10/07/31 02:39:58 ambr8o27O
「フン!」
俺は郵便物入れに入っていた書類を破り去った。
面接まではいつもこぎ着けるのだが、結局またも不合格。
―これで666社目になる。
「おや、またダメだったんですか」
「!!貴様」
玄関の扉から身を乗り出して背後から覗いて来たのは許 明泰だ。
「フン、わざわざ俺の無様な姿を見に来たのか」
「トイレに起きたついでですよ。同棲してるんですからいい加減慣れたらどうです」
「気色悪い!同居といえ同居と!」
「ふぅ…つれないことですな」
こいつは俺が社長を勤めていた会社の元秘書で、今やT.T.C頭取の息子兼若社長。
俺だってこれでも昔は急逝した親父の跡を継いだ、れっきとした社長様だったのだ。
俺は図体と力だけの馬鹿だという自覚があるので、むやみに経営に茶々を出さなかった。
そしたらいつの間にか俺の会社は破産宣告せざるを得なくなり、社員は運良くこの秘書の親父の会社に丸ごと吸収されて、俺は不必要な存在となった。
闘ったらこんな細長い、イタリアンスーツを好んで着るような男なんか何でもないのに、社会ではそうはいかない。
俺はこいつにも社会にも負けたのだ。
書類審査だけなら警備会社なら楽々通るのに面接では落とされるのは、就職相談会に行って思い切って相談したら、「高慢な態度だから」と言われた。
そう育ったんだ仕方がないだろうという言い訳も通じない。社会は厳しい。もう29だし、このままじゃ駄目かもしれない。
だが、いつかは必ず自立はしなくてはならん。
「だから言ってるでは無いですか、克美様」
今のように慇懃無礼でイタリア服なぞ着ている香水臭い香港人に毎日毎日、
「私に素直に養われればいいのだと。はやく養子縁組いたしましょうよ、愛人(アイレン)」
……尻を撫でられないようになるためには!
361:2/2
10/07/31 02:45:16 ambr8o27O
「離れんかあぁああ!!!」
「おおっと」
俺より力は弱いはずなのに、動体視力がいいのか俺の攻撃が当たった試しはない。
イタリア男を気取った口髭を弄る手つきが俺の尻を触ったかと思うと糞忌々しい。
一刻もはやくこいつから離れたいのに、破産宣告出したせいで家も財産も差し押さえられ、帰る所が無い。
しかも呆然としているところをこいつのSPに車に担ぎ込まれ、強制的にコイツと同居。会社の後のことを聞かされると同時に体の関係を迫られ、退け……いまは何とか仕事:家事手伝いということで収まってるが。
―ん?思い出すと、こいつやけに段取りが良くないか?
「おい許、まさかお前」
「なんですかな」
問い質そうと振り向いた瞬間、目の前に許のアップがあり、反射的に頭を後退したというのに追い込まれ、キスされた。
「……ぐ、うああ!何をするか馬鹿野郎!!」
必死で口を拭う。鳥肌が立ったじゃないか!
「はっはっは、朝からごちそうさまです」
「……ああもういい!今日はお前朝飯抜きだ!」
「克美様ったら、三十路前にの癖に大人気の無いことを言わないでください。馬可愛いなもう」
「黙らんか阿呆が!!」
まったくこいつは!……ん?俺は今何をこいつに聞こうとしたんだったか。
「そうだ、今日は克美様も私の良く行く店のスーツを見に行きましょうよ。トールサイズもあるのできっと合う服が…いっそオーダーメードでも!」
「馬鹿言うな。面接にそんな格好する奴がいるか!俺でも分かるわ!」
忘れてしまったなら大した用件じゃないんだろう。
まあいいか。
【こうして段段と若社長に懐柔されていく元社長】
362:風と木の名無しさん
10/08/01 00:14:02 S4A8fghfO
そして結局流されて体の関係になるんですねw
バカ受け大好きだーGJ
363:風と木の名無しさん
10/08/01 15:04:14 vofrZyYZ0
BLレーベルのどこかにありそうな王道カプGJ!
おバカな受がかわいすぐるw
364:風と木の名無しさん
10/08/01 17:52:12 FeRw3n0M0
「面接に落ち続ける男」で気弱ヘタレ系しか想像してなかった
こう来るとは!高慢天然男かわいいよGJwww
365:風と木の名無しさん
10/08/02 00:54:35 DWBP8LshO
お馬鹿受は私得ですありがとうございました
366:風と木の名無しさん
10/08/02 08:59:02 xMUpLT6eO
朝からまわし
367:風と木の名無しさん
10/08/02 15:22:04 bB7hR3S40
まわします
368:風と木の名無しさん
10/08/02 16:23:32 ckqvtUPbO
よし、踏んでみようか!
369:風と木の名無しさん
10/08/02 16:32:09 miWH6LFQ0
バブリーな受けと攻め
370:風と木の名無しさん
10/08/03 22:20:23 ZagicTGVO
流れてるよね?
371:風と木の名無しさん
10/08/03 22:24:24 ZXKQatYu0
24時間経過かー
流れちゃって残念だ
372:風と木の名無しさん
10/08/03 22:31:47 xyA/1hYP0
気づかなかった。
まわすか。
373:風と木の名無しさん
10/08/03 23:42:32 sGMBCi6I0
バブルっていうと一昔前のヤンエグアルマーニ攻様×にゃんこ受(きゃるん)しか出てこない
誰かの素敵な萌えを読みたかったよ
374:風と木の名無しさん
10/08/03 23:51:59 t+7tMlcJO
お流れか~
まわしますね
375:風と木の名無しさん
10/08/03 23:55:13 iDMxXD8E0
ばぶりーか。あの世代は今頃私のストライクゾーンな年頃になってるんだろうな
ちょっとアホでそこそこの地位に就いててピンチに弱い。そんなイメージしかない
376:風と木の名無しさん
10/08/04 06:40:55 t4umBaunO
>>375
それ萌える
今は地味な仕事で節約生活していてバブルのものはマンションも車も何ひとつ残ってなくて
唯一お互いだけがそばに居続けている中年カプを受信した
377:風と木の名無しさん
10/08/04 07:18:44 0DUACupqO
早くそれを文章化して私に読ませる作業に移るんだ!!!
378:風と木の名無しさん
10/08/04 08:51:45 izkdIvCo0
期待してます踏まれます
379:風と木の名無しさん
10/08/04 08:53:14 c5IadHCPO
痛みを愛する
380:風と木の名無しさん
10/08/04 12:21:33 +5/gvFYAO
きゃっきゃっと甲高い耳障りな声が聞こえる。
痛い。
公共の場で人目も憚らずはしゃぐカップルも、それを羨ましいと思ってしまう自分も。
羨ましいと思うなら、彼女を作ればいい。そんなことぐらい分かってる。
でも、あいつがまだ俺のことを甘ったるい声で呼ぶから、いつまで経っても俺はあいつに囚われたままなんだ。
心の中でたかし、とあいつを呼べば、あいつは蕩けるような笑顔でなんだよ、と返してくれる。
痛い。
いつまでも過去のことを引きずって、男らしくない。
痛い。痛い。痛い。
痛いと言っておきながら、痛みから抜け出そうとしない自分が。
でも、やっぱり俺はこの痛みを忘れる気はない。
絶対に、忘れたくない。
だって、この痛みは確かにあいつを愛してた証だから。
この痛みを忘れないうちは、あいつを愛していられるから。
381:風と木の名無しさん
10/08/04 23:45:02 2pv5g/jx0
ぐわあああああ切ねぇ…
読んでて胸が締め付けられる感じがしたよ
泣きながらGJ
382:風と木の名無しさん
10/08/05 03:28:57 WmZdsz910
まわし
383:風と木の名無しさん
10/08/05 07:29:26 ssuCac8X0
短いのに切なさの伝わる文章でいいね。GJ
>>382>>3
>『感想を書き込みたい人のために、*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい』
384:風と木の名無しさん
10/08/05 11:05:26 bNSzMo0X0
痛みを愛するってこういうことだったんだな
深いよ…あいつを愛する切ない気持ちが伝わってきてすごく泣けた
短いのに感動しました。GJです!
385:風と木の名無しさん
10/08/05 13:43:09 IFZCm3HRO
痛いけど切ない。幸せになって欲しいような、痛みに殉じて欲しいような。
ともあれGJ。
386:風と木の名無しさん
10/08/05 13:44:59 tqArYCs20
まわし
387:風と木の名無しさん
10/08/05 20:55:18 tgTfzfcYO
まわし
388:風と木の名無しさん
10/08/05 21:15:47 049xbVWkO
暑いですね、冷たい足で踏んでください
389:風と木の名無しさん
10/08/05 21:15:51 wvViy9A2O
踏み踏みしてほしーの
390:風と木の名無しさん
10/08/06 00:25:06 X9naLqTp0
目が覚めたら、二人とも汗まみれだった
391:1/2
10/08/06 10:42:57 X9naLqTp0
「ひー、くたびれたー足パンパン」
商店街のお祭りの手伝いで、朝から準備にバタバタし、夕方から夜までずっと純也と二人で焼きそばを焼いた。
部屋に入るなり、純也はラグの上に寝転がった。
立ちっぱなしだったから本当に足がパンパンだ。
アルコールも適度に入ってるから余計だよな。
「なあ、彰司あれやってよ、踏み踏み」
「えー俺も疲れてるんだけど。だいたい、シャワー浴びに来ただけだろ」
「いいじゃん、お願い。プロのお前に踏み踏みしてほしーのよ」
俺の返事を聞く前に、横向きになって上の脚を前に出す、いわゆるシムス位になると、純也は俺の顔を見上げて、お願いっと言った。
立ち上がると、「しょーがねーなー」と言いながら片足で立ち、もう片方を純也の内股の付け根におろす。
足の裏全体で、内転筋にゆっくりと体重をかけ、膝の方へ移動してゆく。
確かにスジがパンパンになっている。
「ひーーー痛ぇーー」
「違うだろ、気持ちいいだろ」
「ひ~、痛きもちいいー」
「そうそう」
これはどう言うわけか、膝に近い方が痛みが強い。どんなに軽く踏んでも、のたうち回る人がいるくらいだ。
そっと純也の顔を見ると、目をつぶって眉を寄せ、何とも言えない顔で耐えていた。
「痛いーーけど気持ちいいー」
「お前が言うとなんかエロいな」
「ばっか彰司、ほんとに痛いんだぞ」
「知ってるよ、仕事ですから。はい反対」
ううーと呻きながら純也が向きを変える。
俺も足を変えて同じように内転筋に軽く体重をかける。
「あ、こっちはそうでもない。あんまり痛くないわ」
「お前、片方の足に体重かけすぎ」
「わかってるんだけどさー、軸足があるんだって」
純也は商店街の布団屋さんの息子で、貸し布団を車に積む時に、無意識にいつも同じ側で踏ん張る。
それで一度腰を痛めた。
392:2/2
10/08/06 10:44:10 X9naLqTp0
サッカーをやっていた純也には結構な痛手で、それで俺はスポーツ整体を仕事にするようになったのだ。
「マッサージもしてやろうか、ついでに」
「ええ? マジ? ラッキー、すまないねえ、彰司も疲れてるのに」
「ま、あとで身体で返してもらいますけど」
「お前が言うとエロいわね」
「マネしないでくれる?」
軽口を叩きながら、ラグに俯せにさせ、仕事の三割程度の軽さでマッサージをしていく。
肩、背中、腰。
引き締まった固い筋肉の中のコリを見つけ、ほぐす。
この仕事をするようになって、わざわざ理由付けする必要なく純也に触れられることに気が付いた。
無防備に俺の前に横たわる純也。
俺が純也を好きなように、純也も俺を特別な目で見てくれているといい、と思うことがある。
90%ない、とわかっているけども、時々、もしかして、と思うことはある。
うぬぼれ、あるいは妄想。たぶんそうだ。わかってる。
だから、こうやって純也に触れる男は俺一人。そう思うことで十分だ。
「おー、気持ちいいー。彰司、サイコー」
半分寝ているような声で、純也が囁く。
寝ろ。寝てしまえ。
「バカ、寝るなよ。シャワー浴びたら祭りの打ち上げ行くんだろうが。皆待ってんぞ」
心とは裏腹の言葉をかける。
いいよ、寝ちゃえよ。
そのまま朝までここにいろよ。そうしたら、俺はお前をひとりじめ出来るから。
「ん~…」
純也の息が穏やかになり、規則正しくなったのを見計らって、俺は立ち上がり、打ち上げに行けなくなった旨のメールを一本打つと、部屋の電気を消した。
393:風と木の名無しさん
10/08/06 14:58:17 AlcMcBoHO
>>392
独占欲なそこはかとないエロスが良かった。GJ。
がんばってくれてありがとう
394:風と木の名無しさん
10/08/06 19:27:45 ol6uLs+jO
おお好きなシチュエーションだ。
390も字書きさんぽいね
勘違い乙だけどよかったw
395:風と木の名無しさん
10/08/06 22:49:45 ddweRhqh0
えろいい感じだ。GJ!
