10/07/02 10:57:09 r97fprFa0
9が指定
GJ言いたかったのにな。そりゃ別館があるが、あの流れで言いたいんだよ出来れば
201:風と木の名無しさん
10/07/03 10:32:21 ps7uCPhc0
残念、お流れ
202:風と木の名無しさん
10/07/03 10:43:02 sKj7Poy/0
お流れ久しぶりな気がする
残念まわし
203:風と木の名無しさん
10/07/03 10:44:27 /jzdgi2zO
流れちゃったか。
まわし!
204:風と木の名無しさん
10/07/03 10:45:24 SROCQSxo0
>>197-199
>*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい。
遠慮しなかったんですね。ルール知らなかった?タイムスタンプ見てください。
199も我慢すればよかったのに。
>>200
>Q1 リロミス・誤爆で*0をとりました。
>A1 *9より12時間以内に*9のリクで投下して下さい。踏み逃げ禁止。頑張れ!
GJ言いたかった割に別館を知りながらけっきょく向こうでもGJしてない+
向こうのチラシで弁解もなにもない+投下しなかった
=絡みの誤爆と見せかけた*0踏みの可能性。
早々にまわした197~にムカついた?確かに>>197には自分もムカついたけれど。
ルール無視の上で取られた*9には踏み逃げ*0がお似合いという話。
205:風と木の名無しさん
10/07/03 11:26:58 leO+lzXv0
はい、廻します。
206:風と木の名無しさん
10/07/03 12:50:52 j1qwImwq0
お題自体に罪はないので
そのうち*0以外に投下あればいいね
まわし
207:風と木の名無しさん
10/07/03 14:19:15 4LsKQZnI0
まわし 梅雨だなあ
208:風と木の名無しさん
10/07/03 14:22:02 uOmSKPI6O
ささ、お踏みなさい
209:風と木の名無しさん
10/07/03 14:25:22 0dyUt4HrO
ペットボトルと缶
210:風と木の名無しさん
10/07/04 00:48:55 DaLkLmHmO
私はペットボトル。
何回もリサイクルされてるから場数は踏み慣れてるが、昨日飲み干された私は誤ってアルミ缶のゴミ箱に捨てられた。
『んだぁおめー。来るとこ間違ってんでねえのか』
『ここは…貴方は?……ぷっ。ああ、持ち運ぶにも不便な私の先駆者様方でしたか』
周り中に転がる缶の群れ、群れ、群れ……そこからが地獄の始まりだった。
「あああっ……嫌だ………もう嫌だぁ…止めてください………っ!!」
「だとよーおめーら。石油系は軟弱な上に綺麗好きでいけねーな」
「そうっすねえ大将」
「……あヒっ!」
リーダー格だろうその赤い缶の言葉に、上から下から、周りの缶が私にのし掛かってくる。
言葉通り軟弱な私の体はそれだけで押し潰されてしまう。
「ペットボトルさんよ。俺達ぁ容器だぜ?蓋なんか開けっぱなしでなんぼだろうが」
赤い缶が笑う。
「なーんも不自然じゃねぇ。おめーみてーに始終蓋着いてるのが正しいわけじゃあねーのよ」
……ダメだこの顔は……まただ、また来る……!
「うわあああああ!!!」
周りの缶は一斉に開きっ放しの飲み口から、かすかに残った夏場に異臭を放つ醜悪な液体を私の全身に注いだ。
昨日から新入りが来る度にこうして汚され
211:風と木の名無しさん
10/07/04 00:49:23 DaLkLmHmO
、透明だった体は今や何色だったのか判別出来ようもない。
「おっ新入り早速入ったみたいだぜー。じゃ、第二波いっきまーす」
「いっ、やっ、止めてくれえ!!休ませ…………っ」
「……誰がそんな口きいていいっつった?」
「ぐッ!」
その覇気に、最早潰れた体が更に萎縮する。
いや違う。事実更に押し潰されているのだ。何かしらの意図を持ってのことなのは明白。
「今ので気が変わった」
体が萎み、蓋が弛む。それは則ち、マズイ。マズイ所ではなくマズイ!!!
「次は、おめーの中にぶっ放すことにする」
―先駆者を侮ることは、ここまでに罪が重いのか?
必死に隣に設置されたペットボトル専用ゴミ箱を見ようとするが。アルミの壁を透かして外を見ること叶わず。
「た…たたたた助け………うあぁぁぁぼぐうぼぼごおおっ…かはアっ!」
「ほらほらどうした。オレらよりもよっぽど容量あんだろ?」
「ぐうう!」
私を飲み干した男児よ。
私が貴方に何をした。
ペットボトルが次のゴミ収集日に正しく分別されるまで、あと五日。
212:風と木の名無しさん
10/07/04 09:46:52 /8WbARSK0
受けたw
213:風と木の名無しさん
10/07/04 14:30:10 FmeKD1zB0
この発想は素晴らしいwww
久しぶりにここの底力をみた
214:風と木の名無しさん
10/07/04 19:47:33 sGw+euaH0
こういうのがたまにくるからここが好きなんだ
215:風と木の名無しさん
10/07/04 20:08:10 G5y6TLLZ0
何という災難w
あと5日頑張れwww
それはそうと、ペットボトルの中身を飲み干したという男児のことも気になるな
216:風と木の名無しさん
10/07/04 22:44:50 wByQ97kW0
GJw
なんというペットボトル総受けw
217:風と木の名無しさん
10/07/04 23:29:52 23BslDnd0
天才だ!100万回のGJを捧げる
おそらくは飲み干した男児も、飲み口をなめ回したり舌を入れたりこぼした汁でベタベタにしたりと
蹂躙の限りを尽くしているはず
218:風と木の名無しさん
10/07/05 00:16:49 6egZTCkO0
ショタ攻め…か ショタに踏まれるなら本望だ
219:風と木の名無しさん
10/07/05 00:17:22 coAvhlhHO
キスから始まるミステリー
220:風と木の名無しさん
10/07/05 09:41:38 w0vRvR2zO
「なあ高橋、起きろって」
週末に、俺の住む汚い6畳1間(風呂トイレ付き)で、同じゼミの友人はごろりと仰向けに転がっていた。
すやすやと、規則正しく吐き出される息は、随分と酒臭い。テレビは、今流行りの海外ドラマ6話目を流しいて、繋いだPS2が、DVDを回しながらウィンウィンと音を立てている。
「一人で観てもつまんねーよ」
観たいって言い出したのお前じゃん。
俺はアルコールでふらつきながら、四つん這いで高橋の顔を覗き込んだ。
わりと普通の、でもちょっとだけイケメンの高橋。茶色かった髪を就活で黒く染めたからか、前よりも子供っぽくなった。
そんな高橋をじーっと見つめていた俺は、なんとなく。本当に、なんとなく。
高橋に顔を近付けて、酒臭い唇に、自分の唇をくっつけた。
「………!!!」
瞬間、自分の行動に驚いて跳び上がる。
なにやってんの俺?
なにやってんだ俺!
心臓がやばいくらいドキドキいってって、体中が冷や汗だらけ。
高橋自身は、未だすやすや夢の中。
俺も高橋も男なのに。
なんでこんなこと。
なんでかなんて、小学生でも分かるはずの謎。
けれど、常識や世間体で凝り固まった俺の脳みそは、その謎を解明しないまま、酔った所為だと結論付けた。
221:風と木の名無しさん
10/07/06 00:30:44 MKByxjCq0
>>220
ミステリーは謎解きこそがキモなんだぜ!
なんとなく年季の入った文章だと思った。GJでした
222:風と木の名無しさん
10/07/06 01:35:37 Z21c6KkRO
二時間ドラマか、ラノベミステリーみたいなのを思ってたから、こういうアプローチもあるんだなぁと感心したよ。
GJ
223:風と木の名無しさん
10/07/06 15:14:24 As8OSQeU0
海外ドラマがミステリーなんか?
224:風と木の名無しさん
10/07/06 16:21:59 kL7Y2GSN0
お題に対して凄く王道だと思った いいねいいね!
225:風と木の名無しさん
10/07/06 22:20:08 KoVmCRmj0
まわし
226:風と木の名無しさん
10/07/07 00:59:36 7eB/vrZrO
まわし
227:風と木の名無しさん
10/07/07 01:05:29 FZH1lLQf0
まわし
228:風と木の名無しさん
10/07/07 01:16:27 JVJCr2pRO
踏みたいんだろ?
229:風と木の名無しさん
10/07/07 01:17:15 O2AQ1XKa0
華道家とフラワーアレンジメント講師
230:風と木の名無しさん
10/07/07 01:39:16 vkUDWbeSO
残念、お流れですね
まわします
231:風と木の名無しさん
10/07/07 01:44:43 vkUDWbeSO
いいお題だったのに残念><
232:風と木の名無しさん
10/07/07 01:47:03 vkUDWbeSO
まわしまーす
233:風と木の名無しさん
10/07/07 01:48:33 vkUDWbeSO
まわしまわし
234:風と木の名無しさん
10/07/07 01:50:33 vkUDWbeSO
まわし
235:風と木の名無しさん
10/07/07 01:56:19 vkUDWbeSO
まだ24時間たってませんよ!
荒らしやめてください!><
236:レス代行
10/07/07 01:58:48 SNpGn4/s0
>>230
えっ
ちょっとへこんだor2
237:風と木の名無しさん
10/07/07 02:00:03 vkUDWbeSO
書き込んじゃだめですよ!
238:レス代行
10/07/07 02:00:35 SNpGn4/s0
誰かが*0以外の方で書いてくれるといいな
239:風と木の名無しさん
10/07/07 02:04:00 vkUDWbeSO
茶道家と喫茶店のマスター
240:風と木の名無しさん
10/07/07 04:19:55 EaBVI5cy0
荒らしによる9取りにより無効
241:風と木の名無しさん
10/07/07 10:23:22 bU+tRzqYO
この場合この時間からのまわしも有効でしょうか
242:風と木の名無しさん
10/07/07 11:41:53 Zw0EDxnC0
そっとまわしてみよう
243:風と木の名無しさん
10/07/07 18:33:44 NnczBQJL0
ゆっくりまわしてみるね
244:風と木の名無しさん
10/07/07 19:06:30 aqDCsTfJ0
まわし
245:風と木の名無しさん
10/07/07 19:51:01 Hod3n+7QO
まわし
246:風と木の名無しさん
10/07/07 20:14:03 ljmbTEOi0
まわしてまわされーてまわしてまわされーて
247:風と木の名無しさん
10/07/07 21:12:41 W0UcAGba0
まわし
248:風と木の名無しさん
10/07/07 21:47:47 wG6MZMcVO
はい、どうぞ
249:風と木の名無しさん
10/07/07 21:49:20 l0zDYRr+O
図書委員
250:風と木の名無しさん
10/07/08 00:23:30 JKh0OkbGO
「あれ?高橋ー!部活行かねーの?」
「いや、今日委員会あるから行けない。」
「委員会?お前委員会なんか入ってたの?」
「うん。図書委員。」
「は?」
「だから、図書委員。」
「…似合わねー!」
「うっせーよ。似合うも似合わねーもねーよ。」
「ってか図書委員て何すんの?」
「本棚整理とか貸し出しするやつの判子押したりとか?」
「それひとりですんの?」
「いや、他のクラスの図書委員と二人で。多分今日2組のやつと。」
「2組って俺のクラスじゃん。誰だ図書委員?」
「誰だっけ…伊藤って人?」
「…あー、あの文学少年!って感じの!俺図書委員てああいう子がやるもんだと思ってたわ。」
「偏見だろそれは。」
「でもどうせお前は『部活ダルいし図書委員ぐらいなら楽に部活サボれる口実になるなー。』
ぐらいの理由だろ!悪いやつだなー!こんなやつと二人なんて伊藤くんがカワイソウ!」
「…。」
「ん?図星かね?君。」
「……お前が今のまんまの理由で図書委員やろっかなとか言ったから…。」
「ん?なんて?声ちっちゃいもう一回。」
「もういいよ。はよ部活行け。」
「へいへい!僕は真面目に部活に行ってきますからね!」
「……記憶力わりー…。本読んで脳鍛えろ。」
251:風と木の名無しさん
10/07/08 01:05:19 RqDAQmLCO
高橋切ない…(´;ω;`)
萌えました、GJ!
252:風と木の名無しさん
10/07/08 01:31:01 FBe/9KhEO
うおぉー!萌える!
高橋の健気さが切ないGJ!
こうしてアホが部活に励んでる間に、意外に気が合った高橋と伊藤が仲良くなって、アホが自分の気持ちに気付いた頃には時既に遅し…まで妄想した。
253:風と木の名無しさん
10/07/08 03:41:57 qORbSeso0
高橋クン、切ないけどなんか可愛い
自分もそう遠くない将来の三角関係を想像してニラニラしました
GJ!
254:風と木の名無しさん
10/07/08 10:20:07 umxVWRCG0
アホの子はアホの子で、自分が言ったことなどすっかり忘れて
一緒に部活に行ってくれない高橋に拗ねちゃってるわけだなw
なんの罪もない同じクラスの伊藤君にツンツンしちゃえよ、もう
GJ!
255:風と木の名無しさん
10/07/08 17:53:00 fRDN+CMk0
おもしろかった、GJ!
アホな子→高橋くん×伊藤くん、になればいいなぁと思う
256:風と木の名無しさん
10/07/08 23:36:28 8X2V9rYSO
うはぁあ、甘酸っぱい!the青春だ!
高橋くんの淡い恋心かわいいな
報われると良いなぁ
GJです!
257:風と木の名無しさん
10/07/09 03:53:22 lqBLEBElO
甘酸っぱいかんじがすごくいい!GJ!
258:風と木の名無しさん
10/07/09 03:55:43 ETF6f0Jk0
いいなあ!甘酸っぱい!
さあ!踏むがいい!
259:風と木の名無しさん
10/07/09 04:13:25 qSxWv/IF0
許させて
260:風と木の名無しさん
10/07/10 01:42:37 xTE5sVM/0
毎週末、お前は死んだ恋人の墓に行く
その手の中は花束だったり、恋人の好きだった煙草だったり、お菓子だったり。
そうして、朝早くから日が暮れるまで、何をするでもなくぼんやりと墓の前で紫煙を燻らせる。
そろそろ、一年が過ぎる。
彼の死因はなんだったっけ。
そうそう、お前と喧嘩して、マンションから飛び出して、信号無視の車にはねられたんだっけ。
しかも喧嘩の理由ってアレだよな。恋人の誕生日忘れてたって男の癖に女々しい理由。
ほんと、お前も恋人も馬鹿だ。どうしようもない死に方だよなあ。
朝から晩まで、墓の前でめそめそして、何度も何度も同じことを謝って。
なあ、お前の事、ずっと見てる奴がいるんだけど。
恋人が死んでから、ずっと傍でお前の事支えてた奴がいるだろ?
