国に!
356:風と木の名無しさん
10/10/03 22:02:37 I842ufKSO
>>315
目から汗が止まらなくなったんだぜ・゜・(ノД`)・゜・。
今年の某レースからこの2人が気になっていたのですごく嬉しいです
「俺」さんの回復と復帰を祈りつつ、「彼」さんの仏国での活躍に期待してます
357:風と木の名無しさん
10/10/03 23:03:33 MnCrTRus0
>>341
落ちに噴いたwwwwww
どこまでも王様だなあwww
358:初夏の匂い1/7
10/10/03 23:24:33 /bwMhM8FO
初夏の匂い
オリジナル。
電車待ちの人ら。
ずっとイチャイチャしてるだけ。
真枝視点
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマス。
「ケイ」
ベッドの中心を陣取り、ブランケットを頭から被って丸まって眠る圭介の肩を揺する。
小さく呻いて、余計に丸くなる様子は本当に猫そっくり。
違うところは大きさくらいか。
セミダブルのベッドを独り占めして、幸せそうに寛ぎ始めた身体を再度揺する。
「圭介、遅刻する」
『風呂明日。帰って着替えたりしたいし、7時に起こして』
いつも予定より30分以上前から起こしてはいるが、毎度時間通りに起きれた試しはない。
「ケイ、10時から仕事だろ。着替えに帰るじか…」
ブランケットの中から伸びてきた手が腕を掴めば、有無を言わさず腕の中へと引きずり込まれる。
抱きしめられるのを慌てて胸板へと手をつき、辛うじて逃れて距離をとる。
ベッドへと座り込んだ際、ギシリと軋んだスプリングの音に、昨夜の情事がフラッシュバックする。
『そう、もっと見せて。見られんの、…大好きでしょ?』
背中をなぞる舌、尿道へと見えなくなる寸前まで回されながら入れられる綿棒、身じろげばリンと高い音を立てる鈴付き
359:初夏の匂い2/7
10/10/03 23:28:26 /bwMhM8FO
の首輪、黒い尻尾がついた細いけれども長いバイブ。
そしてバイブの横から無理やりねじ込まれた圭介の太いペニス。
ベッドの向かいに置かれた姿見には、尿道へと白い棒を抜き差しされながら、悦んで腰を揺らす自分の姿。
「ケイ…ッ」
初夏の爽やかな風が背中を撫でる刺激に、はっとして昨夜の記憶を奥へと沈める。
「…ン、ちょっ…、圭介!」
いつの間にか腰へと回されていた圭介の両腕。
ブランケットの中で圭介の左手が尻を撫で、右手が下着ごとスウェットを下げる。
「痛かった?」
ブランケットの中からようやく上げられる顔。
今時の若い子らしい、細く整えられた眉、厚めの唇。
何時もはキツそうな吊り目気味の眼も、寝起きの今はなりを潜めて年相応に見えなくもない。
ただ、尻を揉む手や、ペニスを摘んで裏筋を一舐めする様子はいただけない。
「は…ッ、ケ…スケ」
震える声を隠そうと、手の甲を口へと当て息を詰める。
丹念に尿道の先をくじる舌。
今更気にするくらいなら、昨日止めてくれれば良かったのに。
たっぷりと舌を絡めては、少し唇を離してわざと音を立てながら吸い上げられる唾液。
「…ケイ、時間…遅れる」
尻を揉むことから孔を探るように動きを変えた手首に、力の入らない手を添え首を振る。
昨日の夜に十分解されたそこは、圭介の指程度なら容易く飲み込み、痺れる甘さを脳へと送る。
逃げればギシギシと揺れるベッド。甘ったるいフェラに、昨夜の記憶。
初夏の日差しだけが涼やかに部屋を明るく照らして、
360:初夏の匂い3/7
10/10/03 23:32:32 /bwMhM8FO
あまりのコントラストに目眩がする。
「ここから行く」
巨大尺取虫がもぞもぞと暴れたかと思えば、脱ぎ捨てられるハーフパンツとタンクトップ。
ブランケットの中へと引きずり込まれて、濃厚にキスされ、後から焦らされながら入れられて。
「や……、ケイスケ…、バック…ヤだ」
コンドームもなく、濡らさずに入れる圭介のペニスは痛い。
ましてやバックから突き入れられれば、二発目ならともかく一発目には快楽よりも痛みが先立つ。
「痛いのも、恥ずかしいのも大好きでしょ?」
膝を開かせながら腿へと這う骨ばった指。
教えた癖に。
圭介以外でイケない体にした癖に。
「…ぁっ…、ケ…スケ、深ッ…」
くんと押し上げられる腰、硬いペニスにチカチカと目の前に星が散る。
シーツを掻いて逃げようとしても、肩と腰を押さえられて動けない。
「…スゲェイイ」
掠れた甘い声と共に首筋を舐める舌。
乳首を摘んで引っ張る指に、濡れた声が上がって枕を咬む。
ドロリと濁る思考。
痛かった事が気持ち良い。
ヌチヌチと重く湿った音を上げる結合部。
抜かれれば淋しさに締め付け、入れられるのは痛みに目眩。
けど欲しいのも何時だってこの痛み。
動物が交尾するのような体位に、頭の芯が熱くなる。
こんな体位でも感じる浅ましさに、込み上げる吐き気すら気持ち良くて、ただただ全てが恐ろしい。
「圭介…、ヤだ。…おかしい」
気が狂うくらい気持ち良くって、幸せで、倒錯的で、破滅的。
こんな姿を誰かに見られたら、今の生活は一瞬で終わる。
361:初夏の匂い4/7
10/10/03 23:37:13 /bwMhM8FO
いくら相手が成人しているとはいえ、一回り近く年下の青年との異常な性行。背徳的過ぎて、他人がもし同じ事をしていたら、心底軽蔑する。
それなのに気持ち良さの中心にはいつも圭介がいて、圭介も気持ち良くなってくれれば中に出して貰える。それが嬉しいだとか、せめて性別が違うならだとか、自分が抱く方なら、まだ幾つもの言い訳が出来るのに。
「顔見せて」
圭介の手が優しく頭を撫で、背中にキスされる。
枕から顔を上げられずに頭を振れば、膝ごと抱えられて腹の上へと乗せられて。
繋がったままで回される痛みに、上擦った声が上がる。
やめてやめて、意識が飛ぶから。
圭介を気持ち良くする前に、一人でイッてしまうから。
「可愛すぎ」
うっとりと細められた目で、圭介が囁きかけてくる。
息継ぎより早く擦られる内壁、キスで唇を塞がれうまく出来ない呼吸。
再びベッドに押し倒されて、激しく揺すられ、中で出されて。
自分が何時イッたかは知らない。
「だから拗ねんなって」
朝の圭介よりも更に丸くなって毛布に隠る。
慌ただしい朝の出発の合間、圭介が寝室へ戻ってきては機嫌を確かめる。
無理だと泣いて縋らせた癖に、昨夜に続いて朝から2度。
「帰ったらちゃんと座薬入れてあげるからさ」
抱き締めていたクッションを投げつける。
誰のせいだと思ってるんだ。
何でこんなにデリカシーのない男に惚れたんだ。
情けなくって涙が出る。
しばらく反応もなく、そろそろ立ち去るかと思った頃、ベッドを軋ませ、背後から抱き締められる身体。
362:初夏の匂い5/7
10/10/03 23:39:15 /bwMhM8FO
「…怒った?」
いかにも心配そうな声。
こんな時だけ殊勝に反省した素振り。
背後から、項や首筋へ点々と着けられる唇。
「…セーブ出来なくてごめんなさい」
甘えてくっついて、背中からぎゅうぎゅうと抱き締めて、待ての姿勢。
触れ合った場所から伝わる熱が、言葉に嘘偽りがないと気持ちを伝える。
「帰ってきたら、お腹に優しいご飯作るから、鍵開けてね?」
鍵くらい持っている癖に。
「…泣かれると本当に困るんだって」
機嫌を取る様に肩口へと埋められる顔。
仕方なしに許そうかと振り返る間際、
「もっと泣かせたくなるだろ」
ガツンと音がするくらい鳩尾へと肘を入れて、呻いている圭介をベッドから蹴り出す。
思えば随分と手癖も足癖も悪くなった。
偏に圭介からの影響か、元々素質があったのか。
玄関に向かって人差し指を水平に指し示して、短く告げる。
「仕事だ変態」
異論の声を上げる圭介を、冷ややかに見据えて再び無言で玄関を指差す。
犬の躾と同じで、甘やかしたらつけあがる。
それは犬、もとい圭介にも良くない。
せめて遅刻癖くらいをなくしてやるのが、年長者としての務めだ。
ベッドの周りを鼻を鳴らしてウロウロする圭介に、改めて玄関を指差して出勤を促す。
ふてくされた様に唇を尖らせて顔を寄せるのを、軽く睨んで見つめ返す。
「…にゃあ」
わざとらしい鳴き真似とニヤつく目に、カッと全身の血が逆流する。
あまりの事に、池の鯉さながら口を開閉するだけで、それに続く言葉が出ない。
363:初夏の匂い6/6
10/10/03 23:52:38 /bwMhM8FO
言わせたのは自分だろう、誰の趣味だ、変態。
何でも良いから反論すべき場面に、とっさに言葉が口から出ない。
固まってしまって動けない隙にキスで唇を塞がれ、二度三度と角度を変えて口付けられる。
思えばこの唇には随分騙されてきた。
いつまでもキスをしてくる圭介に、終わらせる為にも一度こちらから唇を押し付け返して頬を叩く。
「遅刻する」
何のために早く起こしたのか。
不服さを表しながらも渋々出て行く圭介を玄関まで見送り、再び重い腰を引きずりながらリビングに戻ってソファへと腰掛ける。
開けた窓から爽やかな風が家の中を抜ける。
昼から暑くなりそうな、爽やかながらも熱を孕んだ微風。
マンションの窓から見える、高い空へ沸き立ち始めた入道雲。
久々に味わう一人の時間。
数ヶ月前には考えた事もないほど騒々しい生活。
今更一人に戻れるとは思わないが、騒々しさごと受け入れるには独りが長すぎた。
幸せとはこんなにうるさかったのだろうか。
手元にある携帯のメールを見ながら、ぼんやりと父が生きていた当時のこと、母の事を思う。
母も今の恋人とは、こんな思いで家族になる事を考えたのか。
父が死んで、息子も手が放れて、寂しかったのだろうか。
ここ数年の母は、幸せだったのだろうか。
逡巡の末、こちらからはかけた事のない番号をリダイヤルする。
数度のコールの後、同年代のようにも聞こえる若い声。
「……祐一です。………いや、母に用ではなく………はい。その、……今度、酒でも…飲みに行きませんか。とうさん」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンガオオクリシマシタ!