396:風と木の名無しさん
10/08/08 04:31:44 5Ws0lEBxO
まわし
397:風と木の名無しさん
10/08/08 17:36:53 DGNenFGgO
犠牲になりましょう
398:風と木の名無しさん
10/08/08 18:37:06 X1STN933O
お先にお踏みなさい
399:風と木の名無しさん
10/08/08 18:37:49 b5+hhnzE0
友人だけど主従
400:風と木の名無しさん
10/08/08 22:06:04 rh98auuQ0
「お前なあ、もう少し危機感持てよ…」
「んー?なんで?」
「なんでって…今どんな状況だか分かってるのか?」
「分かってるよ~。信頼してた家臣の謀反にあって、お城の周りを取り囲まれてる、でしょ?」
「そうだよ!そう!分かってるなら、なんでそんなお気楽なんだよ!」
「お気楽ってひどいな~。俺はいつでも真剣だよ?」
「どこがだ!真剣な奴はこんな状況で一人ファッションショーなんてしないだろ!」
「え~、いいじゃない。ねえ、これとこれどっちが似合う?」
「知らん!というかお前それ俺の服じゃないかよ!」
「バレた~?王子様の服ってずっと着てみたかったんだよね~。ふふ、変な服~」
「うるさい!お前ほんとにどうしたんだよこんな時に…」
「こんな時だからでしょ~。ねえ、俺たち最初に会った時のこと覚えてる?」
「え?…ああ、まあ…。庭に忍び込んだお前が俺に話しかけてきたんだろ」
「そうそう、覚えてるんだね~!君は下らないことは覚えてないタイプだと思ってたよ!」
「く、下らないなんて思ってない!…お前が話しかけてくれて…俺は嬉しかったよ…」
「…俺も。…俺も、あの時話しかけて良かったと思ってる」
「なんだよいきなり…恥ずかしい奴だな」
「ううん、別に~。ねえ、ところでさ、このお城って地下に外に通じる逃げ道があるの知ってた?」
「え!?なんだよそれ!俺聞いたことないぞ!」
「うん、王様がねえ、秘密だぞって教えてくれたんだよね~。ほら、地図に○がつけてあるでしょ?」
「知らなかった…!そんな道があるなら早く逃げるぞ!他の者たちも連れて…」
「そうだね~。じゃあ俺が他の人たちを連れてくるから、先に行っててよ」
「え?でも皆で一緒に…」
「だめだよ~君、走るのすごく遅いじゃん!皆と一緒だったら置いてかれちゃうよ?」
「おいうるさいぞ!…まあ確かに俺は足が遅いが…」
「分かってるならほら、先に行って!あまり遅かったら俺も置いてっちゃうよ!」
「うう、くそ…。じゃあ先に行ってるからな!必ず追いつけよ!」
「うん、人の心配してないで頑張って走るんだよ~」
「ああもう危機感のない奴め!」
401:風と木の名無しさん
10/08/08 22:06:49 rh98auuQ0
どたどたと寝巻のまま駆けていく彼の後姿を見つめて、俺はふっと微笑む。
これが多分、彼を見る最後の姿。
君に伝えたい思いはいくつもあるけど、俺はそんなに器用じゃない。
ごめんね、君の悲しむ顔は絶対に見たくないんだ。
広場を見渡せる窓を開け放つと、眼下に広がるのは反旗を翻した無数の兵たち。
必死に平和を築いてきたこの城を、敵と見なして陥落させようとする民衆たち。
「お前たちの敵はここにいるぞ!」
思い切りそう叫ぶと「王子」の姿に気付いた者たちからいくつもの怒号が浴びせられる。
背格好の似ている俺は今、顔以外は近くから見ても完璧に王子に見えることだろう。
…あとどのくらいで奴らはここまでたどり着くだろう。
それまでにあの足の遅い王子…いや、俺の一番大事な友達は、どこまで逃げられるだろうか。
暖炉で赤々と燃える炭を一つ火ばさみで掴みながら、俺はぼんやりとそんなことを考えた。
402:風と木の名無しさん
10/08/08 23:17:28 SOTduqw+0
うまい!キャラもすごい好みだし禿げ萌えた!
前後の話も読みたい。GJでした。
403:風と木の名無しさん
10/08/09 01:01:24 wuCU+xRs0
友人いい奴すぎる…
続きが読みたくなるなぁGJ!!
404:風と木の名無しさん
10/08/09 06:16:53 amW/4WwyO
まとめにもたくさん来てる!
萌えを補給しすぎてプルプルになった
ごっつぁんです
405:風と木の名無しさん
10/08/09 23:23:13 ERKk1yJWO
顔以外は完璧ってことはやっぱり最後の行は伏線?なんだろうか…
力の限りGJです
まとめの方々も萌えました!GJ!
406:風と木の名無しさん
10/08/09 23:23:32 kOs4NDyh0
顔だけは似ていない…燃える炭…もしかしたら…
余韻残し過ぎる!すばらしい作品だ!GJ!
407:風と木の名無しさん
10/08/10 00:07:48 A9Hj0gC9O
炭で顔焼くんですねわかります
台本形式でなく普通のSS作品で読みたい
408:風と木の名無しさん
10/08/10 01:28:51 TolkToUVO
切ない……王子に思いを気取らせない気遣いに泣いた
従者としてじゃなく友人として王子を守ったんだな
409:風と木の名無しさん
10/08/10 01:31:24 cMZDFZBJ0
お兄ちゃんと兄貴の境界線
410:風と木の名無しさん
10/08/10 01:31:35 fM6Inj+K0
褒めてください、認めてください、俺を信頼してください。
411:風と木の名無しさん
10/08/10 04:06:49 fM6Inj+K0
ちいさい頃は、お兄ちゃんお兄ちゃんと自分の後ろをついてまわっていた年の離れた可愛い弟
女の子みたいにかわいくて、でもそんな可愛い可愛い最愛の弟に、自分でも気付かないうちに
兄弟以上の感情を持っていることに気付いてしまった兄
一緒にお風呂に入っているときにも、あらぬ場所へと目が行ってしまう
ああもうマジ可愛い。抱きしめてちゅーして舐めまわしてぇ…
そんな悶々とした思春期を過ごした兄は、高校進学を期に寮に入り弟から離れようとする
なんとか幼い弟に手を出す変質者の烙印を押されることなく、無事に高校卒業。大学も一人暮らし
無事に就職できたと思った矢先、会社は倒産。次の仕事も無く、家賃も払えなくなり実家に帰ることになってしまう
7年ぶりに再会する天使のように可愛いかった弟は今では高校生。
さぞかし美人に育っているだろうと思っていたのに、家に居たのは自分より背が伸び、声も低くなり無愛想ながら男らしく育った弟
昔はお兄ちゃん(はーと) なんて呼んでくれていたのに、生意気にも兄貴なんて呼びやがる
でも、こんなに可愛くなくなったならもう手を出す事も無いだろう
そう思っていたけれど、やっぱり弟は弟。
昔の癖がそのままだったり、何気ないしぐさが兄のツボだったり可愛くないのに可愛い。
再び悩みだす兄。そんなある日弟に押し倒され
「いつになったら、俺は兄貴にとって対等になれるんだよ…」
もう、お兄ちゃんなんて呼んでいた昔の子供じゃない
小さい頃から兄が好きだった
兄が居なくなって、ようやくそれがただの好きとは違う事に気付いた
兄が自分に向けていた、視線の意味が分かった
そんな感じの兄弟モノが好きです
弟×兄の下剋上と見せかけてヘタレ変態兄×男前弟だと萌えます
412:風と木の名無しさん
10/08/10 07:45:33 N1G1IxZg0
ウホっいい兄弟語り
11秒違いの誤爆で焦っただろうけど、GJGJ!
ラスト1行に大きく同意。萌えるよ
413:風と木の名無しさん
10/08/11 01:01:20 eDYcbyKI0
いい!これはいい!
今まで兄弟萌えはなかったけど、何か目覚めた感じがする
414:風と木の名無しさん
10/08/11 01:04:39 1I2i8o3B0
男前弟いいねいいねーGJ
415:風と木の名無しさん
10/08/11 14:01:05 uBdOMUuYO
これは萌えた
いい語り頂きました ありがとう
416:風と木の名無しさん
10/08/12 14:31:20 HIvUCi630
まわし
417:風と木の名無しさん
10/08/12 22:02:20 lFTm1Uv8O
まわーし
418:風と木の名無しさん
10/08/12 22:35:19 PNXEFa24O
ゆっくり踏んでいってね!
419:風と木の名無しさん
10/08/12 22:35:31 /Am7FpdJ0
似た者カップルと正反対カップル
420:風と木の名無しさん
10/08/13 23:19:28 2oBwSmSyO
お流れかな?
残念まわし
421:風と木の名無しさん
10/08/13 23:39:10 T3rfk2mqO
残念
まわし
422:風と木の名無しさん
10/08/14 00:22:18 AiM677GU0
まわし
423:風と木の名無しさん
10/08/14 01:10:32 uQ8Y+wqvO
残念だ
まわし
424:風と木の名無しさん
10/08/14 02:11:32 UTh4mQZB0
まーわし
425:風と木の名無しさん
10/08/14 02:55:42 ZN2SNEDCO
まわれまーわれ
426:風と木の名無しさん
10/08/14 03:48:29 vzOf7VoH0
めりごーらんまわし
427:風と木の名無しさん
10/08/14 04:20:40 qPcnurYMO
カモン踏み台
428:風と木の名無しさん
10/08/14 04:43:57 EalVc0yEO
はいっ踏み台ですっ
429:風と木の名無しさん
10/08/14 04:44:44 eu/ZO0/V0
くっついたりはなれたりくっついたりはなれたり
430:風と木の名無しさん
10/08/14 07:00:01 GqLEYayIO
お前が考えろ
はい次
431:風と木の名無しさん
10/08/14 17:01:19 utpGinweO
「もーやだ!絶対別れる!あんな馬鹿女しらねえ!」
「そっすかー」
「なんだよおまえ!先輩に対して冷たくね!?冷たくね!?」
「ンな事言われても、その喧嘩何回目っすか」
「忘れた!」
「彼女が他の男と遊びに行ったら別れて、三日もしたらよりもどして。
先輩が記念日忘れたら別れて、その日のうちに電話で仲直りして」
いい加減、別れてしまえばいいのに。
別れたって俺にチャンスなんか無いのは知っているけど…
「先輩らが別れる度に泣き付かれる俺は迷惑っす」
「う…それは悪いと思ってるけど…」
別れてしまえばいいのに
何度も飲み込んだ言葉
「もう別れたらいいのに」
不意に口をついてしまった言葉に、先輩が驚いたように目を見開く
一度口にしてしまえばとまらない
「そんなに些細な事で別れたいとか言いだすなんて、もともと二人合ってないんじゃないんすか?」
「そ、そんな事ないって!アイツ我儘だけど許される程度の我儘だし、喧嘩の原因は俺だってあるし」
顔真っ赤にして慌てて否定して
ああもう。本当に彼女が好きなんだよな、この人
「…解ってんじゃないっすか」
「は?」
「そんなに好きならさっさと謝って、いつもみたいに鬱陶しいくらいイチャイチャぶっこいてください」
ばたばたと彼女の元へと走っていく背中。
俺のものになることはない
「つぎはいつ別れてくれるんだろうな」
432:風と木の名無しさん
10/08/14 18:54:53 c1D4KZjL0
一途な後輩にめちゃくちゃ萌えた
切ないのがまた萌え。GJ!
433:風と木の名無しさん
10/08/14 19:07:03 GqLEYayIO
なんでわざわざ携帯から投稿?自演だってバレバレだよ?
ゴミ以下の内容だからスルー推奨
読んで貰っただけでも有り難く思いなよ
434:風と木の名無しさん
10/08/14 19:44:15 qngVhnJkO
お題から、喧嘩ップルが来るかと思ったら…
繰り返しの部分を彼女と後輩に振り分けたんだね
巧いなぁ。GJでした!
435:風と木の名無しさん
10/08/14 20:02:47 UBzlNTZ+0
>>433
お前は存在自体がゴミ以下だな有難く思え?ゴミクズがなにいってんの
お前が前に投下したねたクソつまんなかったよローカルでブフブフしてろよ
いいからしね今すぐしねお前がしんで板から消えたら喜んであげる構ってやったんだから喜べよ
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしね しねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねし
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねし ねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしね
436:風と木の名無しさん
10/08/14 20:50:42 IbdRb9UCO
切ない!GJでした!
後輩が幸せになることを願う!
437:風と木の名無しさん
10/08/14 23:41:49 ErhmsbTAO
BLだと女性を出されるのが苦手な人もいるのかもしれないけど
これは先輩の恋人が女なのがいい
お題処理もGJ
438:風と木の名無しさん
10/08/14 23:56:51 56wU9rTd0
後輩の健気さにやられた
かなわぬ恋とわかってる風なのがいっそう切ないなあ
切ない萌えをありがとう、GJ
ではではどうぞお踏みなすって
439:風と木の名無しさん
10/08/15 00:01:22 p1SiWrJoO
ぴしゃりと叱りつけた
440:風と木の名無しさん
10/08/15 23:38:42 2lL9yuk00
例えば自分が機械であり彼とは違う次元違う存在のインプットにアウトプットを返すのみの存在であったなら。
そう思うことが何度もある。事実今目の前にある画面はそのためのものでありそれ以外の役目は自分に求められないものだというのにそれすら忘れ、そう思うことが本当に何度も何度も。
どうしてだろう、と思う。とてもとても、どうしてだろう、どうしてこんなことになったのだろう、と、何度も、何度も。
そう考えながらいつも思わず見つめ続けるのは目の前の特に高かったわけでもない―というよりはそれ以前にこれは支給されたものだ―1920x1200、22インチディスプレイなのだった。
「ねーねー、『センセ』? どうしたの」
そのディスプレイから聞こえる声に、は、と覚醒する。眉を寄せた様子の馴染みの顔がディスプレイから覗いていた。さあ―『仕事』の時間である。
「…ああ、何でもないよ、寧」
そう答えて微笑む。ほんと? と笑ったのは、二年前からの『常連』、崎本寧である。
微笑む、といってもこれはポーズのようなものだ。電話の向こうに体ごと思わず礼をするようなもの。まあ一応は、あちらに反映されもするのだが―ディスプレイに映し出された、マスコットの映像、というかたちで。
向かいにいるのがヒトでないものの効果がどうの統計が云々ロボットセラピーが、という名目で作られた子供だまし。対話システムを搭載したAIがあなたに適切アドバイス。
優秀なAI故にまるで人間を相手にするかのような対話が可能な相談窓口ですお気軽にご相談をご相談を―そんなシロモノがこれだ。実態は簡単、俺みたいな『対象青少年』の、それらに利害を受けない『少しだけ周り』の地域にいるやつが、
まるでAIみたいなふりをしてマニュアル本片手に『ニンゲンを模したAIシステムならでは』の対応、とまあそんなものだ。よくある映画みたいなもんだ。
給料だって程々に良いし、なんだかんだいってああ自分もそうだったなあという年頃の少年に相談を受けるのは新鮮で、俺はまあルーティンワークのようにこの仕事を続けて―
いた、わけなのだが。
441:風と木の名無しさん
10/08/15 23:40:10 2lL9yuk00
「ふうん。別にいいんだけどさ、『センセ』ってAIらしくないよね。それで人間らしくしてるつもりなのかなあ」
「そういうことは言わないでほしいな、寧」
「まあ、いいけどね。ねえ、『センセ』、今日はさあ―」
ディスプレイの向こうからまだ子どもの気配を残す声が響く。時に淡々と時にあちこちぶれながら、その報告は続いた。
まず今日一日の報告をするのがこの子のくせだ。それを聞く。この手の子どもはよくいるけれど、決してそれを疎かに聞いてはならない。
レコーダを使ってでも記録し応対する。自分は少なくともこの相手には話を聞いてもらえるということを認識させるために。
たとえ『機械』相手といえど、その安心を得ることは非常に重要だ。
うん、うん、と相槌を打つ。それから何言か言葉を交わす。どうも部活が忙しいらしく、少し眠たげに話す声は次第に小さくなり、やがて途切れた。
「眠いみたいだね。さあ、もう部屋にお戻り」
「うん―ねえ『センセ』」
促した会話の終わり、そう呼びかけられて、またか、と俺は思う。
「なんだい?」
マニュアル通りに聞き返す。避けてはならない。静かに聴かねばならない。
「好きだよ。どんな人より大好きだ」
「………意味が分からないね」
やっぱりか。
このやり取りも何度目だろうか―出そうになる溜息を押さえ、いつもどおりの一言を言えば、
ちえっ、つれないなあ、と寧が苦笑した。当たり前である。たとえ俺が素直に返事を返すとしてもそうだろう。
そして笑いを収めた寧は、ディスプレイにそっと触れる。こちらに手を伸ばし、しかし触れることはない。
「AIだもんな、『センセ』。分かんないよな」
でもさ、とぽつんと言葉が落ちる。
「好きだよ」
ほんとうに、大好きだよ。
442:風と木の名無しさん
10/08/15 23:41:02 2lL9yuk00
「センセ。センセが―」
にんげんだったら。にんげんの、女の子でなくてもいいんだ。にんげんだったら。
前にそういった一言をこらえたか、彼はそれ以上言葉を続けない。
ただ、ごめんなさい、としばらく経って、そんな言葉を落としただけだった。
どうしてこんなことになったのだろう。そう思う。一年前、奴がひどく悲しそうにしているときに距離を取り違えたのか。
それとも半年前、それとも―。
これは俺のミスだ。画面の向こうの『AI』に不毛な恋をさせてしまっている。気を迷わせている。
けれど―けれど、これを上に報告するのは。報告するのは。引継ぎだって簡単だ、けれど、けれど―。
「ねえセンセ。好きっていって。嘘でもいいんだ。ただレスポンスを返すだけだよ。ねえ、僕を好きっていって―」
例えば自分が機械であり彼とは違う次元違う存在のインプットにアウトプットを返すのみの存在であったなら。
そう思うことが何度もある。事実今目の前にある画面はそのためのものでありそれ以外の役目は自分に求められないものだというのにそれすら忘れ、そう思うことが本当に何度も何度も。
どうしてだろう、と思う。とてもとても、どうしてだろう、どうしてこんなことになったのだろう、と、何度も、何度も。
そう考えながらいつも思わず見つめ続けるのは無機質な目の前の―支給されたディスプレイで。
だからその時、俺は静かに目を瞑る。目を瞑って、自分は機械であり彼とは違う次元違う存在のインプットにアウトプットを返すのみの存在で、プログラミングされた通りの返答を正確に返す、それだけ、それだけなのだと―嘘でもいいから。嘘でもいいから。
そして目を開け静かに息を吸って、叱りつけるのだ。精一杯冷たく―そう、いうならばぴしゃりと。ぴしゃりと叱りつけるのだ。彼と、ひいては彼に向かいあう、ここの、ここにいる、この―。
そうしてだから俺は今日も、ディスプレイを睨みつける。睨みつけて、ただただ静かに息を吐き―
「馬鹿なことを言うんじゃない」
その一言だけでもって、彼をぴしゃりと叱りつけて。
ディスプレイに伸びる、触れる自分の手のことは、努めて静かに無視をした。
443:風と木の名無しさん
10/08/15 23:47:18 deRk8SCs0
うわーうわーGJです! めちゃくちゃ切な萌えた!