もうさ、そろそろ死んだ恋人の事は忘れてみないか?
後ろばっかりみるのはやめて、隣とか見てみない?
死んだ恋人と違って、料理も上手だし気もきくしさ、超オススメ物件なんですけど。
ほら、もう日が暮れる。さっさと帰れよ。
「じゃあ、また来週来るから」
もう来なくていいんだってば。
「………ごめんな」
だからさ、別にもう怒ってないんだって。
お前もすげー苦しかったんだろ?
だから、もういいんだって。
可愛い女の子と結婚して、子供を作って幸せな家庭つくれって。
「ごめん…」
頼むよ、もういい加減、お前の中の俺にお前の事許させろよ。
261:風と木の名無しさん
10/07/10 02:30:44 3XIdvM1UO
深夜になんてもの読ませてくれるんだ
ちくしょう…目から汁出てきたぞ
力の限りGJ!!!
262:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/10 05:52:44 cgxDHX0LO
最初の方は語り手を勘違いさせる構成も上手い GJ
263:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 01:31:09 gUcsa5Ib0
最初「え?」ってなって最後に切なくなったGJ!
上手い書き方だとおもった!!
264:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 01:31:10 /ylhxfPb0
260も*0以外41も42もみんなみんなGJ!
許させてって不思議なニュアンスがあるけど、すごく妄想がひろがるな…
265:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 01:45:04 AEYzTUq00
語り手を理解した瞬間切なくなったよ…すごく良かった
余韻に浸りつつGJ
266:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 10:57:23 BDU225nDO
切な萌えたGJ
そろそろ回します
267:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 11:07:49 XMeDPgSuO
お題も上手いし処理も上手い
切な萌えたGJ
268:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 11:27:37 VEQMd/810
さあ、投票に行こう
269:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 11:52:23 lrJGW0dxO
甘やかしてくれる人
270:1/2
10/07/11 12:32:37 GxcKd16FO
「あああ…!また喧嘩してきたのかい」
「…………俺はケガしてねえっすよ」
「そんなこと言って、手が酷いことになってるじゃないか!ジャケットもこんなに血まみれで…」
「安堂サン、サツに追われてんだ。中、入れてくんないっすか」
「……治療は受けてくれるんだよね?」
「……どうぞ」
許可するとこの人は、どう見ても年相応に肥えた丸顔のメガネのおっさんの癖に、教会で見たマリア様のような顔を浮かべた。
この人は俺が何をしても、俺の身を案じるだけでそれを咎めることが無い。
教会の神父やシスターどもとはえらい違いだ。
「大助ももう二十歳になるんだから、あまり無茶なことはしないでおくれ」
「夜は昂ってしょうがねえんだよ」
「……教会の人達と、折り合い悪いのかい?」
「そりゃもう餓鬼でもねーのにいつまでも居座ってっからな。タダ飯食えるから居るけど、夜中は居られねえよ」
「ならさ、やっぱり……私が君を……」
安堂サンは俺の血の繋がらない叔父にあたる。
「……安堂サン、俺ァヒロ叔父の代わりはごめんだって何度も言ったよな」
「……!そう、だよね」
何回同じ問答を繰り返しただろう。
271:2/2
10/07/11 12:33:08 GxcKd16FO
親父とヒロ叔父が死んでから、引き取る引き取らないの話はいつまでも続いた。
「いや、別に代わりとかじゃ無いんだ」
親父とヒロ叔父は双子だった。
つまり俺とこの人の旦那は似ているから、この人は俺を見過ごせない。
年を経るごとに、似てくるごとに、何をやっても甘やかす。
「話は変わるけど、そんなだからいい加減教会から放れてえンだよ。でも俺金もねーから」
「ああ、なら私が用意してあげるよ」
「……ここは嫌だぜ」
「分かっているよ。一月十万有れば足りるかな?いい部屋探して、決まったらまた連絡しなさい。もう警察もまいただろう」
親切に着せての束縛が滑稽だ。
「これ、心ばかりだけど」
「……いらねっすよ」
「気にしなくていいんだよ。私だって仮にも医者だからこのくらい」
そう言って握らされた三万、いつまで俺のマリア様は見返りを求める慈愛を降り注ぐんだろうか。
俺は家を出ながら、聴こえるように「いい加減枯れろ」と呟いた。
272:風と木の名無しさん
10/07/12 01:37:25 PfCDVVSIO
こう来たか
273:風と木の名無しさん
10/07/12 05:09:13 RxPKLZTiO
べったべたを想像してたら良い意味で裏切られた。
真意の場所は何処にって感じで上手いなぁ
274:風と木の名無しさん
10/07/12 10:25:09 kBHkO48KO
予想してたのと違ったけどこれはこれで面白い
父親と叔父がなんで死んだのか気になる
275:風と木の名無しさん
10/07/13 16:42:20 bWQVayZq0
そろそろまわします
276:風と木の名無しさん
10/07/13 16:45:13 LkvQH9my0
はいまわし
277:風と木の名無しさん
10/07/13 17:45:56 T09h3xMaO
まわーし
278:風と木の名無しさん
10/07/13 19:10:40 hII85orEO
そんなに踏んだら恥ずかしいよぉ…///
279:風と木の名無しさん
10/07/13 19:20:40 gN9Hfh2h0
だから僕はまた歌う
280:風と木の名無しさん
10/07/13 19:21:01 sBewsSSG0
「わかっている!みなまで言うな!」←わかってない
281:1/2
10/07/13 23:13:47 sBewsSSG0
僕は歌が好きだった。
だから僕は、僕の歌が好きな僕の為に、歌を歌っていた。
僕は一人ぼっちだったけれど、歌っていれば寂しくはなかった。
ある日、僕のところに男の人が一人やって来た。立派な服を着た、都の人だった。
「歌っていたのはそなたか」
僕が驚いて歌を止め口をつぐんでいると、都の人がそう問うてきた。
頷くと、都の人は僕の傍に腰を下ろして「続けてくれないか」と言う。
僕は嬉しくなって、いつもより張り切って歌った。
歌い終わった後、都の人は「見事なものだ」と言って、優しい笑みを浮かべた。
「そなた、歌が好きか」
問われて僕は直ぐに頷いた。するとその人は何かを考えるように少しの間目を閉じて
「そうだな。好きでなければ歌わぬな。当たり前のことだ」
と、独り言のように言った。
「好きで歌っているものを誰が止められよう」
大きく頷き、その人は僕を撫でて「また来る」と言い置いて、帰っていった。
その日から、僕は、僕の歌が好きな僕とその人の為に、歌を歌うようになった。
僕の歌を褒め、僕の歌を聞くために足を運んでくる人など初めてで、僕は嬉しかった。
僕とあの人の為に歌うようになってからいくらか経った頃、また都から人がやって来た。
けれどその人は僕の歌を褒めてくれる人ではなくて、あの人より少し若くて、少し怖い顔をした別の人だった。
「先ほど辺りにこだましていた歌は、お前が歌っていたのか」
歌を止めて口をつぐんでいると、怖い顔のその人が僕に問うた。
僕は少しだけ迷って、恐る恐る頷く。
「そうか」
その人はますます顔をしかめた。そのまま俯いて、地面を睨む。
「道理で兄上が気に入られるわけだ。これでは……」
小さく呟いてから、その人は顔をあげた。
282:2/2
10/07/13 23:15:47 sBewsSSG0
「お前はなぜ歌うのだ」
問いの意味が分からず、僕は瞬きをしてその人を見返した。
「他者を遠ざける為か、それとも引き寄せる為か。歌を以てなんとする」
更に強く重ねられる言葉に、僕は首を傾げる。
その人は黙ったまま僕を睨んでいたが、僕が答えられないでいると、ふいに大きく息を吐き出した。
「ああ、分かっている。本当は分かっているのだ。お前が、ただ歌っているだけだということは」
さっきこの耳で聞いて良く分かったと、その人は言った。
「都でお前が何と噂されているか、知っているか」
僕は首を振る。
「妖しの桜だ。あやかしの、人食い桜。人を惑わし、あちら側へ連れてゆくと」
言葉の意味がよくわからないまま、僕はその人を見つめる。
「お前にそんな意思など欠片もないのだろうな。悪しきものではない。兄上も主上にそう申し上げていた。
しかしもう、宮中はそれでは収まらぬのだ。他ならぬ、兄上が亡くなってしまわれた」
言いながら、なぜかその人はひどく悲しそうな顔をした。
「私はお前のことを、歌のことも、都に報せなければならぬ。……許せ」
その人が帰ってから、しばらく僕はその人の言葉を何度も思い返したけれど、やっぱりよくわからなかった。
結局僕は考えることを諦めて、いつものように枝に腰掛けて、大きく息を吸い込んだ。
―お前はなぜ歌う。
僕は、僕の歌が好きな僕とあの人の為に、歌を歌っている。
だから僕はまた歌おう。この場所で歌っていよう。
僕は一人ぼっちだけれど、歌っていれば寂しくないし、偶にあの人がやって来てくれれば、それで幸せだ。
283:風と木の名無しさん
10/07/13 23:31:49 LkvQH9my0
>>281-282
GJ!すごい素敵だ!サイト持ってるなら教えてほしいくらい好みです。
284:風と木の名無しさん
10/07/14 00:46:47 FPh30aiL0
あえて書かない構成がにくいなあ、妄想し始めたら止まらないw
他の人とじっくり語り合いたいくらいどうしようもなく萌えたよ
重複でとっちゃっただけなのに素晴らしい萌えをありがとう!GJ!
285:風と木の名無しさん
10/07/14 01:06:47 xPaLxkqO0
GJ!
良いものを読ませてもらった、ありがとう
286:風と木の名無しさん
10/07/14 01:28:48 ZAnHtzGiO
人を惑わす者って萌えるなー
最近セイレーンの男版はないものかと探してたから、なおさら萌えた
287:風と木の名無しさん
10/07/14 19:46:28 Bdk7IILcO
>>281-282
GJ!!柔らかい雰囲気で素敵でした。
288:風と木の名無しさん
10/07/14 20:27:26 fWA9rwyXO
踏むなよ?踏むなよ?絶対に踏むなよ?
289:風と木の名無しさん
10/07/14 20:29:22 QwJ4XhmhO
敗者復活戦
290:1/3
10/07/15 02:06:42 RfXTkccPO
「先輩の乗ってるの、あれかな」
「方向違ぇだろ」
俺と片野は空港のベンチに呆けたように座りながら、飛んでいく飛行機を眺めた。
何だか気が抜けてしまった。
俺と片野、そして先輩。
1年越しの三角関係が、ついさっき終わった。
サークルに入ってからこっち、俺たちの不毛な争いは絶えることがなかった。
片野が先輩を食事に誘えば、俺が割り込んで無理矢理3人メシにした。
俺が先輩にテスト勉強の手伝いを頼めば、呼んでもないのに片野がノートを持ってきた。
先輩はといえば、そんな俺たちの争いなどつゆ知らず、「卒業してもこのまま3人でつるめたらいいね」なんて、嬉しいような歯痒いようなことをよく口にしていた。
先輩をめぐる、俺と片野のくだらなくも充実した日々。
それは、振り返れば意外と尊いものだったようにも思う。
「同じ学年に好きな人がいるんだ。……男性だから、君たちはびっくりすると思うけど」
その時、俺と片野は面白いほど同じ表情をしたことだろう。
それから、先輩の想い人が恋人になるまでそう時間はかからなかった。
さらには、卒業と同時に一緒に暮らすという話を聞いた時も、俺たちは驚く暇すら与えられなかった。
普段はとろくさい先輩なのに、こういう時だけは妙にてきぱきとして、あれよあれよと言う間に想い人の故郷に飛んで行ってしまったのだった。
……こんな結末、あるかよ。
291:2/3
10/07/15 02:11:02 RfXTkccPO
「あいつさ、ちゃんと先輩のこと幸せにできんのかね」
わざと意地悪く聞こえるように、俺は言った。
女々しいのはとうに承知だった。どうせ片野しかいないんだ、少しぐらいカッコ悪いところ見せたって、今更気にもならなかった。
「だってあいつさ」
「ん」
「先輩の好みの飯とか服とか、なんも知んねーだろ。先輩のクセだって、俺たちのがずっと知ってんぜ。あーあ、あんなにわか野郎」
「あぁ」
片野は機嫌が悪いのか、軽蔑からなのか、短い返事しか返さなかった。俺は焦って付け加えた。
「……ごめん、ごめん、分かってんだよほんとは。幸せにできない筈ねーの、先輩が選んだ人なんだから。だからだよ、余計悔しいの、ちくしょう」
「あぁ」
「あーあ、きっとすげぇ幸せに暮らすんだよ。毎日あのほやほやした笑顔でさ、あーあ、あーあ。先輩のばかやろう」
「あぁ」
「? あのさ、お前……」
生返事だと思ったら、片野はまだ空を見ていた。飛行機は、既に見えない。
ズッと、鼻をすする音だけが聞こえた。俺はこの時になって初めて、この好敵手に情けをかける気になった。
「……いいよ」
「なにが」
「見んでやるから、泣けば?」
「泣いてないよ……」
「だから、泣けば?お前のことどんだけ見てたと思ってんの。たった一人の恋敵ですよ?」
「……」
再び、ズッと鼻をすする音が聞こえた。
それから肩にずしりと重みがかかり、遅れて温かいものがシャツ越しに伝わった。
予想外の反応に思わずたじろいだが、片野のことを考えると茶化す気にはなれなかった。
片野を刺激しないように、呼吸にすら気をつかいながら、俺は片野の震える背中に手を添えた。
292:3/3
10/07/15 02:16:07 RfXTkccPO
「……カッコ悪いと思っただろ」
俺の肩に顔を埋めたままで、片野が呟いた。
ばか、今更気にすることかよ。
「お前な、こういう時は」
「……けど、先輩が行った後で女々しく愚痴るほど落ちぶれてはいない」
「は?」
「俺はまだお前に負けてない。最後の最後まで、負けてないんだからな……」
なんだそれは。呆れたというべきか、見上げたというべきか。
この期に及んで、こいつはまだ俺と争おうとしているらしい。
しかも、泣いただの愚痴っただのの超低次元な争いで。
「……お前さぁ」
「なんだよ」
「フラれた時点でどっちも負けだろ。敗者同士、負け犬同士なの俺ら。いい加減認めろよ」
「……」
「……」
「…………やだよ~……」
やだよーってお前。だだっ子か。
しかし、俺の肩に額を擦りつけ柄にもなく弱みを見せている片野は、何故だか妙に俺の心をくすぐったのだった。
「……なぁ負け犬」
「うるさいしね」
「敗者復活戦ってどう思う?」
「は?」
飛行機がまたひとつ飛び立った。
次の飛行機が飛んだら片野を飲みに誘ってやろうと、俺は決めた。
293:風と木の名無しさん
10/07/15 07:45:06 TNRTN6eY0
甘酸っぺえええええええ GJ!