ナンバリング間違えました_| ̄|○
ごめんなさい。
364:続・じゃじゃ馬ならし 前編 1/9
10/10/04 09:11:33 EPDpbx76O
>>285の続きで、20年位前の時代劇「参匹がKILL!」より、素浪人の殿様×仙石。エロありです
元作品が古いのにも関わらず、前回投下の際は反応いただけて嬉しかったです。
ありがとうございました。
またもや長いので、分けて投下します。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
道に迷っているうちに夜は更けた。
一夜の宿を求めて林の中に見つけた観音堂に、ふたりは入り込んだ。
月は明るく障子から光が差し込み、明かりを点けずとも目は利いた。
古いが大事にされているお堂らしく、幾つかのお供え物のうちに酒もあった。
観音様に手を合わせてから拝借して回し飲み、冷えた身体を暖めた。
中で火を炊く訳にいかないので、酒を手に入れたことはふたりに取って至極幸いだった。
ささやかな酒宴の後、離れて壁際に座った九慈真之介に、八坂兵四郎は声をかけた。
「仙石、なんで壁際に行くんだ。こっちで寝たほうが、隙間風が来ないぞ」
「いや、俺はここでいい」
壁にもたれて愛刀を抱いた真之介は、目をつぶって答えた。
「しかし、せっかく暖まったというのに……風邪をひくぞ」
「いいったらいいんだ、ほっといてくれ。寒くても、おぬしの側にいるよりましだ」
「ん?どうしてだ」
「……また手ごめにされちゃ、かなわんからな」
片目を開けて睨むように見つめ、真之介は不機嫌そうに告げた。
以前蛇に怯えたところを付け込まれ、悪戯心を起こした兵四郎に抱かれてしまったことを根に持っていた。
365:続・じゃじゃ馬ならし 前編 2/9
10/10/04 09:13:32 EPDpbx76O
「手ごめとは、ひどいなあ」
「ひどいたぁなんだ、ひどいのは、殿様だ!どう考えても、手ごめだろうが。俺に、あ、あんなことを……」
のんきな口調の兵四郎に憤った真之介は、段々小声になり、顔を真っ赤に染めた。
あの時兵四郎から受けた辱めを、まざまざと思い出したからだ。
「俺は、手ごめにしたつもりはないぞ。おぬしが蛇を怖がって、身体も冷やしていたから、ほぐして暖めてやりたかったのだ」
「て、てめぇ、ぬけぬけと……!」
「本当だからしかたない。まあ確かに、ちょっとやりすぎてしまったがな」
「ちょっとじゃないだろう、ちょっとじゃ!……もういい!言い争いなど、くだらん。俺は寝るっ」
あくまでものらくらと悪気のない兵四郎に呆れ、真之介はそっぽを向いて再び目を閉じた。
へそを曲げた真之介に、平四郎は苦笑した。
そして、あの夜のことを思い返した。
やんわりねっとりと撫でていじるとたちまち真之介の身体は熱くなり、妙なる嬌声を上げて身悶えた。
そんな彼を、心からかわいらしく思った。
そうするとたがが外れたように止まらなくなり、最後まで情を交わしてしまった。
無理をさせたことはすまなく思ったが、本当に手ごめにしたなどという気はなかった。
恐怖に震えて自分に縋り付く真之介の冷たい肌を、芯から暖めてやりたかったのだ。
真之介もまたあの時の自分の恥態を思い返し、さらに赤くなっていた。
幾ら蛇に怯えすくんでいたとはいえ、まともに抗うこともせず、友だと思っていた男に抱かれた。
色恋は不得手な上に、金が無いから滅多に女も買えない真之介には、久々の睦み合いだった。
366:続・じゃじゃ馬ならし 前編 3/9
10/10/04 09:16:30 EPDpbx76O
兵四郎は終始優しく、じっくりと丁寧な愛撫を施した。
女にも触れられたことのない場所をいじられ、あげくにとんでもない物を入れられた。
真之介はうろたえ兵四郎をなじりつつも、深い快楽に取り込まれた。
そんな自分が信じられなくて、たまらなく恥ずかしかった。
「なあ、仙石」
「……」
「仙石、こっちへ来い」
兵四郎の声は気遣いを含んでいたが、微妙な気まずさに真之介は無視を決め込んだ。
「真之介、こっちへおいで」
「……ガキみたいに呼ぶなっ」
あだ名ではなく名前を呼ばれて、思わず目を閉じたまま怒鳴った。
抱かれた時に兵四郎が、低く甘い声で名前を呼んできたことを思い出した。
その時と同じ、優しさに満ちた口調であることに、真之介は動揺した。
ふいに、背中に温もりを感じた。
驚いて顔を向けると、兵四郎が寄り添うように座っていた。
咄嗟に壁伝いに身体をずらし、真之介は叫んだ。
「なんだっ、殿様!何してる」
「何って、おぬしが来ないから、俺が来たんだ」
追うようにまた身体をくっつけて、兵四郎がとぼけて言った。
「別に、来なくていい」
「だが、こうしてくっついたほうが温かいだろう」
「い、いらん世話だ!こら、寄るなったら」
「なんだ、つれないなあ。仙石、そう言うな」
くっついては離れてを繰り返し、やがて角に行き着いた。
目の前が板壁になり、真之介ははっと後ろを向いた。
すると、抱えた刀ごと兵四郎に抱きすくめられた。
367:続・じゃじゃ馬ならし 前編 4/9
10/10/04 09:20:11 EPDpbx76O
「と、と、殿様!?なっ、何しやがる」
「仙石、蛇だ」
「……嘘つけ!その手に乗るかっ」
「はは、ばれたか」
当たり前だ、とぼやきながらも真之介は暗いお堂の中を見渡し、何もいないことを確かめた。
そして腕から逃れようと、兵四郎の胸を押して身をよじった。
「殿様、なんだ、なんのつもりだっ」
「うん、また温めてやろうと思ったんだがおぬし、けっこう温かいな」
「酒のおかげだ。余計な心配しなくていいから、あっちで寝ろ、殿様!」
「そうか。だが俺は、少し寒い」
「知るか!酒飲め」
もがくのを押さえながら兵四郎は真之介の身体を撫で、耳元に囁いてねだった。
「酒はもうなくなった。だから仙石、おぬしの熱を分けてくれ」
「いやだ、駄目だ。やらん、絶対にやらん」
触れんばかりに唇を寄せ、耳元に囁く甘い声音に、真之介はぞくんと身体を震わせた。
がっしりと腕を回した兵四郎は、真之介を捉えて離さない。
兵四郎の身体もまた熱くなっていて、包み込まれるような心地良さに、真之介はしばし抵抗を忘れた。
「仙石、胸がせわしく鳴ってるな」
「……おぬしが、おかしな真似をするからだ。もうあったまったろう、離せ、殿様」
「いや、朝までこうしていたいな」
「ふ、ふざけるなっ。なんで俺が、おぬしと……うわ、ま、待て、んんっ!」
兵四郎は笑って、喚きかけた唇に唇を合わせて塞いだ。
ふいを突かれて口を吸われ、真之介は焦った。
肩を強く抱き、頭を壁に押し付けるようにして真之介の動きを封じ、兵四郎は舌を差し入れ、酒の香りのする口内を味わった。
巧みになぶられ暴かれる口づけにぼうっとなっていた真之介は、唇を解かれてやっと我に返った。
368:続・じゃじゃ馬ならし 前編 5/9
10/10/04 09:21:58 EPDpbx76O
「きっ、貴様!悪ふざけも大概にしろ」
「いやいや、ふざけてるつもりはないぞ」
「じゃあ、なんでだ。この間といい、なんで俺に、こんな真似をしやがる」
「おぬしが、かわいいからだ」
「……ば!ばっ、馬鹿野郎!」
目を見つめて真っ直ぐ言ってのけた兵四郎に、真之介はうろたえた。
「前もそんなことを抜かして、俺のことを好きにしやがったが……それが本気なら、よっぽどの物好きか、頭がおかしい奴だぞ」
「そうか?思ったことをそのまま言ってるだけだが。まあ、物好きでも変わり者でもかまわんさ。俺はお前がかわいい」
「……まだ言うか」
「ああ、言うとも。仙石はかわいい。だから、仙石が欲しい」
「ばっ……!!」
また怒鳴りかけた真之介は、言葉を止めた。
わずかに高い目線で自分を見下ろす黒い眼は少し細められ、薄闇の中でも不思議にきらきらと光を纏い、唇は弧を描いて微笑みを浮かべていた。
穏やかで慈愛に満ちた兵四郎の表情に思わず見入ってしまい、真之介の胸はますます高鳴った。
呆けた隙に、兵四郎はまた口づけた。
真之介はびくりと身体を揺らし、抗うように兵四郎の肩を掴んで押したが、なぜかうまく力が入らない。
兵四郎はふたり分の刀を横に置き、唇を重ねたまま真之介にのしかかり、ゆっくりと押し倒した。
熱い舌で上顎や歯列を念入りになぞられ、翻弄される真之介は喉を鳴らして涙を浮かべた。
息苦しそうに呻く口内を、兵四郎は飽かず執拗に貪った。
真之介の手からは段々と力が抜け、弱々しく兵四郎の背中に腕を回した。
兵四郎は笑って、やっと離した唇を首筋に押し当て這わせた。
369:続・じゃじゃ馬ならし 前編 6/9
10/10/04 09:24:54 EPDpbx76O
袷に手をかけて開くと、浅黒い肌は赤味を帯び、鍛えられた胸はなだらかに波を打っていた。
首筋から喉元を舌でなぶりながら、兵四郎は両手を着物に差し入れ、胸や腹、腰や背中を丁寧に撫で回した。
「あ、あ……との、さまっ、ま、て、待てっ……」
「大丈夫だ、仙石。前よりも優しくしてやるから」
「い、いい!優しくなんか、しなくていいから……は、離せ、離して……んっ」
「いや、もう無理だ。真之介、お前を抱くぞ。心配するな、全て俺に任せろ」
「ば、かっ……殿様!あっ、う、あぁっ、やめ……」
尖った乳首を含みねぶられ、袴の上から中心をさわさわと撫でられると、真之介の悪態は止まり、覚えのある快感に気を乱された。
悩ましく身をよじる真之介を愛しく思い、兵四郎はますます愛撫する舌と手を動かした。
袴と下帯を取り去り、震える真之介自身をそっと握り込むと、途端に身体が跳ねた。
鮮やかな反応に微笑み、兵四郎はそそり立つ愛らしいものをいきなり口に入れた。
熱く濡れた感触にすっぽり包まれ、真之介は驚き戸惑った。
「う、あっ……!と、殿様……よせっ、馬鹿、なんてこと、あ、ふぅっ……」
「ん、お前のここが、あまりにも美味そうでな。実際、美味いぞ」
うろたえた真之介に、唇を離した兵四郎はしれっと答えた。喋ると先端に息がかかり、真之介はそれにすらびくびくと感じた。
「……馬鹿っ!し、しばらく、ふ、風呂、入って、ねえぞっ……あ、あっ」
「そうか、まあ俺も二日前に入ったきりだ。気にするな」
またも顔を股間に埋めた兵四郎に、真之介はしつこく怒鳴った。
370:続・じゃじゃ馬ならし 前編 7/9
10/10/04 09:26:32 EPDpbx76O
「殿様!やめ、やめろったら!う、き、汚ねえ、だろうが……ふぁっ、あ……」
「大丈夫だ。俺は、お前の味が好きだ」
「あ、味なんて、言う、なっ……あぁっ、ん、ふぅ、んっ……」
兵四郎はくわえ込んだ真之介を丁寧にしゃぶった。
鈴口を舌先でくりくりとくすぐり、幹や裏筋を丹念に舐め上げ、同時に右手で袋を揉みほぐした。
頬をすぼめてじゅぷじゅぷと出し入れすると、真之介は首を振って切なく鳴いた。
滅多にされない口淫に翻弄され、頭に血が上った真之介は荒い呼吸を繰り返した。
「はあっ、あっ、ん、くっうんっ、との……さま、あっ、やだ、だ、駄目……だっ」
「ん、仙石、いいぞ出しても。お前のなら、飲んでやる」
「い、いや、だっ……!馬鹿っ、だ、出す、もんかっ……あうっ」
「そうか?意地を張らなくていいのにな。ほれ、こんなに露が出てるぞ」
兵四郎は先走りを指で掬い、ぺろりと舐めた。
たまらなく淫らな行為を施され、真之介はますます赤くなった。
「……殿様っ!馬鹿、やろ……っ」
「じゃあ、こっちを使うか。痛まんよう、柔らかくしてやるからな」
「う、ふあっ、うわ、や、やめ……あぁ!」
兵四郎はまた露を掬い中指に塗り込めて、真之介の後ろにその指先を潜らせた。
探るようにわずかにうごめかせると、まだ狭い入り口はきゅうっとすぼまり、指を締め付けた。
「仙石、ひくひくしてるぞ。かわいいな」
「……こ、このっ、助平!へ、変なもん、いっ、入れんな、あぁっ……!」
「ふふ、まだ指だけだ。変な物はまだ、入れんよ」
「あっ、く……ぅ!はぁ、あ、との、さ……うあっ」
371:続・じゃじゃ馬ならし 前編 8/9
10/10/04 09:28:57 EPDpbx76O
兵四郎は一旦指を抜き、以前と同じように軟膏をたっぷり塗り付けた。
そして中指をあてがうと、止めようと腕に絡む真之介の手をものともせず、慎重にぐっと中に差し込んだ。
「あーっ!うぁ、や、やめろ、との、さまっ……!はっ、あ、あ……」
「もう入った。前より、入りやすかったな。動かすぞ」
「ひ、ああっ!や……だ、い、やだっ……殿様、と、のさ……ふぁっ」
軟膏が滑りを助け、指はちゅくちゅくと音を立ててまだごく狭い中を擦った。
兵四郎はふと思い付き、腰に締めたままの真之介の帯を空いた手で解いた。
纏った着物の前が開き、真之介の胸から平らな腹、そして息づく中心があらわになった。
青白い月明かりの中で、指を動かす度にしなやかに肢体が揺らめき、のけ反ってわななく様が見て取れた。
たまらぬ眺めに、兵四郎は引き締まった腰の線を唇でなぞり、指を増やした。
前よりもすんなりと入っていき、更に増やした指も後ろの口は貪欲に飲み込んだ。
「もう、三本くわえてるぞ。この前より、馴染むのが早いな」
「うっ、うる、せえ……っ!あぁ、あ、あっ、ふ……あ!」
「ん、ここか。ここが、感じるか?どうだ、仙石」
「う、あっ!あ、や……ひぃ、あぁっ、とのさ、ま……んあ、ああっ」
床に爪を立て、操られるままに悲鳴を上げる真之介の艶姿を見下ろして、兵四郎は熱くたぎるものを身の内に感じた。
372:続・じゃじゃ馬ならし 前編 9/9
10/10/04 09:30:37 EPDpbx76O
突いてやりながら、喘ぐ唇に吸い寄せられるように重ねかけると、真之介は兵四郎の顎を掴み口づけを阻んだ。
「な、なんだ、仙石。どうして止める」
「と、殿様……俺の、舐めたろ」
「それが、どうした」
「その口で吸われるなんざ、ご、ごめんだ……っ!」
「細かいことを気にするな。別に構わんじゃないか」
「いやだ、ぜ、絶っ対に、いやだ!」
兵四郎は苦笑しつつなおも唇を近付けたが、その顎を押さえた真之介は、顔を逸らして頑なに拒んだ。
大して身なりを気にしない癖に、意外に潔癖なところがある真之介に兵四郎は驚いた。
無理矢理にして本気で怒らせては、段取りが台無しになる。
だが高揚した身体は真之介の口を吸いたがっている。
どうしたものかと顔を上げると、祭壇の前に置かれた酒瓶が目に入った。
「仙石、ちょっと待っていろ」
「あ……っ!ふぁっ、とっ、殿様……!?」
指を引き抜き、兵四郎は立ち上がって真之介から離れた。
火照った身体を急に放り出され、真之介は驚き身悶えた。
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
またもやエロばっかりですみません。
全て仙石がかわいいせいなのさ……!
373:風と木の名無しさん
10/10/04 13:00:49 BptN+6QS0
>>364
若き日のシティーホール工事さんが目に浮かびますw
この調子で、「続続・じゃじゃ馬ならし」
「また又・じゃじゃ馬ならし」「新・じゃじゃ馬ならし」
なんてのも期待w
374:風と木の名無しさん
10/10/04 20:26:00 8mw7NqrlO
>>358
おぉ……。まさか電車待ちの続編が読めるとは……ありがとうございます!
今回も、めちゃくちゃ萌えました!