最後の一文がたまらん、上手すぎる
444:風と木の名無しさん
10/08/16 01:58:27 XdOO+kZqO
上手いなー…!
凄く面白かったし萌えた!!
とってもGJ!
445:風と木の名無しさん
10/08/16 09:05:00 PFVelJFZO
センセ(笑)
日本語でおkな文章ばっかw
446:風と木の名無しさん
10/08/16 11:30:59 Y4eEZ0t60
設定も面白いしセンセの気持ちも切なくて萌えた
寧の方の考えてることも気になるなあ
GJでした
447:風と木の名無しさん
10/08/16 14:24:53 rCmcMT6a0
設定が面白い。GJ
448:風と木の名無しさん
10/08/16 15:58:24 40u9ikZMO
ちょっと踏んでくれないかな?
449:風と木の名無しさん
10/08/16 16:13:42 MSrqY+FMO
田んぼにダイブ
450:風と木の名無しさん
10/08/16 21:26:04 QCINIT9/O
「おめーそういや、ここに髭さ生えてんのな」
「おー? まあなあ」
夏休みの宿題を二人で片し、駄菓子屋へ向かう道、照り返る陽光にほわほわと揺れる髭が目立った。
明は自分の未だ生えない鼻の下を撫でて、それから佳樹の髭を触る。
「なんだあ、こすぐってぇ」
「俺にゃまだ生えてねえど」
「そのうち生えっぺ。おめげの顔はガキくせえからな。まだなんだろ『せーちょーき』が」
明はムッとした。
顔つきは確かに佳樹のほうが大人びているし、最近とみにゴツくなったが、それでもまだ明のほうが身長が高いのだ。
「どん口でそれを言うだ」
「こん口だ」
にししと笑う佳樹の顔が許せなくて、そのまま髭を一本抜いた。
「っいっで!!!何すっだか!!!」
「ざまあ見さらせっ。舐めた口きくからこうなんだ。ガキの癖して」
「へん!んじゃおめーのが大人だっつうんか」
「そうだぁ」
「んじゃあおめ、キスしたことあんだか」
「あぁ!?」
「ほれ見ろ、ねえんだべ!俺なあこないだ従姉妹の姉ちゃんとしちったんだ~」
「ぐぬぬ……」
まさか佳樹に先を越されるとは、と思っても口には出さず、負けず嫌いの口を出した。
「俺だってある!」
「……うっそだー」
「マジだ!おめーがしたのは普通のキスだべ?俺なんかベロチューしたし!」
「誰と?」
「え……あの、……姉ちゃんの友達と」
「証拠あんのかあ?」
「んなもんおめげにもねーべ」
451:風と木の名無しさん
10/08/16 21:30:48 QCINIT9/O
「俺はあっと。なんたって手順を一からレクチャーされたけぇ」
「んなら俺んが上だあ!だってベロチューの仕方分かるしな」
「んじゃあ証明しろ」
「……どうやって」
「俺ん口で」
「……はァ!?」
「んだって他に証明しよーもねーべ」
いささか短絡すぎないか。
「ほんじゃ俺からな」
「えっおま、」
チュー……。
佳樹の唇がタコのように吸い付いた。
我に帰って慌てて身体を離す。
「馬鹿!せめて場所考えれ!往来だど!」
「あ~そういやそうか。ま、ともかく俺は証明してやったど。明はどうなんだ?」
「だから場所が……」
「あー逃げる気だー」
「るっさい出来るわ俺のがもっとすっげえの!!」
売り言葉に買い言葉で、明は佳樹の肩を掴んだ。
しかしこれからどうしよう。
実際の所、夢の中では実践経験豊富だが、キス自体が明にとって先ほどのがハジメテだった。
だが不思議とショックとかは無い。
「何固まってんだあ。ビビってんのか?」
「るっさい。ムードを作ってんじゃムードを」
もうこのさい後には引けない。
明は夢でアイドルや同級生の女子としたのと同じ手順、つまり相手の目を見つめながらそっと近づく。
「佳樹……」
そっと名前を呼ぶ。
佳樹がぱちくりと目を見開いた。面白い。
髭が触れ、唇が重なった。
452:風と木の名無しさん
10/08/16 21:32:25 QCINIT9/O
半開きの中に舌を差し込むと、大口を叩いていた佳樹の身体が跳ね上がる。
口腔をまさぐると「ん……ふぅ、む!む!」というくぐもった声と共に胸を叩かれる。
右のほうをまさぐると余計叩かれる。抵抗されているようだ。
……だがもう少し。
…………もう少し……。
「……いい加減にしれー!」
完全に雰囲気に酔った所で、佳樹が無理矢理顔を離し、叫んだ。
「お、おう。……どうだ?これで分かったべ……」
慌てて取り繕うが、佳樹の顔を見るなりまずくなった。
「……ああ……まあ、確かに明のが、すげえよ」
顔を赤くしたままの佳樹の潤んだ瞳、腫れた唇、照れたような仕草に明はやばくなった。
主に股間がやばい。
佳樹が何か言っている。
「どうした明?駄菓子屋行くんだべ?腕離せ」
「お、おお」
「……ん?なんだろ、おめえポケットになんか入れてんのか?何かかてえのが……」
「!!」
明は察した。……そのかたいのは、すなわち僕のボッキちんこと言う物体です。
いぶかしんだ佳樹が下を見る前に!
他に逃げ場はないと分かった明は意を決し、ダッシュして田んぼにダイブした。
この友情にヒビが入ってはならない。
「アイキャンフラァーイっ!!!」
ドボンっ。
「あ、明ァ~~!!?」
ああ、青春の一ページ。
453:風と木の名無しさん
10/08/16 22:13:01 W0DrLxdUO
吹いたw
グッジョブw
454:風と木の名無しさん
10/08/17 00:52:49 wICdJJEbO
アイキャンフライってのどっかで聞いた覚えがある
455:風と木の名無しさん
10/08/17 11:22:49 Limj64uUO
ピンポンだね。方言可愛いGJ!!
456:風と木の名無しさん
10/08/17 21:58:27 n9zxGO6Z0
すごい可愛かったGJGJ!!
>>454
自分はJAMのSKILLを思い出した。
MottoMottoー!!
457:風と木の名無しさん
10/08/17 22:05:37 bk9FPiULO
田舎ののどかな田んぼ道が浮かんだ
夏らしい甘酸っぱい青春も方言も可愛い
GJでした
458:風と木の名無しさん
10/08/17 22:09:15 d8cDztvfO
踏んでくかい?
459:風と木の名無しさん
10/08/17 22:18:53 qU/DjMDyO
電車の吊革同時タッチ
460:風と木の名無しさん
10/08/19 00:39:32 ssh1ozhaO
残念まわし
461:風と木の名無しさん
10/08/19 08:10:02 dMdVQVSvO
まわし
462:風と木の名無しさん
10/08/19 11:21:31 nFnIAtACO
まわし~
463:風と木の名無しさん
10/08/19 12:24:48 h6L7OsSrO
マワシ
464:風と木の名無しさん
10/08/19 14:30:19 CTFMFTSJ0
お相撲さんが着けているものは?
465:風と木の名無しさん
10/08/19 14:34:54 lEpdiOL5O
まわしでごわす
466:風と木の名無しさん
10/08/19 18:23:13 FTXd8JKuO
まわしー
467:風と木の名無しさん
10/08/19 20:18:24 E3nnyODh0
>>464>>465
不覚にも萌えたまわし
468:風と木の名無しさん
10/08/19 20:43:54 XleTLdd2O
俺にかまわず踏んでくれ
469:風と木の名無しさん
10/08/19 20:45:28 Cn2ocIES0
あくびの出そうな朝
470:風と木の名無しさん
10/08/19 22:01:06 E3nnyODh0
部活の合宿ともなると、みんなで深夜まで馬鹿騒ぎして、
翌日眠気を引きずりながら朝を迎えるのはよくあることだ。
木田も例によって仲のいい友達の部屋に押し掛け、こっそり
持ちこんだおやつを肴に深夜までカードゲームや雑談に興じていた。
いつの間に寝ていたのだろう、ハッと目が覚めると友達の
部屋で椅子に座ったままの体勢で寝ていた。あたりに散らばった
トランプや菓子の袋を見て「しまった!」と頭が真っ白になった。
朝になれば起こしに来る先輩や顧問に見つかったら大目玉を
食らうのは目に見えていた。罰としてトレーニングメニューを
増やされたらたまらない。周りの友達を起こそうにもぐっすり
眠っていて起こしたらいけない気がして、木田はこっそり自分の
部屋に戻り、持参した大きなゴミ袋を持ってきた。
あらかた片付いた部屋を見まわす。
他の部屋に割り当てられた友達は薄情にも木田を置いて元の
部屋に戻ったようだった。トランプも菓子のゴミも片付いている。
あとは自分が戻ればいいだけだ。同室の奴は先ほど部屋に戻った
時に確認したらぐっすり夢の中だった。誰にもバレずに済みそうだ。
窓の外は薄明るい。太陽が昇り始めたころだろうか。
ほっと一息吐いて、音をたてないようにドアを開けた。
「木田?」
廊下に出た途端に後ろから名前を呼ばれ、びく、と小さく跳ねる。
「……部長」
「なにしてんの?」
471:風と木の名無しさん
10/08/19 22:07:46 E3nnyODh0
振り向いた先には部長が、怪訝な顔をして立っていた。
咄嗟に手元のゴミ袋を隠そうとしたがすでに部長の視界に入っていた。
―終わった。
部長は真面目を絵に描いたような人で、数分の遅刻も嫌う人だ。
合宿におやつを持ってくるなどと言う規則違反ともなればどうなるか
わかったものではない。木田は怒られるのを覚悟した。
「あー、その、ちゃんと片付けたのか、部屋」
うつむいた木田は、へ、と気の抜けた声を出して顔を上げた。
「あっ……は、はい」
「じゃあそれ、今の内食堂のデカイゴミ箱の奥深くに突っ込んどけ。お疲れ様」
大していさめることもなく軽い調子で言い放ち、木田の肩を
軽く叩いて、そのまま歩き出した。
「あの部長」
「なに、早く行かないとみんな起きてくるぞ」
「……ありがとうございます!」
音を立てないように食堂に走りだす木田を見送る。
本当は木田がゴミ袋をとりに行った段階で気付いてはいた。
しかし、部屋に戻って知らないふりをすればいいところを律儀に
片付けようとする様子がどこかかわいらしく、かつ面白かったために
なんとなく声をかけずにいたのだ。
―木田って面白い奴だったんだな。木田の背中を見ながら表情を
緩ませた。
あくびを抑えながら部長は部屋に戻って行った。
これからはちょっと絡んだりしてみようとふと思い、残り30分ほどの
眠りの世界に落ちていった。
472:風と木の名無しさん
10/08/20 18:21:38 S37SoOtZO
用意周到な木田いい子だよ木田。GJ!
473:風と木の名無しさん
10/08/20 18:26:17 yIEVjIt80
文章が読みやすくて好みでした
朝のゆるい感じが良かったです
474:風と木の名無しさん
10/08/21 16:23:07 i1kk80aU0
まわすね
475:風と木の名無しさん
10/08/21 19:59:34 R5bfKmSW0
まわしー
476:風と木の名無しさん
10/08/21 21:34:20 oQ1JXw1oO
まわしまわし
477:風と木の名無しさん
10/08/22 06:13:25 nKDO2aV2O
踏み台希望者の方~?