294:風と木の名無しさん
10/07/15 14:01:03 3/KunXX7O
切ないけど希望があって暖かい気持ちになれた
恋敵だからこそお互いをよく分かってるっていいな、GJ!
295:風と木の名無しさん
10/07/15 14:30:06 g3/vniDx0
何度か飲みに行く仲になるけど毎回「お前が誘うから仕方なく付き合ってやる」って感じの片野、
でも「俺」のことを好きだという第三者が現れた時にもやもやとした気持ちを感じて…まで妄想した
GJ!
296:風と木の名無しさん
10/07/15 19:14:22 0hMllH7v0
大作GJGJ
297:風と木の名無しさん
10/07/16 06:02:53 SsQmmJ860
まわします
298:風と木の名無しさん
10/07/16 08:54:47 iyvzU35MO
いってみよう
299:風と木の名無しさん
10/07/16 08:58:18 2QLx2339O
見てないようで見てる
300:1/2
10/07/16 13:11:26 1TCwHcUK0
「なんだ、もう寝ちまったのか?」
今夜はオールで飲もうって約束してアパートに呼んだのに、同僚の遠野はすっかり夢の中だ。
いつの間に運んだのか、ベッドの上に置いてあったクッションを敷いて寝息を立てている。
俺は半分ほど中身の残ったビールの缶をテーブルに置いた。
テーブルの上には空き缶や食い散らかされたつまみの残骸が散乱している。
あいつコロッケは絶対付けろって言うから、わざわざ買ってきてやったのに…言ったからには全部食えよな
そう思いながら食い残しのコロッケを手づかみで口に運ぼうとするとした。
だがその手を、下から伸びてきた手が制止した。
「…食うな、俺の」
「遠野、起きたのか?」
「寝てない…ずっとみてた…」
そう言いながらも声は寝起き特有の擦れた声だ。
「嘘つけ」
そう言いながら俺は、あいている方の手で平野の額を軽く小突いた。
「お前最近仕事中も寝むそうだよな、ちゃんと寝てんのか?いい加減にしないと注意受けるぞ」
「ん…深夜ドラマ…見てる。でも…仕事中は寝てない。起きてる…」
「あのなー!俺がどれだけフォローしてやってるか知らねえだろ…この間だって…」
301:2/2
10/07/16 13:12:16 1TCwHcUK0
「会議の時…俺がさされそうになったから、割り込んで発表してくれた…よな」
「え?」
気付いてたのか?俺には完ぺき爆睡していたように見えたが
「…デスクでうとうとしていた時にも、部長の席から見えないように隠してくれたし…」
「そこまで知ってんのかよ」
遠野の指摘に俺は少し照れた。全然気付かれていないと思っていたのに、何処まで見てるんだよ
月並みだけど背中に第3の目でもついてんのか?
「全部知ってる…お前が、いつも…俺のことばっかり見てる…から」
「なっ…!」
恐らくは眠気ゆえの無意識なのだろう、目を半開きにしてぼそぼそ話していた奴は急に俺がつかんでいた
コロッケの欠片を俺の指ごとくわえた。
ねっとりとした温かい感触に俺はビクリと身を震わせる。
だが当然というか、奴はコロッケを食っただけで満足してしまったらしい
「…うまい」
そう呟くと、目を閉じて再び夢の世界に行ってしまった。
後に残されたのは言いようもない気持ちで座り込む俺とテーブルの上の残骸
「…どうすりゃいいんだよ…」
ため息とともに呟いても、答えてくれる相手にはもう届かない
明日になったらどんな顔をして会えばいいんだろう?
それとも明日になったらコイツは夢うつつの間のことなんてすっかり忘れているだろうか?
そんなことを悶々と考えながら、俺は眠れない夜を過ごしたのだった。
302:風と木の名無しさん
10/07/16 14:15:43 q9o3UJOMO
おおおいいね!
お題にきれいにはまっててツボだ!
この二人には早くくっついてほしいなwGJ!
303:300-301
10/07/16 16:13:51 pNdP4kWfO
ごめんなさい
一カ所遠野が平野になっていますが、同一人物です
304:風と木の名無しさん
10/07/18 00:29:18 HBH1Q9010
>>303
き、気づかなかった…!
深夜のふんいき(ry があまりにも良くてなぁ
GJ!
305:風と木の名無しさん
10/07/18 00:43:42 GQIjlJwJ0
まわし~
306:風と木の名無しさん
10/07/18 00:44:14 qzQSpjBD0
まわし
307:風と木の名無しさん
10/07/18 08:33:10 hVmtgactO
まわし
308:風と木の名無しさん
10/07/18 09:08:25 WCsO8PO7O
ゆっくり踏んでいってね!
309:風と木の名無しさん
10/07/18 09:19:56 wcgkAoUuO
あいつなんかより俺を選べよ
310:1/2
10/07/19 05:18:43 dl5jcGlY0
体育くらいしか取り得の無い俺でもこの時期は辛い。
昼飯前の空腹と蒸し暑さで頭がフラつく。
だけど俺の顔色が冴えないのはそのせいばかりでもない。
「二人組みで柔軟してそのままパスの練習」
いつも通りの教師の言葉で俺の視線は勇樹を探すが、彼の視線は他の所に向いている。
「佐々木、組もうぜ」
クラスでも目立たない、口数も少ない佐々木がどこか居心地悪そうに頷いている。
勇樹は子供の頃から正義感が強くて人が良い。
一人で孤立している奴がいると放っておけないくらいに。
そろそろ授業が終わる頃、
運動音痴の佐々木がボールを取り損ねて派手に転んでいた。
俺は心の中でざまあみろと呟いた。
吐き気がする。
そんな自分にも、誰にでも優しい勇樹にも、ボールを取り損ねた佐々木にも。
311:2/2
10/07/19 05:19:16 dl5jcGlY0
「お前、熱あんじゃね?」
わざわざご丁寧に佐々木を保健室まで連れて行き、
昼飯を買いそびれたお人好しが俺の残した弁当を頬張りながら覗き込む。
「へーき」
そう答えた声はかすれていた。
そうか俺は体調が悪いのか。
弁当を半分残したのも、佐々木に意地悪な気持ちになるのも
勇樹にイライラしてるのも全部体調が悪いからなのか。
「またエアコン付けっぱなしで寝てたんだろ」
「うるせー」
「ま、お前は健康だけが取り得だもんな」
「それより帰りにどっか行かね?」
「うーん、どうしようかな」
「何か予定あんの?」
「いや、佐々木が足挫いただろ?悪そうなら送ってやんなきゃと思ってさ」
「何でお前が?」
「だって怪我させたの俺だしさ、ちょっと心配じゃん?」
「勝手に転んだんだろ?ガキじゃねーんだから放っておけよ」
「まあ、そう言うなよクラスメイトじゃん」
俺だって具合悪いんだけど。
その言葉を飲み込んで机に顔を伏せた。
気付いて欲しい。心配して欲しい。一緒に帰りたい。
今日くらい、あいつなんかより俺を選べよ。
312:風と木の名無しさん
10/07/19 11:43:00 UAXFb8qD0
萌えタァァ!!!
勇樹は安心しきってるんだろうね
主人公報われてほしいけど、今の関係性萌えす
313:風と木の名無しさん
10/07/20 16:35:29 cXAStyCO0
勇樹は天然なのか、ひどい奴め
主人公報われねー
もういいから爆発しちゃえw
314:風と木の名無しさん
10/07/21 13:03:42 gdHz6Km70
まわそうか
315:風と木の名無しさん
10/07/21 14:42:27 woIQZV/2O
「あいつなんかより俺を…」は選ばれないフラグだが
「俺なんかよりあいつを…」はまあ脈ありフラグだよねまわし
316:風と木の名無しさん
10/07/21 14:58:17 j07nYbBRO
>>315
おお確かにw
その後どうなるのか気になるなあ
GJです!
317:風と木の名無しさん
10/07/21 17:51:36 Lc44BUU70
萌えた。最後の一文の「今日くらい」がすごい効いた。
ハッピーエンド好きとしては主人公に幸せになってもらいたい。
318:風と木の名無しさん
10/07/21 18:27:08 aK7Ok8+T0
踏みたまえよ
319:風と木の名無しさん
10/07/21 18:27:33 ck7xd3QVO
親友を好きなAとAを好きな親友の彼女
320:1/2
10/07/22 16:25:45 VheNDFs40
俺達三人は良く似ている。
我侭で自己中で思った事はすぐ口にする。
モラルや常識より自分の気持ちを優先する、傍からみたらどうしようも無い連中だろう。
「だからユウヤが消えればいいんだろ?俺とミサキは恋人同士なんだから」
いつもの居酒屋、6杯目のビールを飲み干したシュウヘイが据わった目で俺を睨む。
俺が好きなのはシュウヘイ、シュウヘイが好きなのはミサキ、
シュウヘイの彼女であるミサキが好きなのは俺。
「だからさ、シュウヘイも一回ガッツリ男と寝てみたら気持ち変わるって」
「それならユウヤだって女と寝てみたら変わるかもよ?」
「お前は黙ってろようるせーな俺はシュウヘイと話してるの」
「いやいやいや浮気は駄目だろ俺達付き合ってるんだから」
「じゃあ私シュウヘイと別れる」
「そうだよ別れなよ。そしたら俺もシュウヘイも、もうミサキと会う事も無いし」
「いやだ俺は絶対別れない!」
「何でそうなるの?シュウヘイと別れても私とユウヤには関係無いじゃん」
「いや俺はお前と友達でもなんでも無いし」
俺とシュウヘイは高校時代から7年の付き合い。
去年、シュウヘイから彼女が出来たとミサキを紹介されて、
その半年後、馬鹿女のミサキが「私シュウヘイよりユウヤが好き」と爆弾発言をしてから
俺達は毎週こんなやりとりをしていた。
321:2/2
10/07/22 16:27:24 VheNDFs40
「私もう帰る!」
相手にされないミサキがキレて店を飛び出した。
送るよと後を追いかけようとしたシュウヘイを振り切って。
よし、ここからが俺の出番だ。
ミサキに袖にされてふてくされてるシュウヘイに誘いをかける。
「なあ、今日一緒に寝ようぜ」
「なに言ってんだようぜぇなぁ」
「溜まってるんだろ?抜いてやるからウチに来いよ」
「しつけーよ今日は朝まで飲もうぜ」
「あっそ、じゃあいいよ俺ミサキとできちゃうから」
「なっ!お前……俺達親友だろ?」
「だからぁ、俺が教えてやるって言ってるの」
「なんだよそれ」
「ミサキ言ってたぞお前セックス下手だし早いって」
「そんなのお前に関係ねーだろうが愛があればいいだろ!つーか下手じゃねーし、うるせふぎゃあ」
「泣くなよ」
「泣いてねーよっ!!!」
男のツボは男の方が良く知ってる。
俺のテクニックを100%味わえば俺から離れられなくさせる自信もある。
そして二時間後、俺とシュウヘイはベッドの中にいた。
もちろん裸で抱き合っている。
唯一の誤算は、シュウヘイがテクニックを100%味わう事も無く勝手に果てて勝手に眠ってしまった事だろう。
男は出せば冷める。
目を覚ませばシュウヘイはさっさと服を着てミサキに会いに行くだろう。
それとも俺達がこうして寝ているのに気付いたミサキが怒鳴り込んでくるのが先か。
朝が来るまでもう少し、背を向けて寝ているシュウヘイに寄り添って恋人の気分に浸ろうと
俺は彼の背中にしがみついて泣いた。
322:風と木の名無しさん
10/07/22 17:00:02 yQmK21ud0
どうしようもないなこいつらw
でもどうしようもない関係の話って好きなんだーGJ
シュウヘイやミサキ視点も読んでみたい
323:風と木の名無しさん
10/07/22 17:27:12 UJc4lRS60
そうだね、どうしようもないねw
でもそこが良い
シュウヘイやミサキ視点いいねえ
324:風と木の名無しさん
10/07/22 17:37:51 9td4ebdl0
いいなあ
こういうどうしようもない関係好きだなあ
GJ!!
325:風と木の名無しさん
10/07/22 18:09:36 3fpXVYdV0
ユウヤ視点じゃないと許せない話のような気もするが、とりあえずびっちじゃないミサキの言い訳を聞こうかw
いろいろ想像の余地のあるGJな萌えでした。
326:風と木の名無しさん
10/07/23 00:10:04 SZfB6q2QO
最後の一行で不意をつかれた。
全体的にヨゴレなのに、結末でほんの一瞬ちらつく純情がずるい。
萌えましたGJ
327:風と木の名無しさん
10/07/23 23:02:20 N+/HfKtS0
>>326
感想うまいな!
全く、その結末の妙だと思う。>>320GJでした。
ついでに326GJ
328:風と木の名無しさん
10/07/23 23:23:14 SSl8t5Tc0
踏んでイイデスヨ
329:風と木の名無しさん
10/07/23 23:23:46 lfZfQxN4O
噂の二人
330:1/2
10/07/24 00:34:05 +X5iOf/2O
あいつらは犬猿の仲だ。
そう囁かれる二人のことを、田中はよく知っていた。
この小中一貫校で、彼らのことを知らないクラスメイトはいない。
尤も、九年の間、クラス編成は行われないのだから、知らない者が
居るわけがないのだが。
だが、幼稚園から二人と一緒の田中は、彼らを他の連中よりも、はるかに熟知していた。
幼馴染と呼ばれる間柄で、家族ぐるみの付き合いもないわけではない。
だから、他のクラスメイトなんかと一緒にされては困る。
田中は誰よりも二人のことをよく知っている。
山田は派手な外見のお調子者で、いつでも馬鹿騒ぎをしている。
だがしかしクラスメイトの人望も厚く、その騒々しさによってクラスが良好な雰囲気に
保たれていることもまた事実であった。
そして佐藤。彼は頭はいいが、少し面白みがない。
頭が固く、少しのルールも、改竄することは許さなかった。それは掃除だろうが日直だろうが同じだ。
こうと決まったルールは、決して崩すことなくその任務を全うした。
その所為かクラスに溶け込めてないとでも言うのだろうか、とにかく佐藤は、
少々浮いた存在だった。そんな事情から、対極に立つ二人が、仲良くお手々繋いでお友達になれるわけなど、なかった。
佐藤は山田が嫌いだ。山田もまた然り。この関係は、わざわざ説明するまでもなだろう。
だが、根底ではこの二人はよく似ていると、田中は知っている。
まず、交互に田中の家にやってくる。
互いのスケジュールを綿密に調べ、その結果、相手が田中の家に来ないと知るとやってくる。
が、その偵察も失敗することがあるらしく、そんな日は観念したように二人そっぽを向いて
田中の自室に居座った。今日は「失敗」したらしい。
331:2/2
10/07/24 00:37:29 +X5iOf/2O
「おい、仲良くしろよ。週の初めから気分悪ぃ」田中はコンビニで買った週刊誌を読みながら、言った。
二人は互いの視線を合わせることなく、田中の自室に座り込んでいた。
「おいってば。仲良くしろって」
『だってこいつが……!』二人揃って同じ言葉を発する。と同時に、互いに口をつぐみ、
プイと視線を逸らす。
まったくよく似ているものだと思う。田中はにやりと笑うと、二人に背を向けた。
この二人はよく似ている。
何故この家に来るのか、田中はよく知っていた。
小さな頃から”犬猿の仲”とレッテルを貼られてしまった対極に立つ二人。
互いにプライド高く、周囲が持ったイメージを完璧に演じなければ気がすまない、
素直ではない二人。
山田が派手顔に似合わず本当は人見知りなのも、佐藤にも本当は自堕落な部分が
多々あることも、幼稚園から二人と一緒の田中はよく知っていた。
そして、人の要望に忠実に応えるその律儀な性格も。
頭のいい佐藤は、先生たちの期待に応える生徒を。
クラスメイトのまとめ役は山田が。
案外この二人の存在で、クラスは上手い具合にいっているのだ。
「ちょっと俺、彼女のところに行ってくるわ」
『なんで!?』
二人の質問には答えることなく、田中は財布と自転車の鍵を持つと部屋を出た。
「別に。いってきま~す」にやりと笑って扉を閉じた。
あいつらは犬猿の仲だ。
そう囁かれる二人のことを、田中はよく知っていた。
だが、二人が同じ時間を共有する小さな可能性を求めて、
わざわざ毎日田中の家にやってくることもまた、よく知っていたのだった。
332:風と木の名無しさん
10/07/24 02:34:31 G2tB8ru4O
最後そう来たか!