375:脱出0/2
10/10/05 01:13:48 cCh3cGyM0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| とあるゲームが元ネタ気付いても他言無用で
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 何気にネタバレしてるが気にしない
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ダッシュツシスギテうpヌシがコワレタ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
376:脱出1/2
10/10/05 01:15:41 cCh3cGyM0
「WELCOME…っと」
カチリと音がして、目の前の不思議な仕組みの木でできたカバの置物が口を開けた。
カバの口の中には一本の鍵が置かれている。
「よし、これが出口の鍵だな」
鍵を取りくるりと踵を反す。目の前の出入り口の扉を開ければ脱出完了。
最近はテレビでも知られてきた脱出ゲームだけど、流行る前から脱出ゲームに慣れていた自分には、テレビでは物凄く物足りないと、この部屋の主でもあるあいつに常々呟いていた。
そしてある日、あいつが僕にメールを送ってきた。
-大きな窓のある部屋に引っ越したから、遊びにおいで-
森が近くにある郊外の静かなログハウス。
『全部の仕掛けが解けるかな?』
そう言って、あいつはテラスの脇に車を止めて、脱出ゲーム用に改造した部屋の中に僕を閉じ込めた。
閉じ込められるのは何も初めてじゃない。
あいつの他にも、同じ様にリアル脱出ゲーム好きな人が何人もいて、その人たちに招かれては僕は部屋の謎を解いて脱出する。
極力部屋を汚さず、物を壊さず。スマートに脱出する。それが僕のポリシーだ。
そして、少し考えたけど、無事にこの部屋を脱出する事ができそうだ。と、そこでふと手に持った鍵を眺める。
「GETCOIN…?」
細い鍵の胴体に彫られている文字を見つけた。
もしかして、と思い再びカバの置物の前に立って仕掛けを動かすと、カバは再び口を開け、今度は金色のコインを出した。
「おめでとう、コインも見つけたね」
パチパチという拍手が聞こえて振り返ると、あいつが部屋の入り口に立っている。
「さぁ、テラスでアフタヌーンティでも如何かな?」
と、あいつがテラスを指すと、先程までは何も無かったテーブルにお茶の準備がされていた。
377:脱出2/2
10/10/05 01:17:37 cCh3cGyM0
いつの間にか辺りも暗くなってきて、あいつがついでにとディナーもご馳走してくれた。
外は寒くなってきたからと、昼間脱出した部屋に移動して、座り心地の良いソファーで飲みたかったワインを飲んでいたら、隣に座ったあいつの手が、僕の頬を撫でて顔を寄せてきた。
自然に僕は目を閉じて、あいつからのキスを受ける。
ワイン味のキスを繰り返しながら、あいつは僕の太腿に手を乗せてきた。
「全部の仕掛けを解いた御褒美」
太腿の手が、ズボン越しに股間を撫で回す。ああ、と声を上げると嬉しそうにあいつは、股間を揉みしだく。
「久しぶりだからもう勃起してきたね」
言葉にされて、僕はぎゅっと目を閉じた。
かわいいな、と囁かれながらズボンの前を暴かれ、下着の中に手を入れられた。
あいつのひやりとした手が、僕のペニスを掴んで直に扱き始める。僕は久しぶりに他人からされる感覚に頭を振った。
「あっ…いや…」
「嫌じゃないね、もうカチカチになって先走りも漏らしてる」
腰を浮かさせられて、ズボンも下着も足首まで引き下ろされる。その間も、あいつは厭らしい言葉で僕を煽った。
「こっちも触って?」
僕の手を取り、あいつの股間に導かれる。
膨らんだズボンの前に、僕の手は自然と膨らみを撫で、その下のあいつのペニスを思い出して唇を舌で濡らした。
「厭らしい顔」
僕があいつのペニスをズボンから引き出し、同じ様に扱くと、あいつは嬉しそうに言った。
378:脱出3/2
10/10/05 01:19:24 cCh3cGyM0
「一緒にイこう」
体を横に向け、お互いに荒い息を吐きながらペニスを扱き擦り付けあう。
ビクンと跳ねる程強い刺激に、あいつも声を上げる。
「あ、ああっ…イきそう、イく、ああ、あ、イく、イク!」
「イ、いく…イク…あ、ああ、ん、んん!」
ほぼ同時に僕とあいつはイった。
お互いの服が汚れたけど、僕の手の中のペニスはまだ熱く反り返っていて、イった余韻で体はすこしだるいけど、僕はあいつのペニスを頬張った。
「あ、おい!」
あいつの慌てた声が聞こえるけど、僕は構わずに亀頭をしゃぶりはじめる。
「御褒美をくれるんだろ?」
あいつを見上げながら問いかけると、あいつは満足そうに頷いた。
「いっぱいシてあげよう」
僕はフェラを止め、あいつの膝の上に登る。尻の間に宛がわれた熱に貫かれて、僕は何度も声を上げた。
-君がこの部屋から脱出できなければ、君を独り占めできたのにね-
間に囁かれたあいつの声が、酷く落ち着いていたのは、多分気のせいじゃない。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 色んな意味ではみ出ました
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
379:夜の中 1/5
10/10/05 02:27:17 YDnCkNcG0
生 ラクGO家 合点×焦点(灰)
薄暗い話
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
押さえた様に咳込む声を耳が拾う。その所為で目が覚めた訳じゃなかったけれど、重い瞼を持ち上げて、
ぼんやりとした視界の中で一番最初に気付いたのは、隣のベッドが空になっている事だった。
眼鏡、何処に置いたっけ。
手探りでベッドサイドを探って、指先に触れたそれを掛ける。
生活感のないホテルの部屋。真っ暗じゃないのは、カーテンが開けられているからだ。
起き上がりしなのシーツの摺れる音で、士のさんは漸く俺が目を覚ましたのに気付いた様だった。
「起こしたか?」
「んーん、勝手に起きた」
「ごめん」
「勝手に起きたっつうに」
窓際に設えられている、二脚のソファーと低いテーブル。その内の一つに腰掛けて、士のさんは
窓の外に広がる夜景を眺めながら煙草を吸っていた。横顔が何処となく寂しそうな気配を漂わせている。
また……なんかに捕まってんのかな。見てるこっちが身体に悪いんじゃないかと心配になる程考え込む癖を持ってる
士のさんは、時折眠れなくなるらしい。不眠と呼ぶ程頻繁ではなく、本当に時々らしいけれど。
「寝られなかったの?」
「そういう訳でもないんだけどな」
じゃぁどういう訳? なんて訊くのは野暮かな。
多分、思考をぐるぐるさせている内に寝そびれたんだろう。悩み事は一つじゃなくて、複合で襲ってくる。
症状が重なった風邪みたいに。だからって俺を起こす訳にもいかず、電気も点けずに独りでぼんやりしてたのかな。
馬鹿だな、起こせばいいのに。
380:夜の中 2/5
10/10/05 02:27:52 YDnCkNcG0
この人らしい妙な気遣いがおかしくて、ちょっと切なくて、感情が綯い交ぜになった微妙な笑いが零れた。
耳聡く聞きつけた士のさんが不思議そうに俺を見る。
「何?」
「いや、ちょっとね」
「変な奴」
「あんたに言われるとは光栄だな」
「俺が変だとでも」
「きついの分かってて壇士一門を選ぶマゾなんだから変でしょ」
「それもそうか」
「納得すんのかよ」
咽喉の奥で笑う士のさんの指先で煙草が静かに燃えている。
手応えがあるのかないのか今ひとつ図れない会話に、傍に行っていいのかも図れずに少し迷う。志のさんの纏う雰囲気が
拒絶してんのか触れて欲しがってんのか分からなかった。
起こしてくれりゃ良かったのに、と方向の違う八つ当たりをしたくなる。
そしたら、俺の事必要としてくれたんだなって分かるじゃん。普段分かり易い癖に、こういう時だけ読めないんだ。
考え事をしてたいんだったら、このまま大人しく寝直すけどさぁ。
窓の外は水槽の底を覗き込む様な深い夜。正確な時間は分からない。でも散々飲んだくれてそろそろ寝るかって
話になった時には完全に日付は越えていたけれど、空の感じからいっても、夜明けはまだ遠そうだった。
階層の高いこの部屋の分厚い窓硝子を通して入ってくる外の音はなくて、室内は静寂に保たれている。
士のさんを一人で置いて寝ちゃうのか、俺は。
つい先刻まで寝てたってのはこの際棚上げだ。この寂しい気配の中に志のさんを置き去りにするのは、何となく嫌だった。
「士のさん」
呼び掛けて、次の言葉が見つからない。士のさんはそんな俺を数秒の間黙って見つめてから、煙草を灰皿に
押し付けて揉み消すと小さく言った。
381:夜の中 3/5
10/10/05 02:28:27 YDnCkNcG0
「こっち、おいでよ」
「ん」
ほっとしながらベッドから降りる。つっかけたスリッパをぺたぺた言わせながら士のさんの横を通って
対面に向かおうとすると、手を引かれた。
見上げてくる目が無言でねだってくるけれど、自分から乗っかってやるのは気恥ずかしいから、何っと視線で返す。
士のさんはもう片方の手でぽんぽんっと自分の太腿を叩いた。やっぱり乗れってか。
人恋しかった癖にねだり下手さも、俺を起こしも出来ない気弱な優しさも、困った事にいとおしい。
惚れた方が負けだと口の中だけで呟いて、言いなりになるのは癪なんだけどって表情を作って膝の上に
横座りに乗った。腰に回った手がそっと抱き寄せてくる。
「これで良かった?」
「うん。ありがとな」
「あんたさぁ、甘えるんだったら最初から起こせよ」
「でもなぁ、お前、気持ち良さそうに寝てたし。見てて憎らしくなる位にさ」
「人の寝顔まじまじ見てんじゃねぇよ」
「見るだろ、そりゃ」
「だから見るなって」
あー、これって端から聞いたら完全に睦言のレベルだよな。俺、膝の上に乗っかっちゃってるし。
もたれちゃってるし。でも違うんだよねぇ。弱々しいシグナルを必死に拾う。
「見るってば。翔ちゃんさぁ……死んだみたいに寝てるし」
言いながら士のさんは僅かに唇を尖らせた。
馬鹿な想像してんじゃねぇよ……とは笑い飛ばせない。この人は置いてかれた人だから。
言ってから、しまったと士のさんは目を伏せる。晒すつもりがなかった言葉を聞かなかったフリは
してあげられなかった。
大体さー、士のっちが悪いんだよ。捨てられた犬みたいな顔すんだもん。だたでさえデフォルトが疲れてる人だし、
ちょっと考え込んで目を伏せただけで、何かに憂いてるみたいに見えるし。実際寂しくなっちゃってるみたいだし。
382:夜の中 4/5
10/10/05 02:28:59 YDnCkNcG0
手のかかるおっさんだな、ほんと。
いつもなら撫で付けられてる前髪が今は軽く降りているから、指先でそれを払って額に唇で触れる。立ってりゃ
俺の方が十センチとちょっと背が低いけど、この体勢なら頭ごと抱いてあげられる。
髪を抱きながら、こめかみに、瞼に。ゆっくりと触れていくと、士のさんがぼそりと呟いた。
「……お前に優しくされんのに慣れてないから、ドキドキするわ」
「やめようか?」
「いや、やめないでよ」
「だったら喧嘩売んなよ」
目を眇めて顔を覗きこんだら、ごめんって笑う。軽く上げられた顎。唇が合わさるまでの数センチ。夜の中に
閉じ込められても、俺も士のさんも素直じゃない。駆け引きというには足りない間は、どちらから仕掛けるのかの
探り合いだ。
そんな事しても何の意味もないのにね。手の内というならば、とっくに晒してしまっている。
だったらこの何秒かも勿体無くて、自分から唇を重ねた。
啄ばんで、啄ばまれて、徐々に時間をかけていく。お互いの薄い皮膚が同じ体温になるまで、ゆっくり、ゆっくり。
腰に回ってる士のさんの手に少しだけ力が入る。逃げないよ。俺だってこうしていた。混ざり合う体温の中に、
士のさんの不安も溶けちゃえばいいのに。臆病で不器用なこの人は、心の中にある憂慮を曝け出せやしない。
人当たりの良いフリをしてるのにね。今俺の前で少し泣きそうな顔になったのは、この人が俺を自分のテリトリーに
入れているからだ。だからね、いいよ。あんたの気の済むまでこうしてる。離れない、傍に居る。口に出しては
言わないけれど、伝わってるって知っている。朝になりゃ、きっと何もなかった顔をして笑うんだろう士のさんが
預けてくれた弱い部分を、出来るだけ優しく抱いてやりたい。
掠れた声で士のさんが言った。
「俺……何でお前とこうなれたんだろう、って、時々考えるよ」
「それって良い意味? 悪い意味?」
「俺には良い意味。お前にゃ……どっちだろうな」
383:夜の中 5/5
10/10/05 02:29:30 YDnCkNcG0
以前、高座の上で冗談めかして言われた言葉がある。『翔ちゃんの婚期が遅れているのが私の所為だというのは、
分かっているんですけれど』。そりゃそうだよね。でもあんたの所為じゃないんだけどな。
余計なもの背負い込んでんじゃないよ。馬鹿だな。俺が決めたんだよ。反論は山程湧いたけれど、
どれもこの人にぶつけても仕方がないものだ。言った所で背負ったものは軽くならない。
必要なのは反論じゃない。
こつりと額をぶつけて目を覗き込んだ。夜の闇を溶かし込んだみたいな真っ黒な目には俺だけが映っている。
「好きだよ、あんたのそういらないものまで自分のみたいに考え込んで早死にしそうな所も含めて」
「後半余計だろ」
「だからまぁ勝手に考え込んでくれてていいんだけど、後悔する日がきたら自分でやるから、あんたは
手出ししないでよ」
「……うん」
「士のさん、すきだよ」
これ以上余計な事を言わせない様にと、もう一度口づける。
落語の世界なら望めば烏が鳴いて夜明けを連れて来てくれるんだろうけど、分厚い窓硝子はその声を通さない。