478:風と木の名無しさん
10/08/22 07:42:27 Qe69gXGzO
踏まれるために生まれてきました
479:風と木の名無しさん
10/08/22 07:43:40 5Rkywkoy0
元カレの葬式で元カレの今カレと初対面
480:風と木の名無しさん
10/08/23 09:07:06 cmwTEG8gO
残念まわし
481:風と木の名無しさん
10/08/23 10:41:52 y34NnJvY0
まわしますね
482:風と木の名無しさん
10/08/23 10:57:04 /mWH4JzT0
別館期待まわし
483:風と木の名無しさん
10/08/23 11:55:08 RXEcgflB0
お流れが多いねえ
484:風と木の名無しさん
10/08/23 11:56:53 5tIvzQ550
何故か478×477に萌えたよまわし
485:風と木の名無しさん
10/08/23 23:21:31 SztZgjwtO
まわすよ~
486:風と木の名無しさん
10/08/24 00:10:48 jBEYyB34O
ま
わ
し
487:風と木の名無しさん
10/08/24 01:12:48 F2aPLJSv0
まわし
488:風と木の名無しさん
10/08/24 01:13:39 Dz85n8560
踏み台
489:風と木の名無しさん
10/08/24 01:17:17 +kZaFexA0
メタ
490:風と木の名無しさん
10/08/24 21:58:49 a/YSAJ4W0
「僕らは、なんてちっぽけな存在なんだろうね」
「達観してんじゃねーか。いきなり。暗い顔してどうした?変なモンでも食ったか?」
「ノリがいいのは君の長所だけれど、こればかりは冗談にして笑えない」
「そんなこと聞いてみないとわかんねーだろー。なんだよ、話してみろよ」
「ん…何て説明したらいいか……」
「ざっくりで頼むな。俺バカだからあんま難しいこと言われても困るし」
「いま、僕らのしている会話はシナリオなんだ」
「すまん。あんまりザックリすぎても、それはそれでわかんねぇ」
「ルールが決まっているんだ。僕と君は、予め決められた目的の為だけに存在し、会話をしている」
「意味わかんねーんだけど……えーと。お前、どっかの変な電波でも受信したのか」
「義務なんだ。僕が君に話しかけるのも、君が僕に応えるのも」
「はぁ?」
「単純なこと。僕も君も、用意された登場人物で、目的を成立させる為に此処に居る」
「にしては、俺にはそんな実感これっぽっちもねーぞ」
「たしかにそうだね。それは僕も同じだ。だからこそ、僕らはちっぽけな存在で」
「てか、難しすぎて俺にはサッパリ……ま、でもよかったじゃん」
「よかったって……なにが」
「みーんな最初から決まってるんだろ?お前の話だと、俺がいるのもお前がいるのも、喋るのもぜーんぶ」
「のんきに言うんだね、随分と」
「ただ単に俺がバカなだけだ。お前もそんなめんどくせーことで悩むなって」
「め、面倒くさい事って……」
「だからさ、最初から決まってるお前の話し相手が俺でよかったじゃんって、俺は言ってんの」
「けっこう……君って、無意味に自信家だよね……」
「なんだとー!?なんだよそのため息!」
「ノリに他人を巻き込めるのも君の長所だ。……うん、そうだね。君で良かった」
「? なんかわかんねーけど、やっと笑ったな。お前には笑顔の方が似合うぞ」
491:風と木の名無しさん
10/08/24 23:05:53 1WevzdnZO
いろんな解釈ができるお題なのでどうなるかと思ったけど萌えました
包容力キャラいいよー
お相手と出会った以上は幸せになってくれ
GJでした
492:風と木の名無しさん
10/08/25 01:07:03 dehKKxEkO
たっかんしてるキャラと
てんねん呑気
おもしろす
つかお題の活かし方が独特ね
493:風と木の名無しさん
10/08/25 01:45:43 mmbmArb50
たしかにメタだw
てか最初お題見たとき、難しそうなのが来たなーって思ったから
よくこういうの考えつくなあと素直に感心した。
みんなこれ読んで色んな感想持つんだろうけど、自分は
すこし切ない感じがしたなあ。何か胸がきゅってなった。
ごまかしというか仮初め?架空?の幸せ、って雰囲気に切な萌えが止まらないよ。
いいメタフィクションをありがとうGJ!
494:風と木の名無しさん
10/08/25 18:12:15 SKF0t+G20
なんか最近ながれが多かったけど、やっと!
がんばって書いてくれている人に感謝。お題が
レベル高かったけど、うまくまとまっていて、
にやけてしまうぐらいのできだった。
ふたりとも幸せになって欲しいと切に願う
いつもはあまり感想とか書かないけど、この作品は、
たのしかったです、GJ!
495:風と木の名無しさん
10/08/25 23:35:18 88Exe8ed0
感想の長さに違和感を覚えて、やっと気づいたw
どうやったら、こんなの思いつくんだ。
うなってしまうレベルでした。
しあわせな結末を迎えられると思います、彼らなら。
たのしめました。GJ!
496:風と木の名無しさん
10/08/25 23:46:00 rd5LJcxX0
これは純粋に面白いな。乙です
>>492-494もうめえw
497:風と木の名無しさん
10/08/26 01:02:24 CKd+Nc3j0
最初に思いついて書いた*0は言わずもがな
それに気づいた上で感想にも仕込む人達に軽く感動した
*8どうぞ
498:風と木の名無しさん
10/08/26 01:33:38 rwJd8I9gO
踏めばいーよ
499:風と木の名無しさん
10/08/26 01:34:12 9lRYt7bS0
女の子が大好きです
500:1/2
10/08/26 19:00:42 1C3o90id0
「決めた、俺やっぱ彼女作るわ」
騒がしい昼休みの食堂。向かいに座る林に井上はそう宣言した。
「なにを言ってるんですか井上さん…既に僕と付き合ってるくせに」
後半は小声でそう続ける林の落ちついた態度が井上には余計にしゃくに障った。
―俺が折角衝撃の告白してるんだから、少しは驚けよ
そういう態度だから俺も女の子と付き合いたくなるんだよ
「うるさい。それは何かの間違いだ、そもそも俺別に男好きなわけじゃないし」
「僕も男好きじゃないですよ井上さんだから好きです」
「あ…今はそういう話はしてないだろ」
「はいはい」
「ほら、純情可憐な女の子と付き合う方が絶対楽しいし」
「僕は井上さんと付き合うまでに何人か女性とお付き合いしましたけど
素直とか純情な女の子なんて都市伝説でしたよ。井上さんの方がよっぽど可愛い」
お前はどさくさにまぎれて何を言ってるんだ。
「じゃなくて!俺は男の固い胸よりも、揉みがいのあるぷるるんと大きな胸が好きだ!女の子が大好きです!」
「はいはい、井上さんの髪も柔らかくてさわさわで撫でがいがありますよ」
「だからー!はぐらかすなよ」
「はいはい」
501:2/2
10/08/26 19:01:27 1C3o90id0
「お前と会うまでは普通に女の子と付き合ってたし」
「あー半年周期でふられてましたよね」
「そうそう…なんでお前知ってんの?」
「見てましたから」
「ストーカー!?」
「違います。ほら俺達高校も同じだったんですよ」
「知ってる。お前が高校入学した時から知ってた」
「ストーカーですか?」
「ちげぇよ、にこやかに聞くな。ただちょっと男にしては美人な奴だなーって見てて。
まさか中身がこんな奴だとは当時思いもしなかったけど」
「有難うございます」
「ほめてない。それで当時付き合ってた彼女に浮気疑われて、ふられて…」
「なるほど、それを高校卒業まで繰り返していたわけですね」
「そうそう、俺が女の子と付き合えないのは全部お前のせいなんだよ」
「じゃあいいじゃないですか、俺達は出逢って惹かれあうのが運命だったんですよ」
「えっ…そうなのか?」
「そうですよ。だって井上さんも、僕のこと好きでしょ?」
「す、好きだけど…」
「じゃあいいじゃないですか。これからもよろしくお願いします」
「あ、うん」
「ああ、井上さん…そろそろデザート取りに行ったらどうですか?無くなっちゃいますよ」
「そうだった…俺バナナ味にするけど、お前イチゴでいい?」
「はい、お願いします」
林の返事を聴くと、井上はそそくさと席を立ってカウンターへと駆け出していく。
その後ろ姿を見送りながら林は呟いた。
「…そもそもこんなこと人がいっぱいいるところで語りだしたらそりゃ彼女もできないよね」
林が後ろを見渡すと、2人が座っていたテーブルを遠巻きに見守っていた女子の集団が慌てて目を反らした。
こそこそと何を話しているのかは聞き耳を立てなくてもわかる。
「井上さん、ほら言ったでしょ。純情な女の子なんて都市伝説ですよって」
502:風と木の名無しさん
10/08/26 23:33:36 U6PpR+KlO
最後ww公衆の面前www
ツンデレ先輩と全部お見通しな後輩いいな!GJ!
503:風と木の名無しさん
10/08/27 10:08:02 ABOj8Raz0
林は本当に井上の事好きだなw
504:風と木の名無しさん
10/08/27 14:13:15 i82brEyPO
もう終始ニヤニヤしっぱなしだったw
ラブラブだなぁ二人とも
505:風と木の名無しさん
10/08/27 14:43:10 9LFOqsA+0
周りの女子の反応がいいねw
GJ
506:風と木の名無しさん
10/08/27 14:47:54 Ukh9GgVwO
締め方がいいなぁ。GJ!
507:風と木の名無しさん
10/08/27 21:48:08 HqhNj49pO
イチャイチャって表現が似合う二人だなwGJ!
508:風と木の名無しさん
10/08/27 23:31:17 e6Vyul7lO
じゃあいってみる?
509:風と木の名無しさん
10/08/27 23:33:10 6XrM78wlO
一夜だけ
510:風と木の名無しさん
10/08/27 23:33:42 /Fxmn8q70
ワールドカップで日本が優勝したら
511:風と木の名無しさん
10/08/29 07:38:27 N3rMDyooO
お流れ
512:風と木の名無しさん
10/08/29 10:29:55 4PWxSY8+O
まわし~
513:風と木の名無しさん
10/08/29 10:32:30 WevtTmh70
まとめには来てたけどねえ
踏み逃げはいかんな
514:風と木の名無しさん
10/08/29 10:57:59 Vr29hSX3O
*9を取る人は自分が書くことになる覚悟で踏めばいいのにまわし
515:風と木の名無しさん
10/08/29 13:58:14 qJmLLiOxO
まわし
516:風と木の名無しさん
10/08/29 15:04:13 9fivS2ju0
踏み逃げ駄目!絶対!まわし
517:風と木の名無しさん
10/08/29 20:57:26 nnm4jdIVO
次に期待まわし
518:風と木の名無しさん
10/08/29 21:18:01 k+Xb7JiU0
遠慮なく踏むが良い
519:風と木の名無しさん
10/08/29 21:19:35 +E2b/kkOO
強くて冷静な配下×最強の武将
520:1
10/08/30 02:49:14 IIzH5klZO
たぎったので、語ります。
・最強さんは、あまり身分の高い生まれではなく、給料が良いとかの理由で兵士に志願。
独学と経験で、着実に地位を上げてきた。
・一方で冷静配下は、家が代々指導者とか、指揮官を生み出してきた家系に生まれ、幼い頃から英才教育を受けてきた。
そして、親のコネで、あまり危険がない部署に配属され、そこそこ良さげな地位に納まる。
・ある日、ほとんど顔を合わせた事のない二人が、偶然戦場で共闘する事になった。
互いに異なる戦略と部下に対する考え方に、その時は二人とも、馬が合わないと思い苦手意識が生まれたのだが、なんの縁か、度々共闘作業が増え、二人も徐々に、互いの事を認め始めていた。
・そんなある日、冷静配下が、自分の部下の裏切りによりピンチを迎える。
絶望的な状況の中、最強さんが無謀を承知で彼を助けに現れた。
何故彼がと思いながらも、冷静配下は最強さんが自分を助けに来てくれた嬉しさと安堵から、みごとに戦況をひっくり返した。
・その鮮やかな手並みに、最強さんも驚きと興奮、そして尊敬の念を隠せないでいた。
だが、冷静配下さんに刺客の手が伸びている事に気付いた彼は、体の一部を失いながらも、冷静配下さんを守る事に成功した。
521:2
10/08/30 03:17:24 IIzH5klZO
続き
・一方、最強さんが、自分を庇って体を欠損させた事に責任を感じた冷静配下は、彼の部隊に異動し、甲斐甲斐しく世話をするようになった。
・最強さんは、戸惑いつつも、冷静配下の心を汲んで、照れくさいながらも彼の好きなようにさせていた。
そして最強さんは、冷静配下さんの足を引っ張る事の無いよう、更に武術を磨き、本当に一部を欠損しているのか、と周囲を唸らせるような力の持ち主になった。
・冷静さんは冷静さんで、彼がその力を存分に発揮出来るよう、広い視野と明晰な頭脳を駆使し、徹底的に彼のサポートに回った。
勿論、冷静配下も最強さんの足手まといは嫌なので、部下に内緒で、最強さんに特訓して貰っていたりする。
・いつしか二人は、その国で知らぬ者は居ないと言うほどの存在になった。
子供は二人に憧れて、彼らのようになる事を夢見、大人は兵士を志願するものがあとをたたなかった。
みたいな華々しい活躍の裏で、みんなに慕われる最強さんにイライラする配下さんや、妙に女性にモテる配下さんにハラハラしたりする二人を観察したい。
522:風と木の名無しさん
10/08/30 05:32:58 4zHzN201O
こういう形式のやつもあるんだ~と新鮮だった
GJ
523:風と木の名無しさん
10/08/30 19:36:18 3hr6A9kAO
>>520>>521
発想が新鮮でたぎった!!
この小説どこに売ってるんですか?ww
GJでした。
524:風と木の名無しさん
10/08/31 00:44:07 ictaNYjCO
死ぬほど萌えた……!!
とりあえずいつ発売ですか?
525:風と木の名無しさん
10/08/31 17:25:51 sP42pYT/0
ナイス萌え語り!GJ!
最後の1行にもまるっと同意。観察したいよね。
526:風と木の名無しさん
10/09/01 09:42:16 t+PMOTMqO
こういう二人がストライクど真ん中です。
萌え燃えGJ!
527:風と木の名無しさん
10/09/01 14:35:49 ONswECtRO
そろそろいってみる?
528:風と木の名無しさん
10/09/01 14:45:05 2NAu5uDI0
俺お前になら踏まれてもいーよ
529:風と木の名無しさん
10/09/01 15:22:40 VNrzdGLuO
夏休みの宿題が終わらない
530:1/2
10/09/02 00:01:35 t+PMOTMqO
「よっしゃあ英語終わった!」
「見せて―よし、ちゃんと所々間違えてる。じゃあ次は数学だね、はい」
「えー!? ちょっとは休みたいんですけどー」
「え? どこぞの馬鹿の読書感想文をゼロから書かされてる僕の目の前で、
単純な書き写し作業しかやってない君がどうしたいって?」
「や、何でもないっすスミマセン……」
「全く、どうしてここまで溜め込めたんだよ。
最初から期限に間に合わせる気がなかったとしか思えない」
「いや、そんなつもりはゃなかったよ?