田中目線萌えるな…!
すごい好みだ、全力でGJです!!
333:風と木の名無しさん
10/07/24 20:28:01 HUj6yCBR0
田中になりたい GJ
334:風と木の名無しさん
10/07/25 04:03:50 16wQ+5LN0
田中いいやつだなーGJ!
335:風と木の名無しさん
10/07/25 11:41:50 lVhlrFVN0
うまい!
田中目線いいね。GJ!
336:風と木の名無しさん
10/07/25 21:54:19 WQCTLzqk0
おもしろいなー田中はどういう思いで二人を見てるんだろう
337:風と木の名無しさん
10/07/25 22:27:23 oxqNhA/yO
まわしー
338:風と木の名無しさん
10/07/25 22:40:46 J5eJszgAO
ちょっとそこの君、せっかくだから踏んでいきなよ
339:風と木の名無しさん
10/07/25 22:46:48 iKlB/CoS0
病的に偏執的
340:風と木の名無しさん
10/07/25 22:47:01 Sja2ZBEiO
コンビネーション
341:風と木の名無しさん
10/07/26 22:50:01 qv74c7GU0
『何時に終わりますか 一緒に飯食いませんか』
携帯の画面に並ぶシンプルな文字、送信ボタンを押せば届いてしまう。
送っていいのか。この時間は駄目かも知れない。見ないだろうか。返事するのは手間だろうに。
こんなメールは迷惑だろう。
だいたい俺はしつこいのではないか、昨日も一緒に飯を食ったのに。
慢心。増長。よくない傾向だ。
俺と飯を食って楽しいわけもない。嫌がられているのではないか。
俺でいいのか。他にいるのではないか。会社のつきあいがあるのでは?それとも女の子?
……俺でいいのか?本当に?
つきあいたいと言われた。
信じられない。俺はイケメンでも可愛くも、面白くもない、取り柄も何もない。
そう言ったら、健気だと、いつも頑張っている真面目なところがいいと、言われた。
見ててくれた? 俺のこと?……いやいや、良く見せようと飾っている姿を誤解している。
本当の俺を見せていない。本当の俺を見たら嫌いになる? 他の人を好きになる?
あの人に悪い。おこがましい。好かれてるなんて思っちゃいけない。
こんなメールを送ったら他の人と約束できないじゃないか。迷惑。重荷。
まわりに可愛い女の子がいるかもしれないのに。きっと俺のことはなにかの冗談。
遊ばれてる、なんてことどうでもいいけど。俺なんか、きっと遊びでもありがたい。
遊びとしても、俺でいいのか。俺のことを好きだって言った……気の迷い。
俺から言ったんじゃないけど、一般的に見て格好いいイケメンのあんな人が、おかしい。
つきあうっての初めてだからわからない。本当はどうなの。やっぱ……遊びだよなぁ。
本気じゃない。俺だって本気じゃないよ。本気になったら馬鹿みたいだ。
なんか……こんな、こんな感じ、息できないみたいな、少女マンガかよっての。
きっと俺のことなんかどうでもいいはず。一年後にはもう俺の前からいなくなってる。一ヶ月後か?
嫌だ、なんて……思わない。馬鹿みたいだ。きっとこんなの嘘だ。
携帯にメール着信音。
『飯食おー 仕事終わった? 家行って待ってるよ』
ハートの絵文字。
─どうしても信じられない。一人になってしまうのが怖い。
未送信メールばかりが増えていく。疑いたくない。あの人しかいない。
執着しすぎる自分が怖い。止まらない。
342:風と木の名無しさん
10/07/27 10:51:05 R1EJS8Q+0
こういう偏執気質の人は好みなので(現実にいたら嫌だが)
良かったです。
ただ、時間が少しオーバーしちゃっているので、
まとめには掲載されないそうです。
別館の方で意見を聞いてみたらどうでしょう?
343:風と木の名無しさん
10/07/27 21:49:16 cxtPNI4t0
まわし
344:風と木の名無しさん
10/07/27 22:56:37 l4ZxZtKP0
まわし
345:風と木の名無しさん
10/07/28 00:22:25 1fznB39c0
まわし
346:風と木の名無しさん
10/07/28 01:24:12 LyhmJxDi0
まわすね
347:風と木の名無しさん
10/07/28 01:43:05 1fznB39c0
まわし
348:風と木の名無しさん
10/07/28 01:54:18 UESH4AaV0
こういう葛藤もの好きだーGJ
相手の人はこれから大変そうだけどw
ではどうぞお踏みくださいな
349:風と木の名無しさん
10/07/28 02:10:36 yFo8T8C7O
放蕩貴族の友人同士
350:1/3
10/07/28 03:03:43 0A2J2rg30
「でさぁ、その時の女ときたらもう……」
「お前ほんっとそればっかだな」
毎日のように訊ねてくる悪友に、俺はそっとため息をついた。
こいつの話題と来たら、親兄弟の悪口と娼婦の抱き心地のどちらかしかない。
「しょーがないだろー、こんなこと話せるのお前しかいないんだからさー」
「まあ、お前の家は厳格だからな……」
その点、こんな阿呆でも受け入れるここなどは居心地がいいのだろう。
俺だって継ぎたくはなかったが、一人っ子で両親が病死してしまえば
何をどう言おうが周囲に無理矢理当主にさせられてしまう。
ああ、俺は貴族なんかじゃなくて傭兵とか旅芸人に生まれたかった。
「……じゃなきゃせめて末っ子か庶子」
「何ブツブツ言ってるんだ?」
あいつは勝手に戸棚を開けて酒を取り出し、こぼれるのも構わずにグラスに注いだ。
グラスも、勝手に持ち出したものだ。よく置き場所覚えてるよな。
「おら飲め、辛気臭いぞお前」
「勝手に俺の酒を飲むな」
腹が立ったので、酒ビンを奪ってその場で一気飲みしてやった。
「あ、俺の酒!」
「返すか?」
「ここで吐いたら殴るからな」
流石、俺のやることを分かっている。
351:2/3
10/07/28 03:04:43 0A2J2rg30
……あ。
「まずい、冗談じゃなく吐きそうだ」
「おい、笑えない冗談はよせって」
「いやほん……おえっ」
もどした瞬間、奴はけたたましい悲鳴を上げて逃げ出した。薄情者め。
「うっわ、こりゃ昨日の徹夜がたたったか」
「何、夜遊び? 夜這い?」
「お前と一緒にするな。お見合いが嫌で先方が諦めて帰るまでひたすら屋敷中を逃げ回ってただけだ」
使用人も総出で俺を探すものだから、寝る間もなく移動し隠れてまた移動、だった。
もう二度とやらん。次は本気で屋敷から出てく。
「えーやるだけやってサヨナラすればいいじゃないか」
「それができない相手だから逃げてたんだよ」
あー、マズイ。本気で動けなくなってきた。
「しょーがないなーもう。野郎なんざ抱きたくもないってのに」
あいつがため息をついて、荷物でも抱えるかのように俺を肩に担ぎ上げた。
「だったら足繁く野郎の家に通うな。同性愛者かお前は」
「お前知らないのか? 裏の店だと可愛い男の子が並んでたりするんだぞ。俺はやったことないけど」
「そういうこと言ってるんじゃ……」
「はいはい徹夜でバタンキューしてる人は黙りましょうねー。酒飲ますぞ」
「あーそれいいかも」
「死ぬぞマジで。いいから水飲んで寝てろ」
352:3/3
10/07/28 03:06:07 0A2J2rg30
1人で寝るには大きすぎる寝台の端に下ろされ、半ば無理矢理水を飲まされて一息ついていると、
不意に奴が寝台の空いている端にもぐりこみだしたので反射的に蹴り出した。
「何するんだよ、痛ってーな」
「やかましい! 俺は野郎と同衾する趣味はねぇ!」
「何考えてんだお前は……ただちょっと眠いだけじゃねえか」
蹴り出したのに、あの馬鹿はまたもぐりこもうとする。
「客間を使え!」
「やだ! お前んところの使用人はあれこれうるさい!」
「ありゃ普通だ!」
ぎゃあぎゃあと喧嘩を続けていると、不意にあいつが掛け布団を奪って俺にかぶせてきた。
「―!」
「いいから寝ろ!」
布団越しにあいつの重みと体温を感じる。
……そういえば、あいつが泥酔したときは、いつもこんな風に俺がおぶっていってたっけか。
そう考えると、なんだかどうでも良くなってきた。
「……わかったよ」
目を閉じて体の力を抜くと、疲れと眠気はすぐにやって来た。
353:風と木の名無しさん
10/07/28 09:23:28 Gz+WzO8wO
GJ!かわいいな!
仲良くしちゃえばいいよ
萌えました
354:風と木の名無しさん
10/07/28 12:41:16 uEeuMb800
おもしろかった!
こういう軽口のやり取り大好きだ
いい加減なようでお互い相手が大事なんだろうな
GJでした
355:風と木の名無しさん
10/07/28 21:57:32 cQHJq59W0
おお…。なんてことない普段通りの軽口の叩き合いなんだろうに、何というか萌えた。
もっと二人の会話が見たくなるね。GJです
356:風と木の名無しさん
10/07/29 21:48:44 LGvgKEuv0
なんだかんだいっても信頼しあっているのが言葉の端々から読み取れてよかったです
恋愛ってよりも友情っぽいのが更に萌えました
GJでした
357:風と木の名無しさん
10/07/30 13:07:33 H22lhzU2O
まわしますよ
358:風と木の名無しさん
10/07/30 13:21:25 mM4l82ijO
ここは私に任せて踏んでいきたまえ
359:風と木の名無しさん
10/07/30 13:23:29 TTotVBWfO
面接に落ち続ける男と若社長
360:1/2
10/07/31 02:39:58 ambr8o27O
「フン!」
俺は郵便物入れに入っていた書類を破り去った。
面接まではいつもこぎ着けるのだが、結局またも不合格。
―これで666社目になる。
「おや、またダメだったんですか」
「!!貴様」
玄関の扉から身を乗り出して背後から覗いて来たのは許 明泰だ。
「フン、わざわざ俺の無様な姿を見に来たのか」
「トイレに起きたついでですよ。同棲してるんですからいい加減慣れたらどうです」
「気色悪い!同居といえ同居と!」
「ふぅ…つれないことですな」
こいつは俺が社長を勤めていた会社の元秘書で、今やT.T.C頭取の息子兼若社長。
俺だってこれでも昔は急逝した親父の跡を継いだ、れっきとした社長様だったのだ。
俺は図体と力だけの馬鹿だという自覚があるので、むやみに経営に茶々を出さなかった。
そしたらいつの間にか俺の会社は破産宣告せざるを得なくなり、社員は運良くこの秘書の親父の会社に丸ごと吸収されて、俺は不必要な存在となった。
闘ったらこんな細長い、イタリアンスーツを好んで着るような男なんか何でもないのに、社会ではそうはいかない。
俺はこいつにも社会にも負けたのだ。
書類審査だけなら警備会社なら楽々通るのに面接では落とされるのは、就職相談会に行って思い切って相談したら、「高慢な態度だから」と言われた。
そう育ったんだ仕方がないだろうという言い訳も通じない。社会は厳しい。もう29だし、このままじゃ駄目かもしれない。
だが、いつかは必ず自立はしなくてはならん。
「だから言ってるでは無いですか、克美様」
今のように慇懃無礼でイタリア服なぞ着ている香水臭い香港人に毎日毎日、
「私に素直に養われればいいのだと。はやく養子縁組いたしましょうよ、愛人(アイレン)」
……尻を撫でられないようになるためには!
361:2/2
10/07/31 02:45:16 ambr8o27O
「離れんかあぁああ!!!」
「おおっと」
俺より力は弱いはずなのに、動体視力がいいのか俺の攻撃が当たった試しはない。
イタリア男を気取った口髭を弄る手つきが俺の尻を触ったかと思うと糞忌々しい。
一刻もはやくこいつから離れたいのに、破産宣告出したせいで家も財産も差し押さえられ、帰る所が無い。
しかも呆然としているところをこいつのSPに車に担ぎ込まれ、強制的にコイツと同居。会社の後のことを聞かされると同時に体の関係を迫られ、退け……いまは何とか仕事:家事手伝いということで収まってるが。
―ん?思い出すと、こいつやけに段取りが良くないか?
「おい許、まさかお前」
「なんですかな」
問い質そうと振り向いた瞬間、目の前に許のアップがあり、反射的に頭を後退したというのに追い込まれ、キスされた。
「……ぐ、うああ!何をするか馬鹿野郎!!」
必死で口を拭う。鳥肌が立ったじゃないか!