カラスカァでは夜が明けない。烏に押し付ける気もなかったけどさ。
淡いままのキスを繰り返しながら、この時間をたゆたう。切なくても、寂しくても、士のさんとなら構わない。
だから二人、夜の、中。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
合点の発言は本当に言ってた。
普段の仲良しっぷりには本当にnrnrしてしまう。けしからんもっとやってください。
384:続・じゃじゃ馬ならし 後編 1/8
10/10/05 08:54:41 //U3ZXmhO
>>372の続き、20年位前の時代劇「参匹がKILL!」より、素浪人の殿様×仙石。エロありです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
兵四郎は酒瓶を手に取り、耳元で振った。
かすかに水音がしたので、口を付けて傾けた。
わずかに残っていた酒が流れ込み、口内を隈なく濯いでから飲み込んだ。
空の瓶を置いて戻り、荒く息をつき横たわる真之介の身体と頬を、優しく撫でた。
暖かい掌の心地良さに、真之介はほうっと甘い吐息を漏らした。
「仙石、まだ少し酒があった。口を濯いで消毒したから、いいだろう?」
「……本当か」
「本当だ。ほら、匂いがするだろ」
吹き掛けられた息には、確かに強い酒の香りがした。
「お前の味はもうしない。なあ、だからいいだろう、仙石」
「だ、だから、味とか、言うなっ」
「吸ってもいいか?」
「……勝手にしろっ」
許された兵四郎は真之介の顔を両手で包み、嬉しそうに口づけてきた。
同時に広がった酒の味と、絡められた甘い舌にくらくらとしながら、真之介は兵四郎の口づけに応えた。
兵四郎はねっとりとしつこく丁寧に口内をなぶり味わいながら、両手を真之介の脚にかけて大きく開かせた。
かたわらに放っていた真之介の袴を丸めて、腰の下に差し入れ浮かせた。
名残惜し気に唇を離し自分の袴を下げて、痛い程たぎった高ぶりを取り出した。
入り口をつつくと、真之介は身をよじった。
兵四郎は笑って、軟膏を自身に塗り付けた。
385:続・じゃじゃ馬ならし 後編 2/8
10/10/05 08:56:09 //U3ZXmhO
「真之介、俺が欲しいか」
「……っ、く、くだらんこと、聞くなっ」
「ふふ、そうは言っても、こっちは素直だぞ。いい子だな、今、入れてやる」
「ばっ、ば……かっ!う、あっ!は、あ、あああぁっ……!」
淫らにうごめく口を指で押し広げ、兵四郎はぐぐっ、と突き入れた。
灼熱の杭はじわじわと侵入し、真之介はその熱さと太さをまざまざと感じた。
「はあっ、ん、ああっ、との、殿様……ふ、あ、あっ」
「真之介、相変わらず熱いな。ぴたりと吸い付くようで、気持ちがいいぞ」
「くぅ、うるっ、せえ……!ひ、あぁ!うっく、あ……ふぅっ」
両脚を肩に担ぎ、深く繋がったままで、兵四郎は罵倒する唇をまた塞いだ。
手は胸や担いだ太股を摩り、馴染むまであらゆる場所に愛撫を与えて慰めた。
やがて内壁は兵四郎に纏わり付き、締め上げ始めた。
真之介の変化にほくそ笑み、兵四郎は緩やかに抜き差しを始めた。
「あっ、ま、待て……うあっ、はぁ、あぁ……はぁあっ」
「真之介、気持ちいいか?俺はもう、とろけそうだ」
「ふぅ、く、あっ、との、さ、ま……あっ、あ、ひぁ、あっ!」
くぷりくぷりと音を立てて突かれる度、真之介は細かく高いよがり声を上げた。
力が入らない手の指に指を絡めて床に縫い付け、兵四郎は上から突き刺すように真之介を甘く責めた。
小刻みに腰を動かしながら、震える唇や首筋を吸い舌を這わせた。
爛れるような悦びに涙を浮かべた真之介はもっと快楽を欲しがって、兵四郎の動きに合わせて疼く秘所に力を込め締め付けた。
386:続・じゃじゃ馬ならし 後編 3/8
10/10/05 08:57:12 //U3ZXmhO
「ああ、真之介、なんて具合がいいんだ。極楽に、いるみたいだ……ふうっ」
「あ、ひっ、あふぅっ、殿様、も、もっと……あっ、んあ、は、んんっ」
「真之介、兵四郎だ。兵四郎と、呼んでくれ」
「あぁ……あっ、へ、へい、し、兵四郎っ……んっ、へいし、ろ……」
「もっとだ、もっと呼んでくれ、真之介……!」
早められた突き上げにがくがくと身体を揺さぶられ、恍惚となった真之介はひたすらよがって鳴いた。
頭には霞がかかったように何も考えられず、耳元で告げられた兵四郎の願いに素直に答えた。
名前を呼ばれて喜びに溢れた兵四郎は、ますます優しく激しく真之介を貪り快感を与えた。
「ふぁあっ、あぁ、へ、兵四郎……も、うっ、もう……あうっ」
「んっ、真之介、出そうか?」
「あっ……で、るっ、もう、出る……あぁ!」
「わかった。お前の手ぬぐいを、借りるぞ」
「うぁっ、あ、くぅあっ、あ、ああぁー……っ!」
「う、しん、のすけ……!」
兵四郎が前を手ぬぐいで包むと同時に、真之介はその中に欲を放った。
急激にきつく締め上げられた兵四郎は低く呻き、抜く間もなく真之介の中で達してしまった。
最奥に叩き付けられた兵四郎の熱いほとばしりを感じ、真之介はびくびくと身体を跳ねさせた。
肩から脚を下ろした兵四郎は、真之介の残滓を拭き取り、衝撃にぶるぶると震える身体を繋がったまま抱きすくめた。
「あ……あっ、はぁ、はっ、うぅ……」
「真之介……大丈夫か?」
「と、殿様……よくも、な、中で、だっ、出しやがったなっ……」
「うん、咄嗟に抜くことが出来なかった。許せ。だがそれもこれも、お前があまりにも絶妙に締め付けるからだ」
387:続・じゃじゃ馬ならし 後編 4/8
10/10/05 08:58:08 //U3ZXmhO
「……お、俺のせい、だってのか!」
「まあ、半分はそうなるな」
「て、て、てめえ……くそ!離せっ、離れろ、殿様!」
「いや、もうちょっとこのままでいさせてくれ」
怒りにもがく真之介を押さえ付けて、兵四郎は笑ってまた抱きしめた。
真之介は逃れようと下から身体を押したが、動くと中の萎えたものが存在を示すことに気付き、抗いを止めた。
おとなしく抱かれる真之介の髪や頬に口づけ、兵四郎は取り出した自分の手ぬぐいで彼の汗を拭いてやった。
真之介はうっとりとされるがままになっていたが、貫かれたものがやはり気になり、兵四郎に小声で催促した。
「……おい、殿様。もうよかろう」
「ん?何がだ、仙石」
「何がって、その、なんだ、いい加減……ぬ、抜けよっ」
「あー、これか」
「あーじゃない。終わったんだから、さっさと出てけ」
「またそんな、つれないことを。俺はもうちょっと、お前の中を味わっていたいんだがなあ」
心から残念そうに呟くと、兵四郎はまた真之介を抱きしめた。
「なんなら、朝まで繋がっていたいくらいだ」
「……またぶん殴られてえのか、殿様」
「いやいや、それは勘弁してくれ。わかった、わかったよ、仙石」
兵四郎は笑うと名残惜し気に身体を離し、真之介の身体を床に横たえさせた。
「じゃあ仙石、抜くぞ」
「……んっ、う、うぅ……っ」
「ふふ、抜く時もかわいい声を出すんだなあ」
「う、ば、馬鹿……!」
兵四郎はからかいながら、ゆっくりと自身を引き抜いた。
去っていく感触に眉根を寄せ、真之介は長い息を吐いた。
388:続・じゃじゃ馬ならし 後編 5/8
10/10/05 08:59:05 //U3ZXmhO
兵四郎は抜いたものを懐紙で拭うと、袴を上げて着衣を直した。
真之介も着物の前を合わせて中心を隠し、かたわらに散らばっていた帯と着衣を引き寄せ掴んで、上体を起こそうとした。
「待て待て、仙石。まだ、着ちゃいかん」
「あ?なんでだ」
「俺の出した物が、中に入ったままじゃないか」
「……っ!」
確かに気を緩めると中から零れそうで、抜かれてからは身体を引き締めていた。
指摘されて、真之介の赤い顔に更に血が上った。
兵四郎は真之介に向き直り、帯と袴と下帯をその手から取った。
「仙石、そのまま横になっていろ。中を綺麗にしてやる」
「……い、いいっ!殿様、そんなこと、しなくていい!」
「そうは言っても、気が落ち着かんだろう。遠慮せず、任せておけ」
「遠慮なんか、してないっ。わ、わかった、自分でやるから、ほっといてくれ!」
「だが、自分じゃやりにくかろう。俺が出したんだ、後始末を付けてやる」
「や、やめろったら、こら、触るなっ」
合わせただけの裾をめくろうとする手を抑え、真之介は泡を食って喚いた。
これ以上不様にいじられるのは御免だと、力が入らない身体をよじって抗った。
兵四郎はふうっとため息をつき、着物から手を離した。
諦めてくれたかと安堵した途端、被さるようにきつく抱きしめられ、床にまた倒された。
「こら、おいっ、と、殿様……!」
「真之介……あまり、暴れて煽るな。また、抱きたくなる」
「な、なっ……!」
「嫌がるお前を見てると、どうも俺は、余計に可愛がりたくなって困る。だから頼む、おとなしくしておれ」
389:風と木の名無しさん
10/10/05 10:18:41 GEZ0rZaxO
規制?
不必要かも支援
390:続・じゃじゃ馬ならし 後編 6/8
10/10/05 12:12:45 //U3ZXmhO
>>389様、ありがとうございます。規制くらって時間置いてました。
続きです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
甘く優しい声で脅されて、真之介はびくりとわななき、逆らう動きを止めた。
くたりと身体を預けた真之介の髪に、兵四郎はそっと口づけた。
真之介の身体が冷えることを心配した兵四郎は、着物を纏わせて帯を締めてやり、裾を捲り上げ下肢のみをあらわにさせた。
開かせた脚の間を見つめ、探るように指を差し入れた。
「うーん、よく見えんな……仙石、明かりを点けていいか?」
祭壇の蝋燭に目をやりながら訊くと、真之介が怒鳴り付けて来た。
「……やめろ、絶対点けるな!点けたら、斬るぞ!」
「斬るとはえらく、物騒だなあ。わかったわかった。じゃあ、おとなしくしててくれよ」
「うるさい、さっさとやれ……っ、う、う、くっ」
広げた懐紙の上に丁寧に掻き出し、手ぬぐいで拭いてやる間、仰向けの真之介は目を腕で覆い、声を殺して恥ずかしさに耐えていた。
指が動く度に震える真之介を、兵四郎は愛らしく思った。
冴えた月の光の中に浮かぶ無意識なその媚態は、たまらなく煽情的に兵四郎の目に映った。
「やはり、煽られるな……」
聞かれぬよう小さく呟くと、ほのかに感じた熱を抑え、真之介の身体を清めてやることに専念した。
明け方の冷気に顔を撫でられ、目を覚ました。
左肩を下にし大刀を抱いて横たわった真之介は、身体に暖かな重みを感じた。
肩に目をやると、逞しい腕が自分を包むように回されていた。
真之介のすぐ後ろに寄り添って横になり、兵四郎は眠っていた。
起こさないように腕をそっとどけ、真之介は起き上がった。
391:続・じゃじゃ馬ならし 後編 7/8
10/10/05 12:14:14 //U3ZXmhO
左腕を枕にして胸に刀を抱き、すやすやと寝息を立てる穏やかな寝顔を、胡座をかいた真之介はじいっと見つめた。
その頬に触れようと、ふと手を伸ばしかけてやめた。
手を握りしめて戻し、その甲を唇に当てた。
しばらくまた眺め、やがて真之介は笠と刀を掴み立ち上がった。
ぱたりと扉が閉められてから、兵四郎は目を開けた。
身体を起こすと、真之介に触れていた右腕を摩った。
そこにはまだ、彼の温もりが残っていた。
「逃げちまったか……まあいい。また、捕まえてやるさ」
扉を見やって兵四郎は笑い、立ち上がってうぅんと大きく伸びをした。
林を抜けた眼下に小川を見つけ、真之介は岸に降り立った。
しゃがみ込んで水を掬い、口を濯ぎ喉を潤してからぱしゃぱしゃと顔を洗った。
濡れた顔を拭こうとして腰に手をやり、手ぬぐいを置いてきたことに気付いた。
仕方なく袖を掴み、ごしごしと乱暴にぬぐった。
「くそ、手ぬぐいを新調しなくちゃな……ふん、いいさ。金はそのうち、あいつから取り立ててやる」
ひとりごちてから、ふと水面に映る自分の顔に目をやった。
どこからどう見てもむさ苦しい男なのに、兵四郎は何がよくて自分を抱くのか。
ただ一度きりの悪ふざけだと思ったから、あの夜真之介は兵四郎の頬を張ったことで、全て終わらせたつもりになっていた。
だが兵四郎はお前がかわいいだの、欲しいだのと告げ、言われた側の戸惑いや抗いなどものともせず、再び熱く激しく丹念に愛撫を与え真之介を抱いた。
この身を貫いた時、極楽にいるようだとまで言っていたが、あれは本心から出た言葉のようだった。
392:続・じゃじゃ馬ならし 後編 8/8
10/10/05 12:15:53 //U3ZXmhO
元来が嘘をつくような男ではない。
かと言って、柔らかい女の身体を差し置いて、真剣に自分なぞに夢中になるとも思えない。
しかし兵四郎はあくまでも優しく、まるで惚れた女にするが如く、真之介を扱うのだ。
あの男の気持ちが、真之介にはわからなかった。
しかめっ面の真之介はため息をひとつつくと、水に映った自分の顔に握り拳を打ち込んで画像を乱した。
「考えてもわからんことを、いくら考えたってしょうがねえ。なるようになれだ、うん」
また呟くと、腰を上げた。
小川を跨いで対岸の斜面を昇り、しばらく行くと道らしきものを見つけた。
ほっと安堵し、道を歩き始めた。
とりあえず歩け、歩くことだ、俺には今それしかない、と真之介は心中で自分に言い聞かせた。
朝焼けの空はピンクと青のまだらに染まり、朝の空気は爽やかに真之介を包んだ。
「それにしても……腹減ったなあ~」
彼方を見つめてぼやくと、懐に突っ込んだ手でへこんだ腹を摩り、ざくざくと足音を立てて歩き続けた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
天然無邪気攻め殿様バンザイ!(・∀・)
貴重なスペースありがとうございました。
393:風と木の名無しさん
10/10/05 21:44:00 MZYqwwC+0
>>392
ありがとう!つるっつるにハゲ散らかした!!