ただ、お前と海行ったり花火やったりしてたら楽しすぎて忘れてたっていうか」
「なっ―人を言い訳に使うなよ。それを言うなら僕だって条件は一緒だ」
「ですよねー……けど手伝ってもらえてホント有難いわ。マジ感謝、マジ愛してる」
「気持ち悪いこと言うな馬鹿、僕は君なんか―はぁ」
「ん? どした? 疲れたなら休めよ?」
「いや……本当は、僕もまだ一つ、終わってない宿題があるんだ」
「え、ウソ!? マジで? なんで?」
「夏休みの前に、休み中に絶対やらなきゃって決めてた。やる機会もいっぱいあった。
けど、どうしても手を出せないまま、ズルズル時間が経って……
今は正直、もうできな
531:2/2
10/09/02 00:05:07 SzU59/NtO
「―お前、それはズルいぞ」
「!?」
「俺がこんなに―まあほとんどお前に頼ってるけど―必死になってる目の前で、
お前は無理でしたできませんって逃げるって言うのかよ?」
「それは……」
「そりゃ俺だってぶっちゃけ今も挫けそうだよ。
けど、お前が頑張れって言って、お前も頑張ってくれてるから頑張ってんだよ。
だから俺もお前を応援する、つーかもう読書感想文もちゃんと自分で書くから、
お前はお前のやらなきゃいけないことを諦めずにやってみろよ!」
「……そうだね、君にそこまで言われたら、頑張らないわけにはいかないな。ありがとう
―よし、やる気も出てきたことだし、後1時間で残り全部終わらせよう」
「はぁ!? いくらなんでも無理だろそれ」
「話さなきゃいけないことがあるんだ、このままのペースでやってたら君寝ちゃうだろ」
「いやそうかもしれないけどさ、それよりお前は自分の宿題やれよ。
つーかお前が終わらせてない宿題なんかあったっけ……?」
「それも含めて話すから。ほらペース上げてくよ、手動かして」
532:1
10/09/02 00:11:54 zDAZPzsnQ
「やべえ、提出出来ねー」
「は?宿題は僕が教えてあげたでしょ。何が残ってるの」
「一行日記」
「…はあ?書くネタならあるだろ」
「んなあからさまに見下した目すんな」
「夏祭りも植物観察も図書館も海も、そう不足しなかった筈だけど」
「いやネタ不足って言うか…そもそも完成してない訳じゃねえよ、毎日つけてたし」
「余計意味分かんない。」
533:2
10/09/02 00:12:47 zDAZPzsnQ
「いや、あのな。夏祭りも海も森も図書館も全部、お前と一緒に行ったろ」
「だから?」
「だから、今見直したら俺の日記は、お前と~した、ばっかなわけ。」
「ふぅん。…で?」
「え、『で?』って」
「提出出来ない理由」
「だって彼女とかいないのまるわかりだろー?カッコ悪いじゃん」
「…君は不満なの」
「へ」
「君は不満なの、夏休みの大半を僕と過ごしたのが」
「まあそりゃ、俺もお年頃だか…ん?」
「何」
「いや、俺…不満じゃ、ない…っぽいかも。寧ろかなり満足してる、気がする?」
「ならいいでしょ」
「え、あ、そうか?うん、ならいいや」
534:風と木の名無しさん
10/09/02 00:14:08 zDAZPzsnQ
うわ、リロってなかった!
ごめんなさい!
535:風と木の名無しさん
10/09/02 00:51:32 GCLQIWCZO
どっちも萌えたからニアミスでもなんでもいいや
タイムリーなお題出した9も含めてGJ
536:風と木の名無しさん
10/09/02 12:53:00 Avm27/L10
どっちも良かったよ
面倒なのに携帯からありがと
537:風と木の名無しさん
10/09/02 16:29:31 H2enh3350
どっちもGJ!
普通に続けて読んでて米読んでから気付いたwww
538:風と木の名無しさん
10/09/02 20:45:24 4UkLfIlOO
同じく普通に続いてるのかと思ってたw
どっちも可愛いかったですGJ
二作も読めてお得だったよ
では、踏んでください
539:風と木の名無しさん
10/09/02 20:55:45 ZAIixXp/O
実は男だった
540:風と木の名無しさん
10/09/03 00:57:46 nRBy+TNJ0
「……何を言っているんだお前は」
「ほ、本当なんだって!今まで言えなかったけど俺本当に男なの!」
信じろ!と泣きそうな顔で俺の肩を揺らすコイツはどう見ても女にしか見えない。
短いが柔らかく触り心地のいい髪、スカートを着ても疑う事も無かった足。
声は、まあ多少女にしては低く重圧があると思ってはいたが
少なくとも大学入学直後から3年経った現在まで、コイツを男と感じる部分は一度も無かった。
突然呼び出されて何用かと思えば、信じがたいカミングアウトが待っていた。
それも「俺、男なんだけど女の子になりたいんだ……」のパターンではなく
延々と男だから信じろ!と懇願されるとは思ってもいなかった。
「……一つ聞いていいか?」
「何だ!?何でも答えるぞ!」
「百歩譲って、お前が男なのは認めるとしよう。ならば何故今の今までそれを言わなかった」
そうだ。女の子になりたい男の娘じゃなければ、この3年間女を演じ続けていた利点が見当たらない。
見た所、女装癖があるとも思わない。兄弟を女の子にしたいと思う姉妹もいない。
そもそもコイツは一人っ子のはずだ。
わざわざその足で服を買いに行っていたのだと思うと、好きでもないのに女装をしていた経緯が見えなかった。
いざ言われてみれば、男らしい所は多々あるように感じる。
いつも長袖で隠していた手は、よく見れば男性特有の堅い甲を持っている。
中性的ではあるが、それでも男か女かと言われれば男と答える位はっきりとした顔立ちをしている。
これら全て、初対面で既に女であるという認識をしていたから感じなかった部分なんだろう。
先入観とは恐ろしい物だ。
541:2/5 レス数表示忘れてました
10/09/03 00:59:46 nRBy+TNJ0
意地の悪いプライドが邪魔して平然を装ってはいるが、正直俺自身混乱している。
気兼ねなく話せる女友達が突然「俺は男」と宣言されて混乱しない奴はまずいないだろう。
目の前で困ったようにうろたえるコイツと同じ様に俺もうろたえたい位だ。
どう答えようかと考えているんだろう。眉間に皺を寄せて俯いていたソイツは暫くの間そうしていた。
そして唐突に、まるで決断したかのような目をして俺に向き合い、頬を赤く染めながらはっきりと口にした。
「俺、お前が好きだったんだ。つーか、一目惚れだったの!」
「はぁ?」
「最後まで聞け!文句はそれから聞くから!」
こうも押し切られては何も言えなくなるもので、俺は大人しく話を聞く事にした。
「入試の時さ、俺、参考書忘れて……覚えてないかな、お前から参考書借りたの」
「ああ……あれお前だったのか」
覚えがある。入試の時、俺と同じ教室の男が落ち込んだ様子で廊下に立っていた事を。
緊張とも思えず声をかけると参考書を忘れた、どうしようと焦った顔して言われたな。
その日の試験が終わった後、泣きそうな顔で何度もありがとうと言う姿を思い出した。
「それですっげーいい人だなーって思って、で、格好いいなーとも思って……」
「……」
「だから合格した時、嬉しかったんだけど。それだけじゃなくて、ちゃんとお前に会ってお礼しようと思って……。
でもその時はまだ付き合いたいとか、キスしたいとか、そんなんじゃなくて……いや、俺何言ってんだ…」
脈絡のない、たどたどしく、時々考えるように言葉を詰まらせるコイツの話をただ黙って聞いていた。
「でさ、女装は友達との罰ゲームだったんだ。入学式一日だけ女装って言われて。
すっげー嫌だし恥ずかしいって思ってたんだけど、どうせ一日だけだからいいと思ってたら……」
542:3/5
10/09/03 01:02:24 nRBy+TNJ0
入学式、一人集合場所が分からず迷っているコイツを俺が見つけた。
今思えば、入試のときと同じ様な焦った顔をしていたように思う。
「嬉しかったんだ。また会えた!って。で、嫌でもあったんだ。
だって、女装癖のある男なんて思われたら嫌だし、気持ち悪いって思われたらショックだったから」
「……」
「気持ち悪いって思われて、嫌われるくらいなら女のままでいようって…………」
一瞬顔を歪めて、息を飲み込んだ。
先程より目から反射される光が増して来たように感じる。
「で、でも、女としてお前といて、やっぱすげー優しくて、すげー格好よくて。
でもそれは女としての俺で、男としての俺にはきっとここまで優しくないんだろうなって思って」
声が上擦って来ている。入試の時に俺に向けて言った声に凄く似ていた。
「そうしていく内に段々本当に好きになって、4年になったら俺もお前ももっと忙しくなって
今よりもっと会えなくなるから、どうせなら今本当の事を言おうと思って……」
とうとう溢れ出した涙がコイツの頬を伝う。
それでも、一度も俺から目を逸らさずに本当の事を言い切ったコイツを俺は嫌いになれなかった。
気持ち悪い、理解出来ないとは思うけれどそれはあくまで結果論。
そこに行き着くまでの過程を聞いてしまえば、そんなものはもう感じなくなっていた。
「つまり本当は男のお前は俺が好きで、付き合ったりキスしたいと思っている訳と」
「ち、違う!好きだけど付き合うとかそういうのは、うっかりっつーか、間違えたっつーか」
「したくないのか?」
涙で濡れた顔を真っ赤にして否定していたコイツは、俺の言葉に口を開いていた。
543:4/5
10/09/03 01:03:04 nRBy+TNJ0
「気持ち悪くないのか?嫌じゃないのか?」
「女装をするお前は気持ち悪いし嫌だ。正直、女装癖だけだったら股間にあるそれをもげって言いたい所だ」
「……なんだよそれ」
困惑するコイツの身体を引き寄せる。
初めて抱きしめた身体はやはり堅い。どう考えても男の身体そのものだった。
「そういう過程で女装をすることになったなら仕方ない。ある意味俺にも責任があるみたいだしな」
「え、いや、何言って」
「振られる嫌われる前提で言ったと思うが、残念な事にここまでの話を聞いて俺はお前に嫌悪感を抱いていない」
「でも俺男!もう女じゃないって!」
近距離で騒がれては堪ったものではない。
うるさいの言葉の代わりにキスで塞ぐと、数秒硬直した後抵抗を始めた。
だが抵抗はあくまで形式だけのものに近い。
本気で逃げようと思えばいつでも逃げれる位弱く抱きしめているのに
コイツは駄々を捏ねる子供のような抵抗しかしなかった。
唇を解放すれば、期待と不安を抱いた目で俺を見ていた。
544:5/5
10/09/03 01:03:38 nRBy+TNJ0
「ホモとかゲイとか言われるぞ…」
「構わん。抵抗も嫌悪も無い。自分から言い出したくせに、もう怖じ気づいたか?」
「そんな事ない!」
「じゃあ問題ないだろ?お前は実は男で、俺が好き。それだけじゃないか」
流石に外でいつまでも抱き合うのはあまり宜しい事ではない。
抱きしめていた腕を解くと、コイツは残念そうに俺の腕から離れて行った。
「……お前は、男としての俺の事どう思ってるんだよ」
どう思っているのか。正直な所『わからない』が答えだったりする。
男としてのコイツは嫌いじゃない。ただ、あまりにも異性として接していた時間が長過ぎた。
女としてのコイツは好きだった。出来ることなら付き合いたいくらい好きだったように思う。
だが今の瞬間、好きだった女は実は男である事実を突きつけられたが、それに対して不快感はなかった。
本当の事を聞いた時も、抱きしめた時も、キスをした時も嫌だとは思わなかった。
けれど、これが好きだからで片付けられるものなのか。今は未だ判断がつかない。
「……さあな」
「なんだよそれ!人が一世一代の告白をしたっつーのに!」
「さぞ辛かっただろうな、3年間女装していた事をカミングアウトするのは」
「分かってんなら本当の事言えよ!俺ばっかでお前ずりぃよ!」
「ははは、泣いたら腹減っただろ?飯食いに行くか」
「話逸らすな馬鹿!」
ただ一つだけ言えるのは、女のコイツにも男のコイツにも同じ位、惹かれているという事だけだった。
545:風と木の名無しさん
10/09/03 01:47:59 gkfT4uEWO
GJ!
いつの間にかゾッコンラブになってますよーに。
546:風と木の名無しさん
10/09/03 09:51:44 0/tCVtqiO
長編うれしい!ほくほく♪
ラブラブ編も読みたくなりました!
GJ!