「はっはっは、朝からごちそうさまです」
「……ああもういい!今日はお前朝飯抜きだ!」
「克美様ったら、三十路前にの癖に大人気の無いことを言わないでください。馬可愛いなもう」
「黙らんか阿呆が!!」
まったくこいつは!……ん?俺は今何をこいつに聞こうとしたんだったか。
「そうだ、今日は克美様も私の良く行く店のスーツを見に行きましょうよ。トールサイズもあるのできっと合う服が…いっそオーダーメードでも!」
「馬鹿言うな。面接にそんな格好する奴がいるか!俺でも分かるわ!」
忘れてしまったなら大した用件じゃないんだろう。
まあいいか。
【こうして段段と若社長に懐柔されていく元社長】
362:風と木の名無しさん
10/08/01 00:14:02 S4A8fghfO
そして結局流されて体の関係になるんですねw
バカ受け大好きだーGJ
363:風と木の名無しさん
10/08/01 15:04:14 vofrZyYZ0
BLレーベルのどこかにありそうな王道カプGJ!
おバカな受がかわいすぐるw
364:風と木の名無しさん
10/08/01 17:52:12 FeRw3n0M0
「面接に落ち続ける男」で気弱ヘタレ系しか想像してなかった
こう来るとは!高慢天然男かわいいよGJwww
365:風と木の名無しさん
10/08/02 00:54:35 DWBP8LshO
お馬鹿受は私得ですありがとうございました
366:風と木の名無しさん
10/08/02 08:59:02 xMUpLT6eO
朝からまわし
367:風と木の名無しさん
10/08/02 15:22:04 bB7hR3S40
まわします
368:風と木の名無しさん
10/08/02 16:23:32 ckqvtUPbO
よし、踏んでみようか!
369:風と木の名無しさん
10/08/02 16:32:09 miWH6LFQ0
バブリーな受けと攻め
370:風と木の名無しさん
10/08/03 22:20:23 ZagicTGVO
流れてるよね?
371:風と木の名無しさん
10/08/03 22:24:24 ZXKQatYu0
24時間経過かー
流れちゃって残念だ
372:風と木の名無しさん
10/08/03 22:31:47 xyA/1hYP0
気づかなかった。
まわすか。
373:風と木の名無しさん
10/08/03 23:42:32 sGMBCi6I0
バブルっていうと一昔前のヤンエグアルマーニ攻様×にゃんこ受(きゃるん)しか出てこない
誰かの素敵な萌えを読みたかったよ
374:風と木の名無しさん
10/08/03 23:51:59 t+7tMlcJO
お流れか~
まわしますね
375:風と木の名無しさん
10/08/03 23:55:13 iDMxXD8E0
ばぶりーか。あの世代は今頃私のストライクゾーンな年頃になってるんだろうな
ちょっとアホでそこそこの地位に就いててピンチに弱い。そんなイメージしかない
376:風と木の名無しさん
10/08/04 06:40:55 t4umBaunO
>>375
それ萌える
今は地味な仕事で節約生活していてバブルのものはマンションも車も何ひとつ残ってなくて
唯一お互いだけがそばに居続けている中年カプを受信した
377:風と木の名無しさん
10/08/04 07:18:44 0DUACupqO
早くそれを文章化して私に読ませる作業に移るんだ!!!
378:風と木の名無しさん
10/08/04 08:51:45 izkdIvCo0
期待してます踏まれます
379:風と木の名無しさん
10/08/04 08:53:14 c5IadHCPO
痛みを愛する
380:風と木の名無しさん
10/08/04 12:21:33 +5/gvFYAO
きゃっきゃっと甲高い耳障りな声が聞こえる。
痛い。
公共の場で人目も憚らずはしゃぐカップルも、それを羨ましいと思ってしまう自分も。
羨ましいと思うなら、彼女を作ればいい。そんなことぐらい分かってる。
でも、あいつがまだ俺のことを甘ったるい声で呼ぶから、いつまで経っても俺はあいつに囚われたままなんだ。
心の中でたかし、とあいつを呼べば、あいつは蕩けるような笑顔でなんだよ、と返してくれる。
痛い。
いつまでも過去のことを引きずって、男らしくない。
痛い。痛い。痛い。
痛いと言っておきながら、痛みから抜け出そうとしない自分が。
でも、やっぱり俺はこの痛みを忘れる気はない。
絶対に、忘れたくない。
だって、この痛みは確かにあいつを愛してた証だから。
この痛みを忘れないうちは、あいつを愛していられるから。
381:風と木の名無しさん
10/08/04 23:45:02 2pv5g/jx0
ぐわあああああ切ねぇ…
読んでて胸が締め付けられる感じがしたよ
泣きながらGJ
382:風と木の名無しさん
10/08/05 03:28:57 WmZdsz910
まわし
383:風と木の名無しさん
10/08/05 07:29:26 ssuCac8X0
短いのに切なさの伝わる文章でいいね。GJ
>>382>>3
>『感想を書き込みたい人のために、*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい』
384:風と木の名無しさん
10/08/05 11:05:26 bNSzMo0X0
痛みを愛するってこういうことだったんだな
深いよ…あいつを愛する切ない気持ちが伝わってきてすごく泣けた
短いのに感動しました。GJです!
385:風と木の名無しさん
10/08/05 13:43:09 IFZCm3HRO
痛いけど切ない。幸せになって欲しいような、痛みに殉じて欲しいような。
ともあれGJ。
386:風と木の名無しさん
10/08/05 13:44:59 tqArYCs20
まわし
387:風と木の名無しさん
10/08/05 20:55:18 tgTfzfcYO
まわし
388:風と木の名無しさん
10/08/05 21:15:47 049xbVWkO
暑いですね、冷たい足で踏んでください
389:風と木の名無しさん
10/08/05 21:15:51 wvViy9A2O
踏み踏みしてほしーの
390:風と木の名無しさん
10/08/06 00:25:06 X9naLqTp0
目が覚めたら、二人とも汗まみれだった
391:1/2
10/08/06 10:42:57 X9naLqTp0
「ひー、くたびれたー足パンパン」
商店街のお祭りの手伝いで、朝から準備にバタバタし、夕方から夜までずっと純也と二人で焼きそばを焼いた。
部屋に入るなり、純也はラグの上に寝転がった。
立ちっぱなしだったから本当に足がパンパンだ。
アルコールも適度に入ってるから余計だよな。
「なあ、彰司あれやってよ、踏み踏み」
「えー俺も疲れてるんだけど。だいたい、シャワー浴びに来ただけだろ」
「いいじゃん、お願い。プロのお前に踏み踏みしてほしーのよ」
俺の返事を聞く前に、横向きになって上の脚を前に出す、いわゆるシムス位になると、純也は俺の顔を見上げて、お願いっと言った。
立ち上がると、「しょーがねーなー」と言いながら片足で立ち、もう片方を純也の内股の付け根におろす。
足の裏全体で、内転筋にゆっくりと体重をかけ、膝の方へ移動してゆく。
確かにスジがパンパンになっている。
「ひーーー痛ぇーー」
「違うだろ、気持ちいいだろ」
「ひ~、痛きもちいいー」
「そうそう」
これはどう言うわけか、膝に近い方が痛みが強い。どんなに軽く踏んでも、のたうち回る人がいるくらいだ。
そっと純也の顔を見ると、目をつぶって眉を寄せ、何とも言えない顔で耐えていた。
「痛いーーけど気持ちいいー」
「お前が言うとなんかエロいな」
「ばっか彰司、ほんとに痛いんだぞ」
「知ってるよ、仕事ですから。はい反対」
ううーと呻きながら純也が向きを変える。
俺も足を変えて同じように内転筋に軽く体重をかける。
「あ、こっちはそうでもない。あんまり痛くないわ」
「お前、片方の足に体重かけすぎ」
「わかってるんだけどさー、軸足があるんだって」
純也は商店街の布団屋さんの息子で、貸し布団を車に積む時に、無意識にいつも同じ側で踏ん張る。
それで一度腰を痛めた。
392:2/2
10/08/06 10:44:10 X9naLqTp0
サッカーをやっていた純也には結構な痛手で、それで俺はスポーツ整体を仕事にするようになったのだ。
「マッサージもしてやろうか、ついでに」
「ええ? マジ? ラッキー、すまないねえ、彰司も疲れてるのに」
「ま、あとで身体で返してもらいますけど」
「お前が言うとエロいわね」
「マネしないでくれる?」
軽口を叩きながら、ラグに俯せにさせ、仕事の三割程度の軽さでマッサージをしていく。
肩、背中、腰。
引き締まった固い筋肉の中のコリを見つけ、ほぐす。
この仕事をするようになって、わざわざ理由付けする必要なく純也に触れられることに気が付いた。
無防備に俺の前に横たわる純也。
俺が純也を好きなように、純也も俺を特別な目で見てくれているといい、と思うことがある。
90%ない、とわかっているけども、時々、もしかして、と思うことはある。
うぬぼれ、あるいは妄想。たぶんそうだ。わかってる。
だから、こうやって純也に触れる男は俺一人。そう思うことで十分だ。
「おー、気持ちいいー。彰司、サイコー」
半分寝ているような声で、純也が囁く。
寝ろ。寝てしまえ。
「バカ、寝るなよ。シャワー浴びたら祭りの打ち上げ行くんだろうが。皆待ってんぞ」
心とは裏腹の言葉をかける。
いいよ、寝ちゃえよ。
そのまま朝までここにいろよ。そうしたら、俺はお前をひとりじめ出来るから。
「ん~…」
純也の息が穏やかになり、規則正しくなったのを見計らって、俺は立ち上がり、打ち上げに行けなくなった旨のメールを一本打つと、部屋の電気を消した。
393:風と木の名無しさん
10/08/06 14:58:17 AlcMcBoHO
>>392
独占欲なそこはかとないエロスが良かった。GJ。
がんばってくれてありがとう
394:風と木の名無しさん
10/08/06 19:27:45 ol6uLs+jO
おお好きなシチュエーションだ。
390も字書きさんぽいね
勘違い乙だけどよかったw
395:風と木の名無しさん
10/08/06 22:49:45 ddweRhqh0
えろいい感じだ。GJ!
396:風と木の名無しさん
10/08/08 04:31:44 5Ws0lEBxO
まわし
397:風と木の名無しさん
10/08/08 17:36:53 DGNenFGgO
犠牲になりましょう
398:風と木の名無しさん
10/08/08 18:37:06 X1STN933O
お先にお踏みなさい
399:風と木の名無しさん
10/08/08 18:37:49 b5+hhnzE0
友人だけど主従
400:風と木の名無しさん
10/08/08 22:06:04 rh98auuQ0
「お前なあ、もう少し危機感持てよ…」
「んー?なんで?」
「なんでって…今どんな状況だか分かってるのか?」
「分かってるよ~。信頼してた家臣の謀反にあって、お城の周りを取り囲まれてる、でしょ?」
「そうだよ!そう!分かってるなら、なんでそんなお気楽なんだよ!」
「お気楽ってひどいな~。俺はいつでも真剣だよ?」
「どこがだ!真剣な奴はこんな状況で一人ファッションショーなんてしないだろ!」
「え~、いいじゃない。ねえ、これとこれどっちが似合う?」
「知らん!というかお前それ俺の服じゃないかよ!」
「バレた~?王子様の服ってずっと着てみたかったんだよね~。ふふ、変な服~」
「うるさい!お前ほんとにどうしたんだよこんな時に…」
「こんな時だからでしょ~。ねえ、俺たち最初に会った時のこと覚えてる?」
「え?…ああ、まあ…。庭に忍び込んだお前が俺に話しかけてきたんだろ」
「そうそう、覚えてるんだね~!君は下らないことは覚えてないタイプだと思ってたよ!」
「く、下らないなんて思ってない!…お前が話しかけてくれて…俺は嬉しかったよ…」
「…俺も。…俺も、あの時話しかけて良かったと思ってる」
「なんだよいきなり…恥ずかしい奴だな」
「ううん、別に~。ねえ、ところでさ、このお城って地下に外に通じる逃げ道があるの知ってた?」
「え!?なんだよそれ!俺聞いたことないぞ!」
「うん、王様がねえ、秘密だぞって教えてくれたんだよね~。ほら、地図に○がつけてあるでしょ?」
「知らなかった…!そんな道があるなら早く逃げるぞ!他の者たちも連れて…」
「そうだね~。じゃあ俺が他の人たちを連れてくるから、先に行っててよ」
「え?でも皆で一緒に…」
「だめだよ~君、走るのすごく遅いじゃん!皆と一緒だったら置いてかれちゃうよ?」
「おいうるさいぞ!…まあ確かに俺は足が遅いが…」
「分かってるならほら、先に行って!あまり遅かったら俺も置いてっちゃうよ!」
「うう、くそ…。じゃあ先に行ってるからな!必ず追いつけよ!」
「うん、人の心配してないで頑張って走るんだよ~」
「ああもう危機感のない奴め!」
401:風と木の名無しさん
10/08/08 22:06:49 rh98auuQ0
どたどたと寝巻のまま駆けていく彼の後姿を見つめて、俺はふっと微笑む。
これが多分、彼を見る最後の姿。
君に伝えたい思いはいくつもあるけど、俺はそんなに器用じゃない。
ごめんね、君の悲しむ顔は絶対に見たくないんだ。
広場を見渡せる窓を開け放つと、眼下に広がるのは反旗を翻した無数の兵たち。
必死に平和を築いてきたこの城を、敵と見なして陥落させようとする民衆たち。
「お前たちの敵はここにいるぞ!」
思い切りそう叫ぶと「王子」の姿に気付いた者たちからいくつもの怒号が浴びせられる。
背格好の似ている俺は今、顔以外は近くから見ても完璧に王子に見えることだろう。
…あとどのくらいで奴らはここまでたどり着くだろう。
それまでにあの足の遅い王子…いや、俺の一番大事な友達は、どこまで逃げられるだろうか。
暖炉で赤々と燃える炭を一つ火ばさみで掴みながら、俺はぼんやりとそんなことを考えた。
402:風と木の名無しさん
10/08/08 23:17:28 SOTduqw+0
うまい!キャラもすごい好みだし禿げ萌えた!
前後の話も読みたい。GJでした。
403:風と木の名無しさん
10/08/09 01:01:24 wuCU+xRs0
友人いい奴すぎる…
続きが読みたくなるなぁGJ!!
404:風と木の名無しさん
10/08/09 06:16:53 amW/4WwyO
まとめにもたくさん来てる!
萌えを補給しすぎてプルプルになった
ごっつぁんです
405:風と木の名無しさん
10/08/09 23:23:13 ERKk1yJWO
顔以外は完璧ってことはやっぱり最後の行は伏線?なんだろうか…
力の限りGJです
まとめの方々も萌えました!GJ!
406:風と木の名無しさん
10/08/09 23:23:32 kOs4NDyh0
顔だけは似ていない…燃える炭…もしかしたら…
余韻残し過ぎる!すばらしい作品だ!GJ!