もうほんとセリフも、「言うよ、こいつら絶対このシーンでこういうセリフ言うよ!」
ってカンジで萌え転がりました
そして密かに 続々 待ってますw
394:コーヒーを一緒に・・・4 1/10 ◆CPu0lwnplk
10/10/05 21:46:09 wo79uWA20
闇金ウシジマくんで戌亥×社長前提の柄崎×社長です。小悪魔(魔王様)誘い受け、媚薬物でエロありです。ツンデレ気味。>>297の続きになります。レスして頂いた
方、ありがとうございました。エロに気合いを入れたら長くなってしまいました。あと一回で終わりますなんて書きましたが、今回ともう1回で完結ですorz
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
丑嶋に顔の上を跨がれ、見上げた柄崎は息を飲んだ。長身の丑嶋は背中を丸め跨っているので、柄崎の目の前には引き締まった見事な体躯の中でも、普段はひた隠しにさ
れた恥部の大半が薄い下着の中に詰っているのだ。
はやる気持ちを抑えつつ、人差し指を下着に掛けると視線の妨げにならない所まで下げる。下着を下げさせると、風呂上がりであろうが少し蒸れていたのか、丑嶋の裸体
に張り付く事を許された憎らしい布にせき止められていた汗の匂いが香った。
初めて見る秘められた肌は、夏場でも露出しない為に白い。適度に脂肪のついた尻たぶの左右の丸みは、中央にある谷に向かって絶妙な曲線を描いている。その曲線の行
きつく先にある尻の谷間には放射線状に皺の寄った小さな後孔が見える。後孔は尻の中でも一際色が濃く、肌色に茶色を混ぜたような色だ。まるでそこだけ日焼けしたよう
な感じで、キュッと窄まった感じなのに、色濃さが却って存在を際立たせている。
視線を徐々に下の方に移動させると、後孔と睾丸を繋ぐ道のような蟻の戸渡りがある。皮膚内部から盛りあがった部分は男にとっては性的に弱い部分で、大概の男は圧さ
れたりすれば生理的に勃起してしまう。蟻の戸渡りには細い体毛が生えている。体毛の太さや硬さはないが、それなりに密集して茂っている。
そして、蟻の戸渡りから更に視線を下げると二つの睾丸がある。サイズは並みだが、中身の詰まっていそうな張り具合を見ていると、想像したくもない事なのだが、とて
も数時間前に戌亥とセックスをし、中身を排出したとは思えない。
395:コーヒーを一緒に・・・4 2/10 ◆CPu0lwnplk
10/10/05 21:48:49 wo79uWA20
更にその下には性器がぶら下がっている。四つん這いになっているのでどれ程硬く反り返っているのかは分からない。だが、先端が微かに濡れていて、竿には血管が浮か
んでいる。太い幹をした木にシダ植物が絡みつくように見えるので、勃起していることは間違いない。
柄崎は以前から丑嶋とセックスすることを夢想していたりしていたし、以前に自分の性癖を確かめる為にゲイビデオも見たことがあった。だが、こうして実際に同性の生
殖器や排泄器官を目の当たりにするのは初めてだった。いくら丑嶋が相手でも、自分についている物と同じ物を目にすれば心が折れるかと最初は思っていた。
ところが、柄崎は丑嶋の恥部に性的魅力を感じこそすれ、嫌悪感は何もない。特に排泄器官である後孔には、今から自分が侵入する部分だと思うと愛しさを感じるほど魅
力的に感じるから不思議だ。
見れば見るほど、後孔は果たして男の物を受け入れる事が出来るのだろうか、と疑わしくなるほど小さく頑なにすぼまっている。無茶をしては壊してしまう。優しくせね
ばならないし、先程丑嶋が言っていたように自ら潤滑油となる液体を出してくれないので濡らさねばいけない。
けれど、まさか今日丑嶋とこんな事が出来るなんて全く予想もしていなかったので、何か準備がある筈もない。今よりもっと若い頃には財布の中にお守りのようにコンドー
ムを忍び込ませていたものだが、近頃は入れていない。使わない、というわけではないのだが、相手がプロでお店側が用意してくれることばかりなので用意する必要もない
と言ったところか。
考えてみれば、あの風俗店の店長も媚薬なんて大層な物をくれるならば、もう少し気を回して他の物もセットで付けてくれればよかったものを。媚薬が本物ならば、当然
のことながらローションとコンドームはセットで構わんだろうに。そういう心遣いが出来れば、あの店も女の子だけではなく店側のサービスも良いとされる優良店になれる
だろう。
柄崎は目の前が絶景のあまり、若干クラクラして現実逃避している。そんな場合ではないが、実際問題準備もないのに、これからどうしたら良いのか分からないのだ。
396:コーヒーを一緒に・・・4 3/10 ◆CPu0lwnplk
10/10/05 21:50:57 wo79uWA20
勝手がわからない柄崎と違い、慣れている丑嶋は「跨げ」などと偉そうに命令したものの、戸惑うばかりの柄崎に再び焦れて来た。
本当なら、こんな間抜けで卑猥な恰好なんてしたくない。でも、あの従順な柄崎が珍しく過激な命令をしてきたのだ。命令されて従う屈辱感とは別に、見せているいう快
楽が生まれつつある。
丑嶋は潔癖症で性的なことにはあまり興味がないように見える。潔癖症なのは否定しないが、性的な事には人並み以下だが興味がある。
普段そういう部分を見せてしまえば、利用されたり弱みになることもありうるので出さないだけだ。しかも感情表現が苦手で、ある意味不器用な丑嶋にとっては、今のよ
うなセックスでの状況では自分の生の部分が曝け出しやすくなる。おまけに相手は柄崎だ。ある程度素直に接せれるので、気持ち良いことが出来るならば多少の羞恥心も抑
えられるというものだ。勿論、羞恥心の大半は残っているが。
それなのにも関わらず、柄崎はちっとも動いてくれない。丑嶋は戸惑う柄崎を奮起させる為、眼前で興奮の証を噴き出す性器をパックリと口に咥えこんだ。
「うくっ、社長ぉ・・・!」
突然敏感な部分に刺激を加えられ、柄崎は寝たままで自分の腹の方に目を向けた。ふくよかな唇に自分の性器の亀頭まで入っているかと思うと、すぐに反り返った性器は
根元までズッポリとふくよかな唇に飲み込まれていった。温かい口内に入りきったかと思うと、次の瞬間には滑らかな舌が亀頭に絡みついて来るのが分かる。
「おっ、お!」
全てを生暖かい粘膜に包まれ、先端や雁首や亀頭全体を張りと潤いのある舌に弄ばれる。69の体制に入る前にもフェラはしてもらったが、先程の竿を唇で扱かれた時の
暴れたくなるような強い刺激とは違い、亀頭のみを重点的に責められるのは全身が泡立つような刺激だ。異なる快楽を器用に与えてくれる丑嶋は途轍もなく卑猥だが、やは
り少しは羞恥心が残っているらしい。溢れ出て来る自分の唾液とカウパーを溢してはしたなく見せたくないらしく、時折口をキュッとすぼめている。
397:コーヒーを一緒に・・・4 4/10 ◆CPu0lwnplk
10/10/05 21:51:48 wo79uWA20
「社長、触りますよ?」
羞恥心と淫らな欲望に自らを放り込んだ丑嶋に煽られ、柄崎はやっと自分も手を動かしだす。
まずは、とドキドキしつつも、人さし指一本で尻の谷間にある皺に囲まれた後孔に触れた。
「んんっ」
いきなり肝心な部分を触られ、丑嶋が息を詰める。最初からそこを触られるとは。まずは、性器からだろうと思っていたので、反射的に声が漏れてしまった。物を咥えて
いるので抗議は出来ない。また、せっかく柄崎が動いてきたので気持ちを萎えさせるような事はしたくないのだ。
口を動かした事で、口の中から溢れないように溜めていた液体が、声と共に竿と唇の間から泡立ちながら出てしまった。丑嶋は出来る限り汁をすすった。
「ここに、俺のが・・・」
柄崎は一度深呼吸をすると、指で後孔を押してみる。ちょうど指の腹の中央に当たる部分がへこんでいる。ここが穴だ。今一度場所を確認すると、普段は内側から排泄す
るために盛り上がる筈の後孔に外から指をめり込ませていった。
「・・・っ!あっ、おおっ」
丑嶋が小さく悲鳴を上げる。指は第一関節まで入ったが、そこまで入ると直腸壁が異物の侵入を防ぐ為に指を頑なに締め付けてきて入れなくなってしまった。硬い肉が哀
れで、指をゆっくりと抜いた。
未開の地ではないのだが、どうしたら奥に入れるのだろうか。やはり潤滑油が必要不可欠なのだろう。だが、濡らせる物なんて唾液位しかないではないか。
「・・・そうか」
独り言を呟くと、柄崎は丑嶋の腰に腕を回し、腹が胸につきそうになるまで屈ませた。尻は柄崎のすぐ目の前にきて眼を楽しませてくれる。
398:コーヒーを一緒に・・・4 5/10 ◆CPu0lwnplk
10/10/05 21:53:25 wo79uWA20
下半身を密着させられたことで自然と上半身も下がり、口に入っていた性器はそれこそ根元まで丑嶋の口の中に治まった。先端が喉の奥を塞ぎ、流石に苦しげな声を出す。
しかし、柄崎は丑嶋の苦しげな声を聞いても動きを止めず、腰を屈ませたまま丸い尻たぶに手を這わせる。弾力のある尻を数度揉み、質量を確かめつつ、尻たぶを左右に
割り開いた。
「くっ、はっ、えふぁき、ひゃめろ・・・」
根元まで咥えたまま丑嶋が抗議をした。頭を振って後ろを振り返ると、縁のない眼鏡がずり下がって落ちそうになった。
柄崎は嫌がおうにも尻から手を離さずにいる。69の体勢でいるので、互い違いの視線では自分の尻が柄崎の顔のどれくらい近くかは丑嶋には分からない。だが、後孔に
吐息が噴きかかっていることから察するに、ほぼ尻に顔を埋められるそうな距離にいるのが感じとれた。
「濡らしますね」
排泄する為の部位を舐めるのは躊躇うが、自分一人が勝手に突っ込んで勝手に射精するセックスでは意味が無い。丑嶋にも感じてもらいたい。お互いに気持ちがいい思い
をしたい。ただそれだけが願いで、同性とのセックス初心者は覚悟を決め、後孔に唇を付けて舐めはじめた。
「うぁ、あぁ・・・」
丑嶋は後ろを弄られるのは初めてではない。だが、流石には舌で愛撫されるのは初めてだ。ただでさえ見られたり触られたりするのが苦手だと言うのに、そんなことをさ
れては羞恥心で暴れてしまうかもしれない。丑嶋は口で言ってもダメならば、腕の一本でも折ってやる覚悟で怒声を上げようと性器を吐きだした。
399:コーヒーを一緒に・・・4 6/10 ◆CPu0lwnplk
10/10/05 21:54:09 wo79uWA20
「っ、おぉお、お・・・」
怒声を上げようとしたが、意に反して漏れたのは紛れもなく快楽の喘ぎ声だった。柄崎の舌が後孔の周りの壁に刻まれた皺の一つ一つに唾液を塗り込めながら動き回ると、
身震いするほどの強烈な快楽が湧き上がってくる。本来は性感なんてろくにない部分ではあるが、後ろは最も感じる部分だと慣らされ、開発されたおかげで、下手をすれば
性器よりも感じやすくなってしまっているかもしれない。
「おぁ・・・、うっ」
舐められる度、次々と溢れだす快楽が身体と頭を支配していき、次第に羞恥心は圧倒されていく。
暫く舌を動かす柄崎だが、やがて舐めるのにも飽きたのか、舌の先端が後孔に少しだけめり込み入口を解そうと動いてくる。入口が濡れると、続いては舌全体が直腸壁を
刺激しながら入ってきた。
予想もしていなかった侵入に四つん這いになった太ももが震えながら閉じてきて、ゆっくり閉じた太ももは柄崎の顔を挟み込んで止まった。
「はぁっ、うー・・・」
気持ち良い。もっとして欲しい。指でされる前戯も気持ち良いが、舌がナメクジのような軟体動物じみた動きで中で動くのが堪らない。指よりも格段に短い舌では内部で
一番敏感な前立腺には届かないが、慣れないムズムズした感じに内部も疼き、舌の動きに合わせて腰が揺れてしまう。
最早柄崎にフェラチオをする余裕もなくなってきて、頭に浮かぶのは後ろで感じる様に開発した戌亥と、只今舌での愛撫を植え付けてくる柄崎への恨み事だ。何でこの自
分がこんなに翻弄されなければならないのか。俺を誰だと思ってんだ、と低い声で柄崎を脅してやりたくなるが、舌で後孔をほじくられて感じてしまっているのは、柄崎に
は分かりきったことだろう。何故なら、仰向けに寝た柄崎の顔が尻に埋まる位に屈まされているせいで、丑嶋の性器は柄崎の胸のへんにべったりくっ付いているからだ。
400:コーヒーを一緒に・・・4 7/10 ◆CPu0lwnplk
10/10/05 21:54:59 wo79uWA20
柄崎のくせに、柄崎ごときが、このうんこ野郎が、と内心でらしくない程子供っぽく毒づく。自分はいつでも冷静沈着で斜に構えていなければならないのに、と悔しくな
る。顔には出さずに器用に心の中だけで動揺する丑嶋を、柄崎はたった舌一つで冷静に丑嶋の性感を揺さぶり、翻弄する。いつだって翻弄するトリックスターは自分の筈な
のに、柄崎は長年望んでいたであろうこのような場面でも全然動揺していないのだろうか。
「ぉ・・・、あ、あー・・・」
もう少しで後ろを舐められるだけで射精してしまうかもしれない。それだけは避けないと、と丑嶋は性器が触れている柄崎の胸に腰を押し付けた。性器を刺激する為では
ない。痛いように潰し、少しでも萎えさせる為だ。
ギュッと押しつけると、丑嶋はハッとした。丑嶋の性器は浮かんだ血管が今にも切れそうに血液を巡回させていて、ビクビクと震えている。そして、性器をくっ付けた柄
崎の胸板からも心臓の鼓動が伝わってくる。鼓動はとても速い。つまり、丑嶋だけでなく、夢中になって丑嶋を攻めているので余裕があるように見えたが、柄崎は緊張と興