547:風と木の名無しさん
10/09/03 12:46:33 4eCwCDd30
最初見た時、またかぶったのかな?と思ったよw
レス番があって良かった
長編すごい!GJ
548:風と木の名無しさん
10/09/03 15:47:17 YyuLP+CBO
踏まれたい そんな気分です
549:風と木の名無しさん
10/09/03 15:47:46 TtoisZcU0
貴方が優しいから僕は寂しい
550:1/3
10/09/04 16:00:33 Wt4yMpxC0
それから颯太は、ありとあらゆる「親戚に家」を歩き回った。
長くて半年。それを過ぎると、大抵の場合は次の家へと引き渡された。
両親にさえ望まれた存在ではなかった颯太が親戚の間でも鼻摘みもので
厄介ものであることは至極当然のこと。結局のところ、まともな引き取り手に
巡り会えないまま颯太は十五歳になった。
その十年の間、ありとあらゆる、本当に血縁関係があるのかも定かでない
遠縁の遠縁にまでもたらいまわしにされ尽くし、ようやく行き着いたのが、
この『藍田さん』の家なのだ。
藍田は三十七歳で独身、背の高い優しげな顔をした男だ。
颯太にはよく判らなかったが、なにやら絵を描いて生活費を稼いでいるようだ。
いわゆる画家というやつで、それなりに売れているらしい。
が、毎回のように藍田の絵を描く後ろ姿を見つめている颯太だが、
一度たりとも彼の感性を理解できたためしががない。
「藍田さん」
「ん、なに? 教科書代?」
藍田は絵の具のついた顔で振り返り、そう聞いた。
アトリエは絵の具臭く、颯太はあまりこの空間が好きではなかった。
そもそも藍田が絵に没頭することは、すなわち彼の世界から颯太の存在が
消えうせることを意味していた。
颯太が声を掛けなければ、藍田は彼の存在を完全に消失させて
絵に取り組む。颯太はそんな理由からも、このアトリエが好きでなかったのだ。
「違うよ」
颯太は首を横に振る。
藍田はいつも優しかった。颯太の育った環境を配慮してなのか、
とにかく優しくしてくれた。食事もまともにくれるし、話しかけてもくれる。
なによりも、颯太を邪険にしないし、高校の授業料も嫌がらずに出してくれた。
神か仏かと一年前には思ったものだが、今はそれが少し苦しくもあった。
颯太と藍田は対等でない。それが辛く、寂しい。
551:1/3
10/09/04 16:08:43 Wt4yMpxC0
コピペミスしました!上記1/3は無視してください。
無駄に書き込んでしまってすみませんでした。
実に単純で、判りやすい話だ。
颯太の母は浮気をして彼を身篭った。どこの馬の骨とも判らぬ男の子供。
もしかした、行きずりの相手だったのかもしれない。
息子である颯太から見ても、母はお世辞にも貞淑とは言いがたく、
どちらかといえばだらしのない女性だった。
そんな母を嫌った父は、ある日の朝、姿を消したのだ。
それを幸いに母は、今まで以上に男遊びに励み、そしてある日、
颯太の父とはまた別の、新しい彼氏とよろしくやるために、
まだ幼い彼を捨ててどこかへ姿を消したのである。
それから颯太は、ありとあらゆる「親戚に家」を歩き回った。
長くて半年。それを過ぎると、大抵の場合は次の家へと引き渡された。
両親にさえ望まれた存在ではなかった颯太が親戚の間でも鼻摘みもので
厄介ものであることは至極当然のこと。結局のところ、まともな引き取り手に
巡り会えないまま颯太は十五歳になった。
その十年の間、ありとあらゆる、本当に血縁関係があるのかも定かでない
遠縁の遠縁にまでもたらいまわしにされ尽くし、ようやく行き着いたのが、
この『藍田さん』の家なのだ。
藍田は三十七歳で独身、背の高い優しげな顔をした男だ。
颯太にはよく判らなかったが、なにやら絵を描いて生活費を稼いでいるようだ。
いわゆる画家というやつで、それなりに売れているらしい。
が、毎回のように藍田の絵を描く後ろ姿を見つめている颯太だが、
一度たりとも彼の感性を理解できたためしががない。
552:2/3
10/09/04 16:10:48 Wt4yMpxC0
「藍田さん」
「ん、なに? 教科書代?」
藍田は絵の具のついた顔で振り返り、そう聞いた。
アトリエは絵の具臭く、颯太はあまりこの空間が好きではなかった。
そもそも藍田が絵に没頭することは、すなわち彼の世界から颯太の存在が
消えうせることを意味していた。
颯太が声を掛けなければ、藍田は彼の存在を完全に消失させて
絵に取り組む。颯太はそんな理由からも、このアトリエが好きでなかったのだ。
「違うよ」
颯太は首を横に振る。
藍田はいつも優しかった。颯太の育った環境を配慮してなのか、
とにかく優しくしてくれた。食事もまともにくれるし、話しかけてもくれる。
なによりも、颯太を邪険にしないし、高校の授業料も嫌がらずに出してくれた。
神か仏かと一年前には思ったものだが、今はそれが少し苦しくもあった。
颯太と藍田は対等でない。それが辛く、寂しい。
藍田の背中に顔をうずめ、匂いをかぐ。
「どうしたの? なにか嫌なことでもあった?」
藍田は「颯太は時々子供みたいだね」といいつつも、されるがままでいる。
筆を止め、完全に振り返ると颯太を胸に抱きこみ、あやすように頭を撫でた。
颯太が藍田に告白をしたのは、ふた月前のこと。
驚いた顔をしながらも、藍田はOKしてくれた。
が、彼が一体どういうつもりで快い返事をくれたのかが、颯太には判らなかった。
それらしい触れ合いはなかったし、今までの関係に飛びぬけた変化が訪れることもなかった。
せいぜいこうして、抱きしめてくれるようになったくらいだ。
二人の関係は、ほとんど変わらないままなのだ。
藍田は優しい。颯太が望んだことは何でもしてくれる。ちょっとした我侭だって
微笑みながら聞いてくれる。
では颯太の告白に応えたのは―?
いや、本当は判っているのだ。理解したくないだけで、颯太は充分に判っていた。
哀れみ? 同情? それとも、颯太の不幸を知って無下にはできなかった?
不安が頭の中に広がっていく。
553:3/3
10/09/04 16:13:45 Wt4yMpxC0
「藍田さん、僕のこと好き?」
「好きだよ?」
「―どういう風に?」
「どういう風に……って」
顔を持ち上げると、藍田が耳朶を弄る姿が目に留まる。
それは、藍田が困ったときに出すクセ。
つまり、そういうことなのだ。
颯太の気持ちに応えたのは、愛情ではなくおそらく同情だ。
颯太だって馬鹿ではない。それくらいは判っていた。だけど認めたくなかった。
二人の関係は決して対等ではなく、藍田にとって颯太は庇護すべき存在で、
間違っても性的な手出しをすべき相手ではないと。
藍田は颯太の告白を、愛情ではなく家族愛の延長と捉えたのだろう。
一時的な感情に違いないと、そう考えたに違いないのだ。
それでも告白を受け止めたのは「可哀想」な颯太に同情をしたから。
颯太には、それがひどく寂しい。藍田は、きっとこの家に来たのが颯太ではない別の
誰かでも告白には応えただろう。藍田とは、そういう男なのだ。
とても優しくて、とても慈悲深い。でも残酷な、そういう人だ。
「―ごめんね。なんでもない。仕事頑張って」
「颯太?」
呼び声には応えず、颯太は静かにアトリエから出た。
あと二年。あと二年経ったら大人になれる。充分に一人で生活をしていける年齢に颯太はなる。
そうしたら、この家を出よう。藍田にこれ以上、甘えてはいけない。
せめて、藍田を縛り付けることがないようにしなくてはならない。
だから、早く大人になろう。そうすれば、こんなに寂しい気持ちにならずすむだろうから。
颯太は十年そうしてきたように深呼吸を繰り返した。
そうすると、自然と涙が引っ込むのだ。
「あんなに優しくなかったら、寂しくならずにすんだのに」
誰に聞かせるともない呟きは、冷たい廊下に静かに落ちた。
----------------------------------------
しかも24時間経過してました。色々すみませんでした……。
554:風と木の名無しさん
10/09/04 16:30:37 aR8zSnv00
個人的にはGJなんだけど、こういう場合はどーなるんだろ
規制で別館に来てたから、別館が優先かな
これは別館の方に転載しておけば大丈夫じゃないのかな?
また投下待ってるね
555:風と木の名無しさん
10/09/04 16:35:06 9DY08aDrO
ミスは許容範囲内かと。頑張って投下してくれたんだし。
つーか年の差イイ!颯太カワエエ…GJでした!
556:風と木の名無しさん
10/09/04 20:18:39 d1WPw8li0
>>554
今回は24時間経過で無効(+別館で本人が収録辞退)だから
まとめに収録されるのは0以外投下だけだけど
普通は、投下時間に関係なく本スレに投下されたものが正
規制だろうがなんだろうが0以外投下は■扱いですよ。
これまでもそうだった
>>555
ルール違反はルール違反。許容範囲って何?
554が誘導かけてるのにあなたのその言い草のせいで
まとめで文句が出て、それを見た550さんが
「私のせいで不愉快にさせてごめんなさい」と謝ってたじゃないか
これだから携帯は
557:風と木の名無しさん
10/09/05 07:59:43 PAD7HCrKO
まあまあ
投下自体はありがたかったし、ちゃんとミスしてごめんなさいってあって、
嫌な感じはなかったので、辞退になっちゃって残念
また萌えたらお願いします
558:風と木の名無しさん
10/09/05 12:00:54 s+BAWS6mO
そして踏み台
559:風と木の名無しさん
10/09/05 12:12:44 eLlucFiKO
こんな筈じゃ無かったのに
560:1/2
10/09/05 19:24:02 xP99YWmH0
2年ぶりにあいつとすれ違ったのは雨の日の夕暮れだった。
背の高い見知らぬ男と傘をさして寄り添い歩くその様子がとても幸せそうだったから
あいつの方はおそらく俺には気付いていなかっただろう
そのまま角を曲がって行く2人の後ろ姿を見つめながら、そうであって欲しいと俺は痛切に願った。
2年前の中学時代、俺は大切な友人を傷つけた。
「君のことが好きなんだ」
オドオドしながらも、はっきりと告げるその声
気の弱いあいつにとってこの告白がどれほどの勇気を振り絞っているのかが
空気を通して痛いほどに伝わってきていた。
夏も終わろうという季節
蝉の声が途切れることなく空に溶けていく
温い空気と頬に伝った汗の雫の冷たい感触が妙に生々しく今も記憶に残っている。
「笑えない冗談はよせよ」
俺の口から出たのはひどい拒絶の言葉だった。
気持ち悪い、吐き捨てるようにそう続けた俺はそう言いながらもあいつの目を
見ることができなかった。
深く傷ついたであろうあいつの表情を見ることがひどく怖かったのだ。
子どもじみた勝手な理由だった、傷つけたのは他でもない俺自身の心無い言葉なのに
そのまま何も言わない俺の様子に耐えきれなかったのだろう
「変なこと言って、ごめん」
絞り出すような声と共に背を向けて駆け出して行ったあいつは、次の日から学校で会っても
俺を避けるようになっていた。
臆病で大人しい性質のあいつにはそれ以外に自分を守る術がなかったのだろう
俺も気まずさが先だって謝ることも出来ず、あいつに話しかけることすらできなくなっていた。
そんな泥沼の日々が続き、俺達の仲は修復されることの無いまま卒業の日を迎えた。
進学した高校が別々だったこともあり、俺とあいつの縁はそれっきり途切れてしまった。
561:2/2
10/09/05 19:24:34 xP99YWmH0
それから高校で彼女を作ったりもしたけど、どうしても本気になれずに別れてしまった。
友人もたくさんできたけど、あいつ以上に思える友人はいなかった。
友人達と騒ぎながらも、ふと寂しくなると思い出すのはあいつのことばかりだ。
俺があんな態度をとらなかれば今もあいつと付き合いが続いていたのだろうか?
そんな折だった、あいつが俺とすれ違ったのは
こんな筈じゃ無かった
お前とはもっとずっと一緒にいたかったんだ。
―俺もお前が好きだよ
本当のことを言っていたら、今お前の隣にいるのは俺だったんだろうか
お前と両想いになれたらいいと、ずっと思っていたのに
お前と恋人同士になれたら、いろんなところに遊びに行って朝まで一緒に過ごしたい
そう夢想したのも一度や二度ではなかったはずなのに、俺はそれを現実にするだけの勇気がなかったのだ。
いざ告白を受けてみれば、口から出たのは拒絶の言葉だった。
何であんなことを言ってしまったんだろう
2人の関係が決定的に変わってしまうことへの恐れだったのか
同性同士という壁を乗り越えていく自信が無かったのか
今となっては分からない
―臆病だったのはお前じゃなくて俺だったんだ。
こんな筈じゃ無かったのに
そうして俺は、雨に打たれるのも構わずに今はもう誰もいない街角を見つめ続けた。
562:風と木の名無しさん
10/09/05 22:57:33 mcxoGMzkO
泣いた。
描写がリアルすぎて本気で胸が苦しい…
GJ…!!
563:風と木の名無しさん
10/09/06 10:21:14 Zq9BpKOh0
せつないねえ
GJ
564:風と木の名無しさん
10/09/07 11:05:23 ilmI3xkS0
そろそろまわしていい?
565:風と木の名無しさん
10/09/07 11:06:40 g0cVSVua0
いいよ…
566:風と木の名無しさん
10/09/07 11:31:59 1oYie+J9O
まわし
567:風と木の名無しさん
10/09/07 11:46:38 nvcQhuN4O
踏み台さーん!!
568:風と木の名無しさん
10/09/07 12:05:40 lbDViWfNO
いいぜ、踏めよ…
569:風と木の名無しさん
10/09/07 12:11:55 C0sVxOMPO
大好きだけどさようなら
570:1/2
10/09/07 19:43:36 8reo+3yt0
珍しく深く眠っている彼の前髪は、先ほどまでの行為の名残か汗で少し湿っていた。
眉間に皺を寄せた難しい顔で眠っている彼の頬を、起こさないよう、そっと撫でる。
僕より十も年上のくせに、子供のように安心しきった顔で眠る彼を見ていると、自然に顔が綻んだ。と同時に、目尻が濡れる。
喉がひくりと震え、慌てて口元を押さえた。泣いたりなんかしたら、彼を起こしてしまう。
ゆっくり静かに深呼吸をして呼吸を落ち着け、のそりと体を起こして枕元に置いてあった眼鏡を掛ける。
鮮明になった彼の顔をじっと見つめ、溜息を吐いた。
僕がこのひとに告白をしたのは、半年前の事だ。
大学の准教授をしていた彼に一目惚れをして、興味なんかなかった彼の授業を受けては質問をしに通った。
十も年下の学生で、しかも男など相手にされないだろう。
そう思っていても、日に日に募る思いを打ち明けずにはいられなかった。
一年の片思いを経て思いを告げたあの日の事は今でもよく覚えている。
「お前みたいな子供、半年で飽きるだろうな」
彼は鼻で笑いながらそう言い、眉間に皺を寄せたまま僕に手を差し伸べてくれた。
駄目もとだった僕の告白を、受け入れてくれたのだ。
それからはあっという間に時間が過ぎた。
毎日楽しくて幸せで、彼の隣にいるだけで満たされていたのに、信じられないような幸せを次から次に貰った。
携帯電話を持っていなかった僕に、連絡が取れなくて不便だからと彼の持っていた携帯電話を一台持たせてくれた。
訪ねてきた時にいちいち鍵を開けるのが面倒だからと合い鍵をくれた。
それから初めてこの部屋で抱いて貰った夜、泣いてしまった僕に彼が珍しく慌てていたのを思い出す。
僕の頬を優しい手で拭いながら、「痛いなら止める」と言った彼に、痛いのではなく幸せで涙が出るのだと告げるまでに時間が掛かった。
一日ごとに好きだと思う気持ちは増していき、半年が経とうとしている今では最初の頃の何倍にも膨れあがっている。
きっと明日はもっと好きになる。それではいけない。
(半年経ったら、飽きられるんだ)
一緒にいても、いつだって彼がはじめに言った言葉を引きずっていた。半年、半年後には別れを告げられる。その日を待つのが怖かった。
571:2/2
10/09/07 19:44:23 8reo+3yt0
明日でちょうど半年。彼から言われるのを待って彼の前でみっともない姿を晒すより、自分から離れることを決めた。
「大好きです。……でも、さよなら」
聞こえるか聞こえないかの声で、口の中で呟いた。
腰に回されていた腕をそっと除け、静かにベッドを降りる。
鞄の中から貰った合い鍵と携帯とを取り出し、枕元に置いた。
床に脱ぎ散らかしていた服を掴む。寝室を出て、リビングでなるべく音を立てないように手早く服を着た。
カーテンの隙間から見える外はまだ暗い。
早く出ないと。早起きの彼が起きる前に。
あとはこの家を出ればおしまいだ。
ここはオートロックになっているから、合い鍵を置いてきてしまった僕にはもう入れない。
よろけながら玄関へ向かい、靴を履く。立ち上がった途端、ぽたりと目から雫が落ちた。
(いけない、)
慌ててドアノブに手を掛け、外に出る。ふらついていたせいで外に出た途端ドアから手を離してしまった。
「あっ」
小さな声を挙げたと同時に、ドアが閉まる。
堅く閉じたドアの前で僕は呆然と立ち尽くした。
(もう、入れない)
もう二度と彼の隣で眠る事はない。
頬の濡れる感触はあったけれど、体が竦んで拭うことさえ出来なかった。
ぱたぱたと足元に雫が落ちる。
拭ってくれる手の持ち主はもう、僕の傍にはいない。
572:風と木の名無しさん
10/09/08 13:04:53 yUaHAvXYO
受けの馬鹿野郎!勝手に自己完結して諦めやがって!!