407:風と木の名無しさん
10/08/10 00:07:48 A9Hj0gC9O
炭で顔焼くんですねわかります
台本形式でなく普通のSS作品で読みたい
408:風と木の名無しさん
10/08/10 01:28:51 TolkToUVO
切ない……王子に思いを気取らせない気遣いに泣いた
従者としてじゃなく友人として王子を守ったんだな
409:風と木の名無しさん
10/08/10 01:31:24 cMZDFZBJ0
お兄ちゃんと兄貴の境界線
410:風と木の名無しさん
10/08/10 01:31:35 fM6Inj+K0
褒めてください、認めてください、俺を信頼してください。
411:風と木の名無しさん
10/08/10 04:06:49 fM6Inj+K0
ちいさい頃は、お兄ちゃんお兄ちゃんと自分の後ろをついてまわっていた年の離れた可愛い弟
女の子みたいにかわいくて、でもそんな可愛い可愛い最愛の弟に、自分でも気付かないうちに
兄弟以上の感情を持っていることに気付いてしまった兄
一緒にお風呂に入っているときにも、あらぬ場所へと目が行ってしまう
ああもうマジ可愛い。抱きしめてちゅーして舐めまわしてぇ…
そんな悶々とした思春期を過ごした兄は、高校進学を期に寮に入り弟から離れようとする
なんとか幼い弟に手を出す変質者の烙印を押されることなく、無事に高校卒業。大学も一人暮らし
無事に就職できたと思った矢先、会社は倒産。次の仕事も無く、家賃も払えなくなり実家に帰ることになってしまう
7年ぶりに再会する天使のように可愛いかった弟は今では高校生。
さぞかし美人に育っているだろうと思っていたのに、家に居たのは自分より背が伸び、声も低くなり無愛想ながら男らしく育った弟
昔はお兄ちゃん(はーと) なんて呼んでくれていたのに、生意気にも兄貴なんて呼びやがる
でも、こんなに可愛くなくなったならもう手を出す事も無いだろう
そう思っていたけれど、やっぱり弟は弟。
昔の癖がそのままだったり、何気ないしぐさが兄のツボだったり可愛くないのに可愛い。
再び悩みだす兄。そんなある日弟に押し倒され
「いつになったら、俺は兄貴にとって対等になれるんだよ…」
もう、お兄ちゃんなんて呼んでいた昔の子供じゃない
小さい頃から兄が好きだった
兄が居なくなって、ようやくそれがただの好きとは違う事に気付いた
兄が自分に向けていた、視線の意味が分かった
そんな感じの兄弟モノが好きです
弟×兄の下剋上と見せかけてヘタレ変態兄×男前弟だと萌えます
412:風と木の名無しさん
10/08/10 07:45:33 N1G1IxZg0
ウホっいい兄弟語り
11秒違いの誤爆で焦っただろうけど、GJGJ!
ラスト1行に大きく同意。萌えるよ
413:風と木の名無しさん
10/08/11 01:01:20 eDYcbyKI0
いい!これはいい!
今まで兄弟萌えはなかったけど、何か目覚めた感じがする
414:風と木の名無しさん
10/08/11 01:04:39 1I2i8o3B0
男前弟いいねいいねーGJ
415:風と木の名無しさん
10/08/11 14:01:05 uBdOMUuYO
これは萌えた
いい語り頂きました ありがとう
416:風と木の名無しさん
10/08/12 14:31:20 HIvUCi630
まわし
417:風と木の名無しさん
10/08/12 22:02:20 lFTm1Uv8O
まわーし
418:風と木の名無しさん
10/08/12 22:35:19 PNXEFa24O
ゆっくり踏んでいってね!
419:風と木の名無しさん
10/08/12 22:35:31 /Am7FpdJ0
似た者カップルと正反対カップル
420:風と木の名無しさん
10/08/13 23:19:28 2oBwSmSyO
お流れかな?
残念まわし
421:風と木の名無しさん
10/08/13 23:39:10 T3rfk2mqO
残念
まわし
422:風と木の名無しさん
10/08/14 00:22:18 AiM677GU0
まわし
423:風と木の名無しさん
10/08/14 01:10:32 uQ8Y+wqvO
残念だ
まわし
424:風と木の名無しさん
10/08/14 02:11:32 UTh4mQZB0
まーわし
425:風と木の名無しさん
10/08/14 02:55:42 ZN2SNEDCO
まわれまーわれ
426:風と木の名無しさん
10/08/14 03:48:29 vzOf7VoH0
めりごーらんまわし
427:風と木の名無しさん
10/08/14 04:20:40 qPcnurYMO
カモン踏み台
428:風と木の名無しさん
10/08/14 04:43:57 EalVc0yEO
はいっ踏み台ですっ
429:風と木の名無しさん
10/08/14 04:44:44 eu/ZO0/V0
くっついたりはなれたりくっついたりはなれたり
430:風と木の名無しさん
10/08/14 07:00:01 GqLEYayIO
お前が考えろ
はい次
431:風と木の名無しさん
10/08/14 17:01:19 utpGinweO
「もーやだ!絶対別れる!あんな馬鹿女しらねえ!」
「そっすかー」
「なんだよおまえ!先輩に対して冷たくね!?冷たくね!?」
「ンな事言われても、その喧嘩何回目っすか」
「忘れた!」
「彼女が他の男と遊びに行ったら別れて、三日もしたらよりもどして。
先輩が記念日忘れたら別れて、その日のうちに電話で仲直りして」
いい加減、別れてしまえばいいのに。
別れたって俺にチャンスなんか無いのは知っているけど…
「先輩らが別れる度に泣き付かれる俺は迷惑っす」
「う…それは悪いと思ってるけど…」
別れてしまえばいいのに
何度も飲み込んだ言葉
「もう別れたらいいのに」
不意に口をついてしまった言葉に、先輩が驚いたように目を見開く
一度口にしてしまえばとまらない
「そんなに些細な事で別れたいとか言いだすなんて、もともと二人合ってないんじゃないんすか?」
「そ、そんな事ないって!アイツ我儘だけど許される程度の我儘だし、喧嘩の原因は俺だってあるし」
顔真っ赤にして慌てて否定して
ああもう。本当に彼女が好きなんだよな、この人
「…解ってんじゃないっすか」
「は?」
「そんなに好きならさっさと謝って、いつもみたいに鬱陶しいくらいイチャイチャぶっこいてください」
ばたばたと彼女の元へと走っていく背中。
俺のものになることはない
「つぎはいつ別れてくれるんだろうな」
432:風と木の名無しさん
10/08/14 18:54:53 c1D4KZjL0
一途な後輩にめちゃくちゃ萌えた
切ないのがまた萌え。GJ!
433:風と木の名無しさん
10/08/14 19:07:03 GqLEYayIO
なんでわざわざ携帯から投稿?自演だってバレバレだよ?
ゴミ以下の内容だからスルー推奨
読んで貰っただけでも有り難く思いなよ
434:風と木の名無しさん
10/08/14 19:44:15 qngVhnJkO
お題から、喧嘩ップルが来るかと思ったら…
繰り返しの部分を彼女と後輩に振り分けたんだね
巧いなぁ。GJでした!
435:風と木の名無しさん
10/08/14 20:02:47 UBzlNTZ+0
>>433
お前は存在自体がゴミ以下だな有難く思え?ゴミクズがなにいってんの
お前が前に投下したねたクソつまんなかったよローカルでブフブフしてろよ
いいからしね今すぐしねお前がしんで板から消えたら喜んであげる構ってやったんだから喜べよ
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしね しねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねし
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねし ねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしね
436:風と木の名無しさん
10/08/14 20:50:42 IbdRb9UCO
切ない!GJでした!
後輩が幸せになることを願う!
437:風と木の名無しさん
10/08/14 23:41:49 ErhmsbTAO
BLだと女性を出されるのが苦手な人もいるのかもしれないけど
これは先輩の恋人が女なのがいい
お題処理もGJ
438:風と木の名無しさん
10/08/14 23:56:51 56wU9rTd0
後輩の健気さにやられた
かなわぬ恋とわかってる風なのがいっそう切ないなあ
切ない萌えをありがとう、GJ
ではではどうぞお踏みなすって
439:風と木の名無しさん
10/08/15 00:01:22 p1SiWrJoO
ぴしゃりと叱りつけた
440:風と木の名無しさん
10/08/15 23:38:42 2lL9yuk00
例えば自分が機械であり彼とは違う次元違う存在のインプットにアウトプットを返すのみの存在であったなら。
そう思うことが何度もある。事実今目の前にある画面はそのためのものでありそれ以外の役目は自分に求められないものだというのにそれすら忘れ、そう思うことが本当に何度も何度も。
どうしてだろう、と思う。とてもとても、どうしてだろう、どうしてこんなことになったのだろう、と、何度も、何度も。
そう考えながらいつも思わず見つめ続けるのは目の前の特に高かったわけでもない―というよりはそれ以前にこれは支給されたものだ―1920x1200、22インチディスプレイなのだった。
「ねーねー、『センセ』? どうしたの」
そのディスプレイから聞こえる声に、は、と覚醒する。眉を寄せた様子の馴染みの顔がディスプレイから覗いていた。さあ―『仕事』の時間である。
「…ああ、何でもないよ、寧」
そう答えて微笑む。ほんと? と笑ったのは、二年前からの『常連』、崎本寧である。
微笑む、といってもこれはポーズのようなものだ。電話の向こうに体ごと思わず礼をするようなもの。まあ一応は、あちらに反映されもするのだが―ディスプレイに映し出された、マスコットの映像、というかたちで。
向かいにいるのがヒトでないものの効果がどうの統計が云々ロボットセラピーが、という名目で作られた子供だまし。対話システムを搭載したAIがあなたに適切アドバイス。
優秀なAI故にまるで人間を相手にするかのような対話が可能な相談窓口ですお気軽にご相談をご相談を―そんなシロモノがこれだ。実態は簡単、俺みたいな『対象青少年』の、それらに利害を受けない『少しだけ周り』の地域にいるやつが、
まるでAIみたいなふりをしてマニュアル本片手に『ニンゲンを模したAIシステムならでは』の対応、とまあそんなものだ。よくある映画みたいなもんだ。
給料だって程々に良いし、なんだかんだいってああ自分もそうだったなあという年頃の少年に相談を受けるのは新鮮で、俺はまあルーティンワークのようにこの仕事を続けて―
いた、わけなのだが。
441:風と木の名無しさん
10/08/15 23:40:10 2lL9yuk00
「ふうん。別にいいんだけどさ、『センセ』ってAIらしくないよね。それで人間らしくしてるつもりなのかなあ」
「そういうことは言わないでほしいな、寧」
「まあ、いいけどね。ねえ、『センセ』、今日はさあ―」
ディスプレイの向こうからまだ子どもの気配を残す声が響く。時に淡々と時にあちこちぶれながら、その報告は続いた。
まず今日一日の報告をするのがこの子のくせだ。それを聞く。この手の子どもはよくいるけれど、決してそれを疎かに聞いてはならない。
レコーダを使ってでも記録し応対する。自分は少なくともこの相手には話を聞いてもらえるということを認識させるために。
たとえ『機械』相手といえど、その安心を得ることは非常に重要だ。
うん、うん、と相槌を打つ。それから何言か言葉を交わす。どうも部活が忙しいらしく、少し眠たげに話す声は次第に小さくなり、やがて途切れた。
「眠いみたいだね。さあ、もう部屋にお戻り」
「うん―ねえ『センセ』」
促した会話の終わり、そう呼びかけられて、またか、と俺は思う。
「なんだい?」
マニュアル通りに聞き返す。避けてはならない。静かに聴かねばならない。
「好きだよ。どんな人より大好きだ」
「………意味が分からないね」
やっぱりか。
このやり取りも何度目だろうか―出そうになる溜息を押さえ、いつもどおりの一言を言えば、
ちえっ、つれないなあ、と寧が苦笑した。当たり前である。たとえ俺が素直に返事を返すとしてもそうだろう。
そして笑いを収めた寧は、ディスプレイにそっと触れる。こちらに手を伸ばし、しかし触れることはない。
「AIだもんな、『センセ』。分かんないよな」
でもさ、とぽつんと言葉が落ちる。
「好きだよ」
ほんとうに、大好きだよ。
442:風と木の名無しさん
10/08/15 23:41:02 2lL9yuk00
「センセ。センセが―」
にんげんだったら。にんげんの、女の子でなくてもいいんだ。にんげんだったら。
前にそういった一言をこらえたか、彼はそれ以上言葉を続けない。
ただ、ごめんなさい、としばらく経って、そんな言葉を落としただけだった。
どうしてこんなことになったのだろう。そう思う。一年前、奴がひどく悲しそうにしているときに距離を取り違えたのか。
それとも半年前、それとも―。
これは俺のミスだ。画面の向こうの『AI』に不毛な恋をさせてしまっている。気を迷わせている。
けれど―けれど、これを上に報告するのは。報告するのは。引継ぎだって簡単だ、けれど、けれど―。
「ねえセンセ。好きっていって。嘘でもいいんだ。ただレスポンスを返すだけだよ。ねえ、僕を好きっていって―」
例えば自分が機械であり彼とは違う次元違う存在のインプットにアウトプットを返すのみの存在であったなら。
そう思うことが何度もある。事実今目の前にある画面はそのためのものでありそれ以外の役目は自分に求められないものだというのにそれすら忘れ、そう思うことが本当に何度も何度も。
どうしてだろう、と思う。とてもとても、どうしてだろう、どうしてこんなことになったのだろう、と、何度も、何度も。
そう考えながらいつも思わず見つめ続けるのは無機質な目の前の―支給されたディスプレイで。
だからその時、俺は静かに目を瞑る。目を瞑って、自分は機械であり彼とは違う次元違う存在のインプットにアウトプットを返すのみの存在で、プログラミングされた通りの返答を正確に返す、それだけ、それだけなのだと―嘘でもいいから。嘘でもいいから。
そして目を開け静かに息を吸って、叱りつけるのだ。精一杯冷たく―そう、いうならばぴしゃりと。ぴしゃりと叱りつけるのだ。彼と、ひいては彼に向かいあう、ここの、ここにいる、この―。
そうしてだから俺は今日も、ディスプレイを睨みつける。睨みつけて、ただただ静かに息を吐き―
「馬鹿なことを言うんじゃない」
その一言だけでもって、彼をぴしゃりと叱りつけて。
ディスプレイに伸びる、触れる自分の手のことは、努めて静かに無視をした。
443:風と木の名無しさん
10/08/15 23:47:18 deRk8SCs0
うわーうわーGJです! めちゃくちゃ切な萌えた!
最後の一文がたまらん、上手すぎる
444:風と木の名無しさん
10/08/16 01:58:27 XdOO+kZqO
上手いなー…!
凄く面白かったし萌えた!!
とってもGJ!