奮で胸が張り裂けそうな程になっているということだ。
柄崎の緊張が分かると、丑嶋の中に新たな火照りが生まれた。余裕なんて互いに無いのだ。互いに欲しいのならば、与えあってしまえば良い。丑嶋は震える自分の体を持
て余しつつも、今にも落ちてしまいそうな眼鏡を掛け直した。
「ん、ああ」
大きく口を開る。そして折角塗りこんだ唾液が渇きかけた柄崎の性器を咥えこんだ。
「あっ、あっ!」
柄崎は息に詰まり、舌の動きを止めた。せっかく丑嶋が喜んでくれているのに行為を中断したくはない。だから必死に行為を再開しようとしたが、お返し、とばかりに激
しく見舞われる快楽には敵わない。
401:コーヒーを一緒に・・・4 8/10 ◆CPu0lwnplk
10/10/05 21:56:00 wo79uWA20
「そんなにしたら、あひっ、出ちまいます・・・!」
竿が震え、粘っこいカウパーが出初めてしまい、柄崎は素早く腰を引いて丑嶋の口から引き抜こうとした。
しかし、丑嶋は勢いよく引き抜かれる性器を離すまいと口を閉じた。引き抜く力と、離すまいとする力が摩擦を生む。しかも、急に口を閉じた事で加減が分からず、敏感
で大事な部分に歯を立ててしまった。
「ぎゃっ、ううっ!!」
竿の根元から先端まで前歯で擦られ、皮膚が焼けるような痛みが起きる。痛みは激しく、萎えるよりも強い刺激となる。口から抜け切ると、傷ついた竿の部分に外気が当
たり、瞬間だが確かな痛みが襲いかかった。
「あっ、はあぁ・・・」
快楽よりも強い決定打を受け、柄崎は射精した。全身が大きな脈動にのたうち、大量の白濁が放出される音まで聞こえた気がした。
やがて潮が引くように快楽の波は急激に降下していった。
「はあっ、ふぅっ、ふううっ、うー」
思いっきり射精して、少し冷静になってしまった柄崎がぐったりとしていると、上に乗っていた丑嶋が体を動かして振り向いた。
「う、わぁあああ・・・」
丑嶋の顔を見た柄崎はうめき声をあげた。眼鏡にはべったりと白濁が付着していて、右側のレンズはほとんど覆われて見えなくなっている。口はぽかんと開いて、そこか
ら零れ落ちる粘液はだらしなく下に零れ落ちている。いつもの知的さと冷轍さと凄味は一切ない。まるで安っぽいAVのパッケージのような姿になってしまっている。
402:コーヒーを一緒に・・・4 9/10 ◆CPu0lwnplk
10/10/05 21:56:45 wo79uWA20
陳腐で使い古された姿だが、あの丑嶋がやるとなると極上の姿になる。つい先程まで波が引いていた柄崎だが、見ているだけで、下に垂れていた性器が手を添えなくても
ヘソに向かってグッと上って行く。
丑嶋は顔面に白濁を浴びせられたことにショックと怒りを覚えたが、むせかえる様な濃い匂いを顔一杯に浴び、目の前で瞬く間に復活した性器を見ると下半身がジンと熱
くなってしまった。これから起こることに対する期待が猛々しく勃起した性器を見るほど高まる。この長いのが体の奥底の肉を抉り貪るのかと想像すると、理性に縛られて
いる今の状態が馬鹿らしくなってくる。
最早自分の欲を満たすことを優先しよう。そう決めた丑嶋はほぼ白濁に覆い尽くされてしまった眼鏡を外し、ベッドに尻を突いて座った。尻に付いている唾液がシーツに
ついてベタベタとするが、もうそんなことには構っていられない。濡れるのはいいのだ。ただ、まだ濡れも滑りも足りない。手の平にある柄崎の白濁を自ら後孔に塗りつけ
た。
準備は整った。柄崎は性器を硬くしながらも、丑嶋の顔面に掛けてしまったことを後悔しているらしい。だが、丑嶋は顔についた白濁を簡単に手ではらい、柄崎に見せつ
けるように徐々に脚を開いていった。
柄崎の視線はもうすでに局部にしか向けられていない。まさに据え前という状況に誘われてしまう。だが、流石に挿入をするとなると、流石に一線を越えてしまいそうで
臆病な自分がまた顔を覗かせてきた。口で愛撫までしたのだから、男の排泄器官に挿入することが今更嫌なのではない。
柄崎が望んでいることは、会社の社長としての丑嶋と、人間として敬愛する丑嶋への最大の裏切りにして、弁解の余地が無い大罪だ。肉欲に駆られ、勢いで挿入してしま
えば、今後、社長としての丑嶋に向けられる想いは敬愛の念ではなく、束縛したい程の愛情になってしまう。そうなってしまえば、積み上げてきた上司と部下としての絆は
崩れてしまう。
403:コーヒーを一緒に・・・4 10/10 ◆CPu0lwnplk
10/10/05 22:01:19 wo79uWA20
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
地元では放送されないが実写化を祝して柄崎にご褒美をあげたかったんだぜ。
続きは近々。
貴重なスペースお借りいたしましてありがとうございました。お目汚し失礼致しました。
404:風と木の名無しさん
10/10/06 00:21:52 o4SIgn/+O
>>394
うああああー!
相手が柄崎だとちょっと素直になっちゃう社長萌ぇぇー!
いつもありがとうございます!
ラストスパート楽しみにしてます!
405:風と木の名無しさん
10/10/06 02:07:02 V2cPIXeM0
>>379
水曜の夜と日曜の夕方に挙動不審になりそうなお話ありがとうございます。
言葉が商売道具のくせに言葉になりきらない雰囲気が好きです。
406:風と木の名無しさん
10/10/06 03:47:40 Wkb+TFix0
>>358
幸せそうでよかった…!
最後泣けた。
しかし二人の情事はたまらなくエロいです。
407:兄弟1-4(+おまけ)
10/10/06 10:14:11 STYcvWOD0
半生 霜新居で次男末っ子です。
本編のネタを派生させているのでネタバレ大量発生。多少捏造したネタもあるので、心の広い読者をお待ちしています。またオマケがありまして、そっちには三男が出てきます。改行の関係で細切れになってしまいます。悪しからず。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
健二の盗聴テープに、計らずも大号泣していた大洋は、途方に暮れる様にして柱に寄り掛かっていた。
「大洋にぃ?」
「・・・お、おぅ。修一、まだ、起きてたのか・・・」
「うん・・・」
すると、突然2階から修一が降りて来た。
泣いてる姿を見られまい、と大洋は慌てて涙を隠した。
「ねぇ。大洋にぃ」
修一は、大洋の隣に座ると、静かに口を開いた。
「俺さ。本当に、死んでほしくないんだ・・・大洋にぃに」
「まだそんな事言ってんのかよ。俺は、もう決めたんだって」
「だってさ、俺、嫌なんだ・・・大洋にぃがいなくなるなんて・・・」
「今までいなかったんだから、何も変わんねぇだろ?」
「でも・・・、こうしてまた会っちゃうと・・・・嫌なんだよ・・・」
「たいして覚えてもいない兄貴に愛着湧くかねぇ」
あまりにも真剣な面持ちの修一の語る言葉は、大洋の胸に突き刺さった。
湿っぽい考えはやめようと、大洋は必死に修一の言葉を茶化した。
茶化していないと、大洋は自分の涙が止まらなくなりそうで、自分をあまりにも心配する弟を抱き締めてしまいそうで、怖かったからだ。
408:兄弟2-4(+おまけ)
10/10/06 10:15:36 STYcvWOD0
大洋の知る修一は、まだ物心がついたばかりの小さな子供だった。
修一は、いつも「大洋にぃ、大洋にぃ」と大洋の周りをついて周った。
「大洋にぃ、遊んで」
「大洋にぃ、鬼ごっこしようよ」
修一は、大洋が大好きだった。
また大洋も、修一と遊ぶのが好きだった。
「ようし!修一。今日は兄ちゃんが鬼だ!」
「修一に、兄ちゃんが捕まるかなぁ?」
毎日毎日修一と遊んで、時には泥だらけになって怒られたりもした。
でも怒られても、修一は「大洋にぃ、またやろうね」とにこにこ笑っていた。
そんな平凡な毎日だった。
でもある時、自分と大造は兄弟と血が繋がっていない知らされ、大洋は落胆した。
大洋は高校生になり、修一は小学生になろうとしていた。
血の繋がりがなくとも、兄弟は兄弟。そう父も、大造も言っていたが、大洋にはその日から兄弟、あんなに好きだった修一すらも、赤の他人としてしか接する事が出来なくなっていた。
「大洋にぃ、遊んでよ」
「・・・・他の兄ちゃんに遊んでもらえ」
「なんで・・・?」
「兄ちゃん・・・忙しいんだ」
「大洋にぃ!」
そして、ある日。
大洋は家を出た。
書置きも、行き先もつけずに家を出た。
赤の他人しかいないこの家に、戻ってくるつもりはなかった。
修一のことも、忘れようとしていた。
409:兄弟3-4(+おまけ)
10/10/06 10:23:54 STYcvWOD0
「・・・大洋にぃ?」
暫くぼんやりとしていた大洋の顔を、修一が覗き込んだ。
「あ・・・。何だ?」
「考え事?」
「・・・まぁな」
それから20年。修一は大きく成長していた。
20年前の記憶、増してや子供の頃の事なんて覚えていないだろうと思っていた修一は、昔大洋と一緒に遊んだ事を覚えていた。
それが、じわじわと大洋の心を刺激し、決意したはずの心はぐらぐらと揺れていた。
「ねぇ、大洋にぃ・・・」
「何だ?」
「本当に・・・考え直す気は無いの?」
修一は、瞳の端にうっすらと涙を溜めて大洋を見た。
今にもあふれ出しそうな涙に、大洋にも熱い物が込み上げてきた。
「・・・あぁ」
精一杯の返答をすると、大洋は修一から目を逸らした。
その瞬間、堪えていた涙が溢れてしまった。
修一の涙に、溢れ出ている思いに、我慢が出来なかったのだ。
何とかごまかそうとしても、肩が震えてしまいどうしようもなかった。
「大洋にぃ?」
「・・・何でも、ねぇから・・・」
「泣いてるの?」
「何でもねぇって、言ってるだろ・・・」
「大洋にぃ」
「何でもねぇって言ってるだろ!!」
そう言って、大洋は修一を突き飛ばした。
突き飛ばされた修一は椅子にぶつかった。
410:兄弟4-4(+おまけ)
10/10/06 10:25:06 STYcvWOD0
思わず突き飛ばした修一の傍によると、修一は大洋に抱きついた。
突然の出来事にしどろもどろしていると修一の体が震え始めた。
「・・・・泣いてるのか?」
「行かないでよ・・・大洋にぃ」
「修一・・・・」
「お願いだから、死ぬなんて言わないで・・・。俺、大好きな大洋にぃが、死ぬなんて嫌なんだ・・・!」
「でもな、修一・・・」
「大洋にぃだって、本当に死にたくないんでしょ?」
「それは・・・」
「お願いだから・・・死なないで・・・・」
そう言って、修一はさらに涙を流した。
小さな頃から、めったに泣かなかったあの修一が、俺を思ってこんなに涙を流している。
修一の強い思いに揺れ動かされ、大洋は修一の涙をぬぐうと唇に優しくくちづけをした。
「ん・・・っ」
兄からの突然のキスに最初は戸惑っていた修一も、暫くすると大洋をさらに強く抱き締めた。
「・・・・ごめんな、こんな兄貴で」
「いいよ、謝らないで」
「もう寝ろ。俺ももうすぐ寝るから」
「・・・勝手に、出て行かないでね?」
「行くかよ。こんなに警察に囲まれてんだから」
「・・・おやすみ」
「おやすみ」
修一が2階に上がっていくのを見ると、大洋はまたさっきのテープを再生した。
修一が生まれた頃と今、自分たちは何が変わってしまったんだろう。
何が変わって、こんな事になってしまったんだろう。
テープが流れ終わると、大洋はその場で目を閉じ眠った。
おわり
411:兄弟 おまけ
10/10/06 10:27:54 STYcvWOD0
一方、2階。
「あれ、健二にぃまだ起きてたの?」
その声に、健二はしていたヘッドホンを外した。
「まぁ、な」
「いつまでも盗聴してないで、早く寝たら」
「あぁ、もう寝るよ」
「おやすみ」
「おやすみ・・・」
健二は、修一が眠ったのを確認すると、大きく息を吐いた。
布団にもぐっても寝付けずにいると修一が下に降りていく音がしていたので、健二は興味本位にリビングの盗聴をしていたのだった。
今までの一連のやり取りを全て聞いていた健二は、頭を抱えた。まさかこんな物が録音出来るとは思ってもいなかったのだ。
思わぬものが録音出来てしまい、健二は苦悩した。2人は確かに元々血は繋がっていない、がしかし。
一応、兄弟だ。それにこんな事公開されたら困るに決まってる。
でも。
これは、何かあったときのお守りに使える・・・・・。
「いやいやいや」
何のお守りだ。
兄弟が切ないキスを交わしているテープを取っておいてどうする。
修一も、大洋も困るだけの代物だ。
聞き返すなんて事もないだろう。
あぁ・・・・。
「どうしよう・・・・」
健二の苦悩は朝まで続いた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
412:風と木の名無しさん
10/10/06 13:26:46 tTgoRL5J0
現在442.3KB
長編投下予定の方は残り容量にご注意を
413:風と木の名無しさん
10/10/06 13:28:33 BvS+gpwj0
いくら長編だって50KBも一気に埋まらないよ、まだ大丈夫
414:風と木の名無しさん
10/10/06 17:50:02 tTgoRL5J0
あー、ここの注意は480KB過ぎで大丈夫だったっけか
別の所と間違ったわゴメン
415:風と木の名無しさん
10/10/06 19:36:08 K2tM0690O
>>407
おまけまで萌えました㌧です!