お前なんか攻めに必死で捜されて連れ戻されて一生幸せに暮らせばいいんだ!GJ!
573:風と木の名無しさん
10/09/08 14:43:23 dcgDGeDS0
この後の展開は攻めが受けを連れ戻す意外に無い筈。
Gj!
574:風と木の名無しさん
10/09/08 17:42:23 xU4oAqCRO
続きというか攻め視点だとどうなるのかとか色々想像を掻き立てられるな。
萌えた!GJ!
575:風と木の名無しさん
10/09/08 22:46:35 Jhp6p+wYO
ドアがあっさり閉まってしまったところがなんとも言えない気持ちになった。
続き読みたい!萌えた!ありがとう!
576:風と木の名無しさん
10/09/08 23:27:42 hnaW2GQK0
何らかの救済があるといいなあ…切ない
GJ
577:風と木の名無しさん
10/09/08 23:47:23 KrPjXxan0
短いのにすごい綺麗にまとまってて感動した。
>「お前みたいな子供、半年で飽きるだろうな」
この台詞、「お前みたいな子供、半年で(俺に)飽きるだろうな」とも読み取れるのが深いなぁ。
攻め視点も見てみたい!GJでした!
578:風と木の名無しさん
10/09/08 23:57:14 VgyH1Soi0
私を踏んで
579:風と木の名無しさん
10/09/08 23:59:17 HmOxrlzb0
嫌われ者のたった一人の理解者
580:19-570,571 攻め視点2/2
10/09/09 01:33:18 H70+Kpur0
彼の笑顔を見るたびほっとする。
居場所がないと感じていた大学内でも、彼が傍にやってくると何故か居心地がいいと感じるようになった。
そんな彼が私を好きだと言ったのはつい半年前の事だ。俯いたまま、か細く震えた声で告げられた。
酷く驚き、嬉しく思った。私も彼に対して、密かに好意を寄せていたからだ。
私は彼に対する気持ちを告げる気はなかった。
年の差もあって同性である私など、思いを告げたところで気味悪がられるだけだろう。
そんな風に思っていたところへの、彼の告白だ。嬉しく思わない筈がない。
けれど彼は若い。自分の専門分野にしか興味のない私のような人間と付き合ったところで長く保つ訳がないと思った。
だから思わず、「お前みたいな子供、半年で飽きるだろうな」と呟いたのだ。
その通りになってしまった。
今時携帯電話一つ持っていないと言う彼の為に、自分のものとは別にもう一つ契約して渡した。わざわざ不審に思われないよう、元々二台持っていたのだという振りをして。
いちいち家に伺ってもいいですか、などと言っていつまでも遠慮がちでなかなか来ようとしない彼に、合い鍵も作った。
どちらも彼の為と言うよりは、自分の不安を少しでも軽減させる為のものだった。
これを置いて行かれた今、私とあの子を繋げる物はない。
まだ夜の明けきらない薄暗い部屋で、携帯電話と鍵とを握りしめたまま項垂れる。
あの子が腕の中からすり抜けても気付かぬほど熟睡していた自分を恨んだ。
別れの言葉すら置いて行ってはくれなかった。
これでは諦めも付かない。
のろのろと顔を上げ、少し前に彼が出て行ったであろうドアを見つめる。
(……もう一度だけ)
こちらから会いに行ってみようか。
この年になって、誰かを追い縋る事になるとは思わなかった。
追いかければきっと醜態を晒すだろう。ますます幻滅されるかもしれない。
(それでも構わない)
落ちていたシャツを拾い上げ、昨日までは彼のものだった携帯電話と鍵とを持って寝室を出る。
外はまだ暗い。
彼は今頃どこにいるのだろうかと考えながら、玄関へ向かった。
581:風と木の名無しさん
10/09/09 01:35:43 H70+Kpur0
専ブラでタブ切り替えを誤って誤爆してしまいました……
スレ汚し申し訳ありません……
連投になりますがこの場合>>579を私が投下させて頂いてもよろしいのでしょうか……?
582:風と木の名無しさん
10/09/09 01:54:31 xHmAqo8A0
誤爆どんまい。
大変だと思うけど投下待ってる!
あと、ここでやりとりするとその分レスを消費してしまうから
今度から不測の事態で困ったときは別館のチラシスレに来てくれると嬉しい。
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
583:嫌われ者のたった一人の理解者1/2
10/09/09 12:42:03 NZMb0/BzO
「にげろ!あいつだ!」
先生が廊下を歩くと、入院しているちびっ子たちは蜘蛛の子を散らすように逃げていく。大きな体を揺らすように、のしのし歩く先生は確かに怖い。
体が大きいだけじゃなくて、目つきも悪いし声も低い。
物言いはぶっきらぼうで、看護師さんたちに対して厳しく怒鳴りつけているところをよく見かける。
そんな先生だけど腕はいいから、このあたりの小児科では一番患者が多かったけれどみんな先生を怖がっていた。
「待たせてすまない……、……なんだ、また君か」
診察室で待たされていた俺のところへ、先生が急ぎ足でやってくる。けれど俺の顔を見た途端、呆れたような顔をされた。
「うん。今日は風邪引いたみたいでさー」
そんなことは気にせず、俺はシャツのボタンを外して先生を待つ。のしのし歩いて、どかりと椅子に座った先生はポケットから聴診器を取り出した。
「……君もいい加減小児科でなく内科に行ったらどうだ。もう高校生だろう?」
「やだ、先生がいい。ところで先生ってば、また子供たちに逃げられてたね。俺も昔は先生のこと怖かったなあ」
昔、虚弱だった俺はこの病院に小児ぜんそくで入院していたことがある。
当時の俺はチビでバカで弱虫だったから、毎日診察にやってくる先生が怖くて泣いてばっかりいた。
「君が僕の患者の中で一番の恐がりだったよ」
先生は俺の服を捲り上げて聴診器を当てながら、苦々しく呟く。俺が笑うと、「静かに」と咎めるようにじろりと睨まれた。
「でも一番懐いてたのも俺でしょ」
「ああ、どこに行くにも着いてくるんで、邪魔だった」
「酷い!」
そこまで言われるほど先生を怖がっていた俺がどうして先生を慕うようになったのかと言うと、入院していたある日の夜、発作を起こした俺に先生が一晩中つきっきりで看ていてくれたからだ。
発作は先生がいち早く気付いて処置してくれたおかげですぐに収まったのに、先生はその後も泣きじゃくる俺の傍でずっと手を握っていてくれた。
「苦しかったな」とか、「もうすぐお母さんのところに帰れるからな」だとか、俺が寝付くまで優しく慰めてくれていたのだ。
たまたま他に入院していた子供がいなかったおかげで、俺はその夜、初めて先生の優しさを知った。
584:嫌われ者のたった一人の理解者2/2
10/09/09 12:44:09 NZMb0/BzO
明くる日からよくよく観察してみれば、先生は理由もなく怒る訳じゃないと分かった。
心配しているから怒る。ただ言い方が不器用なだけだ。
どうやらそれを知っているのは、俺だけだったけれど。
それから俺は先生が大好きになって、昔の虚弱ぶりや小ささが嘘のように成長した今でもこの病院に通い続けている。
最初はただ純粋に大好きだった先生に対する気持ちが恋に変わったのはいつだったか、もう忘れてしまった。
子供の頃はあんなに大きく見えていた先生の背だって追い越した。
しかしそのせいか年を追うごとにどんどん体が丈夫になって、近頃じゃ風邪をひくのだって一苦労だ。
真冬に水を被って髪も乾かさず寝たって、ぴんぴんしている。今日も半分は仮病みたいなものだった。
だからそろそろ、先生の元へ通う新しい理由を作らなければいけない。
「大した風邪じゃない。一応薬は出しておこう」
「はーい。……ねえ先生、ところで俺、看護学校受けるって知ってた?」
「いいや、今初めて聞いたな」
先生はちょっと意外そうに眉を上げて、俺の服を直す。
本当は自分で出来るのに、俺は黙って先生にが俺のボタンを一つずつ留めていくのを見ていた。
「とっくに合格圏内なんだ。ねえ、俺、看護師になるからさ、そしたらここで雇ってくれる?」
「…………給料は、安いぞ」
「そんなの、全然いいよ!」
笑ってぶんぶんと首を振る。給料なんか関係ない。俺は先生の一番傍にいて、誤解されやすい先生の一番の理解者でありたいだけだ。
言質を取ったと喜ぶ俺に「全く変わった奴だな君は」と言いながら先生はおかしそうに笑った。
-----
誤爆と連投本当にすみません。
またROMに戻ります。レスくださった方々ありがとうございました!
585:風と木の名無しさん
10/09/09 14:53:25 e6Tim7fJ0
誤爆どんまい。そしてぶっきらぼうで不器用な先生萌え。どっちが受けでも萌えるな、これ。
586:風と木の名無しさん
10/09/09 21:14:49 YaB0aaJn0
ほのぼの萌えたーGJ!
先生が大好きな主人公がかわいすぎる
誤爆だったのに萌えさせてくれてありがとう
587:風と木の名無しさん
10/09/10 14:59:23 QD8fbWrqO
回していこう
588:風と木の名無しさん
10/09/10 17:35:46 q1TQpbSx0
にゃにゃにゃにゃん
589:風と木の名無しさん
10/09/10 17:40:34 of/Lw84yO
支配する、支配される
590:風と木の名無しさん
10/09/11 17:13:36 bdGMq83Y0
ベタベタなお約束で恐縮です。SSというより萌え語り的に受け取ってもらえるとありがたい。
毎度のことだが、「あれ」に支配された体は俺の意志で動かすことができない。
「敵」は結局のところあれの種族の敵なのだが、人間に危害を加えるとなれば俺にとっても敵なのだろう。
「あれ」は俺と物理的に一心同体。
いつかは元に戻れると信じているが、それまでにいったい何度、こんな目にあうのか。
あれは元来「敵」と戦うのが仕事らしい。それを今でも俺の体でやっているのは非常に迷惑なことだ。
(オオッ!)
頭すれすれをかすめた敵の攻撃によろめいた……のは、俺の気持ちだけ。
実際の体は奴の意のままにあり得ない高さに飛び上がり、そのまま反撃を叩き込んでいる。
「ダメージはない、黙っていてくれ」
俺の右足を敵の頭にめり込ませながら、こともなげにあれが言う。
(びっくりしただけだよ! わかってるよ、もう終わったって言うんだろ?)
あれは、こと戦うことに関しちゃ文句なしにエキスパートだから、そこは信用している。
(さあ、帰ろうぜ、晩ご飯には間に合いそうだ)
敵は頭部を砕かれて倒れている。俺は伸びをした……気持ち的に、ということだが。
「いや、まだだ……本体が、抜けている」
緊張した奴の声。本体?
横たわる体の、背中がごっそりえぐれている。
何かが抜けて、どこか行った。どこへ? 言うまでもなく、この廃工場を出て、街へ。
591:2/2
10/09/11 17:15:19 bdGMq83Y0
(……おい、まさかあいつも人間にとりつくんじゃないだろうな?)
「私ができたことだ、当然実行するだろう。上手くいかなくても宿主が死ぬだけで養分補給になる」
そのあっさりした口調にカッとなった。基本的に敵もあれも人と相容れない。
エネルギー源、障害物、野生動物……おそらくそんなふうに見ているのだろう。見過ごすわけにはいかない。
(早く! 何してるんだよ、倒しに行くぞ、早く、行けよ!)
「見つける手段はない、人間に接触して騒ぎが起きるのを待つ」
こいつは……お前らに巻き込まれる人間なんか俺一人でたくさんなんだと、なぜわからん。
(バカ、それじゃ遅いって! なんかあるだろ、方法! とにかく他の人より先に見つけろ、お前ならできる)
「無理だ、非能率的だ」
(言うこと聞けよこの野郎……)
早急にこの論戦に勝たねばならない。が、勝機は十分にあった。
この数ヶ月、こいつに振り回され続けた俺はようやく奴のウィークポイントを見つけたのだ。
魔法の言葉、これさえあれば、奴を支配できる。
(今日の夕飯は手巻き寿司だ、あれは難しいぞ? わからんだろう……食べ方が。
教えてやるから、代わりに俺の言うことを聞け)
向こうには調理という概念がないという。どうもずいぶんと合理的かつ味気ない栄養補給手段らしい。
色とりどり、種類も味もさまざまな「料理」に、あれはハマった。
(─美味いものを、食いたくないか?)
この時ばかりはあれが珍しくうろたえて、やがて誘惑に負ける。
「……仕方がない、君の要求に従う。まったく面倒なものだな、人間とは」
生意気にも奴は肩をすくめてみせた。勝手に使うな、俺の肩だ。
592:風と木の名無しさん
10/09/11 18:38:45 Uey8RWxsO
なるほど、ベタベタだけど好きなパターンだわw
GJでした
593:風と木の名無しさん
10/09/12 11:19:48 dtdo5Imw0
いいねいいね
こういうの大好きだよ
GJ
594:風と木の名無しさん
10/09/12 14:56:03 qQX6MhD40
ちょうもえた、GJすぎる
寄生獣とかアルファオメガとか思い出した
595:風と木の名無しさん
10/09/12 16:07:41 HF5J2iCO0
こういうのはベタな方がいいよねw
寄生獣大好き
GJ
596:風と木の名無しさん
10/09/13 00:29:39 bZbJnJ+eO
まわしてもいい?
597:風と木の名無しさん
10/09/13 00:47:22 O+5sHOagO
萌えがたり的っていうのが面白かった
598:風と木の名無しさん
10/09/13 02:12:46 HCFSZL7rO
さあ、踏んじゃいなさい!
599:風と木の名無しさん
10/09/13 02:38:36 Xx0yoBYE0
ふたりのことは許してやる
600:風と木の名無しさん
10/09/13 02:38:41 OOvfJTTxO
頭を撫でる
601:風と木の名無しさん
10/09/14 09:42:16 fByjfh6R0
踏み逃げ?