445:風と木の名無しさん
10/08/16 09:05:00 PFVelJFZO
センセ(笑)
日本語でおkな文章ばっかw
446:風と木の名無しさん
10/08/16 11:30:59 Y4eEZ0t60
設定も面白いしセンセの気持ちも切なくて萌えた
寧の方の考えてることも気になるなあ
GJでした
447:風と木の名無しさん
10/08/16 14:24:53 rCmcMT6a0
設定が面白い。GJ
448:風と木の名無しさん
10/08/16 15:58:24 40u9ikZMO
ちょっと踏んでくれないかな?
449:風と木の名無しさん
10/08/16 16:13:42 MSrqY+FMO
田んぼにダイブ
450:風と木の名無しさん
10/08/16 21:26:04 QCINIT9/O
「おめーそういや、ここに髭さ生えてんのな」
「おー? まあなあ」
夏休みの宿題を二人で片し、駄菓子屋へ向かう道、照り返る陽光にほわほわと揺れる髭が目立った。
明は自分の未だ生えない鼻の下を撫でて、それから佳樹の髭を触る。
「なんだあ、こすぐってぇ」
「俺にゃまだ生えてねえど」
「そのうち生えっぺ。おめげの顔はガキくせえからな。まだなんだろ『せーちょーき』が」
明はムッとした。
顔つきは確かに佳樹のほうが大人びているし、最近とみにゴツくなったが、それでもまだ明のほうが身長が高いのだ。
「どん口でそれを言うだ」
「こん口だ」
にししと笑う佳樹の顔が許せなくて、そのまま髭を一本抜いた。
「っいっで!!!何すっだか!!!」
「ざまあ見さらせっ。舐めた口きくからこうなんだ。ガキの癖して」
「へん!んじゃおめーのが大人だっつうんか」
「そうだぁ」
「んじゃあおめ、キスしたことあんだか」
「あぁ!?」
「ほれ見ろ、ねえんだべ!俺なあこないだ従姉妹の姉ちゃんとしちったんだ~」
「ぐぬぬ……」
まさか佳樹に先を越されるとは、と思っても口には出さず、負けず嫌いの口を出した。
「俺だってある!」
「……うっそだー」
「マジだ!おめーがしたのは普通のキスだべ?俺なんかベロチューしたし!」
「誰と?」
「え……あの、……姉ちゃんの友達と」
「証拠あんのかあ?」
「んなもんおめげにもねーべ」
451:風と木の名無しさん
10/08/16 21:30:48 QCINIT9/O
「俺はあっと。なんたって手順を一からレクチャーされたけぇ」
「んなら俺んが上だあ!だってベロチューの仕方分かるしな」
「んじゃあ証明しろ」
「……どうやって」
「俺ん口で」
「……はァ!?」
「んだって他に証明しよーもねーべ」
いささか短絡すぎないか。
「ほんじゃ俺からな」
「えっおま、」
チュー……。
佳樹の唇がタコのように吸い付いた。
我に帰って慌てて身体を離す。
「馬鹿!せめて場所考えれ!往来だど!」
「あ~そういやそうか。ま、ともかく俺は証明してやったど。明はどうなんだ?」
「だから場所が……」
「あー逃げる気だー」
「るっさい出来るわ俺のがもっとすっげえの!!」
売り言葉に買い言葉で、明は佳樹の肩を掴んだ。
しかしこれからどうしよう。
実際の所、夢の中では実践経験豊富だが、キス自体が明にとって先ほどのがハジメテだった。
だが不思議とショックとかは無い。
「何固まってんだあ。ビビってんのか?」
「るっさい。ムードを作ってんじゃムードを」
もうこのさい後には引けない。
明は夢でアイドルや同級生の女子としたのと同じ手順、つまり相手の目を見つめながらそっと近づく。
「佳樹……」
そっと名前を呼ぶ。
佳樹がぱちくりと目を見開いた。面白い。
髭が触れ、唇が重なった。
452:風と木の名無しさん
10/08/16 21:32:25 QCINIT9/O
半開きの中に舌を差し込むと、大口を叩いていた佳樹の身体が跳ね上がる。
口腔をまさぐると「ん……ふぅ、む!む!」というくぐもった声と共に胸を叩かれる。
右のほうをまさぐると余計叩かれる。抵抗されているようだ。
……だがもう少し。
…………もう少し……。
「……いい加減にしれー!」
完全に雰囲気に酔った所で、佳樹が無理矢理顔を離し、叫んだ。
「お、おう。……どうだ?これで分かったべ……」
慌てて取り繕うが、佳樹の顔を見るなりまずくなった。
「……ああ……まあ、確かに明のが、すげえよ」
顔を赤くしたままの佳樹の潤んだ瞳、腫れた唇、照れたような仕草に明はやばくなった。
主に股間がやばい。
佳樹が何か言っている。
「どうした明?駄菓子屋行くんだべ?腕離せ」
「お、おお」
「……ん?なんだろ、おめえポケットになんか入れてんのか?何かかてえのが……」
「!!」
明は察した。……そのかたいのは、すなわち僕のボッキちんこと言う物体です。
いぶかしんだ佳樹が下を見る前に!
他に逃げ場はないと分かった明は意を決し、ダッシュして田んぼにダイブした。
この友情にヒビが入ってはならない。
「アイキャンフラァーイっ!!!」
ドボンっ。
「あ、明ァ~~!!?」
ああ、青春の一ページ。
453:風と木の名無しさん
10/08/16 22:13:01 W0DrLxdUO
吹いたw
グッジョブw
454:風と木の名無しさん
10/08/17 00:52:49 wICdJJEbO
アイキャンフライってのどっかで聞いた覚えがある
455:風と木の名無しさん
10/08/17 11:22:49 Limj64uUO
ピンポンだね。方言可愛いGJ!!
456:風と木の名無しさん
10/08/17 21:58:27 n9zxGO6Z0
すごい可愛かったGJGJ!!
>>454
自分はJAMのSKILLを思い出した。
MottoMottoー!!
457:風と木の名無しさん
10/08/17 22:05:37 bk9FPiULO
田舎ののどかな田んぼ道が浮かんだ
夏らしい甘酸っぱい青春も方言も可愛い
GJでした
458:風と木の名無しさん
10/08/17 22:09:15 d8cDztvfO
踏んでくかい?
459:風と木の名無しさん
10/08/17 22:18:53 qU/DjMDyO
電車の吊革同時タッチ
460:風と木の名無しさん
10/08/19 00:39:32 ssh1ozhaO
残念まわし
461:風と木の名無しさん
10/08/19 08:10:02 dMdVQVSvO
まわし
462:風と木の名無しさん
10/08/19 11:21:31 nFnIAtACO
まわし~
463:風と木の名無しさん
10/08/19 12:24:48 h6L7OsSrO
マワシ
464:風と木の名無しさん
10/08/19 14:30:19 CTFMFTSJ0
お相撲さんが着けているものは?
465:風と木の名無しさん
10/08/19 14:34:54 lEpdiOL5O
まわしでごわす
466:風と木の名無しさん
10/08/19 18:23:13 FTXd8JKuO
まわしー
467:風と木の名無しさん
10/08/19 20:18:24 E3nnyODh0
>>464>>465
不覚にも萌えたまわし
468:風と木の名無しさん
10/08/19 20:43:54 XleTLdd2O
俺にかまわず踏んでくれ
469:風と木の名無しさん
10/08/19 20:45:28 Cn2ocIES0
あくびの出そうな朝
470:風と木の名無しさん
10/08/19 22:01:06 E3nnyODh0
部活の合宿ともなると、みんなで深夜まで馬鹿騒ぎして、
翌日眠気を引きずりながら朝を迎えるのはよくあることだ。
木田も例によって仲のいい友達の部屋に押し掛け、こっそり
持ちこんだおやつを肴に深夜までカードゲームや雑談に興じていた。
いつの間に寝ていたのだろう、ハッと目が覚めると友達の
部屋で椅子に座ったままの体勢で寝ていた。あたりに散らばった
トランプや菓子の袋を見て「しまった!」と頭が真っ白になった。
朝になれば起こしに来る先輩や顧問に見つかったら大目玉を
食らうのは目に見えていた。罰としてトレーニングメニューを
増やされたらたまらない。周りの友達を起こそうにもぐっすり
眠っていて起こしたらいけない気がして、木田はこっそり自分の
部屋に戻り、持参した大きなゴミ袋を持ってきた。
あらかた片付いた部屋を見まわす。
他の部屋に割り当てられた友達は薄情にも木田を置いて元の
部屋に戻ったようだった。トランプも菓子のゴミも片付いている。
あとは自分が戻ればいいだけだ。同室の奴は先ほど部屋に戻った
時に確認したらぐっすり夢の中だった。誰にもバレずに済みそうだ。
窓の外は薄明るい。太陽が昇り始めたころだろうか。
ほっと一息吐いて、音をたてないようにドアを開けた。
「木田?」
廊下に出た途端に後ろから名前を呼ばれ、びく、と小さく跳ねる。
「……部長」
「なにしてんの?」
471:風と木の名無しさん
10/08/19 22:07:46 E3nnyODh0
振り向いた先には部長が、怪訝な顔をして立っていた。
咄嗟に手元のゴミ袋を隠そうとしたがすでに部長の視界に入っていた。
―終わった。
部長は真面目を絵に描いたような人で、数分の遅刻も嫌う人だ。
合宿におやつを持ってくるなどと言う規則違反ともなればどうなるか
わかったものではない。木田は怒られるのを覚悟した。
「あー、その、ちゃんと片付けたのか、部屋」
うつむいた木田は、へ、と気の抜けた声を出して顔を上げた。
「あっ……は、はい」
「じゃあそれ、今の内食堂のデカイゴミ箱の奥深くに突っ込んどけ。お疲れ様」
大していさめることもなく軽い調子で言い放ち、木田の肩を
軽く叩いて、そのまま歩き出した。
「あの部長」
「なに、早く行かないとみんな起きてくるぞ」
「……ありがとうございます!」
音を立てないように食堂に走りだす木田を見送る。
本当は木田がゴミ袋をとりに行った段階で気付いてはいた。
しかし、部屋に戻って知らないふりをすればいいところを律儀に
片付けようとする様子がどこかかわいらしく、かつ面白かったために
なんとなく声をかけずにいたのだ。
―木田って面白い奴だったんだな。木田の背中を見ながら表情を
緩ませた。
あくびを抑えながら部長は部屋に戻って行った。
これからはちょっと絡んだりしてみようとふと思い、残り30分ほどの
眠りの世界に落ちていった。
472:風と木の名無しさん
10/08/20 18:21:38 S37SoOtZO
用意周到な木田いい子だよ木田。GJ!
473:風と木の名無しさん
10/08/20 18:26:17 yIEVjIt80
文章が読みやすくて好みでした
朝のゆるい感じが良かったです
474:風と木の名無しさん
10/08/21 16:23:07 i1kk80aU0
まわすね
475:風と木の名無しさん
10/08/21 19:59:34 R5bfKmSW0
まわしー
476:風と木の名無しさん
10/08/21 21:34:20 oQ1JXw1oO
まわしまわし
477:風と木の名無しさん
10/08/22 06:13:25 nKDO2aV2O
踏み台希望者の方~?
478:風と木の名無しさん
10/08/22 07:42:27 Qe69gXGzO
踏まれるために生まれてきました
479:風と木の名無しさん
10/08/22 07:43:40 5Rkywkoy0
元カレの葬式で元カレの今カレと初対面
480:風と木の名無しさん
10/08/23 09:07:06 cmwTEG8gO
残念まわし
481:風と木の名無しさん
10/08/23 10:41:52 y34NnJvY0
まわしますね
482:風と木の名無しさん
10/08/23 10:57:04 /mWH4JzT0
別館期待まわし
483:風と木の名無しさん
10/08/23 11:55:08 RXEcgflB0
お流れが多いねえ
484:風と木の名無しさん
10/08/23 11:56:53 5tIvzQ550
何故か478×477に萌えたよまわし
485:風と木の名無しさん
10/08/23 23:21:31 SztZgjwtO
まわすよ~
486:風と木の名無しさん
10/08/24 00:10:48 jBEYyB34O
ま
わ
し
487:風と木の名無しさん
10/08/24 01:12:48 F2aPLJSv0
まわし
488:風と木の名無しさん
10/08/24 01:13:39 Dz85n8560
踏み台
489:風と木の名無しさん
10/08/24 01:17:17 +kZaFexA0
メタ
490:風と木の名無しさん
10/08/24 21:58:49 a/YSAJ4W0
「僕らは、なんてちっぽけな存在なんだろうね」
「達観してんじゃねーか。いきなり。暗い顔してどうした?変なモンでも食ったか?」
「ノリがいいのは君の長所だけれど、こればかりは冗談にして笑えない」
「そんなこと聞いてみないとわかんねーだろー。なんだよ、話してみろよ」
「ん…何て説明したらいいか……」
「ざっくりで頼むな。俺バカだからあんま難しいこと言われても困るし」
「いま、僕らのしている会話はシナリオなんだ」
「すまん。あんまりザックリすぎても、それはそれでわかんねぇ」
「ルールが決まっているんだ。僕と君は、予め決められた目的の為だけに存在し、会話をしている」
「意味わかんねーんだけど……えーと。お前、どっかの変な電波でも受信したのか」
「義務なんだ。僕が君に話しかけるのも、君が僕に応えるのも」
「はぁ?」
「単純なこと。僕も君も、用意された登場人物で、目的を成立させる為に此処に居る」
「にしては、俺にはそんな実感これっぽっちもねーぞ」
「たしかにそうだね。それは僕も同じだ。だからこそ、僕らはちっぽけな存在で」
「てか、難しすぎて俺にはサッパリ……ま、でもよかったじゃん」
「よかったって……なにが」
「みーんな最初から決まってるんだろ?お前の話だと、俺がいるのもお前がいるのも、喋るのもぜーんぶ」
「のんきに言うんだね、随分と」
「ただ単に俺がバカなだけだ。お前もそんなめんどくせーことで悩むなって」
「め、面倒くさい事って……」
「だからさ、最初から決まってるお前の話し相手が俺でよかったじゃんって、俺は言ってんの」
「けっこう……君って、無意味に自信家だよね……」
「なんだとー!?なんだよそのため息!」
「ノリに他人を巻き込めるのも君の長所だ。……うん、そうだね。君で良かった」
「? なんかわかんねーけど、やっと笑ったな。お前には笑顔の方が似合うぞ」
491:風と木の名無しさん
10/08/24 23:05:53 1WevzdnZO
いろんな解釈ができるお題なのでどうなるかと思ったけど萌えました
包容力キャラいいよー
お相手と出会った以上は幸せになってくれ
GJでした
492:風と木の名無しさん
10/08/25 01:07:03 dehKKxEkO
たっかんしてるキャラと
てんねん呑気
おもしろす
つかお題の活かし方が独特ね
493:風と木の名無しさん
10/08/25 01:45:43 mmbmArb50
たしかにメタだw
てか最初お題見たとき、難しそうなのが来たなーって思ったから
よくこういうの考えつくなあと素直に感心した。
みんなこれ読んで色んな感想持つんだろうけど、自分は
すこし切ない感じがしたなあ。何か胸がきゅってなった。
ごまかしというか仮初め?架空?の幸せ、って雰囲気に切な萌えが止まらないよ。
いいメタフィクションをありがとうGJ!