下洗い兄弟読めて至福
次回作もお待ちしてますー
416:コーヒーを一緒に・・・5 1/7 ◆CPu0lwnplk
10/10/06 21:24:25 4Y4WZqSX0
闇金ウシジマくんで戌亥×社長前提の柄崎×社長です。小悪魔(魔王様)誘い受け、媚薬物でエロありです。ツンデレ気味。>>403の続きになります。レスして頂いた方、
ありがとうございました。時間を開けてはおりますが、2日続けての投下でご迷惑おかけします。一つの話なので棚60内で収めきりたかったのです・・・。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
行きたいのに行けない。戻りたいのに戻れない。柄崎が指さえ動かせずにいると、焦れて仕方がない丑嶋は膝に纏まっていた下着を脱ぎ、脚を開いたままで柄崎を手招い
た。
「来いよ。ヤッて良いって言ってんだぞ。そんな硬くしといてヤル気がねェとは言わせねェぞ」
躊躇を張り倒すような強烈で強引な誘い文句が、胸を締め付け心を掻き乱す。嬉しくて涙が出そうだ。最初は敵対するクラスメイトとして出会い、程なくして降りかかっ
てきた脅威を押しのけてくれた心強い友人となり、やがて命に代えても守るべき人となった丑嶋。その愛おしい相手に求められていること、性の快楽を享受し合う仲になれ
ること、何より男として認められることに無上の喜びが湧いてきた。
「社長!」
顔を真っ赤にした柄崎が丑嶋に必死に抱きつき、体を重ねてきた。
「んっ」
突進をくらわされた丑嶋は少し苦しそうにしたが、柄崎が伸しかかってくるので動けない。
「入れます、入れますから暴れないで下さい」
暴れているのは柄崎の方だ。丑嶋はすでに受け入れようと身を開いているのに、闇雲に性器の先端を押し当ててくるので滑って上手に入らないのだ。堪らないのは丑嶋の
方だ。舌でえぐられ、後ろだけで射精しそうなほど昂らされた部分を亀頭が擦りあげるだけで入ってこないのだから。
「柄崎、落ち着け」
辛抱出来なくなった丑嶋は柄崎の性器の根元を両手で掴んだ。
417:コーヒーを一緒に・・・5 2/7 ◆CPu0lwnplk
10/10/06 21:25:36 4Y4WZqSX0
「うひゃっ!」
先端を後孔に擦りつけ、根元を痛くない程度に握られ、二つの異なる刺激に耐えかねた柄崎は何とも間抜けな声を出した。丑嶋は急所を刺激されて柄崎が固まったのを好
機とし、股関節が痛むほど股を開く。そして、一つ深呼吸をすると、柄崎の性器の先端を後孔に押し付けたまま自ら腰を押し付ける。
「あ・・・あ・・・」
ズルッという確かな手応えがあった。猛々しい性器が後孔を割り、直腸壁を擦りながら一気に奥まで侵入してきた。
「ひぃ、すげぇ狭い・・・。ふっ、は、は・・・、あああ・・・」
慣れた丑嶋でさえ、柄崎の長竿を全て体内に収めるのには痛みと大きな喜びを感じた。対して柄崎は女性器なら兎も角、本来は排泄する為に出す機能しか備わっていない
器官に初めて押し込んだのだから、素晴らしい狭さと熱さをもつ内部には短く喘ぐだけしか出来ない。
「うわぁ、こんなに狭いのか・・・。うぅっ、う・・・、ふーっ」
途切れ途切れの喘ぎ声が、初めて体験した底知れない快楽を物語っていた。
「ふ、ふ・・・」
やがて挿入の大きな衝撃が引くと、初めて知った快楽に挿入だけで夢中になってしまった柄崎は丑嶋の逞しい肉体を抱きしめながら夢中で腰を振りだした。
「うああっ、え、ざき・・・っ」
激しすぎる動きに丑嶋の頭がグラグラと揺れる。長い竿はつねに前立腺を捕らえ、雁首によって内部で転がされる。限度を超えた快楽に気が遠くなりそうになるが、慣れ
ているくせに、いつまで経っても繊細な直腸壁を突き破らんばかりの衝撃が正気に戻す。
418:コーヒーを一緒に・・・5 3/7 ◆CPu0lwnplk
10/10/06 21:26:33 4Y4WZqSX0
「ふ、んっ、んっ、んっ」
予想以上の激しさに丑嶋はすぐに息も絶え絶えになり、切なそうな声を出すだけになってしまう。体力、スタミナ、精神力、全て人並み以上に強いが、テクニックなどを
超えた柄崎の想いが丑嶋の体力と思考を低下させる。いっそ気が失えたらどれだけ楽だろうか。
そんな丑嶋の様子にはまるで構わず、むしろ一気に叩き潰そうと、奥を性器の雁首で掘削するように腰を回しながら抽送を速める。
「ぐっ、おお・・・、出るっ、もう出る。柄崎、出る、出るぅ」
一度射精した柄崎は気持ちが良いながらも丑嶋より余裕がある。だが、丑嶋が射精するならば一緒にいきたいではないか。
柄崎は全身から汗を噴き出す丑嶋の逞しい脚を抱え、大きな体を二つ折りにし、更に一突き一突きに体重を加えて奥を痛打し始めた。
「おおっ!うぉああっ、柄崎、柄崎、んんっ、イク・・・、・・・んーっ!」
盛大な突き上げに感極まり、丑嶋は自らの手で射精をし易いように性器を扱く。
「うっ、うっ、あ・・・、イクっ!」
丑嶋の口からあられもない声が一際高く上がった。それとともに内部は性器を食いちぎらんばかりの収縮がおき、余裕があった筈の柄崎もいよいよ限界がきた。
「ふううっ!しゃ・・・・・・、う、丑嶋、俺もイク!丑嶋の中に出していいか?」
頭の中には閃光が走り、電流が背筋を駆け抜けていく。もう敬愛の籠った役職名で呼ぶのも忘れ、懐かしい呼び方で愛しさだけ込めて呼ぶ。
「あぁ、あ・・・、出すぞ!」
奥に雁首を押しつけたまま、柄崎は堪りきったほとばしりを爆発させた。
「ん、んおおっ!」
「ああっ、おぉっ!柄崎、奥が熱いっ!」
419:コーヒーを一緒に・・・5 4/7 ◆CPu0lwnplk
10/10/06 21:27:41 4Y4WZqSX0
丑嶋も柄崎に少し遅れて射精した。こちらは性器ではなく後孔の刺激のみなので、古くなった蛇口から垂れさせるような小さな勢いだった。
「あ、あっ、丑嶋、出た、出しちゃった、丑嶋の中に・・・」
熱汁を噴き出す長竿をうねる直腸壁が締め付け、更に絞りつくそうとする。柄崎は背中をしならせながら一滴残らずに内部に射精した。
体の奥で熱い飛沫を受け、身体全体で柄崎の体温を感じ、丑嶋は暫く体を痙攣させていた。
倒れそうな位に体力を消耗した激しいセックスの後、柄崎はどういう顔をして丑嶋を見れば良いのか分からなく、枕に顔を埋めて眠いふりをしている。本当はいまだ興奮
冷めやらぬ状態なので、聴覚を研ぎ澄まして丑嶋の動向を窺っているのだ。
姿を見ているのではないのでいまいち分かり難いが、丑嶋は暫く荒い息を隣でついていた。そして徐々に息が収まると、起ちあがってどこかに歩いて行ってしまった。
足音を聞く限り、部屋内の歩数ではない。どこに行ってしまったのだろうか。
気になるが、柄崎はまだ顔を上げられないでいる。後悔と満足、冷静になった頭には正反対の感情が渦巻いていた。
やがて、遠くから微かに水を流す音と、丑嶋がうがいをしている音と、何をしているかは分からないが水をバシャバシャとかき混ぜるような音が聞こえた。察するに、丑
嶋は恐らく洗面所へ行ったのだろう。そして柄崎のカウパーまみれであろう口をゆすぎ、白濁をぶっかけられた顔を洗っているのだろう。
柄崎は丑嶋がまだ洗面所の方にいるのを音で確認し、恐る恐る顔を上げた。だが、すぐにまた目の前にある物を見て頭を抱えて枕に突っ伏した。
「あああああ・・・・・・。やっちまったぁ」
目の前には、乾いた白濁でレンズの大半がどんより曇ったリムレスの眼鏡が置いてあった。
420:コーヒーを一緒に・・・5 5/7 ◆CPu0lwnplk
10/10/06 21:28:56 4Y4WZqSX0
考えてみれば、興奮していたとはいえ随分と無茶をしてしまったものだ。丑嶋の許可は貰ったし、セックスしたことは事実だからもうどうしようもないとしても、我なが
ら一度目の射精は景気よくぶっぱなしたものだ。気持ち良かったのだから仕方がないと言えば仕方がない。
何故こうなってしまったのだろうか。勿論、長年想っていた丑嶋とこういう関係を持てたのは嬉しい。
けれど、あくまで嬉しいのは柄崎の感情で、丑嶋がどういう魂胆で誘って受け入れてくれたのかが分からない。
第一、この事態の発端になった戌亥宅へのお迎えだって、タクシーでも良かったではないか。
それに、あの抜け目ない戌亥がおいそれと深夜に柄崎を呼び出し、送ってこさせたのかも分からない。戌亥とて、丑嶋を誰かに取られるのは嫌だろうに。それは戌亥と同
じ感情を丑嶋に対して持ち続けていた柄崎なら分かる。
柄崎なら送り狼になる勇気もないだろうから安心と思ったのだろうか。だがそれならば、根本的に丑嶋に対して忠誠心しか持っていない加納でも良かった筈だ。
分からないことだらけで、枕に顔を押しつけたまま頭を悩ました。
「柄崎、泊まっていくか?」
いつのまにか戻ってきたのか、すぐ隣から丑嶋が声を掛けてきた。
「うわっ!うし・・・・・・、社長・・・」
柄崎は驚いて飛び起きた。丑嶋は柄崎の反応には興味が無いらしく、ベッドに座って濡らしたタオルでメガネの汚れを拭いている。
「あ、あのー・・・」
何か言わねば、と気ばかり焦る。
421:コーヒーを一緒に・・・5 6/7 ◆CPu0lwnplk
10/10/06 21:29:44 4Y4WZqSX0
謝るべきか。謝っても仕方がない。セックスは丑嶋が望んだことでもある訳だし。では、気の利いた口説き文句でも言うべきか。この顔でそんなこと言ってもコントにし
かならないし、恐らく「あっそ」の一言でスルーされるに決まっている。
丑嶋は眼鏡を拭き終ると、目頭を一度押えて眼鏡をかけた。見えにくいせいで細かった眼はいつもの眼光鋭い目に戻った。その目で見られ、柄崎は一瞬で委縮して視線を
ずらしてしまう。
「何だ?」
委縮して黙ってしまった柄崎に丑嶋は続きを促す。だが、柄崎は何を言うか決めていたのではないので、当然ながら言葉に詰まってしまう。
「その、あの、俺、あの・・・」
しどろもどろになっていると、横目に映る丑嶋の表情が険しく曇っていく。柄崎は更に慌てる。何か言わないと、何か言わないと、と頭が真っ白になってきた。
「な・・・何で戌亥は俺を迎えに来させたんですか?」
口を付いて出た言葉は謝罪の言葉でも口説き文句でもなく、ただ単なる疑問だった。結局、この場に相応しい言葉が思いつかなかったのだ。
「迎えに、って・・・。ああ、戌亥ところからの帰りか」
丑嶋はやや拍子抜けしたように険しげに上げた眉を下げる。
「いや、別に戌亥が勝手にお前に電話したんじゃなくってな、俺がお前にしてくれって言ったんだ」
意外な答えが返ってきた。てっきり戌亥が柄崎に目星をつけたのかと思っていた。だが、丑嶋がわざわざ柄崎を指名したと言うなら、話は全く変わってくる。柄崎に丑嶋
が来て欲しかった、ということになるではないか。
「うん・・・、まぁ、お前ならきっとこんな時間でも来てくれると思ってな」
「え?」
422:コーヒーを一緒に・・・5 7/7 ◆CPu0lwnplk
10/10/06 21:31:43 4Y4WZqSX0
柄崎は丑嶋の言葉を反芻する。「お前なら」「きっと」なんて、先程の言葉と合わせれば、ますます柄崎だからこそ、と言うことだろうか。信頼してくれているのだろう
か。柄崎の恋心とは違うかもしれないが、もしかしたらいつか丑嶋も、と期待していいのだろうか。
勘違いをしてしまいそうな程嬉しい言葉に丑嶋を見ると、丑嶋はそっぽを向いていた。だが、座っている位置は遠のいておらず、「勘違いするな」という牽制はなさそう
だ。
少し時間はかかるかもしれない。だが、そんなの中学時代からなのだから、今更少し待ったり、なお好かれる様に頑張る時間なんて楽しさしかない。柄崎は嬉しさに顔を
綻ばせ、丑嶋の傍に少しだけ近づいた。
「泊まっていってもいいんですか?」
「・・・おう」
ぶっきらぼうに返事をすると、丑嶋は柄崎に背中を向けて横になった。
「そうですか。じゃあ、お言葉に甘えます」
もう少し話していたい。でももう夜は遅い。早く寝なければ明日の仕事に差し支える。それに、恐らく長期戦になりそうな一進一退のこの関係に向けても、ゆっくり英気
を養い挑んでいかねば。
柄崎も横になり、目を閉じる。腕枕をして寝る、とはいかないが、近くにいれば意外に熱いほど暖かかった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
むっつりへタレ×ツンクール90%素直デレ10%の魔王様でした。結局下の名前は呼べなかったんだぜ。
貴重なスペースお借りいたしましてありがとうございました。
423:風と木の名無しさん
10/10/06 21:59:25 pAMSADOFO
>>416
うぁああぁぁ
リアルタイムで見れて感激です!!
ヘタレだけど愛情たっぷりの柄崎とツンデレなエロ社長が最高でした!
424:風と木の名無しさん
10/10/06 22:13:04 o4SIgn/+O
>>416
うああありがとうございます!ありがとう!!
まさか生きてるうちに柄丑エロを読めるとは思ってもみませんでした!
素直な社長と枕に突っ伏してアワアワしてる柄崎がかわいすぎます…!
このカプ最高に好きなので、読んでいる間本当に嬉しかったです!
425:風と木の名無しさん
10/10/07 13:27:44 eWfPtIHAO
>>416 社長ってばなんたるツンツンデレなんですか!
以前の戌亥×社長では社長完全着衣でキスもさせてくれなかったと言うのに…
柄崎にはもったいないごほうびですね
あと、以前の感想に成人滑皮×社長と書きましたが
反応ありがとうございました
期待してますv
426:風と木の名無しさん
10/10/07 21:06:26 wvw162y8O
いつの間にかまとめサイトの
シリーズものインデックスがインデクスになってる
特に理由がないなら戻して欲しいんだけど…なんか変
427:風と木の名無しさん
10/10/08 00:30:39 pzVajoK7O
>>416
素晴らしいの一言ですGJ!