602:風と木の名無しさん
10/09/14 10:02:40 PIAjH2dM0
残念だけどそうだね。
まわし
603:風と木の名無しさん
10/09/14 11:14:21 S1ozTK0sO
>>599のやつちょっと見たかったから残念だ
回す
604:風と木の名無しさん
10/09/14 14:54:44 XgrXknIdO
まわし
605:風と木の名無しさん
10/09/14 15:08:13 E9T++IXO0
絡み合う人間関係をうかがわせるお題だよね
面白そうなお題だから自分も残念
まわし
606:風と木の名無しさん
10/09/14 15:40:09 ha9hsQY/0
まわしん
607:風と木の名無しさん
10/09/14 20:32:30 T9cUY62K0
あとちょっと
608:風と木の名無しさん
10/09/14 20:49:32 3BkabzgV0
ほら踏めよ
609:風と木の名無しさん
10/09/14 20:52:17 1W8ip0GC0
人格者の25歳←25歳に憧れる10歳←25歳のライバル
610:1
10/09/15 22:26:17 48TzWHkj0
滾ったので語る。
25歳の2人と10歳の1人は、主従関係でお願いしたいな!
10歳が主、25歳×2が従で。
金持ち坊ちゃんと家人2人でも美味しいですだけど、ここはぜひ次期国王(王子様)+教育係(将来の側近候補達)辺りで。
ちょっと人見知りで引っ込み思案な王子様。
語学や芸術の才能は幼くして素晴らしいものを見せてはいるけれど、
将来の国王としてはその繊細な性質がどうにも頼りない。
国王は、息子の才能を伸ばしつつ、王者として鍛えあげんと2人の若い臣下を教師役に送り込んだ。
それが教育係A(貴族出身の外交官にして文学者、詩人としても有名)、
および教育係B(砲兵上がりの軍略家なんて変り種)。
顔が広く朗らかな芸術家気質のAと、鉄頭の軍人気質のBはそりゃもう水に油。
Aは王子の繊細さを豊かな才を生む泉と見て愛し、
Bは王子の繊細さを才能を枯れさせる弱さと見て叩き鍛えた。
まだ幼い王子様、内気な彼にはつらい事も多かったけれど、父王と教育係の期待に応えようと毎日頑張った。
頑張るとAは、いつも優しく穏やかに褒めてくれる。さすが私の大事な王子様です、と微笑んでくれる。
Bは褒める時もちょっと怖いしなんか頑張ってるのにあなたはまだできる方ですとか言うし笑わないし。
王子はいつしか、淡い初恋をAに覚えていたりするんだよ多分。
王子にとって、穏やかに、明るく、皆に笑顔を振り向けることができるAはお日様みたいな憧れなんだな。
611:2
10/09/15 22:27:37 48TzWHkj0
誰に対しても穏やかで、貴族も平民も関わりなくその才でのみ他者を認めるAを、
Bは苛立ちと共にも認めざるを得ない位置から並んで見ている。
で、そのうちにすぐ、我が幼き王子様の視線が向かってる先にも気づいちゃう。
話術で人を惹きつけるのがAの仕事だ、幼き我が主君もまた惹かれるのは当たり前─と思ったって、
気にいらないものは気に入らない。
貴族連中の噂話なんてものも気になんてしないが、
「将来の宰相はやはりA殿」なんて耳に入るのはやはりおもしろくはない。
しかし、王子に媚びて取り入ろうなんて器用な真似もできない。
自分はただ忠実に職務をこなし、王子を正しき道に導くのみ。
将来の陛下にお仕えできる今のこの喜び以上のものを、未来を、かの方の真横の座を、
自身が望めるなぞはなから考えてなどいない。
そう、自分が思い込もうと努力している、ことに気づかないB。
はい不器用、っていうか鈍感、というより25年間そうやって何回恋の花を摘んじゃったのっていうのを気づかない仕事馬鹿。
BがAを認めている中には、王子の繊細さに包みながら、
その才を確実に伸ばしていける─愛しき若君の才のあり方を心の底から認めている、1人の人間として認めることができる姿勢が第一にあるんだな。
Aもまた、Bのあり方を間違っていないと思ってる…のはここでは置いといて。
王子が、いつだって懸命に、時に大きな瞳を潤ませながらも、AやBの教育に心身をかけて応える姿をBは愛してるんだよ。
繊細さと同居する忍耐強さ、王子としてあろうとする心、Aに向ける優しい花のような笑顔、Bには見せない心細げな横顔を、
垣間見る王子のあり方を、本当は誰よりもBは愛してる。
でも気づかないから本人が。王子も気づかないから幼すぎて。
「きみは月のようなのにねえ」
Aがある時、そっと囁いた言葉の意味も、Bにはよくわからない。
とりあえず8年後ぐらいの王子即位からいよいよ本番スタート、といきたい所ですが、滾ったものはこの辺で。
612:風と木の名無しさん
10/09/16 00:50:55 L2hzt8HFO
その話もっと読みたいし続きも気になります!
王子が大人になったときにはBの気持ちに気付いてあげてほしいし、
Aともいい主従関係を築いていてほしい。三人とも素敵。
GJでした!
613:風と木の名無しさん
10/09/17 10:44:05 jRExBmKL0
10歳が主かあ
いいねいいね
GJ
614:風と木の名無しさん
10/09/18 00:58:43 n7owrAaV0
まわしちゃダメ?
615:風と木の名無しさん
10/09/18 02:25:03 W5EVuCLA0
いいよー
616:風と木の名無しさん
10/09/18 09:50:01 FaaE2NKX0
規制が多いからね
617:風と木の名無しさん
10/09/18 12:09:04 TDmoHi5w0
まわし
618:風と木の名無しさん
10/09/18 12:27:58 upiUd6rJ0
やさしく踏んでね?
619:風と木の名無しさん
10/09/18 12:35:30 hZGFFfYdO
ちょ、痛いって
620:風と木の名無しさん
10/09/18 14:31:50 w9eJfiRxO
たとえば部屋で寛いでいるとき、二人で眠る前、情事の後なんか。そんなときにあいつは俺の体に噛みついてくる。コンプレックスだった白い肌に目立つ赤い歯形が独占欲の証のように増えていく。
俺はいつも、かすかな痛みと心地良さ、あいつに愛されているだろう事実がもたらす優越感に溺れてしまう。被虐嗜好があるわけでもないけれど、ほんの僅かな間残る跡は見るたび痛みと快感がつのった。
今日もあいつは俺を噛んだ。痛みと歯形が残る程度に、しかし傷にはならない強さで。
「ちょ、痛いって」
「いいじゃん。血だって出てないし、すぐ消えるよ」
そう言ってまた、肩やうなじや指や脇腹に噛み付くのだ。その控えめな歯形が消えるのを、どこか惜しく思いながら見ていた。
いっそ一生ものの跡がついてしまえば、あいつは俺から離れがたくなるんじゃないかなんて、浅ましいけれど、思わずにはいられなかった。
621:風と木の名無しさん
10/09/18 17:38:05 FaaE2NKX0
さらっとしていて、好みだ
このシチュだと長々じゃないところがいい
GJ
622:風と木の名無しさん
10/09/19 06:17:07 e7OsTLA4O
>>620GJ
痛がる子に萌えたw
623:風と木の名無しさん
10/09/19 11:07:31 btQ5SQJN0
歯形いいよね歯形
624:風と木の名無しさん
10/09/19 11:19:28 BWm3JzUX0
色白ってやっぱりコンプレックスなのかな
愛咬っていうんだってね、相手を噛むの
625:風と木の名無しさん
10/09/20 06:05:13 73QP+MPR0
噛み付くってなんか官能的だよね
萌えました、GJ!
626:風と木の名無しさん
10/09/20 14:26:52 8nxhNvkk0
そろそろいいかな?
627:風と木の名無しさん
10/09/20 20:57:04 v7G9yzKcO
いいとも~
628:風と木の名無しさん
10/09/20 21:06:57 3soATWjcO
おけおけー
629:風と木の名無しさん
10/09/20 21:08:00 e4uQLaOh0
中学生の告白
630:風と木の名無しさん
10/09/21 22:00:03 U7R1ppEg0
おやお流れ
631:風と木の名無しさん
10/09/21 22:00:54 xuMv5tUzO
通りすがりの者です。
同人作家とマルサ
632:風と木の名無しさん
10/09/21 22:04:12 xuMv5tUzO
ごめん。
間違えた。(´Д`)
スレタイとテンプレ100回書いてくる。
633:風と木の名無しさん
10/09/21 22:07:24 qt4QyCzG0
どんまい。0になる覚悟はしてまた挑戦してくれ
634:風と木の名無しさん
10/09/21 23:19:22 6g0Ux57QO
そうだね。踏み逃げしないなら、どんどん狙ってみて。
635:風と木の名無しさん
10/09/22 02:12:02 308EHhs9O
回します~
636:風と木の名無しさん
10/09/22 09:40:50 HqK1XyMbO
まわすよー
637:風と木の名無しさん
10/09/22 12:49:19 6VKI3prlO
まわすよー
638:風と木の名無しさん
10/09/22 12:53:34 uV4HwAIQ0
踏んで!もっと踏んで!
639:風と木の名無しさん
10/09/22 13:01:44 YLrBLT6h0
傷つけ合うことしかできない
640:風と木の名無しさん
10/09/23 14:05:33 PdI4A2E90
またお流れ
641:風と木の名無しさん
10/09/23 14:52:10 pjmT1dTn0
あら、本当だ
642:風と木の名無しさん
10/09/23 14:52:35 MolpE2v/0
まあ、残念
643:風と木の名無しさん
10/09/23 17:04:38 NhU6006MO
まわします
644:風と木の名無しさん
10/09/23 20:45:11 Kd+6omWU0
ぐるぐる
645:風と木の名無しさん
10/09/23 22:32:48 Z1zCGrnDO
最近多いね
646:風と木の名無しさん
10/09/24 02:03:27 LLVmwjMPO
みんな規制かな
647:風と木の名無しさん
10/09/24 10:12:20 tUoi7yE00
そうかも
648:風と木の名無しさん
10/09/24 10:18:07 MSAOvn12O
踏んでく?
649:風と木の名無しさん
10/09/24 10:19:08 iLN6SBzY0
見かけによらず・・・
650:風と木の名無しさん
10/09/25 04:42:00 XbunkzjqO
思い浮かんだものを羅列してみる。
「フッ……見かけによらず骨のある奴らしいな」
(スーパー攻め様が自分に楯突いてきたパッと見性別受けについて)
「お菓子作りが趣味とか、あいつ見かけによらず可愛い所あるな」
(強面攻めを見直した委員長系眼鏡受けの独白)
「俺、見かけによらず結構純情なのよ?」
(飄々とした遊び人系攻めが冗談めかして)
「騙されるな!あいつは見かけによらず無茶苦茶性格悪いぞ!!」
(腹黒女王受けに一目惚れしたワンコ攻めに対する友人の忠告)
「おやおや……見かけによらず、随分と淫乱なんですね」
(鬼畜攻めがクールビューティー受けをいたぶりながら)
この世にギャップ萌えがある限り、「見かけによらず…」的シチュエーションが滅びることはないと思う。
651:風と木の名無しさん
10/09/25 09:13:24 1IJO8yl8O
遊び人は鉄板ですね!
ベタでもいい!大好きだ!
652:風と木の名無しさん
10/09/25 09:53:35 YBgfCNHN0
こういういい友人ポジの人大好きだ
出来れば当て馬とかにならずに主人公とずっといい友人でいて欲しい
653:風と木の名無しさん
10/09/25 10:02:41 8CDENm120
腹黒女王受けが気になる…
美人系じゃなくてキュート系だったら好みだなあ
GJ
654:風と木の名無しさん
10/09/25 22:59:16 IQ9dqRTe0
ギャップ萌よ永遠なれ
655:風と木の名無しさん
10/09/26 01:32:57 +dTE2oMF0
おやおや・・・がツボです!まわします~
656:風と木の名無しさん
10/09/26 10:39:19 cDnZgz+C0
>*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい。
になったんですよ~
どのシチュもいいです!
657:風と木の名無しさん
10/09/26 12:59:40 9QslrW7uO
ここしばらくお流れ続きだったから嬉しい、乙です
ギャップ萌えはいいねぇ
658:風と木の名無しさん
10/09/26 15:41:45 oHIt3qJsO
と、特別に踏んでいってもいいぞ///
659:風と木の名無しさん
10/09/26 15:52:16 qq4ztsISO
801世界に生きながら1人フラグもお約束もスルーして頑張る男
660:1/2
10/09/26 16:38:05 n4X8Ns0f0
【06:30】両親が再婚して出来た、スポーツマンな同い年の義理の弟の声で起床。
眼鏡の似合う柔らかな雰囲気の義理の兄がエプロン姿で朝食を作っている。
両親は出張で一年は帰ってこない
【07:30】兄に見送られて弟と一緒に登校。昔から俺の後をついてくる番犬みたいな幼馴染も一緒だ。
【07:45】駅に到着。昨日定期を拾ってあげたちょっと抜けた感じのヘタレっぽいいサラリーマンと再会。お礼を言われる。
【07:50】電車が発車する。俺の目の前に立っている見知らぬ女の子みたいなかわいらしい顔の学生の顔が赤い。風邪か?
【08:00】どうやら学生は男のくせに痴漢に遭っていたようだ。
痴漢の手を掴み、睨んでやると逃げていった。学生に涙目でお礼を言われる。
どうやらかなり色々されてしまったらしい、気の毒だ。
【08:13】駅で降りるが、一緒に降りた学生の様子がおかしい。ふらふらとトイレに向かう。ああ、そう言うことか
【08:25】校門前で眼鏡でお堅い風紀委員が見張っている。俺の服装が気に入らないらしい。
面倒なので服装を整える。今の色も飽きたし、そろそろ黒に戻すか
【09:00】転校生が来た。俺の隣の席になったんだが、やけに馴れ馴れしい。
幼馴染が転校生に噛みついている。お前俺に近付く奴ら全員に噛みつくのいい加減やめろ
【11:37】体育の時間、クラスメイトが怪我をする。保健室に連れていくが保険医が居ない。
とりあえず消毒液だけ借りた。
【12:51】昼休み屋上で煙草を吸っている奴がいた。先生に通報した。
【13:46】小テスト中斜め前の奴がカンニングをしていた。
あとで注意すると、何でもするから先生には黙ってて!と泣かれた。
じゃあ勉強しろ と言ってやった。もう二度とするんじゃないぞ
【14:15】学園祭の出し物の話し合い。女装喫茶の案が出たが全力で反対。たこ焼き屋になる
【16:22】帰宅部なのでさっさと帰ってバイトに向かう
【18:21】バイト先のコンビニで、猫みたいな雰囲気で生意気そうな中学生が万引きをした。家出少年らしいが捕まえて通報した。
【19:00】客が来ない。ちょっと柄は悪いけど実は優しいバックルームで先輩と二人きりになる。狭いので外に出る
【22:00】バイト終了。綺麗な顔をした男に声をかけられる。「ねえ、俺の事一晩買わない?」頭おかしいのか