494:風と木の名無しさん
10/08/25 18:12:15 SKF0t+G20
なんか最近ながれが多かったけど、やっと!
がんばって書いてくれている人に感謝。お題が
レベル高かったけど、うまくまとまっていて、
にやけてしまうぐらいのできだった。
ふたりとも幸せになって欲しいと切に願う
いつもはあまり感想とか書かないけど、この作品は、
たのしかったです、GJ!
495:風と木の名無しさん
10/08/25 23:35:18 88Exe8ed0
感想の長さに違和感を覚えて、やっと気づいたw
どうやったら、こんなの思いつくんだ。
うなってしまうレベルでした。
しあわせな結末を迎えられると思います、彼らなら。
たのしめました。GJ!
496:風と木の名無しさん
10/08/25 23:46:00 rd5LJcxX0
これは純粋に面白いな。乙です
>>492-494もうめえw
497:風と木の名無しさん
10/08/26 01:02:24 CKd+Nc3j0
最初に思いついて書いた*0は言わずもがな
それに気づいた上で感想にも仕込む人達に軽く感動した
*8どうぞ
498:風と木の名無しさん
10/08/26 01:33:38 rwJd8I9gO
踏めばいーよ
499:風と木の名無しさん
10/08/26 01:34:12 9lRYt7bS0
女の子が大好きです
500:1/2
10/08/26 19:00:42 1C3o90id0
「決めた、俺やっぱ彼女作るわ」
騒がしい昼休みの食堂。向かいに座る林に井上はそう宣言した。
「なにを言ってるんですか井上さん…既に僕と付き合ってるくせに」
後半は小声でそう続ける林の落ちついた態度が井上には余計にしゃくに障った。
―俺が折角衝撃の告白してるんだから、少しは驚けよ
そういう態度だから俺も女の子と付き合いたくなるんだよ
「うるさい。それは何かの間違いだ、そもそも俺別に男好きなわけじゃないし」
「僕も男好きじゃないですよ井上さんだから好きです」
「あ…今はそういう話はしてないだろ」
「はいはい」
「ほら、純情可憐な女の子と付き合う方が絶対楽しいし」
「僕は井上さんと付き合うまでに何人か女性とお付き合いしましたけど
素直とか純情な女の子なんて都市伝説でしたよ。井上さんの方がよっぽど可愛い」
お前はどさくさにまぎれて何を言ってるんだ。
「じゃなくて!俺は男の固い胸よりも、揉みがいのあるぷるるんと大きな胸が好きだ!女の子が大好きです!」
「はいはい、井上さんの髪も柔らかくてさわさわで撫でがいがありますよ」
「だからー!はぐらかすなよ」
「はいはい」
501:2/2
10/08/26 19:01:27 1C3o90id0
「お前と会うまでは普通に女の子と付き合ってたし」
「あー半年周期でふられてましたよね」
「そうそう…なんでお前知ってんの?」
「見てましたから」
「ストーカー!?」
「違います。ほら俺達高校も同じだったんですよ」
「知ってる。お前が高校入学した時から知ってた」
「ストーカーですか?」
「ちげぇよ、にこやかに聞くな。ただちょっと男にしては美人な奴だなーって見てて。
まさか中身がこんな奴だとは当時思いもしなかったけど」
「有難うございます」
「ほめてない。それで当時付き合ってた彼女に浮気疑われて、ふられて…」
「なるほど、それを高校卒業まで繰り返していたわけですね」
「そうそう、俺が女の子と付き合えないのは全部お前のせいなんだよ」
「じゃあいいじゃないですか、俺達は出逢って惹かれあうのが運命だったんですよ」
「えっ…そうなのか?」
「そうですよ。だって井上さんも、僕のこと好きでしょ?」
「す、好きだけど…」
「じゃあいいじゃないですか。これからもよろしくお願いします」
「あ、うん」
「ああ、井上さん…そろそろデザート取りに行ったらどうですか?無くなっちゃいますよ」
「そうだった…俺バナナ味にするけど、お前イチゴでいい?」
「はい、お願いします」
林の返事を聴くと、井上はそそくさと席を立ってカウンターへと駆け出していく。
その後ろ姿を見送りながら林は呟いた。
「…そもそもこんなこと人がいっぱいいるところで語りだしたらそりゃ彼女もできないよね」
林が後ろを見渡すと、2人が座っていたテーブルを遠巻きに見守っていた女子の集団が慌てて目を反らした。
こそこそと何を話しているのかは聞き耳を立てなくてもわかる。
「井上さん、ほら言ったでしょ。純情な女の子なんて都市伝説ですよって」
502:風と木の名無しさん
10/08/26 23:33:36 U6PpR+KlO
最後ww公衆の面前www
ツンデレ先輩と全部お見通しな後輩いいな!GJ!
503:風と木の名無しさん
10/08/27 10:08:02 ABOj8Raz0
林は本当に井上の事好きだなw
504:風と木の名無しさん
10/08/27 14:13:15 i82brEyPO
もう終始ニヤニヤしっぱなしだったw
ラブラブだなぁ二人とも
505:風と木の名無しさん
10/08/27 14:43:10 9LFOqsA+0
周りの女子の反応がいいねw
GJ
506:風と木の名無しさん
10/08/27 14:47:54 Ukh9GgVwO
締め方がいいなぁ。GJ!
507:風と木の名無しさん
10/08/27 21:48:08 HqhNj49pO
イチャイチャって表現が似合う二人だなwGJ!
508:風と木の名無しさん
10/08/27 23:31:17 e6Vyul7lO
じゃあいってみる?
509:風と木の名無しさん
10/08/27 23:33:10 6XrM78wlO
一夜だけ
510:風と木の名無しさん
10/08/27 23:33:42 /Fxmn8q70
ワールドカップで日本が優勝したら
511:風と木の名無しさん
10/08/29 07:38:27 N3rMDyooO
お流れ
512:風と木の名無しさん
10/08/29 10:29:55 4PWxSY8+O
まわし~
513:風と木の名無しさん
10/08/29 10:32:30 WevtTmh70
まとめには来てたけどねえ
踏み逃げはいかんな
514:風と木の名無しさん
10/08/29 10:57:59 Vr29hSX3O
*9を取る人は自分が書くことになる覚悟で踏めばいいのにまわし
515:風と木の名無しさん
10/08/29 13:58:14 qJmLLiOxO
まわし
516:風と木の名無しさん
10/08/29 15:04:13 9fivS2ju0
踏み逃げ駄目!絶対!まわし
517:風と木の名無しさん
10/08/29 20:57:26 nnm4jdIVO
次に期待まわし
518:風と木の名無しさん
10/08/29 21:18:01 k+Xb7JiU0
遠慮なく踏むが良い
519:風と木の名無しさん
10/08/29 21:19:35 +E2b/kkOO
強くて冷静な配下×最強の武将
520:1
10/08/30 02:49:14 IIzH5klZO
たぎったので、語ります。
・最強さんは、あまり身分の高い生まれではなく、給料が良いとかの理由で兵士に志願。
独学と経験で、着実に地位を上げてきた。
・一方で冷静配下は、家が代々指導者とか、指揮官を生み出してきた家系に生まれ、幼い頃から英才教育を受けてきた。
そして、親のコネで、あまり危険がない部署に配属され、そこそこ良さげな地位に納まる。
・ある日、ほとんど顔を合わせた事のない二人が、偶然戦場で共闘する事になった。
互いに異なる戦略と部下に対する考え方に、その時は二人とも、馬が合わないと思い苦手意識が生まれたのだが、なんの縁か、度々共闘作業が増え、二人も徐々に、互いの事を認め始めていた。
・そんなある日、冷静配下が、自分の部下の裏切りによりピンチを迎える。
絶望的な状況の中、最強さんが無謀を承知で彼を助けに現れた。
何故彼がと思いながらも、冷静配下は最強さんが自分を助けに来てくれた嬉しさと安堵から、みごとに戦況をひっくり返した。
・その鮮やかな手並みに、最強さんも驚きと興奮、そして尊敬の念を隠せないでいた。
だが、冷静配下さんに刺客の手が伸びている事に気付いた彼は、体の一部を失いながらも、冷静配下さんを守る事に成功した。
521:2
10/08/30 03:17:24 IIzH5klZO
続き
・一方、最強さんが、自分を庇って体を欠損させた事に責任を感じた冷静配下は、彼の部隊に異動し、甲斐甲斐しく世話をするようになった。
・最強さんは、戸惑いつつも、冷静配下の心を汲んで、照れくさいながらも彼の好きなようにさせていた。
そして最強さんは、冷静配下さんの足を引っ張る事の無いよう、更に武術を磨き、本当に一部を欠損しているのか、と周囲を唸らせるような力の持ち主になった。
・冷静さんは冷静さんで、彼がその力を存分に発揮出来るよう、広い視野と明晰な頭脳を駆使し、徹底的に彼のサポートに回った。
勿論、冷静配下も最強さんの足手まといは嫌なので、部下に内緒で、最強さんに特訓して貰っていたりする。
・いつしか二人は、その国で知らぬ者は居ないと言うほどの存在になった。
子供は二人に憧れて、彼らのようになる事を夢見、大人は兵士を志願するものがあとをたたなかった。
みたいな華々しい活躍の裏で、みんなに慕われる最強さんにイライラする配下さんや、妙に女性にモテる配下さんにハラハラしたりする二人を観察したい。
522:風と木の名無しさん
10/08/30 05:32:58 4zHzN201O
こういう形式のやつもあるんだ~と新鮮だった
GJ
523:風と木の名無しさん
10/08/30 19:36:18 3hr6A9kAO
>>520>>521
発想が新鮮でたぎった!!
この小説どこに売ってるんですか?ww
GJでした。
524:風と木の名無しさん
10/08/31 00:44:07 ictaNYjCO
死ぬほど萌えた……!!
とりあえずいつ発売ですか?
525:風と木の名無しさん
10/08/31 17:25:51 sP42pYT/0
ナイス萌え語り!GJ!
最後の1行にもまるっと同意。観察したいよね。
526:風と木の名無しさん
10/09/01 09:42:16 t+PMOTMqO
こういう二人がストライクど真ん中です。
萌え燃えGJ!
527:風と木の名無しさん
10/09/01 14:35:49 ONswECtRO
そろそろいってみる?
528:風と木の名無しさん
10/09/01 14:45:05 2NAu5uDI0
俺お前になら踏まれてもいーよ
529:風と木の名無しさん
10/09/01 15:22:40 VNrzdGLuO
夏休みの宿題が終わらない
530:1/2
10/09/02 00:01:35 t+PMOTMqO
「よっしゃあ英語終わった!」
「見せて―よし、ちゃんと所々間違えてる。じゃあ次は数学だね、はい」
「えー!? ちょっとは休みたいんですけどー」
「え? どこぞの馬鹿の読書感想文をゼロから書かされてる僕の目の前で、
単純な書き写し作業しかやってない君がどうしたいって?」
「や、何でもないっすスミマセン……」
「全く、どうしてここまで溜め込めたんだよ。
最初から期限に間に合わせる気がなかったとしか思えない」
「いや、そんなつもりはゃなかったよ?
ただ、お前と海行ったり花火やったりしてたら楽しすぎて忘れてたっていうか」
「なっ―人を言い訳に使うなよ。それを言うなら僕だって条件は一緒だ」
「ですよねー……けど手伝ってもらえてホント有難いわ。マジ感謝、マジ愛してる」
「気持ち悪いこと言うな馬鹿、僕は君なんか―はぁ」
「ん? どした? 疲れたなら休めよ?」
「いや……本当は、僕もまだ一つ、終わってない宿題があるんだ」
「え、ウソ!? マジで? なんで?」
「夏休みの前に、休み中に絶対やらなきゃって決めてた。やる機会もいっぱいあった。
けど、どうしても手を出せないまま、ズルズル時間が経って……
今は正直、もうできな
531:2/2
10/09/02 00:05:07 SzU59/NtO
「―お前、それはズルいぞ」
「!?」
「俺がこんなに―まあほとんどお前に頼ってるけど―必死になってる目の前で、
お前は無理でしたできませんって逃げるって言うのかよ?」
「それは……」
「そりゃ俺だってぶっちゃけ今も挫けそうだよ。
けど、お前が頑張れって言って、お前も頑張ってくれてるから頑張ってんだよ。
だから俺もお前を応援する、つーかもう読書感想文もちゃんと自分で書くから、
お前はお前のやらなきゃいけないことを諦めずにやってみろよ!」
「……そうだね、君にそこまで言われたら、頑張らないわけにはいかないな。ありがとう
―よし、やる気も出てきたことだし、後1時間で残り全部終わらせよう」
「はぁ!? いくらなんでも無理だろそれ」
「話さなきゃいけないことがあるんだ、このままのペースでやってたら君寝ちゃうだろ」
「いやそうかもしれないけどさ、それよりお前は自分の宿題やれよ。
つーかお前が終わらせてない宿題なんかあったっけ……?」
「それも含めて話すから。ほらペース上げてくよ、手動かして」
532:1
10/09/02 00:11:54 zDAZPzsnQ
「やべえ、提出出来ねー」
「は?宿題は僕が教えてあげたでしょ。何が残ってるの」
「一行日記」
「…はあ?書くネタならあるだろ」
「んなあからさまに見下した目すんな」
「夏祭りも植物観察も図書館も海も、そう不足しなかった筈だけど」
「いやネタ不足って言うか…そもそも完成してない訳じゃねえよ、毎日つけてたし」
「余計意味分かんない。」
533:2
10/09/02 00:12:47 zDAZPzsnQ
「いや、あのな。夏祭りも海も森も図書館も全部、お前と一緒に行ったろ」
「だから?」
「だから、今見直したら俺の日記は、お前と~した、ばっかなわけ。」
「ふぅん。…で?」
「え、『で?』って」
「提出出来ない理由」
「だって彼女とかいないのまるわかりだろー?カッコ悪いじゃん」
「…君は不満なの」
「へ」
「君は不満なの、夏休みの大半を僕と過ごしたのが」
「まあそりゃ、俺もお年頃だか…ん?」
「何」
「いや、俺…不満じゃ、ない…っぽいかも。寧ろかなり満足してる、気がする?」
「ならいいでしょ」
「え、あ、そうか?うん、ならいいや」
534:風と木の名無しさん
10/09/02 00:14:08 zDAZPzsnQ
うわ、リロってなかった!
ごめんなさい!