媚薬盛られたとは言え、戌亥を相手にした後で柄崎とも致しちゃう社長はさすがスポーツクラブに通ってる体力は伊達じゃないですねw
柄崎の長年の想いが成就してめでたいですが、意外と柄崎に対してだけ甘えるとはいえ社長は一筋縄では行かないし、この先も楽しみです。
本当にいつも有難うございます!
428:十3人の■ 野人×甥
10/10/08 23:11:26 M9oV7vBj0
オリジナルとしてもいける感じで。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
429:十3人の■ 野人×甥 1/7
10/10/08 23:12:33 M9oV7vBj0
山の民、と呼ばれるその男の耳が、目当ての獣とは違う音を捉えた。
人間の足音だ。
山男は少し考え、獲物を諦めて足音の向かう先へと躍り出た。
不意打ちを食らった足音の主は、目を大きく見開き山男を見た。
足音の主は小柄な男だった。
乱れ髪を無造作に結わえ薄汚れた身なりながら、どこか凛とした雰囲気を持つ男。
山男もまた、大きく目を見開いた。
呼び掛けようと口を開きかけた時、弓を引き絞る音を聞いた。
間髪入れず、矢音。
枝葉を掠めながら迫り勢いを失った矢は、木に弾かれて落ちた。
男は一瞬背後へ視線をやり、向き直ると山男の脇を駆け抜けようとした。
山男は男の腕を掴んでそれを留める。
口角を上げながら顎をしゃくり、自ら先に立って駆け出す。
男は無言でそれに続いた。
430:十3人の■ 野人×甥 2/7
10/10/08 23:13:32 M9oV7vBj0
山男が足を止める。
男も立ち止まり、肩で息をしている。
もう足音は聞こえなくなっていた。
顔見知りだったのだろう、山男が男の名を呼んだ。
聞こえていないはずはない、しかし男は応えなかった。
もう一度呼び掛ける。
男は応えない。
「これだから侍ってやつは」
山男が毒突く。
「もうその名は捨てた」
呼吸を整え終えた男が言った。
「捨てなければ、」
腰の刀を一瞥する。
「生きられなかった」
柄を握り締めていた手を緩め、離す。
山男は鼻を鳴らして見せた。
431:十3人の■ 野人×甥 3/7
10/10/08 23:14:23 M9oV7vBj0
ねぐらへ案内してやる、と山男は言った。
男を導き、着いたところは岩屋だった。
ムシロを敷いて寝床が作ってある。
「居心地が良さそうだな」
少しの皮肉を含めて言ったであろう男の言葉に、山男は自慢げな笑みで応える。
「お前が欲しがってたあの女は」
男が問う。
途端に、山男が拗ねたような表情を浮かべた。
「どうした?」
「逃げた」
ぽつりと、山男が呟いた。
男は近付き、先を促す。
「せっかくカシラから奪って手に入れたってのに、あいつ自分で逃げやがった」
唇を尖らせて言う山男を見、男は今日初めて笑みを浮かべた。
432:十3人の■ 野人×甥 4/7
10/10/08 23:14:58 M9oV7vBj0
炙った肉と野草の汁物で腹を満たした後、男は早々に体を横たえた。
疲れが男の瞼を重くする。
山男はつまらなそうな表情を浮かべた後、おもむろに動いた。
男の枕元へにじり寄り、見下ろす。
手を伸ばして男の髪を束ねている紐を引き、解く。
そして男の髪へ指を差し入れると、無造作に掻き乱した。
男の腕が持ち上がり、その手を捕らえる。
開かれた目が山男を咎めている。
構わず、握られたままの手で今度は男の顎を掴んだ。
真上から見下ろし言う。
「でけぇ目だ。ちょっとあいつに似てる」
男は真っ直ぐ見つめ返す。
「俺が欲しいか」
山男は瞠目し、それから顔を綻ばせた。
「欲しい」
男の手が、ムシロの上へぱたりと落ちた。
433:十3人の■ 野人×甥 5/7
10/10/08 23:15:58 M9oV7vBj0
苦しげに息を詰める音と、荒々しく吐き立てる音が続く。
吐き付けた唾を菊に塗り込められ、指で暴かれる間も、押し入られた時も、男は声一つ上げなかった。
眉根を寄せ、ムシロに爪を立てて耐えている。
しかしやがて、男の腕が動いた。
辛うじて手の届く範囲に、男の刀が転がっている。
男の指がそれに這い寄る。
顔を傾け、目でも追う。
山男が気付き、男の顎を掴んで上向ける。
「俺を斬るのか?」
「違う」
音より息の方が多い声で、男は即座に吐き捨てる。
山男は、投げ出されている男の手を強く握り締めた。
男は抗わなかった。
434:十3人の■ 野人×甥 6/7
10/10/08 23:16:45 M9oV7vBj0
重怠い体を水で清め、そのまま岩に身を預ける。
軽快な足音が近付いてきて、男の傍に降り立った。
男に笑みを見せる、その口の端から鳥の足が飛び出ている。
男の視線をどう取り違えたのか、山男はそれを咥えたまま不明瞭な声で、お前も食うかと問う。
男が断ると、山男はその場にしゃがみ、清流へ鳥の足を吐き落とした。
鳥の足は流れに乗り、やがて見えなくなった。
「名は捨てたのに、ソレは持ってんのな」
男が声の方へ視線を戻す。
山男は男の傍らを指差していた。
「こいつは、」
鞘に納まった刀が、そこに置かれている。
「身を守る為のただの道具だ」
435:十3人の■ 野人×甥 7/7
10/10/08 23:17:31 M9oV7vBj0
山男が刀に手を伸ばし、触れた。
男は止めない。
持ち上げて鞘から抜く。
顔が映り込むほど美しく砥がれた刀身が現れた。
山男は男を見た。
いつの間にか目を閉じている。
眠るつもりらしい。
少し逡巡した後、山男は抜き身の刀を持ったまま座り直した。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
436:風と木の名無しさん
10/10/09 20:02:40 LIqejTyt0
>428
GJ!
こんなに早く■のお話をいただけるとは。
殿がらみも読みたいです。
437:風と木の名無しさん
10/10/09 22:45:30 gr5J37gYO
>>428
GJ!
名前出さないところがなんとも憎いです。
捨てられたワンコ同士の傷の舐め合いのような虚無感がありつつ、結局は似た者同士の得難い絆というか…、上手く言えませんがとても色っぽかったです。
更に野人×甥っ子が好きになりました。ありがとうございました!
438:そばにいる 1/4
10/10/10 00:06:16 9WUJkacU0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
朝銅鑼金失ッパン 子煩悩なオヤジと生臭坊主。オノミチ弁はさっぱりわかりません!
「じゃあ親父お願いしてもいいですか?」
人のざわめきが遠く聞こえる控室で長男金欠弥にそう言われ、龍円は気安く「おう」と
返事を返していた。
「すいません、こんな早くから酔い潰れてしまって…」
「しょうがないじゃろ。今日は朝からずっと暴走しとったからのぉ。」
「はぁ……」
「しかしまぁ、船の進水式の挨拶で荒波に揉まれて座礁だの心配連呼だの、志乃宮が
慌てふためいてたのが面白かったな。」
「いや、もう志乃宮のおじさんには申し訳なくてっ。」
「でもおまえ、止めなかったな。」
「えっ?」
「携帯、アカリに聞かせてやっていたのか。」
見透かすように言う。それに金欠弥は一瞬息をのむような表情を見せたが、それでもすぐに
素直に首を縦に振った。
それに龍円は和やかに笑う。
「おまえにとっても大事な妹の門出だったのに、今日はよう務めたな。」
「俺は、仕事ですから。」
しっかりと生真面目に、そう言う金欠也に龍円は尚も笑う。そして、
「なら、ここはいいからもう一仕事して来い。打ち上げでいい気分になってる今なら
騙して契約取りやすい客も多いかもしれんぞ。」
「騙してって、そんな事はしませんけど、でも……いいですか?」
「おう、しっかり営業行って来い。」
地元信用金庫に勤める真面目を絵に描いたような長男坊が、そんな言葉に背を押される様に
もう一度頭を下げて部屋を出ていく。
それをにこやかに手を振りながら見送り、しかし扉が閉まった途端、龍円はその笑みを止め
どこか冷めた目を横斜め下に落とした。
隣りにはソファがあった。その上には完全に酔い潰れた大の大人の姿があった。それに向け一言。
「このダメ親父が。」
きっぱり言い捨てる、それは金欠弥の父であり自分の幼馴染である邑上金定に対しての言葉だった。
439:そばにいる 2/4
10/10/10 00:07:34 9WUJkacU0
今日は特別な日だった。
金定が手掛けた船の進水式。
金定の末娘のアカリが故郷を離れる日。
そしてそのアカリは彼にとって実の娘では無い養女で、そんな彼女が就職の為向かった大阪には
彼女の唯一の肉親である祖母がいるらしい。
「あらためてまとめてみると結構壮絶じゃのう。」
近くにあったパイプ椅子を引き寄せ腰を下ろしながら、龍円は一人嘯いてみる。
金定の幼馴染でありこの町の寺の住職であるこの身は、その辺りの事情には昔から深く絡んでいる。
だからこそ冷静に思う。
「まあ、いずれはこういう日が来たんじゃろうがの。」
「養女かどうかなど、戸籍を見れば一発でわかるし。」
「それでも、」
このバカはそんな日が来るなんて思いもしなかったのだろう。
だから覚悟も気構えも無かった。
それゆえのこの有様だ。
「で、公の進水式で自分の子供の名前由来は語り始めるわ。しかもそれの縁起が悪すぎるわ。
息子の名前の一字が金を欠くに金を失うっておまえネーミングセンス悪すぎだ。
金欠弥が可哀想じゃったぞ。本人がまた真面目に良く出来てるから尚更憐れが沸く。」
暴走して娘への想いを演説し続ける父親の声を携帯を通して、旅立つ妹に繋げてやっていた
長男の姿を思い出し、龍円はこの時ふっと口の端を歪める。
美人の嫁に出来た長男、やんちゃな次男。そして可愛い末娘。
「おまえは幸せ者じゃろう。だから誰が同情などしてやるものか。」
こっちは誰かさんのせいでいまだ独り身じゃと言うのに。
そう思った瞬間、少し前その事で2人言い争いをした事をふと思い出す。
遠い遠い昔の事。独り身なのは彼の嫁になった女性を取られたからだと嘯く自分と、それを信じ、
フラレたからだと言い方を変えて思い込んでいる彼。
その内実は実は少々違うのだが、しかしそれを直すつもりも教えてやるつもりも自分には無い。
だって、それは……面白いから。
「にしても、怖い顔は昔から変わらんのぉ。」
酔い潰れ、ひっくり返っている男の顔をマジマジと見つめながらひっそりと呟いてみる。
「その上感情過多で、それでいて意外と涙脆くて、暑苦しい。」
それでもやっぱり見ていると面白いから、壊せないのだ。自分はこの関係を。
440:そばにいる 3/4
10/10/10 00:08:58 9WUJkacU0
と、その時、ソファの上の体が不意に身じろぐ気配があった。
「うう…ん…」
呻きに似た声。それに龍円はサラリと声をかけてやる。
「目、覚めたか。」
「う…ん…ここは…?」
「控室だ。おまえ打ち上げ会場で飲みすぎて危なかったから、俺と金欠弥でここまで運んだんだ。」
「金欠弥…」
「あの子は会場に戻ったよ。だからおまえのお守りは今は俺だけ。」
「…おまえは大丈夫…なんか?」
「何が?」
「酒…」
「おまえみたいな無茶な飲み方はしないよ。それに酒が弱くてこの仕事が務まるか。」
「この生臭坊主…」
「減らず口うるさいよ。」
言い合いながらもその呂律がヨレヨレで、それに思わず笑ってしまいながら龍円は座っていた椅子から
立ち上がる。そして、
「水飲むか?」
「…ああ、」
弱々しい声を聞きながら部屋に置いてあったペットボトルの水を紙コップに注いでやろうとすれば、
そんな龍円の背中に金定の声は尚も届き続けた。
「……行ってしまったな…」
主語は無い。それでも何を言いたいかはわかるからそのまま返事を返す。
「ああ。」
「大丈夫じゃろうか。」
「この時間なら新幹線に乗っている最中じゃろう。新幹線が脱線でもしとらん限り無事だ。」
「おまえはなぁっ、俺は真剣に!」
「真剣になんだ?まだ諦めがつかんのか?」
「そんな事っ」
「ん?」
「つく訳ないじゃろう!」
441:そばにいる 4/4
10/10/10 00:10:27 9WUJkacU0
本気で往生際が悪すぎる。それに思わず声を上げて笑ってしまいながら龍円は踵を返すと、ソファに
横になる金定に水を差し出した。
「おまえにそれだけ愛されて、アカリは幸せもんじゃのう。」
「娘を愛して何が悪い。」
「何も悪くはないさ。しかしそんなに手元に置いておきたかったか。」
「ああ、置いておきたかった!」
完全に開き直っている、そんな男のキレ方に尚もクスクス笑いながら龍円はふと思いついた事を
口にしてみる。
「アカリは無理でも俺はずっとここにいるぞ。」
「……はぁ?」
「残念ながら、お・る・ぞ。」
酒のせいもあってか上手く頭が回っていないような金定がパチクリと目を瞬かせてくる。
しかし顔が怖いから全然可愛くない。
そんな事を思いながら、龍円はこの時いつまでも一人笑い続けた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
オヤジかわいいよオヤジ。坊主もエロいよ坊主w
来週からの登場人物も紹介見てるとなんだかクセ者揃いだよ、朝銅鑼w
442:風と木の名無しさん
10/10/10 00:28:21 gDvBY0uCO
>>411
ヶ゙ヶ゙ヶ゙夫妻が好き過ぎて今の朝銅鑼見てなかったんだが
今朝たまたま見て主人公の父親が気になったところだった
クセ者スキーなので来週からちゃんと見るよ!ありがとう!
443:442
10/10/10 00:30:24 gDvBY0uCO
>>441の間違いでしたorz
444:風と木の名無しさん
10/10/10 07:24:26 rPPIfpz30
>>438
オサーンいいよーGJ!
長男受けも読みたいです